JP2000356792A - 光学素子及び撮影装置 - Google Patents

光学素子及び撮影装置

Info

Publication number
JP2000356792A
JP2000356792A JP11169657A JP16965799A JP2000356792A JP 2000356792 A JP2000356792 A JP 2000356792A JP 11169657 A JP11169657 A JP 11169657A JP 16965799 A JP16965799 A JP 16965799A JP 2000356792 A JP2000356792 A JP 2000356792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
optical element
optical
path length
photographing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11169657A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4532624B2 (ja
Inventor
Ichiro Onuki
一朗 大貫
Eirishi Kawanami
英利子 川浪
Shigeo Ogura
栄夫 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP16965799A priority Critical patent/JP4532624B2/ja
Priority to US09/594,182 priority patent/US6449081B1/en
Priority to EP00305060A priority patent/EP1069450B1/en
Priority to DE60043682T priority patent/DE60043682D1/de
Publication of JP2000356792A publication Critical patent/JP2000356792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4532624B2 publication Critical patent/JP4532624B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Blocking Light For Cameras (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】小型化を図ることができ、簡単な構成で効率よ
く光透過光量を制御することができ、可変NDフィル
タ、アポダイゼイションフィルタ、周辺光量低下を補正
するフィルタ等に好適な光学素子および撮影装置を提供
すること。 【解決手段】光束の透過光量を制御する光学素子であっ
て、屈折率が実質的に等しく、互いに混合することのな
い導電性または有極性の第1の液体及び該第1の液体と
異なった透過率を有する第2の液体とを備え、第1と第
2の基板間に形成された空間内に、前記第1及び第2の
液体の界面が所定の光軸を有する略球面の一部をなした
状態で密閉し、前記第1の液体への印加電圧の出力を制
御して前記界面形状を変化させることにより、通過する
光束の透過光量を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学系を通過する
光束の透過光量を制御する光学素子、いわゆる光学フィ
ルタと、該光学素子を用いた撮影装置に関するものであ
り、特に、小型化を図ることができ、簡単な構成で効率
よく光透過光量を制御することができ、可変NDフィル
タ、アポダイゼイションフィルタ、周辺光量低下を補正
するフィルタ等に好適な光学素子及び撮影装置の実現を
目指すものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スチルカメラ、ビデオカメラ等の
撮影装置に用いられる撮影光学系においては、焦点調
節、光量調節、自然なボケ味、像面の光量分布が均一等
の機能が要求される。これらの機能のうち、まず光量調
節に関しては、一般に複数枚の可動羽根からなる絞り機
構が用いられる。しかし、この機械式絞り機構はメカニ
カル駆動部が必要で機器が大型化し、また開口部を小さ
くした小絞り状態下では光線の回折が生じて結像した画
像の解像力が低下するという欠点がある。
【0003】このような欠点を解消するため、液晶材料
やエレクトロクロミック材料を用いた透過率可変素子、
いわゆる可変ND(Neutral Density)
フィルタが提案されている。例えば特開平3−8781
6号公報では、透過光の色の偏りを防止したエレクトロ
クロミック製の光変調素子が提案されている。また、特
開平7−5497号公報では、溶液中の銀を自在に析出
及び溶解することで、可変NDフィルタを実現する技術
が開示されている。また、特開平7−128635号公
報では、濃度可変な液晶フィルタを用いて光電変換装置
に入射する光量を調節する技術が開示されている。ま
た、自然なボケ味を実現するための技術として、特開平
9−236740号公報において、光吸収係数の大きな
平凹レンズと光吸収係数の小さな凸平レンズを組み合わ
せたアポダイゼイションフィルタの技術が開示されてい
る。また、結像面の周辺光量低下(周辺光量落ちともい
う)を補正するための技術として、特開平9−1568
1号公報において、中心部ほど濃度が高く、かつ濃度制
御可能な液晶製可変NDフィルタ内蔵の光量調節技術が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例のものにおいては、つぎのような点に問題点を
有している。例えば、特開平3−87816号公報で
は、エレクトロクロミック材料の化学変化による濃度変
化を利用するため、応答速度が遅い。特開平7−549
7号公報も同じく、銀塩溶液の化学変化による濃度変化
を利用するため、応答速度が遅い。特開平7−1286
35号公報では液晶フィルタを用いているが、液晶フィ
ルタは一般に偏光板を必要とし、そのために最大透過率
がかなり低くなる。特開平9−236740号公報で
は、固体レンズの組み合わせでアポダイゼイションフィ
ルタを実現しているため、アポダイゼイション効果が変
えられない。特開平9−15681号公報では、液晶フ
ィルタを用いているため、特開平7−128635号公
報と同様に偏光板による透過率低下の欠点がある。
【0005】ところで、液体に電圧を加えると界面張力
が変化して界面の移動変形が起こる現象として、エレク
トロウエッティング現象が知られている。これは電気毛
管現象ともいわれ、図19のように絶縁層502を形成
した基板電極501上に、導電性の液滴503があり、
この液滴503と基板電極501との間に電圧をかける
と、一種のコンデンサを形成し静電エネルギーが蓄積さ
れ、この静電エネルギーにより、表面張力の釣り合いが
変化し、液滴503が変形するものである(図19
(b))。このようなエレクトロウエッティング現象
は、これまで焦点可変レンズ(WO99/1845
6)、電気毛管ディスプレイシート(特開平09−31
1643号公報)などにおいて、その利用が図られてき
たが、エレクトロウエッティング現象を利用して、光透
過光量を制御するようにした光学素子あるいは撮影装置
は、未だ実現していない。
【0006】そこで、本発明は、上記した課題を解決
し、従来のものとは異なる方式の光学素子あるいは撮影
装置を構成するため、上記のエレクトロウエッティング
現象を利用して、小型化を図ることができ、簡単な構成
で効率よく光透過光量を制御することができ、可変ND
フィルタ、アポダイゼイションフィルタ、周辺光量低下
を補正するフィルタ等に好適な光学素子および撮影装置
を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、光学素子及び撮影装置を、つぎの(1)〜
(10)のように構成したことを特徴とするものであ
る。 (1)本発明の光学素子は、光束の透過光量を制御する
光学素子であって、屈折率が実質的に等しく、互いに混
合することのない導電性または有極性の第1の液体及び
該第1の液体と異なった透過率を有する第2の液体とを
備え、第1と第2の基板間に形成された空間内に、前記
第1及び第2の液体の界面が所定の光軸を有する略球面
の一部をなした状態で密閉し、前記第1の液体への印加
電圧の出力を制御して前記界面形状を変化させることに
より、通過する光束の透過光量を変化させることを特徴
としている。 (2)本発明の光学素子は、前記第1の液体から絶縁さ
れた第2の電極と、前記第1の液体に導通された第1の
電極とを有し、前記第1の電極と前記第2の電極との間
の印加電圧を調節することにより、前記第1の液体と前
記第2の液体との界面形状を変化させることを特徴とし
ている。 (3)本発明の光学素子は、前記第2の電極が、透明基
板である第2の基板上に形成された透明電極であること
を特徴としている。 (4)本発明の光学素子は、前記第2の液体が、前記透
明基板に積層された絶縁層に形成された撥水膜上に配さ
れていることを特徴としている。 (5)本発明の光学素子は、前記第1の液体の光軸上の
光路長と第2の液体の光軸上の光路長が、前記印加電圧
の出力に応じて変化することを特徴としている。 (6)本発明の光学素子は、前記第1の液体の単位光路
長当たりの光線透過率が、第2の液体の単位光路長当た
りの光線透過率より小さく、かつ第1の液体の前記光軸
方向の光路長が前記光軸からの距離に応じて増大するこ
とを特徴としている。 (7)本発明の光学素子は、前記第1の液体の単位光路
長当たりの光線透過率が、第2の液体の単位光路長当た
りの光線透過率より小さく、かつ第1の液体の前記光軸
上の光路長が印加電圧の出力に応じて、ゼロから有限寸
法の間を変化することを特徴としている。 (8)本発明の光学素子は、前記第2の液体の単位光路
長当たりの光線透過率が、第1の液体の単位光路長当た
りの光線透過率より小さく、かつ第2の液体の前記光軸
方向の光路長が前記光軸からの距離に応じて減少するこ
とを特徴としている。 (9)本発明の光学素子は、前記第1及び第2の液体の
少なくとも一方は光吸収性を有することを特徴としてい
る。 (10)本発明の撮影装置は、被写体像を形成する撮影
光学系と、該撮影光学系を通過する光束の透過光量を変
化させる光学素子と、前記被写体像を記録する撮像手段
とを有する撮影装置において、前記撮影光学系を通過す
る光束の透過光量を変化させる光学素子が、上記した本
発明のいずれかの光学素子によって構成されていること
を特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本実施の形態で開示する光学素子
あるいは撮影装置は、上記した構成により可変NDフィ
ルタ、アポダイゼイションフィルタ、周辺光量低下を補
正するフィルタ等に好適な光学素子および撮影装置を実
現することができる。例えば、上記(1)のように構成
したことにより、界面形状の変化によって第1及び第2
の液体による光線吸収状態が変化し、通過する光束の透
過光量を変化させることができ、これによって小型で安
価な撮影装置を構成することが可能となる。また、上記
(2)のように構成したことにより、光線吸収能率の異
なる2つの液体の光路長変化により、通過する光束の透
過光量を変化させることができ、これによってメカニカ
ルな絞り機構が廃止でき、小型で安価な撮影装置を構成
することが可能となる。また、上記(3)のように構成
したことにより、通過する光束の透過光量が光軸からの
距離(以下これを入射高と記す。)に応じて減少し、か
つ給電手段の出力に応じて前記光量の減少程度を変化さ
せることができ、これによって効果可変なアポイダイゼ
イションフィルタを実現でき、高品位画像を取得可能な
撮影装置を得ることが可能となる。また、上記(4)の
ように構成したことにより、光線吸収能率の大きな液体
の光路長が大きく変化し、光束を透過状態と遮断状態と
に切り換えことができ、これによってメカニカルなシャ
ッタ機構が廃止でき、小型で安価な撮影装置を構成する
ことが可能となる。また、上記(5)のように構成した
ことにより、通過する光束の透過光量が光軸からの距
離、すなわち入射高に応じて増加し、かつ給電手段の出
力に応じて前記光量の増加程度を変化させることがで
き、これによって撮影光学系の周辺光量低下を軽減で
き、高品位画像を取得可能な撮影装置を得ることが可能
となる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるも
のではない。 [実施例1]図1〜図5は、本発明の実施例1に係わる
光学素子について説明するための図である。図1は本発
明の実施例1の光学素子の構成を示す断面図である。図
1を用いて、本実施例における光学素子の構成と、その
作成方法について説明する。101は本発明の光学素子
全体を示し、102は中央に凹部を設けた透明アクリル
製の透明基板である。透明基板102の上面には、酸化
インジウムスズ製の透明電極(ITO)103がスパッ
タリングで形成され、その上面には透明アクリル製の絶
縁層104が密着して設けられる。
【0010】絶縁層104は、前記透明電極103の中
央にレプリカ樹脂を滴下し、ガラス板で押しつけて表面
を平滑にした後、UV照射を行ない硬化させて形成す
る。絶縁層104の上面には、遮光性を有した円筒型の
容器105が接着固定され、その上面には透明アクリル
製のカバー板106が接着固定され、更にその上面には
中央部に直径D3の開口を有した絞り板107が配置さ
れる。以上の構成において、絶縁層104、容器105
及び上カバー106で囲まれた所定体積の密閉空間、す
なわち液室を有した筐体が形成される。
【0011】そして、液室の壁面には、以下に示す表面
処理が施される。まず、絶縁層104の中央上面には、
直径D1の範囲内に撥水処理剤が塗布され、撥水膜11
1が形成される。撥水処理剤は、フッ素化合物等が好適
である。また、絶縁層104上面の直径D1より外側の
範囲には、親水処理剤が塗布され、親水膜112が形成
される。親水剤は、界面活性剤、親水性ポリマー等が好
適である。一方、カバー板106の下面には、直径D2
の範囲内に親水処理が施され、前記親水膜112と同様
の性質を有した親水膜113が形成される。そしてこれ
までに説明したすべての構成部材は、光軸123に対し
て回転対称形状をしている。更に、容器105の一部に
は孔があけられ、ここに棒状電極125が挿入され、接
着剤で封止されて前記液室の密閉性を維持している。そ
して透明電極103と棒状電極125には給電手段12
6が接続され、スイッチ127の操作で両電極間に所定
の電圧が印加可能になっている。
【0012】以上の構成の液室には、以下に示す2種類
の液体が充填される。まず絶縁層104上の撥水膜11
1の上には、第2の液体122が所定量だけ滴下され
る。第2の液体122は無色透明で、比重0.85、室
温での屈折率1.38のシリコンオイルが用いられる。
一方液室内の残りの空間には、第1の液体121が充填
される。第1の液体121は、水とエチルアルコールが
所定比率で混合され、更に所定量の食塩が加えられた、
比重0.85、室温での屈折率1.38の導電性の電解
液である。更に第1の液体121には無彩色の水溶性染
料、例えばカーボンブラックや、酸化チタン系の材料が
加えられる。すなわち、第1及び第2の液体は、比重と
屈折率が実質的に等しく、光線吸収能率が異なり、かつ
互いに不溶の液体が選定される。そのため、両液体は界
面124を形成し、混じりあわずに各々が独立して存在
する。
【0013】次に前記界面の形状について説明する。ま
ず、第1の液体に電圧が印加されていない場合、界面1
24の形状は、両液体間の界面張力、第1の液体と絶縁
層104上の撥水膜111あるいは親水膜112との界
面張力、第2の液体と絶縁層104上の撥水膜111あ
るいは親水膜112との界面張力、及び第2の液体の体
積で決まる。本実施例においては、第2の液体122の
材料であるシリコンオイルと、撥水膜111との界面張
力が相対的に小さくなるように材料選定されている。す
なわち両材料間の濡れ性が高いため、第2の液体122
が形成するレンズ状液滴の外縁は広がる性向を持ち、外
縁が撥水膜111の塗布領域に一致したところで安定す
る。すなわち第2の液体が形成するレンズ底面の直径A
1は、撥水膜111の直径D1に等しい。
【0014】一方、両液体の比重は前述のごとく等しい
ため、重力は作用しない。そこで界面124は球面にな
り、その曲率半径及び高さh1は第2の液体122の体
積により決まる。また、第1の液体の光軸上の厚さはt
1になる。一方、スイッチ127が閉操作され、第1の
液体121に電圧が印加されると、電気毛管現象によっ
て第1の液体121と親水膜112との界面張力が減少
し、第1の液体が親水膜112と疎水膜122の境界を
乗り越えて疎水膜122内に侵入する。その結果、図2
のごとく、第2の液体が作るレンズの底面の直径はA1
からA2に減少し、高さはh1からh2に増加する。ま
た、第1の液体の光軸上の厚さはt2になる。このよう
に第1の液体121への電圧印加によって、2種類の液
体の界面張力の釣り合いが変化し、両液体間の界面の形
状が変わる。
【0015】ここで、第2の液体は実質上透明である
が、第1の液体は添加された光吸収性材料のために所定
の光線吸収能率を有する。そこで、絞り板107の開口
から光束を入射させると、該光束が通過する第1の液体
の光路長に応じた分だけ光線が吸収され、透明基板10
2から射出する光束の強度は低下する。すなわち光強度
の低下率は第1の液体の光軸上の厚さ(図1のt1ある
いは図2のt2)に比例するため、給電手段126の電
圧制御によって界面124の形状を変えることにより、
透過光量を自在に変えられる光学素子が実現できる。ま
た、第1及び第2の液体の屈折率を実質的に等しくして
いるため、入射した光束はその方向を変えずに射出光の
強度のみが変えられる。
【0016】つぎに、図3に基づいて、当光学素子を可
変NDフィルタとして用いる場合の動作を更に詳しく説
明する。図3(a)は、光学素子101に接続された給
電手段126の出力電圧が、ゼロあるいは非常に低いV
1の場合を示す。この時の界面124の形状は図1に示
したものと同じで、第2の液体122が形成するレンズ
の底面の直径はA1、高さはh1である。また、第1の
液体の光軸上の厚さはt1である。LINは光学素子10
1の上方から照射され、絞り107の開口部に入射する
光束、LOUTは光学素子101から射出される光束であ
る。そして、光束LINに対するLOUTの比が光学素子1
01の透過率になるが、第1の液体の光軸上の厚さt1
が大きいため、透過率は低くなる。また、射出光束L
OUTの光量分布は、光軸からの距離、すなわち入射高が
大きいほど光量が少なくなるが、液体122が形成する
レンズ底面の直径A1に対して、絞り107の開口直径
D3を小さくしているので、射出光束LOUTの光量分布
は略均一と見なせる。
【0017】図3(b)は、給電手段126の出力電圧
が、V1より大きなV2の場合を示す。この時、第2の
液体122が形成するレンズの底面の直径はA2、高さ
はh2である。また、第1の液体の光軸上の厚さは同図
(a)のt1より小さなt2である。そこで光束の透過
率は同図(a)の場合より大きくなる。図3(c)は、
給電手段126の出力電圧が、V2より更に大きなV3
の場合を示す。この時、第2の液体122が形成するレ
ンズの底面の直径はA3に縮まり、界面124の頂上は
カバー板106の下面に形成された親水膜113に接触
して平坦となる。そして、この平坦部の直径は絞り10
7の開口部の直径D3に等しいか、D3より大きい。そ
の結果、第1の液体の光軸上の厚さはゼロになるため、
透過率は同図(b)の場合より更に大きくなる。その
後、給電手段126の出力電圧を更に上昇させても、絞
り107の開口部内側の界面124の形状は変わらない
ため、当光学素子を可変NDフィルタとして用いた場合
の透過率は一定のままである。この時の透過率は、透明
基板102、透明電極103、絶縁層104、撥水膜1
11、第2の液体122、親水膜113、カバー板10
6の透過率の積で表わされる。
【0018】なお、同図(c)の状態から給電手段12
6の印加電圧をV1に戻すと、両液体の界面張力が元に
戻る。この時、第1の液体121と親水膜113との濡
れ性は良く、第2の液体122と親水膜113との濡れ
性は悪いため、第2の液体は親水膜113から離れて同
図(a)の状態に復帰する。すなわち、当光学素子の界
面124の形状変化は、印加電圧の変化に対して可逆で
ある。図4は、光学素子101に印加される電圧に対す
る光学素子101の光線透過率の関係を表わしたもので
ある。印加電圧の増加に伴い、透過率も上昇し、印加電
圧がV3に達したところで透過率は飽和する。
【0019】図5は、光学素子101を撮影装置に応用
したものである。本実施例では、撮影装置141は静止
画像を撮像手段で電気信号に光電変換し、これをデジタ
ルデータとして記録する、いわゆるデジタルスチルカメ
ラを例として説明する。130は複数のレンズ群からな
る撮影光学系で、第1レンズ群131、第2レンズ群1
32、第3レンズ群133で構成される。第1レンズ群
131の光軸方向の進退で、焦点調節がなされる。第2
レンズ群132の光軸方向の進退で、ズーミングがなさ
れる。第3レンズ群133は移動しないリレーレンズ群
である。そして、第2レンズ群132と第3レンズ群1
33の間に光学素子101が配置される。
【0020】撮影光学系130の焦点位置(予定結像
面)には、撮像手段134が配置される。これは照射さ
れた光エネルギを電荷に変換する複数の光電変換部、該
電荷を蓄える電荷蓄積部、及び該電荷を転送し、外部に
送出する電荷転送部からなる2次元CCD等の光電変換
手段が用いられる。142は撮影装置全体の動作を制御
する中央演算処理装置(以下CPUと略す)で、RO
M、RAM、EEPROM、A/D変換機能、D/A変
換機能を有する1チップマイコンである。143はCP
U142や撮影装置内の各種回路、アクチュエータに電
力を供給する電源である。144は光学素子101へ電
圧を印加するための給電手段で、図1の給電手段126
に相当する。給電手段144は、CPU142からの制
御信号に応じて所望の電圧を出力する。145は画像信
号処理回路で、光電変換手段135から入力したアナロ
グの画像信号をA/D変換し、AGC制御、ホワイトバ
ランス、γ補正、エッジ強調等の画像処理を施す。
【0021】151は液晶ディスプレイ等の表示器で、
光電変換手段134で取得した被写体像や、撮影装置の
動作状況を表示する。152は操作スイッチ群で、CP
U142をスリープ状態からプログラム実行状態に起動
するメインスイッチ、撮影準備スイッチ、撮影開始スイ
ッチ、シャッター秒時等を設定する撮影条件設定スイッ
チ等で構成される。153はズーム駆動手段で、第2レ
ンズ群132を光軸方向に進退させるアクチュエータと
ドライバ回路を含み、撮影者のズームスイッチ操作に応
じて変倍動作を行ない、撮影光学系130の焦点距離を
変える。154は焦点検出手段で、一眼レフカメラに用
いられる位相差検出式焦点検出手段等が好適である。1
55はフォーカス駆動手段で、第1レンズ群131を光
軸方向に進退させるアクチュエータとドライバ回路を含
み、前記焦点検出手段154で演算したフォーカス信号
に基づいてフォーカス動作を行ない、撮影光学系130
の焦点状態を調節する。156はメモリ手段で、撮影さ
れた画像信号を記録する。具体的には、着脱可能なPC
カード型のフラッシュメモリ等が好適である。
【0022】次に、本実施例における光学素子101の
作用を説明する。自然界に存在する被写体の輝度のダイ
ナミックレンジは非常に大きく、これを所定範囲に収め
るために、通常は撮影光学系内部に機械式絞り機構を有
し、撮影光束の光量を調節している。しかしながら、機
械式絞り機構は小さくする事は困難で、かつ絞り開口部
が小さい小絞り状態では、絞り羽根端面による光線の回
折現象で、被写体像の解像力が低下する。そこで、本実
施例のように、光学素子101を前記機械式絞り機構を
代用する可変NDフィルタとして用いることで、上記欠
点を生ずること無く、撮影光学系を通過する光量を適切
に調節することが可能となる。
【0023】図6は、図5に示した撮影装置141が有
するCPU142の制御フロー図である。以下、図5及
び図6を用いて撮影装置141の制御フローを説明す
る。ステップS101を経由して、ステップS102で
は、撮影者によりメインスイッチがオン操作されたか否
かを判別し、オン操作されていない時はステップS10
2に留まる。ステップS102でメインスイッチがオン
操作されたと判定されたら、CPU142はスリープ状
態から脱してステップS103以降を実行する。ステッ
プS103では、撮影者による撮影条件の設定を受け付
ける。具体的には、撮影者は表示器151と操作スイッ
チ群152を用いて、露出制御モード(シャッター優先
AE、プログラムAE等)、オートフォーカスモード
(ワンショットAF、コンティニュアスAF等)、ドラ
イブモード(単写、連写等)、画質モード(記録画素数
の大小、画像圧縮率の大小等)等を設定する。
【0024】ステップS104では、撮影者による撮影
準備スイッチ(フロー図では、SW1と表記)のオン操
作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない
時はステップS103に戻り、撮影条件の設定を繰り返
し受け付ける。ステップS104で撮影準備スイッチが
オン操作されたと判定されたら、ステップS104から
脱してステップS111以降を実行する。ステップS1
11では、撮像手段134及び信号処理回路145を駆
動して、プレビュー画像を取得する。プレビュー画像と
は、最終記録用画像の撮影条件を適切に設定するため、
及び撮影者に撮影構図を把握させるために撮影前に取得
する画像である。
【0025】ステップS112では、ステップS111
で取得したプレビュー画像の受光レベルを認識する。具
体的には、撮像手段134が出力す画像信号において、
最高、最低及び平均の出力信号レベルを演算し、撮像手
段134に入射する光量を認識する。ステップS113
では、前記ステップS112で判定した受光量が適正か
否かを判別する。そして、当ステップで適正と認識され
たら、ステップS114に進む。ステップS114で
は、ステップS111で取得したプレビュー画像を表示
器151に表示する。
【0026】続いて、ステップS115では、焦点検出
手段154を用いて撮影光学系130の焦点状態を検出
する。続いてステップS116では、フォーカス駆動手
段155により、第1レンズ群131を光軸方向に進退
させて合焦動作を行なう。その後、ステップS117に
進み、撮影スイッチ(フロー図では、SW2と表記)の
オン操作がなされたか否かを判別する。オン操作されて
いない時はステップS111に戻り、プレビュー画像の
取得からフォーカス駆動までのステップを繰り返し実行
する。一方ステップS113において、前記ステップS
112で判定した受光量が適正でないと判別されたら、
ステップS121にジャンプする。
【0027】ステップS121では、実際の受光量と適
正な受光量を比較し、撮影光学系130内の光学素子1
01の適正透過率を演算する。ステップS122では、
前記ステップS121で演算した適正透過率を得るため
の制御電圧を演算する。具体的には、CPU142のR
OMには、図4に示した印加電圧に対する透過率の関係
がルックアップテーブルとして記憶されているので、該
テーブルを参照し、ステップS121で演算した透過率
に対する印加電圧を求める。ステップS123では、前
記ステップS122で求めた電圧が光学素子101に印
加されるよう、給電手段144の出力電圧を制御する。
ステップS123実行後はステップS111に戻り、撮
像手段134に入射する光量が適正になるまで、プレビ
ュー画像の取得から給電手段制御までのステップを繰り
返し実行する。そして、撮像手段134に入射する光量
が適正になると、ステップS113からステップS11
4に移行する。
【0028】以上のごとく、撮影準備動作を繰り返し実
行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作す
ると、ステップS117からステップS131にジャン
プする。ステップS131では撮像を行なう。すなわち
撮像手段134上に結像した被写体像を光電変換し、光
学像の強度に比例した電荷が各受光部近傍の電荷蓄積部
に蓄積される。ステップS132では、ステップS13
1で蓄積された電荷を電荷転送ラインを介して読み出
し、読み出しされたアナログ信号を信号処理回路145
に入力させる。ステップS133では、信号処理回路1
45において、入力したアナログ画像信号をA/D変換
し、AGC制御、ホワイトバランス、γ補正、エッジ強
調等の画像処理を施し、さらに必要に応じてCPU14
2内に記憶された画像圧縮プログラムでJPEG圧縮等
を施す。ステップS134では、上記ステップS133
で得られた画像信号をメモリ156に記録し、ステップ
S135にて撮影動作が終了する。
【0029】上記したように、実施例1によると、 ・光学素子への印加電圧を制御することで、光束透過率
を所望の値に制御可能なNDフィルタを得ることができ
る。 ・当光学素子を撮影光学系の機械式絞り機構の代わりに
用いることで、絞り羽根や絞り開口制御機構等のメカニ
カル手段を廃止でき、かつ撮像手段に入射する光量を連
続的に制御できるため、撮影装置の小型化及び高性能化
が達成できる。等の点で優れた効果を奏することが可能
な光学素子あるいは撮影装置を実現することができる。
【0030】[実施例2]前述の実施例1においては透
過率可変な光学素子を可変NDフィルタを構成した例に
ついて説明したが、実施例2は、光学素子へ入射する光
束の入射高(光軸からの距離)に応じて透過率が漸減
し、かつ該光学素子への印加電圧を制御することで、透
過率分布を所望の値に制御可能な透過率分布可変フィル
タを構成した例である。図7〜図10は本発明の実施例
2について説明するための図であり、図7は本実施例に
おける光学素子を透過率分布可変フィルタとして用いる
場合の動作を詳しく説明するための図である。本実施例
においては、光学素子201が有する絞り板207の開
口部の直径D4は、実施例1の絞り板107の開口部直
径D3より大きく設定され、それ以外の部材はすべて同
一機能、同一寸法を有する。従って同一部分は同一の番
号にて示し、重複説明は省略する。
【0031】図7(a)は、光学素子201に接続され
た給電手段126の出力電圧が、ゼロあるいは非常に低
いV1の場合を示す。この時の界面124の形状は図3
(a)と同一で、第2の液体122が形成するレンズの
底面の直径はA1、高さはh1である。また、第1の液
体の光軸上の厚さはt1である。LINは光学素子201
の上方から照射され、絞り207の開口部に入射する光
束、LOUTは光学素子201から射出される光束であ
る。そして、本実施例では、液体122が形成するレン
ズ底面の直径A1が、実施例1と同一なのに対して、絞
り207の開口径D4は実施例1の開口径D3よりも大
きくしているので、射出光束LOUTの光量分布は均一に
はならず、光軸123から離れるに従って透過光量はか
なり減少する。
【0032】図7(b)は、給電手段126の出力電圧
が、V1より大きなV2の場合を示す。この時、第2の
液体122が形成するレンズの底面の直径はA2、高さ
はh2であり、透過光量平均値は同図(a)より大きく
なると共に、透過光量の不均一性も拡大する。図3
(c)は、給電手段126の出力電圧が、V2より更に
大きなV3の場合を示す。この時、第2の液体122が
形成するレンズの底面の直径はA3に縮まり、界面12
4の頂上はカバー板106の下面に形成された親水膜1
13に接触して平坦となる。そして、この平坦部の直径
は絞り207の開口部の直径D4よりは小さい。その結
果、透過率は該平坦部の内側領域は均一になり、外側領
域では光軸からの距離に応じて漸減する。この時の入射
高ゼロにおける透過率は、透明基板102、透明電極1
03、絶縁層104、撥水膜111、第2の液体12
2、親水膜113、カバー板106の透過率の積で表わ
される。
【0033】図8は、給電手段126から光学素子20
1に印加される電圧をパラメータとして、光学素子20
1に入射する光束の入射高(光軸123からの距離)に
対する透過率分布の関係を表わしたものである。印加電
圧の増加に伴い、平均透過率が増加すると共に、入射高
に応じて透過率が漸減する透過率カーブの傾き絶対値も
増加する。
【0034】図9は、光学素子201を撮影装置に応用
したものである。本実施例では、撮影装置241は静止
画像を銀塩フィルムに露光する、いわゆる銀塩スチルカ
メラを例として説明する。230は複数のレンズ群から
なる撮影光学系で、第1レンズ群231、第2レンズ群
232、第3レンズ群233で構成され、それぞれの機
能は図5の実施例1の撮影装置141における各レンズ
群131、132、133と同一である。そして、第2
レンズ群232と第3レンズ群233の間に光学素子2
01が配置され、その後方にはステップモータを駆動源
とした機械式絞り機構234が配置される。撮影光学系
230の焦点位置には、銀塩フィルム236が配置さ
れ、その直前にはフォーカルプレンシャッタ235が配
置される。
【0035】242は撮影装置全体の動作を制御するC
PUで、ROM、RAM、EEPROM、A/D、D/
A変換機能を有する1チップマイコンである。電源14
3、給電手段144は実施例1と同一のものなので、同
一符号で表わす。245はメカニカルチャージ手段で、
前述のフォーカルプレンシャッタ235の駆動バネをチ
ャージする機構、及びフィルム236の巻き上げ巻戻し
機構からなる。246は、被写体の観察用画像を形成す
るためのファインダ光学系で、フォーカシングスクリー
ン、ペンタダハプリズム、接眼レンズで構成される。2
47は第3レンズ群233とフォーカルプレンシャッタ
235の間に配置されたクイックリターンミラーで、前
記フィルム236とファインダ光学系246への光束の
切り換えを行なう可動ミラーと、該ミラーを駆動するア
クチュエータで構成される。
【0036】251は液晶ディスプレイ等の表示器で、
撮影装置の動作状況を表示する。252は操作スイッチ
群で、CPU242をスリープ状態からプログラム実行
状態に起動するメインスイッチ、撮影準備スイッチ、撮
影開始スイッチ、シャッター秒時等を設定する撮影条件
設定スイッチ等で構成される。また、後述するアポダイ
ゼイション効果入力スイッチを有する点が、実施例1と
異なる。ズーム駆動手段153、焦点検出手段154、
フォーカス駆動手段155は実施例1と同一の機能を有
するため、同一符号で示す。256は測光手段で、前記
ファインダ光学系246の途中に配置された測光センサ
と該センサの出力増幅手段からなる。
【0037】次に本実施例における光学素子201の作
用を説明する。奥行きのある被写体を撮影光学系230
によりフィルム236上に結像させた時、合焦した被写
体像は点像の集まりとして表わせるが、非合焦の被写体
像、いわゆるアウトフォーカス画像は有限直径のボケ像
の集合となる。そして、撮影光学系が無収差レンズであ
れば、該ボケ像は照度が均一の円形像となる。しかしな
がら、現実のレンズは種々の収差を有し、その結果ボケ
像が乱れ、例えば二線ボケと呼ばれるような汚いボケ味
を呈するレンズとなる。そこで、特開平9−23674
0号公報に開示されたように、撮影光学系の絞り近傍
に、透過率が入射高と共に漸減するアポダイゼイション
フィルタと呼ばれる光学素子を配置することで、違和感
のない自然なボケ像を得ることを可能としているが、本
実施例では、前記アポダイゼイションフィルタの役目を
光学素子201で達成するものである。
【0038】図10は、図9に示した撮影装置241が
有するCPU242の制御フロー図である。以下、図9
及び図10を用いて撮影装置241の制御フローを説明
する。ステップS201を経由して、ステップS202
では、撮影者によりメインスイッチがオン操作されたか
否かを判別し、オン操作されていない時はステップS2
02に留まる。ステップS202でメインスイッチがオ
ン操作されたと判定されたら、CPU242はスリープ
状態から脱してステップS203以降を実行する。ステ
ップS203では、撮影者による撮影条件の設定を受け
付ける。具体的には、撮影者は表示器251と操作スイ
ッチ群252を用いて、露出制御モード(シャッター優
先AE、プログラムAE等)、オートフォーカスモード
(ワンショットAF、コンティニュアスAF等)、ドラ
イブモード(単写、連写等)等を設定する。
【0039】ステップS204では、撮影者によるアポ
ダイゼイション効果の選択を受け付ける。具体的には、
撮影者は表示器251と操作スイッチ群252にあるア
ポダイゼイション効果選択スイッチを用いて、アポダイ
ゼイションレベルを選択する。具体的には、アポダイゼ
イションレベルは「1」から「3」までが選択可能で、
レベルの数値が大きいほど、大きなアポダイゼイション
効果が得られるようになっている。ステップS205で
は、前記ステップS204で選択されたアポダイゼイシ
ョンレベルに対応する印加電圧が演算される。具体的に
は、レベル1が選択された時は光学素子201への印加
電圧はV1に設定される。同様にレベル2が選択された
時は印加電圧はV2に、レベル3が選択された時は印加
電圧はV3に設定される。
【0040】ステップS206では、前記ステップS2
05で設定された電圧が、給電手段144より光学素子
201に供給される。その結果、撮影者によりアポダイ
ゼイションレベル1が選択された場合は、光学素子20
1の透過率分布は図8における印加電圧V=V1で示し
た曲線になる。同様にレベル2が選択されると印加電圧
V=V2に相当する特性が、レベル3が選択されると印
加電圧V=V3に相当する特性が得られる。ステップS
207では、撮影者による撮影準備スイッチ(フロー図
では、SW1と表記)のオン操作がなされたか否かを判
別する。オン操作されていない時はステップS203に
戻り、撮影条件の設定とアポダイゼイション効果の選択
を繰り返し受け付ける。ステップS207で撮影準備ス
イッチがオン操作されたと判定されたら、ステップS2
07から脱してステップS211以降を実行する。
【0041】ステップS211では、測光手段256を
用いて被写体輝度を検知する。ステップS212では、
検知した被写体輝度とROMに記憶されたプログラム線
図に基づいて、撮影時のシャッタ秒時と絞り値を演算す
る。ステップS213では、焦点検出手段154を用い
て撮影光学系230の焦点状態を検出する。続いてステ
ップS214では、フォーカス駆動手段155により、
第1レンズ群231を光軸方向に進退させて合焦動作を
行なう。その後、ステップS215に進み、撮影スイッ
チ(フロー図では、SW2と表記)のオン操作がなされ
たか否かを判別する。オン操作されていない時はステッ
プS207に戻り、測光からフォーカス駆動までのステ
ップを繰り返し実行する。
【0042】以上のごとく、撮影準備動作を繰り返し実
行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作す
ると、ステップS215からステップS231にジャン
プする。ステップS231では、クイックリターンミラ
ー247を撮影光束外に退避させる。ステップS232
では、ステップS212で演算した絞り値に基づいて絞
り234を絞り込み制御する。ステップS233では、
ステップS212で演算したシャッタ秒時に基づいてフ
ォーカルプレンシャッタ235を駆動制御する。ステッ
プS234では、クイックリターンミラー247を撮影
光束内に復帰させると共に、絞り234も開放状態に復
帰させる。ステップS235では、チャージ手段245
を駆動してフォーカルプレンシャッタ235を初期状態
(羽根走行可能状態)にチャージすると共に、フィルム
236を1駒分巻き上げ、ステップS236にて撮影動
作が終了する。
【0043】上記したように、実施例2によると、 ・光学素子へ入射する光束の入射高に応じて透過率が漸
減し、かつ該光学素子への印加電圧を制御することで、
透過率分布を所望の値に制御可能な透過率分布可変フィ
ルタを得ることができる。 ・当光学素子を撮影光学系の絞り機構近傍に配置するこ
とで、アウトフォーカス画像(いわゆるボケ画像)のボ
ケ味を任意に制御でき、高品位画像を取得可能な撮影装
置が得られる。等の点で優れた効果を奏することが可能
な光学素子あるいは撮影装置を実現することができる。
【0044】[実施例3]前述の実施例1及び実施例2
は、透過率を連続的に変化させるフィルタを構成した例
について説明したが、実施例3は、透過率可変な光学素
子を、光束を透過する状態と遮断する状態とに切り換え
る光シャッタとしてとして構成した例である。図11〜
図14は本発明の実施例3について説明するための図で
あり、図11は、本実施例において光学素子を光シャッ
タとして用いる場合の動作を詳しく説明するための図で
ある。本実施例においては、第1の液体321に溶解す
る水溶性染料の濃度を、実施例1のものより大きくし、
光吸収能率を高めた構成になっている。それ以外の部材
はすべて実施例1と同一機能、同一寸法を有する。従っ
て同一部分は同一の番号にて示し、重複説明は省略す
る。
【0045】図11(a)は、光学素子301に接続さ
れた給電手段126の出力電圧が、ゼロあるいは非常に
低いV1の場合を示す。この時の界面124の形状は図
3(a)と同一で、第2の液体122が形成するレンズ
の底面の直径はA1、高さはh1である。また、第1の
液体231の光軸上の厚さはt1である。LINは光学素
子301の上方から照射され、絞り107の開口部に入
射する光束である。そして本実施例では、第1の液体3
21の光吸収能率が非常に高いため、第1の液体231
の光軸上の厚さt1がかなり小さな場合でも、射出する
光束の量はほぼゼロになる。
【0046】図11(b)は、給電手段126の出力電
圧が、図3(c)のV3と同一の場合で、第2の液体1
22が形成するレンズの底面の直径はA3に縮まり、界
面124の頂上はカバー板106の下面に形成された親
水膜113に接触して平坦となる。そしてこの平坦部の
直径は絞り板107の開口部の直径D3より大きい。そ
の結果、透過率分布は絞り板107の開口径D3の内側
では均一になる。その後、給電手段126の出力電圧を
更に上昇させても、絞り板107の開口部内側の界面1
24の形状は変わらないため、当光学素子を光シャッタ
として用いた場合の透過率は一定のままである。この時
の透過率は、透明基板102、透明電極103、絶縁層
104、撥水膜111、第2の液体122、親水膜11
3、カバー板106の透過率の積で表わされるが、上記
各部材は透明材料が選択されるため、総合透過率は高
く、すなわち光シャッタとしては開放状態を呈する。
【0047】図12は、光学素子301への印加電圧に
対する光学素子301の光束透過率の関係を表わしたも
のである。印加電圧が低い時には透過率はほぼゼロ、印
加電圧の増加に伴って透過率は急増し、印加電圧がV3
に達したところで透過率は飽和する。そして、当光学素
子を、印加電圧が極めて小さい状態で用いれば光束を遮
断、印加電圧がV3の状態で用いれば光束を透過する光
シャッタになる。
【0048】図13は、光学素子301を撮影装置に応
用したものである。本実施例では、撮影装置341は実
施例1と同様のデジタルスチルカメラを例として説明す
る。330は複数のレンズ群からなる撮影光学系で、第
1レンズ群331、第2レンズ群332、第3レンズ群
333で構成され、それぞれの機能は図5の第1実施例
の撮影装置における各レンズ群131、132、133
と同一である。そして、第2レンズ群332と第3レン
ズ群333の間に光学素子301が配置され、その後方
にはステップモータを駆動源とした機械式絞り機構33
4が配置される。その他の部材の構成は実施例1と同一
のため、同一部材は同一の符号で表わして説明は省略す
る。本実施例では、光シャッタ部材としての光学素子3
01とは別に、機械式絞り機構334を用いているが、
これは撮影光束の光量微調節機能と、光束の透過、遮断
切り換え機能を別の部材で実現させるためである。
【0049】図14は、図13に示した撮影装置341
が有するCPU342の制御フロー図である。以下、図
13及び図14を用いて撮影装置341の制御フローを
説明する。ステップS301を経由して、ステップS3
02では、撮影者によりメインスイッチがオン操作され
たか否かを判別し、オン操作されていない時はステップ
S302に留まる。ステップS302でメインスイッチ
がオン操作されたと判定されたら、CPU342はスリ
ープ状態から脱してステップS303以降を実行する。
【0050】ステップS303では、撮影者による撮影
条件の設定を受け付ける。具体的には、撮影者は表示器
151と操作スイッチ群152を用いて、露出制御モー
ド(シャッター優先AE、プログラムAE等)、オート
フォーカスモード(ワンショットAF、コンティニュア
スAF等)、ドライブモード(単写、連写等)、画質モ
ード(記録画素数の大小、画像圧縮率の大小等)等を設
定する。ステップS304では、撮影者による撮影準備
スイッチ(フロー図では、SW1と表記)のオン操作が
なされたか否かを判別する。オン操作されていない時は
ステップS303に戻り、撮影条件の設定を繰り返し受
け付ける。ステップS304で撮影準備スイッチがオン
操作されたと判定されたら、ステップS304から脱し
てステップS311以降を実行する。ステップS311
では、給電手段144の出力電圧をV3に制御し、光学
素子301に該電圧V3を印加する。すると図12で説
明したごとく、光学素子301は透過率が最大、すなわ
ち光スイッチが開放の状態となり、撮影光学系内を撮影
光束が通過する。ステップS312では、撮像手段13
4及び信号処理回路145を駆動して、プレビュー画像
を取得する。
【0051】ステップS313では、ステップS312
で取得したプレビュー画像の受光レベルを認識する。具
体的には、撮像手段134が出力する複数の画素信号に
おいて、最高、最低及び平均の出力信号レベルを演算
し、撮像手段134に入射する光量を認識する。ステッ
プS314では、前記ステップS313で判定した受光
量が適正か否かを判別する。そして、当ステップで適正
と認識されたら、ステップS315に進む。ステップS
315では、ステップS312で取得したプレビュー画
像を表示器151に表示する。続いてステップS316
では、焦点検出手段154を用いて撮影光学系330の
焦点状態を検出する。続いて、ステップS317では、
フォーカス駆動手段155により、第1レンズ群331
を光軸方向に進退させて合焦動作を行なう。
【0052】その後、ステップS318に進み、撮影ス
イッチ(フロー図では、SW2と表記)のオン操作がな
されたか否かを判別する。オン操作されていない時はス
テップS311に戻り、プレビュー画像の取得からフォ
ーカス駆動までのステップを繰り返し実行する。一方ス
テップS314において、前記ステップS313で判定
した受光量が適正でないと判別されたら、ステップS3
21にジャンプする。ステップS321では、実際の受
光量と適正な受光量を比較し、撮影光学系330内の絞
り手段334の開口径を増減させる。ステップS321
実行後はステップS312に戻り、撮像手段134に入
射する光量が適正になるまで、プレビュー画像の取得か
ら絞り開口制御までのステップを繰り返し実行する。そ
して、撮像手段134に入射する光量が適正になると、
ステップS314からステップS315に移行する。
【0053】以上のごとく、撮影準備動作を繰り返し実
行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作す
ると、ステップS318からステップS331にジャン
プする。ステップS331では撮像を行なう。すなわち
撮像手段134上に結像した被写体像を光電変換し、光
学像の強度に比例した電荷が各受光部近傍の電荷蓄積部
に蓄積される。ステップS332では、給電手段144
の出力電圧をゼロに制御し、光学素子301への電圧印
加を解除する。すると、図12で説明したごとく、光学
素子301は透過率が最小の状態となり、撮影光学系内
を通過する光束が遮断される。ステップS333では、
ステップS331で蓄積された電荷を電荷転送ラインを
介して読み出し、読み出しされたアナログ信号を信号処
理回路145に入力させる。ここで一般に、撮像手段が
蓄積電荷を転送する際、受光部に光が照射されていると
画像信号に有害なノイズが発生し易いが、本実施例では
上記ステップS332において、電荷転送中は光学素子
301が光束を遮断しているため、画像に有害なノイズ
が載ることを避けられる。S334では、信号処理回路
145において、入力したアナログ画像信号をA/D変
換し、AGC制御、ホワイトバランス、γ補正、エッジ
強調等の画像処理を施し、さらに必要に応じてCPU3
42内に記憶された画像圧縮プログラムでJPEG圧縮
等を施す。ステップS335では、上記ステップS13
1で得られた画像信号をメモリ156に記録し、ステッ
プS336にて撮影動作が終了する。
【0054】上記したように、実施例3によると、 ・光学素子への印加電圧を制御することで、光束を透過
状態と遮断状態とに切り換える光シャッタを得ることが
できる。 ・当光学素子を撮影光学系の機械式シャッタ機構の代わ
りに用いることで、シャッタ羽根やシャッタ羽根駆動機
構等のメカニカル手段を廃止でき、撮影装置の小型化が
達成できる。等の点で優れた効果を奏することが可能な
光学素子あるいは撮影装置を実現することができる。
【0055】[実施例4]前述の実施例2は、光学素子
に入射する光束の入射高が大きいほど透過率が漸減する
アポダイゼイションフィルタとして用いる例について説
明したが、実施例4は、光学素子へ入射する光束の入射
高に応じて透過率が漸増し、かつ該光学素子への印加電
圧を制御することで、透過率分布を所望の値に制御可能
な透過率分布可変フィルタとして用いる実施例について
説明する。図15〜図18は、本発明の実施例4につい
て説明するための図であり、図15は本実施例における
光学素子を透過率分布可変フィルタとして用いる場合の
動作を詳しく説明するための図である。
【0056】本実施例においては、光学素子401が有
する第1の液体421と第2の液体422の性質が、実
施例1〜実施例3の各液体と相違する点が異なる。ま
ず、実施例1〜実施例3において、第1の液体121に
は水溶性の染料が加えられたが、本実施例の第1の液体
421には該染料が加えられず、透明である。また、実
施例1〜実施例3において、第2の液体122は透明で
あったが、本実施例の第2の液体422には油脂に溶解
する染料が所定濃度加えらる。該染料は、キレートアゾ
顔料やニトロソ顔料が好適である。
【0057】一般に該顔料は、ブルー、イエロー、レッ
ド等に色づけされているため、これらを所定比率で混合
すれば無彩色顔料が得られる。それ以外の部材はすべて
実施例1〜実施例3と同一機能、同一寸法を有する。従
って同一部分は同一の番号にて示し、重複説明は省略す
る。また、絞り207は実施例2の絞り207と同一の
開口径D4を有する。
【0058】図15(a)は、光学素子401に接続さ
れた給電手段126の出力電圧が、ゼロあるいは非常に
低いV1の場合を示す。この時の界面124の形状は図
7(a)と同一で、第2の液体422が形成するレンズ
の底面の直径はA1、高さはh1である。また、第1の
液体の光軸上の厚さはt1である。LINは光学素子40
1の上方から照射され、絞り207の開口部に入射する
光束、LOUTは光学素子401から射出される光束であ
る。そして、本実施例では、レンズ形状を呈する液体4
22は所定の光吸収能率を有するため、射出光束LOUT
の光量分布は均一にはならず、光軸123上での光透過
率が最小で、光軸123から離れるに従って透過光量は
増加する。図15(b)は、給電手段126の出力電圧
が、V1より大きなV2の場合を示す。この時、第2の
液体422が形成するレンズの底面の直径はA2、高さ
はh2であり、透過光量平均値は同図(a)より小さく
なると共に、透過光量の不均一性も拡大する。
【0059】図15(c)は、給電手段126の出力電
圧が、V2より更に大きなV3の場合を示す。この時、
第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA3
に縮まり、界面124の頂上はカバー板106の下面に
形成された親水膜113に接触して平坦となる。そし
て、この平坦部の直径は絞り207の開口部の直径D4
よりは小さい。その結果、透過率は該平坦部の内側領域
は均一になり、外側領域では光軸からの距離に応じて漸
増する。この時の入射高ゼロにおける透過率は、透明基
板102、透明電極103、絶縁層104、撥水膜11
1、第2の液体422、親水膜113、カバー板106
の透過率の積で表わされるが、第2の液体422の光吸
収能率が支配的になる。
【0060】図16は、給電手段126から光学素子4
01に印加される電圧をパラメータとして、光学素子4
01に入射する光束の入射高(光軸123からの距離)
に対する透過率分布の関係を表わしたものである。印加
電圧の増加に伴い、平均透過率が減少すると共に、入射
高に応じて透過率が漸増する透過率曲線の傾き絶対値は
増加する。
【0061】図17は、光学素子401を撮影装置に応
用したものである。本実施例では、実施例2と同じく、
撮影装置441は静止画像を銀塩フィルムに露光する、
いわゆる銀塩スチルカメラを例として説明する。430
は複数のレンズ群からなる撮影光学系で、第1レンズ群
431、第2レンズ群432、第3レンズ群433で構
成され、それぞれのレンズは図9の実施例2の撮影装置
241における各レンズ群231、232、233とパ
ワー構成は異なるが、機能は同一である。そして、第2
レンズ群432と第3レンズ群433の間にはステップ
モータを駆動源とした機械式絞り機構434が配置さ
れ、第3レンズ群433の後方には光学素子401が配
置される。撮影光学系230の焦点位置には、銀塩フィ
ルム236が配置され、その直前にはフォーカルプレン
シャッタ235が配置される。これ以外の構成は実施例
2の撮影装置241と同一なので、説明は省略する。
【0062】次に、本実施例における光学素子401の
作用を説明する。撮影光学系430によりフィルム23
6上に結像される被写体像の照度は、中心が大きく、中
心から離れるほど低下する、いわゆる周辺光量低下現象
を呈する。そしてこの時の周辺光量低下量は、撮影光学
系のズーム状態と絞り込み状態でほぼ一義的に決まる。
一方、光学素子401の入射高に対する透過率分布は、
図16で説明したように、印加電圧により一義的に決ま
る。そこで、光学素子401を撮影光学系中の適当な位
置に置き、ズーム状態と絞り込み状態で決まる周辺光量
低下量を補償する透過率分布を光学素子401に与える
ことで、フィルム面236上の画像の周辺光量低下を適
正に補償できる。具体的には、撮影装置441の製造時
に、各ズーム状態と絞り込み状態に応じた周辺光量低下
データと、これを補償するために最適な光学素子401
への印加電圧を実験的に決定する。そして、各ズーム状
態と絞り込み状態に応じた印加電圧をCPU442内の
ROMにルックアップテーブルとして記憶させ、撮影時
に該テーブル値を呼び出して光学素子401への印加電
圧を制御すればよい。
【0063】図18は、図17に示した撮影装置441
が有するCPU442の制御フロー図である。以下、図
17及び図18を用いて撮影装置441の制御フローを
説明する。ステップS401を経由して、ステップS4
02では、撮影者によりメインスイッチがオン操作され
たか否かを判別し、オン操作されていない時はステップ
S402に留まる。ステップS402でメインスイッチ
がオン操作されたと判定されたら、CPU442はスリ
ープ状態から脱してステップS403以降を実行する。
ステップS403では、撮影者による撮影条件の設定を
受け付ける。具体的には、撮影者は表示器251と操作
スイッチ群252を用いて、露出制御モード(シャッタ
ー優先AE、プログラムAE等)、オートフォーカスモ
ード(ワンショットAF、コンティニュアスAF等)、
ドライブモード(単写、連写等)等を設定する。
【0064】ステップS404では、撮影者による撮影
準備スイッチ(フロー図では、SW1と表記)のオン操
作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない
時はステップS403に戻り、撮影条件の設定を繰り返
し受け付ける。ステップS404で撮影準備スイッチが
オン操作されたと判定されたら、ステップS404から
脱してステップS411以降を実行する。ステップS4
11では、撮影光学系430のズーム状態を認識する。
ステップS412では、測光手段256を用いて被写体
輝度を検知する。ステップS413では、検知した被写
体輝度とROMに記憶されたプログラム線図に基づい
て、撮影時のシャッタ秒時と絞り値を演算する。
【0065】ステップS414では、前記ステップS4
11で認識した撮影光学系430のズーム状態とステッ
プS413で演算した撮影時の絞り値に基づいて、光学
素子401に印加する電圧をROMに記憶されたルック
アップテーブルから呼び出す。ステップS415では、
前記ステップS414で呼び出された電圧が、給電手段
144より光学素子401に供給される。その結果、撮
影光学系430の周辺光量低下が補償される。ステップ
S416では、焦点検出手段154を用いて撮影光学系
430の焦点状態を検出する。続いてステップS417
では、フォーカス駆動手段155により、第1レンズ群
431を光軸方向に進退させて合焦動作を行なう。その
後、ステップS418に進み、撮影スイッチ(フロー図
では、SW2と表記)のオン操作がなされたか否かを判
別する。オン操作されていない時はステップS311に
戻り、ズーム状態認識からフォーカス駆動までのステッ
プを繰り返し実行する。
【0066】以上のごとく、撮影準備動作を繰り返し実
行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作す
ると、ステップS418からステップS431にジャン
プする。ステップS431では、クイックリターンミラ
ー247を撮影光束外に退避させる。ステップS432
では、ステップS413で演算した絞り値に基づいて絞
り434を絞り込み制御する。ステップS433では、
ステップS413で演算したシャッタ秒時に基づいてフ
ォーカルプレンシャッタ235を駆動制御する。ステッ
プS434では、クイックリターンミラー247を撮影
光束内に復帰させると共に、絞り434も開放状態に復
帰させる。ステップS435では、チャージ手段245
を駆動してフォーカルプレンシャッタ235を初期状態
(羽根走行可能状態)にチャージすると共に、フィルム
236を1駒分巻き上げ、ステップS436にて撮影動
作が終了する。
【0067】上記したように、実施例4によると、 ・光学素子へ入射する光束の入射高に応じて透過率が漸
増し、かつ該光学素子への印加電圧を制御することで、
透過率分布を所望の値に制御可能な透過率分布可変フィ
ルタを得ることができる。 ・当光学素子を撮影光学系の所定位置に配置すること
で、撮影光学系の周辺光量低下を軽減でき、高品位画像
を取得可能な撮影装置が得られる。等の点で優れた効果
を奏することが可能な光学素子あるいは撮影装置を実現
することができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エレクトロウエッティング現象を利用して、メカニカル
機構を用いることなく、入射光束の透過率を効率的に自
在に変化させる光学素子を得ることができ、従来のもの
とは異なる方式の小型で簡単な構成の光学素子あるいは
撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の光学素子の断面図である。
【図2】本発明の実施例1の光学素子に電圧を印可した
時の動作説明図である。
【図3】本発明の実施例1の光学素子の動作説明詳細図
である。
【図4】本発明の実施例1の光学素子の透過率説明図で
ある。
【図5】本発明の実施例1の撮影装置の構成図である。
【図6】本発明の実施例1の撮影装置の制御フロー図で
ある。
【図7】本発明の実施例1の光学素子の動作説明詳細図
である。
【図8】本発明の実施例2の光学素子の透過率分布説明
図である。
【図9】本発明の第2実施例2の撮影装置の構成図であ
る。
【図10】本発明の実施例の撮影装置の制御フロー図で
ある。
【図11】本発明の実施例3の光学素子の動作説明詳細
図である。
【図12】本発明の実施例3の光学素子の透過率説明図
である。
【図13】本発明の実施例3の撮影装置の構成図であ
る。
【図14】本発明の実施例3の撮影装置の制御フロー図
である。
【図15】本発明の実施例4の光学素子の動作説明詳細
図である。
【図16】本発明の実施例4の光学素子の透過率分布説
明図である。
【図17】本発明の実施例4の撮影装置の構成図であ
る。
【図18】本発明の実施例4の撮影装置の制御フロー図
である。
【図19】エレクトロウエッティング現象を説明するた
めの電圧の印加前、印加後の液滴の変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
101、201、301、401:光学素子 102:透明基板 103:透明電極 104:絶縁層 107:絞り板 111:撥水膜 112:親水膜 113:親水膜 121、421:第1の液体 122、422:第2の液体 123:光軸 124:界面 125:棒状電極 126:給電手段 130、230、330、430:撮影光学系 134:撮像手段 235:フォーカルプレンシャッタ 236:フィルム 141、241、341、441:撮影装置 142、242、342、442:CPU 234、434:機械式絞り機構 144:給電手段 151、251:表示器 152、252:操作スイッチ群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 栄夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H083 AA05 AA10 AA14 AA32 AA53

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光束の透過光量を制御する光学素子であっ
    て、屈折率が実質的に等しく、互いに混合することのな
    い導電性または有極性の第1の液体及び該第1の液体と
    異なった透過率を有する第2の液体とを備え、第1と第
    2の基板間に形成された空間内に、前記第1及び第2の
    液体の界面が所定の光軸を有する略球面の一部をなした
    状態で密閉し、前記第1の液体への印加電圧の出力を制
    御して前記界面形状を変化させることにより、通過する
    光束の透過光量を変化させることを特徴とする光学素
    子。
  2. 【請求項2】前記第1の液体から絶縁された第2の電極
    と、前記第1の液体に導通された第1の電極とを有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間の印加電圧を調
    節することにより、前記第1の液体と前記第2の液体と
    の界面形状を変化させることを特徴とする請求項1に記
    載の光学素子。
  3. 【請求項3】前記第2の電極が、透明基板である第2の
    基板上に形成された透明電極であることを特徴とする請
    求項2に記載の光学素子。
  4. 【請求項4】前記第2の液体が、前記透明基板に積層さ
    れた絶縁層に形成された撥水膜上に配されていることを
    特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  5. 【請求項5】前記第1の液体の光軸上の光路長と第2の
    液体の光軸上の光路長が、前記印加電圧の出力に応じて
    変化することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の光学素子。
  6. 【請求項6】前記第1の液体の単位光路長当たりの光線
    透過率が、第2の液体の単位光路長当たりの光線透過率
    より小さく、かつ第1の液体の前記光軸方向の光路長が
    前記光軸からの距離に応じて増大することを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 【請求項7】前記第1の液体の単位光路長当たりの光線
    透過率が、第2の液体の単位光路長当たりの光線透過率
    より小さく、かつ第1の液体の前記光軸上の光路長が印
    加電圧の出力に応じて、ゼロから有限寸法の間を変化す
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の光学素子。
  8. 【請求項8】前記第2の液体の単位光路長当たりの光線
    透過率が、第1の液体の単位光路長当たりの光線透過率
    より小さく、かつ第2の液体の前記光軸方向の光路長が
    前記光軸からの距離に応じて減少することを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
  9. 【請求項9】前記第1及び第2の液体の少なくとも一方
    は光吸収性を有することを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載の光学素子。
  10. 【請求項10】被写体像を形成する撮影光学系と、該撮
    影光学系を通過する光束の透過光量を変化させる光学素
    子と、前記被写体像を記録する撮像手段とを有する撮影
    装置において、前記撮影光学系を通過する光束の透過光
    量を変化させる光学素子が請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の光学素子によって構成されていることを特徴と
    する撮影装置。
JP16965799A 1999-06-16 1999-06-16 光学素子及び撮影装置 Expired - Fee Related JP4532624B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16965799A JP4532624B2 (ja) 1999-06-16 1999-06-16 光学素子及び撮影装置
US09/594,182 US6449081B1 (en) 1999-06-16 2000-06-14 Optical element and optical device having it
EP00305060A EP1069450B1 (en) 1999-06-16 2000-06-15 Electrowetting optical element
DE60043682T DE60043682D1 (de) 1999-06-16 2000-06-15 Elektrobenetzendes optisches Element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16965799A JP4532624B2 (ja) 1999-06-16 1999-06-16 光学素子及び撮影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000356792A true JP2000356792A (ja) 2000-12-26
JP4532624B2 JP4532624B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=15890529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16965799A Expired - Fee Related JP4532624B2 (ja) 1999-06-16 1999-06-16 光学素子及び撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4532624B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002006200A (ja) * 2000-06-22 2002-01-09 Canon Inc 光学装置及びカメラ
JP2006500614A (ja) * 2002-09-19 2006-01-05 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 切り換え可能な光学的部品
JP2007500876A (ja) * 2003-05-22 2007-01-18 リクアヴィスタ ビー. ヴィー. 表示装置
JP2008089752A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Sony Corp エレクトロウエッティング装置とこれを用いた可変焦点レンズ、光ピックアップ装置、光記録再生装置、液滴操作装置、光学素子、ズームレンズ、撮像装置、光変調装置及び表示装置
JP2008107826A (ja) * 2006-09-29 2008-05-08 Sony Corp エレクトロウエッティング装置とこれを用いた可変焦点レンズ、光ピックアップ装置、光記録再生装置、液滴操作装置、光学素子、ズームレンズ、撮像装置、光変調装置及び表示装置
US7385765B2 (en) 2005-09-22 2008-06-10 Sony Corporation Optical element
JP2009134305A (ja) * 2001-07-20 2009-06-18 Michel Sayag 画像キャプチャデバイスに光学的に結合されたレンズシステム
US7787190B2 (en) 2008-09-26 2010-08-31 Sony Corporation Optical element and imaging device
JP2010204643A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Samsung Electronics Co Ltd 単位シャッタ機構、単位シャッタ機構を含むシャッタ構造物、及びシャッタ構造物を含む露光装置
WO2012046671A1 (ja) 2010-10-06 2012-04-12 日本電気株式会社 測位システム
JP2012083552A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Canon Inc 液体レンズ及びこれを備えた機器
TWI501016B (zh) * 2013-12-17 2015-09-21 Htc Corp 主動式濾鏡、影像拍攝系統及拍攝方法
JPWO2016039147A1 (ja) * 2014-09-11 2017-07-13 富士フイルム株式会社 レンズ鏡筒、撮影装置本体、及び撮影装置

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002006200A (ja) * 2000-06-22 2002-01-09 Canon Inc 光学装置及びカメラ
JP2009134305A (ja) * 2001-07-20 2009-06-18 Michel Sayag 画像キャプチャデバイスに光学的に結合されたレンズシステム
JP4851089B2 (ja) * 2002-09-19 2012-01-11 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 切り換え可能な光学的部品
JP2006500614A (ja) * 2002-09-19 2006-01-05 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 切り換え可能な光学的部品
JP2007500876A (ja) * 2003-05-22 2007-01-18 リクアヴィスタ ビー. ヴィー. 表示装置
US7385765B2 (en) 2005-09-22 2008-06-10 Sony Corporation Optical element
JP2008089752A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Sony Corp エレクトロウエッティング装置とこれを用いた可変焦点レンズ、光ピックアップ装置、光記録再生装置、液滴操作装置、光学素子、ズームレンズ、撮像装置、光変調装置及び表示装置
JP2008107826A (ja) * 2006-09-29 2008-05-08 Sony Corp エレクトロウエッティング装置とこれを用いた可変焦点レンズ、光ピックアップ装置、光記録再生装置、液滴操作装置、光学素子、ズームレンズ、撮像装置、光変調装置及び表示装置
US7787190B2 (en) 2008-09-26 2010-08-31 Sony Corporation Optical element and imaging device
US8059343B2 (en) 2008-09-26 2011-11-15 Sony Corporation Optical element and imaging device
JP2010204643A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Samsung Electronics Co Ltd 単位シャッタ機構、単位シャッタ機構を含むシャッタ構造物、及びシャッタ構造物を含む露光装置
KR101574149B1 (ko) 2009-03-02 2015-12-04 삼성디스플레이 주식회사 단위 셔터, 단위 셔터를 포함하는 셔터 구조물 및 셔터 구조물을 포함하는 노광 장치
WO2012046671A1 (ja) 2010-10-06 2012-04-12 日本電気株式会社 測位システム
JP2012083552A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Canon Inc 液体レンズ及びこれを備えた機器
TWI501016B (zh) * 2013-12-17 2015-09-21 Htc Corp 主動式濾鏡、影像拍攝系統及拍攝方法
US9310603B2 (en) 2013-12-17 2016-04-12 Htc Corporation Image capture system with embedded active filtering, and image capturing method for the same
JPWO2016039147A1 (ja) * 2014-09-11 2017-07-13 富士フイルム株式会社 レンズ鏡筒、撮影装置本体、及び撮影装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4532624B2 (ja) 2010-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4424708B2 (ja) 光学素子、絞り又はシャッターをレンズ素子に内蔵する光学系および撮影装置
US6449081B1 (en) Optical element and optical device having it
US6702483B2 (en) Optical element
JP4553336B2 (ja) 光学素子、光学装置および撮影装置
US7099555B2 (en) Light amount adjusting apparatus, optical equipment, optical filter and image-taking apparatus
JP4666721B2 (ja) カメラ
JP4521919B2 (ja) 光学装置
JP4532651B2 (ja) 可変焦点レンズ、光学系および撮影装置
JP4532624B2 (ja) 光学素子及び撮影装置
JP2002162506A (ja) 光学素子、光学装置および撮影装置
JP2005062632A (ja) レンズ装置
JP4834394B2 (ja) 撮像装置およびその制御方法
JP4521920B2 (ja) 光学素子の静電容量検出装置、および静電容量検出装置を備えた光学装置
JP2003057410A (ja) 光学素子および光学機器
JP2002162507A (ja) 光学素子、照明装置および撮影装置
JP2002169110A (ja) 光学素子、光学装置および撮影装置
US7665912B2 (en) Image-taking apparatus and control method thereof
JP4434413B2 (ja) 光学装置
JP2009159093A (ja) 撮像装置
JP2005062733A (ja) 光量調節装置、撮影装置、及び光学フィルタ
JP2004333553A (ja) 光量調節装置、撮影装置及びフィルタ
JP2003057409A (ja) 光学素子および光学機器
JP2005062633A (ja) レンズ装置
JP2005266096A (ja) 光学フィルタ及び撮影装置
JP5211822B2 (ja) 光学部品及び撮影装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100319

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees