JP2000516171A - 刷版の表面から余剰の印刷インクを掻き取るためのドクターブレード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 刷版（１０）の表面から余剰の印刷インクを掻き取るためのドクターブレードは、刷版（１０）の表面と協働する薄板（３）の形態の前方部分を有する。薄板（３）によって刷版表面に及ぼされる接触圧力の結果、刷版表面に摩耗或いは損傷を回避するために、薄板（３）は、ドクターブレード全長に亘る被覆層（５）を有する。被覆層（５）は、減摩剤からなるか、或いは減摩剤粒子（８）を有する。薄板（３）と刷版（１０）表面との間の摩擦の相当な減少の結果、刷版表面の摩耗が減じるだけでなく、ドクターブレードの摩耗も減じ、それにより耐用年数が延びる。

Description

【発明の詳細な説明】 刷版の表面から余剰の印刷インクを掻き取るためのドクターブレード この発明は、請求項１の上位概念による刷版の表面から余剰の印刷インクを掻 き取るためのドクターブレードに関するものである。 例えば、凹版印刷方法で使用されるこの種のドクターブレードは、米国特許４ １８４４２９号から周知である。このドクターブレードは保持体に組込まれる後 方ドクターブレード部分と、ある厚さを有し刷版の表面に当たる前方薄板とから 成る。薄板は本質的に後方ドクターブレード部分より薄い（その厚さは後方ドク ターブレードの約半分である）。このドクターブレードの長所は、刷版の表面と 協働する前方接触域の摩耗の場合、全薄板幅が消耗され、摩耗されるまで、この 接触域は必要な印刷品質に必須の寸法または幾何学形状において、できる限り変 化せず、影響されないで留まることにある。接触域での一定の幾何学特性および 一定のドクターブレード圧力は、押圧力の手による後調整を不必要にし、一定の 印刷品質を可能にする。 しかしながら、このドクターブレードの場合、刷版の表面は、凹版刷版では最 上クロム層がドクターブレードにより摩耗され、または、損傷される危険がある 。それと共に、ドクターブレードは摩耗にさらされる。鋼ドクターブレード／ク ロム層に関する摩擦学は常に問題となるものであった。この欠点を取り除くため に、接触域で現れ、ドクターブレードと刷版表面との間での摩擦を減らす減摩剤 をドクターブレード自体に埋設することは、ＤＥ−Ａ−２８１７９６４から周知 である。この解決策は、埋設された減摩剤によりドクターブレードの特性、例え ば、その弾性特性が損なわれるという欠点を有する。さらに、この解決策は製造 技術的に困難で高価である。 ドクターブレード摩耗を減少するため、薄板の範囲でドクターブレードを耐摩 耗性材料で被覆することも周知である。しかしながら、この解決策は刷版の摩耗 または損傷の危険を拡大する。 同様の問題性は２つの支持シート間で締付けられ、薄く、全ドクターブレード 幅に亘り一定の厚さを有するシードが形成される細長いドクターブレードでも生 じる。 この発明は、ドクターブレードの特性が損なわれることなく、刷版の表面の摩 耗およびドクターブレード摩耗が著しく減少されるドクターブレードを提供する ことを課題としている。 この課題は、この発明によると、請求項１に記載した特徴により解決される。 この発明によるドクターブレードは、刷版表面の摩耗を減少する被覆層が従来 製造されたようなドクターブレードに塗布され、ＤＥ−Ａ−２８１７９６４によ る上記解決策より製造技術的に簡単で安価である。 特に、ドクターブレードの摩耗を減少する異なる材料の粒子が予め存在する層 内に減摩剤を埋設すると有利である。この種の被覆層はドクターブレード摩耗の 特に有効な減少およびドクターブレードの寿命の向上を生じ、それにもかかわら ず、刷版表面を摩耗から保護する。 この発明によるドクターブレードの別の有利な構成は、従属請求項の対象を形 成する。 この発明を図面に基づき詳細に説明する。 図１は、拡大寸法でのドクターブレードの一実施例の断面を図示する。 図２は、図１によるドクターブレードの被覆部分の断面を一層拡大して図示す る。 図１によると、ドクターブレード１は後方ドクターブレード部分２と、後方ド クターブレード部分２よりも薄く、それと一体の前方薄板３の形状の前方部分と から成る。例えば、後方ドクターブレード部分２の厚さＤ１は約１５０μであり 、薄板３の厚さＤ２は約５０μである。薄板３の上側を図１では３ａで示し、下 側を３ｂで示す。ドクターブレード幅Ｂ１は、必要に応じて、例えば、８−８０ ｍｍにでき、その際、薄板幅Ｂ２は約１ｍｍとなる。ドクターブレードは、用途 に応じて異なるドクターブレード長さ（図面平面に対して垂直な面で測定して） を有する。 ドクターブレード１は、場合により、その後方ドクターブレード部分２が図示 しない保持体内に支持ドクターブレードと共に取り付けられる。薄板３は、図で 点線で示す刷版１０、例えば、凹版印刷胴の表面へ所定の圧力を受けて押圧され 、刷版の余剰の印刷インクを掻き取る。刷版１０の回転方向を矢印Ｄで示す。刷 版へ当たる薄板３の前方接触領域を４で示す。ドクターブレードの正確な幾何学 形状、刷版に対する位置決め、その長所は、例えば、米国特許４１８４４２９号 から周知であり、それで、ここでは詳細に記載しない。 ドクターブレード１と接触する刷版１０の表面、例えば、凹版印刷胴のクロム 層の摩耗をできる限り減少すために、この発明によると、薄板３および薄板３に 接続する後方ドクターブレード１の区域は、全ドクターブレード長さに亘り、減 摩剤から成るか、少なくとも、減摩剤粒子を有する被覆層５を備える。接触域に ある減摩剤により、ドクターブレード１と刷版１０の表面とのの間摩擦は著しく 減少され、刷版の摩耗は減少する。 例えば、図２で示すように、被覆層５は担体材料７をうまく含み、担体材料内 には減摩剤粒子８も、耐麿耗性材料の粒子９が埋設される（粒子８、９は図２で ごく簡単に示されている。）。最後に述べた粒子９はドクターブレード１および 薄板３の摩耗を減少し、それらの寿命を向上する一方、なるほど、ドクターブレ ード摩耗を減少するが、むしろ、刷版表面の損傷危険それ自体を増加する粒子９ の存在にもかかわらず、刷版表面の摩耗を減少するように減摩剤粒子８を配慮す る。 被覆層５は数μの厚さを有し、減摩剤粒子８および異なる材料の粒子９は１μ 以下である。保護層５は種々の仕方で予め仕上げたドクターブレード上に、例え ば、射出、貼着等により化学的に、メッキで塗布できる。 図示実施例では、前方部分および薄板３の両側３ａ，３ｂが被覆される。しか し、この発明によると、両側の一方側、特に、刷版１０の回転方向Ｄに向く側３ ｂを被覆することもできる。 しかし、両側３ａ，３ｂの一方側に減摩剤から成る被覆層または減摩剤粒子を 含む被覆層を設け、他方側に異なる材料の粒子を有する保護層を設けることもで きる。 この発明による保護層は、例えば、米国特許５６３８７５１号で周知であるド クターブレードの場合も適用できる。これらのドクターブレードでは、刷版の表 面と協働する前方部分（米国特許５６３８７５１号の参照番号１８）と、後方部 分（参照番号１４）との間に、前方部分より厚く後方ドクターブレードより薄い 中間部分（参照番号１６）が配置される。また、このドクターブレードでは、前 方部分は前記のようにして被覆することもできる。 図面および（米国特許５６３８７５１号でも）、後方ドクターブレードおよび 前方部分（例えば、米国特許５６３８７５１号での中間部分１６でも）は一体的 に構成される一方、この発明によるドクターブレードの後方部分は、２以上の相 互に重合し、互いに連結される部分または層から構成できる。 ２つの支持シート間で締め付けられ、全ドクターブレード幅に亘り薄く一定厚 さを有するシートから形成される細長いドクターブレードも、この発明による保 護層を備えることができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．刷版（１０）の表面から余剰の印刷インクを掻き取るドクターブレードにお いて、刷版（１０）の表面と協働する前方部分（３）には、全ドクターブレー ド長さに亘り、少なくとも一方側（３ａ，３ｂ）上に、減摩剤から成る被覆層 か減摩剤粒子（８）を含む被覆層（５）が設けてあることを特徴とする前記ド クターブレード。 ２．ドクターブレード摩耗を減らすために、被覆層（５）は異なる材料の粒子（ ９）を有することを特徴とする請求の範囲１に記載のドクターブレード。 ３．被覆層（５）は、減摩剤粒子（８）および異なる材料の粒子（９）が埋設さ れた担体材料（７）を含むことを特徴とする請求の範囲２に記載のドクターブ レード。 ４．前方部分（３）の一方側（３ａまたは３ｂ）には、減摩剤から成る被覆層（ ５）または減摩剤粒子（８）を含む被覆層（５）が設けられ、他方側（３ｂま たは３ａ）には、異なる材料の粒子（９）を有する被覆層が設けられることを 特徴とする請求の範囲１に記載のドクターブレード。 ５．前方部分（３）は保持体への組込みのため設けられる後方ドクターブレード （２）より薄いことを特徴とする請求の範囲１乃至請求の範囲４のいずれかに 記載のドクターブレード。 ６．後方ドクターブレード（２）および前方部分を形成する薄板（３）は一体的 に構成されることを特徴とする請求の範囲５に記載のドクターブレード。 ７．薄板（３）と後方ドクターブレード（２）との間に、薄板（３）より厚く後 方ドクターブレード（２）より薄い中間部分が配置されることを特徴とする請 求の範囲６に記載のドクターブレード。 ８．後方ドクターブレード（２）は２以上の相互に重合し、互いに連結する部分 から成ることを特徴とする請求の範囲５に記載のドクターブレード。 ９．薄板（３）を除き、被覆層（５）はドクターブレードの限定される範囲へ延 びることを特徴とする請求の範囲６または請求の範囲７に記載のドクターブレ ード。 10．被覆層（５）は、特に、刷版（１０）の回転方向に向く前方部分（３）の側 （３ｂ）に塗布されることを特徴とする請求の範囲１乃至請求の範囲３または 請求の範囲５乃至請求の範囲９のいずれかに記載のドクターブレード。