JP2000357513A - 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000357513A
JP2000357513A JP11166387A JP16638799A JP2000357513A JP 2000357513 A JP2000357513 A JP 2000357513A JP 11166387 A JP11166387 A JP 11166387A JP 16638799 A JP16638799 A JP 16638799A JP 2000357513 A JP2000357513 A JP 2000357513A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
ratio
lithium
electrode active
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11166387A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4581157B2 (ja
Inventor
Shinji Arimoto
真司 有元
Kunio Ito
邦夫 伊藤
Akira Hashimoto
彰 橋本
Hidekazu Hiratsuka
秀和 平塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP16638799A priority Critical patent/JP4581157B2/ja
Publication of JP2000357513A publication Critical patent/JP2000357513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4581157B2 publication Critical patent/JP4581157B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池特性に優れた非水電解質二次電池用正極
活物質およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 リチウム複合マンガン酸化物の母集団を
2つ以上の粒度分布を持つ集団に分割した際、平均粒径
の小さな集団ほどリチウムとマンガンの原子モル比(L
i/Mn比)が小さく、平均粒径が大きな集団ほどLi
/Mn比が大きいことを特徴とするリチウム複合マンガ
ン酸化物を用いることにより、それぞれの粒度に合わせ
たLi/Mn比を実現することができ、それにより優れ
た電池特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池における正極活物質の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、民生用電子機器のポータブル化、
コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源
を担う小型・軽量で、高エネルギー密度を有する二次電
池への要望も高まっている。このような観点から、非水
電解質系二次電池、特にリチウム二次電池は、とりわけ
高電圧・高エネルギー密度を有する電池としてその期待
は大きく、開発が急がれている。
【0003】近年、リチウム含有複合酸化物を正極活物
質とし、負極に炭素質材料を用いた電池系が高エネルギ
ー密度が得られるリチウム二次電池として注目を集めて
いる。このリチウム含有複合酸化物としてLiCoO2
を用いた電池が実用化され、さらに高容量を目指したL
iNiO2を実用化する試みも盛んに行われている。し
かしながら、LiCoO2は資源が乏しく高価であり、
またLiNiO2は熱安定性が低いという問題点を有し
ている。
【0004】これに対し、資源が豊富であるマンガンを
使用したリチウム含有複合酸化物として、LiMn24
が提案されている。この酸化物は4V付近と2.8V付
近の2段の放電電位を持っており、4V付近のプラトー
な放電領域を使用し、4.5〜3.0Vの電圧範囲で充
放電を繰り返すことで高電位、高エネルギー密度を達成
することができる。このリチウム複合マンガン酸化物の
主な製造方法としては、マンガン化合物とリチウム化合
物を所定のモル比となるように混合した後、熱処理し合
成する方法が一般的である。
【0005】しかしながら、このようにして得られるリ
チウム複合マンガン酸化物を非水電解質二次電池用正極
活物質として用いた場合、得られる放電容量が小さいと
いう問題をかかえている。
【0006】この問題点を解決する方法として、様々な
リチウム複合マンガン酸化物の製造方法が提案されてい
る。水酸化リチウムと酸化マンガンを混合した混合物を
粉砕した後、焼成することにより両者の反応を短時間
で、均一に進行させる方法(特開平6−76824号公
報)、500℃以下の温度で第1の熱処理をおこなった
後に、500℃以上850℃以下の温度で第2の熱処理
をおこなうことでより組成が均一なスピネル構造を得る
方法(特開平8−217452号公報)、200℃以上
500℃未満で熱処理をした後、500℃以上850℃
以下で再度熱処理をおこなうことで高容量なリチウム複
合マンガン酸化物を得る方法(特開平9−86933号
公報)などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記方法
により、リチウム複合マンガン酸化物であるLiMn2
4を合成しても、マンガンに対するリチウムを目的と
する原子モル比に合成したにも係わらず、十分な放電容
量を得ることができず、また、充放電サイクル特性にお
いても良いものが得られなかった。本発明はこのような
課題を解決するもので、放電容量の高い、優れた充放電
サイクル特性を有する非水電解質二次電池用正極活物質
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、リチウム複合マンガン酸化物の平均粒径が
小さな集団ほどマンガンに対するリチウムの原子モル比
(Li/Mn比)が小さく、平均粒径が大きな集団ほど
マンガンに対するリチウムの原子モル比(Li/Mn
比)が大きくなるようなリチウム複合マンガン酸化物を
用いることにより、活物質利用率の高い、優れた充放電
特性を持つ非水電解質二次電池用正極活物質を得るもの
である。
【0009】また、本発明は、2つ以上の粒度分布の異
なるマンガン化合物の平均粒径の小さな集団ほどマンガ
ンに対するリチウムの原子モル比(Li/Mn比)が小
さく、平均粒径が大きな集団ほどマンガンに対するリチ
ウムの原子モル比(Li/Mn比)が大きくなるように
それぞれ個別にリチウム化合物と混合し、加熱し合成を
行った後、混合する非水電解質二次電池用正極活物質の
製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、リチウム複合マンガン
酸化物が平均粒径の小さな集団ほどマンガンに対するリ
チウムの原子モル比(Li/Mn比)が小さく、平均粒
径が大きな集団ほどマンガンに対するリチウムの原子モ
ル比(Li/Mn比)が大きいことを特徴とする非水電
解質二次電池用正極活物質を用いるものである。
【0011】また、本発明は2つ以上の粒度分布の異な
るマンガン化合物を平均粒径の小さな集団ほどLi/M
n比が小さく、平均粒径が大きな集団ほどLi/Mn比
が大きくなるようにそれぞれ個別にリチウム化合物と混
合し、加熱し合成を行った後、混合する非水電解質二次
電池用正極活物質の製造方法である。
【0012】さらに、本発明はマンガン化合物を粒度分
布により2つ以上に分割して用いるものである。
【0013】リチウム複合マンガン酸化物の合成方法と
して、出発原料であるマンガン化合物やリチウム化合物
の所定量を定比混合して高温で焼成する方法は従来から
よく知られた合成法である。しかし、マンガン化合物の
粒径によりリチウム化合物との反応性が異なるため、目
的とするマンガンに対するリチウムの原子モル比に合成
したにも係わらず全体は不均一なリチウム複合マンガン
酸化物が生成される。これは粒径の小さなマンガン化合
物が優先的にリチウム化合物と反応してしまうため、粒
径の大きなマンガン化合物は反応が不充分となり、得ら
れたリチウム複合マンガン酸化物は見かけ上は目的とす
る配合通りのマンガンに対するリチウムの原子モル比と
なるが、実際は粒径別に見ると原子モル比が大きく異な
るものとなっており、不均一なリチウム複合マンガン酸
化物が合成されていることとなる。
【0014】たとえば、出発材料のマンガン化合物とし
て二酸化マンガン、リチウム化合物として炭酸リチウム
を用いてマンガンとリチウムの原子モル比が理論値でサ
イクル特性、初期特性が良いとされる1:0.5となる
よう混合し、加熱し合成を行う。合成されたリチウム複
合マンガン酸化物は見かけ上は理論値通りであるが、実
際はマンガンに対するリチウムの原子モル比(Li/M
n比)は0.46から0.56のばらつきを持つ。この
時、平均粒径が小さな集団ほどLi/Mn比が大きく、
平均粒径が大きな集団ほどLi/Mn比は小さくなって
いる。これは粒径が小さいマンガンほどリチウム化合物
との反応性が高いため先に反応してしまいLi/Mn比
が高く、逆に粒径が大きいマンガン化合物はリチウム化
合物との反応性が低く、後で反応するためにリチウムが
不足し、Li/Mn比が低くなるためであると考えられ
る。
【0015】このように合成が不充分なリチウム複合マ
ンガン酸化物が含まれるため、これを正極活物質として
電池を構成した場合、サイクル特性が低下するという問
題が生じてくる。この問題を解決するため、Li/Mn
比が0.5〜0.46のものがなくなるようにマンガン
に対するリチウムの混合比を上げて合成を行うと、リチ
ウムの割合が多きすぎるものが生じ初期容量が減少する
などの問題が生じる。
【0016】また、我々の詳細な検討の結果、リチウム
複合マンガン酸化物の平均粒径により充放電サイクル特
性が異なることがわかった。同じ原材料、同じLi/M
n比で合成したものであれば、充放電サイクル特性は比
表面積が大きいほど良く、比表面積が小さいほど悪いの
である。つまり、平均粒径が小さな集団ほど充放電サイ
クル特性は良く、平均粒径が大きな集団ほど充放電サイ
クル特性は悪いのである。また、Li/Mn比と充放電
サイクル特性について詳細な検討を行った結果、同じ原
材料を用いたのであれば、Li/Mn比が大きいほど充
放電サイクル特性が良く、Li/Mn比が小さいほど充
放電サイクル特性が悪いことがわかった。しかし、充放
電サイクル特性を向上させるためにLi/Mn比を大き
くすると、放電容量が減少するという問題があった。
【0017】この問題に対し、本発明では粒径別に放電
容量とサイクル特性のバランスが良いLi/Mn比に、
つまり、リチウム複合マンガン酸化物を2つ以上の集団
に分割した際、平均粒径が小さな集団ほどLi/Mn比
が小さく、平均粒径が大きな集団ほどLi/Mn比が大
きくなるようなリチウム複合マンガン酸化物を正極活物
質として用いるものである。平均粒径の小さい集団ほど
充放電サイクル特性が良好であるため、Li/Mn比が
高い放電容量を得ることができる0.5に近くても良好
な充放電サイクル特性を確保できる。平均粒径の大きな
集団は充放電サイクル特性が悪いため、Li/Mn比を
大きくしサイクル特性を確保する。このような材料が混
合された正極活物質は、粒度に合わせて最適なLi/M
n比になるように合成されているため、放電容量、充放
電サイクル特性とも良いバランスの取れた電池を構成す
ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0019】(実施例1)本実施例のリチウム複合マン
ガン酸化物の合成法について説明する。
【0020】平均粒径が1.2μmである電解二酸化マ
ンガン(MnO2)Aと炭酸リチウム(Li2CO3)を
Li/Mn比が0.50になるように混合した。この混
合物をアルミナ製容器に入れ電気炉中に静置し、送風1
0l/minの空気雰囲気下で2時間で800℃まで昇
温した後、800℃で10時間保持することによりリチ
ウム複合マンガン酸化物(LiMn24)を合成し、正
極活物質Aとした。
【0021】また、平均粒径の異なる電解二酸化マンガ
ン(MnO2)B〜Eについても表1に示したLi/M
n比になるように電解二酸化マンガンと炭酸リチウムを
混合し、正極活物質Aと同様の合成方法によりLiMn
24を合成し、正極活物質B〜Eとした。
【0022】
【表1】
【0023】これらの正極活物質A〜Eを同じ重量ずつ
混合し、正極活物質Fとした。この正極活物質Fは分級
機を用いて5つの異なる粒度分布を持つ集団に分割し、
正極活物質G〜Kとした。これらの正極活物質G〜Kの
Li/Mn比を測定した。この結果を表2に示す。な
お、平均粒径はレーザー回折式粒度分布測定装置により
測定を行い、累計50%に相当する値とした。また、マ
ンガンとリチウムの原子モル比はICP発光分光分析法
を用いて行った。以降の実施例、比較例においても同様
の方法を用いた。
【0024】
【表2】
【0025】表2より、正極活物質Fは、平均粒径が小
さな集団ほどLi/Mn比が小さく、平均粒径が大きな
集団ほどLi/Mn比が大きくなっているといえる。 (比較例1)電解二酸化マンガン(MnO2)A〜Eを
同じ重量ずつ混合し、電解二酸化マンガンLを得た。こ
の電解二酸化マンガンLと炭酸リチウム(Li2CO3
をLi/Mn比が0.52になるように混合した。この
混合物を実施例1と同様の方法にて、アルミナ製容器に
入れ電気炉中に静置し、送風10l/minの空気雰囲
気下で2時間で800℃まで昇温した後、800℃で1
0時間保持することによりリチウム複合マンガン酸化物
(LiMn24)を合成し、正極活物質Lとした。
【0026】この正極活物質Lは分級機を用いて5つの
異なる粒度分布を持つ集団に分割し、正極活物質M〜Q
とし、それぞれの平均粒径およびLi/Mn比を測定し
た。この結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】表3より、正極活物質Lは見かけ上、Li
/Mn比が目的値である0.52に合成されている。し
かしながら、これを分級した正極活物質M〜Qは、平均
粒径の小さな集団ほどLi/Mn比が大きく、平均粒径
の大きな集団ほどLi/Mn比が小さくなっているとい
える。
【0029】上記、実施例1および比較例1の正極活物
質FおよびLを用いて電池評価を行った。図1に本実施
例で用いた円筒型リチウム二次電池の縦断面図を示す。
図1において正極板5および負極板6がセパレータ7を
介して複数回渦巻状に巻回し構成された極板群4が耐有
機電解液性のステンレス鋼板を加工した電池ケース1内
に収納されている。正極板5からは正極アルミリード5
aが引き出されて封口板2に接続され、負極板6からは
負極ニッケルリード6aが引き出されて電池ケース1の
底部に接続されている。極板群4の上下部にそれぞれ絶
縁リング8が設けられており、電池ケース1の開口部
は、安全弁を設けた封口板2および絶縁パッキング3に
より封口されている。
【0030】負極板6は炭素材料(本実施例においては
ピッチ系球状黒鉛を用いた)にスチレン−ブタジエンゴ
ムの水性ディスパージョンを重量比で100:3.5の
割合で混合し、これをカルボキシメチルセルロースの水
溶液に懸濁させてペースト状にしたものを銅箔の両面に
塗着し、乾燥後、圧延し所定の大きさに切り出し負極板
を作製した。なお、スチレン−ブタジエンゴムの水性デ
ィスパージョンの混合比率はその固形分で計算してい
る。
【0031】正極板5は、合成した正極活物質Fおよび
LのLiMn24にアセチレンブラックおよびポリ四フ
ッ化エチレンの水性ディスパージョンを重量比で10
0:2.5:7.5の割合で混合し、これをカルボキシ
メチルセルロースの水溶液に懸濁させてペースト状にす
る。次いでこのペーストをアルミ箔の両面に塗着し、乾
燥後、圧延し所定の大きさに切り出して正極板を作製し
た。なお、ポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョ
ンの混合比率はその固形分で計算している。
【0032】上記方法により作製した正、負極板にそれ
ぞれリードを取付け、ポリエチレン製のセパレータを介
して渦巻き状に巻回し、電池ケースに収納した。電解液
にはエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート
を体積比で1:3で混合した溶媒に6フッ化リン酸リチ
ウム(LiPF6)を1.5mol/l溶解したものを
用いた。この電解液を上記の電池ケースに減圧注液後封
口し、電池FおよびLとした。なお本実施例において
は、正極活物質の特性を評価するため、予め負極の容量
を大きくしたものを用いた。
【0033】これら電池FおよびLを用いて下記の条件
で試験を行った。まず、20℃で電池電圧4.2Vまで
120mAの定電流で充電した後1時間休止を行い、そ
の後120mAの定電流で電池電圧3.0Vまで放電す
る。この方法で充放電を3回繰り返し、3回目の放電容
量を初期容量とした。また、初期容量を電池内に含まれ
るLiMn24の重量で割ることによって活物質の比容
量を算出した。さらに、20℃で充放電電流を120m
Aとし、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0V
の条件で定電流充放電サイクル試験を行った。初期容量
に対する300サイクル時点での放電容量を%で表した
ものを容量維持率として算出した。この結果を表4に示
す。
【0034】
【表4】
【0035】表4より、電池Fと電池Lにおいては、正
極活物質の見かけ上の平均粒径とLi/Mn比が同様で
あるにもかかわらず、電池特性が異なっていることがわ
かる。電池Fは充放電サイクル特性の良い平均粒径が小
さな集団はLi/Mn比が0.5に近く、充放電サイク
ル特性が悪い平均粒径が大きな集団はLi/Mn比が大
きくなっているため、正極比容量およびサイクル容量維
持率ともに良好な値を示したと考えられる。これに対し
て電池Lは充放電サイクル特性の良い平均粒径が小さな
集団ほどLi/Mn比が大きく、充放電サイクルの悪い
平均粒径が大きな集団ほどLi/Mn比が小さいため、
正極比容量およびサイクル特性が悪くなったと考えられ
る。
【0036】(実施例2)本実施例のリチウム複合マン
ガン酸化物の合成法について説明する。
【0037】平均粒径が11.3μmである電解二酸化
マンガン(MnO2)aを分級機を用いて、5つの異な
る粒度分布を持つ集団に分割し、電解二酸化マンガンb
〜fを得た。得られた電解二酸化マンガンbと炭酸リチ
ウム(Li2CO3)をMnとLiとの原子モル比が1:
0.50になるように混合した。この混合物をアルミナ
製容器に入れ電気炉中に静置し、送風10l/minの
空気雰囲気下で2時間で800℃まで昇温した後、80
0℃で10時間保持することによりリチウム複合マンガ
ン酸化物(LiMn24)を合成し、正極活物質bとし
た。電解二酸化マンガンc〜fにおいても、電解二酸化
マンガンbと同様の方法にて合成し、正極活物質c〜f
とした。
【0038】また、電解二酸化マンガンc〜fについて
も表5に示したLi/Mn比になるように電解二酸化マ
ンガンと炭酸リチウムを混合し、正極活物質bと同様の
合成方法によりLiMn24を合成し、正極活物質c〜
fとした。
【0039】
【表5】
【0040】これらの正極活物質b〜fを再び混合し、
正極活物質gとした。この正極活物質gは分級機を用い
て5つの異なる粒度分布を持つ集団に分割し、正極活物
質h〜lとした。これらの正極活物質h〜lの平均粒径
およびLi/Mn比を測定した。この結果を表6に示
す。なお、平均粒径およびマンガンとリチウムの原子モ
ル比は実施例1と同様の方法を用いた。
【0041】
【表6】
【0042】表6より、正極活物質gは平均粒径が小さ
な集団ほどLi/Mn比が小さく、平均粒径が大きな集
団ほどLi/Mn比が大きくなっているといえる。
【0043】(比較例2)実施例2で用いたのと同様の
平均粒径が11.3μmである電解二酸化マンガン(M
nO2)aと炭酸リチウム(Li2CO3)をLi/Mn
比が0.52になるように混合した。この混合物を実施
例2と同様の方法にて、アルミナ製容器に入れ電気炉中
に静置し、送風10l/minの空気雰囲気下で2時間
で800℃まで昇温した後、800℃で10時間保持す
ることによりリチウム複合マンガン酸化物(LiMn2
4)を合成し、正極活物質aとした。
【0044】この正極活物質aは分級機を用いて5つの
異なる粒度分布を持つ集団に分割し、正極活物質m〜q
とし、それぞれのMnとLiとの原子モル比を測定し
た。この結果を表7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】表7より、正極活物質aは見かけ上、Li
/Mn比が目的値である0.52に合成されている。し
かしながら、これを分級した正極活物質m〜qは、平均
粒径の小さな集団ほどLi/Mn比が大きく、平均粒径
の大きな集団ほどLi/Mn比が小さくなっているとい
える。
【0047】上記、実施例2および比較例2の正極活物
質gおよびaを用いて電池評価を行った。電池の構成は
実施例1と同様にした。
【0048】これら電池gおよびaを用いて実施例1と
同様の条件で、初期容量、活物質の比容量および充放電
サイクル容量維持率を測定した。この結果を表8に示
す。
【0049】
【表8】
【0050】表8より、電池gと電池aにおいては、正
極活物質の見かけ上の平均粒径とLi/Mn比が同様で
あるにもかかわらず、電池特性が異なっていることがわ
かる。電池gは充放電サイクル特性の良い平均粒径が小
さな集団はLi/Mn比が0.5に近く、充放電サイク
ル特性が悪い平均粒径が大きな集団はLi/Mn比が大
きくなっているため、正極比容量およびサイクル容量維
持率ともに良好な値を示したと考えられる。これに対し
て電池aは充放電サイクル特性の良い平均粒径が小さな
集団ほどLi/Mn比が大きく、充放電サイクルの悪い
平均粒径が大きな集団ほどLi/Mn比が小さいため、
正極比容量およびサイクル特性が悪くなったと考えられ
る。
【0051】なお、本実施例ではLiMn24の出発材
料として電解二酸化マンガン、炭酸リチウムの組合せを
用いたが、マンガンの炭酸塩、低級酸化物、硝酸塩など
の他のマンガン化合物、また、水酸化リチウム、硝酸リ
チウム、酸化リチウムなどの他のリチウム化合物を組み
合わせて用いても同様の効果が得られる。
【0052】また、負極としてリチウムの吸蔵放出が可
能な種々の炭素質材、リチウム合金、インターカレーシ
ョンが可能な無機物系負極を用いた電池においても同様
の効果が見られる。さらに、電解質として本実施例で用
いたエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート
の混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを溶解したもの以
外の組合せの溶媒にリチウム塩を溶解した電解液、ポリ
マ電解質を用いた電池においても効果が見られる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、LiMn
24で表されるリチウム複合マンガン酸化合物を粒度に
合わせた最適なLi/Mn比にすることにより、電池特
性に優れた非水電解質二次電池用正極活物質を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型リチウム二次電池の縦断面図
【符号の説明】 1 電池ケース 2 封口板 3 絶縁パッキング 4 極板群 5 正極板 5a 正極リード 6 負極板 6a 負極リード 7 セパレータ 8 絶縁リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 彰 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 平塚 秀和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G048 AA04 AB01 AB05 AC06 AD04 AE05 5H003 AA02 AA04 BA01 BA03 BB05 BC01 BD00 BD02 BD03 5H014 AA01 BB01 BB06 EE10 HH00 HH01 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL06 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ02 CJ08 HJ07 HJ13 HJ14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式LiMn24で表される組成を有
    するリチウム複合マンガン酸化物からなる非水電解質二
    次電池用正極活物質であり、前記リチウム複合マンガン
    酸化物が平均粒径の小さな集団ほどマンガンに対するリ
    チウムの原子モル比(Li/Mn比)が小さく、平均粒
    径が大きな集団ほどマンガンに対するリチウムの原子モ
    ル比(Li/Mn比)が大きいことを特徴とする非水電
    解質二次電池用正極活物質。
  2. 【請求項2】 一般式LiMn24で表される組成を有
    するリチウム複合マンガン酸化物からなる非水電解質二
    次電池用正極活物質の製造方法であり、2つ以上の粒度
    分布の異なるマンガン化合物の平均粒径の小さな集団ほ
    どマンガンに対するリチウムの原子モル比(Li/Mn
    比)が小さく、平均粒径が大きな集団ほどマンガンに対
    するリチウムの原子モル比(Li/Mn比)が大きくな
    るようにそれぞれ個別にリチウム化合物と混合し、加熱
    し合成を行った後、混合することを特徴とする非水電解
    質二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記マンガン化合物は粒度分布により2
    つ以上に分割して用いる請求項2記載の非水電解質二次
    電池用正極活物質の製造方法。
JP16638799A 1999-06-14 1999-06-14 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4581157B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16638799A JP4581157B2 (ja) 1999-06-14 1999-06-14 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16638799A JP4581157B2 (ja) 1999-06-14 1999-06-14 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000357513A true JP2000357513A (ja) 2000-12-26
JP4581157B2 JP4581157B2 (ja) 2010-11-17

Family

ID=15830485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16638799A Expired - Fee Related JP4581157B2 (ja) 1999-06-14 1999-06-14 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4581157B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007165299A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
JP2007165296A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
JP2007165298A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
JP2007165297A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
JP2007165301A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
US9112236B2 (en) 2005-10-20 2015-08-18 Mitsubishi Chemical Corporation Lithium secondary batteries and nonaqueous electrolyte for use in the same

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06295724A (ja) * 1993-04-02 1994-10-21 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd リチウム二次電池用マンガン酸リチウムの製造方法
JPH08203521A (ja) * 1994-06-21 1996-08-09 Commiss Energ Atom リチウム電池の正極活物質として有用な酸化マンガンに基づく挿入化合物
JPH08227708A (ja) * 1994-12-21 1996-09-03 Ricoh Co Ltd 電極および該電極を用いた二次電池
JPH10106561A (ja) * 1996-09-26 1998-04-24 Nec Corp 正極活物質およびそれを用いた有機電解液二次電池
JPH10182158A (ja) * 1996-12-25 1998-07-07 Tosoh Corp スピネル型マンガン酸リチウムの作製方法
JPH11135118A (ja) * 1996-09-12 1999-05-21 Dowa Mining Co Ltd 非水二次電池用正極活物質とその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06295724A (ja) * 1993-04-02 1994-10-21 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd リチウム二次電池用マンガン酸リチウムの製造方法
JPH08203521A (ja) * 1994-06-21 1996-08-09 Commiss Energ Atom リチウム電池の正極活物質として有用な酸化マンガンに基づく挿入化合物
JPH08227708A (ja) * 1994-12-21 1996-09-03 Ricoh Co Ltd 電極および該電極を用いた二次電池
JPH11135118A (ja) * 1996-09-12 1999-05-21 Dowa Mining Co Ltd 非水二次電池用正極活物質とその製造方法
JPH10106561A (ja) * 1996-09-26 1998-04-24 Nec Corp 正極活物質およびそれを用いた有機電解液二次電池
JPH10182158A (ja) * 1996-12-25 1998-07-07 Tosoh Corp スピネル型マンガン酸リチウムの作製方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9112236B2 (en) 2005-10-20 2015-08-18 Mitsubishi Chemical Corporation Lithium secondary batteries and nonaqueous electrolyte for use in the same
JP2007165299A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
JP2007165296A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
JP2007165298A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
JP2007165297A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
JP2007165301A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP4581157B2 (ja) 2010-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109216688B (zh) 一种三元锂电材料、其制备方法与锂离子电池
JP4973825B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質の製造法、非水電解質二次電池
JP2000277116A (ja) リチウム二次電池
JP2000223122A (ja) リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法、この正極活物質を用いたリチウム二次電池用正極及びその製造方法、この正極を用いたリチウム二次電池及びその製造方法
JP3446639B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質の製造方法およびリチウム二次電池
JPH0737576A (ja) 非水電解液二次電池およびその正極活物質の製造法
JPH1092429A (ja) 非水溶媒二次電池の製造方法及び非水溶媒二次電池
JP3468098B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質の製造方法
JP2000077072A (ja) 非水電解液二次電池
JPH09259863A (ja) 非水電解液二次電池およびその製造法
JP2002124258A (ja) マンガン酸リチウム粒子粉末及びその製造法
JPH09265984A (ja) 非水電解液二次電池
JP4626058B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP4581157B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法
JP2003288899A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質
JP2004207034A (ja) 非水電解質二次電池
JP2001297761A (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質
JP2001297750A (ja) リチウム二次電池用発電要素およびそれを用いたリチウム二次電池
CN112467078B (zh) 电化学装置和电子装置
JP3111927B2 (ja) 非水電解液二次電池及びその製造方法
JP2000277111A (ja) リチウム二次電池
JPH04328258A (ja) 非水電解液二次電池
JP2001196062A (ja) マンガン酸リチウム混成体及びこれを用いたリチウム二次電池
JP3528615B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質の製造方法
JPH11242959A (ja) リチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060412

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091104

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100816

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140910

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees