JP2000504979A - 通気性液体不透過性バックシートを有する吸収体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 通気性液体不透過性バックシートを有する使い捨て吸収体。この使い捨て吸収体は、好ましくは、液体透過性トップシートと、トップシートに固定された通気性液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートの間に配置された吸収性コアを有している。通気性液体不透過性バックシートは、約1000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたときに実質的にゼロの動的液体透過を示し、少なくとも約2000g/m²/24時間の質量蒸気透過率を示す。

Description

【発明の詳細な説明】 通気性液体不透過性バックシートを有する吸収体 発明の分野 本発明は、一般に、使い捨ておむつや、失禁用ショーツ、失禁用下着、失禁パ ッド、女性用衛生衣類、排泄トレーニングパンツ、穿くタイプの衣類などの使い 捨て吸収体に関する。より詳しくは通気性液体不透過性バックシートを有する使 い捨て吸収体に関する。 発明の背景 乳幼児やその他の失禁者は、尿やその他の体の排泄物を受入れて封じ込めるた めに、おむつ等の使い捨て吸収体を装着する。吸収体は、排出された物質を封じ 込め、また、これらの物質を装着者の体と装着者の衣類や寝具から隔離する両方 の働きをする。多くの様々な基本的設計を有する使い捨て吸収体が、この分野で 知られている。吸収された液体がおむつを通過して衣類や寝具等の隣接物を汚す のを防ぐために、使い捨ておむつの外部を柔軟な液体及び蒸気不透過性シートで 覆うことができることも知られている。これらの外側カバーは一般にバックシー トと呼ばれているが、これらはポリエチレン等の液体不透過性フィルムから構成 されていることが多い。このようなバックシートは液体がおむつを通過するのを 防ぐが、これらはまた、空気及び/又は湿分に対する不透過性のために、おむつ を暑苦しく感じさせ、装着が不快であると感じさせることがある。 蒸気透過性であるバックシートは一般に通気性バックシートとして知られてお り、当技術において記載されている。一般にこれらのバックシートは、蒸気がこ れらを通過することができるようにする一方で、少なくともある程度まで液体の 通過を遅らせるものである。例えば1964年11月10日にCrowe,Jr.に発行された米 国特許第3,156,242号は、通気性バックシートとしての微孔質フィルムの使用を 教示している。1975年5月6日にHartwellに発行された米国特許第3,881,489号は 、2つの層を組合わせて備えており、第一の層が低い空隙率の穿孔熱可塑性フィ ルムで、第二の層が高い空隙率の多孔質疎水性ティシューである通気性バックシ ー トを教示している。1976年11月２日にSissonに発行された米国特許第3,989,867 号は、液体の通過を妨げる一方で、蒸気がこれを容易に通過できるようにする先 細り中空ボスを備えた通気性バックシートを教示している。 これらのバックシートは、先行技術の通常実施されている不透過性バックシー トに対して改良を与えてはいるが、これらは通常の使用条件に付されたとき、十 分に液体不透過性でないことが分かった。例えば使い捨ておむつのバックシート として用いられた場合、これらのバックシートは、乳幼児が座ったことによる衝 撃を受けたときに尿を透過させることがある。衝撃を受けた液体がこのような材 料を通過する能力は、尿排泄物のおむつバックシートを通る不所望な透過を引き 起こす。 従って、通気性であって装着者に快適さを保証しつつ、良好な封じ込め特性を 有する使い捨て吸収体バックシートを提供することが、本発明の目的である。 通常の使用条件に供されたときに良好な封じ込め特性を有する通気性バックシ ートを有する使い捨て吸収体を提供することが、本発明のもう1つの目的である 。 本発明のこれらの目的及びその他の目的は、添付図面と共に以下の記載を参照 して考慮することで、より明らかになろう。 発明の概要 本発明は、少なくとも一部が通気性で液体不透過性であるバックシートを有す る使い捨ておむつ等の使い捨て吸収体である。この使い捨て吸収体は、好ましく は、液体透過性トップシートと、トップシートに接合されたバックシートと、ト ップシートとバックシートの間に配置された吸収性コアを有している封じ込め集 成体を備えている。吸収性コアは、一対の向かい合った長手方向縁部と、内側表 面と、外側表面とを有している。ある実施の形態では、バックシートの少なくと も一部は、約1000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたときに実質的にゼロ の動的液体透過を示すとともに、少なくとも約2000g/m²/24時間の質量蒸気透過 率を示す。別の実施の形態では、バックシート全体が、約1000ジュール/m²の衝 撃エネルギーに付されたときに実質的にゼロの動的液体透過を示すと共に、少な くとも約2000g/m2/24時間の質量蒸気透過率を示す。 図面の簡単な説明 本明細書は、本発明を形成すると見做される主題を特に指摘し、明確に請求す る請求の範囲で終わるが、本発明は添付図面と共に成される以下の説明からより よく理解されるであろう。なお、図面において、同様の記号は実質的に同じ要素 を示している。 図1は、下部構造を見せるためにいくつかの部分が切り取られている、おむつ の内側表面が見る人の方を向いている、本発明の使い捨ておむつの実施形態の平 面図である。 図1Aは、おむつの様々なパネルやゾーンを示している、平らな非収縮状態にあ る本発明の使い捨ておむつの簡略平面図である。 図2は、液体衝撃値を測定するために用いられる装置の簡略図である。 図3は、本発明のおむつバックシートのもう1つの実施形態の平面図である。 図4は、本発明のおむつバックシートのもう1つの実施形態の平面図である。 図5は、本発明のおむつバックシートのもう1つの実施形態の平面図である。 発明の詳細な説明 本明細書で用いる「吸収体」という用語は、体の排泄物を吸収して封じ込める装 置のことを言い、より特定すれば、体内から排出された様々な排泄物を吸収して 封じ込めるために、装着者の体に、または体の近くに配置される装置のことを言 う。「使い捨て」という用語は、本明細書では、洗濯されたり、吸収体として復元 や再使用されたりすることのない吸収体を述べるために用いている(すなわち、 これらは、ただ1回の使用後に捨てられるものであり、好ましくは、リサイクル されたり、堆肥にされたり、環境に優しい方法で処分されるものである)。「一体 型」吸収体とは、統合されて調和した物体を形成する別々の部品から形成され、 従って別々のホルダーとライナーのような別々に操作される部品を必要としない 吸収体のことを言う。 本発明の吸収体の好ましい実施形態は、図1に示されている一体型使い捨て吸 収体、おむつ20である。本明細書で用いる「おむつ」という用語は、乳幼児や失禁 者が一般に装着する吸収体であり、装着者の胴体下部に装着されるものを言う。 しかし、本発明はまた、その他の吸収体、例えば失禁用ショーツ、失禁用下着、 おむつホルダー及びライナー、女性用衛生衣類、排泄トレーニングパンツ、穿く タイプの衣類等にも適用できる。 図1は、平らに広げられた非収縮状態にある(すなわち弾性誘発された収縮が引 張って伸ばされている)本発明のおむつ20の平面図であり、この構造のいくつか の部分が、おむつ20の構成をより明確に示すために切り取られている。図1に示 されているように、おむつ20は、好ましくは、トップシート24と、このトップシ ートに接合されたバックシート26と、トップシート24とバックシート26の間に位 置する吸収性コア28を有する封じ込め集成体22を備えている。この吸収性コア28 は、一対の向かい合った長手方向縁部と、内側表面と、外側表面とを有している 。このおむつは好ましくはさらに、弾性脚部部材(features)32と、弾性ウエスト 部材(features)34と、好ましくは一対の固定部材(members)37とランディング部 材(member)38を有する留め具装置36とを備えている。 図1には、おむつ20が、装着者に面するおむつ20の部分つまり内側表面40を見 る人の方に向けて示されている。図1には、おむつ20が、(図１において見る人の 方を向いている)内側表面40と、内側表面40の反対側にある外側表面42と、後部 ウエスト部44と、後部ウエスト部44の反対側にある前部ウエスト部46と、後部ウ エスト部44と前部ウエスト部46の間に位置する股部48と、おむつ20の外側境界線 すなわち縁部によって画定されている周辺部であって、長手方向すなわちサイド 縁部が50、末端縁部が52として示されている周辺部を有するのが示されている。 おむつ20の内側表面40は、使用中に装着者の体に隣接して配置されるおむつ20の 部分である(すなわち内側表面40は一般に、トップシート24の少なくとも一部と 、このトップシート24に接合されたその他の要素とによって形成されている)。 外側表面42は、装着者の体から離れた側に位置するおむつ20の部分である(すな わち外側表面42は一般に、バックシート26の少なくとも一部と、このバックシー ト26に接合されたその他の要素とによって形成されている)。本明細書で用いる「 接合された」という用語は、要素をもう一方の要素に直接付着させることによっ て要素が直接もう一方の要素に固定されている形状と、これ自体がもう 一方の要素に付着されている中間部材に要素を付着させることによって要素がも う一方の要素に間接的に固定されている形状とを包含する。後部ウエスト部44と 前部ウエスト部46は、周辺部の末端縁部52から股部48まで延びている。 おむつ20はまた、二本の中心線、すなわち長手方向中心線100と横断方向中心 線110を有している。本明細書で用いる「長手方向」という用語は、おむつ20が装 着されたときに、立っている装着者を左半身と右半身に二分する垂直平面と一般 に一直線になる(例えばほぼ平行になる)おむつ20の平面における線や軸や方向を 言う。本明細書で用いる「横断方向」及び「側面方向」という用語は、相互交換可能 であり、一般に長手方向に直交するおむつの平面内にある線や軸や方向を言う( これは装着者を前半身と後半身とに分ける)。 図1Aは、図1のおむつ20の簡略平面図を示しており、様々なパネルと互いに対 するこれらの位置関係が描かれている。「パネル」という用語は、本明細書では、 おむつの一区域または要素を示すために用いられている。(パネルは一般に異な る区域または要素であるが、パネルは隣接パネルと幾分一致する(機能的に対応 する)ことがある。)おむつ20は、主パネル80と一対のレッグパネル82を備えた股 部48と、中間パネル86及びウエストバンドパネル88を備えた中央パネルとサイド パネル90を備えた前部ウエスト部46と、中間パネル86'及びウエストバンドパネ ル88'を備えた中央パネルとサイドパネル90"とを備えた後部ウエスト部44とを有 している。主パネル80は、その他のパネルがそこから発しているおむつ20の部分 である。吸収性コアは一般に、主パネル80の中に位置する。それは、排泄物が一 般におむつのこの部位において排出されるからである。但しこの吸収性コアはま た、中間パネル86及び86'の中まで延びて行くようにも見える。レッグパネル82 は、主パネル80の各サイド縁部81から一般に側面方向に外側にこれに沿って延び ている。各レッグパネル82は一般に、弾性脚部部材の少なくとも一部を形成する 。前部ウエスト部46において、中央パネルの中間パネル86は一般に、主パネル80 の側面方向縁部85から一般に長手方向に外側にこれに沿って延びている。ウエス トバンドパネル88は、中間パネル86から一般に長手方向に外側にこれに沿って延 びている。サイドパネル90は各々、中央パネルから一般に側面方向に外側にこれ に沿って延びている。後部ウエスト部44において、中央パネルの 中間パネル86'は、主パネル80の側面方向縁部85から一般に長手方向に外側にこ れに沿って延びている。ウエストバンドパネル88"は、中間パネル86'から一般に 長手方向に外側にこれに沿って延びている。サイドパネル90'は各々、中央パネ ルから一般に側面方向に外側にこれに沿って延びている。 再び図1を参照すると、おむつ20の封じ込め集成体22は、おむつ20の本体(シャ シー)を備えているように示されている。封じ込め集成体22は、好ましくは、ト ップシート24と、バックシート26と、一対の向かい合った長手方向縁部と内側表 面と外側表面を有する吸収性コア28とを備えている。吸収性コアの内側表面は一 般に装着者の体に面し、一方、外側表面は一般に装着者の体から離れた側に面す る。吸収体が別々のホルダーとライナーとを備えている場合、この封じ込め集成 体22は一般に、ホルダーとライナーとを備えている(すなわち封じ込め集成体22 は、ホルダーを画定するひとつ以上の材料層を備えており、一方ライナーは吸収 性複合材、例えばトップシート、バックシート、及び吸収性コアを備えている。 )一体型吸収体の場合、封じ込め集成体22は、好ましくは、おむつのトップシー ト24と、バックシート26と、吸収性コア28とを備えており、その他の部材が加え られて複合おむつ構造が形成されている。 図1は、トップシート24とバックシート26の長さと幅が吸収性コア28よりも大 きい封じ込め集成体22の好ましい実施形態を示している。トップシート24とバッ クシート26は、吸収性コア28の縁部を越えて延びており、これによっておむつ20 の周辺部が形成されている。トップシート24とバックシート26と吸収性コア28は 、よく知られた多様な形状に組立てられていてもよいが、封じ込め集成体の形状 の例は、1975年1月14日にKenneth B.Buellに発行された「使い捨ておむつ用の収 縮性サイド部分(Contractible Side Portions for Disposable Diaper)」と題す る米国特許第3,860,003号や、1992年9月29日にKenneth B.Buellらに発行された「 予め配置された弾性的柔軟性ヒンジを有する動的弾性ウエスト部材を備えた吸収 体(Absorbent Article With Dynamic Elastic Waist Feature Having APredispo sed Resilient Flexural Hinge)」と題する米国特許第5,151,092号に記載されて いる。これらの特許の各々は参照により本明細書に組込まれる。 図1に示されている実施形態では、バックシート26は、好ましくは、前部ウエ スト部46と後部ウエスト部44と股部48を画定する連続シートつまり連続層を備え ている。本明細書で用いる「層」という用語は、次の点において必ずしもこの要素 を単一材料層に限定しない。すなわち1つの層が実際に、必要な種類の材料のシ ート又はウエブのラミネート又は組合わせを備えていてもよいという点である。 バックシート26は、内側表面と、その反対側にある外側表面とを有している。内 側表面は、吸収性コアに隣接した位置にあるバックシート26の部分である。バッ クシート26の外側表面は、おむつ20の外側表面42に相当する。バックシート26は 、好ましくは、前部ウエスト部46と後部ウエスト44と股部48を画定するので、バ ックシート26は前記のような対応部位及びパネルを有している。(単純化のため に、これらの部位及びパネルは、図1Aに示されているように、対応するおむつ部 位及びパネルと同じ参照番号で図面に示されている。) 図1に示されている実施形態では、吸収性コアは、主パネル80に位置している が、それは排泄物が一般にこの部位に排出されるからであり、これは中間パネル 86と86'の中まで延びている。図1に示されている実施形態では、吸収性コアは、 レッグパネル82とウエストバンドパネル88及び88'とサイドパネル90及び90'のい ずれの中まで延びていない。他の実施形態では、吸収性コアは、レッグパネル82 とウエストバンドパネル88及び88'とサイドパネル90及び90'の全部またはいくつ かの中まで延びていてもよい。 本発明のバックシート26は、一般に装着者の皮膚から離れた側に位置しており 、かつ吸収性コア28に吸収されて封じ込められた排泄物が、おむつ20と接触する ベッドシーツや下着などを濡らすのを防ぐ、おむつ20の部分である。従ってバッ クシート26は、液体（例えば尿）不透過性である。バックシート26は液体不透過 性であることに加えて、通気性もある。使い捨ておむつの場合、通気性は特に暑 くて湿度のある条件では、性能にとって決定的であることが分かった。吸収体が 装着者に配置された場合、皮膚は吸収体を構成する材料によって塞がれる。暑く て湿度のある条件における皮膚のこの閉塞は、蒸発を妨げ、その結果として閉塞 区域の冷却を妨げる。その結果生じる発汗によって、吸収体の内部の空気の相対 湿度を上昇させ、その結果装着者にとって快適性が悪化し、介護者が感じるイメ ージが悪くなる。 あせもや、高熱及び湿度条件と関連があるその他の皮膚の問題の発生を減らす 上で、バックシートの湿分蒸気透過率は重要であることが分かった。使い捨てお むつ内部での湿度及び熱の蓄積を減らすために、バックシート26の少なくとも一 部、より好ましくはバックシート26全体が、少なくとも約2000g/m²/24時間、よ り好ましくは少なくとも約2500g/m²/24時間、最も好ましくは少なくとも約3000g /m²/24時間の質量蒸気透過率を有する方がよいことが分かった。本発明のバック シートは、これよりも高い質量蒸気透過率、例えば少なくとも約4OOOg/m²/24時 間以上の質量蒸気透過率を有していてもよい。 湿分蒸気透過率は、次の方法によって測定される。既知量のCaCl₂をフランジ 付きカップ(flanged cup)に入れる。サンプル材料をこのカップの上に置き、保 持リング及びガスケットによってこれをしっかりと支える。ついで集成体の重さ を測り、当初重量として記録する。この集成体を、一定温度(40℃)及び湿度(75 ％RH)の室に5時間入れて置く。ついでこの集成体を、この室から取り除き、少な くとも30分間、秤りが置かれたこの室の温度で平衡させる。ついでこの集成体の 重さを測り、最終重量として記録する。質量蒸気透過率(MVTR)を計算し、次の式 を用いてg/m²/24時間で表わす。 通常のおむつでは、おむつ内部の湿度を減らすために通気性材料を用いる試み がなされている。しかしながらこれらの材料は、通常の使用条件、例えば乳幼児 が座ることから生じる機械的衝撃に付されたときに、十分に液体不透過性ではな かったことが分かっている。通常の使用条件の間、液体がこのような材料を強制 的に通過させられるので、現在の通気性製品では、尿排泄物がバックシートを透 過するという望ましくない結果が示されることになる。従って使い捨て吸収体、 例えば使い捨ておむつに用いるための次のようなバックシートを提供することが 望ましいであろう。すなわち通気性があるだけでなく、すなわち少なくとも約20 00g/m²/24時間のMVTRを示すだけでなく、通常の使用条件に付されたとき、例え ば乳幼児が座ったとき、実質的にゼロの動的液体透過を示す。本明細書で用いる「 実質的にゼロの動的液体透過」とう用語は、材料を次に示す動的液体衝撃テ スト方法に付したときの0.5g/m²より小さいあらゆる測定値を含んでいる。 動的液体衝撃テスト方法は、乳幼児が立った位置から座った位置に急に変わる ときにおむつバックシートに与える、面積あたりのエネルギーを模すように設計 されている。その他の通常の乳幼児の動き及び活動(例えば地面に転がること)は また、尿をおむつのバックシートに透過させることによって漏れを引起こすこと があるが、座る動作は、明確な機械的相互作用を生じ、これは典型的なおむつ使 用条件に関わる実際の衝撃エネルギーの量的理解を得るために分析することがで きる。 動的液体衝撃テスト方法では、図2に示されている装置100を用いる。最も近い 0.0001グラムまで秤量された吸収材料102を、エネルギー吸収衝撃パッド103の上 に直接置く。この目的のためには、吸収材料102は、オハイオ州クリーブランド( Cleveland,OH)のVWRサイエンティフィック社(VWR Scientific)によって配給され ている、ホワットマン・ラボラトリー部(Whatman Laboratory Division)から入 手可能なNo.２フィルターペーパーでよい。この吸収材料は、テストされるバッ クシート材料を通過する模造尿を吸収及び保持することができるものである方が よい。このエネルギー吸収衝撃パッド103は、カーボンブラック充填架橋ゴムフ ォームである。５インチ×５インチ平方の衝撃パッドは、密度が0.1132gm/cm³で あり、厚さが0.3125インチである。衝撃パッド103は、ASTM2240-91によれば、ジ ュロメーター値がA/30/15である。 直径0.0635メートル(2.5インチ)の円形吸収性コア材料104の重さを測る。この 目的のためには、吸収性コア材料は、1992年8月11日にHerronらに発行された米 国特許第5,137,537号に記載されているような個別架橋木材パルプセルロース繊 維でよい。吸収性コアは、坪量が約228g/m²である。ついでこの吸収性材料に、 その乾燥重量の約10倍まで模造尿を負荷する。これは尿が十分に負荷された吸収 性コアを表わしている。吸収性コア材料は、模造尿の十分な量、例えばその乾燥 重量の少なくとも約10倍を保持することができる方がよい。従って商品としての おむつに現在用いられているその他の吸収性コア材料もまた、この吸収性コア材 料として用いることができる。模造尿は蒸留水を含んでいてもよい。 テストされるバックシート材料105の切片を、外側表面がきれいで乾いたテー ブル表面に付くように表面を下に向けて配置する。負荷されたコア材料104を、 バックシート材料105の中心に直接置く。ついでバックシート/コア配列を、ゴム バンド109を備えた衝撃アーム108の衝撃部分107に固定する。バックシート/コア 配列を、コア104が、衝撃部分107の底部表面110に隣接するように配置する。所 望の衝撃エネルキーを与えるために、この衝撃アーム108を所望の衝撃角度まで 上げる。ついで衝撃アーム108を落下させ、衝撃を与えたときにストップウオッ チを動かす。ついでアームをフィルターペーパー102上に10秒間そのままにする 。ついで衝撃アーム108を上げ、フィルターペーパー102を除去し、デジタルスケ ールに置く。ついで湿ったフィルターペーパーの質量を3分マークで記録する。 動的液体透過値(DFTV)を計算し、次の式を用いてg/m²で表わす。 m²で表示された衝撃面積は、衝撃部分107の底部表面110の面積である。衝撃面 積は、0.00317m²である。吸収性コア材料104は、表面110の衝撃面積よりわずか に大きい面積を有する方がよい。 バックシートに適した材料は少なくとも約2000g/m²/24時間の質量蒸気透過率 を示すとともに、約1000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたときに実質的 にゼロの動的液体透過を示す。好ましくは本発明のバックシートは、少なくとも 約2000g/m²/24時間の質量蒸気透過率を示すが、また約2000ジュール/m²と、約30 00ジュール/m²と、約4000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたときにも実質 的にゼロの動的液体透過を示す。本発明のバックシートは、これよりも高い衝撃 エネルギー、例えば少なくとも約5000ジュール/m²以上の衝撃エネルギーに付さ れたときでも実質的にゼロの動的液体透過を示すこともある。 約1000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたときに実質的にゼロの動的液 体透過を示すとともに、少なくとも約2000g/m²/24時間の質量蒸気透過率を示す 適切なバックシート材料は、十分な湿分蒸気を通すことができるポリエステル系 フィルムなどの単層のモノリシックフィルムを含んでいるか、不織布ウエブ上に 被覆されたポリエステル系フィルムの押出し物などの二以上の層を含んでいても よい。 次の材料が、質量蒸気透過率テスト及び後述する動的液体衝撃テストに供され た。 サンプルA−イリノイ州バッファローグローブ(Buffalo Grove,IL)のエクソ ン・ケミカル社(Exxon Chemical Company)社から入手しうるエ クソン・エックスエア(Exxon Exxair)XFB-100W サンプルB−オハイオ州シンシナティ(Cincinnati,OH)のクロペイ社(Clopay Corporation)から入手しうるデュポン・ハイトレル・フィルム (DuPont Hytrel Film)ブレンド＃P18-3097 サンプルC−オハイオ州シンシナティ(Cincinnati,OH)のクロペイ社(Clopay Corporation)から入手しうるデュポン・ハイトレル・フィルム (DuPont Hytrel Film)ブレンド＃P18-3096 サンプルD−ミネソタ州ミネアポリス−セントポール(Minneapolis-Saint Paul,MN)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャ リング社(Minnesota Minlng and Manufacturing Company)によっ て供給される通気性テストフィルム 質量蒸気透過率テスト及び動的液体衝撃テストの結果を表1に示す。 表1から分るように、サンプルBとCは、1000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付 されたとき、実質的にゼロの動的液体透過を示すとともに、少なくとも約2000g/ m²/24時間の質量蒸気透過率をも示した。従ってサンプルBとCは、通気性があり 、通常の使用条件に付されたときに十分に液体不透過性であろうから、使い捨て おむつのバックシートとして用いるのに適しているであろう。サンプル AとDは十分な通気性があった(すなわちこれらは少なくとも約2000g/m²/24時間の 質量蒸気透過率を有していた)。しかしながらこれらは、1000ジュール/m²の衝撃 エネルギーに付されたとき、許容できない程度の動的液体透過を示した。 さらには適切なバックシート材料は、約1000ジュール/m²の衝撃エネルキーに 付されたとき、実質的にゼロの動的液体透過を示すとともに、バックシート構造 の中のこれらの重要な特性を特別に分離することにより、少なくとも約2000g/m² /24時間の質量蒸気透過率を示すであろう。例えば選択的に孔があけられるか、 開口されたバックシートを用いてもよいが、それはこれらの孔があけられた部分 が、少なくとも約2000g/m^2/24時間の質量蒸気透過率を有するとともに、約1000 ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたとき、実質的にゼロの動的液体透過を 示す場合である。 バックシート26は好ましくは吸収性コア28の外側表面に隣接して配置されてお り、これは好ましくは当技術で知られているあらゆる適切な接着手段によってこ れに接合されている。例えばバックシート26は、均一な連続接着剤層や、パター ン接着剤層や、別々の接着剤の線や螺旋やスポットの並びによって、吸収性コア 28に固定されてもよい。満足のいく接着剤は、ミネソタ州セントポール(ST.Paul ,Minnesota)のエイチ・ビー・フラー社(H.B.Fuller Company)によって製造され 、HL-1258として販売されているものである。接着剤フィラメントのオープンパ ターンネットワークを備える適切な接着剤手段の例は、1986年3月4日にMinetola らに発行された「使い捨て排泄物封じ込め衣類(Disposable Waste-Containment G arment)」と題する米国特許第4,573,986号に開示されている。渦巻き状に螺旋パ ターンにされたいくつかの接着剤フィラメント線を有する他の適切な接着剤手段 は、1975年10月7日にSprague,Jr.に発行された米国特許第3,911,173号や、1978 年11月22日にZieckerらに発行された米国特許第4,785,996号や、1989年6月27日 にWereniczに発行された米国特許第4,842,666号に開示されている装置と方法に よって描かれる。これらの特許の各々は、参照により本明細書に組込まれる。あ るいはまた、接着手段は、熱接着や、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、 この分野で知られている他のあらゆる適切な接着手段やこれらの接着手段の組合 わせであってもよい。 前部ウエスト部46及び後部ウエスト部44において、より大きな延伸性を与える ために、吸収性コアがバックシート26及び/又はトップシート24に接合されてい ないような本発明の実施形態も考えられる。 吸収性コア28は、一般に圧縮可能であり、形に沿いやすく、装着者の皮膚に剌 激を与えず、液体、例えば尿及びその他のいくつかの体の排泄物を吸収及び保持 しうるあらゆる吸収性部材であってもよい。図1に示されているように吸収性コ ア28は、衣服側、体側、一対のサイド縁部、一対のウエスト縁部を有する。吸収 性コア28は、非常に多様なサイズ及び形状(例えば長方形、砂時計形、「T」形、非 対称形等)において、使い捨ておむつ及びその他の吸収体に通常用いられている 非常に多様な液体吸収性材料、例えば一般にエアフェルトと呼ばれる微粉砕木材 パルプから製造することができる。その他の適切な吸収性材料の例には、クレー プセルロースワッディング、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的 に剛化あるいは変性あるいは架橋されたセルロース繊維、ティシューラップ及び ティシューラミネートを含むティシュー、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超 吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、あらゆる同等の材料や、これらの材料の組 合わせが含まれる。 吸収性コア28の形状及び構成は様々であってもよい(例えば吸収性コアは、様 々なキャリパーゾーンや、親水性勾配、超吸収性勾配、比較的低い平均密度及び 比較的低い平均坪量の受入れゾーンを有していてもよく、あるいはひとつ以上の 層や構造を備えていてもよい)。さらには吸収性コア28のサイズ及び吸収能力も また、乳幼児から大人までの様々な装着者に合わせるために、様々なものであっ てもよい。しかしながら吸収性コア28の総吸収能力は、おむつ20の設計負荷や意 図する用途と相容れるものであるべきである。 おむつ20の一実施形態は、前部ウエスト部に耳部を有するが後部ウエスト部に おいては一般に長方形形状を有する、非対称変形T形吸収性コア28を有する。広 く受入れられ、商品としても成功を収めた、本発明の吸収性コア28として用いる ための吸収構造の例は、1986年9月9日にWeismanらに発行された「高密度吸収構造 (High-Density Absorbent Structures)」と題する米国特許第4,610,678号や、198 7年6月16日にWeismanらに発行された「二重層コアを備えた吸収体 (Absorbent Aricles With Dual-Layered Cores)」と題する米国特許第4,673,402 号や、1989年12月19日にAngstadtに発行された「ダスチング層を有する吸収性コ ア(Absorbent Core Having A Dusting Layer)」と題する米国特許第4,888,231号 や、1989年5月30日にAlemanyらに発行された「比較的低い密度及び比較的低い坪 量の受入れゾーンを有する高密度吸収性部材(High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones)」と題する 米国特許第4,834,735号に開示されている。この吸収性コアはさらに、1993年8月 10日にAlemanyらに発行された「弾性ウエスト部材及び向上した吸収性を有する吸 収体(Absorbent Article With Elastic Waist Feature and Enhanced Absorbenc y)」と題する米国特許第5,234,423号や、1992年9月15日にYoungとLaVonとTaylor に発行された「失禁管理のための高効率の吸収体(Hign Efficiency Absorbent Ar ticles For Incontinence Management)」と題する米国特許第5,147,345号に詳細 に記載されているような吸収性貯蔵コアの上に配置された化学的剛化繊維の受入 れ/分配コアを含む二重コアシステムを備えていてもよい。これらの特許はすべ て参照により本明細書に組込まれる。 トップシート24は、好ましくは吸収性コア28の内側表面に隣接して配置されて おり、好ましくは接着手段(図示されていない)、例えばこの分野でよく知られて いる手段によってこの吸収性コア28とバックシート26とに接合されている。適切 な接着手段は、バックシート26を吸収性コア28に接合することに関して記載され ている。本発明の好適な実施形態では、トップシート24とバックシート26は、お むつの周辺部において互いに直接接合されており、あらゆる適切な接着手段によ ってこれらを直接吸収性コア28に接合することによって、これらは間接的に接合 されている。 トップシート24は、好ましくは柔軟で、感触が柔らかく、装着者の皮膚に剌激 を与えない。さらにはトップシート24は、好ましくは液体透過性であり、液体( 例えば尿)がその厚さを容易に透過できるようにしている。適切なトップシート2 4は、広い範囲の材料から製造することができる。例えば織布及び不織布材料、 ポリマー材料、例えば開口成形熱可塑性フィルム、開口プラスチックフィルム、 油圧成形熱可塑性フィルム、多孔質フォーム、網状化フォーム、網状化熱可塑性 フィルム、熱可塑性スクリムである。適切な織布及び不織布材料は、天然繊維( 例えば木材繊維又は綿繊維)や、合成繊維(例えばポリマー繊維、例えばポリエス テルやポリプロピレンやポリエチレンの繊維)から構成されてもよく、あるいは 天然繊維と台成繊維の組合わせから構成されてもよい。トップシート24は、トッ プシート24を通過して吸収性コア28に封じ込められた液体から装着者の皮膚を隔 離するため（すなわち再湿潤を防ぐため)に疎水性材料からできているのが好ま しい。トップシート24が疎水性材料からできているならば、トップシート24の少 なくとも上部表面は、液体がより素早くトップシートを通って移動するように親 水性になるように処理されている。これによって、体の排泄物がトップシート24 を通って引き込まれて吸収性コア28によって吸収されるのではなく、トップシー ト24から流れ落ちる可能性が減少する。トップシート24は、界面活性剤で処理す ることによって親水性にすることもできる。トップシート24を界面活性剤で処理 するのに適した方法には、トップシート24の材料に界面活性剤をスプレーする方 法や、この材料を界面活性剤中に浸漬する方法が含まれる。このような処理及び 親水性についてのより詳細な考察は、1991年1月29日にReisingらに発行された「 多層吸収性層を備えた吸収体(Absorbent Articles with Multiple Layer Absorb ent Layers)」と題する米国特許第4,988,344号や、1991年1月19日にReisitgに発 行された「急速受入れの吸収性コアを備えた備えた吸収体(Absorbent Articles w ith Rapid Acquiring Absorbent Cores)」と題する米国特許第4,988,345号に示さ れている。これらの特許はいずれも参照により本明細書に組込まれる。 好適な他のトップシートは、開口成形フィルムである。開口成形フィルムがト ップシートに好ましいが、その理由は、これらが体の排泄物に対して透過性があ るのに非吸収性であり、液体が逆流して装着者の皮膚を再び濡らす傾向が減るか らである。従って体と接触している成形フィルムの表面は乾いたままであり、こ れによって体が汚れることが少なくなり、装着者にとってより快適な感触が生じ る。適切な成形フィルムは、1975年12月30日にThompsonに発行された「先細り毛 管を有する吸収構造(Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)」と 題する米国特許第3,929,135号や、1982年4月13日にMullaneらに発行された「汚れ 抵抗性トップシートを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet)」と題する米国特許第4,324,246号や、1982 年8月3日にRadelらに発行された「繊維様特性を示す弾性プラスチックウエブ(Res ilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties)」と題する米国特許第4 ,342,314号や、1984年7月31日にAhrらに発行された「光沢のない可視表面及び布 様触感を示す巨視的膨張三次元プラスチックウエブ(Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile lmpression)」と題する米国特許第4,463,045号や、1991年4 月9日にBairdに発行された「多層ポリマーフィルム(Multiayer Polymeric Film)」 と題する米国特許第5,006,394号に記載されている。これらの特許はいずれも参 照により本明細書に組込まれる。 本発明の使い捨て製品において、サイドパネル90のすべて又は一部において延 伸性又は弾性を備えさせることも望ましいであろう。(本明細書で用いる「延伸性」 という用語は、不当な破断を伴なわずにある程度まで少なくとも一方向に延び うる材料について言う。「弾力性」及び「弾性的延伸性」という用語は、材料を延ば した力が除去された後、ほぼそのもとの大きさに戻る能力を有する延伸性材料に ついて言う。本明細書で用いる「延伸性がある」と記載される材料や要素はいずれ も同様に、他の言い方がなされていなければ、弾性的延伸性があることもある。 )延伸性サイドパネル90は、当初からこのおむつを形に合うように装着者にフィ ットさせ、おむつに排泄物が負荷されたずっと後でも装着の間中、このフィット を持続させることによって、より快適で輪郭に合ったフィットを与える。これは 、サイドパネルがおむつのサイド部を伸縮させるからである。さらに延伸性サイ ドパネル90によって、おむつ20のより効果的な装着が与えられる。これは、たと えおむつを装着させる人が、装着させる間にサイドパネル30の一方を他方より多 く(非対称に)引張った場合でさえ、おむつ20は装着中に「自己調節」するからであ る。延伸性サイドパネル90は、いくつかの形状に構成されてもよいが、延伸性サ イドパネルを備えたおむつの例は、1989年8月15日にWoodらに発行された「シャー リングのある耳部を有する使い捨ておむつ(Disposable Diaper Having Shirred Ears)」と題する米国特許第4,857,067号や、1983年5月3日にSciaraffaらに発行さ れた米国特許第4,381,781号や、1990年7月3日にVan Gompelらに発行 された米国特許第4,938,753号や、1992年9月29日にBuellらに発行された米国特 許第5,151,092号に開示されている。これらはいずれも参照により本明細書に組 込まれる。 延伸性サイドパネルや、延伸性又は弾性があることが望ましいおむつ20の他の あらゆる要素、例えばウエストバンドは、「予備歪された(prestrained)」あるい は「機械的に予備歪された(prestrained)」（すなわち材料を永久に伸ばすために 、ある程度の局部的パターンの機械的ストレッチングに付された)材料や、1996 年5月21日にChappellらに発行された米国特許第5,518,801号に記載されているよ うな構造弾性様ウエブを備えていてもよい。これらの材料は、この分野で知られ ているような深いエンボス技術を用いて予備歪されていてもよい。あるいはまた これらの材料は、1994年7月19日にBuellらに発行された米国特許第5,330,458号 に記載されているようなインクリメンタル機械的ストレッチング装置に材料を通 すことによって予備歪されてもよい。ついで材料は、その実質的に非張力の状態 まで戻され、このようにして少なくとも当初ストレッチング点まで延伸性がある ゼロ歪ストレッチ材料が形成される。ゼロ歪材料の例は、1937年3月30日にGalli ganに発行された米国特許第2,075,189号や、1962年3月13日にHarwoodに発行され た米国特許第3,025,199号や、1978年8月15日と1980年6月24日にSissonに発行さ れた米国特許第4,107,364号と第4,209,563号や、1989年5月30日にSabeeに発行さ れた米国特許第4,834,741号や、1992年9月29日にBuellらに発行された米国特許 第5,151,092号に開示されている。ここに引用した特許はいずれも参照により本 明細書に組込まれる。 おむつ20は好ましくはさらに、液体及びその他の体の排泄物の改良された封じ 込めを提供するために、弾性レッグ部材32を備えている。各弾性レッグ部材32は 、レッグパネル82において体の排泄物の漏れを減らすためにいくつかの様々な実 施形態を備えていてもよい(弾性レッグ部材は、レッグバンド、あるいは、サイ ドフラップ、バリヤーカフス、弾性カフスなどと呼んでもよく、そう呼ばれるこ ともある。)米国特許第3,860,003号は、弾性化レッグカフス(ガスケットカフス) を生じるように、サイドフラップとひとつ以上の弾性部材を有する収縮性脚部開 口部を備えた使い捨ておむつについて記載している。1990年3月20日にAziz らに発行された「弾性化フラップを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having Elasticized Flaps)」と題する米国特許第4,909,803号は、脚部 の封じ込めを改良するために、「立ち上がっている」弾性化フラップ(バリヤーカ フス)を有する使い捨ておむつについて記載している。1987年9月22日にLawsonに 発行された「ニ重カフスを有する吸収体(Absorbent Article Having Dual Cuffs)」 と題する米国特許第4,695,278号や、1989年1月3日にDragooに発行された「漏れ 抵抗性二重カフスを有する吸収体(Absorbent Article Having Leakage-Resistan t Dual Cuffs)」と題する米国特許第4,795,454号は、ガスケットカフスとバリヤ ーカフスとを含む二重カフスを有する使い捨ておむつについて記載している。19 87年11月3日にBuellに発行された「ウエスト封じ込め使い捨て衣類(Disposable W aist Containment Garment)」と題する米国特許第4,704,115号は、遊離液体を衣 服内に封じ込めるような形状のサイド縁部漏れガード溝部を有する使い捨ておむ つ又は失禁用衣服を開示している。これらの特許はいずれも参照により本明細書 に組込まれる。 各弾性レッグ部材32は、レッグバンドや、サイドフラップ、バリヤーカフス、 前記弾性カフスのどれかに似ているような形状であってもよいが、各弾性レッグ 部材32は、前記引例の米国特許第4,909,803号に記載されているようなバリヤー フラップと間隔あけ要素とを備える少なくともひとつの内側バリヤーカフスを備 えるのが好ましい。好ましい実施形態において、弾性レッグ部材32はさらに、ひ とつ以上の弾性ストランド65を備えた弾性ガスケットカフス63を備えている。こ れは前記引例の米国特許第4,695,278号に記載されているようなバリヤーカフス の外側に配置されている。 おむつ20は好ましくはさらに、改良されたフィットと封じ込めを与える弾性ウ エスト部材34を備えている。この弾性ウエスト部材34は、装着者のウエストに動 的にフィットするために弾性的に伸縮するための、おむつ20の部分又はゾーンで ある。弾性ウエスト部材34は好ましくは、吸収性コア28のウエスト縁部の少なく ともひとつから長手方向に外側に延びており、一般におむつ20の末端縁部の少な くとも一部を形成する。使い捨ておむつは一般に、ふたつの弾性化ウエストバン ドを有するように構成されている。すなわちひとつが後部ウエスト部に、ひ とつが前部ウエスト部に配置されている。但し、単一の弾性化ウエストバンドを 備えたおむつを構成することもできる。さらには弾性ウエスト部材34又はその構 成要素のあらゆるものは、おむつ20に付着された別の要素を備えていてもよいが 、弾性ウエスト部材34は、おむつの他の要素、例えばバックシート26又はトップ シート24、好ましくはバックシート26とトップシート24の両方の延長部として構 成されていてもよい。弾性ウエスト部材34がウエスト部に通気性を与えるために 、前記のような開口部を備えているような実施形態も考えられる。弾性ウエスト 部材34は、1985年5月7日にKievitらに発行された「弾性的収縮性ウエストバンド を備えた使い捨ておむつ(Disposable Diapers with Elastically Contractible Waistbands)」と題する米国特許第4,515,595号や、Buellに発行された前記引例の 米国特許第5,151,092号に記載されているようなものを含むいくつかの様々な形 状で構成されていてもよい。これらの引例はいずれも参照により本明細書に組込 まれる。 おむつ20はまた、サイド閉鎖を形成する留め具装置36を備えている。これは、 おむつを装着者に維持するために、側面方向の張力がおむつの円周の周りに維持 されるように、後部ウエスト部44と前部ウエスト部46とを重なり合った形状に維 持する。留め具装置の例は、1974年11月19日にBuellに発行された米国特許第3,8 48,594号や、1987年5月5日にHirotsu及びRobertsonに発行された米国特許第4,66 2,875号や、1989年9月26日にScrippsに発行された米国特許第4,869,724号や、19 89年7月11日にScrippsに発行された米国特許第4,846,815号や、1990年1月16日に Nestegardに発行された米国特許第4,894,060号や、1990年8月7日にBattrell に 発行された米国特許第4,946,527号や、1994年7月5日にDavid J.K.Goulaitに発行 された「留め直し可能な留め具装置用の女性用不織布要素及びこれの製造方法(No nwoven Female Component For Refastenab1e Fastening Device And Method of Making the Same)」と題する米国特許第5,326,612号に開示されている。これらの 特許はいずれも参照により本明細書に組込まれる。 図3は、本発明のおむつバックシートの他の実施の形態の平面図を示している 。吸収性コアに隣接して配置されたバックシートの部分が見る人の方に向けられ ている。図3に示されているように、バックシート226はふたつの層250と252を備 えている。層250と252は、この分野において知られているあらゆる適切な接着手 段によって互いに固定されていてもよい。この実施形態では、層250はおむつの 外側表面を形成し、層252は吸収性コアに隣接して配置されている。層250は装着 者の皮膚と接触することになるバックシート226の部分であるので、層250は好ま しくは柔らかいものであり、不織布ウエブを備えている。層250は柔らかいこと に加えて、好ましくは通気性がある。層250は好ましくは少なくとも約2000g/m²/ 24時間、より好ましくは少なくとも約2500g/m²/24時間、最も好ましくは少なく とも約3000g/m²/24時間の質量蒸気透過率を示す。層250は、これよりも高い質量 蒸気透過率、例えば少なくとも約4000g/m²/24時間以上の質量蒸気透過率を有し ていてもよい。層250は吸収性コアの中に吸収されて封じ込められた排泄物の漏 れを防ぐ必要がないので、所望の柔らかさと通気性を与える材料の選定範囲は非 常に広い。適切な材料には、不織布ウエブ、例えばスパンボンドウエブ、メルト ブローンウエブ、カードウエブ等が含まれるが、これらに限定されるわけではな い。層250用の不織布ウエブは、合成繊維、天然繊維、多成分繊維、例えば二成 分繊維、これらの混合物及びブレンドを含んでいてもよい。 層252は、吸収性コアに吸収されて封じ込められた排泄物が、おむつと接触す る物を濡らすのを防ぐことになるバックシート226の部分である。吸収性コアの 中に吸収されて封じ込められた排泄物の望ましくない漏れから使用者を守るため に、層252は吸収性コアよりも大きい幅及び長さのサイズを有する方がよい。層2 52が十分に大きくない場合、吸収性コアに吸収されて封じ込められた排泄物は、 通常の使用条件の間、外側層250を通り抜けることがある。図3に示されている実 施形態では、吸収性コアは好ましくは主パネル80に位置しており、中間パネル86 及び86'の中まで延びている。従って層252は、主パネル80の中に位置しており、 中間パネル86及び86'の中まで延びている。層252は、吸収性コアと少なくとも同 じ大きさの、好ましくは吸収性コアよりも大きい長さ及び幅のサイズを有してい る。所望であれば層252は、主パネル80及び中間パネル86及び86'を越えて、レッ グパネル82、ウエストバンドパネル88及び88'、サイドパネル90及び90'の中まで 延びていてもよい。さらには層252は、主パネル80から側面方向及び長手方向に 外側に延びて、使い捨ておむつの周辺部のいくつかの部分を形成してもよい。 層250は、おむつに実質量の通気性を与えるが、層252も通気性があり、装着者 にさらなる快適性を与える。上述したように、通気性はおむつの性能にとって決 定的であることが分かった。この目的のために層252は、約1000ジュール/m²の衝 撃エネルギーに付されたとき、実質的にゼロの動的液体透過を示し、少なくとも 約2000g/m²/24時間の質量蒸気透過率を示す方がよい。好ましくは層252は、少な くとも約2000g/m²/24時間の質量蒸気透過率を示すとともに、約2000ジュール/m² と約3000ジュール/m²と約4000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたときにも 、実質的にゼロの動的液体透過を示す。最も内側の層252は、これより高い衝撃 エネルキー、例えば少なくとも約5000ジュール/m²以上の衝撃エネルギーに付さ れたときでさえ、実質的にゼロの動的液体透過を示しうる。 図4に示されている別の実施形態では、層250は好ましくは吸収性コアに隣接し て配置されている。図4は、おむつバックシート226の平面図を示しており、吸収 性コアに隣接して配置されているバックシートの部分が、見る人の方に向けられ ている。この実施形態では、層250と252は共におむつの外側表面を形成する。層 252は、吸収性コアに吸収されて封じ込められた排泄物がおむつと接触している 物を濡らすのを防ぐことになるバックシート226の部分である。装着者にさらな る快適性を与えるために、層252は好ましくは通気性がある。この目的のために 層252は、約1000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたとき、実質的にゼロの 動的液体透過を示し、少なくとも約2000g/m²/24時間の質量蒸気透過率を示す方 がよい。好ましくは層252は、少なくとも約2000g/m²/24時間の質量蒸気透過率を 示とともに、約2000ジュール/m²と約3000ジュール/m²と約4000ジュール/m²の衝 撃エネルギーに付されたときにも、実質的にゼロの動的液体透過を示す。最も外 側の層252は、これより高い衝撃エネルギー、例えば少なくとも約5000ジュール/ m²以上の衝撃エネルキーに付されたときでさえ、実質的にゼロの動的液体透過を 示しうる。 使用者を望ましくない漏れから守るために、層252は吸収性コアよりも大きい 幅及び長さのサイズを有する方がよい。層252が十分に大きくない場合、吸収性 コアに吸収されて封じ込められた排泄物は、通常の使用条件の間、不織布層250 を強制的に通されることもあろう。従って層252は、少なくとも吸収性コアより も大きい幅及び長さのサイズを有する方がよく、所望であればおむつのサイド縁 部及び末端縁部のいくつかの部分を形成してもよい。 別の実施形態では、通気性不織布/フィルムラミネートバックシートは、バッ クシートの一部(吸収性コアの直接後にある部分)が液体不透過性の非通気性部分 を含む一方で、バックシートの外側又はサイド部分(吸収性コアを越えて延びて いるバックシートの部分)が通気性部分を含むように適切なものにされてもよい 。 図5に示される実施形態では、吸収性コアに隣接して配置されているバックシ ート226の部分が、見る人の方に向けられているが、層250はおむつの外側表面を 形成し、層252は吸収性コアに隣接して配置されている。層250は装着者の皮膚と 接触することになるバックシート226の部分であるので、層250は好ましくは柔ら かいものであり、不織布ウエブを備えている。層250は柔らかいことに加えて、 通気性もある。層250は好ましくは、少なくとも約2000g/m²/24時間、より好まし くは少なくとも約2500g/m²/24時間、最も好ましくは少なくとも約3000g/m²/24時 間の質量蒸気透過率を示す。層250は、これより高い質量蒸気透過率、例えば少 なくとも約4000g/m²/24時間以上の質量蒸気透過率を有してもよい。 層252は、吸収性コアに吸収されて封じ込められた排泄物がおむつと接触する 物を濡らすのを防ぐことになるバックシート226の部分である。層252は通気性で ある必要はないが、それはこの機能は層252によって与えられるからである。こ の目的のために層252は、約1000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたとき、 実質的にゼロの動的液体透過を示す方がよい。好ましくは層252は同様に、約200 0ジュール/m²と約3000ジュール/m²と約4000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付さ れたときにも、実質的にゼロの動的液体透過を示す。最も内側の層252は、これ より高い衝撃エネルギー、例えば少なくとも約5000ジュール/m²以上の衝撃エネ ルギーに付されたときでさえ、実質的にゼロの動的液体透過を示しうる。 本発明の特定の実施形態が記載されているが、本発明の要旨を逸脱しない範囲 で様々な変更や修正が可能であることは当業者には明白であろう。従って、本発 明の範囲内にあるこのような変更や修正はすべて添付の請求の範囲に含まれる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1.少なくともその一部が、1000ジュール/m²の衝撃エネルギーに付されたとき 、実質的にゼロの動的液体透過を示し、少なくとも2000g/m²/24時間の質量蒸気 透過率を示すバックシートを特徴とする使い捨て吸収体。 2.前記バックシートに固定された液体透過性トップシートと、前記トップシー トと前記バックシートの間に配置された吸収性コアとを更に備えている、請求項 1に記載の使い捨て吸収体。 3.前記使い捨て吸収体が使い捨ておむつである、請求項2に記載の使い捨て吸 収体。 4.前記使い捨て吸収体が、女性用衛生衣類、失禁用ショーツ、失禁用下着、排 泄トレーニングパンツから成る群から選ばれる使い捨て吸収体である、請求項2 に記載の使い捨て吸収体。 5.前記バックシートがポリエステル系フィルムを有している、前記請求項のい ずれかひとつに記載の使い捨て吸収体。 6.前記バックシートが不織布ウエブ上に被覆されたポリエステル系フィルムの 押出し物を有している、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て吸収体。 7.前記バックシートが、2000ジュール/m²または3000ジュール/m²または4000ジ ュール/m²のいずれかの衝撃エネルギーに付されたとき、実質的にゼロの動的液 体透過を示す、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て吸収体。 8.前記バックシートが、少なくとも2500g/m²/24時間あるいは少なくとも3000g /m²/24時間のいずれかの質量蒸気透過率を示す、請求項1に記載の使い捨て吸収 体。 9.前記バックシートが単一層を有している、請求項1に記載の使い捨て吸収体 。 10.前記バックシートが互いに接合された少なくとも二層を有している、請求 項1に記載の使い捨て吸収体。