JP2000517024A - 燃料供給装置のボディ部分にユニットを保持するための固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 固定エレメント５０はユニット２０をボディ本体２に保持する。本発明による固定装置の場合、少なくとも１つのばね領域の弾性的なプレロードを介して、保持方向に対して横方向で、ユニット２０と固定エレメント５０との間の確実な電気的な接続が保証される。これにより、ユニット２０を、固定エレメント５０を介して簡単に、規定された電位に接続することができる。固定装置は特に、自動車の内燃機関の燃料供給装置のために設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 燃料供給装置のボディ部分にユニットを 保持するための固定装置 背景技術 本発明は、請求項１に記載の形式の、燃料供給装置のボディ部分にユニットを 保持するための固定装置から出発する。 有利には自動車における、内燃機関の燃料供給装置は、一般的に多数のユニッ トを有している。燃料供給装置においては、燃料ポンプが燃料貯え容器からの燃 料を、種々異なるユニットを介して、燃料が最終的に内燃機関の燃焼室に達する まで圧送する。これらのユニットの１つは、例えば圧力調整器、減圧器、燃料貯 え器、圧力減衰器、燃料フィルタ等である。 これらのユニットの１つ、例えば圧力調整器、もしくは減圧器自体が、もしく はこのユニットの１構成部分が導電性を有していることがあり得る。しかしなが らこの場合、導電性の構成部分もしくはユニットは、例えばユニットが非導電性 プラスチックから成るベース体に配置されることにより、電気的に絶縁されて配 置されている。 導電性の構成部分を有するユニット内では、電気的な電荷分離(Ladungstrennu g)により、導電性の構成部 分の静荷電が生じることがある。導電性の構成部分の静荷電は一般的には問題を 招くことはなく、特に機能妨害を生ぜしめることはないので、導電性の構成部分 の静荷電は通常、認識されないかまたは少なくとも注意されない。例えば圧力調 整器もしくは減圧器の場合のように、燃料が例えば高い流速で狭いギャップを貫 流するようなユニットがあるので、導電性の構成部分の静荷電は極めて強いこと がある。 幾度か、幸い極めて稀にではあるが、燃料供給装置において原因不明の火災も しくは爆発が起こった。本特許出願の発明者の考えによれば、このような説明で きない火災の少なくとも一部は、燃料供給装置の１つのユニットの電気的に絶縁 された構成部分の静荷電に起因するものである。 さほど手間をかけずに燃料供給装置を組み立て可能にするためには、ユニット を燃料供給装置の１つのボディ部分に組み付ける作業手間が少ないこと、さらに 、ユニットがそのボディ部分に確実に保持されることが重要である。 ドイツ連邦共和国特許第４００７４３６号明細書は圧力調整器のための固定装 置を開示している。この圧力調整器は燃料供給装置に、ポット状の収容部を介し て結合されており、この収容部の鍔に係合する固定エレメントによって位置固定 されている。固定エレメントは半径方向外側に向かってばね弾性的に変位するリ ングとして形成されている。このリングはその形状により収容部に係合する。こ のような固定装置の場合、固定エレメントと圧力調整器との間の確実な電気的な 接触接続は保証されていない。さらに、このような固定装置の場合、固定エレメ ントを収容部内に組み込むために特別な工具が必要となる。 圧力調整器と固定エレメントとがあらゆる状況下でも押し合わされることは保 証されていないので、圧力調整器と固定エレメントとの間の長期間にわたる確実 な電気的な接触接続は確実には行われない。 発明の利点 これに対して請求項１に記載の特徴を有する、本発明による固定装置は、あら ゆる状況下において、ユニットと固定エレメントとの間の確実な電気的な接触接 続が保証されているという利点を有している。 ユニットと固定エレメントとの間の確実な電気的な接触接続により、簡単かつ 有利に、ユニットの静荷電を固定エレメントを介して阻止し、これにより危険源 を排除することができる。 固定エレメントを介してユニットの電気的な接触接続を行なうことができるこ とにより、ユニットを規定された電位に接続可能にするために、ユニットに変更 を加える必要がないので有利である。 固定エレメントに、保持方向に対して横方向に良好な弾性を施すことが簡単に できるので、大きな寸法誤 差がある場合でもユニットと固定エレメントとの間の良好な電気的な接触接続を 有利かつ容易に保証することができる。 請求項２以下に記載された手段により、請求項１に記載の固定装置の有利な構 成が得られる。 固定エレメントに接続部を設けることの利点は、簡単に固定エレメントに電気 的な導体を接続することができることである。 接続部が平形差込コンタクトの形で形成されていると、電気的な導体を固定エ レメントに簡単に取り付けることができるという利点が得られる。 固定エレメントが少なくともばね領域で、保持方向に対して横方向に、保持方 向よりも薄く形成されていると、ユニットが保持方向では比較的撓まない状態で ボディ部分に保持されるが、しかし、保持方向に対して横方向では、固定エレメ ントは比較的良好に弾性的に撓んで、ひいては良好にばね弾性的に変位するとい う利点が得られる。 保持方向に対して横方向にばね弾性的に変位して、組み付け状態では固定エレ メントに背後から係合する保持エレメントがボディ部分に設けられていると、固 定エレメントを極めて簡単にボディ部分に組み付けることができるという利点が 得られる。 ロックエレメントによって得られる利点は、固定エレメントをボディ部分に組 み付けたあと、ボディ部分 における固定エレメントの長期にわたる確実な保持が保証され、しかもこの場合 、そのために大きな材料手間が必要となることはなく、特に、ボディ部分に設け られた保持エレメントを比較的に材料節約的に構成することができることである 。 図面 本発明の特に有利な実施例を図面につき以下に詳しく説明する。第１図から第 ７図は種々異なる実施例を、異なる見方で示したものである。 実施例の説明 本発明に基づき構成された固定装置は、燃料供給装置のボディ部分にユニット を保持するために役立つ。この燃料供給装置においては、燃料は内燃機関に供給 される。内燃機関としては、火花点火式エンジンを考慮することができる。燃料 は例えば易燃性のガソリンである。 燃料供給装置は通常、多数の構成部分もしくは種々異なるボディ部分から成っ ている。これらのボディ部分には、１つのユニットまたは大抵の場合複数のユニ ットが組み付けられる。燃料供給装置は例えば、燃料貯え容器をカバーするため の非導電性プラスチックから成るカバーを有している。カバーまたはこのような ボディ部分に、ユニットが組み付けられ、このユニットは例えば圧力調整器また は減圧器であってよい。燃料供給装置の燃料分配管も１つのユニット、例えば圧 力調整器、減圧器、蓄圧器、圧力減衰器、フィルタなどのユニットが取り付けら れるような１つのボディ部分を形成している。燃料供給装置の組み立てを簡単に するために、このユニットは簡単、軽量かつ確実にボディ部分に結合され得るこ とが重要である。 第１図は、好適に選択された、特に有利な第１の実施例を示している。 第１図は、燃料供給装置に所属するボディ部分２を示している。このボディ部 分２は例えば非導電性材料、有利にはプラスチックから成っている。またはこの ボディ部分はその周囲において、このボディ部分が規定された電位に導電接続さ れないように配置されている。 ボディ部分２を種々の通路が通っている。これらの通路のうちの１つが、燃料 流入部４として役立つ。この燃料流入部４を介して、燃料ポンプによって圧送さ れた燃料が流入可能である。燃料ポンプは、図面をより見やすくするために図示 していない。燃料流入部４から分岐した図示していない管路を介して、燃料は例 えば図示していない燃料噴射弁に達する。燃料戻し部として役立つ別の通路を介 して、燃料は例えば、図面を見やすくするために図示していない燃料貯え容器内 に戻すことができる。このような通路を以下、燃料戻し通路６と呼ぶ。 燃料が燃料戻し通路を介して、図面を見やすくする ために図示していない燃料分配管、または、図示していない噴射弁に達する場合 もある。 ボディ部分２には、外方に向いた端面側の段部８が形成されている。この段部 ８は外方に向かって突出するか、または図示の実施例とは異なり、ボディ部分２ 内に沈め込まれた状態で設けられていてよい。端面側の段部８から出発して、円 筒状の旋削加工部１０がボディ部分２内に延びている。この旋削加工部１０に対 して同軸的に、より小さな円筒状の孔１２がボディ部分２内に延びている。旋削 加工部１０は、燃料流入部４との接続部を有しており、孔１２は、燃料戻し通路 ６に接続されている。 旋削加工部１０内にはユニット２０が挿入されている。有利に選択された実施 例の場合、このユニット２０は圧力調整器の形で形成されている。念のために述 べるならば、ユニット２０は例えば減圧弁、蓄圧器、圧力減衰器、燃料フィルタ 、噴射弁等であってもよい。 例示されたユニット２０は、ケーシング２２と、ダイヤフラムユニット２４と 、弁ばね２６と、ガイドリング２８と、シール部材３０と、ディスク３２と、ノ ズル３４と、シール部材３６とを有している。図示の実施例の場合、ケーシング ２２は、第１のケーシング部分２２ａと第２のケーシング部分２２ｂとから成っ ている。ダイヤフラムユニット２４はダイヤフラム２ ４ａと第１の皿部材２４ｂと第２の皿部材２４ｃと閉鎖体２４ｄとを有している 。 両ケーシング部分２２ａ，２２ｂは、縁曲げ結合部を介して互いに不動に結合 されている。縁曲げ結合部に基づいて、ケーシング２２には、半径方向に突出し た環状の膨隆部３８が生じる。この膨隆部３８は、段部８に向いた側で半径方向 に延びる端面３８ｂと、ボディ部分２とは離反した側で半径方向に延びる端面３ ８ａとを有している。ケーシング２２のケーシング部分２２ａは、環状の円筒形 または僅かに円錐形の周壁面２２ｃを有している。 ダイヤフラム２４ａは中心の孔を有している。この孔を介して、ダイヤフラム ２４ａは両皿部材２４ｂ，２４ｃ相互間に密にかつ不動に組み込まれている。ダ イヤフラムユニット２４のダイヤフラム２４ａの外周部は、両ケーシング部分２ ２ａ，２２ｂ相互間の、膨隆部３８を形成する縁曲げ結合部の領域内で密にかつ 不動に締め込まれている。ダイヤフラムユニット２４はケーシング２２内部で、 圧力室４０を弁室４２に対して隔離している。 ノズル３４は、ダイヤフラムユニット２４の閉鎖体２４ｄに向いた内側の端面 を有している。ノズル３４の内側の端面は弁座もしくは弁面３４ｅとして役立つ 。弁面３４ｅを起点にして開口３５が同軸的にノズル３４を通って、燃料戻し通 路６に延びている。圧力室 ４０内で形成された圧力、弁室４２内で形成された圧力、ならびに、弁ばね２６ の力およびノズル３４を通って延びる開口３５内の圧力に応じて、閉鎖体２４ｄ は弁面３４ｅから持ち上がるか、または、閉鎖体２４ｄに設けられた弁面２４ｅ がノズル３４の弁面３４ｅに当て付けられて、開口３５は圧力室４０から分離さ れ、燃料が燃料流入部４からユニット２０を通って燃料戻し通路６内に流入する ことができなくなる。圧力室４０内の圧力が規定値を超えると、可動のダイヤフ ラムユニット２４の弁面２４ｅが、ケーシングに固着された弁面３４ｅから持ち 上がり、燃料が燃料流入部４から弁面２４ｅ，３４ｅ相互間の狭いギャップを通 って燃料戻し通路６内に流入することができる。 ガイドリング２８およびディスク３２は、旋削加工部１０内にユニット２０を 容易に組み込むことを可能にするために使用される。シール部材３０の働きによ り、燃料がボディ部分２の内部から外部に侵出することはなく、シール部材３６ は、燃料戻し通路６を燃料流入部４に対して隔離する。 ボディ部分２には、保持エレメント４４が一体成形されている。この保持エレ メント４４には、固定エレメント５０が掛け込まれている。保持エレメント４４ によって保持された固定エレメント５０はユニット２０をボディ部分２に保持し 、図示の実施例の場合、ユニット２０が旋削加工部１０から脱落することがない ようになっている。 第１図はユニット２０およびボディ部分２の一部の縦断面を示している。第３ 図はボディ部分２と、ユニット２０と、このユニット２０をボディ部分２に保持 する固定エレメント５０とを、組み立てられた状態で示す斜視図である。第２図 は、ボディ部分２とユニット２０と固定エレメント５０とを側方から斜視的に見 た状態で示すいわゆる分解図である。第１図に示された、屈曲して延びる断面平 面は第３図において、一点鎖線で示したＩ−Ｉ線で示唆されている。 全ての図面において同一の、または同作用を有する部分には同一符号を付した 。異なる点について説明、図示しないかぎり、１つの図面に付き述べた点は、他 の実施例にも当てはまる。説明したことから別の点が生じない限り、種々異なる 実施例を互いに組み合わせることも可能である。 第１図から第３図に示した実施例の場合、ロックエレメント５２が設けられて いる。このロックエレメント５２は、有利に選択された実施例の場合、固定エレ メント５０に一体成形された、ばね弾性的なラグ５２ａから形成される。 ボディ部分２には、１つの保持エレメント４４が設けられている。２つまたは ３つ以上の保持エレメントがボディ部分２に一体成形されていてもよい。有利に 選択された実施例の場合、ボディ部分２には２つの保 持エレメント４４，４４’（第２図、第３図、第５図、第７図）が一体成形され ている。保持エレメント４４’は、保持エレメント４４と同様に形成されていて もよい。固定エレメント５０には、１つの切欠き５０ｄ（第４図）、または複数 の切欠きが設けられている。ボディ部分２には２つの保持エレメント４４，４４ ’が設けられているので、固定エレメント５０には、それぞれの保持エレメント ４０，４０’が好適な個所で固定エレメント５０に作用できるように、同形状を 有する２つの切欠き５０ｄ，５０ｄ’が設けられていると有利である。 ロックエレメント５２の他に、複数の別のロックエレメントが設けられていて よい。ボディ部分２には２つの保持エレメント４４，４４’が設けられているの で、固定エレメント５０には２つのロックエレメント５２，５２’が設けられて いると有利である。ロックエレメント５２’はロックエレメント５２と同様に形 成されている。 第１図には、符号５４を有する矢印が示されている。この矢印５４は、固定エ レメント５０がユニット２０をボディ部分２に固持する方向を表している。以下 、この方向を、保持方向５４と呼ぶ。 第４図は固定エレメント５０を詳細に示したものである。 第４図に示した、一例として選択された固定エレメ ント５０の場合、第１図〜第３図に示した実施例とは異なり、ロックエレメント ５２，５２’が省かれている。ロックエレメント５２，５２’以外は、固定エレ メント５０は、第１図〜第４図に示した実施例の場合とほぼ同一に形成されてい る。 固定エレメント５０は、長手方向領域５０ａと長手方向領域５０ａ’と横方向 領域５０ｂと横方向領域５０ｂ’とを有している。この固定エレメント５０は、 曲げられたもしくは打ち抜かれた薄板材料から成っている。横方向領域５０ｂ， ５０ｂ’には、長手方向領域５０ａ，５０ａ’に移行する移行部が屈曲されて形 成されている。固定エレメント５０は、膨隆部３８（第１図）に向いた下面５０ ｇ（第１図）を有している。組み立てられた状態において、下面５０ｇは膨隆部 ３８の端面３８ａに対してほぼ平行に延び、もしくは保持方向５４に対してほぼ 横方向に延びている。長手方向領域５０ａ，５０ａ’と横方向領域５０ｂ，５０ ｂ’との間の移行部が屈曲している（第４図）ことに基づき、長手方向領域５０ ａ，５０ａ’の側面が保持方向５４（第１図）に対してほぼ平行に延びている。 保持方向５４における長手方向領域５０ａ，５０ａ’の広がりは、保持方向５４ に対して横方向で見た長手方向領域５０ａ，５０ｂの厚さよりも著しく大きい。 これにより、横方向領域５０ｂ，５０ｂ’は両長手方向領域５０ａ，５０ａ’を 介してブリッジ状に剛性を 有して互いに結合されているので、横方向領域５０ｂ，５０ｂ’が保持エレメン ト４４，４４’に掛け込まれたあとで、固定エレメント５０はさほど撓むことな しにユニット２０をボディ部分２に保持する。これにより、ユニット２０とボデ ィ部分２との間に、剛性を有する複合体が生ぜしめられる。しかもこの場合、ユ ニット２０に作用する力に基づきユニット２０がボディ部分２から外れることを 危惧せずにすむ。 固定エレメント５０の長手方向領域５０ａ，５０ａ’の間には、自由な間隔５ ０ｃ（第４図）が形成されている。組み立て前には、間隔５０ｃは、ユニット２ ０の外周面２２ｃ（第１図）の直径よりも小さい。長手方向領域５０ａ，５０ａ ’が保持方向５４に対して横方向では極めて薄い一方、長手方向領域５０ａ，５ ０ａ’は保持方向５４に対して横方向で充分に良好にばね弾性的に変位するので 、間隔５０ｃが小さいにもかかわらず、固定エレメント５０はユニット２０のケ ーシング２２の外周面２２ｃに、膨隆部３８に向いた、固定エレメント５０の下 面５０ｇが端面３８ａ（第１図）に当接するまで、さほどの大きな手間なしに被 せることができる。 横方向領域５０ｂには、縁部５０ｆを有する切欠き５０ｄが設けられている。 相応に、横方向領域５０ｂ’にも縁部５０ｆ’を有する切欠き５０ｄ’が形成さ れている。切欠き５０ｄ，５０ｄ’の互いに離反する 側に形成された縁部５０ｆ，５０ｆ’は、図面において符号５０ｅで示した相互 間隔（第４図）を有している。 保持エレメント４４はその外側の端部に保持ヘッド４４ｄを有している。この 保持ヘッド４４ｄには、外方に向いた傾斜面４４ａと、ボディ部分２に向いた保 持面４４ｂ（第１図および第２図）とが形成されている。保持ヘッド４４ｄとボ ディ部分２との間には、保持エレメント４４は弾性的な領域４４ｃ（第１図）を 備えている。この弾性的な領域４４ｃは、保持ヘッド４４ｄと、ボディ部分２に 設けられた保持エレメント４４の根元との間に長細い脚部が設けられることによ って形成されている。両保持エレメント４４，４４’が有利には同一形状を有し ているので、保持エレメント４４’も保持ヘッド４４ｄ’と、傾斜面４４ａ’と 、保持面４４ｂ’と、弾性的な領域とをやはり有している。 縁部５０ｆ，５０ｆ’の相互間隔５０ｅは、固定エレメント５０をボディ部分 ２に向かって押しずらしたとき、縁部５０ｆ，５０ｆ’が傾斜面４４ａ，４４ａ ’に当接するように寸法設定されている。今や固定エレメント５０がボディ部分 ２に押しつけられると、保持ヘッド４４ｄ，４４ｄ’は弾性的な領域４４ｃに基 づいて、縁部５０ｆ，５０ｆ’が保持面４４ｂ，４４ｂ’の側に達するまで半径 方向内側に向かってばね弾 性的に変位する。縁部５０ｆ，５０ｆ’が保持面４４ｂ，４４ｂ’の側に達する と、保持ヘッド４４ｄ，４４ｄ’はばね弾性的に半径方向外側に戻され、保持ヘ ッド４４ｄ，４４ｄ’とスナップ結合するので、固定エレメント５０は縁部５０ ｆ，５０ｆ’で、保持エレメント４４，４４’の保持面４４ｂ，４４ｂ’によっ て保持される。 固定エレメント５０を保持エレメント４４，４４’に被せ嵌める間、保持ヘッ ド４４ｄ，４４ｄ’（第２図）がばね弾性的に半径方向内側に変位させられてい る間は、ラグ５２ａは保持ヘッド４４ｄによって、ラグ５２ａ’は保持ヘッド４ ４ｄ’によって組み付け方向とは反対方向にばね弾性的に変位させられる。保持 エレメント４４，４４’への固定エレメント５０の被せ嵌めが終了するとともに 、保持ヘッド４４ｄ，４４ｄ’が半径方向外側に変位するやいなや、ラグ５２ａ ，５２ａ’も第１図に示した位置にばね弾性的に戻ることができる。この位置に おいてはラグ５２ａは、保持ヘッド４４ｄの、縁部５０ｆとは反対側に位置して おり、ラグ５２ａ’は、保持ヘッド４４ｄ’の、縁部５０ｆ’とは反対側に位置 しているので、場合によっては比較的大きな力が発生しても、ラグ５２ａ；５２ ａ’に基づき、保持ヘッド４４ｄ；４４ｄ’が半径方向内側に変位することはな い。これにより、ラグ５２ａは保持エレメント４４と協働して、ロックエレメン ト５２を形成する。このロックエレメントは、比較的大きな力が発生した時にも 、固定エレメント５０が保持エレメント４４から滑落するのを阻止する。同様に 、ラグ５２ａ’もロックエレメント５２’を形成し、このロックエレメントは、 保持エレメント４４’からの固定エレメント５０の滑落を阻止する。これにより 、保持エレメント４４；４４’の弾性的な領域４４ｃは比較的軟質に形成されて よい。従って、保持エレメント４４，４４’を製造するために大きな材料消費は 必要とならない。 ボディ部分２からの固定エレメント５０の不所望の滑落を確実に排除するため に、ロックエレメント５２，５２’の数を、ボディ部分２に設けられた保持エレ メント４４，４４’の数と等しく選択すると有利である。 保持方向５４で見て、保持面４４ｂとボディ部分２の端面側の段部８（第１図 ）との間の間隔は、固定エレメント５０が保持エレメント４４，４４’に係合係 止でき、しかもその場合、ケーシング２２の膨隆部３８がボディ部分２の端面側 の段部８に押し付けられずに済むように寸法設定されている。このことは、ボデ ィ部分２へのユニット２０の組み付けを著しく簡単にする。組み立てが終了した 状態において保持方向５４で、保持面４４ｂ，４４ｂ’と端面側の段部８との間 に組み込まれた固定エレメント５０と膨隆部３８との 間の僅かな遊びｓ（第１図）が形成される。このような遊びｓにより、固定エレ メント５０の少なくとも１つの長手方向領域５０ａおよび／または５０ａ’を保 持方向５４に対して横方向でケーシング２２に弾性的に圧着させなければ、固定 エレメント５０とケーシング２２相互間の電気的な接触接続は全ての状況下では 保証されない。ガイドリング２８とディスク３２とは有利には非導電性プラスチ ックから成っているので、この場所でも電気的な接触接続は保証されない。さら に、ボディ部分２のための材料として、徐々に非導電性のプラスチックが使用さ れるようになっている。このことは、ユニット２０が電気的に絶縁された状態で 配置されることにつながる。これにより、特に燃料が高い流速でユニット２０を 貫流すると、ユニット２０の静荷電が生ぜしめられるおそれがある。通常の場合 、ケーシング２２は導電性材料、有利には金属から成っているので、ケーシング ２２の静荷電は危険な放電を招くおそれがある。ここで提案した固定装置の場合 、固定エレメント５０とユニット２０のケーシング２２とは良好な電気的な接点 を有しているので、ユニット２０を固定エレメント５０を介して、規定された電 位に接続することが簡単に可能である。これによりユニット２０のケーシング２ ２の静荷電が排除される。 固定エレメント５０自体も容易に所定の電位に、例えば規定の電位に接続され た線材をろう接または溶接 することにより接続することができる。この規定の電位は例えば、自動車のアー スまたは自動車内部の負極または正極である。 規定された電位に固定エレメント５０を接続することを簡単にするために、固 定エレメント５０に接続部６０を設け、この接続部を介して電気的な導体６２（ 第１図）、例えばケーブルの撚り線に簡単に接続することができると有利である 。この接続部６０は、導体６２と固定エレメント５０との確実な電気的な接続を 保証する。電気的な導体６２は規定された電位に通じている。接続部６０は、こ れらの有利に選択された実施例の場合、平形差込コンタクト(Flachsteckkontakt )６０ａの形で形成されている。平形差込コンタクト６０ａは、自動車構造にお いて頻繁に使用されるコネクタ６２ａを固定エレメント５０に簡単に嵌め付ける ことができるように寸法設定されている。このコネクタ６２ａは電気的な導体６ ２に取り付けられる。平形差込コンタクト６０ａを製造するために、固定エレメ ント５０を打ち抜くときに、対応して打ち抜かれた薄板領域が曲げ出されるので 、コネクタ６２ａの容易な嵌め付けが可能になる。 第５図は、別の特に有利な実施例を示している。 第５図に示した実施例の場合、固定エレメント５０は薄板ストリップから成っ ており、この薄板ストリップの形状は第６図に平面図で示されている。 帯材から製造された固定エレメント５０は、平面図で見て、有利には第６図に 示したように成形されている。この帯材は２つの端部を有している。これらの端 部は例えば横方向領域５０ｂの領域内で互いに結合されている。帯材の両端部の 結合は例えば、ホースクリップにおいて一般的であるような形式で行われてよい 。 固定エレメント５０がユニット２０のケーシング２２に被せ嵌められる前には 、長手方向領域５０ａ，５０ａ’は、直径５０ｈを備えた仮想円を有している。 この直径５０ｈを有する仮想円は第６図において一点鎖線で示されている。この 直径５０ｈ（第６図）は、ケーシング２２の外周面２２ｃ（第５図）の直径より も小さく、固定エレメント５０がばね弾性的な材料から成っているので、固定エ レメント５０をケーシング２２に被せ嵌めたあと、長手方向領域５０ａ，５０ａ ’が保持方向５４に対して横方向に弾性的にケーシング２２に緊定される。この ことはこの実施例においても、ケーシング２２と固定エレメント５０との間の確 実な電気的な接触接続のために役立つ。 第５図に示した実施例の場合、固定エレメント４４には半径方向内側に向いた 溝４４ｅが設けられている。これと相応して、保持エレメント４４’も溝４４ｅ ’を有している。固定エレメント５０をケーシング２２に被せ嵌めたあと、固定 エレメント５０を僅かに回 動することによって横方向領域５０ｂを溝４４ｅ内に押し入れることができる。 この場合、横方向領域５０ｂ’も溝４４ｅ’に係合する。固定エレメント５０が 保持方向５４で比較的大きく寸法設定されているので、固定エレメント５０は保 持方向５４で極めて大きな剛性を有しており、ひいてはユニット２０を保持方向 ５４で良好に、かつ撓まずに固持する。他面、固定エレメント５０は、保持方向 ５４に対して横方向では比較的薄い材料から成っているので、長手方向領域５０ ａ，５０ａ’は保持方向５４に対して比較的良好に弾性的に可撓性を有している ので、固定エレメント５０をケーシング２２に容易に被せ嵌めることが可能であ る。 固定エレメント５０には、有利には長手方向領域５０ａ，５０ａ’において、 半径方向外側に突出する膨出部が設けられていてよい。これらの膨出部によって 、固定エレメント５０には、作用個所５０ｋ，５０ｋ’（第６図）が生じる。こ れらの作用個所５０ｋ，５０ｋ’で、工具が容易に干渉可能であるので、長手方 向領域５０ａ，５０ａ’を互いに離反する方向に僅かに引張ることが問題を招く ことはなく、これにより固定エレメント５０をケーシング２２の外周面２２ｃに 容易に被せることが可能になる。 作用個所５０ｋ，５０ｋ’（第６図）を互いに離反する方向に引張ると両横方 向領域５０ｂ，５０ｂ’の 間の間隔が短縮されるので、固定エレメント５０は上記のように回動することな く、膨隆部２２ａの端面３８ａにまで、軸方向でユニット２０のケーシング部分 ２２ａに被せ嵌めることができる。作用個所５０ｋ，５０ｋ’を緩めると、作用 個所５０ｋ，５０ｋ’が半径方向内側に向かってユニット２０の外周面２２ｃに 向かってばね弾性的に変位する。この場合、固定エレメント５０の横方向領域５ ０ｂ，５０ｂ’も半径方向外側に向かってばね弾性的に変位し、ひいては、保持 エレメント４４，４４’の溝４４ｅ，４４ｅ’内に不動に係合する。このことは 、固定エレメント５０の回動なしに、この固定エレメント５０の簡単な被せ嵌め を可能にする。 第５図および第６図に示したように、打ち抜きにより、接続部６０のための平 形差込コンタクト６０ａを固定エレメント５０に一体成形することができ、しか もこの場合、付加的な材料は必要とならない。 第５図および第６図に示した実施例の場合、保持エレメント４４においては、 第１図に示したような弾性的な領域４４ｃが省かれてよい。 第７図は、さらに別の特に有利な実施例を示している。 第７図に示された実施例の場合、保持エレメント４４には、端面側の段部８に 向いた保持面４４ｆが設けられている。保持エレメント４４’も相応の保持面４ ４ｆ’を有している。平鋼から成る固定エレメント５０は、ユニット２０のボデ ィ部分２への組み付け後に、ユニット２０の端面３８ａと、保持エレメント４４ ，４４’の保持面４４ｆ，４４ｆ’との間に挿入される。固定エレメント５０の 挿入後、帯材の両端部が、ホースクリップにおいてしばしば一般的に行われるよ うに一緒に纏められる。これにより、ユニット２０が撓むことなく確実にボディ 部分２に保持されることが保証されると共に、長手方向領域５０ａおよび／また は長手方向領域５０ａ’が保持方向５４に対して横方向で弾性を有していること に基づき、保持方向５４に対して横方向でケーシング２２に弾性的に圧着するこ とにより、ケーシング２２と固定エレメント５０との間の良好な電気的な接触接 続が保証される。 固定エレメント５０を介してユニット２０が電気的に接触接続されることに基 づき、ユニット２０を規定の電位に接続可能にするためにユニット２０に変更を 加える必要がないので有利である。 保持方向５４に対して横方向で固定エレメント５０が良好な弾性を有している ことに基づき、ユニット２０において大きな寸法誤差が生じても、ユニット２０ と固定エレメント５０との間の良好な電気的な接触接続が保証される。 図示の実施例の場合、ユニット２０の外周面２２ｃは円筒形である。外周面２ ２ｃは例えば円錐台形でも よい。この場合、長手方向領域内に設けられた少なくとも１つの弾性的なばね領 域の弾性的なプレロードの方向が相応に適合されて、このばね領域が、保持方向 ５４に対して例えば６０°〜９０°の角度を成してユニットに向かってばね弾性 的にプレロードをかけられていてもよい。 固定エレメント５０はユニット２０をボディ部分２に保持する。ここに提案し た固定装置の場合、少なくとも１つのばね領域５０ａ，５０ａ’の、保持方向５ ４に対して横方向の弾性的なプレロードを介して、ユニット２０と固定エレメン ト５０との間の確実な電気的な接続が保証される。これにより、ユニット２０を 固定エレメント５０を介して、規定された電位に簡単に接続することが可能にな る。この固定装置は特に自動車の内燃機関の燃料供給装置に適している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 燃料供給装置のボディ部分（２）にユニット（２０）を保持するための固定 装置であって、ボディ部分（２）にユニット（２０）を保持方向（５４）で保持 する固定エレメント（５０）が設けられている形式のものにおいて、 固定エレメント（５０）に、少なくとも１つのばね領域（５０，５０ａ’） が設けられていて、該ばね領域が、保持方向（５４）に対してほぼ横方向に、ユ ニット（２０，２２ｃ）に向かってばね弾性的にプレロードをかけられているこ とを特徴とする、燃料供給装置のボディ部分にユニットを保持するための固定装 置。 2. 固定エレメント（５０）に、電気的な導体（６２）を接続するための接続部 （６０）が設けられている、請求項１記載の固定装置。 3. 接続部（６０）が、固定エレメント（５０）に一体成形された平形差込コン タクト（６０ａ）によって形成されている、請求項２記載の固定装置。 4. 固定エレメント（５０）がばね領域（５０ａ，５０ａ’）で、保持方向（５ ４）に対して横方向に、保持方向（５４）よりも薄く形成されている、請求項１ から３までのいずれか１項記載の固定装置。 5. ボディ部分（２）に、固定エレメント（５０）に 背後から係合する少なくとも１つの保持エレメント（４４，４４’）が設けられ ている、請求項１から４までのいずれか１項記載の固定装置。 6. 保持エレメント（４４，４４’）が保持方向（５４）に対して横方向にばね 弾性的である、請求項５記載の固定装置。 7. 固定エレメント（５０）に、固定エレメント（５０）からの保持装置（４４ ，４４’）の解離を阻止するロックエレメント（５２，５２’，５２ａ，５２ａ ’）が設けられている、請求項５または６記載の固定装置。