JP2000516484A - 高度の空気循環を有する乗物シート及びそこで用いられる材料 - Google Patents

高度の空気循環を有する乗物シート及びそこで用いられる材料

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Abstract

(57)【要約】 改良された座り心地の良さを有する自動車のシートは、緩衝材料層内に含まれるスペーサー層を有する。前記スペーサー層は、大きな空隙容量及び殆ど無制限の空気流を有する。加熱された空気、冷却された空気又は周囲空気は、シートのスペーサー層中に強制的に入れることができ、それによって、シートは、体温及び発汗の除去に関して一層心地良いものになる。

Description

【発明の詳細な説明】 高度の空気循環を有する乗物シート及びそこで用いられる材料 発明の分野 本発明は、自動車及び他の乗物で用いるための、改良された座り心地の良さを 有するシートに関するものである。更に詳しくは、本発明は、自動車及び他の乗 物で用いることができ、また熱風又は冷風によって容易に加熱又は冷却すること ができるシートに関するものである。 発明の背景 典型的には、自動車及び他の乗物シートでは、緩衝材料としてポリウレタン及 び他の発泡材料が用いられている。これらの材料は、卓越した緩衝性を有する。 例えばフェルト及び繊維のような他の材料も、乗物シートにおいて、単独で又は フォームと組み合わせて用いることができる。用いられる軟質フォームは連続気 泡フォームであり、圧縮及び減圧下で、フォーム中への及びフォームから外への 空気の移動を許す。しかしながら、緩衝性を提供するために用いられるこれらの フォーム及び様々な他の充填材は、シート中の空気の流れを妨げ、シート内にお ける通気を制限する。自動車のシートでは、内部スプリングも用いることができ る。前記スプリングによって、空気の自由な循環が可能になるが、フォーム又は 他の軟質材料の厚い層で隠蔽して、座り心地の良さを提供しなければならず、そ のことによっても、シート表面の空気循環が悪くなる。 また典型的な緩衝材料は、断熱材としても働き、シートが占有されている場合 には熱を保持する。而して、暑い日には、空調を使用していても、シートが長時 間暖かく感じられる。同様に、寒いときには、乗物の暖房装置を数分間作動させ ない場合、もしくはシートが電気的に加熱されない場合には、シートは、初めは 冷たく感じられ、しばらくの間座っていないと冷たいままである。 搭乗者の体に極めて近接しているシートの中を迅速に空気を循環させることが できるならば、自動車及び他の乗物シートは、一層座り心地が良くなると思われ る。加熱された又は冷却された空気を循環させると、シート温度は、より迅速に 心地良いものとなり、また発汗による湿気の蓄積も排除される。発明の概要 改良された座り心地の良さを有する自動車用シートは、緩衝材料の層中に含ま れるスペーサー層を有する。大きな空隙容量(void volume)、低密度、及び殆ど 制限されない空気流を有するように、前記スペーサー層は設計される。大きな空 隙容量とは、スペーサー層中に大きな開放空隙が存在していることを意味してい る。更に、前記空隙は、前記の層を通じて連続しており、独立気泡の場合のよう に孤立したポケット中には包含されていない。空気流は実質的に制限されてはい けないので、連続気泡フォームも、スペーサー層として不適当である。空隙容量 が大きい故に、スペーサー層は、見掛密度が低い(スペーサー層を作るために用 いられる材料の密度は約10%未満)。スペーサー層は、シートの緩衝性を損な ってはならず、好ましくは緩衝性を向上させる。内部スプリングは、シート表面 へと非常に接近させなければならず、この用途では心地の良いものではないので 、不適である。一般的に、スペーサー層は、緩く詰められているが、スペーサー 層の開放性を保持するに足る剛性を有するいくつかの種類の材料を含む。 また、スペーサー層を、周囲空気、加熱された空気を送達するための手段及び /又は空調のための手段を提供する車の換気システムと接続して、加熱された又 は冷却されたシートを提供しても良い。空気で加熱された(air-heated)シート は、加熱むらがあるかもしれない電気加熱シートに比べて、一層心地良くあるべ きである。空調システムに対してシートを接続すると、シートを冷却することが でき;そのようにすると、冷却を容易に利用することができる。 スペーサー層として用いるのに理想的に適合する材料は、以下で詳細に説明す る三次元で形成される繊維網状構造である。 図面の簡単な説明 図1は、基材領域上に複数の「帽子形(hat-shaped)」突起3を有する三次元繊 維網状構造の部分を概略的に示している。前記繊維網状構造の目の荒いメッ シュ構造を図示してある。これらの例示的帽子形突起は、正方形の底面及び正方 形の頂面を有し、頂面は底面に比べて寸法が小さい。 図2は、図1の帽子形突起3の1つに関する概略拡大図を示しており、変形さ れる領域で起こる繊維材料のメッシュ構造の拡幅(widening)を示している。 図3は、円錐台形状である4つの突起に関する概略拡大図である。 図4は、バケットシートと、三次元繊維網状構造の形態のスペーサー層を含む 、用いることができる材料の多くの層のいくつかを示している。 発明の詳細な説明 一般的に、乗物シートは、緩衝材料及び布帛から成る2つ以上の層を含む。ス ペーサー層は、シートにおいて追加の層として含まれる。スペーサー層中に含ま れる空気が熱源、空調源、又は通風源として有効に機能することができるように 、スペーサー層はシートの外面に近接していなければならない(一般的には、約 1インチ以内)。 好ましくは、スペーサー層中の空気は、シート上方の空気と連絡していて、そ の結果、スペーサー層は、汗を運び去ることができ;また、加熱された又は冷却 された空気をスペーサー層中に強制的に入れ、その空気をシート表面へと直接通 すことができ、シート表面の間接的な加熱又は冷却ではなく、体と直接接触して いるシート部分の迅速な加熱又は冷却が得られる。而して、好ましくは、スペー サー層は、例えば布のような多孔質材料の1つ以上の薄層によって隠蔽される。 例えばポリウレタンフォーム又はなめし革のような低多孔質材料から成る1つ以 上の層を用いても良いが、それらは、空気の流れを可能にするために、スペーサ ー層と表面との間に風洞(air channels)を含む。風洞を有していない低多孔質 材料も、スペーサー層上のカバーとして用いても良いが、それらはあまり好まし くない。 加熱及び冷却システムからの空気は、スペーサー層中にある1個又は数個の開 口部の中に供給され、スペーサー層の空隙容量によって分散される。別法として 、スペーサー層内又はスペーサー層下に、1つ以上のポイントにおいて加熱シス テム及び空調システムからスペーサー層中に空気を供給するフレーム構造が存在 し ていても良い。通常は、空気は、エンジン室から、ホース又は他の管路を通って シートに達する。 以下で詳細に説明する三次元繊維網状構造は、スペーサー層として用いるため の理想的な材料である。繊維網状構造、而してスペーサー層は、様々な厚さで作 ることができる。シートの座り心地の良さ、その緩衝性及び通気性は、形成され る繊維網状構造の突起の大きさ、高さ、形状、及び間隔によって調節することが できる。一般的には単一層が用いられるが、1つ以上の繊維網状構造の層をスペ ーサー層で用いて、スペーサー層を厚くし、緩衝性を更に改良することができる 。また、搭乗者のプロポーション及び重量配分(weight distribution)に適合 するように突起の寸法を変化させることによって、人間工学的にシートの輪郭を 決めることもできる。また、例えばPETのような容易に再利用されるポリマー から完全に作られている場合には、繊維網状構造は再利用にも適する。 スペーサー層として有用である三次元繊維網状構造は、半硬質で寸法安定性で あるが、緩衝材料ならびにスペーサーとして有用であるに足る柔軟性を依然とし て有する。これらの繊維網状構造は圧縮可能であり、圧縮力を取り除くと、前記 材料は、それらの元の形状に復帰する(すなわち、それらは弾性である)。これら の繊維網状構造は、一般的に単一の熱可塑性ポリマー又はコポリマーから作られ 、熱硬化性ポリマーを含んでいないフィラメントを含む。繊維網状構造は、繊維 網状構造が作られるテキスタイル布帛の平面から立ち上がっている複数の突起か ら構成される。突起は、基材平面の上に概ね急に突き出しているテキスタイル布 帛の一部である。反対側において突き出ている及び基材平面から反対方向に突き 出ている窪み(depressions)も任意に存在することができる。突起及び任意の 窪みは、開かれた布帛様外観を保持しており、個々のフィラメントが互いに交錯 している交点で一般的に結合されていない離散フィラメントから成っている。網 状構造が初めに圧縮され、付着が容易に破壊される場合には(すなわち、付着は 「密結合」されていない)、交点において接合が存在していても良く、その後で 網状構造は弾性になる。突起及び任意の窪みが、それらの高さの50%まで圧縮 された後、それらの形状を実質的に回復する場合、網状構造は「弾性」である。 し かしながら、突起及び任意の窪みを圧縮した後、それらの形状が小さく変化して いても良い。例えば突起頂面の縁の曲率変化に関する小さな変化である。繊維が 互いに交錯しているポイントにおける密結合(tight bonds)の密度が増加する と、繊維網状構造及び突起は一層硬質になり、突起はそれらの弾性を失う。 テキスタイル布帛の開かれた構造と、突起及び/又は窪み内の大きな空隙容量 との故に、網状構造によって占められる空間の量を基準とすると、ポリマーに比 べて網状構造の密度は低い(一般的に約10%未満、好ましくは約5%未満)。空 気及び他の流体は、ほとんど抵抗を受けることなく、繊維網状構造の中を流れる ことができる。フィラメントは、ポリ(エチレンテレフタレート)の場合では約 100dpfに相当する少なくとも約0.1mmの直径を有するモノフィラメント の形態であることができる。繊維網状構造で用いられるフィラメントは、ほぼ同 じ全直径(total diameter)を有するマルチフィラメント糸から得ることもでき る。ただし、それは、成形プロセス中に加熱及び加圧下で、糸の個々のフィラメ ントを合体させてより大きなフィラメントにするという条件付きであり、またマ ルチフィラメント糸が、互いに交錯するポイントで堅く結合されないので、これ らの結合は、繊維網状構造が圧縮されると破壊され得るという条件が付く。大き なフィラメントへと合体されるマルチフィラメント糸は、混成糸(hybridyarns )であっても良く、又はコンジュゲートファィバー(bicomponent fibers)を含 んでいても良い。好ましくは、マルチフィラメント糸は、単一のポリマー又はコ ポリマーから作られる。 一般的に、上記フィラメントは、約80℃〜約375℃の温度で溶融する単一 の熱可塑性ポリマー又は熱可塑性コポリマー(もしくは任意にブレンド又はポリ マーアロイ)から作られる。上述したように、フィラメントは、混成糸又はコン ジュゲートファイバーから作っても良いが、あまり好ましくない。好ましくは、 ポリマーは、溶融紡糸法によって繊維にされる。三次元繊維網状構造を作るのに 用いることができるポリマーの組としては、ポリエステル、ポリアミド、熱可塑 性コポリエーテルエステルエラストマー、ポリ(アリーレンスルフィド)、ポリオ レフィン、脂肪族・芳香族ポリアミド、ポリアクリレート、及びサーモトロピッ ク液晶ポリマーが挙げられる。 一般的に、三次元繊維網状構造は、例えば繊維延伸(fiber drawing)プロセ スで生じると考えられる、繊維を永久に変形させることができるに足る高い温度 で、所望の形状へとテキスタイル布帛を変形することによって作られる。一般的 に、温度は、ガラス転移温度(Tg)を超え、好ましくは溶融温度未満のままで ある。変形は、熱加工(thermomechanical)プロセスによつて起こす。前記熱加 工とは、高温で機械的力を施用することを意味している。機械的力は、例えば固 相圧力成形、真空ブラダマッチプレート成形(vacuum bladder match plate mold ing)、鉗合、深絞り成形、熱金型などのような多数の方法を用いて施用すること ができる。熱及び圧力は、テキスタイル布帛が永久に変形するのに充分な時間で はあるが、フィラメントが合体して、成形された繊維網状構造の開放構造及び弾 性を失わせしめるような長時間及び高温(例えば、溶融温度を充分に超える温度 )ではない条件下で施用する。三次元繊維網状構造における個々のフィラメント は、依然として、それらの個々の繊維様外観及び特性の殆どを保持していた。 三次元繊維網状構造を作るときに用いられる出発二次元テキスタイル布帛は、 例えばメリヤス、織布、又は不織布(non-woven textile fabrics)のような布 帛の標準的な組のいずれかから選択される。布帛のタイプは、所望の網状構造の 種類に左右される。メリヤス生地(knit fabrics)は、それらの構造が繊維の破 損をもたらす個々の繊維の過剰な伸びを必要とせずに、容易に変形される利点を 有する。また、メリヤス生地は、ドレープ性も有する。織布は、例えば短繊維の ようなより大きな直径の繊維から、より容易に製造されるという利点を有する。 一般的に、不織布は、織布及びメリヤス生地に比べてあまり好ましくない。 乗物シートにおいて特有の有用性を有する三次元繊維網状構造は、前記構造が 作られるテキスタイル布帛の平面上に複数の突起を有する。任意に、窪みも、突 起に対して布帛の反対側上に存在していても良い。三次元繊維網状構造の例及び それらを作る方法は、参照として本明細書に明確に取り入れられる米国特許第5 ,364,686号及び第4,631,221号に要約されている。突起及び任 意 の窪みは、円錐又は円錐台、多角形の底面を有する角錐又は角錐台、円柱、角柱 、球形の部材などの形状で有り得る。一般的に、突起の頂点(apex points)又 は頂面(apex surfaces)は、底面に対して平行な平面を画定する。同様に、窪 みがある場合も、窪みの頂点又は頂面は、第二表面、例えば底面に対して平行な 平面を画定する。結果として、好ましい三次元網状構造は2つの表面又は平面を 画定し、1つは、突起の頂面によって画定され、もう1つは、底面か、あるいは 窪みによって画定される平面又は表面によって画定される。更に、一般的に、突 起及び任意の窪みは、一定の間隔を置いて、一様な又は反復性のパターンで配置 される。しかしながら、突起及び任意の窪みの形状、高さ、大きさ及び間隔を変 えて、特定の用途に適合させることができる。例えば、突起及び任意の窪みは、 特定の形状、例えば靴で用いるために人間の足の形状に適合するように変化させ ることができ、また、それらの剛性を変えて、重量支持能力を増加又は減少させ ることができる。突起及び/又は窪みは、平面の1つの方向に伸ばすこともでき 、極端な場合には、テキスタイル布帛の全長又は全幅を延ばすことができ、その 場合、突起は、カードボードで典型的に見られる突起のように、まさに波形(Co rrugations)である。殆どの用途にとっては、非波形構造が好ましい。 突起及び窪みのパターンの大きさ、高さ、形状及び間隔は、三次元網状構造の 緩衝性及び「感触(feel)」に影響を与える。網状構造における個々の繊維の剛性 は、三次元網状構造の緩衝性を決定する主な要因でもあり、その繊維の剛性は、 フィラメントの直径及び前記フィラメントを作るための材料(例えば、ポリマー )の種類に左右される。殆どの用途にとって、フィラメント直径は、約0.15 mm〜約0.7mmである。正方形の底面と、前記底面に比べてより短い辺を有 する正方形の頂面とを有する、規則的に配置された突起の好ましい構造の例を、 図1及び図2に示してある。別の好ましい構造は、例えば図3に示してあるよう に、同等な大きさ及び形状の角錐台である突起の規則的な配列から成る。 好ましくは、三次元繊維網状構造におけるフィラメントとして用いられるポリ マーは、硬質網状構造を作るために従来用いられて来た強化繊維とマトリックス ポリマーとの複合材料、例えば熱硬化性樹脂ではなく、単一の熱可塑性ポリマー 又は熱可塑性コポリマーから実質的に成っている。ポリマーブレンド又はポリマ ーアロイを用いても良いが、あまり好ましくない。前記ポリマーは、例えば難燃 剤、紡糸潤滑剤(spinning lubricants)などのような添加剤を半量未満含むこ とができる。熱可塑性ポリマーは、一般的には約80℃〜約375℃、好ましく は約140℃〜約350℃の溶融温度を有する。一般的に、三次元繊維網状構造 を作るのに好ましい熱可塑性ポリマーとしては:(1)2〜10個の炭素原子を有 するアルキレングリコールと芳香族二酸とのポリエステルであって、特に好まし くはポリ(アルキレンテレフタレート)、詳しくはポリエチレンテレフタレート) 及びポリ(ブチレンテレフタレート)であり、また好ましくはポリ(アルキレン ナフタレート)、すなわち2,6−ナフタレンジカルボン酸とアルキレングリコ ールとのポリエステル、例えばポリ(エチレンナフタレート);(2)以下で更に 詳細に説明する熱可塑性コポリエーテルエステルエラストマー;(3)繊維を作る ときに通常用いられるポリアミド、詳しくはナイロン6及びナイロン66;(4) ポリ(アリーレンスルフィド)、詳しくはポリ(フェニレンスルフィド);(5)ポ リオレフィン、詳しくはポリエチレン及びポリプロピレン;(6)脂肪族芳香族ポ リアミド、例えばテレフタル酸と2−メチル−1,5−ペンタンジアミンから誘 導されるポリアミド;(7)1,4−シクロヘキサンジメタノール及びテレフタル 酸から誘導されるポリエステル、及び(8)サーモトロピック液晶ポリマー、例 えば6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸及び4−ヒドロキシ安息香酸が挙げられる 。 乗物シートにおけるスペーサー層として用いるための特定の好ましいポリマー としては、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、熱可塑性コポリエーテル エステルエラストマー、ナイロン6及びナイロン66、及びポリプロピレンが挙 げられる。PETは、Hoechst Celanese Corporation,Somerville,NJを含む多 くの製造者から広く市販されている。PETは、紡糸して糸にするのに適する充 分に高い分予量を有しているべきであり;一般的に、少なくとも約0.6dl/gの 極限粘度数(I.V.)に対応する分子量が適当であり、前記I.V.は、25℃に おいてo−クロロフェノール中4%溶液(重量/体積)の相対粘度を測 定することによって決定される。次に、相対粘度を極限粘度数へと変換する。ポ リプロピレン及びナイロンも多くの製造者から広く市販されている。 熱可塑性エラストマーとも呼ばれている熱可塑性コポリエーテルエステルエラ ストマーは、実質的に、エステル結合によって頭・尾で結合された、非常に多数 の反復長鎖エーテルエステル単位と短鎖エステル単位とから成っている。長鎖エ ーテルエステル単位は、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に対してエステル 結合によって結合されたポリ(アルキレンオキシド)グリコール単位から構成さ れている。短鎖エステル単位は、短鎖グリコールとイソフタル酸及び/又はテレ フタル酸との反応生成物である。短鎖エステル単位は、熱可塑性エラストマーの 約15重量%〜約95重量%を構成している。三次元繊維網状構造を作るときに 用いられる熱可塑性エラストマーは、公知であり、米国特許第3,023,19 2号、第3,651,014号、第3,763,109号、第3,766,14 6号、第3,784,520号、第4,355,155号、第4,405,74 9号及び第4.520,150号を含む多数の引例で説明されている。ポリ-T HFとしても知られているポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールは、長鎖 エーテルエステル単位のための好ましいポリ(アルキレンオキシド)グリコール である。短鎖エステル単位において好ましいグリコールは、1,4−ブタンジオ ールと、約40重量%以下の1,4−ブテンジオールとの混合物である。最も好 ましくは、短鎖グリコールは1,4−ブタンジオールのみである。短鎖エステル 単位及び長鎖エステル単位を作るときに用いられる好ましい芳香族二酸は、イソ フタル酸を約20%以下含むテレフタル酸である。最も好ましくは、テレフタル 酸は、存在する二酸のみである。ポリ-THFとテレフタル酸との長鎖エーテル エステル単位、及び1,4−ブタンジオールとテレフタル酸との短鎖エステル単 位から構成されている熱可塑性コポリエーテルエステルエラストマーは、RITEFL EX(登録商標)という商標でHoechst Celanese Corporationから市販されている 。 例えばPET及びナイロンのような上記ポリマーの多くは、易燃性である。前 記ポリマーは、乗物で用いられるので、一般的に、前記ポリマーには、難燃剤を 添加する必要がある。殆どの難燃剤は、以下の6つの化学分類:すなわち、アル ミニウム三水和物;有機塩素化合物;有機臭素化合物;有機燐(ハロゲン化燐を 含む)化合物;酸化アンチモン;及び硼素化合物の1つから選択される。また、 難燃剤は、基幹(substrate)と配合される添加剤と、分離工程で、重合中にお いて、基幹に対して化学的に結合される活性成分(reactives)とに分類するこ ともできる。コモノマーとして活性成分を含むポリマーは、ポリマー組成物中に 難燃性モノマーを約10モル%以下含んでいても良い。時々用いられる難燃剤の 他の種類としては、発泡性防炎塗料、硫黄又は硫黄化合物(例えば、スルフアミ ド酸アンモニウム及びチオ尿素化合物)、及びビスマス、錫、鉄及びモリブデン の酸化物と炭酸塩が挙げられる。難燃剤の前記の組及び種類のすべては、Encycl opedia of Polymer Science and Engineering,Second Edition,Volume 7,John Wiley and Sons,New York,1987,pages 184-195に掲載されているR.G.Gannら による「易燃性(flammability)」という表題の論文で検討されている。PETに とって、好ましい難燃剤は、重合中にポリマー構造中に組み込まれる反応性燐化 合物であり、オキサ-ホスホラン(Oxa-phospholane)(固体)又はオキサ-ホス ホラングリコールエステル(Oxa-phospholane Glycol Ester)(溶液)という名 称で、Hoechst AGから市販されている。オキサ-ホスホラン製品は、遊離酸とし て2−カルボキシエチルメチルホスフィン酸、又はホスフィン酸の1種類以上の エチレングリコールエステル及びジエステルを含む。2−カルボキシエチルメチ ルホスフィン酸は、ポリエステルモノマー単位に関して約5%以下のレベルで、 ポリエステル主鎖中に組み込まれ、難燃剤として作用する。反応性ホスフィン酸 及び難燃性モノマーとしてのその使用は、参照として本明細書に取り入れられる 米国特許第4,033,936号及び第3,941,752号で教示されている 。 突起及び任意の窪みの間隔、大きさ、高さ、及び形状、フィラメントの直径、 及び布帛の構造を選択して、特定の用途のための所望の緩衝性を与える。また変 形の形状も、突起及び任意の窪みを作るために用いられる方法に左右される。例 えば、テキスタイル布帛を円形孔を有するプレートに対して保持し、円筒形ロッ ドをテキスタイル布帛と同じ側にある孔の中に押し通し、その結果として、テキ スタイル布帛を孔の中に押し通す変形方法では、テキスタイル布帛において作ら れる突起は、円錐台(すなわち、突起の底面及び頂面は双方とも円形である)の 形状になり、円錐台の頂面の直径は、テキスタイル布帛を孔に押し通すロッドの 直径である。同様に、正方形の孔を有するプレート及び正方形の断面を有するロ ッドを用いる場合、突起は「帽子形」となる。 上記繊維網状構造は、軽重量で耐久性があり、また通気性である。繊維網状構 造は、特性を有意に損失せずに、(好ましくは繰り返して)圧縮され得ることを 意味する弾力及び弾性を有する。これらの特性により、前記繊維網状構造は、ス ペーサーとしてだけでなく、他の目的のための乗物シートにおいても有用である 。繊維の剛性及び突起の大きさによっては、それらを、緩衝材料、衝撃吸収材料 、又は半硬質支持材料として用いても良い。好ましくは、それらは、例えばPE Tのようなただ1種類のポリマーから作られ、他の再利用可能なプラスチックと 共に、使用後に容易に再利用することができる(例えば、PETの場合はボトル) 。一般的に、繊維網状構造材料は、単一層として用いられるが、突起を噛み合わ せて(interlocking)面と面とを嵌合させる(nested)こともでき、又は多くの 方法で積み重ねることができる。その積み重ね方としては、例えば、1つの層の 突起(複数)を次の層の底面に対して積み重ねる方法、一層厚い空間及び緩衝を 提供するために2つの層の底面を互いに積み重ねる方法、又は突起の頂面にある 平らな領域を互いに向かい合わせて共に結合させる方法がある。1つ以上の層を 有する材料を、接着又は超音波溶接のような方法によって共に結合させることが できる。多層を用いると、所望の厚さを達成する場合において、また緩衝性を調 整する場合において、より大きな融通性が得られる。 形成された繊維網状構造は、乗物の加熱システム及び空調システムに接続され なくても、乗物シート緩衝材料として用いることができる。その通気性及び緩衝 性の故に、その状態でも心地良い。 繊維網状構造が乗物の加熱システム及び冷却システムに接続されていてもいな くとも、例えばフレーム、スプリング、フォームクッションなどのようなシート で普通に用いられる他の部材と組み合わせて追加の層として用いられる。シート 設計者は、現在使用されているシート設計を改良することによって、繊維網状構 造を乗物シート中に容易に組み込むことができる。 三次元繊維網状構造の例及び(任意には、加熱システム及び冷却システムと接 続して)自動車のシートで用いることができる方法を、以下の実施例及び図1〜 図4で説明する。 実施例 実施例1 Hoechst Celanese Corporationから入手した約180℃の溶融温度を有するRI TEFLEX 640コポリエーテルエステルエラストマーを溶融紡糸して、以下の特性を 有する0.20mm(435デニール)モノフィラメントを得た。ASTM試験 法D−3822によって測定した繊維の強力は2.89gpdであり、破断点伸びは 98%であった。同じ試験法によって測定された繊維の弾性回復率は、伸び率2 0%又は50%において、100サイクルの後、100%であった。モノフィラ メントを編んで、8縦目/インチの縦目(wale)及び42横目/インチのよこ糸を 有するテキスタイル布帛にした。 熱プレス板(heated press plate)によってメリヤス生地を三次元繊維網状構 造へと成形した。前記プレス板は、直径3/8インチの孔を有する金属板であり 、約160℃〜230℃まで加熱した。9秒間、加熱板に対して布帛をプレスし 、次に直径1/4のピンを孔から突き通した。これによって、底面の直径約3/ 8インチ及び頂面の直径約1/4インチである、布帛上に円錐台に成形された突 起が生じた。突起は、約3/16インチの高さであり、正方形格子状に間隔を置 いて配置されており、突起と突起との間の最も近い距離(中心から中心)は約3 /4インチである。 成形された繊維網状構造は、軟らかい弾力のある感触(soft springy feel) を有しており、クッション性を失わずに、繰り返し圧縮することができた。 実施例2 Hoechst Celanese Corporationから入手した約205℃で溶融するRITEFLEX67 2熱可塑性コポリエーテルエステルエラストマーを溶融紡糸して、823デニー ルのモノフィラメント(直径約0.28mm)を得た。ASTM試験法D−38 22によって測定した場合、繊維の破断点における強力は、2.4gpdであり、 87%の破断点伸びを有していた。同じ試験法によって測定された繊維の弾性回 復率は、伸び率20%又は50%において、100サイクルの後、100%であ った。 繊維を編んで、実施例1と同じ縦目及びよこ糸を有する布帛にした。その布帛 を実施例1と同じ条件下で、実施例1のプレス板装置を用いて、三次元繊維網状 構造へと変形させた。 この成形された繊維網状構造も、軟らかい弾力のある感触を有しており、クッ ション性を失わずに、繰り返し圧縮することができた。 実施例3 テキスタイル布帛で用いるために作られた市販のPETを溶融紡糸して、0. 182mmのモノフィラメント(約321デニール)を得た。次に、そのモノフ ィラメントから、1インチ当たり16縦目及び24横目を有する無地のメリヤス 生地を作った。 プレス板に1/4インチの孔と、直径1/8インチの円筒形ピンを有する以外 は実施例1で説明したものと同様な種類の装置を用いて、布帛サンプルを三次元 網状構造へと変形し、平らな頂面を有する円錐突起を作った。突起の底面及び頂 面は、ピンの底板にある孔の直径、及びピンの直径と同じであった。突起は、正 方形の格子状配列で配置され、1/2インチ(中心から中心)だけ離れていた。 突起の高さは、約1/4インチであった。突起は、底板及びピンを240℃まで 加熱し、約30秒間、布帛を孔を通してプレスすることによって作った。変形さ れた繊維は、弾性であり、手でプレスしたときに、安楽な弾力のある感触を有し ており、複数回の圧縮後でも前記の感触を保持していた。 実施例4 一連のポリ(エチレンテレフタレート)(PET)布帛サンプル(メリヤス及 び 織布の双方)を、等間隔に配置された孔の正方形格子状配列を有する約200℃ に加熱された底板に対して前記布帛を2分間プレスし、約180℃に加熱された 円筒形ピンを用いて底板にある孔の中に前記布帛を押し通すことによって、三次 元繊維網状構造材料にした。600秒間、前記ピンを適所に保持したサンプルN o.4(下記)を除いては、抜き取る前に、15秒間、前記ピンを適所に保持し た(温度で(at temperature)孔の中に突き通した)。それによって、等間隔に配 置された平らな頂面を有する円錐形の突起の三次元網状構造が得られた。前記突 起において、突起の底面は孔の直径を有し、突起の頂面はピンの直径を有してい た。機械的力が除かれた後の収縮の故に、突起の高さ(サンプルの厚さ)は、ピ ンによって孔の中に押し通された深さに比べて幾分短い。試験は、メリヤス及び 織布の双方に関して行った。 ポリウレタンフォーム及びラテックスフォームのために用いられる方法の改良 方法を用いて、これらのサンプルに関して圧縮試験を行った。材料のサンプルを 、インストロン引張試験機のプレートの間に配置し、0.02psiの荷重に対し てプレロードした。0.02psiの圧縮におけるプレート間の距離を、サンプル の厚さとして規定した。次に、厚さ0.10〜0.29インチのサンプルに関し ては0.2インチ/分の試験速度で、厚さ0.30〜0.69インチのサンプル に関しては0.5インチ/分、及び0.70〜1.39インチのサンプルに関し ては1.0インチ/分の速度で、2サイクルの間、60%まで圧縮した。前記2 つのプレサイクルによって、サンプルの内の2つ(表1のサンプルNo.4及び 6)は著しく変化した;これらの2つのサンプルに関してはプレサイクル測定も 記録してある。上記プレサイクルの6分後に、プレサイクルと同じ速度で、60 %まで圧縮して圧縮試験を行った。応力及び圧縮率を測定した。25%及び50 %圧縮における応力を測定した。これらの値は、二重反復測定値を得た試験の平 均と共に、表1に記録してある。これらの測定値は、圧縮が増加すると共に増加 を示しており、その傾向は、クッション用途には望ましい特性である。 0.02psiで測定したときのサンプルの厚さと、サンプルの測定された寸法 (長さ及び幅)とに基づいて、見掛体積を計算した。その値を用いて、0.0 16〜0.067g/ccの見掛密度が算出された。比較すると、固体PETは、約 1.4g/ccの密度を有する。而して、三次元繊維網状構造の見掛密度は、固体P ETの密度(これらの実施例では1.1%〜4.8%)の約5%未満である。単 位g/ccの見掛密度も表1に掲げてあり;これらは、62.4を掛けることによっ てポンド/立法フィートの単位に変換することができる。 実施例5 図4では、バケットシートが、硬質支持フレーム1の上方にあるクッション及 び他の材料のいくつもの層と共に示してある。硬質フォームクッション2の厚い 層が硬質フォーム中に配置される。前記の層は、空気分散フィルタ−3で隠蔽さ れ、前記フィルターは、ホース及び/又はダクトによって車の加熱及び冷却シス テムに接続され、三次元に形成された繊維網状構造4の層中へと、加熱すること ができる、冷却することができる又は周囲温度であることができる循環空気を分 散及び濾過するように機能する。前記三次元繊維網状構造4は、多孔質フォーム 5の薄層で隠蔽されいて、前記薄層は、シートの占有者への空気循環を向上させ るために、該層を貫通している孔を有する。最後に、シートは、布椅子張りの薄 層6で隠蔽され、また該層も、シートを貫通している、シート占有者への空気流 を増加させるための孔を有することができる。 三次元に形成された繊維網状構造4を含むシートは、自動車のHVACシステ ム中に組み込むことができる。加熱された又は冷却された空気は、自動車のエン ジン室で発生し、ダクト又はホースを通って車の内部に入り、更にシートクッシ ョン中に含まれる三次元に形成された繊維製品の層中に入る。空気流に対する抵 抗性は、充分に低く、フロントシートの繊維網状構造の中に入る空気は、フロン トシートの背側にある開口部を通って、自動車のバックシートの方へと排気する ことができ、その結果、バックシートの搭乗者も、加熱された又は冷却された、 通風孔からの空気を受容する。加熱及び冷却システムからの空気は、管又は管路 を通してバックシート中に、次にフロントシートに関して成される同じ仕方で、 バックシートの内側にある空隙容量の中に直接供給することもできる。 実施例6 自動車のシートで用いることができる三次元に形成された繊維網状構造の例は 、次の通りである。約0.2mmの直径を有するPETモノフィラメントを編ん だり又は織ったりして、布帛にする。その布帛を、変形プロセスによって所望の 三次元繊維網状構造にする。前記変形プロセスでは、約245℃の温度で15秒 間、直径3/4インチのピンを1.0インチの孔の中に押し通して、底面の直径 が約1.0インチ、頂面の直径が3/4インチ、高さが約1/2〜3/4インチ であって、頂面が平らである円錐台様に成形されている突起が生じる。前記突起 は、正方形格子状配列で配置されていて、約1.5インチ離れている(中心から 中心)。一般的に、通風される乗物シートを作るための厚さ(突起の高さ)は、 約0.5cm〜3cmであるが、より大きな厚さ及びより小さな厚さを用いても 良い。より硬質のスペーサーを必要とする場合は、複合材料を作ることができる 。例えば、突起を互いに対面させ噛み合わせることによって、2つ以上の成形繊 維網状構造を共に「嵌合させる」ことができる;繊維網状構造材料の底面は外側 に面している。別法として、底面を一緒にし、突起が別々に2つの方向に面する ように、又は突起の頂面にある平面領域が互いに面し、底面が外側に向くように 、2つの繊維網状構造を一緒に配置することによって、より厚い材料を得ること ができる。これらの複合材料の双方における層は、接着又は超音波溶接のような 方法を用いることによって互いに接着させても良い。 図4に示したシート設計は、三次元に形成された繊維材料を設計の中に組み込 んでいる1つのシート設計を説明している。層の順序の変更及び追加の材料と材 料層の使用を含む多くの変法がある。また前記変法は当業者には容易に理解され 、上記の説明及び実施例を、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない 。 (1)メリヤス生地は、約17縦目/インチ及び約38横目/インチを有する無 地のジャージーニットであった。織布に関して、単位は1インチ当たりの糸数で ある。 (2)0.02psiにおいて。 (3)突起の頂面の直径x突起の底面の直径x間隔(中心から中心)、単位は インチ。 (4)プレサイクルは荷重曲線の特性を著しく変化させる。試験片No.1及 びNo.2はプレサイクルを用いて試験した。試験片No.3はプレサイクルを用 いずに試験した。 (5)プレサイクルは荷重曲線の特性を著しく変化させる。試験片No.1は プレサイクルを用いて試験した。試験片No.2はプレサイクルを用いずに試験 した。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年1月23日(1998.1.23) 【補正内容】 緩衝層内における空気の大きな移動性を有する乗物シートが説明されて来た。例 えば米国特許第4,486,693号は、荷重下で変形可能であるスプリング体 を含み、共に接合される親水性繊維の開放立体延伸網状構造から成る乗物シート クッションを教えている。緩衝材料として座り心地が良く、乗物シートのクッシ ョン内において周囲空気又は加熱された空気又は冷却された空気を容易に循環さ せる他の材料に関する継続的なニードが依然として存在している。 発明の概要 改良された座り心地の良さを有する自動車シートは、緩衝材料層の1つとして 以下で説明されるスペーサー層を含む。前記スペーサー層は、大きな空隙容量、 低密度、及び殆ど制限されない空気流を有する三次元繊維網状構造である。大き な空隙容量とは、スペーサー層中に大きな開放空隙が存在していることを意味し ている。更に、前記空隙は、前記の層を通じて連続しており、独立気泡の場合の ように孤立したポケット中には包含されていない。空気流は実質的に制限されて はいけないので、連続気泡フォームも、スペーサー層として不適当である。空隙 容量が大きい故に、スペーサー層は、見掛密度が低い(スペーサー層を作るため に用いられる材料の密度は約10%未満)。スペーサー層は、シートの緩衝性を 損なってはならず、好ましくは緩衝性を向上させる。内部スプリングは、シート 表面へと非常に接近させなければならず、この用途では心地の良いものではない ので、不適である。 また、スペーサー層を、周囲空気、加熱された空気を送達するための手段及び /又は空調のための手段を提供する車の換気システムと接続して、加熱された又 は冷却されたシートを提供しても良い。空気で加熱された(air-heated)シート は、加熱むらがあるかもしれない電気加熱シートに比べて、一層心地良くあるべ きである。空調システムに対してシートを接続すると、シートを冷却することが でき;そのようにすると、冷却を容易に利用することができる。図面の簡単な説明 図1は、基材領域上に複数の「帽子形(hat-shaped)」突起3を有する三次元 繊維網状構造の部分を概略的に示している。繊維網状構造の目の荒いメッシュ構 造を図示してある。これらの例示的帽子形突起は、正方形の底面及び正方形の頂 面を有し、頂面は底面に比べて寸法が小さい。 図2は、図1の帽子形突起3の1つに関する概略拡大図を示しており、変形さ れる領域で起こる繊維材料のメッシュ構造の拡幅(widening)を示している。 図3は、円錐台形状である4つの突起に関する概略拡大図である。 図4は、バケットシートと、三次元繊維網状構造の形態のスペーサー層を含む 、用いることができる材料の多くの層のいくつかを示している。 発明の詳細な説明 一般的に、乗物シートは、緩衝材料及び布帛から成る2つの以上の層を含む。 スペーサー層は、シートにおいて追加の層として含まれる。スペーサー層中に含 まれる空気が熱源、空調源、又は通風源として有効に機能することができるよう に、スペーサー層はシートの外面に近接していなければならない(一般的には、 約1インチ(2.54cm)以内)。 乗物シートにおいて特有の有用性を有する三次元繊維網状構造は、前記構造が作 られるテキスタイル布帛の平面上に複数の突起を有する。任意に、窪みも、突起 に対して布帛の反対側上に存在していても良い。三次元繊維網状構造の例及びそ れらを作る方法は、米国特許第5,364,686号及び第4,631,221 号に要約されている。突起及び任意の窪みは、円錐又は円錐台、多角形の底面を 有する角錐又は角錐台、円柱、角柱、球形の部材などの形状で有り得る。一般的 に、突起の頂点(apex points)又は頂面(apex surfaces)は、底面に対して平 行な平面を画定する。同様に、窪みがある場合も、窪みの頂点又は頂面は、第二 表面、例えば底面に対して平行な平面を画定する。結果として、好ましい三次元 網状構造は2つの表面又は平面を画定し、1つは、突起の頂面によって画定され 、もう1つは、底面か、あるいは窪みによって画定される平面又は表面によって 画定される。更に、一般的に、突起及び任意の窪みは、一定の間隔を置いて、一 様な又は反復性のパターンで配置される。しかしながら、突起及び任意の窪みの 形状、高さ、大きさ及び間隔を変えて、特定の用途に適合させることができる。 例えば、突起及び任意の窪みは、特定の形状、例えば靴で用いるために人間の足 の形状に適合するように変化させることができ、また、それらの剛性を変えて、 重量支持能力を増加又は減少させることができる。突起及び/又は窪みは、平面 の1つの方向に伸ばすこともでき、極端な場合には、テキスタイル布帛の全長又 は全幅を延ばすことができ、その場合、突起は、カードボードで典型的に見られ る突起のように、まさに波形(corrugations)である。殆どの用途にとっては、 非波形構造が好ましい。 突起及び窪みのパターンの大きさ、高さ、形状及び間隔は、三次元網状構造の 緩衝性及び「感触(feel)」に影響を与える。網状構造における個々の繊維の剛 性は、三次元網状構造の緩衝性を決定する主な要因でもあり、その繊維の剛性は 、フィラメントの直径及び前記フィラメントを作るための材料(例えば、ポリ マー)の種類に左右される。殆どの用途にとって、フィラメント直径は、約0. 15mm〜約0.7mmである。正方形の底面と、前記底面に比べてより短い辺 を有する正方形の頂面とを有する、規則的に配置された突起の好ましい構造の例 を、図1及び図2に示してある。別の好ましい構造は、例えば図3に示してある ように、同等な大きさ及び形状の角錐台である突起の規則的な配列から成る。 難燃剤の前記の組及び種類のすべては、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,Second Edition,Volume 7,John Wiley and Sons,New York,19 87,pages 184-195に掲載されているR.G.Gannらによる「易燃性(flammability )」という表題の論文で検討されている。PETにとって、好ましい難燃剤は、 重合中にポリマー構造中に組み込まれる反応性燐化合物であり、オキサ-ホスホ ラン(Oxa-phospholane)(固体)又はオキサ-ホスホラングリコールエステル( Oxa-phospholane Glycol Ester)(溶液)という名称で、Hoechst AGから市販さ れている。オキサ-ホスホラン製品は、遊離酸として2−カルボキシエチルメチ ルホスフィン酸、又はホスフィン酸の1種類以上のエチレングリコールエステル 及びジエステルを含む。2−カルボキシエチルメチルホスフィン酸は、ポリエス テルモノマー単位に関して約5%以下のレベルで、ポリエステル主鎖中に組み込 まれ、難燃剤として作用する。反応性ホスフィン酸及び難燃性モノマーとしての その使用は、米国特許第4,033,936号及び第3,941,752号で教 示されている。 突起及び任意の窪みの間隔、大きさ、高さ、及び形状、フィラメントの直径、 及び布帛の構造を選択して、特定の用途のための所望の緩衝性を与える。また変 形の形状も、突起及び任意の窪みを作るために用いられる方法に左右される。例 えば、テキスタイル布帛を円形孔を有するプレートに対して保持し、円筒形ロッ ドをテキスタイル布帛と同じ側にある孔の中に押し通し、その結果として、テキ スタイル布帛を孔の中に押し通す変形方法では、テキスタイル布帛において作ら れる突起は、円錐台(すなわち、突起の底面及び頂面は双方とも円形である)の 形状になり、円錐台の頂面の直径は、テキスタイル布帛を孔に押し通すロッドの 直径である。同様に、正方形の孔を有するプレート及び正方形の断面を有するロ ッドを用いる場合、突起は「帽子形」となる。 上記繊維網状構造は、軽重量で耐久性があり、また通気性である。繊維網状構 造は、特性を有意に損失せずに、(好ましくは繰り返して)圧縮され得ることを 意味する弾力及び弾性を有する。これらの特性により、前記繊維網状構造は、ス ペーサーとしてだけでなく、他の目的のための乗物シートにおいても有用である 。繊維の剛性及び突起の大きさによっては、それらを、緩衝材料、衝撃吸収材料 、又は半硬質支持材料として用いても良い。好ましくは、それらは、例えばPE Tのようなただ1種類のポリマーから作られ、他の再利用可能なプラスチックと 共に、使用後に容易に再利用することができる(例えば、PETの場合はボトル )。実施例 実施例1 Hoechst Celanese Corporationから入手した約180℃の溶融温度を有するRI TEFLEX 640コポリエーテルエステルエラストマーを溶融紡糸して、以下の特性を 有する0.20mm(435デニール)モノフィラメントを得た。ASTM試験 法D−3822によって測定した繊維の強力は2.8gpdであり、破断点伸びは 98%であった。同じ試験法によって測定された繊維の弾性回復率は、伸び率2 0%又は50%において、100サイクルの後、100%であった。モノフィラ メントを編んで、8縦目/インチ(3.1縦目/cm)の縦目及び42横目/インチ (16.5横目/cm)のよこ糸を有するテキスタイル布帛にした。 熱プレス板(heated press plate)によってメリヤス生地を三次元繊維網状構 造へと成形した。前記プレス板は、直径3/8インチ(0.95cm)の孔を有 する金属板であり、約160℃〜230℃まで加熱した。9秒間、加熱板に対し て布帛をプレスし、次に直径1/4(0.64cm)のピンを孔から突き通した 。これによって、底面の直径約3/8インチ(0.95cm)及び頂面の直径約 1/4インチ(0.64cm)である、布帛上に円錐台に成形された突起が生じ た。突起は、約3/16インチ(0.48cm)の高さであり、正方形格子状に 間隔を置いて配置されており、突起と突起との間の最も近い距離(中心から中心 )は約3/4インチ(1.9cm)である。 成形された繊維網状構造は、軟らかい弾力のある感触(soft springy feel) を有しており、クッション性を失わずに、繰り返し圧縮することができた。 実施例2 Hoechst Celanese Corporationから入手した約205℃で溶融するRITEFLEX67 2熱可塑性コポリエーテルエステルエラストマーを溶融紡糸して、 823デニールのモノフィラメント(直径約0.28mm)を得た。ASTM試 験法D−3822によって測定した場合、繊維の破断点における強力は、2.4 gpdであり、87%の破断点伸びを有していた。同じ試験法によって測定された 繊維の弾性回復率は、伸び率20%又は50%において、100サイクルの後、 100%であった。 繊維を編んで、実施例1と同じ縦目及びよこ糸を有する布帛にした。その布帛 を実施例1と同じ条件下で、実施例1のプレス板装置を用いて、三次元繊維網状 構造へと変形させた。 この成形された繊維網状構造も、軟らかい弾力のある感触を有しており、クッ ション性を失わずに、繰り返し圧縮することができた。 実施例3 テキスタイル布帛で用いるために作られた市販のPETを溶融紡糸して、0. 182mmのモノフィラメント(約321デニール)を得た。次に、そのモノフ ィラメントから、1インチ当たり16縦目及び24横目(1cm当たり6.3縦 目及び9.4横目)を有する無地のメリヤス生地を作った。 プレス板に1/4インチ(0.64cm)の孔と、直径1/8インチ(0.3 2cm)の円筒形ピンを有する以外は実施例1で説明したものと同様な種類の装 置を用いて、布帛サンプルを三次元網状構造へと変形し、平らな頂面を有する円 錐突起を作った。突起の底面及び頂面は、ピンの底板にある孔の直径、及びピン の直径と同じであった。突起は、正方形の格子状配列で配置され、1/2インチ (1.27cm)(中心から中心)だけ離れていた。突起の高さは、約1/4イ ンチ(0.64cm)であった。突起は、底板及びピンを240℃まで加熱し、 約30秒間、布帛を孔を通してプレスすることによって作った。変形された繊維 は、弾性であり、手でプレスしたときに、安楽な弾力のある感触を有しており、 複数回の圧縮後でも前記の感触を保持していた。 実施例4 一連のポリ(エチレンテレフタレート)(PET)布帛サンプル(メリヤス及 び織布の双方)を、等間隔に配置された孔の正方形格子状配列を有する約200 ℃に加熱された底板に対して前記布帛を2分間プレスし、約180℃に加熱され た円筒形ピンを用いて底板にある孔の中に前記布帛を押し通すことによって、三 次元繊維網状構造材料にした。600秒間、前記ピンを適所に保持したサンプル No.4(下記)を除いては、抜き取る前に、15秒間、前記ピンを適所に保持 した(温度で(at temperature)孔の中に突き通した)。それによって、等間隔 に配置された平らな頂面を有する円錐形の突起の三次元網状構造が得られた。前 記突起において、突起の底面は孔の直径を有し、突起の頂面はピンの直径を有し ていた。機械的力が除かれた後の収縮の故に、突起の高さ(サンプルの厚さ)は 、ピニによって孔の中に押し通された深さに比べて幾分短い。試験は、メリヤス 及び織布の双方に関して行った。 ポリウレタンフォーム及びラテックスフォームのために用いられる方法の改良 方法を用いて、これらのサンプルに関して圧縮試験を行った。材料のサンプルを 、インストロン引張試験機のプレートの間に配置し、0.02psi(0.14kpa )の荷重に対してプレロードした。0.02psi(0.14kpa)の圧縮における プレート間の距離を、サンプルの厚さとして規定した。次に、厚さ0.10〜0 .29インチ(0.25〜0.74cm)のサンプルに関しては0.2インチ/ 分(0.51cm/分)の試験速度で、厚さ0.30〜0.69インチ(0.76 〜1.75cm)のサンプルに関しては0.5インチ/分(1.27cm/分)、及 び0.70〜1.39インチ(1.8〜3.5cm)のサンプルに関しては1. 0インチ/分(2.54cm/分)の速度で、2サイクルの間、60%まで圧縮した 。前記2つのプレサイクルによって、サンプルの内の2つ(表1のサンプルNo .4及び6)は著しく変化した;これらの2つのサンプルに関してはプレサイク ル測定も記録してある。上記プレサイクルの6分後に、プレサイクルと同じ速度 で、60%まで圧縮して圧縮試験を行った。応力及び圧縮率を測定した。25% 及び50%圧縮における応力を測定した。これらの値は、二重反復測定値を得た 試験の平均と共に、表1に記録してある。これらの測定値は、圧縮が増加すると 共に増加を示しており、その傾向は、クッション用途には望ましい特性である。 0.02psi(0.14kpa)で測定したときのサンプルの厚さと、サンプルの 測定された寸法(長さ及び幅)とに基づいて、見掛体積を計算した。その値 を用いて、0.016〜0.067g/ccの見掛密度が算出された。比較すると、 固体PETは、約1.4g/ccの密度を有する。而して、三次元繊維網状構造の見 掛密度は、固体PETの密度(これらの実施例では1.1%〜4.8%)の約5 %未満である。単位g/ccの見掛密度も表1に掲げてあり;これらは、62.4を 掛けることによってポンド/立法フィートの単位に変換することができる。 実施例5 図4では、バケットシートが、硬質支持フレーム1の上方にあるクッション及 び他の材料のいくつもの層と共に示してある。硬質フォームクッション2の厚い 層が硬質フォーム中に配置される。前記の層は、空気分散フィルタ−3で隠蔽さ れ、前記フィルターは、ホース及び/又はダクトによって車の加熱及び冷却シス テムに接続され、三次元に形成された繊維網状構造4の層中へと、加熱すること ができる、冷却することができる又は周囲温度であることができる循環空気を分 散及び濾過するように機能する。前記三次元繊維網状構造4は、多孔質フォーム 5の薄層で隠蔽されいて、前記薄層は、シートの占有者への空気循環を向上させ るために、該層を貫通している孔を有する。最後に、シートは、布椅子張りの薄 層6で隠蔽され、また該層も、シートを貫通している、シート占有者への空気流 を増加させるための孔を有することができる。 三次元に形成された繊維網状構造4を含むシートは、自動車のHVACシステ ム中に組み込むことができる。加熱された又は冷却された空気は、自動車のエン ジン室で発生し、ダクト又はホースを通って車の内部に入り、更にシートクッシ ョン中に含まれる三次元に形成された繊維製品の層中に入る。空気流に対する抵 抗性は、充分に低く、フロントシートの繊維網状構造の中に入る空気は、フロン トシートの背側にある開口部を通って、自動車のバックシートの方へと排気する ことができ、その結果、バックシートの搭乗者も、加熱された又は冷却された、 通風孔からの空気を受容する。加熱及び冷却システムからの空気は、管又は管路 を通してバックシート中に、次にフロントシートに関して成される同じ仕方で、 バックシートの内側にある空隙容量の中に直接供給することもできる。 実施例6 自動車のシートで用いることができる三次元に形成された繊維網状構造の例は 、次の通りである。約0.2mmの直径を有するPETモノフィラメントを編ん だり又は織ったりして、布帛にする。その布帛は、変形プロセスによって所望の 三次元繊維網状構造にされる。前記変形プロセスでは、約245℃の温度で15 秒間、直径3/4インチ(1.9cm)のピンを1.0インチ(2.54cm) の孔の中に押し通して、底面の直径が約1.0インチ(2.54cm)、頂面の 直径が3/4インチ(1.9cm)、高さが約1/2〜3/4インチ(1.27 〜1.9cm)であって、頂面が平らである円錐台様に成形されている突起が生 じる。前記突起は、正方形格子状配列で配置されていて、約1.5インチ(3. 8cm)離れている(中心から中心)。一般的に、通風される乗物を作るための 厚さ(突起の高さ)は、約0.5cm〜3cmであるが、より大きな厚さ及びよ り小さな厚さを用いても良い。 より硬質のスペーサーを必要とする場合は、複合材料を作ることができる。例 えば、突起を互いに対面させ噛み合わせることによって、2つ以上の成形繊維網 状構造を共に「嵌合させる」ことができる;繊維網状構造材料の底面は外側に面 している。別法として、底面を一緒にし、突起が別々に2つの方向に面するよう に、又は突起の頂面にある平面領域が互いに面し、底面が外側に向くように、2 つの繊維網状構造を一緒に配置することによって、より厚い材料を得ることがで きる。これらの複合材料の双方における層は、接着又は超音波溶接のような方法 を用いることによって互いに接着させても良い。 (1)メリヤス生地は、約17縦目/インチ(6.7縦目/cm)及び約38横目 /インチ(15.0横目/cm)を有する無地のジャージーニットであった。織布に 関して、単位は、1インチ当たりの糸数(1cm当たりの糸数)である。 (2)0.02psi(0.14kpa)において。 (3)突起の頂面の直径x突起の底面の直径x間隔(中心から中心)、単位は インチ(cm)。 (4)プレサイクルは荷重曲線の特性を著しく変化させる。試験片No.1及 びNo.2はプレサイクルを用いて試験した。試験片No.3はプレサイクルを用 いずに試験した。 (5)プレサイクルは荷重曲線の特性を著しく変化させる。試験片No.1は プレサイクルを用いて試験した。試験片No.2はプレサイクルを用いずに試験 した。 1.(a)緩衝材料及び布帛から選択される材料の2つ以上の層と、(b)該材 料層の間にあるスペーサー層とを含む乗物シートであって、前記スペーサー層が 、該シートの外面の約1インチ(2.54cm)以内に配置されていて、該スペ ーサー層が、少なくとも0.1mmの直径を有する熱可塑性フィラメントを含む テキスタイル布帛の平面から立ち上がっている該テキスタイル布帛から成る複数 の突起を有する該テキスタイル布帛を含む三次元繊維網状構造の1つ以上の層か ら実質的に成ることを特徴とし、また前記スペーサー層が、該スペーサー層を作 るために用いられる材料の密度の約10%未満の密度を有する前記乗物シート。 2.該スペーサー層が、該乗物の加熱及び通気システムに接続される請求項1 記載の乗物シート。 3.該スペーサー層が、該乗物の空調システムに接続される請求項1記載の乗 物シート。 5.該熱可塑性フィラメントが、実質的に、熱可塑性ポリマーから成る請求項 1記載の乗物シート。 6.該熱可塑性フィラメントがモノフィラメントであり、該突起が、それらの 元の高さの50%まで圧縮された後、それらの元の形状に実質的に復帰する弾性 を有する請求項5記載の乗物シート。 7.該スペーサー層が、実質的に、該三次元繊維網状構造の1つの層から成る 請求項1記載の乗物シート。 8.三次元繊維網状構造を含む乗物シートであって、前記三次元繊維網状構造 が、少なくとも約0.1mmの直径を有する熱可塑性フィラメントを含む該テキ スタイル布帛の平面から立ち上がっている該テキスタイル布帛から成る複数の突 起を有するテキスタイル布帛を含み、また該テキスタイル布帛の見掛密度が、該 熱可塑性フィラメントの密度の約10%未満である前記乗物シート。 9.該突起が、それらの元の高さの50%まで圧縮された後、それらの元の形 状に実質的に復帰する弾性を有する請求項8記載の乗物シート。 10.該熱可塑性フィラメントが、実質的に熱可塑性ポリマーから成るモノフ ィラメントである請求項8記載の乗物シート。 11.該布帛の中にある該フィラメントが、交点で互いに交錯していて、該交 点において該フィラメントが結合されない請求項8記載の乗物シート。 12.該突起が、表面を画定する頂点又は平面状頂面を有する請求項8記載の 乗物シート。 22.布帛及び/又は緩衝材料の2つ以上の層の間にスペーサー層を配置する工 程を含む乗物シートを作る方法であって、前記スペーサー層が、該シートの外面 の約1インチ(2.54cm)以内に配置されていて、また該スペーサー層が、 少なくとも約0.1mmの直径を有する熱可塑性フィラメントを含む該テキスタ イル布帛の平面から立ち上がっている該テキスタイル布帛から成る複数の突起を 有する該テキスタイル布帛を含み、また、該スペーサー層が、該スペーサー層を 作るために用いられる材料密度の約10%未満の密度を有する前記方法。 23.該スペーサー層が、該乗物の加熱及び通気システムに接続される請求項 22記載の方法。 24.該スペーサー層が、該乗物の空調システムに接続される請求項22記載 の方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)緩衝材料及び布帛から選択される材料の2つ以上の層と、(b)該材料 層の間にあって、乗物シートの外面の約1インチ以内に配置されたスペーサー層 とを含む乗物シートであって、前記スペーサー層が、該スペーサー層を作るため に用いられる材料の密度の約10%未満の密度を有する前記乗物シート。 2.該スペーサー層が、該乗物の加熱及び通気システムに接続される請求項1 記載の乗物シート。 3.該スペーサー層が、該乗物の空調システムに接続される請求項1記載の乗 物シート。 4.該スペーサー層が、実質的に、少なくとも0.1mmの直径を有する熱可 塑性フィラメントを含むテキスタイル布帛の平面から立ち上がっている該テキス タイル布帛から成る複数の突起を有する該テキスタイル布帛を含む三次元繊維網 状構造の1つ以上の層から成る請求項1記載の乗物シート。 5.該熱可塑性フィラメントが、実質的に、熱可塑性ポリマーから成る請求項 4記載の乗物シート。 6.該熱可塑性フィラメントがモノフィラメントであり、該突起が、それらの 元の高さの50%まで圧縮された後、それらの元の形状に実質的に復帰する弾性 を有する請求項5記載の乗物シート。 7.該スペーサー層が、実質的に、該三次元繊維網状構造の1つの層から成る 請求項4記載の乗物シート。 8.少なくとも約0.1mmの直径を有する熱可塑性フィラメントを含む該テ キスタイル布帛の平面から立ち上がっている該テキスタイル布帛から成る複数の 突起を有する該テキスタイル布帛を含む乗物シート。 9.該突起が、それらの元の高さの50%まで圧縮された後、それらの元の形 状に実質的に復帰する弾性を有する請求項8記載の乗物シート。 10.該熱可塑性フィラメントが、実質的に熱可塑性ポリマーから成るモノフ ィラメントである請求項8記載の乗物シート。 11.該布帛の中にある該フィラメントが、交点で互いに交錯していて、該交 点において該フィラメントが結合されない請求項8記載の乗物シート。 12.該突起が、表面を画定する頂点又は平面状頂面を有する請求項8記載の 乗物シート。 13.該テキスタイル布帛の見掛密度が、該熱可塑性繊維の密度の約10%未 満である請求項8記載の乗物シート。 14.該熱可塑性ポリマーが、約80℃〜約375℃の融点を有する請求項1 0記載の乗物シート。 15.該熱可塑性ポリマーが、ポリエステル、ポリアミド、熱可塑性コポリエ ーテルエステルエラストマー、ポリ(アリーレンスルフィド)、ポリオレフィン 、脂肪族・芳香族ポリアミド、ポリアクリレート、及びサーモトロピック液晶ポ リマーから成る群より選択される請求項10記載の乗物シート。 16.該熱可塑性ポリマーが、ポリエステルである請求項10記載の乗物シー ト。 17.該熱可塑性ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)である請求項 10記載の乗物シート。 18.該熱可塑性ポリマーが、ポリプロピレン、ナイロン6及びナイロン66 から成る群より選択される請求項10記載の乗物シート。 19.該テキスタイル布帛が、窪みも含む請求項8記載の乗物シート。 20.該フィラメントが、約0.15mm〜約0.7mmの直径を有する請求 項8記載の乗物シート。 21.該突起が、約0.5cm〜約3cmの高さを有する請求項8記載の乗物 シート。 22.布帛及び/又は緩衝材料の2つ以上の層の間にスペーサー層を配置する 工程を含む乗物シートを作る方法であって、前記スペーサー層が、該シートの外 面の約1インチ以内に配置されていて、該スペーサー層を作るために用いられる 材料密度の約10%未満の密度を有する前記方法。 23.該スペーサー層が、該乗物の加熱及び通気システムに接続される請求項 22記載の方法。 24.該スペーサー層が、該乗物の空調システムに接続される請求項22記載 の方法。 25.該スペーサー層が、実質的に、少なくとも0.1mmの直径を有する熱 可塑性フィラメントを含むテキスタイル布帛の平面から立ち上がっている該テキ スタイル布帛から成る複数の突起を有する該テキスタイル布帛を含む三次元繊維 網状構造から成る請求項22記載の方法。
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