JP2000504276A - ストリップの反転圧延方法およびそのための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 反転圧延時の金属ストリップ（９、９’）に対して最適な温度条件を確保するために、２つまたはいくつかのストリップ（９、９’）を、交互に圧延する。少なくとも１つの圧延パスにおいて一方のストリップ（９）を圧延している時には、他方のストリップ（９’）は、コイル（１２）に巻回されており、待機状態に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】 ストリップの反転圧延方法およびそのための装置 本発明は、ストリップ、とりわけスチールストリップの反転圧延方法に関する ものである。この場合、ストリップは、いくつかの圧延過程を経て圧延され、各 圧延パスの後には、コイル状に巻回される。 この種の方法は、例えば、独国特許出願公開明細書第２９ ００ ６４８号に開 示されている。この公知方法においては、各圧延パス後のストリップは、巻回用 の炉として構成された巻回手段によって取り扱われる。２つの巻回炉と、これら 炉どうしの間に配置された高温の反転用スタンドと、が設けられている。ストリ ップは、高温の反転用スタンド内において、巻回炉間を数回にわたって前後進し つつ圧延される。最終的には、ストリップは、所望の最終厚さとされる。 この種の圧延方法においては、圧延操作時に、ストリップの端部どうしの間に おいて、また、ストリップの中央部分と縁部分との間において、温度差が生じる 。ストリップを巻回することによって、非常に大きな温度の発生を避けることは できる。しかしながら、理想的な圧延温度からそれほど大きくは外れていないよ うな程度の温度差がストリップの端部どうしの間あるいはストリップの縁部どう しの間のそれぞれに発生する程度にまで、温度を均等化することはできない。そ の理由は、そのためには、２つの連続する圧延パスどうしの間に、大きな休止期 間を必要とするからである。すなわち、圧延パスが遮断されなければならないか らである。反転圧延デバイスを十分に利用していないことや、生産性が低減して しまうことが、重大である。 本発明は、上記欠点や困難さを避けることを目標としている。本発明の目的は 、上記タイプの反転圧延方法およびこの方法を実現するための装置を提供するこ とである。このような方法および装置は、一方においては、反転圧延デバイスの 使用期間全体にわたって可能な限り最良の形態で反転圧延デバイスを利用可能と する。すなわち、遮断することがなくまた生産量という観点で損失をもたらすこ とがなく圧延操作を維持することができ、かつ、エネルギーをできるだけ節約し つつ圧延されるべきストリップに対しての最適の温度条件を得ることができる。 特に、ストリップ端部とストリップ縁部とストリップ中央部との間における温度 差は、圧延方法または圧延装置に対しても、さらに、ストリップの品質に対して も、悪影響を与えない程度に小さく維持することができる。 本発明においては、上記目的は、上述の種類の圧延するための方法において、 ２つまたはいくつかのストリップを、交互に圧延し、少なくとも１つの圧延パス において一方のストリップを圧延している時には、他方のストリップまたは他の ストリップが、コイルに巻回された状態で待機状態とされることにより得られる 。 本発明による方法は、その上、特に付加的なエネルギーを使用することなく、 より薄い最終厚さを得ることを可能とする。また、製品の幾何形状の許容度（外 形形状、厚さ、平坦度）を、単純な方法で、また、付加的な主要な消費を行うこ となく、改良することができる。温度均衡の付加的な結果として、ストリップ端 部を圧延スタンド内に導入する際の圧延分離力の上昇を最小化して、圧延機構に 対する負荷を小さくすることができる。 他方のストリップまたは他の複数のストリップがコイルの形態で待機状態にあ る時に、このストリップまたはこれらストリップに対して、１つまたは複数のス トリップ端部も含めて、熱均等化が行われることが適切である。 本発明による方法は、圧延操作に対する温度状況を最適に調整し得るだけでな く、圧延パスの前または後におけるストリップ材料の性質を改良するために使用 することもできる。つまり、例えば、他方のストリップまたは他のストリップが コイルの形態で待機状態にある時に、このストリップまたはこれらストリップに 対して、１つまたは複数のストリップ端部も含めて、熱処理、とりわけ加熱が行 われることによって、圧延ストックの厚さおよび品質の関数として、特定の温度 作用のもとに、ストリップの物理特性または微細構造を改良することができる。 これにより、ストリップを、圧延に対する最適温度とすることができ、圧延操作 時に失われた熱エネルギーが、再度ストリップに対して供給される。 本発明の方法を実行するためのデバイスは、少なくとも１つの反転スタンドと 、この反転スタンドの入口側に設けられた少なくとも２つの巻回手段および反転 スタンドの他の入口側に設けられた少なくとも１つの巻回手段からなる少なくと も３つの巻回手段と、を具備することを特徴としている。 好ましい実施形態においては、反転スタンドの各入口側に、それぞれ、２つの 巻回手段が設けられる。 有利には、巻回手段には、熱絶縁ジャケットが設けられる。しかしながら、巻 回手段を、加熱スペース内に配置することもできる。 巻回手段は、巻回炉として構成されていることが適切であり、好ましくは、加 熱手段が設けられている。 エネルギー節約のために、２つの巻回手段が、共に１つの絶縁ジャケットで囲 まれていることが有利である。 また、ストリップ端部を完全に巻回するために、巻回手段には、ストリップ端 部を巻くためのおよび巻解くためのデバイスが設けられることが適切である。 他の好ましい実施形態においては、巻回手段に、絶縁された、付加的には加熱 可能な、さらに、閉塞性の大きな、搬入または搬出領域が設けられていることを 特徴としている。 有利には、少なくとも１つの巻回手段には、保護ガス手段が設けられている。 本発明の格別に有利な応用は、本発明の方法が、連続キャストプラントに適用 されることによって実現される。この場合、この応用のためのプラントは、連続 キャストプラントのラインに対して直接的に、ラインの下流側に、少なくとも１ つの反転スタンドと、この反転スタンドの入口側に設けられた少なくとも２つの 巻回手段および反転スタンドの他の入口側に設けられた少なくとも１つの巻回手 段からなる少なくとも３つの巻回手段と、を具備してなる装置が設置されること を特徴としている。 以下、いくつかの例示によって、添付図面を参照しつつ、本発明をより詳細に 説明する。以下の説明において、図１は、本発明による装置の構成を概略的に示 す側面図である。図２および図３は、図１と同様の図であって、他の実施形態を 示している。図４〜図６においては、本発明による装置構成が示されており、各 例は、連続的なキャスティングプラントに関連している。 図１は、反転圧延操作を実行するための装置の全体構成を示しており、粗仕上 げスタンド（roughing stand）としてまたは仕上げスタンド（Ｓｔｅｃｋｅｌス タンド）として構成することができる反転圧延スタンド１が設けられている。反 転圧延スタンド１の一方側２には、巻回炉３、３’として構成された２つの巻回 手段が設けられている。反転圧延スタンド１の他方側４には、同様に巻回炉とし て構成されたただ１つの巻回手段３”が設けられている。巻回炉３、３”間に設 けられた単一の反転圧延スタンド１に代えて、当然のことながら、１パス時にス トリップ９または９’が２つまたはいくつかの圧延を受けるような複数のスタン ドを設けることもできる。 巻回炉３〜３”の各々には、駆動可能な巻回用マンドレル５、および、熱絶縁 用ジャケット６が設けられている。付加的に、巻回炉３〜３”の各々の内部８、 ８’内の温度レベルを維持するための、加熱手段７を設けることができる。 好ましくは、巻回炉３〜３”は、圧延されるべきストリップ９、９’の端部が 巻回炉３〜３”の内部８内に完全に引き込まれ得るように、構成されている。 この目的のために、巻回炉３〜３”は、駆動ローラ１０のようなストリップ端 部をしっかりと把持し得るとともにそれそれの巻回炉３〜３”から引き出し得る 手段と、いわゆるコイル開放器１１と、のような適切なデバイスを備えている。 コイル開放器１１は、言い換えれば、巻回済コイル１２に対しての位置調整が可 能な楔形状デバイスであって、コイル開放剣とも称されて、コイル端部をコイル １２から切り離して各巻回炉３〜３”の内部から導出するためのものである。巻 回用マンドレル５上に既に巻回されたコイル１２のコイル表面に対して、コイル 開放器１１を調整するために、調整デバイス（図示せず）が設けられている。 端部に至るまでの完全なストリップの巻回がわずかの困難さで実現可能である 場合には、巻回炉３〜３”に、また、絶縁された付加的に加熱可能な入口または 搬出領域を設けることができる。このような入口または搬出領域は、ストリップ および搬出領域を圧延テーブルの領域外へと移動させるために、付加的に、回転 可能であるように構成されている。 有利には、保護ガス手段（図示せず）によって、巻回炉３〜３”の内部８を、 保護雰囲気とすることができる。これにより、ストリップ９、９’のスケーリン グを防止することができる。 デバイスの機能は、以下の通りである。 本発明のデバイスによれば、２つのストリップ９、９’を、交互に圧延するこ とができる。一方のストリップ９が圧延されている時には、池方のストリップ９ ’は、コイル１２へと巻回された状態で、反転スタンド１の側部２において隣接 配置された２つの巻回炉３、３’の２番目のものの中において、待機状態とされ る。ストリップ９’が圧延に供されるまで炉内に留まっている間に、つまり、も う一方のストリップ９が、２つまたはいくつかの圧延パスによって圧延されてい る間に、ストリップ９’は、温度の均衡化または熱処理の均衡化を行うことがで きる。必要であれば、均衡化は、保護雰囲気のもとで行われる。第２ストリップ ９’が、圧延されるときには、圧延済みの第１ストリップ９は、コイルの形態で 待機状態とされ、次なる圧延パスに向けての温度の均衡化を部分的に受けること ができる。 図２および図３に示す実施形態においては、２つの巻回用マンドレル５が互い に隣接配置されていて、これら巻回用マンドレル５は、通常の熱保護ハウジング ６によって囲われている。図２においては、２つの巻回用マンドレル５は、水平 方向に隣接配置されており、図３においては、鉛直方向に隣接配置されている。 本発明は、連続キャストプラントに関連した高温ストリップの製造に際して、 格別の利点をもって実現することができる。図４〜図６は、それそれのような複 合プラントの異なる変形例を概略的に示している。 図４においては、モールド１４とローラ案内路１５とこのローラ案内路１５の 下流側に連結された分離手段１６とを具備する連続キャストプラント１３の下流 側に、ストランドから既に分離されたストリップを受領するための温度均衡化炉 １７が設けられている。モールド１４から出てくるストランド１８が完全な凝固 状態で巻回され得るほどは十分に薄くない場合には、連続キャストプラントには 、さらに、ストランド１８を巻回に適したように圧延するための粗仕上げスタン ド（図示せず）が設けられる。連続キャストプラント１３のラインに対して直接 的に、巻回炉として構成された巻回手段３〜３’’’と、それらの間に配置され た反転スタンド１と、が設けられる。ここで、図４に例示した実施形態において は、２つの巻回炉３、３’および３”、３’’’の各々は、反転スタンド１の両 側２および４のそれそれに配置されている。反転スタンド１の両側２および４の 一方においては、より多数の巻回炉を設けることもできるし、あるいは、単一の 巻回炉を設けることもできる。 機能は、次の通りである。第１に、ストランド１８から分離されたストリップ ９’は、温度均衡化炉１７内へと直接的に搬入される。特に、連続キャスト速度 よりもかなり速い引っ張り速度でもって、搬入される。本発明の方法においては 、温度の均衡化の後に、ストリップ９’は、既にストランド１８から分離されて いる第２ストランド９と交互に圧延される。 本発明の方法においては、図５に示すように、温度均衡化炉１７を省略するこ とができる。というのは、ストランド搬送方向に関して最初に位置している巻回 炉３が、反転圧延のための本方法を何ら妨害することなく、温度均衡化の機能を 果たすからである。この場合には、反転スタンド１の両側２、４には、それぞれ 、少なくとも２つの巻回炉３、３’および少なくとも２つの巻回炉３”、３’’ ’が、配置されている。 図６は、ストランド搬送方向に最初に配置された巻回炉３の特別の実施形態を 示している。この場合、巻回炉３は、図３の場合の例示と同様に、個別のストリ ップ入口開口１９および個別のストリップ出口開口２０を備えている。この巻回 炉３の巻回用マンドレル２１は（この場合には、２つの巻回用マンドレル２１が 対象軸に関して対象配置されている）、調整デバイスを介することにより、スト リップ入口開口１９においてストランドの開始端部をしっかりとつかむための巻 回開始位置Ｉへと移動することができ、また、巻回用マンドレル２１上に巻回さ れたコイル１２が、巻回炉３上に固定された押圧ローラ２２に対して押しつけら れるあるいは巻解き方向において押圧ローラ２２がストリップ出口開口２０より も前位置にあるようにして巻回炉３に対して押圧されているべき押圧ローラ２２ に対して押しつけられるような、巻解き位置ＩＩへと移動することができる。こ のタイプの巻回炉は、オーストリア国特許出願Ａ６４７／９５に、より完全に記 載されている。 本発明は、例示の実施形態に限定されるものではなく、様々な観点において変 更することができる。例えば、図１のデバイスにおいては、反転スタンド１のサ イド４に、同様に、２つの巻回炉を設けることができる。これにより、奇数回の 圧延パス後においてさえも、ストリップ９または９’が温度均衡化または熱処理 を受けられるという可能性がもたらされる。２つよりも多くのストリップを交互 に圧延したい場合には、対応する数だけの巻回炉を設ける必要がある。 以下の圧延工程の例により、図１のデバイスにおいては、２つの交互に圧延さ れたストリップ９、９’の場合、ストリップ９、９’の熱処理時間が利用可能で あることがわかるであろう。各ストリップ９、９’の圧延は、それぞれ７パスで 行われ、２つの操作工程にわたって延在する温度均衡化または残留時間が、各ス トリップ９、９’のそれぞれに対して設けられている。 使用符号の説明 ＣＦ３： 巻回炉３ ＣＦ３’： 巻回炉３’ ＣＦ３”： 巻回炉３” ＲＴ ストリップ９： ストリップ９に対しての温度均衡化または残留時間 ＲＴ ストリップ９’： ストリップ９’に対しての温度均衡化または残留時間 ９（パスｉ）： 第ｉ番目のパス後におけるストリツプ９の位置 ９’（パスｉ）： 第ｉ番目のパス後におけるストリップ９’の位置 圧延工程

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９８年２月６日（１９９８．２．６） 【補正内容】 明細書 ストリップの反転圧延方法およびそのための装置 本発明は、高温反転圧延されたストリップを製造するための、とりわけスチー ルストリップを製造するための方法であって、ストリップは、連続キャストによ って直接的に製造され、あるいは、連続キャストの後に粗仕上げ操作を経て製造 され、ストリップは、その後、複数回の圧延パスを経て高温圧延されるとともに 、各圧延パス後において、コイルへと巻回される方法に関するものである。 この種の方法は、日本国特許出願公開明細書２−３７９０３号において公知で ある。 高温ストリップの反転圧延のための方法は、また、例えば、独国特許出願公開 明細書第２９ ００ ６４８号に開示されている。この公知方法においては、各圧 延パス後のストリップは、巻回用の炉として構成された巻回手段によって取り扱 われる。２つの巻回炉と、これら炉どうしの間に配置された高温の反転用スタン ドと、が設けられている。ストリップは、高温の反転用スタンド内において、巻 回炉間を数回にわたって前後進しつつ圧延される。最終的には、ストリップは、 所望の最終厚さとされる。 冒頭に記載した種類の高温圧延方法においては、圧延操作時に、ストリップの 端部どうしの間において、また、ストリップの中央部分と縁部分との間において 、温度差が生じる。ストリップを巻回することによって、非常に大きな温度の発 生を避けることはできる。しかしながら、理想的な圧延温度からそれほど大きく は外れていないような程度の温度差がストリップの端部どうしの間あるいはスト リップの縁部どうしの間のそれぞれに発生する程度にまで、温度を均等化するこ とはできない。その理由は、そのためには、２つの連続する圧延パスどうしの間 に、大きな休止期間を必要とするからである。すなわち、圧延パスが遮断されな ければならないからである。反転圧延デバイスを十分に利用していないことや、 生産性が低減してしまうことが、重大である。 本発明は、上記欠点や困難さを避けることを目標としている。本発明の目的は 、上記タイプの方法およびこの方法を実現するための装置を提供することである 。このような方法および装置は、一方においては、反転圧延デバイスの使用期間 全体にわたって可能な限り最良の形態で反転圧延デバイスを利用可能とする。す なわち、遮断することがなくまた生産量という観点で損失をもたらすことがなく 圧延操作を維持することができ、かつ、連続キャストプラントにおけるストリッ プ製造と組み合わせた場合、エネルギーをできるだけ節約しつつ圧延されるべき ストリップに対しての最適の温度条件を得ることができる。また、ストリップ端 部とストリップ縁部とストリップ中央部との間における温度差は、圧延方法また は圧延装置に対しても、さらに、ストリップの品質に対しても、悪影響を与えな い程度に小さく維持することができる。 本発明においては、上記目的は、上述の種類の圧延するための方法において、 ２つまたはいくつかのストリップを、交互に圧延し、少なくとも１つの圧延パス において一方のストリップを圧延している時には、他方のストリップまたは他の ストリップが、コイルに巻回された状態で待機状態とされることにより得られる 。 本発明による方法は、その上、特に付加的なエネルギーを使用することなく、 より薄い最終厚さを得ることを可能とする。また、製品の幾何形状の許容度（外 形形状、厚さ、平坦度）を、単純な方法で、また、付加的な主要な消費を行うこ となく、改良することができる。温度均衡の付加的な結果として、ストリップ端 部を圧延スタンド内に導入する際の圧延分離力の上昇を最小化して、圧延機構に 対する負荷を小さくすることができる。 日本国特許出願公開明細書５６−５９５０７号において、磁気特性を調整でき るような、低温圧延された電気シートが公知である。特に、個々の圧延パスどう しの間において、エージングプロセスが連続して数回行われる。その目的のため に、ストリップ材料は、反転圧延され、２つのストリップが交互に反転圧延され る。特に、一方のストリップの圧延時においては、他方のストリップは、エージ ングの目的のために、コイル状に保持された状態に留まるようにして、２つのス トリップの交互の反転圧延がなされる。 本発明においては、他方のストリップまたは他の複数のストリップがコイルの 形態で待機状態にある時に、このストリップまたはこれらストリップに対して、 １つまたは複数のストリップ端部も含めて、熱均等化が行われることが適切であ る。 本発明による方法は、圧延操作に対する温度状況を最適に調整し得るだけでな く、圧延パスの前または後におけるストリップ材料の性質を改良するために使用 することもできる。つまり、例えば、他方のストリップまたは他のストリップが コイルの形態で待機状態にある時に、このストリップまたはこれらストリップに 対して、１つまたは複数のストリップ端部も含めて、熱処理、とりわけ加熱が行 われることによって、圧延ストックの厚さおよび品質の関数として、特定の温度 作用のもとに、ストリップの物理特性または微細構造を改良することができる。 これにより、ストリップを、圧延に対する最適温度とすることができ、圧延操作 時に失われた熱エネルギーが、再度ストリップに対して供給される。 本発明の方法を実行するためのデバイスは、連続キャストプラントと、付加的 に粗仕上げスタンドと、少なくとも１つの反転スタンドおよび巻回手段を備えた ストリップ圧延プラントと、を具備してなるものであって、反転スタンドの入口 側に設けられた少なくとも２つの巻回手段と、反転スタンドの他の入口側に設け られた少なくとも１つの巻回手段と、からなる少なくとも３つの巻回手段が設け られていることを特徴としている。 好ましい実施形態においては、反転スタンドの各入口側に、それそれ、２つの 巻回手段が設けられる。 有利には、巻回手段には、熱絶縁ジャケットが設けられる。しかしながら、巻 回手段を、加熱スペース内に配置することもできる。 巻回手段は、巻回炉として構成されていることが適切であり、好ましくは、加 熱手段が設けられている。 エネルギー節約のために、２つの巻回手段が、共に１つの絶縁ジャケツトで囲 まれていることが有利である。 また、ストリップ端部を完全に巻回するために、巻回手段には、ストリップ端 部を巻くためのおよび巻解くためのデバイスが設けられることが適切である。 他の好ましい実施形態においては、巻回手段に、絶縁された、付加的には加熱 可能な、さらに、閉塞性の大きな、搬入または搬出領域が設けられていることを 特徴としている。 有利には、少なくとも１つの巻回手段には、保護ガス手段が設けられている。 以下、いくつかの例示によって、添付図面を参照しつつ、本発明をより詳細に 説明する。以下の説明において、図１は、本発明による装置の構成を概略的に示 す側面図である。図２および図３は、図１と同様の図であって、他の実施形態を 示している。図４〜図６においては、装置構成が示されており、各例は、連続的 なキャスティングプラントに関連している。 図１は、反転圧延操作を実行するための装置の全体構成を示しており、粗仕上 げスタンド（roughing stand）としてまたは仕上げスタンド（Ｓｔｅｃｋｅｌス タンド）として構成することができる反転圧延スタンド１が設けられている。反 転圧延スタンド１の一方側２には、巻回炉３、３’として構成された２つの巻回 手段が設けられている。反転圧延スタンド１の他方側４には、同様に巻回炉とし て構成されたただ１つの巻回手段３”が設けられている。巻回炉３、３”間に設 けられた単一の反転圧延スタンド１に代えて、当然のことながら、１パス時にス トリップ９または９’が２つまたはいくつかの圧延を受けるような複数のスタン ドを設けることもできる。 巻回炉３〜３”の各々には、駆動可能な巻回用マンドレル５、および、熱絶縁 用ジャケット６が設けられている。付加的に、巻回炉３〜３”の各々の内部８、 ８’内の温度レベルを維持するための、加熱手段７を設けることができる。 好ましくは、巻回炉３〜３”は、圧延されるべきストリップ９、９’の端部が 巻回炉３〜３”の内部８内に完全に引き込まれ得るように、構成されている。 この目的のために、巻回炉３〜３”は、駆動ローラ１０のようなストリップ端 部をしっかりと把持し得るとともにそれぞれの巻回炉３〜３”から引き出し得る 手段と、いわゆるコイル開放器１１と、のような適切なデバイスを備えている。 コイル開放器１１は、言い換えれば、巻回済コイル１２に対しての位置調整が可 能な楔形状デバイスであって、コイル開放剣とも称されて、コイル端部をコイル １２から切り離して各巻回炉３〜３”の内部から導出するためのものである。巻 回用マンドレル５上に既に巻回されたコイル１２のコイル表面に対して、コイル 開放器１１を調整するために、調整デバイス（図示せず）が設けられている。 端部に至るまでの完全なストリップの巻回がわずかの困難さで実現可能である 場合には、巻回炉３〜３”に、また、絶縁された付加的に加熱可能な入口または 搬出領域を設けることができる。このような入口または搬出領域は、ストリップ および搬出領域を圧延テーブルの領域外へと移動させるために、付加的に、回転 可能であるように構成されている。 有利には、保護ガス手段（図示せず）によって、巻回炉３〜３”の内部８を、 保護雰囲気とすることができる。これにより、ストリッブ９、９’のスケーリン グを防止することができる。 デバイスの機能は、以下の通りである。 本発明のデバイスによれば、２つのストリップ９、９’を、交互に圧延するこ とができる。一方のストリップ９が圧延されている時には、他方のストリップ９ ’は、コイル１２へと巻回された状態で、反転スタンド１の側部２において隣接 配置された２つの巻回炉３、３’の２番目のものの中において、待機状態とされ る。ストリップ９’が圧延に供されるまで炉内に留まっている間に、つまり、も う一方のストリップ９が、２つまたはいくつかの圧延パスによって圧延されてい る間に、ストリップ９’は、温度の均衡化または熱処理の均衡化を行うことがで きる。必要であれば、均衡化は、保護雰囲気のもとで行われる。第２ストリップ ９’が、圧延されるときには、圧延済みの第１ストリップ９は、コイルの形態で 待機状態とされ、次なる圧延パスに向けての温度の均衡化を部分的に受けること ができる。 図２および図３に示す実施形態においては、２つの巻回用マンドレル５が互い に隣接配置されていて、これら巻回用マンドレル５は、通常の熱保護ハウジング ６によって囲われている。図２においては、２つの巻回用マンドレル５は、水平 方向に隣接配置されており、図３においては、鉛直方向に隣接配置されている。 図４〜図６は、反転圧延のためのデバイスが組み込まれた連続キャストプラン トの異なる変形例を概略的に示している。 【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９８年２月６日（１９９８．２．６） 【補正内容】 請求の範囲 １．高温反転圧延されたストリップ（９、９’）を製造するための、とりわけス チールストリップを製造するための方法であって、 ストリップは、連続キャストによって直接的に製造され、あるいは、連続キャ ストの後に粗仕上げ操作を経て製造され、 前記ストリップ（９、９’）は、その後、複数回の圧延パスを経て高温圧延さ れるとともに、各圧延パス後において、コイル（１２）へと巻回される場合にお いて、 ２つまたはいくつかのストリップ（９、９’）を、交互に圧延し、 少なくとも１つの圧延パスにおいて一方のストリップ（９）を圧延している時 には、他方のストリップ（９’）または他のストリップが、コイル（１２）に巻 回された状態で待機状態とされることを特徴とするストリップの反転圧延方法。 ２．前記他方のストリップ（９’）または前記他のストリップがコイル（１２） の形態で待機状態にある時に、このストリップまたはこれらストリップに対して 、１つまたは複数のストリップ端部も含めて、熱均等化が行われることを特徴と する請求項１記載の方法。 ３．前記他方のストリップ（９’）または前記他のストリップがコイル（１２） の形態で待機状態にある時に、このストリップ（９’）またはこれらストリップ に対して、１つまたは複数のストリップ端部も含めて、熱処理、とりわけ加熱が 行われることを特徴とする請求項１または２記載の方法。 ４．請求項１〜３のいずれかに記載の方法を実行するためのデバイスであって、 連続キャストプラント（１３）と、付加的に粗仕上げスタンドと、少なくとも １つの反転スタンド（１）および巻回手段（３）を備えたストリップ圧延プラン トと、を具備してなり、 前記反転スタンド（１）の入口側（２）に設けられた少なくとも２つの巻回手 段と、前記反転スタンド（１）の他の入口側（４）に設けられた少なくとも１つ の巻回手段と、からなる少なくとも３つの巻回手段（３）が設けられていること を特徴とするデバイス。 ５．前記反転スタンド（１）の各入口側（２、４）に、それそれ、２つの巻回手 段（３）が設けられていることを特徴とする請求項４記載のデバイス。 ６．前記巻回手段（３）には、熱絶縁ジャケット（６）が設けられていることを 特徴とする請求項４または５記載のデバイス。 ７．前記巻回手段（３）は、巻回炉（３）として構成され、好ましくは、加熱手 段（１１）が設けられていることを特徴とする請求項６記載のデバイス。 ８．２つの巻回手段（３）が、共に１つの絶縁ジャケット（６）で囲まれている （図２および図３）ことを特徴とする請求項６または７記載のデバイス。 ９．前記巻回手段（３）には、前記ストリップ端部を巻くためのおよび巻解くた めのデバイス（１０、１１）が設けられていることを特徴とする請求項４〜８の いずれかに記載のデバイス。 １０．前記巻回手段（３）には、絶縁された、付加的には加熱可能な、さらに、 閉塞性の大きな、搬入または搬出領域が設けられていることを特徴とする請求項 ４〜８のいずれかに記載のデバイス。 １１．少なくとも１つの巻回手段（３）には、保護ガス手段が設けられているこ とを特徴とする請求項４〜１０のいずれかに記載のデバイス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ストリップ（９、９’）とりわけスチールストリップを反転圧延するための 方法であって、 前記ストリップは、複数回の圧延パスを経て圧延されるとともに、各圧延パス 後において、コイル（１２）へと巻回される場合において、 ２つまたはいくつかのストリップ（９、９’）を、交互に圧延し、 少なくとも１つの圧延パスにおいて一方のストリップ（９）を圧延している時 には、他方のストリップ（９’）または他のストリップが、コイル（１２）に巻 回された状態で待機状態とされることを特徴とするストリップの反転圧延方法。 ２．前記他方のストリップ（９’）または前記他のストリップがコイル（１２） の形態で待機状態にある時に、このストリップまたはこれらストリップに対して 、１つまたは複数のストリップ端部も含めて、熱均等化が行われることを特徴と する請求項１記載の方法。 ３．前記他方のストリップ（９’）または前記他のストリップがコイル（１２） の形態で待機状態にある時に、このストリップ（９’）またはこれらストリップ に対して、１つまたは複数のストリップ端部も含めて、熱処理、とりわけ加熱が 行われることを特徴とする請求項１または２記載の方法。 ４．請求項１〜３のいずれかに記載の方法を実行するためのデバイスであって、 少なくとも１つの反転スタンド（１）と、 該反転スタンド（１）の入口側（２）に設けられた少なくとも２つの巻回手段 、および、前記反転スタンド（１）の他の入口側（４）に設けられた少なくとも １つの巻回手段からなる少なくとも３つの巻回手段（３）と、 を具備することを特徴とするデバイス。 ５．前記反転スタンド（１）の各入口側（２、４）に、それぞれ、２つの巻回手 段（３）が設けられていることを特徴とする請求項４記載のデバイス。 ６．前記巻回手段（３）には、熱絶縁ジャケット（６）が設けられていることを 特徴とする請求項４または５記載のデバイス。 ７．前記巻回手段（３）は、巻回炉（３）として構成され、好ましくは、加熱手 段（１１）が設けられていることを特徴とする請求項６記載のデバイス。 ８．２つの巻回手段（３）が、共に１つの絶縁ジャケット（６）で囲まれている （図２および図３）ことを特徴とする請求項６または７記載のデバイス。 ９．前記巻回手段（３）には、前記ストリップ端部を巻くためのおよび巻解くた めのデバイス（１０、１１）が設けられていることを特徴とする請求項４〜８の いずれかに記載のデバイス。 １０．前記巻回手段（３）には、絶縁された、付加的には加熱可能な、さらに、 閉塞性の大きな、搬入または搬出領域が設けられていることを特徴とする請求項 ４〜８のいずれかに記載のデバイス。 １１．少なくとも１つの巻回手段（３）には、保護ガス手段が設けられているこ とを特徴とする請求項４〜１０のいずれかに記載のデバイス。 １２．請求項１〜３のいずれかに記載の方法を連続キャストプラントに適用する ことを特徴とする応用。 １３．ストランドの連続キャストに関して請求項１〜３のいずれかに記載の方法 を実行するためのプラントであって、 連続キャストプラント（１３）のラインに対して直接的に、ラインの下流側に 、請求項４から１１のいずれかに記載のデバイスが設置されていることを特徴と するプラント。