JPH09265984A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池Info
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- JPH09265984A JPH09265984A JP8073527A JP7352796A JPH09265984A JP H09265984 A JPH09265984 A JP H09265984A JP 8073527 A JP8073527 A JP 8073527A JP 7352796 A JP7352796 A JP 7352796A JP H09265984 A JPH09265984 A JP H09265984A
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- boron
- manganese
- secondary battery
- battery
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
(57)【要約】
【課題】 LiMn2O4を正極活物質に用いた場合に、
高電位でもマンガンが電解液中に溶出することなく、高
電圧を有しかつ優れた充放電特性を備えた非水電解液二
次電池を提供する。 【解決手段】 表面をホウ素で被覆したLiMn2O4を
正極活物質に用いた非水電解液二次電池。
高電位でもマンガンが電解液中に溶出することなく、高
電圧を有しかつ優れた充放電特性を備えた非水電解液二
次電池を提供する。 【解決手段】 表面をホウ素で被覆したLiMn2O4を
正極活物質に用いた非水電解液二次電池。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電
池、特にリチウム複合酸化物を正極に用いた電池の特性
改良に関するものである。
池、特にリチウム複合酸化物を正極に用いた電池の特性
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、AV機器あるいはパソコン等の電
子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでお
り、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギ
ー密度を有する二次電池への要求が高い。このような点
で非水系二次電池、特にリチウム二次電池は、とりわけ
高電圧、高エネルギー密度を有する電池として期待が大
きい。近年、リチウム二次電池の正極活物質として遷移
金属の硫化物または酸化物などを用いた電池を実用化す
る試みが盛んに行われている。米国特許第4,302,
518号明細書で正極活物質としてLiCoO2を用い
た電池が提案され、また1992年にこの正極と負極に
カーボンを用いた円筒形電池が深い深度の充放電におい
て、1200サイクル経過後も初期の70%以上の容量
が保持されたとの報告があり、現在ではこの電池系が4
V級リチウムイオン二次電池として各社で実用化されて
いる。また次の正極活物質としてLiNiO2を実用化
する試みも進んでいる。しかし、Co,Niは資源が乏
しく高価である。それに対して、資源が豊富で安価であ
るマンガンを使用した正極活物質として、LiMn2O4
(特公平4−30146号公報)が提案されている。こ
のLiMn2O4の放電電位は、4V付近と2.8V付近
の2段を示す。この4V付近のプラトーな領域を使用
し、4.5V〜3.0Vまでの電圧範囲で充放電を繰り
返すことで高電位、高エネルギー密度を達成することが
できる。
子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでお
り、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギ
ー密度を有する二次電池への要求が高い。このような点
で非水系二次電池、特にリチウム二次電池は、とりわけ
高電圧、高エネルギー密度を有する電池として期待が大
きい。近年、リチウム二次電池の正極活物質として遷移
金属の硫化物または酸化物などを用いた電池を実用化す
る試みが盛んに行われている。米国特許第4,302,
518号明細書で正極活物質としてLiCoO2を用い
た電池が提案され、また1992年にこの正極と負極に
カーボンを用いた円筒形電池が深い深度の充放電におい
て、1200サイクル経過後も初期の70%以上の容量
が保持されたとの報告があり、現在ではこの電池系が4
V級リチウムイオン二次電池として各社で実用化されて
いる。また次の正極活物質としてLiNiO2を実用化
する試みも進んでいる。しかし、Co,Niは資源が乏
しく高価である。それに対して、資源が豊富で安価であ
るマンガンを使用した正極活物質として、LiMn2O4
(特公平4−30146号公報)が提案されている。こ
のLiMn2O4の放電電位は、4V付近と2.8V付近
の2段を示す。この4V付近のプラトーな領域を使用
し、4.5V〜3.0Vまでの電圧範囲で充放電を繰り
返すことで高電位、高エネルギー密度を達成することが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ムとマンガンの複合酸化物であるLiMn2O4を正極に
用いた電池は、高電位、高エネルギー密度という特徴は
有しているが、充放電サイクルにともなう容量低下が大
きいという課題があり、実用電池としての利用には至っ
ていない。本発明はこのような課題を解決するもので、
LiMn2O4を正極に用いた場合に高い作動電圧を維持
するとともに、優れた充放電特性を有する二次電池を提
供することを目的とするものである。
ムとマンガンの複合酸化物であるLiMn2O4を正極に
用いた電池は、高電位、高エネルギー密度という特徴は
有しているが、充放電サイクルにともなう容量低下が大
きいという課題があり、実用電池としての利用には至っ
ていない。本発明はこのような課題を解決するもので、
LiMn2O4を正極に用いた場合に高い作動電圧を維持
するとともに、優れた充放電特性を有する二次電池を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ため本発明は、正極活物質であるLiMn2O4の粒子表
面にホウ素を添加して、LiMn2O4の粒子表面をホウ
素で被覆した非水電解液二次電池であり、高電位でもマ
ンガンが電解液中に溶出することなく、かつ優れた充放
電サイクル特性を示す非水電解液二次電池を提供するも
のである。
ため本発明は、正極活物質であるLiMn2O4の粒子表
面にホウ素を添加して、LiMn2O4の粒子表面をホウ
素で被覆した非水電解液二次電池であり、高電位でもマ
ンガンが電解液中に溶出することなく、かつ優れた充放
電サイクル特性を示す非水電解液二次電池を提供するも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に示
す。
す。
【0006】リチウムとマンガンの複合酸化物の場合、
化合物中のマンガンの溶出が問題となるため、添加する
ホウ素は化合物中のマンガン量に対し所定量必要である
ことを見出したものである。すなわち、添加するホウ素
量は化合物中のマンガンに対しモル比で0.02〜0.
1の範囲が最適であることを見出したものである。Li
Mn2O4は炭酸リチウム、硝酸リチウムなどのリチウム
塩と炭酸マンガン、酸化マンガンなどのマンガン塩を混
合し、酸化雰囲気中で650〜900℃の高温で熱処理
合成して得られる。その合成の際、原材料中にホウ素の
化合物を混入し、熱処理することによってできあがった
LiMn2O4の粒子表面がホウ素で被覆される。このよ
うにLiMn2O4にホウ素を添加した正極を用いること
により、高電圧、高エネルギー密度で充放電特性に優れ
た非水電解液二次電池を提供する。
化合物中のマンガンの溶出が問題となるため、添加する
ホウ素は化合物中のマンガン量に対し所定量必要である
ことを見出したものである。すなわち、添加するホウ素
量は化合物中のマンガンに対しモル比で0.02〜0.
1の範囲が最適であることを見出したものである。Li
Mn2O4は炭酸リチウム、硝酸リチウムなどのリチウム
塩と炭酸マンガン、酸化マンガンなどのマンガン塩を混
合し、酸化雰囲気中で650〜900℃の高温で熱処理
合成して得られる。その合成の際、原材料中にホウ素の
化合物を混入し、熱処理することによってできあがった
LiMn2O4の粒子表面がホウ素で被覆される。このよ
うにLiMn2O4にホウ素を添加した正極を用いること
により、高電圧、高エネルギー密度で充放電特性に優れ
た非水電解液二次電池を提供する。
【0007】
(実施例1)以下、図面とともに本発明の実施例を説明
する。実施例においては円筒形電池を構成して評価を行
った。
する。実施例においては円筒形電池を構成して評価を行
った。
【0008】図1に円筒形電池の断面図を示す。図1に
おいて正極1はLiMn2O4に、導電剤としてカーボン
ブラック、結着剤としてポリ四フッ化エチレンの水性デ
ィスパージョンを重量比で100:2.5:7.5の割
合で混合したものをアルミニウム箔芯材の両面に塗着、
乾燥し、圧延した後所定の大きさに切断し、チタン製の
リード板2をスポット溶接したものである。なお結着剤
のポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョンの混合
比率は、その固形分で計算している。3は負極で炭素質
材料を主活物質とし、スチレンブタジエンゴム系結着剤
(SBR)と重量比で100:3.5の割合で混合した
ものを、銅箔芯材の両面に塗着,乾燥し、圧延した後所
定の大きさに切断し、4の銅製の負極リード板をスポッ
ト溶接している。負極の場合も結着剤SBRの混合比率
は、その固形分で計算している。5はポリプロピレン樹
脂製の微孔性フィルムからなるセパレータで正極1と負
極2をセパレータ5を介して渦巻状に捲回して極板群を
構成する。この極板群の上下それぞれにポリプロピレン
樹脂製の絶縁板6,7を配して鉄にニッケルメッキした
ケース8に挿入し、正極リード2をチタン製の封口板1
0に、負極リード4をケース8の底部にそれぞれスポッ
ト溶接した後、電解液を注入し、ガスケット9を介して
電池を封口して完成電池とする。この電池の寸法は直径
17mm,高さ50mmである。11は電池の正極端子
であり、負極端子は電池ケース8がこれを兼ねている。
おいて正極1はLiMn2O4に、導電剤としてカーボン
ブラック、結着剤としてポリ四フッ化エチレンの水性デ
ィスパージョンを重量比で100:2.5:7.5の割
合で混合したものをアルミニウム箔芯材の両面に塗着、
乾燥し、圧延した後所定の大きさに切断し、チタン製の
リード板2をスポット溶接したものである。なお結着剤
のポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョンの混合
比率は、その固形分で計算している。3は負極で炭素質
材料を主活物質とし、スチレンブタジエンゴム系結着剤
(SBR)と重量比で100:3.5の割合で混合した
ものを、銅箔芯材の両面に塗着,乾燥し、圧延した後所
定の大きさに切断し、4の銅製の負極リード板をスポッ
ト溶接している。負極の場合も結着剤SBRの混合比率
は、その固形分で計算している。5はポリプロピレン樹
脂製の微孔性フィルムからなるセパレータで正極1と負
極2をセパレータ5を介して渦巻状に捲回して極板群を
構成する。この極板群の上下それぞれにポリプロピレン
樹脂製の絶縁板6,7を配して鉄にニッケルメッキした
ケース8に挿入し、正極リード2をチタン製の封口板1
0に、負極リード4をケース8の底部にそれぞれスポッ
ト溶接した後、電解液を注入し、ガスケット9を介して
電池を封口して完成電池とする。この電池の寸法は直径
17mm,高さ50mmである。11は電池の正極端子
であり、負極端子は電池ケース8がこれを兼ねている。
【0009】電解液はエチレンカーボネートとエチルメ
チルカーボネートとを体積比で1:3に混合したもの
に、六フッ化リン酸リチウムを1.5mol/dm3で
溶解したものを用いた。
チルカーボネートとを体積比で1:3に混合したもの
に、六フッ化リン酸リチウムを1.5mol/dm3で
溶解したものを用いた。
【0010】上記正極活物質は四三酸化マンガン(Mn
3O4)と炭酸リチウム(Li2CO3)をモル比で4:3
の割合で混合したものに、ホウ酸(H3BO3)を添加
し、酸素中750℃で20時間熱処理して合成した。ホ
ウ酸の添加割合は合成したLiMn2O4中のマンガンの
モル数に対しホウ素のモル数で表すものとし、表1に示
したように5種類の検討を行った。
3O4)と炭酸リチウム(Li2CO3)をモル比で4:3
の割合で混合したものに、ホウ酸(H3BO3)を添加
し、酸素中750℃で20時間熱処理して合成した。ホ
ウ酸の添加割合は合成したLiMn2O4中のマンガンの
モル数に対しホウ素のモル数で表すものとし、表1に示
したように5種類の検討を行った。
【0011】
【表1】
【0012】電池の評価試験は、20℃において充放電
電流を120mAとし、充電終止電圧4.3V,放電終
止電圧3.0Vの条件下で充放電試験を5サイクル行っ
た後、充電状態で80℃、3日間保存し、その後電池を
分解し電解液中へのマンガンの溶出量を測定した。その
結果を図2に示す。また20℃において充放電電流を1
20mAとし、充電終止電圧4.3V,放電終止電圧
3.0Vの条件下で充放電サイクル試験を行い、電池A
〜Fの充放電初期(10サイクル目)の放電容量に対し
300サイクル時点での放電容量の容量維持率を図3に
示す。
電流を120mAとし、充電終止電圧4.3V,放電終
止電圧3.0Vの条件下で充放電試験を5サイクル行っ
た後、充電状態で80℃、3日間保存し、その後電池を
分解し電解液中へのマンガンの溶出量を測定した。その
結果を図2に示す。また20℃において充放電電流を1
20mAとし、充電終止電圧4.3V,放電終止電圧
3.0Vの条件下で充放電サイクル試験を行い、電池A
〜Fの充放電初期(10サイクル目)の放電容量に対し
300サイクル時点での放電容量の容量維持率を図3に
示す。
【0013】図2,3より、ホウ素を全く添加していな
い電池Aは電解液中へのマンガンの溶出量がかなり多い
が、ホウ素を添加することによりその溶出量は添加量に
ともない減少することがわかる。また初期の放電容量は
大きいが、充放電サイクルにともなう容量低下も大き
く、300サイクル時点では初期容量の約40%にな
る。ホウ素の添加がモル比0.01の電池Bの場合、電
池Aと比べ容量維持率は向上するものの、60%程度と
不十分である。これはホウ素添加量が少ないために、L
iMn2O4粒子表面のホウ素の被覆が不十分で電解液中
へのマンガンの溶出がまだかなり起こっているためと考
えられる。ホウ素添加量をさらに多くした電池C,D,
E,Fでは初期容量は電池Aより少なくなるが、容量低
下率が小さく、300サイクル時点で初期容量の約80
%以上を維持する。ホウ素をモル比で0.15添加した
電池Fはサイクルによる容量低下は電池C〜Eよりも少
ないが、初期の絶対容量が電池C〜Eに比べて小さい。
これはホウ素の添加量が多すぎてLiMn2O4の粒子の
表面を被覆するホウ素の厚みが厚くなりすぎて、LiM
n2O4の反応が妨げられたためと考えられる。以上のこ
とから電池の絶対容量および充放電サイクルにともなう
容量維持率を考慮すると、ホウ素をマンガンとのモル比
0.02〜0.1添加したLiMn2O4を正極活物質と
して用いることにより充放電サイクル特性に優れ、高容
量の非水電解液二次電池が得られる。
い電池Aは電解液中へのマンガンの溶出量がかなり多い
が、ホウ素を添加することによりその溶出量は添加量に
ともない減少することがわかる。また初期の放電容量は
大きいが、充放電サイクルにともなう容量低下も大き
く、300サイクル時点では初期容量の約40%にな
る。ホウ素の添加がモル比0.01の電池Bの場合、電
池Aと比べ容量維持率は向上するものの、60%程度と
不十分である。これはホウ素添加量が少ないために、L
iMn2O4粒子表面のホウ素の被覆が不十分で電解液中
へのマンガンの溶出がまだかなり起こっているためと考
えられる。ホウ素添加量をさらに多くした電池C,D,
E,Fでは初期容量は電池Aより少なくなるが、容量低
下率が小さく、300サイクル時点で初期容量の約80
%以上を維持する。ホウ素をモル比で0.15添加した
電池Fはサイクルによる容量低下は電池C〜Eよりも少
ないが、初期の絶対容量が電池C〜Eに比べて小さい。
これはホウ素の添加量が多すぎてLiMn2O4の粒子の
表面を被覆するホウ素の厚みが厚くなりすぎて、LiM
n2O4の反応が妨げられたためと考えられる。以上のこ
とから電池の絶対容量および充放電サイクルにともなう
容量維持率を考慮すると、ホウ素をマンガンとのモル比
0.02〜0.1添加したLiMn2O4を正極活物質と
して用いることにより充放電サイクル特性に優れ、高容
量の非水電解液二次電池が得られる。
【0014】(実施例2)実施例1と同様の電池構成
で、負極活物質と正極活物質の製造方法を変えて検討し
た。図1の負極3は金属リチウム箔を用い、正極の製造
方法としては炭酸マンガン(MnCO3)と炭酸リチウ
ム(Li2CO3)をモル比で4:1の割合で混合したも
のに、酸化ホウ素(B2O3)を添加し、空気中900℃
で20時間熱処理をして合成した。酸化ホウ素の添加割
合は合成した主活物質LiMn2O4のマンガンのモル数
に対しホウ素のモル数で表すものとし、表2に示すよう
に5種類の検討を行った。
で、負極活物質と正極活物質の製造方法を変えて検討し
た。図1の負極3は金属リチウム箔を用い、正極の製造
方法としては炭酸マンガン(MnCO3)と炭酸リチウ
ム(Li2CO3)をモル比で4:1の割合で混合したも
のに、酸化ホウ素(B2O3)を添加し、空気中900℃
で20時間熱処理をして合成した。酸化ホウ素の添加割
合は合成した主活物質LiMn2O4のマンガンのモル数
に対しホウ素のモル数で表すものとし、表2に示すよう
に5種類の検討を行った。
【0015】
【表2】
【0016】電池の評価試験は実施例1と同様、20℃
において充放電電流120mA,充電終止電圧4.3
V,放電終止電圧3.0Vの条件下で充放電サイクル試
験を行った。このときの電池A′〜F′の充放電初期
(10サイクル目)の放電初期容量に対し300サイク
ル時点での放電容量の容量維持率を図4に示す。図4よ
り、正極活物質の出発材料および合成条件などの製造方
法、負極活物質を変えたにもかかわらず、実施例1と同
様に大きい初期容量、良好なサイクル特性を示すホウ素
の添加割合のモル比の範囲は、0.02から0.1であ
ることがわかった。また、マンガンの一部を他の遷移金
属、例えばコバルトで置換したLiMn1.8Co0.2O4
でも同様であった。すなわち、四三酸化マンガン(Mn
3O4)と炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト
(CoCO3)をモル比で5:6:2の割合で混合した
ものに、酸化ホウ素を添加し、酸素中850℃で20時
間熱処理して合成した。酸化ホウ素の添加割合として合
成したLiMn1.8Co0.2O4中のマンガンのモル数に
対しホウ素のモル数で表した場合、上記と同様にホウ素
/マンガン比が0.02〜0.1の範囲で効果が顕著で
あった。
において充放電電流120mA,充電終止電圧4.3
V,放電終止電圧3.0Vの条件下で充放電サイクル試
験を行った。このときの電池A′〜F′の充放電初期
(10サイクル目)の放電初期容量に対し300サイク
ル時点での放電容量の容量維持率を図4に示す。図4よ
り、正極活物質の出発材料および合成条件などの製造方
法、負極活物質を変えたにもかかわらず、実施例1と同
様に大きい初期容量、良好なサイクル特性を示すホウ素
の添加割合のモル比の範囲は、0.02から0.1であ
ることがわかった。また、マンガンの一部を他の遷移金
属、例えばコバルトで置換したLiMn1.8Co0.2O4
でも同様であった。すなわち、四三酸化マンガン(Mn
3O4)と炭酸リチウム(Li2CO3)と炭酸コバルト
(CoCO3)をモル比で5:6:2の割合で混合した
ものに、酸化ホウ素を添加し、酸素中850℃で20時
間熱処理して合成した。酸化ホウ素の添加割合として合
成したLiMn1.8Co0.2O4中のマンガンのモル数に
対しホウ素のモル数で表した場合、上記と同様にホウ素
/マンガン比が0.02〜0.1の範囲で効果が顕著で
あった。
【0017】(実施例3)実施例1と同様の電池構成で
正極活物質のホウ素の添加方法を変えて検討した。実施
例1のホウ素を添加しない電池A″、四三酸化マンガン
(Mn3O4)と炭酸リチウム(Li2CO3)をモル比で
4:3の割合で混合したものに、ホウ酸(H3BO3)を
添加し、酸素中800℃で20時間熱処理して合成した
ホウ素/マンガン比が0.05の電池D″、あらかじめ
四三酸化マンガン(Mn3O4)と炭酸リチウム(Li2
CO3)をモル比で4:3の割合で混合し、酸素中80
0℃で20時間熱処理して合成したLiMn2O4単体に
ホウ酸をホウ素/マンガン比0.05を添加し、酸素中
800℃で20時間熱処理した電池Gについて検討し
た。電池A″,D″,Gの充放電初期(10サイクル
目)の放電容量と、300サイクル時点での放電容量の
容量維持率を図5に示す。実施例1でも述べたようにホ
ウ素の添加なしの電池A″は初期の放電容量は大きい
が、充放電サイクルにともなう容量低下も大きく、30
0サイクル時点で初期容量の約40%になる。これがホ
ウ素を添加した電池D″では初期容量は電池A″より少
なくなるが、容量低下率が小さく、300サイクル時点
で初期容量の約80%以上を維持する。しかし、電池G
は電池D″と同比率のホウ素を添加しているにもかかわ
らず、300サイクル時点での初期容量の維持率は電池
A″とほとんど変わらず約40%でホウ素の添加の効果
はみられなかった。以上のことから充放電サイクル特性
に優れた非水電解液二次電池のための正極活物質の合成
方法としては、LiMn2O4を合成する際の原材料にあ
らかじめホウ素化合物を添加し、熱処理して合成するこ
とにより、LiMn2O4の粒子表面をホウ素で被覆し、
マンガンの電解液中への溶出を抑えた正極活物質が得ら
れる。
正極活物質のホウ素の添加方法を変えて検討した。実施
例1のホウ素を添加しない電池A″、四三酸化マンガン
(Mn3O4)と炭酸リチウム(Li2CO3)をモル比で
4:3の割合で混合したものに、ホウ酸(H3BO3)を
添加し、酸素中800℃で20時間熱処理して合成した
ホウ素/マンガン比が0.05の電池D″、あらかじめ
四三酸化マンガン(Mn3O4)と炭酸リチウム(Li2
CO3)をモル比で4:3の割合で混合し、酸素中80
0℃で20時間熱処理して合成したLiMn2O4単体に
ホウ酸をホウ素/マンガン比0.05を添加し、酸素中
800℃で20時間熱処理した電池Gについて検討し
た。電池A″,D″,Gの充放電初期(10サイクル
目)の放電容量と、300サイクル時点での放電容量の
容量維持率を図5に示す。実施例1でも述べたようにホ
ウ素の添加なしの電池A″は初期の放電容量は大きい
が、充放電サイクルにともなう容量低下も大きく、30
0サイクル時点で初期容量の約40%になる。これがホ
ウ素を添加した電池D″では初期容量は電池A″より少
なくなるが、容量低下率が小さく、300サイクル時点
で初期容量の約80%以上を維持する。しかし、電池G
は電池D″と同比率のホウ素を添加しているにもかかわ
らず、300サイクル時点での初期容量の維持率は電池
A″とほとんど変わらず約40%でホウ素の添加の効果
はみられなかった。以上のことから充放電サイクル特性
に優れた非水電解液二次電池のための正極活物質の合成
方法としては、LiMn2O4を合成する際の原材料にあ
らかじめホウ素化合物を添加し、熱処理して合成するこ
とにより、LiMn2O4の粒子表面をホウ素で被覆し、
マンガンの電解液中への溶出を抑えた正極活物質が得ら
れる。
【0018】上記実施例では正極活物質として主として
LiMn2O4のみを用いたが、化合物中のマンガンを他
の遷移金属で置換した化合物でも同様の効果が認められ
る。また負極として、炭素質材料,リチウム金属を用い
たが、リチウム合金やリチウムを吸蔵、放出できる他の
材料であっても良い。さらに電解液としてエチレンカー
ボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒に六
フッ化リン酸リチウムを溶解したものを用いたが、他の
溶媒にリチウム塩を溶解した電解液でも同様である。
LiMn2O4のみを用いたが、化合物中のマンガンを他
の遷移金属で置換した化合物でも同様の効果が認められ
る。また負極として、炭素質材料,リチウム金属を用い
たが、リチウム合金やリチウムを吸蔵、放出できる他の
材料であっても良い。さらに電解液としてエチレンカー
ボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒に六
フッ化リン酸リチウムを溶解したものを用いたが、他の
溶媒にリチウム塩を溶解した電解液でも同様である。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明は正極活物質であ
るLiMn2O4にホウ素を添加し、LiMn2O4粒子の
表面をホウ素で被覆しているので、高電位でもLiMn
2O4からMnが電解液中に溶出することなく、高電圧で
充放電サイクルに優れた非水電解液二次電池を提供する
ことができる。
るLiMn2O4にホウ素を添加し、LiMn2O4粒子の
表面をホウ素で被覆しているので、高電位でもLiMn
2O4からMnが電解液中に溶出することなく、高電圧で
充放電サイクルに優れた非水電解液二次電池を提供する
ことができる。
【図1】本発明の円筒形電池の断面図
【図2】実施例1に示した本発明の電池と従来電池の充
放電後のマンガンの電解液中への溶出量を示す図
放電後のマンガンの電解液中への溶出量を示す図
【図3】実施例1に示した本発明の電池と従来電池の放
電初期容量と、300サイクル時点での容量維持率を示
す図
電初期容量と、300サイクル時点での容量維持率を示
す図
【図4】実施例2に示した本発明の電池と従来電池の放
電初期容量と、300サイクル時点での容量維持率を示
す図
電初期容量と、300サイクル時点での容量維持率を示
す図
【図5】実施例3に示した本発明の電池と従来電池の放
電初期容量と、300サイクル時点での容量維持率を示
す図
電初期容量と、300サイクル時点での容量維持率を示
す図
1 正極 2 正極リード板 3 負極 4 負極リード板 5 セパレータ 6 上部絶縁板 7 下部絶縁板 8 ケース 9 ガスケット 10 封口板 11 正極端子
Claims (6)
- 【請求項1】リチウムとマンガンとの複合酸化物である
LiMn2O4を主体とし、これにホウ素を添加した正極
と、負極と、非水電解液とからなる非水電解液二次電
池。 - 【請求項2】マンガンの一部をCo、Niのいずれかで
置換した請求項1記載の非水電解液二次電池。 - 【請求項3】負極は、リチウム、リチウム合金、リチウ
ムを吸蔵、放出することができる化合物、または炭素質
材料のうちのいずれかである請求項1記載の非水電解液
二次電池。 - 【請求項4】ホウ素の添加割合がマンガンに対しモル比
で0.02〜0.1である請求項1記載の非水電解液二
次電池。 - 【請求項5】リチウム化合物とマンガン化合物およびホ
ウ素化合物を混合し、この混合物を酸化雰囲気中で熱処
理してリチウムとマンガンとの複合酸化物であるLiM
n2O4の粒子表面をホウ素で被覆した非水電解液二次電
池用正極活物質材料の製造法。 - 【請求項6】Co、Niのいずれかの化合物を前記混合
物中に混入した請求項5記載の非水電解液二次電池用正
極活物質の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8073527A JPH09265984A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8073527A JPH09265984A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 非水電解液二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09265984A true JPH09265984A (ja) | 1997-10-07 |
Family
ID=13520809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8073527A Pending JPH09265984A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09265984A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9905850B2 (en) | 2013-07-26 | 2018-02-27 | Lg Chem, Ltd. | Polycrystalline lithium manganese oxide particles, preparation method thereof, and cathode active material including the same |
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-
1996
- 1996-03-28 JP JP8073527A patent/JPH09265984A/ja active Pending
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