JP2000516813A - ポリヒドロキシアルカノエートの産生に有用なdna配列 - Google Patents

ポリヒドロキシアルカノエートの産生に有用なdna配列

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Abstract

(57)【要約】 脂肪酸のドゥノボ生合成経路のポリヒドロキシアルカン酸(PHA)合成が欠失しているが脂肪酸のβ酸化経路のPHA生合成は阻害されていないPseudomonas putida KT2440突然変異体の表現型相補性を利用して、phaG遺伝子を担持しているゲノムフラグメントをクローニングした。885bpのphaG遺伝子は、295個のアミノ酸から成る分子量33,876Daのタンパク質をコードしている。脂肪酸のドゥノボ生合成経路のPHA合成条件下でphaGの転写誘発が観察されたが、β酸化による脂肪酸分解経路のPHA合成促進条件下で誘発は全く検出されなかった。phaG遺伝子は細菌及び植物にPHAを産生させるために有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリヒドロキシアルカノエートの産生に有用なDNA配列 発明の背景 発明の分野 本発明は、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)の細胞合成に有用なタンパク 質をコードするDNA配列に関する。これらのDNA配列は、形質転換された微 生物及び植物中で発現され、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を産生し 得る。従来技術の説明 ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)として知られたポリマーのクラスに 属する細胞内ポリエステルの産生は、多数の原核生物で観察されている(And erson and Dawes(1990)Microbiol.Rev.5 4:450)。このポリエステルを構成するモノマーの長さは、C4(3−ヒド ロキシブチレート)からC12(3−ヒドロキシドデカノエート)の範囲である (Lageveenら(1988)Appl.Env.Microbiol.5 4:2924)。このクラスのポリエステルは、従来の石油化学由来のプラスチ ックに代替し得る有望な材料として大いに注目されている。 PHAは概して、それらの主鎖を構成するモノマーに従って特性決定されてい る。C4−C5単位から構成されたポリマーは短鎖長(scl)のPHAとして 分類され、C6単位以上のモノマーを含むポリマーは中鎖長(mcl)のPHA として分類されている。ポリマーの一次構造はポリエステルの物理的特性に影響 を与える。 PHAの形成に導く代謝経路がすべての生物で解明されているのではない。A lcaligenes eutrophusの生合成経路が最も研究の進んだP HA生合成経路である(Peoplesら(1989)J.Biol.Chem .264:15298及びValentinら(1995)Eur.J.Bio chem.227:43)。この生物は、C4のホモポリマー(ポリヒドロキシ ブチレート、PHB)またはC4−C5のコポリマー(PHB−PHV、ポリヒ ドロキシブチレート−ポリヒドロキシバレレート)を形成し得る(Koyama and Doi(1995)Biotechnol.Lett.17:281 )。従って、A.eutrophusはscl PHA生物として分類されてい る。同様に、Pseudomonas 種は、C6からC12の範囲の長さをもつモノマーから構成されたポリマーを産 生し(Timm and Steinbuchel(1990)Appl.En viron.Microbiol.56:3360及びLageveenら(1 988)Appl.Environ.Microbiol.54:2924)、 mcl PHA生物として分類されている。 ヒドロキシアシル−CoA基質の重合は、PHAシンターゼによって行われる 。このクラスの酵素の基質特異性は、PHAを産生する生物に応じて異なってい る。PHAシンターゼの基質特異性のこのような多様性はヘテロロガス発現の研 究で観察された間接証拠によって確認されている(Leeら(1995)App l.Microbiol.Biotechnol.42:901及びTimmら (1990)Appl.Microbiol.Biotech.33:296) 。従って、ポリマーの主鎖の構造は、該ポリマーを形成させるPHAシンターゼ による影響が大きい。 rRNA相同グループIに属する蛍光性psuedomonadsは、炭素原 子数6〜14の範囲の炭素鎖長をもつ種々の飽和及び不飽和のヒドロキシ脂肪酸 から成るポリヒドロキシアルカン酸 (PHA)を大量に合成し蓄積し得る(Steinbuchel and Va lentin(1992)FEMS Microbiol.Rev.103:2 17)。これらの細菌から単離されたPHAはまた、分枝状、ハロゲン化、芳香 族またはニトリル側鎖のような官能基をもつ成分を含有している(Steinb uchel and Valentin(1995)FEMS Microbi ol.Lett. 128:219)。PHAの組成は、PHAポリメラーゼ系 、炭素源及び代謝経路に依存する(Anderson and Dawes(1 990)Microbiol.Rev.54:450;Egginkら(199 2)FEMS Microbiol.Rev.105:759;Huisman ら(1989)Appl.Microbiol.Biotechno1.55: 1949;Lenzら(1992)J.Bacteriol.176:4385 ;Steinbuchel and Valentin(1995)FEMS Microbiol.Lett.128:219)。P.putida中では、 PHAシンターゼの基質となる3−ヒドロキシアシル補酵素Aチオエステルを合 成するための少なくとも3つの異なる代謝経路が存在する(Huijberts ら(1994)J.Bac teriol.176:1661)。即ち、(i)脂肪酸を炭素源として使用す るときの主要経路となるβ−酸化、(ii)グルコネート、アセテートまたはエ タノールのようなアセチル−CoAに代謝される炭素源で増殖するときの主要経 路となる脂肪酸のドウノボ生合成、(ii)アシル−CoAがアセチル−CoA と縮合して2炭素の鎖延長β−ケト生成物を形成し、次いでこれが3−ヒドロキ シアセチル−CoAに還元される鎖延長反応、の経路が存在する。この最後の経 路は、ヘキサノエートで増殖するときのPHA合成に関与する。 Alcaligenes eutrophusのようなポリヒドロキシ酪酸を 蓄積する細菌中では、PHAMCLシンターゼの一次構造の相同性がPHASC Lシンターゼに拡大されるので(Steinbuchelら(1992)FEM S Microbiol.Rev.103:217)、PHAMCLシンターゼ の基質は(R)−3−ヒドロキシアシル−CoAであるらしいと考えられる。グ ルコネートのような非近縁基質に由来のP.putida KT2442のポリ エステルの主成分は3−ヒドロキシデカノエートであるが、3−ヒドロキシヘキ サノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシ ドデカノエート、3−ヒドロキシドデセノエート、3−ヒドロキシテトラデカノ エート及び3−ヒドロキシテトラデセノエートが少量成分として生じる(Hui jbertsら(1994)J.Bacteriol.176:1661)。従 って、PHAポリメラーゼの基質として作用できるように、アシルキャリヤータ ンパク質のヒドロキシアシル残基が対応するCoA誘導体に変換されると考えら れる。これは、(R)−3−ヒドロキシアシルトランスフェラーゼに介在される 1段階反応(ACPからCoA)である。あるいは、3−ケトまたは直鎖のよう な異なる官能基レベルでアシル基の転移が生じ、得られたアシル−CoAが図1 に示すように別の酵素の作用によって3−ヒドロキシレベルに変換されることも 考えられる。また、直接転移に加えて、遊離脂肪酸がチオエステラーゼによって 遊離され次いで活性化されてCoA誘導体となる二段階プロセスの可能性も考え られる。これは図1に示すようにアシル−ACPのいずれかのレベルで生じるで あろう。 このような酵素はPHAを産生する組換え生物の代謝操作に有用であり得ると 考えられるので、この変換に関与する(1つまたは複数の)タンパク質の解明は 実用面で重要である。例え ば、油を産生する植物(例えば、キャノーラまたは大豆)の種子中で(R)−3 −ヒドロキシアシルトランスフェラーゼが発現すると、アシル基が脂質合成(A CP−結合状態)からポリマー産生(CoA−結合状態)に直接転移され得る。 あるいは、同じ反応がチオエステラーゼ及びリガーゼの順次使用によって達成さ れる。 本文中に記載したphaGの単離は、脂質合成をポリマー産生に関連させる酵 素の単離の一例である。使用された方法はこのような遺伝子を細菌中で単離する モデル方法を提供する。発明の概要 本発明は、脂肪酸生合成とPHA産生との関連に関与するタンパク質をコード するヌクレオチド配列を含む単離DNAフラグメントを提供する。このフラグメ ントは、Pseudomonas putida KT2440を単純糖質基質 (例えばグルコネート)で増殖させるときに、この生物中でPHAを産生するた めに必須であることが判明したタンパク質をコードするPseudomonas putida KT2440由来のphaG遺伝子を含む。“phaG”と命 名されたこの遺伝子及びこの遺伝子によってコードされたタンパク質PhaG、 並びに、これらと生物学的機能の等価物はそれそれ、植物を含む原核性及び真核 性の生物中でPHAの新規なコポリマーを産生するために他のPHA生合成酵素 と共に使用され得る。PHAシンターゼをコードする遺伝子を非限定例とする別 のPHA生合成遺伝子と共にphaG遺伝子またはその等価物を含んでおり且つ これらを発現し得る形質転換細菌及びトランスジェニック植物は、脂肪酸のドウ ノボ合成経路で単純炭素源からヒドロキシアシル−CoA基質を形成でき、従っ て、石油化学由来のプラスチックと同様の物理的特性を有する新規な生分解性ポ リエステルを産生し得るであろう。 本発明はまた、脂質生合成の中間体をPHA生合成の中間体に変換するプロセ スに関与するタンパク質をコードする遺伝子を当業者が単離、同定及び特性決定 できるような方法を提供する。特に、PHA生合成のためにアシル−ACPをア シル−CoAに直接変換させ得るCoA−ACPアシルトランスフェラーゼをコ ードする遺伝子を同定する方法が記載されている。 本発明の更に広い応用範囲は以下の詳細な記載から明らかにされるであろう。 しかしながら、以下の詳細な記載及び特定実施例は本発明の好ましい実施態様を 単なる代表例として示した ものであり、本発明の要旨及び範囲内の種々の変更及び修正は以下の詳細な記載 から当業者に明らかであろう。図面の簡単な説明 本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点は添付図面を参照した以下の詳 細な記載からより十分に理解されよう。これらの図面及び記載はすべて本発明の 代表例であり、本発明はこれらに限定されない。 図1は、脂肪酸のドゥノボ生合成経路のPHA合成中にPhaGによって触媒 されて生じることが可能な反応の概略図である。チオエステラーゼ/リガーゼの 組合せはアシルトランスフェラーゼに関して詳細に図示しているアシル−ACP 形態のいずれかに対して活性であり得ると考えられる。 図2は、P.putida KT2440 phaG遺伝子の遺伝子座の分子 編成を表しており、 (a)は、phaG遺伝子を含むE3フラグメントの部分制限地図であり、 (b)は、制限サブフラグメントE3、SF22及びBH13を示しており、 (c)は、phaGの構造遺伝子の位置を、矢印で示すプロ モーターと共に表す。 配列1は、P.putida KT2440 PhaGタンパク質の推定アミ ノ酸配列を示す。 配列2は、フラグメントE3のヌクレオチド配列を示し、phaGをコードす るDNAフラグメントのコーディング鎖を911位から1795位で示す。発明の詳細な説明 当業者が本発明を容易に実施できるように本発明を以下に詳細に記載する。し かしながら、当業者は本発明の要旨及び範囲から逸脱することなく本文に記載の 実施態様を修正及び変更できるので、以下の詳細な記載が本発明を不当に限定す ると理解してはならない。 本文中に引用した参考文献は本発明が属する技術分野の技術レベルの証拠とな る。これらの各参考文献の記載内容全部はそれらに引用されている参考文献と共 に参照によって本発明に含まれるものとする。 P.putida KT2440 PHAGN突然変異体は脂肪酸のドゥノボ 生合成経路で生じるPHA生合成の支流だけで欠失している。発明者らは、この 突然変異体の表現型相補性 検定によってphaGをP.putidaのPHA生合成に好適な新規な遺伝子 座として同定し特性決定した。PHAGN突然変異体中のβ−酸化を経由するP HA合成経路は阻害されていなかった。PHAGN突然変異体はP.aerug inosa PAO1のPHA−シンターゼ遺伝子座及び隣接のゲノム領域で相 補されなかった。対照的に、どの基質においてもPHA合成が完全に欠損してい たP.putida KT2440の突然変異体はP.aeruginosaの PHAシンターゼ遺伝子座によって相補された。従って、PHAGN突然変異体 は、PHA−シンターゼ遺伝子座が欠失しているのでなく、phaGがPHAシ ンターゼ遺伝子座に密接に関連していない可能性が大きい。更にphaGは一般 には、P.putida KT2440中のPHA合成に必須ではなく、PHA 合成が開始される前にこの生物中でアセチル−CoAに異化代謝されるグルコネ ートまたはその他の単純炭素源(例えば、グルコース、スクロース、フルクトー スまたはラクトース)からPHAを合成し蓄積するためだけに必要とされる。図 1はPhaGによって触媒されることが考えられる反応を示しており、これらの 反応のいずれかが阻止されると突然変異体の表現型が与えられる。 標識試験、核磁気共鳴(NMR)分光分析及びガスクロマトグラフィー−質量 分光分析(GC−MS)の結果から、Egginkら(1992)FEMS M icrobiol.Rev.105:759並びにHuijbertsら(19 92)Appl.Environ.Microbiol.58:536及び(1 994)J.Bacteriol.176:1661は、単純炭素源からのPH A生合成の前駆体が主として脂肪酸のドゥノボ生合成経路で生じる(R)−3− ヒドロキシアシル−ACP中間体に由来すると結論した。PHB及びPHAの成 分がR−配置で存在するので、PHASCL及びPHAMCLのシンターゼは高 度に相同であり、脂肪酸代謝の中間体は重合以前に(R)−3−ヒドロキシアシ ル−CoAに変換され易い。しかしながら、別のPHA合成経路も有り得ると考 えられる。現在では、(R)−3−ヒドロキシアシル−ACPチオエステルがP HA合成の直接基質であるという可能性も排除できない。想到される別の代替経 路としては、チオエステラーゼの活性による遊離脂肪酸の放出がある。次いで、 この脂肪酸がリガーゼによって活性化され、対応するヒドロキシアシル−CoA チオエステルになる。更に、ACPからCoAへのアシル転移リン クが3−ヒドロキシチオエステルレベルでなく図1に示す別のアシル官能基レベ ルに存在する可能性も考えられる。 P.putida KT2440の突然変異誘発は、グルコネートからのPH Aの生合成が完全に欠損した突然変異体を生じなかった。発明者らは、グルコネ ートで増殖させたときに細胞乾燥重量(CDW)のわずか3%のPHAを蓄積し た5つの突然変異体(以後の記載ではサブクラスIの突然変異体と呼ぶ)及び5 〜16%のCDWを蓄積した3つの突然変異体(サブクラス11)を同定した。 検出可能な範囲では、全部の突然変異体がこの経路の典型的なモノマー組成のポ リエステルを含んでいた。しかしながら、得られた突然変異体の分析、相補性検 定、phaGのゲノム編成は、P.putida KT2440中で単純炭素源 からPHAを合成するために必須の別のタンパク質が存在するという徴候を全く 示さなかった。従って、グルコネートからPHAを合成するためには、オクタノ エートからのPHA合成には不要である追加の特異的酵素段階が1つだけ必要で あると考えられる。サブクラスIの突然変異体によるPHAの蓄積が少ないこと は上記の経路が存在することを証明しており、この経路は極めて低い効率でPh aG依存性経路に 並列に作用する。サブクラスIIの突然変異体によるPHAの蓄積が比較的多い ことは、部分的に活性のphaG遺伝子産物を残すような漏れ易い(leaky )突然変異の結果であると考えられる。 phaGがP.aeruginosaのrhlA及びqin領域のそれそれに 対して有している高い相同性は、これらのタンパク質の機能に類似の機能を示し ている。“キノリン感受性タンパク質”の正確な機能はまだ記載されたことがな い。ナリジキシン酸のようなキノロンは、P.aeruginosaのようなグ ラム陰性菌に対して強力な抗菌作用を示す合成抗生物質である。rhlA遺伝子 の産物はP.aeruginosaPG201のラムノリピド生合成に関与する 。P.aeruginosaラムノリピド生体界面活性剤は後期対数増殖期及び 定常増殖期中に合成れる。ラムノリピド生合成は、グリコシルの逐次転移反応に よって進行する。各転移反応は特異的ラムノシルトランスフェラーゼによって触 媒され、TDP−ラムノースはラムノシルドナーとして作用し、3−ヒドロキシ デカノイル−3−ヒドロキシデカノエートまたはL−ラムノシル−3−ヒドロキ シデカノイル−3−ヒドロキシデカノエートはアク セプターとして作用する。このことはBurgerら(1963)J.Biol .Chem.238:2595及び(1966)Methods Enzymo l.8:441に記載されている。3−ヒドロキシデカノエートはβ−酸化経路 または脂肪酸生合成経路で形成され得る(Boulton and Rastl edge(1987)Biosurfactants and Biotech nology p.47)。2個のヒドロキシデカン酸分子から成る二量体は縮 合によって形成される。しかしながらこの段階の正確なメカニズムは未知である 。RhlAは、ラムノシルートランスフェラーゼ(RhlB)と共に同時発現さ れるとき、単離されたrhlB遺伝子の発現に比べて、P.aeruginos a PG201のラムノリピド陰性突然変異体中のラムノリピドのレベルを有意 に増進させる。アミノ酸分析によって、RhlAのN末端の推定シグナルペプチ ドが判明した。これらの結果から、Ochsnerら(1994)J.Biol .Chem.269:19787は、RhlRタンパク質がラムノシルトランス フェラーゼ前駆体基質の合成または輸送に関与していること、及び、RhlAが 細胞質膜中のRhlBタンパク質の安定に必要であることが示唆さ れた。PhaGのN−末端領域はまた、極性N−ドメイン、疎水性H−ドメイン 及びより低度に疎水性のC−ドメインのようなグラム陰性細菌中で見出されるシ グナルペプチドに共通の特性を幾つか有しているが、典型的な第二ターン及びC −ドメインの推定リーダーペプチダーゼ開裂部位は欠失している。短いリーダー 配列があるので、PhaGは最初は別の経路に関与していたが生物の進化中に機 能変化を生じたということも考えられる。 脂肪酸生合成によって生じる3−ヒドロキシアシル−ACP中間体は恐らくは 、グルコネートからPHA及びラムノリピドを生合成する双方の経路に共通の中 間体であろう。ACP誘導体がそれ自体ではPHAシンターゼの基質またはラム ノリピド生合成中の2つの3−ヒドロキシデカノイル部分の縮合に関与する酵素 の基質として作用しないとしても、ACP誘導体は対応するCoA誘導体に直接 トランスエステル化されるかまたはチオエステラーゼとリガーゼとの組合せ作用 によってCoAチオエステルに転移されるかもしれない。従って、図1を参照す ると、PhaGは、(R)−3−ヒドロキシアシル−ACPから(R)−3−ヒ ドロキシアシル−CoA誘導体への変換を触 媒する(R)−3−ヒドロキシアシルCoA−ACPアシルトランスフェラーゼ であるかもしれない。(R)−3−ヒドロキシアシル−CoA誘導体は、Pse udomonads中で非近縁の基質からPHA重合を行う最終前駆体として作 用する。このことは、Egginkら(1992)FEMS Microbio l.Rev.105:759及びvan der Leij and With olt(1995)Can.J.Microbiol.41,Supp.1:2 2に記載されている。あるいは、PhaGは上記の3−ヒドロキシ官能性以外の アシル基特異性をもつCoa−ACPアシルトランスフェラーゼであるかもしれ ない。または、PhaGは特異的チオエステラーゼまたはリガーゼに関連した活 性を有しているかもしれない(図1参照)。更に、PhaGは触媒酵素でなく、 アシル基転移反応またはチオエステラーゼもしくはリガーゼ活性を触媒する触媒 タンパク質複合体を安定または調節するタンパク質であるかもしれない。定義 本発明の詳細な記載が当業者に理解し易いように本文中に使用した用語を以下 に定義する。 “ACP”はアシルキャリヤータンパク質を意味する。 “CoA”は補酵素Aを意味する。 “CoA−ACPアシルトランスフェラーゼ”または“アシルトランスフェラ ーゼ”は、ACPとCoAとの間のアシル基転移を触媒する酵素を意味する。 “C−末端領域”は、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質の鎖の中央から遊 離カルボキシル基を有しているアミノ酸を担持する末端までの領域を意味する。 “プロモーター領域にヘテロロガスなDNAセグメント”なる表現は、コーデ ィングDNAセグメントが本来は、該セグメントと結合状態にあるプロモーター と同じ遺伝子中には存在しないことを意味する。 “コーディングDNA”なる用語は、本文中に記載の酵素のいずれかをコード する染色体DNA、プラスミドDNA、cDNAまたは合成DNAを意味する。 細菌に使用されたときの“ゲノム”なる用語は、細菌宿主細胞中の染色体及び プラスミドの双方を包含する。従って、細菌宿主細胞に導入される本発明のコー ディングDNAは染色体に組込まれてもよくまたはプラスミドに局在してもよい 。植物細 胞に使用されたときの“ゲノム”なる用語は、核の内部に見出される染色体DN Aだけでなく、細胞レベル以下の細胞成分内部に見出されるオルガネラDNAを 包含する。従って、植物細胞に導入される本発明のDNAは染色体に組込まれて もよくまたはオルガネラに局在してもよい。 “リガーゼ”なる用語は、遊離脂肪酸の活性化を触媒してCoAチオエステル を産生させる触媒を意味する。 “微生物”または“微小動植物”なる用語は、藻類、細菌、真菌類及び原生動 物を意味する。 “ミューテイン(mutein)”なる用語は、ペプチド、ポリペプチドまた はタンパク質の突然変異形態を意味する。 “N−末端領域”は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の鎖の遊離ア ミノ基を有するアミノ酸から鎖の中央までの領域を意味する。 “超発現”なる用語は、宿主細胞に導入されたDNAによってコードされたポ リペプチドまたはタンパク質の発現に関する用語であり、該ポリペプチドまたは タンパク質が通常は宿主細胞中に存在しない場合、または、該ポリペプチドまた はタンパク質がそれらをコードする外因性遺伝子から正常に発現される レベルよりも高いレベルで宿主細胞中に存在する場合を表している。 “プラスチド(色素体)”なる用語は、アミロプラスト、葉緑体、クロモプラ ロスト、エライオプラスト、エオプラスト、エチオプラスト、白色体及びプロプ ラスチド(原色素体)を含む植物細胞オルガネラのクラスを意味する。これらの オルガネラは、自律複製性であり、“葉緑体ゲノム”という通称で呼ばれる環状 DNA分子を含む。このDNA分子は植物の種類次第で約120〜約217kb の範囲のサイズを有しており、通常は逆方向末端反復配列を含んでいる。 “PHA生合成遺伝子”及び“PGA生合成酵素”なる表現は、PHA産生経 路の同化反応に導く遺伝子または酵素を意味する。 “ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)シンターゼ”なる表現は、ヒドロ キシアシル−CoAをポリヒドロキシアルカノエートと遊離CoAとに変換する 酵素を意味する。 “単純糖質基質”なる表現は、単糖またはオリゴ糖を意味するが多糖を意味し ない。単純糖質基質は、グルコース、フルクトース、スクロース、ラクトースを 包含する。コーンシロップ、 デンプン及び糖蜜のような媒体中で常用されるより複雑な糖質基質は単純糖質基 質まで分解され得る。 “チオエステラーゼ”なる用語は、アシル−ACP基から遊離脂肪酸とACP とを生じる加水分解を触媒する酵素を意味する。材料及び方法 細菌の増殖 : 大腸菌は、ルリア−ベルタニ(LB)培地で37℃で増殖させた。Pseud omonadsは、栄養ブイヨン(NB;0.8%,wt/vol)の複合培地 または0.05%(w/v)のアンモニアを加えた無機塩培地(MM)(Sch legelら(1961)Arch.Mikrobiol.38:209)で3 0℃で増殖させた。ポリエステル分析 : 細菌のポリエステル含量を測定するために、3〜5mgの凍結乾燥細胞材料を 15%(v/v)の硫酸の存在下でメタノール分解処理した。得られた3−ヒド ロキシアルカン酸成分のメチルエステルを、Brandtら(1988)App l.Environ.Microbiol.54:1977のガ スクロマトグラフィー(GC)を最近詳細に記載された手順(Timm and Steinbuchel(1990)Appl.Environ.Micro biol.56:3360)で行うことによって検定した。RNA及びDNAの単離 : 全DNAは、Oelmullerら(1990)J.Microbiol.M eth.11:73に記載の手順で単離した。プラスミドDNAは粗溶菌液から アルカリ抽出手順(Birnboim and Doly(1979)Nucl .Acids Res.7:1513)によって調製した。全ゲノムDNAはA usubelら(1987)Current Protocols in Mo lecular Biology,John Wiley & Sons,NY ,USAに従って単離した。DNAの分析及び操作 : 単離したプラスミドDNAは、種々の制限エンドヌクレアーゼを用いて、Sa mbookら(1989)Molecular Cloning:A Labo ratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Ha rbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NYまたは製造業者によって記載された条件下で消化した。DN A制限フラグメントは、Genecleanキット(Vogelstein,B .and D.Gillespie(1979)Proc.Natl.Acad .Sci.USA 76:615)を用いてアガロースゲルから単離した。DNAの導入 : 形質転換のためには、20mMのMgCl2を含むLB培地で大腸菌を好気的 に増殖させた。コンピテント細胞を調製し、Sambookら(1989)Mo lecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laborator y Press,Cold Spring Harbor,NYによって記載さ れた塩化カルシウム手順を用いて形質転換させた。P.putida KT24 40突然変異体(レシピエント)とハイブリッドドナープラスミドを担持する大 腸菌S17−1(ドナー)との交配は、“ミニ相補性検定(minicompl ementation)”に基づいて行った。300μlの濃縮レシピエント細 胞懸濁液(OD436mm=100)を1.5%のグルコネートまたは0.3% のオクタノ エートと25mg/リットルのテトラサイクリンを補充したMM培地寒天プレー トに流した。5分間のインキュベーション後、異なる50個のドナー菌株の細胞 をコロニーから楊枝でレシピエント層を含む寒天プレートの各々に移した。プレ ートを30℃で36時間インキュベートした。オリゴヌクレオチドの合成 : Gene Assembler Plus装置を用い製造業者(Pharma cia−LKB,Uppsala,Sweden)によって提供されたプロトコ ルに従ってデオキシヌクレオシドホスホアミジット(Beaucage and Caruthers(1981)Tetrahedron Lett.22: 1859)から0.2μlの部分量で合成オリゴヌクレオチドを合成した。オリ ゴヌクレオチドを支持体マトリックスから遊離させ、25%(vol/vol) アンモニア中、55℃で15時間のインキュベーションによって保護基を除去し た。最後に、オリゴヌクレオチドをNAP−5カラム(Pharmacia−L KB,Uppsala,Sweden)に通すことによって精製した。DNA配列解析 : T7−ポリメラーゼ配列決定キットを製造業者(Pharmacia−LKB ,Uppsala,Sweden)のプロトコルに従って用い、dGTPの代わ りに7−デアザグアノシン5’−三リン酸(Mizusawa,S.ら(198 6)Nucl.Acids Res.14:1319)及び〔α35S〕−dA TPを用い、Sangerら(1977)Proc.Natl.Acad.Sc i.USA 74:5463によるジデオキシ−チェーンターミネーション法を 用いることによって、一本鎖または二重鎖のアルカリ変性プラスミドDNAに対 するDNA配列決定を行った。合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして使用 し、“プライマー−ホッピング戦略”(Strauss,E.C.ら(1986 )Anal.Biochem.154:353)を使用した。配列決定反応の生 成物を、S2−配列決定装置(GIBCO/BRL Bethesda Res earch,Laboratories GmbH,Eggenstein,G ermany)中で、100mMの塩酸塩、83mMのホウ酸、1mMのEDT A及び42%(wt/vol)の尿素を含有するバッファ(pH8.3)中の8 %(w t/vol)のアクリルアミドゲルで分離し、X線フィルムで可視化した。配列データの分析 : 配列解析ソフトウェアパッケージ(Sequence Analysis S oftware Package)(Version 6.2,1990年6月 )を使用し、Devereuxら(1984)Nucl.Acids Res. 12:387によって、核酸配列データ及び推定アミノ酸配列を分析した。転写開始部位の決定 : ヌクレアーゼ保護アッセイによって転写開始部位の決定を行った。S1ヌクレ アーゼ保護アッセイのハイブリダイゼーション条件は、Berk and Sh arp(1977)Cell 12:721及びSambrookら(1989 )Molecular Cloning:A Laboratory Manu al,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Labora tory Press,Cold Spring Harbor,NYに詳細に 記載された条件を用い、S1ヌクレアーゼ反応はAldeaら(1988)Ge ne 65:101に記載された方法で行った。シグナルのサイズを決めるDN Aプローブ及びデオキシヌクレオチドの配列決定反応は、pBluescrip t SK−BH13 DNA(表1及び図1)を鋳型として行った。アニーリン グ反応では、それぞれ、887〜871位に相補的なオリゴヌクレオチド(5’ −GGGTATTCGCGTCACCT−3’)及び986〜970位に相補的 なオリゴヌクレオチド5’−CCGCATCCGCGCGATAG−3’を〔35 S〕標識のために使用した。全部のマッピング実験では、25μgのRNAを標 識DNAフラグメントと混合した。特異的標識率は1μgのDNAあたり107 cpmを上回っていた。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR) : Omingeneサーモサイクラー(Hybaid Ltd.,Teddin gton,U.K.)及びVentポリメラーゼ(New England B iolabs GmbH,Schwalbach,Germany)を使用し、 Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A L aboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NYに従って100μl 容量でPCR増幅を行った。部位特異的突然変異誘発のために、以下のヘテロロ ガスプライマーを(5’から3’の方向で)使用した:人工のBamHI部位及 びNdeI部位を含むTTTGCGCCAGGATCCGATCATATGAG GCCAGAAATC、及び、phaGの下流に天然型HindIII部位を担 持しているGTTATAAAAAAGCTTTGTCGGCG。細胞抽出物の調製 : 約1g(湿潤重量)の大腸菌細胞を、1mlのバッファA(1mlあたり20 0μgのフェニルメチルスルホニルフルオリドを補充した50mMのトリス塩酸 塩;pH7.4,0.8%’vol/vol)のトリトン−X100、10mM の塩化マグネシウム、10mMのEDTA)に浮遊させ、W250音波処理装置 (Branson Schallkraft GmbH,Germany)中で 14μmの振幅で1分間音波処理することによって破壊した。4℃、50,00 0×gで30分間遠心することによって可溶性細胞画分が上清として得られた。電気泳動法 : ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及びメルカプトエタノールで変性したタン パク質を、トリス−グリシンバッフア(25mMのトリス、190mMのグリシ ン、0.1%(wt/vol)のSDS(Laemmli,1970)中の11 .5%(wt/vol)のポリアクリルアミドゲルで分離した。タンパク質をク ーマシーブリリアントブルー(Weber and Osborn,1969) で染色した。化学物質 : 制限エンドヌタレアーゼ、DNA検出キット、RNA分子量マーカー、T4 DNAリガーゼ及びDNA修飾酵素は、Lifetechnologies G mbH(Eggenstein,Germany)から入手した。RNアーゼ非 含有DNAアーゼ、アガロースNA及びホスホアミジットは、Pharmaci a−LKB(Uppsala,Sweden)から入手した。ホルムアルデヒド は、Sigma Chemical Co.(Gauting,Germany )から入手した。ホルムアミド、臭化エチジウム及びEDTAは、Serva Feinbiochemica GmbH & Co.(Heidelberg ,Ge rmany)から入手した。複合培地は、Difco Laboratorie s(Detroit,USA)から入手した。その他の全部の化学物質は、E. Merck AG(Darmstadt,Germany)から入手した最高純 度の製品であった。実施例1 脂肪酸のドゥノボ生合成経路のPHA合成が欠損した突然変異体の単離 PHA代謝が阻害されたP.putida KT2440の突然変異体を得る ために、Millerら(1972)に従ってニトロソグアニジン突然変異誘発 を行った。1mlあたり200μgのN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソ グアニジンの存在下で細胞を15分間インキュベートした。適宜希釈した細胞浮 遊液を、0.05%(w/v)のアンモニアと単独炭素源となる1.5%(w/ v)のグルコン酸ナトリウムとを含む無機塩培地(MM)−寒天プレートで平板 培養した。コロニーの混濁度の違いに基づいてPHA蓄積細胞とPHA非蓄積細 胞とを識別した。PHAシンターゼ遺伝子座が欠失しておりどの基質からもPH Aを合成しなかった突然変異体と、脂肪酸のドゥノボ生合成経路のPHA合成だ けが欠失していた突然変異 体とを識別するために、透明コロニーの細胞もMM−グルコネートプレートから 0.3%のオクタン酸ナトリウムを含むMM−寒天プレートに移した。グルコネ ート寒天プレートでは透明コロニーを形成したがオクタノエート寒天プレートで は不透明コロニーを形成した突然変異体を、PHAGN表現型突然変異体と命名 した。これらを液体培地で2日間増殖させ、細胞をガスクロマトグラフィーで処 理して、PHAの含量及び組成を分析した。発明者らは、細胞乾燥重量(CDW )の3%以下の僅かなPHAを蓄積した5つの突然変異体(以後サブクラスIの 突然変異体と呼ぶ)とグルコネートで増殖させたときに5〜16%のCDWを蓄 積した3つの突然変異体(サブクラスII)とを同定した。表1参照。双方のサ ブタラスの代表は、オクタノエートを唯一の炭素源として培養したときには正常 量のPHA(CDW85%以下)を蓄積した。ポリマーの組成は検出可能な範囲 では変化していなかった。これらの突然変異体はオクタノエートまたはグルコネ ートで細胞増殖が阻害されることはなく野生型と同じ速度で増殖した。これらの 突然変異体に加えて、グルコネート及びオクタノエートからのPHAの合成が欠 損した2つの突然変異体が得られた(表1参照)。従って、これらの突然変異体 は既に 単離されていた突然変異体P.putida GpP104(Huismanら (1992)Appl.Environ.Microbiol.58:536) と同じ表現型を示した。 本発明では化学的突然変異誘発を使用したが、その他の多くの化学的、生物学 的及び物理学的な突然変異体作製方法(例えば、他の突然変異誘発物質、トラン スポゾンまたはUV光)は当業者に明らかであろう。 表1.この試験で使用した細菌株プラスミド、バクテリオファージ及びDNAフ ラグメント 実施例2 脂肪酸のドゥノボ生合成経路のPHA合成が阻害された突然変異体の相補性 EcoRI消化したP.putida KT2440のゲノムDNAのライブ ラリーを、大腸菌S17−1中のコスミドベクターpVK100(Knauf and Nester(1982)Plasmid 8:45)及びGigap ack II Gold Packaging Extract(Strata gene Cloning Systems,La Jolla Calif. )によって構築した。約5,000のトランスダクタント(形質導入体)に対し 、PHAGNI型突然変異体2:1をレシピエントとして用いてミニ相補性検定 を行った。1.5%のグルコネートを補充したMM−寒天プレートで30℃で2 日間インキュベーション後、トランスダクタントコロニーの混濁度によって表現 型の相補性を観察した。ハイブリッドコスミドの1つ(pVK100::K18 )が3つのEcoRIフラグメント(3、6及び9kb)を担持し、PHAGN 1突然変異体はアセチル−CoA経路で異化代謝された炭素源からのPHAの蓄 積を再開していた。これらのフラグメ ントを、EcoRI消化した広宿主域ベクターpMP92(Spainkら(1 978)Plant Mol.Biol.9:27)にサブクローニングし、次 いで突然変異体2:1に接合的に導入させると、3kbpのEcoRIフラグメ ントが相補性であることが判明した。このフラグメントをE3(図2)と命名し た。このフラグメントはこの表現型を示す8個の単離フラグメントのすべてに相 補性であった。Pseudomonasaeruginosa PAO1の7. 3kbpの完全PHAシンターゼ遺伝子座とこの遺伝子伝座の上流領域の約13 kpbとを含むハイブリッドコスミドpHP1016::PP2000、または 、P.aeruginosa PAO1のphaC2遺伝子と下流隣接領域の約 16kbpとから成るハイブリッドコスミドpHP1016::PP180は相 補性でなかった(Timm and Sternbuchel(1992)Eu r.J.Biochem.209:15)。この試験に使用したPHA合成が完 全に欠損していた2つの突然変異体はpHP1016::PP2000ハイブリ ッドコスミドに相補性であったが、phaC2遺伝子の上流の機能性プロモータ ーの欠失したpPH1016::PP180構築物またはプラスミド pVK100::K18に相補性でなかった。 E3フラグメントを含むプラスミドを担持している突然変異体NK2:1は、 1995年4月12日にDeutsche Sammlung Von Mik roorganismenund Zellkulturen GmbH(DS M),MascherodeΓ Weg.1b,D−3300 Braunsc hweig,Germanyに寄託番号DSMZ9922で寄託した。実施例3 アシルトランスフェラーゼ、チオエステラーゼ及びアシル−CoAリガーゼの遺 伝子の追加クローニング方法 実施例1及び2で前述したphaG突然変異体の単離及び相補によるphaG のクローニングは、炭素化合物が脂質生合成からPHA生合成に転移する際にに 関与する遺伝子を検出する方法を提供する。このプロセスに関与する遺伝子の追 加クローニング方法が必要であることは当業者に明らかであろう。このような方 法は、生化学的方法、遺伝的方法及び分子クローニング方法の組合せから成る。 i.アシルトランスフェラーゼ、チオエステラーゼ及びアシ ル−CoAリガーゼの活性に関する酵素アッセイの開発によって、コーディング 遺伝子の新しいクローニング方法が提供されるであろう。 Coa−ACPアシルトランスフェラーゼ活性を検出するための多数の方法が 存在する。1つの方法では、アシル−CoAを出発基質として用いてACPのア シル化を分析し、アシル−ACP産物を尿素−ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (尿素−PAGE)によって同定する。尿素−PAGEは、ACPプール組成物 の分解に有用であることが証明されている(post−Beittenmill erら(1991)J.Biol.Chem.266:1858;Keatin gら(1996)J.Bacteriol.178:2662)。ゲルに対する 検出は、クーマシーブルーによって行うか、または、出発アシル−CoAのアシ ル基が放射性標識されているときはオートラジオグラフィーによって検出する。 あるいは、アシル−放射性標識アシル−CoAまたはアシル−ACPを出発基質 として使用するときは、96ウェルフォーマットで高スループットスクリーニン グを実施し得る。この場合、アシル−ACPをトリクロロ酢酸水溶液(Kopk aら(1995)Anal.Bio chem.224:51)で選択的に沈殿させ、市販の96ウェルのフィルター プレートを用いて分離し、洗浄し、種々のコンパートメントの放射能を定量する 。アシル−CoA及びCoAは溶出液捕獲プレートに捕獲されるが、沈殿したA CP及びアシル−ACPはフィルターにトラップされる。市販の任意のプレート カウンターを用いてカウントする。これらの方法は種々の組成のアシル基に対し て、即ち、直鎖、2,3−エノイル−、3−ヒドロキシ−または3−ケト−のよ うな官能基に対して同等に有効でなければならない。 所望の場合に96ウェルプレートで行うアシルトランスフェラーゼ分光分析ア ッセイは、アシル基の官能価次第で異なる酵素結合系によってアシル−ACPか らアシル−CoAへの変換をモニターするように設計され得る。例えば、アシル 基が3−ヒドロキシのとき、3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼに 結合させ、NAD+からNADHへの変換を340nmでモニターすることによ って3−ヒドロキシアシル−CoAの形成を検出し得る。3−ケト官能基は同様 の方法を逆方向にしてモニターできる。直鎖または2,3−エノイルアシル基の 場合には、3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼと検 出すべきNAD+またはNADHとが最終的に得られるように同様にして設計す るが結合反応スキームが延長している。 リガーゼの機能は、典型的にはヌクレオチド三リン酸(NTP)を化学的活性 化物質として用いて遊離脂肪酸をCoAチオエステルのレベルまで活性化するこ とである。このプロセスで、NTPはピロリン酸塩(PPi)及びヌクレオチド −リン酸(NMP)に変換される。記載のアシルトランスフェラーゼアッセイと 同様にしてリガーゼ活性の検出アッセイを設計し得る。即ち、形成されたアシル −CoA産物は(直鎖、2,3−エノイル−、3−ヒドロキシ−または3−ケト −官能基のいずれであるかに関わりなく)直接または延長結合系によって3−ヒ ドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼに結合され得る。検出はやはり分光光 度測定によって340nmのNADHの産生または消費をモニターすることによ って行う。あるいは、リガーゼが実際にNTPを活性化物質として使用する場合 には、無機のピロホスファターゼを用いてPPiを遊離燐酸塩に変換後に分析し 得る。遊離燐酸塩は標準的な燐酸塩ベースのアッセイを用いて定量され得る。 アシル−ACPがチオエステラーゼによって加水分解されて 遊離脂肪酸及び遊離ACPが形成されることは、放射性標識アシル−ACPを用 いる96ウェルフォーマット及び上述のフィルタープレート技術で検出できる。 しかしなから、この特定の場合には、溶出液捕獲プレート中に出現する放射性標 識された遊離脂肪酸がモニターされるかまたはフィルタープレート中に残存する 沈殿形態の加水分解されない放射性標識アシル−ACPがモニターされる。96 ウェルフォーマットで使用し得る別のアッセイでは、エルマンの試薬5,5’− ジチオ−ビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)によって遊離ACP中のホス ホパンテテイン基からスルフヒドリル基を検出する。この試薬は遊離スルフヒド リルと反応して、吸光係数13.6mM−1cm-1(Ellman,1959) の濃い黄色を生じる。 ii.酵素精製手段である酵素アッセイを使用し、タンパク質配列から得られ た情報を用いて遺伝子を単離し得る。精製されたタンパク質をプロテアーゼで消 化し、フラグメントを精製する。種々のフラグメントを標準技術及びタンパク質 配列に基づいて作製された縮重オリゴヌクレオチドプローブを用いて配列決定す る(Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laborator y Press,Cold Spring Harbor,NY)。これらのプ ローブを対象生物から作製したゲノムライブラリーにハイブリダイズさせる(S ambrookら(1989)Molecular Cloning:A La boratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY)。プローブにハイブリダイズするクローンを配列決定し、 正しい遺伝子のクローニングを確認するために、DNAから予測されたアミノ酸 配列をタンパク質から決定されたアミノ酸配列に比較する。 iii.細菌溶解液中の酵素活性を検出することによって、無作為に作製した 突然変異体から活性の欠如した突然変異体をスクリーニングし得る。前述の手段 のいずれかによって突然変異体を作製し、各突然変異誘発反応で得られた数千の クローンを適当な酵素活性に基づいてスクリーニングする。あるいは、精製タン パク質に対して産生させた抗体を用い、酵素の欠如に基づいて突然変異体をスク リーニングする(Sambrook ら(1989)Molecular Cloning:A Laborator y Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor, NY)。これらのスクリーニングで同定された突然変異体はいずれもアシルトラ ンスフェラーゼ遺伝子を同定するために前述のように相補性検定する。 iv.β−ヒドロキシアシル−ACPをβ−ヒドロキシアシル−CoAに変換 する任意の酵素または酵素の組合せは、PHAシンターゼを担持するだけのPH A陰性細菌を、所望の活性を有すると予測される生物から構築されたゲノムライ ブラリーで形質転換させることによってクローニングし得るであろう。β−ヒド ロキシアシル−CoAは、PHA合成の基質としてPHAポリメラーゼによって 直接に使用され、従って、前述のような単純炭素源からのPHAの産生をスクリ ーニングし得る。PHAを作製するいずれの菌株に対しても、PHA合成がアシ ルトランスフェラーゼ、チオエステラーゼとリガーゼとの組合せ、またはβ−ケ トチオラーゼとアシル−CoAレダクターゼとの組合せのクローニングに起因す るか否かを判定する試験を 行う。 v.所望の活性をコードしている遺伝子は、大腸菌に担持されたプラスミドま たはλファージにクローニングした対象生物に由来のDNAの発現ライブラリー を用いて同定できる(Sambrookら(1989)Molecular C loning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,C old Spring Harbor Laboratory Press,C old Spring Harbor,NY)。クローニングした遺伝子から発 現されたタンパク質を、クローンの直接酵素アッセイによってまたは精製タンパ ク質に対して産生された抗体を用いるクローンのスクリーニングによって検定す る。アシルトランスフェラーゼ、チオエステラーゼまたはリガーゼをコードして いることが同定されたクローンの制限地図を作成し、対応する遺伝子を同定する ためにサブクローニングし、遺伝子を配列決定し、遺伝子によって予測されるア ミノ酸配列を精製タンパク質の配列決定から得られたアミノ酸配列に比較する。 vi.phaGの発現は、細胞がグルコネートで増殖するかまたは脂肪酸で増 殖するかに依存しており(実施例6参照)、 ACPからCoAへのアシル基の転移に関与するタンパク質に関しても、該タン パク質の活性は単純炭素源からPHAを合成するときにだけ必要とされるので、 同様の調節が存在すると予想される。差別的に発現される遺伝子は、削減的(s ubtractive)なcDNAプローブを用いて(Sambrookら(1 989)Molecular Cloning:A Laboratory M anual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Lab oratory Press,Cold Spring Harbor,NY) 、または、削減(subtraction)手順(Kimら(1993)J.M ol.Biol.231:960)後のcDNAの直接クローニングによってク ローニングできる。cDNA合成は、mRNAのポリ−Aテールにアニーリング するオリゴ−dTプライマーを用いてプライミングされ得る。ポリ−Aテールは 多数の原核生物中のmRNA分子の少なくとも1つのサブセットに存在し、オリ ゴ−dTプライマーを用いて細菌cDNAライブラリーが作製されている(Ku shner(1996)ASM Press.Washington,D.C. ,p.849;Kimら(1993)J.Mol.Biol.2 31:960;Gopalakrishna and Sakar(1982) J.Biol.Chem.257:2747)。代替的なプライミング戦略では 、cDNA合成をプライミングするためにランダムオリゴヌタレオチドを利用す る(Kimら(1993)J.Mol.Biol.231:960)。cDNA 削減手順の後、対象生物のゲノムライブラリーからクローンを同定するためのハ イブリダイゼーションスクリーニングにプローブを使用する。あるいは、cDN Aを直接にクローニングする。このスクリーニングで同定されたクローンを配列 決定し、予測されるアシルトランスフェラーゼを同定するために種々の公知のア シルトランスフェラーゼをコードする遺伝子及びphaGに比較する。これらの クローンはまた、cNDAの作製のもとになるmRNAをコードする完全遺伝子 を含有するゲノムクローンを同定するためのプローブとして使用され得る。更に 、ランダムプライムされたcDNA(全遺伝子をコードしてはいないと考えられ る)を自殺ベクターにクローニングし(例えば、Lenzら(1994)J.B acteriol.176:4385によって使用されたベクター)、突然変異 体を産生させるためにソース生物のゲノムに組込み、単純炭素源から PHAを産生する突然変異体の能力を分析する。PHA合成が阻害された突然変 異体は、実施例2で前述したように対象生物のゲノムクローンを用いて相補性検 定し得る。 vii.差別的に発現されたタンパク質は、2次元ポリアクリルアミドゲル電 気泳動を用いて直接検出され得る。この方法は、大腸菌中のレギュロン調節下の タンパク質を研究するためにNeidhardt及び彼の共同研究者によって利 用されて成功した(例えば、VanBogelenら(1996)J.Bact eriol.178:4344)。炭素源に応じて差別的に調節されることが確 認されたタンパク質を精製し配列決定して、これらをコードしている(1つまた は複数の)遺伝子を前述のようにクローニングし分析し得る。実施例4 phaGの遺伝子座及びヌクレオチド配列の決定 3kbpのE3フラグメント(図2)をpBlueskri pt SKべク ターにクローニングし、汎用の逆向きの合成オリゴヌクレオチドをプライマーと して用いることによって、ジデオキシ−チェーンターミネーション方法及びプラ イマーホッピング戦略によってヌクレオチド配列を決定した。配列表の配 列1は、フラグメントE3のヌクレオチド配列を示す。このフラグメントは、3 つのORFをもつ3,061のヌクレオチドから成る。このフラグメントに局在 するORF1及びORF3は不完全であり、ORFIは5’−領域が欠失し、O RF3は3’−領域が欠失している。図2参照。ORF1の推定アミノ酸は、H aemophilus influenzaeの特性未決定の仮定タンパク質( Fleischmann,R.D.ら(1995)Science 269:4 96)に有意な相同性を有することが判明した。対照的に、ORF3の場合、E MBLデータベースから入手できる配列をもつ他のいかなる遺伝子産物に対して も有意な相同性を検出することができなかった。 このフラグメントに局在する唯一の完全なORFは、885のヌクレオチドを もつ中央のORF2であり、これをphaGと命名した。このORFは911位 に起点をもち、1795位に終点をもつ。この上流に8個のヌクレオチド離れて 仮のS/D配列が存在した。phaGの翻訳終止コドンの約230bp下流に、 因子依存性でない転写ターミネーターが局在すると考えられる。数個の他のOR Fが検出された。しかしながら、こ れらはいずれもコーディング領域に関するBibb.M.J.ら(1984)G ene 30:157の法則に適合しないかまたは上流に確実なリボソーム結合 部位を有していなかった。実施例5 phaG翻訳産物の特性決定 3つのORF全部に使用されているコドンは、典型的なP.putidaの採 択コドンに十分に合致しており、59.2モル%というphaGのG+C含量は 、P.putidaの全ゲノムDNAで測定された60.7〜62.5モル%と いう値(Rothmelら(1991)Methods Enzymol.20 4:485及びStanierら(1966)J.Gen.Microbiol .43:159)に近似しており、また、pchC(62.1モル%)及びpc hF(59.6モル%)(Kimら(1994)J.Bacteriol.17 6:6349)及び他のP.putida遺伝子(Hol1oway and Morgan(1986)Annu.Rev.Microbiol.40:79 ;Misraら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5979;Nakaiら(1983)J.Biol.Chem.258: 2923)のG+C含量に極めて近い値である。 phaG遺伝子は、295個のアミノ酸から成る分子量33,876Daのタ ンパク質をコードしている。推定されたアミノ酸配列を配列表の配列1に示す。 配列の位置合せによれば、pagGから推定されたアミノ酸はPseudomo nas aeruginosa PG201のrhlA遺伝子産物に全体で44 %の一致を有することが判明した(Ochsnerら(1994)J.Biol .Chem.269:19787)。RhlAもまた、295個のアミノ酸から 成り、分子量32.5kDaを有している。この遺伝子は、rhla、rhlB 及びrhlRから成る遺伝子クラスターの5’−末端の遺伝子を表す。最初の2 つの遺伝子は、ラムノリピド生合成に関与するタンパク質をコードする構造遺伝 子を表し、RhlRはσ54依存性プロモーターに作用する転写アクチベーター を表す。rhlB遺伝子産物は、ラムノシルトランスフェラーゼ活性を示した。 RhlAの機能はまだ特性決定されていないが有効なラムノリピド生合成に必要 である(Ochsnerら(1994)J.Biol.Chem.269:19 787)。RhlA及びPhaGのC−末端領域は、所謂“キノロン感受性タン パク 質”をコードするP.aeruginosaの遺伝子領域(qin)に高い相同 性を示した(Tonelli,D.A.and R.V.Miller,未公表 結果(GenEMBLデータライブラリー、アクセス番号L02105)。この 領域は1503個のヌクレオチドから成る。qin遺伝子のアミノ末端は正確に 決定されず、データベースに示されている相同はこの配列のヌクレオチド207 〜566の範囲でしかない。しかしながら6個の読み取り枠全部におけるこの配 列の翻訳及びその後のtBLASTnの探索の結果として、示唆されたqin翻 訳開始コドンの上流領域の異なる読み取り枠にPhaG及びRhlAのそれぞれ のN−末端領域との相同性が同定された。終止コドンはqin遺伝子では他の遺 伝子よりも38個のアミノ酸だけ遅れて出現する。qin領域のアミノ酸一致は 、249個のオーバーラップ残基中でPhaGまたはRhlAに対してそれぞれ 50.6%及び40.1%に達した。 PhaGは、脂質のようなエステルに対するヒドロラーゼ(例えば、トリアシ ルグリセロールリパーゼ;Rawadiら(1995)Gene 158:10 7)またはポリヒドロキシアルカノエート(例えばPHAデポリメラーゼ;Ti mm and Steinbuchel(1992)Eur.J.Biochem.2 09:15)から主として構成される酵素グループに対してより小さいが追加の 相同領域を有している。この相同領域はPhaGの残基209〜258の範囲で あり、これらのタンパク質中で高度に保存されるヒスチジン残基(PhaGの残 基251)を含んでいる。これらのデータは、PhaGの触媒機能が恐らくはエ ステル結合の破壊に関与することを示唆している。このような活性はアシルトラ ンスフェラーゼ、チオキナーゼまたはアシル−CoAリガーゼ中で予測され得る 。実施例6 プロモーターの同定及び調節 phaGの244bp上流で推定σ70依存性プロモーター構造TTGCGC −N17−TTGAATが同定された。E3のサブフラグメントでPHAGN1 突然変異体2:1を相補性検定することによってプロモーターを確認した。上記 のプロモーター配列が欠失した2.2kbpのSalI−EcoRIサブフラグ メント(SF22)(図1)は、突然変異体2:1に相補的ではなかったが、E 3の1.3kbpのBamHI−H indIIIサブフラグメント(BH13)(図2)はこの突然変異体に単純炭 素源からPHAを合成する能力を回復させた。 更に、この推定プロモーター構造の重要性は、定常増殖期に採取されたP.p utida KT2440のグルコネート増殖細胞及びオクタノエート増殖細胞 から単離した全RNAによるS1ヌクレアーゼ保護によって証明された。転写開 始部位は、推定プロモーターコンセンサス配列から5ヌクレオチド下流の683 位であることが同定された(図2)。 P.putida KT2440のオクタノエート増殖細胞の場合、極めて弱 いRNAシグナルだけが検出できたか、グルコネートを炭素源として増殖させた A.eutrophusH16細胞から単離したRNAでは強力なシグナルが検 出された。この結果は脂肪酸のドゥノボ生合成経路のPHA合成条件下のpha Gの強力な転写誘発を示している。実施例7 P.putida PhaGに生物学的に等価の機能をもつペプチド、ポリペプ チド及びタンパク質 本発明は、配列1の911位〜1795位で示されるヌクレオチド配列によっ てコードされるP.putida PhaG タンパク質だけでなく、生物学的に等価の機能をもつペプチド、ポリペプチド及 びタンパク質を包含する。“生物学的に等価の機能をもつペプチド、ポリペプチ ド及びタンパク質”なる表現は、単純糖質基質で増殖する経路でPHA合成が欠 損したPseudomonas putidaのPhaG欠失突然変異体を利用 する相補性検定によって生物学的に検定したときに、P.putidaのPha Gと同じまたは類似のPhaG活性を示すペプチド、ポリペプチド及びタンパク 質を意味する。“同じまたは類似のPhaG活性”なる表現は、PhaGと同じ または類似の機能を発揮する能力を意味する。これらのペプチド、ポリペプチド 及びタンパク質は、本文中に配列2として開示されたP.putida Pha Gタンパク質の対応する領域または部分に配列類似性を示す領域または部分を含 む。しかしながら、これらのペプチド、ポリペプチド及びタンパク質がP.pu tida PhaGタンパク質と同じまたは類似のPhaG活性を示す限りこれ らの領域または部分は不要である。 PhaGタンパク質は、PHAの酵素的合成に有用であるだけでなく、このP haGタンパク質または可能な別のPhag様タンパク質を精製または検出する ために使用できる抗体を産 生させる抗原として有用である。 PhaGタンパク質に生物学的に等価の機能をもつペプチド、ポリペプチド及 びタンパク質は後述するような多様な形態で産生され得る。P.putida PhaGのアミノ酸配列中の保存性アミノ酸変化 PhaGタンパク質に生物学的に等価の機能をもつペプチド、ポリペプチド及 びタンパク質は、P.putida PhaGの基本配列中にアミノ酸変化を含 むアミノ酸配列を有している。本発明に包含されるPhaGタンパク質に生物学 的に等価の機能をもつペプチド、ポリペプチド及びタンパク質は、天然産生タン パク質またはその対応する領域もしくは部分に対して、一般には少なくとも約4 0%の配列類似性、好ましくは少なくとも約60%の配列類似性、最も好ましく は少なくとも約80%の配列類似性を有していなければならない。本文中の“配 列類似性”なる用語は、配列解析ソフトウェアパッケージ,Genetics Computer Group,Inc.,University of Wi sconsin Biotechnology Center,Madison ,WI 53 711の“ギャップ”プログラムまたは“ベストフィット(最良適合)”プログ ラムによって決定される。このソフトウェアは、相同の程度を種々の付加、欠失 、置換及びその他の修飾に割り当てることによって類似配列の突合せ(マッチン グ)を行う。ベストフィットプログラムは2つの配列間の最良の類似セグメント を最適に位置合せする。Smith and Waterman(1981)A dv.Appl.Math.2:428−489の局所相同アルゴリズムを用い て一致数を最大にするようにギャップを挿入することによって、最適な位置合せ を見出す。ギャッププログラムは、一致数が最大でキャップ数が最小になるよう な2つの完全配列の位置合せを見出すためにNeedleman and Wu nschのアルゴリズム((1970)J.Mol.Biol.48:443− 453)を使用する。PhaGのフラグメント及び変異体 P.putida PhaGと同じまたは類似のPhaG活性を有しているP .putida PhaGのフラグメント及び変異体も本発明に包含される。PhaGのフラグメント P.putida PhaGのフラグメントは、天然に生じるP.putid a PhaGと同じまたは類似のPhaG酵素活性を該フラグメントが有してい る限り、タンパク質またはその組合せのN−末端、C−末端、内部領域から1つ または複数のアミノ酸が欠失した酵素の末端欠失形態でもよい。これらのフラグ メントは天然に生じるPhaGのミューテインでもよく、または、コーディング ヌクレオチド配列の制限エンドヌクレアーゼ処理もしくはエキソヌクレアーゼI II処理(Henikoff(1944)Gene 28:351)によって産 生されてもよい。P.putida PhaGの変異体 P.putida PhaGの変異体は、天然に生じるアミノ酸配列中の1つ または複数のアミノ酸が別のアミノ酸で置換された酵素または天然アミノ酸配列 に1つまたは複数のアミノ酸が挿入された酵素の形態を包含する。本文中で考察 される変異体は、天然に生じるP.putida PhaGと同じまたは類似の PhaG活性を維持している。これらの変異体は天然に生じるPhaGのミュー テインでもよくまたは野生型のコー ディングヌクレオチド配列のランダム突然変異誘発によって産生されてもよく( Greenerら(1994)Strategies 7:32−34)もしく はそのドメインをPhaGの他の対象ドメインで置換することによって産生され てもよい。このような変異体のPhaG活性は前述のように相補性検定できる。 上記の組合せ、即ち、アミノ酸の付加、欠失及び置換を含むが天然に生じるP .putida PhaGと同じまたは類似のPhaG活性を維持しているph aGの形態も本発明に包含される。 本発明に包含されるPhaGのフラグメント及び変異体は、天然のP.put ida PhaGまたは対応するその領域またはその部分に対して好ましくは少 なくとも約40%の配列類似性、より好ましくは少なくとも約60%の配列類似 性及び最も好ましくは少なくとも約80%の配列類似性を有していなければなら ない。配列類似性は、上述の配列解析ソフトウェアパッケージのギャッププログ ラムまたはベストフィットプログラムを用いて決定できる。実施例8 P.putida PhaGをコードするゲノムDNAに生物学的に等価の機能 をもつヌクレオチド配列 本発明は、配列1に示すP.putida PhaGゲノムDNA配列だけで なく、生物学的に等価の機能をもつヌクレオチド配列を包含する。“生物学的に 等価のヌクレオチド配列”なる表現は、酵素アッセイによるかまたは相補性検定 によって試験したときに、P.putida PhaGと同じまたは類似のPh aG酵素活性を示すペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質をコードするゲノ ムDNA、cDNA、合成DNA及びmRNAヌクレオチド配列を含むDNA及 びRNAを意味する。このような生物学的に等価の機能をもつヌクレオチド配列 は、P.putida PhaGの対応する領域または部分に配列類似性を示す 領域または部分をコードするペプチド、ポリペプチド及びタンパク質をコードし 得る。P.putida PhaGのアミノ酸配列の保存性アミノ酸変化をコードする ヌクレオチド配列 実施例7に示したように、生物学的に等価の機能をもつ本発明のヌクレオチド 配列は、P.putida PhaGのアミ ノ酸配列の内部の保存性アミノ酸変化をコードするヌクレオチド配列を含み、内 部に沈黙の変化を生じさせる。従って、このようなヌクレオチド配列は、遺伝コ ードに基づいてp.putida PhaGタンパク質をコードする野生型ヌク レオチド配列に比べたときに対応する塩基置換を含む。P.putida PhaG中の非保存性アミノ酸置換、付加または欠失をコー ドするヌクレオチド配列 生物学的に等価の機能をもつ本発明のヌクレオチド配列は、天然に生じるP. putida PhaGアミノ酸配列の内部の保存性アミノ酸変化をコードする ヌクレオチド配列に加えて、非保存性のアミノ酸置換、付加または欠失をコード するゲノムDNA、cDNA、合成DNA及びmRNAのヌクレオチド配列を含 む。これらのヌクレオチド配列は、配列1のゲノムPhaG DNAに含まれて いる遺伝情報と同一の固有遺伝情報を含み、P.putida PhaGの酵素 活性と同じまたは類似のPhaG酵素活性を示すペプチド、ポリペプチドまたは タンパク質をコードしている核酸を包含する。このようなヌクレオチド配列は、 P.putida PhaGのフラグメントまたは変異体をコードし得る。この ようなフラグメント及び変異 体のP.putida PhaG様酵素活性は、前述のような相補性検定または 酵素アッセイによって確認され得る。生物学的に等価の機能をもつこれらのヌク レオチド配列は、天然に生じるP.putida PhaGのゲノムDNA、c DNA、合成DNA及びmRNAのそれぞれまたはその対応する領域もしくは部 分に対して、少なくとも40%の配列一致、好ましくは少なくとも60%の配列 一致、及び、最も好ましくは少なくとも80%の配列一致を有し得る。 P.putida PhaGのcDNA、ゲノムDNA、合成DNA、mRN Aまたはその他の核酸に生じた突然変異は好ましくは、コーディング配列の読み 取り枠を保存している。更にこれらの突然変異は好ましくは、mRNAの翻訳に 不利な影響を与えるループまたはヘアピンのようなmRNA二次構造を形成する ようにハイブリダイズする相補的領域を形成しないのが好ましい。 突然変異部位は予め決定できるが、突然変異自体の性質を予め決定する必要は ない。例えば、所与の部位で最適特性値の突然変異体を選択するために、標的コ ドンで部位特異的突然変異を誘発し(Thompsonら,(1988)Bio chem istry 28:57335)、得られたペプチド、ポリペプチドまたはタン パク質のPhaG酵素活性を酵素アッセイまたは相補性検定によって測定できる 。 配列1に示すヌクレオチド配列を有するP.putida PhaGのゲノム DNAに生物学的に等価の機能をもつ核酸としては以下の核酸がある: (1)本明細書でP.putida KT2440を代表例としたP.put idaに由来のDNA。これらのDNAの長さは、部分的ヌクレオチドの挿入ま たは欠失のような天然または人工の突然変異によって改変されており、従って、 配列1の911位〜1795位のコーディング配列の全長を100%とするとき 、生物学的に等価の機能をもつヌクレオチド配列の長さは概して全長の約60〜 120%、好ましくは約80〜110%である; (2)部分的な(通常は全長の80%以下、好ましくは60%以下、より好ま しくは40%以下の)天然または人工の突然変異を含むヌクレオチド配列。この ような配列は種々のアミノ酸をコードしているが、得られるタンパク質は天然に 生じるP.putida PhaGの酵素活性と同じまたは類似のPha G酵素活性を維持している。このようにして作製された突然変異DNAは好まし くは、P.putida PhaGのアミノ酸配列に、少なくとも約40%、好 ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約80%の配列類似性 をもつタンパク質をコードしているのが好ましい。配列類似性は、前述の配列解 析ソフトウェアパッケージのギャッププログラムまたはベストフィットプログラ ムによって評価され得る。 本文中で考察されている人工の核酸突然変異を生じさせるために使用できる方 法は特に限定されないので、当業界で慣用の任意の手段によってこのような突然 変異を生じさせ得る。例えば、P.putida phaG遺伝子、cDNAま たは合成DNAを適当な制限酵素で処理し、適正な核酸読み取り枠が保存される ように所望のDNAフラグメントを挿入または欠失させる。制限エンドヌタレア ーゼによる処理後、消化DNAを処理してオーバーハングを埋戻し、DNAを再 結合させる。DNAをエキソヌクレアーゼIIIで処理することによってC−末 端の欠失が得られる。あるいは、制限酵素を用いて核酸を適宜操作し、次いで結 合させることによって、P.putida PhaGの種々のドメインを別のP haGタンパク質の領域で置 換し得る。 また、天然型P.putida PhaGのゲノムDNA、cDNAまたは合 成DNA配列のフラグメントに結合可能な隣接制限部位をもつ突然変異配列を含 むオリゴヌクレオチドを合成することによって特定遺伝子座に突然変異を導入し てもよい。結合後に得られる再構築された配列は、所望のアミノ酸の挿入、置換 または欠失を有する生物学的機能の等価物をコードしている。 あるいは、オリゴヌクレオチド特異的、部位特異的またはセグメント特異的な 突然変異の誘発手順を使用して、必要な挿入、置換または欠失に従って改変され た特定コドンを有する改変DNA配列を産生してもよい。 上述の改変を作製する代表的な方法は、Walderら(1986)Gene 42:133;Bauerら(1985)Gene 37:73;Craik( 1985年1月)BioTechniques,pp.12−19;Smith ら(1981)Genetic Engineering;Principle s and Methods,Plenum Press;Ausubelら( 1989)Current Pro tocols in Molecular Biology,John Wil ey & Sons,Inc.;Sambrookら(1989)Molecu lar Cloning:A Laboratory Manual,Seco nd Edition,Cold Spring Harbor Labora tory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.;F rits Ecksteinら(1982)Nucleic Acids Re search 10:6487−6497、及び、Osunaら(1994)C ritical Reviews In Microbiology,20:1 07−116に開示されている。 上記方法のいずれかによって産生された本文中に開示されたゲノムDNA配列 に生物学的機能の等価物は、得られたペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質 の前述のような相補性検定または酵素アッセイによって選択され得る。 あるいは、天然型P.putida PhaGのヌクレオチド配列のフラグメ ントに結合容易な隣接制限部位をもつ突然変異配列を含むオリゴヌクレオチドを 合成することによって特定遺伝子座に突然変異を導入してもよい。結合後に得ら れる再構 築されたヌクレオチド配列は、所望のアミノ酸の挿入、置換または欠失を有して おり生物学的に等価の機能をもつ形態のシンターゼをコードしている。このよう にして産生された突然変異形態のP.putida様PhaG活性を相補性検定 または酵素アッセイによってスクリーニングし得る。 配列1のゲノムphaG DNAの生物学的機能の等価物の有用な形態は、対 応する配列1のゲノムphaG DNAの911位〜1795位の領域または部 分に対して、少なくとも約40%、好ましくは少なくとも約60%、及びより好 ましくは少なくとも約80%のレベルの配列一致を示すヌタレオチド配列から成 るDNAを含む。配列一致は前述のベストフィットプログラムまたはギャッププ ログラムを用いて決定できる。遺伝的縮重ヌクレオチド配列 遺伝子コードが縮重性を有するので、即ち、タンパク質中に天然に存在する大 抵のアミノ酸は2つ以上のコドンに対応できるので、本発明のゲノムDNAと本 質的に同じ遺伝情報を含んでおり且つ配列2に示すP.putida PhaG のアミノ酸と同じアミノ酸配列をコードする遺伝的縮重DNA(及びRNA)配 列は本発明に包含される。本文中に記載されている任 意の他の核酸の遺伝的縮重形態も本発明に包含される。ハイブリダイゼーションによって検出された生物学的に等価の機能をもつ核酸配 P.putida PhaGをコードするヌクレオチド配列の1つの具体例を 配列1の711位〜1795位で示しているが、生物学的に等価の機能をもつ別 の形態のP.putida PhaGをコードする核酸が慣用のDNA−DNA またはDNA−RNAハイブリダイゼーション技術を用いて容易に単離できるこ とは理解されよう。従って、本発明は、配列1の911位〜1795位及びその 相補的配列にハイブリダイズし、発現されるとP.putida PhaGの酵 素活性と同じまたは類似の酵素活性を示すペプチド、ポリペプチドまたはタンパ ク質をコードするヌクレオチド配列を包含する。このようなヌクレオチド配列は 好ましくは、中程度から高程度の緊縮性条件下で配列1の911位〜1795位 及びその相補的配列にハイブリダイズする(Sambrookら(1989)M olecular Cloning:A Laboratory Manual ,Second Edition,Cold Spring Harbor L aboratory Press,C old Spring Harbor,N.Y.参照)。代表的な条件は、6× SSC、5×デンハルト溶液、100mg/mlの魚精子DNA、0.1%のS DS中、55℃でハイブリダイゼーションの達成に十分な時間(例えば数時間〜 一夜)維持する初期ハイブリダイゼーションと、毎回2×SSC、0.1%SD Sを用い、室温で15分間行う2回の洗浄と、毎回0.5−1×のSSC、0. 1%のSDSを用い、55℃で15分間行う2回の洗浄と、オートラジオグラフ ィーとを順次に含む。典型的には、ハイブリダイゼーション混合物を0.1×S SC中で55℃、好ましくは60℃、より好ましくは65℃で少なくとも1回洗 浄するときに、核酸分子がハイブリダイズし得る。 遺伝コードが縮重性をもつことに基づいて本発明はまた、P.putida PhaGのアミノ酸配列またはその遺伝的縮重形態をコードするゲノムDNA、 cDNA又は合成DNA分子に、等価の塩及び温度条件でハイブリダイズでき、 発現されるとP.putida PhaGの酵素活性と同じまたは類似のPha G酵素活性を有するペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質をコードするヌク レオチド配列を包含する。 上述のヌクレオチド配列は、in vivoの相補性検定に よってP.putida PhaGの活性に対して約±30%以下、好ましくは 約±20%以下、より好ましくは約±10%以下の違いをもつPhaG活性を有 するペプチド、ポリペプチドまたはタンパタ質をコードしている場合に、本発明 のP.putida PhaG遺伝子に実質的に等価の生物学的機能を有してい ると考えられる。相補性検定によって検出される生物学的に等価の機能をもつ核酸配列 生物学的に等価の機能をもつ推定核酸配列をシス位置に含み、同時に、発現に 必要なすべての調節要素を含む広宿主域プラスミドを担持している大腸菌ドナー 菌株は、ヘルパープラスミドpRK2013(Dittaら(1980)Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 77:7347)を用いる三親交配 によってPhaG陰性のレシピエント細菌株にプラスミドを接合させるために使 用できる。得られたトランスコンジュガントを適当な抗生物質を補充したポリマ ー伝導性培地で選択できる。種々の炭素基質を含む培地でトランスコンジュガン トを発酵させ、次いで、得られたPHAを分析すると、核酸機能の等価性を判断 する手段が提供される。ゲノムプローブ 別の目的によれば、本発明は、P.putida PhaGと同じまたは類似 の酵素活性を有するペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質をコードしている DNA配列をゲノムライブラリー及びその他の核酸ライブラリーからスクリーニ ングするために有用なオリゴヌタレオチドハイブリダイゼーションプローブを提 供する。このプローブは、配列1の911位〜1795位の配列に基づいて設計 され得る。このようなプローブは約20〜約60ヌクレオチドの長さ、一般には 約20ヌクレオチド、より典型的には約30ヌクレオチド、好ましくは約40ヌ クレオチド、より好ましくは約50〜60ヌクレオチドの長さを有している。好 ましくはこれらのプローブは、前述のようなハイブリダイゼーション条件下でP .putidaのゲノムphaG DNA配列、及び、P.putida Ph aGと同じまたは類似のPhaG活性を有するペプチド、ポリペプチドまたはタ ンパク質をコードしている他のDNA配列に特異的にハイブリダイズする。この ようなオリゴヌクレオチドプローブは、全自動合成によって合成でき、通常は3 2Pのような放射性核種またはビオチンなどのリポーターによって5’端が標識 され得る。プローブされるライブラリーを、使用するベクター次第でコロニーま たはファージとして平板培養し、組換えDNAをナイロンまたはニトロセルロー スの膜に転移させる。DNAを変性し、中和し、膜に定着させた後、膜を標識プ ローブと共にハイブリダイズさせる。次いで、膜を洗浄し、リポーター分子を検 出する。次に、ハイブリダイズするDNAを担持しているコロニーまたはファー ジを単離し増殖させる。有望なクローンまたはPCR増幅フラグメントが、P. putida様PhaG活性またはP.putida PhaGと同じまたは類 似の活性を有する近縁のペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質をコードし ているDNAを含むことを種々の方法によって確認し得る。例えば、有望なクロ ーンを重複のない第二のプローブとハイブリダイズさせるかまたはDNA配列を 解析する。このDNAによってコードされているペプチド、ポリペプチドまたは タンパク質の活性を評価するために、大腸菌のような適当な宿主中でDNAをク ローニングして発現させ、次いでペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を単 離し、その活性のアッセイを行う。このような手段によって、P.putida 以外の微生物からPhaGタンパク質並びにPHAを産生するた めに有用なP.putida PhaGに生物学的に等価の機能をもつペプチド 、ポリペプチド及びタンパク質をコードする核酸を単離し得る。縮重オリゴヌクレオチドプライマー 他の微生物に由来の生物学的機能が等価のphaG遺伝子または等価のPha GコーディングcDNAまたは合成DNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR) 法を用いる増幅によって単離できる。P.putida PhaGのアミノ酸配 列に基づく縮重オリゴヌクレオチドプライマーを作製し、逆転写酵素を用いるP CR技術(E.S.Kawasaki(1990),In Innisら,Ed s.,PCR Protocols,Academic Press,San Diego,Chapter 3,p.21)と共に使用して、他の生物のゲノ ムライブラリーまたはcDNAライブラリーから生物学的に等価の機能を有する DNAを増幅し得る。 あるいは、例えばλ Zap.II(Stratagene)のようなλファ ージベクター中でcDNAライブラリーをスクリーニングするためのプローブと して縮重オリゴヌクレオチドを使用できる。実施例9 大腸菌中のphaGのヘテロロガス超発現 大腸菌中のPhaGのヘテロロガス発現を確保するために、T7−ポリメラー ゼ発現ベクターpT7−7(Tabor and Richardson(19 91)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:1074)を使 用した。phaG遺伝子をpT7−7の転写/翻訳開始領域に結合させるために 、PCR増幅によってphaGの開始コドンにNdeI部位を作製した。0.9 7kbpのPCR産物をNdeI及びHindIIIで消化し、同様に消化した ベクターに結合させた。pT7−G1と命名したこの構築物の配列を確認し、I PTG(イソプロピル−β−D−チオガラタトピラノシド)誘発lacUV5プ ロモーターのコントロール下にT7ポリメラーゼ遺伝子を担持している大腸菌B L21(DE3)(Studier and Moffatt(1986)J. Mol.Biol.189:113)を形質転換した。pT7−G1を担持して いる細胞及びpT7−7(陰性対照)を担持している細胞を、1mlあたり10 0μlのアンピシリンを含有するLB培地で培養した。IPTGを最終濃度0. 4mMまで添加する ことによって光学密度1.0〜500nmでT7 RNAポリメラーゼの発現を 誘発した。4時間のインキュベーション後、細胞を採集し、音波処理によって溶 菌した。pT7−G1を担持する細胞は誘発中に大量の顆粒画分を産生した。そ れそれ5,000×g及び3,000×gの分別遠心、及び水洗を順次行うこと によって顆粒画分を粗抽出物から部分的に分離した。SDS−ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動の電気泳動図は、プラスミドpT7−G1を含む大腸菌BL21 (DE3)の培養物から得られた粗抽出物、ペレット画分及び顆粒画分調製物中 に推定分子量34kDaの1つの主要バンドが存在することを示した。このバン ドは、pT7−G1を担持する大腸菌細胞の可溶性画分中、及び、インサート非 含有のpT7−7を担持する大腸菌BL21の対照調製物中には存在しなかった 。PhaGの強力な超発現は不溶性タンパク質の集塊中でだけ観察されるという 結果が得られた。 T7発現系によって超発現されたPhaGは多数の用途に使用できる。例えば 、産生されたタンパク質は、抗体産生、X線結晶学検査、PhaG活性のin vitro分析に使用でき、また、適当な酵素活性と組合せてPHAのin v itro合 成に使用できる。別の発現系はまた、組換え系でPhaGを超発現させるために 使用し得る。例えば、大脳菌のtacプロモーターは、大腸菌及び別の細菌中で PhaGを発現させるために有用なプロモーターである。組換え宿主中でPha Gを発現させるために有用な他のプロモーターは当業者に公知である。tacプ ロモーターから発現されたタンパク質は、適当な宿主生物中で適当なPHA生合 成酵素と組合せると、例えばグルコースのような単純炭素源からPHAをin vivo産生するために好適である。PhaGを認識する抗体は、PhaGタン パク質またはPhaG様タンパタ質を含む生物をスタリーニングするために使用 し得る。抗体はまた、粗抽出物からPhaGタンパク質及びPhaG様タンパク 質を免疫精製するために有効であろう。実施例10 P.putida PhaGタンパク質を発現する細菌及び植物によるポリヒド ロキシアルカノエートの産生 P.putidaのPhaGコーディングDNAを異なる種々の真核細胞及び 原核細胞、例えば細菌及び植物のような体内でPHAを容易に産生する宿主細胞 に導入して発現させ得る。 本文中で言及するP.putida PhaG及びこれをコードするゲノムDN Aはそれそれ上述のような生物学的な機能の等価物を包含することを理解された い。このようなPHA産生方法の利点は、石油由来のモノマー依存度を低減でき ること、並びに、細菌及び植物の大規模育成が容易なことである。 細菌及び植物による脂肪酸のドゥノボ生合成経路の最適PHA合成には少なく とも2つの遺伝子、即ち、PHAシンターゼ(phaC)とphaG(本文中に 開示)とが関与する。PHAシンターゼと他のPHA遺伝子(phaA(β−ケ トチオラーゼ)及びphaB(D−レダクターゼ))を形質転換及び発現のため のベクター構築物に組込む方法、これらの構築物を細菌及び植物の宿主細胞に導 人してこのような細胞中でPHAを産生させる方法は当業界で公知である。最近 になってPoirierら((1995)Bio/Technology 13: 142−150)はこの領域の進歩を概説した論文を発表した。一般的に、この ようなベクター構築物は内包する構造DNA配列の発現を刺激するように機能的 に作用可能に連結されたDNAフラグメントの集合から成る。これらのベクター 構築物は通常は、選択された宿主細胞中で機能するプロモーターを、互い に作用可能に連結されたリボソーム結合部位、転写ターミネーター、3’非翻訳 ポリアデニル化シグナルのような必要な他の任意の調節領域並びに選択可能マー カーと共に含む(Sambrookら,Molecular Cloning; A Laboratory Manual,Second Edition,1 989,Cold Spring Harbor Laboratory Pr ess,Cold Spring Harbor,N.Y.;Ausubelら (1989)Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons,Inc.)。 このようなベクターは、例えば、塩化カルシウム/熱ショック処理または電気 穿孔によって細菌細胞に導入され得る。形質転換された宿主を次に、選択培地で 選択し、適当な培地中でPHAの産生に導く条件下で培養し、次いでPHAを細 胞から回収する。代表的な方法はS1aterら(1988)J.Bacter iol.170:4431−4436;Slaterら(1992)Appl. Environ.Microbiol.58:1089−1094;Zhang ら(1994)A ppl.Environ.Microbiol.60:1198−1205;及 びKidwellら(1995)Appl.Environ.Microbio l.61:1391−1398によって記載されている。 PhaGを用いるPHAポリマー産生に有用な宿主は、放線菌類Actino mycetes(例えば、Streptomyces種及びNocardia種 );他の細菌(例えば、Alcaligenes(例えばA.eutrophu s)、Bacillus cereus,B.subtilis,B.lich niformis,B.megaterium,Escherichia co li,Klebsiella種(例えばK.aerogenes及びK.oxy toca),Lactobaccillus,Methylomonas,Ps eudomonas種(例えば、P.putida及びP.fluoresce ns),Nocardia種(例えばN.corallina)、Rhodos pirillum種(例えばR.rubrum);真菌類(例えばAsperg illus,Cephalosporium及びPenicillum);並び に酵母(例えばSaccharomyces,Rh odotorula,Candida,Hansenula及びpichia) である。 その他の有用な細菌株としては、脂質を大量に蓄積し得る菌株、及び単純炭素 源を高い変換率でアセチル−CoAに変換し得る菌株がある。 PHA生合成に関与する細菌遺伝子を植物体内に導入し得る形質転換ベクター を設計し得る。一般には、このようなベクターは、プロモーター及び選択可能マ ーカーを含む5’及び3’の調節配列の転写コントロール下に1つまたは複数の 対象コーディング配列を含む。典型的な調節配列としては、転写開始起点部位、 RNAプロセシングシグナル、転写終結部位、及び/または、ポリアデニル化シ グナルかある。植物プロモーターは誘導性または構成性、環境調節型または発生 調節型、細胞特異的または組織特異的のいずれでもよい。頻用されるプロモータ ーとしては、CaMV 35Sプロモーター(Odellら(1985)Nat ure 313:810),促進されたCaMV 35Sプロモーター、ゴマノ ハグサモザイクウイルス(Figwort Mosaic Virus,FMV )のプロモーター(Richinsら(1987)NAR 20:845 1)、マンノパインシンターゼ(mas)のプロモーター、ノパリンシンターゼ (nos)のプロモーター及びオクトパインシンターゼ(ocs)のプロモータ ーがある。有用な誘導性プロモーターとしては、熱ショックプロモーター(Ou −Leeら(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83 :6815;ホウレンソウの亜硝酸レダクターゼ遺伝子に由来の硝酸塩誘導プロ モーター(Backら(1991)Plant Mol.Biol.17:9) ;ホルモン誘導プロモーター(Yamaguchi−Shonozakiら(1 990)Plant Mol.Biol.15:905;Karesら(199 0)Plant Mol.Biol.15:905);及びRuBPカルボキシ ラーゼ及びLHCP遺伝子ファミリーの小サブユニットに関連した光誘導プロモ ーター(Kuhlemeierら(1989)P1ant Cell 1:47 1:Feinbaumら,(1991)Mol.Gen.Genet.226: 449;Weisshaarら(1991)EMBO J.10:1777;L am and Chua(1990)Science 248:471;Cas tresanaら(1988)EMBO J.7:1929; Schulze−Lefertら(1989)EMBO J.8:651)があ る。発生的に調節された有用な組織特異的プロモーターの例としては、β−コン グリシニン7Sプロモーター(Doyleら(1986)J.Biol.Che m.261:9228;S1ighton and Beachy(1987) Planta 172:356)、種子特異的プロモーター(Knutzonら (1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2624 ;Bustosら(1991)EMBO J.10:1469;Lam and Chua(1991)Science 248:471);Staytonら (1991)Aust.J.Plant.Physiol.18:507)があ る。種子プラスチド中の優先的発現に有用な植物機能性プロモーターとしては、 植物の貯蔵タンパク質遺伝子及び脂肪種子中の脂肪酸生合成に関与する遺伝子に 由来のプロモーターがある。このようなプロモーターの例は、ナピン(Krid lら(1991)Seed Sci.Res.1:209)、ファセオリン、ゼ イン、大豆トリプシン阻害物質、ACP、ステアロイル−ACPのデサチュラー ゼ及びオレオシンなどの遺伝子に由来の5’調節領域である。種子 特異的遺伝子調節は欧州特許第0,255,378号で検討されている。また、 転写活性を促進するため(Hoffman,米国特許第5,106,739号) 、または、所望の転写活性と組織特異性とを組合せるために、プロモーターハイ ブリッドも構築できる。代表的なベクターはしばしば、植物体内で下流のヘテロ ロガス構造DNAの転写を指令するプロモーター配列と、任意の非翻訳リーダー 配列と、対象タンパク質をコードするヌクレオチド配列と、植物細胞内で転写を 終結させ該タンパク質をコードするmRNAの3’端にポリアデニレートヌクレ オチドを付加すべく機能するポリアデニル化シグナルをコードする3’非翻訳領 域とから成り、これらは5’から3’の方向で作用可能に連結されている。更に 、考察すべき要因は、PhaG PHAの生合成に必要な他の酵素の発現のタイ ミング及び細胞内局在位置である。例えば、キャノーラのような脂肪種子植物で 脂肪酸生合成経路が利用されている場合には、PhaG発現は種子の白色体また は葉の葉緑体をターゲットとして脂肪酸生合成と同時に生じるであろう。 このようなベクターを植物の原形質体、細胞、カルス組織、葉のディスク、分 裂組織、などに導入してトランスジェニック 植物を作製するために異なる種々の方法を使用し得る。例えば、Agrobac teriumに介在される形質転換、粒子ガンによるデリバリー、マイクロイン ジェクション、電気穿孔、ポリエチレングリコールに介在される原形質体の形質 転換、リポソームに介在される形質転換、などがある(Potrykus(19 91)Annu.Rev.Plant Pyhsiol.Plant Mol. Biol.42:205−225参照)。一般に、P.putida PhaG のコーディングDNAを含有及び発現する細胞を含むトランスジェニック植物は 、前述の方法のいずれかを用いて上述のDNA構築物によって植物細胞を形質転 換させ、形質転換した植物細胞を選択培地で選択し、分化した植物を産生するよ うに形質転換された植物細胞を再生し、P.putida PhaGのコーディ ングヌクレオチド配列を発現する形質転換植物を選択することによって産生され 得る。 コーディングDNAは、単一形質転換イベント(必要な全部のDNAが同一ベ クターに存在する)、同時形質転換イベント(必要な全部のDNAが植物または 植物細胞に同時に導入される別々のベクターに存在する)、独立形質転換イベン ト(必要 な全部のDNAが植物または植物細胞に独立に導入される別々のベクターに存在 する)、または再形質転換イベント(単一形質転換、同時形質転換または独立形 質転換イベントによって得られた形質転換細胞系を形質転換させる)によって導 入できる。次いで、従来の繁殖方法を必要に応じて適宜使用し、単一植物に完全 経路を組込む。Arabidopsisの細胞中でPHAポリヒドロキシブチレ ートの産生に成功したことはPoirierら(1992)Science 2 56:520−523によって報告されており、そのプラスチド内部で産生に成 功したことはNawrathら(1994)Proc.Natl.Acad.S ci.USA 91:12760−12764によって報告されている。 多様な種類の双子葉類を形質転換してトランスジェニック植物を作製する特定 の方法は文献に十分に記載されている(Gasser and Fraley( 1989)Science 244:1293;Fisk and Dande kar(1993)Scientia Horticulturae 55:5 −36;Christou(1994)Agro Food Industry Hi Tech(1994年,3月 /4月)p.17及び該文献に引用された参考文献)。 単子葉類では以下の植物で形質転換及び植物再生の成功が得られたと報告され ている:アスパラガス(Asparagus officinalis;Byt ebierら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 4:5345);大麦(Hordeum vulgarae;Wan and Lemaux(1994)Plant Physiol.104:37);トウ モロコシ(Zea mays;Rhodesら(1988)Science 2 40:204;Gordon−Kammら(1990)Plant Cell 2:603;Frommら(1990)Bio/Technology 8:8 33;Kozielら(1993)Bio/Technology 11:19 4);エンバク(Avena sativa;Somersら(1992)Bi o/Technology 10:1589);カモガヤ(Dactylis g lomerata;Hornら(1988)Plant Cell Rep.7 :469);米(Oryza sativa,インディカ種及びジャポニカ種を 含む;Toriyamaら(1988)Bio/Technology 6:1 0;Zhan gら(1988)Plant Cell Rep.7:379;Luo and Wu(1988)Plant Mol.Biol.Rep.6:165;Zh ang and Wu(1988)Theor.Appl.Genet.76: 835;Christouら(1991)Bio/Technology9:9 57);ライ麦(Secale cereale;De la Penaら(19 87)Nature 325:274);モロコシ類(Sorghum bic olor;Cassasら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci .USA 90:11212);サトウキビ(Saccharum種;Bowe r and Birch(1992)Plant J.2:409);ウシノケ グサ(Festuca arundinacea;Wangら(1992)Bi o/Technology 10:691);芝草(Agrostis pul ustris;Zhongら(1993)P1ant Cell Rep.13 :1);及び小麦(Triticum aestivum;Vasilら(19 92)Bio/Technology 10:667;Troy Weeksら (1993)Plant Physiol.102:1077;Becke rら(1994)Plant J.5:299)。 PHAポリマーの産生に特に有用な植物としては、PHA生合成に使用できる 炭素基質を産生するジャガイモ及びテンサイのような植物がある。トウモロコシ 、コムギ及びイネのような穀物も好ましい。他の有用な植物としては、タバコ、 及び、タイズ、キャノーラ、ナタネ、Arabiodopsis種及び落花生の ような高脂肪種子植物がある。砂漠及び鉱物質土壌で生育する稙物もPHA産生 に使用できる。このようにして産生され得るポリマーの非限定例としては、PH B、及び、PHB−PHCコポリマー、PHC−PHOコポリマー、PHO−P HDコポリマーのような短鎖長モノマーと中鎖長モノマーとを組合せたコポリマ ーがある。 上記の記載から、本発明の多様な変更が可能であることは明らかであろう。こ のような変更は本発明の要旨及び範囲から逸脱しないと考えられるべきであり、 当業者に自明のこの種の変更のすべてが請求の範囲に包含されると理解されたい 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 9/00 9/00 C12P 7/62 C12P 7/62 C12N 5/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)配列1の911位から1795位に示すコーディング鎖またはその相 補鎖のヌクレオチド配列、 (b)55〜65℃で0.5×SSCから2×SSC、0.1%SDSに等価の 洗浄緊縮性条件下で前記(a)のヌクレオチド配列にハイブリダイズでき且つポ リヒドロキシアルカノエート産生に好適な活性を有しているタンパク質をコード するヌクレオチド配列、 (c)前記(a)のヌクレオチド配列に少なくとも約40%の相同性を有してお り且つポリヒドロキシアルカノエート産生に好適な活性を有しているタンパク質 をコードするヌクレオチド配列、 (d)前記(a)のヌクレオチド配列と同じ遺伝情報をコードしているが遺伝コ ードの縮重性に従って縮重しているヌクレオチド配列、 (e)前記(b)のヌクレオチド配列と同じ遺伝情報をコードしているが遺伝コ ードの縮重性に従って縮重しているヌクレオチド配列、 から成るグループから選択されたヌクレオチド配列を含む単離されたDNA分子 。 2.配列1の911位から1795位までのDNA配列を有することを特徴とす る請求項1に記載のDNAセグメント。 3.宿主細胞中でRNA配列を産生させるべく機能するプロモーター領域と前記 プロモーターに作用可能に連結された請求項1に記載のDNA配列とを含んで成 る組換えDNAセグメント。 4.配列1の911位から1795位までのDNA配列を有することを特徴とす る請求項3に記載の組換えDNAセグメント。 5.請求項1から4のいずれか一項に記載のDNAセグメントを含む組換えベク ター。 6.請求項1から4のいずれか一項に記載のDNAセグメントを含んでおり、前 記DNAセグメントがプロモーター領域にヘテロロガスであることを特徴とする 組換え宿主細胞。 7.微生物または植物の細胞であることを特徴とする請求項6に記載の組換え細 胞。 8.Pseudomonas fluorescens rRNA相同グループ Iの細菌であることを特徴とする請求項6に記載の組換え細胞。 9.少なくとも20ヌクレオチドの長さを有しており少なくとも20個の連続す る請求項1に記載のヌクレオチドに対応する配列を有することを特徴とする単離 されたDNAセグメント。 10.ポリヒドロキシアルカノエートを産生させるために有用な細胞を形質転換 させる方法であって、 機能性PHAシンターゼ遺伝子を有する宿主細胞を選択する段階と、 宿主細胞中でRNA配列を産生するために機能するプロモーター領域と前記プ ロモーターに作用可能に連結されており前記プロモーター領域にヘテロロガスな 請求項1に記載のDNA配列とを含む組換えベクターを作製する段階と、 選択された宿主細胞を形質転換させる段階と、 形質転換細胞を再生する段階と、 から成る細胞の形質転換方法。 11.組換えベクターが配列1の911位から1795位までのDNA配列を含 むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 12.宿主細胞が微生物または植物の細胞であることを特徴とする請求項10に 記載の方法。 13.宿主細胞がPseudomonas fluoresc ens rRNA相同グループIの細菌から選択されることを特徴とする請求項 10に記載の方法。 14.3〜14個の炭素原子を有する反復単位から成るポリヒドロキシアルカノ エート(PHA)の産生方法であって、 請求項10から13のいずれか一項に記載の方法で作製した形質転換細胞をフ ァージ遺伝子の発現が得られるように培養する段階と、 細胞からPHAを回収する段階とから成る方法。 15.形質転換した微生物細胞を単純糖質基質を含む培地で培養することを特徴 とする請求項14に記載の方法。 16.培地がグルコネート、グルコース、スクロース、フルクトースまたはラク トースから成ることを特徴とする請求項15に記載の方法。 17.形質転換細胞をコーンシロップまたは糖蜜から成る培地で培養することを 特徴とする請求項14に記載の方法。 18.配列2のアミノ酸配列を有する実質的に精製されたタンパク質。 19.PhaGを発現する遺伝的に形質転換された植物を産生する方法であって 、 (i)植物細胞にRNA配列を産生させる機能を有しているプロモーターと、 (ii)前記プロモーターに作用可能に連結された請求項1に記載のPhaG DNA配列と、 を含んで成る組換え二重鎖DNA分子を宿主植物細胞のゲノムに挿入する段階と 、 形質転換植物細胞を作製する段階と、 形質転換植物細胞を再生させる段階と、 から成る方法。 20.PhaG DNA配列が配列1の911位から1795位までの配列であ ることを特徴とする請求項19に記載の方法。 21.宿主植物細胞のゲノムが更に機能性PHAシンターゼ遺伝子を含むことを 特徴とする請求項19に記載の方法。 22.更に、形質転換された植物または植物の部分を採取する段階を含む請求項 19に記載の方法。 23.採取した植物の部分が葉、根、種子または塊茎であることを特徴とする請 求項21に記載の方法。 24.宿主植物が、トウモロコシ、ジャガイモ、テンサイ、タバコ、小麦、また は、大豆、キャノーラ、ナタネ、ヒマワリ、 亜麻、落花生及びArabidopsisから成るグループから選択された高脂 肪種子植物であることを特徴とする請求項19に記載の方法。 25.請求項18から23のいずれか一項に記載の方法によって産生される植物 。 26.グルコネートからPHAを合成する能力を有していないがオクタン酸から PHAを合成する能力を有している突然変異微生物。 27.微生物がPseudomonas putidaの突然変異体であること を特徴とする請求項26に記載の突然変異体。 28.微生物が細菌または真菌の突然変異体であることを特徴とする請求項26 に記載の突然変異体。 29.微生物が、Streptomyces、Nocardia、Alcali genes、Bacillus、Escherichia、Klebsiell a、Lactobacillus、Methylomonas,Pseudom onas、Rhodospirillum、Aspergillus、Ceph alosporium、Penicillium、Saccaromyces、 Rhodotorula、Candi da、HansenulaまたはPichiaの突然変異体であることを特徴と する請求項26に記載の突然変異体。 30.グルコネートからPHAを合成する表現型の能力が配列1のDNA配列と の相補性によって回復することを特徴とする請求項26に記載の突然変異体。 31.微生物が放線菌類Actinomycetesまたは酵母の突然変異体で あることを特徴とする請求項28に記載の突然変異体。
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