JP4532624B2 - 光学素子及び撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学系を通過する光束の透過光量を制御する光学素子、いわゆる光学フィルタと、該光学素子を用いた撮影装置に関するものであり、特に、小型化を図ることができ、簡単な構成で効率よく光透過光量を制御することができ、可変NDフィルタ、アポダイゼイションフィルタ、周辺光量低下を補正するフィルタ等に好適な光学素子及び撮影装置の実現を目指すものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スチルカメラ、ビデオカメラ等の撮影装置に用いられる撮影光学系においては、焦点調節、光量調節、自然なボケ味、像面の光量分布が均一等の機能が要求される。
これらの機能のうち、まず光量調節に関しては、一般に複数枚の可動羽根からなる絞り機構が用いられる。
しかし、この機械式絞り機構はメカニカル駆動部が必要で機器が大型化し、また開口部を小さくした小絞り状態下では光線の回折が生じて結像した画像の解像力が低下するという欠点がある。
【0003】
このような欠点を解消するため、液晶材料やエレクトロクロミック材料を用いた透過率可変素子、いわゆる可変ND(Neutral Density)フィルタが提案されている。
例えば特開平3−87816号公報では、透過光の色の偏りを防止したエレクトロクロミック製の光変調素子が提案されている。
また、特開平7−5497号公報では、溶液中の銀を自在に析出及び溶解することで、可変NDフィルタを実現する技術が開示されている。
また、特開平7−128635号公報では、濃度可変な液晶フィルタを用いて光電変換装置に入射する光量を調節する技術が開示されている。
また、自然なボケ味を実現するための技術として、特開平9−236740号公報において、光吸収係数の大きな平凹レンズと光吸収係数の小さな凸平レンズを組み合わせたアポダイゼイションフィルタの技術が開示されている。
また、結像面の周辺光量低下(周辺光量落ちともいう)を補正するための技術として、特開平9−15681号公報において、中心部ほど濃度が高く、かつ濃度制御可能な液晶製可変NDフィルタ内蔵の光量調節技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来例のものにおいては、つぎのような点に問題点を有している。
例えば、特開平3−87816号公報では、エレクトロクロミック材料の化学変化による濃度変化を利用するため、応答速度が遅い。
特開平7−5497号公報も同じく、銀塩溶液の化学変化による濃度変化を利用するため、応答速度が遅い。
特開平7−128635号公報では液晶フィルタを用いているが、液晶フィルタは一般に偏光板を必要とし、そのために最大透過率がかなり低くなる。
特開平9−236740号公報では、固体レンズの組み合わせでアポダイゼイションフィルタを実現しているため、アポダイゼイション効果が変えられない。
特開平9−15681号公報では、液晶フィルタを用いているため、特開平7−128635号公報と同様に偏光板による透過率低下の欠点がある。
【0005】
ところで、液体に電圧を加えると界面張力が変化して界面の移動変形が起こる現象として、エレクトロウエッティング現象が知られている。これは電気毛管現象ともいわれ、図19のように絶縁層502を形成した基板電極501上に、導電性の液滴503があり、この液滴503と基板電極501との間に電圧をかけると、一種のコンデンサを形成し静電エネルギーが蓄積され、この静電エネルギーにより、表面張力の釣り合いが変化し、液滴503が変形するものである(図19(b))。
このようなエレクトロウエッティング現象は、これまで焦点可変レンズ(WO99/18456)、電気毛管ディスプレイシート(特開平09−311643号公報)などにおいて、その利用が図られてきたが、エレクトロウエッティング現象を利用して、光透過光量を制御するようにした光学素子あるいは撮影装置は、未だ実現していない。
【0006】
そこで、本発明は、上記した課題を解決し、従来のものとは異なる方式の光学素子あるいは撮影装置を構成するため、上記のエレクトロウエッティング現象を利用して、小型化を図ることができ、簡単な構成で効率よく光透過光量を制御することができ、可変NDフィルタ、アポダイゼイションフィルタ、周辺光量低下を補正するフィルタ等に好適な光学素子および撮影装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
目的を達成するために、本発明に係る光学素子は、光束の透過光量を制御する光学素子であって、導電性または有極性の第1の液体と、前記第1の液体と混合することがなく、かつ該第1の液体と屈折率が実質的に等しい、該第1の液体とは光線吸収能率が異なる第2の液体とを備え、
第1基板と第2の基板との間に形成された空間内に、前記第1及び第2の液体の界面が所定の光軸を有する略球面の一部をなした状態で密閉されるとともに、 前記界面の外周縁の直径よりも小さな開口径を有する光束制限部材が前記界面の光軸と同軸上に配置され、
前記第1の液体への印加電圧の出力を制御して前記界面形状を変化させることにより、前記第1の液体の光軸上の光路長と前記第2の液体の光軸上の光路長を変化させて通過する光束の透過光量を変化させることを特徴としている
また、上記目的を達成するために、本発明に係る撮影装置は、被写体像を形成する撮影光学系と、
前記撮影光学系を通過する光束の透過光量を変化させる光学素子と、を有する撮影装置であって
前記光学素子は、導電性または有極性の第1の液体及び該第1の液体と混合することがなく、かつ該第1の液体と屈折率が実質的に等しい、該第1の液体とは光線吸収能率が異なる第2の液体とを備え、
第1基板と第2の基板との間に形成された空間内に、前記第1及び第2の液体の界面が所定の光軸を有する略球面の一部をなした状態で密閉されるとともに、 前記界面の外周縁の直径よりも小さな開口径を有する光束制限部材が前記界面の光軸と同軸上に配置され、
前記第1の液体への印加電圧の出力を制御して前記界面形状を変化させることにより、前記第1の液体の光軸上の光路長と前記第2の液体の光軸上の光路長を変化させて前記撮影光学系を通過する光束の透過光量を変化させることを特徴としている。
【0009】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1〜図5は、本発明の実施例1に係わる光学素子について説明するための図である。
図1は本発明の実施例1の光学素子の構成を示す断面図である。
図1を用いて、本実施例における光学素子の構成と、その作成方法について説明する。
101は本発明の光学素子全体を示し、102は中央に凹部を設けた透明アクリル製の透明基板である。
透明基板102の上面には、酸化インジウムスズ製の透明電極(ITO)103がスパッタリングで形成され、その上面には透明アクリル製の絶縁層104が密着して設けられる。
【0010】
絶縁層104は、前記透明電極103の中央にレプリカ樹脂を滴下し、ガラス板で押しつけて表面を平滑にした後、UV照射を行ない硬化させて形成する。絶縁層104の上面には、遮光性を有した円筒型の容器105が接着固定され、その上面には透明アクリル製のカバー板106が接着固定され、更にその上面には中央部に直径D3の開口を有した絞り板107が配置される。
以上の構成において、絶縁層104、容器105及び上カバー106で囲まれた所定体積の密閉空間、すなわち液室を有した筐体が形成される。
【0011】
そして、液室の壁面には、以下に示す表面処理が施される。
まず、絶縁層104の中央上面には、直径D1の範囲内に撥水処理剤が塗布され、撥水膜111が形成される。撥水処理剤は、フッ素化合物等が好適である。また、絶縁層104上面の直径D1より外側の範囲には、親水処理剤が塗布され、親水膜112が形成される。
親水剤は、界面活性剤、親水性ポリマー等が好適である。一方、カバー板106の下面には、直径D2の範囲内に親水処理が施され、前記親水膜112と同様の性質を有した親水膜113が形成される。そしてこれまでに説明したすべての構成部材は、光軸123に対して回転対称形状をしている。更に、容器105の一部には孔があけられ、ここに棒状電極125が挿入され、接着剤で封止されて前記液室の密閉性を維持している。そして透明電極103と棒状電極125には給電手段126が接続され、スイッチ127の操作で両電極間に所定の電圧が印加可能になっている。
【0012】
以上の構成の液室には、以下に示す2種類の液体が充填される。まず絶縁層104上の撥水膜111の上には、第2の液体122が所定量だけ滴下される。
第2の液体122は無色透明で、比重0.85、室温での屈折率1.38のシリコンオイルが用いられる。
一方液室内の残りの空間には、第1の液体121が充填される。
第1の液体121は、水とエチルアルコールが所定比率で混合され、更に所定量の食塩が加えられた、比重0.85、室温での屈折率1.38の導電性の電解液である。更に第1の液体121には無彩色の水溶性染料、例えばカーボンブラックや、酸化チタン系の材料が加えられる。すなわち、第1及び第2の液体は、比重と屈折率が実質的に等しく、光線吸収能率が異なり、かつ互いに不溶の液体が選定される。そのため、両液体は界面124を形成し、混じりあわずに各々が独立して存在する。
【0013】
次に前記界面の形状について説明する。
まず、第1の液体に電圧が印加されていない場合、界面124の形状は、両液体間の界面張力、第1の液体と絶縁層104上の撥水膜111あるいは親水膜112との界面張力、第2の液体と絶縁層104上の撥水膜111あるいは親水膜112との界面張力、及び第2の液体の体積で決まる。
本実施例においては、第2の液体122の材料であるシリコンオイルと、撥水膜111との界面張力が相対的に小さくなるように材料選定されている。
すなわち両材料間の濡れ性が高いため、第2の液体122が形成するレンズ状液滴の外縁は広がる性向を持ち、外縁が撥水膜111の塗布領域に一致したところで安定する。すなわち第2の液体が形成するレンズ底面の直径A1は、撥水膜111の直径D1に等しい。
【0014】
一方、両液体の比重は前述のごとく等しいため、重力は作用しない。そこで界面124は球面になり、その曲率半径及び高さh1は第2の液体122の体積により決まる。
また、第1の液体の光軸上の厚さはt1になる。一方、スイッチ127が閉操作され、第1の液体121に電圧が印加されると、電気毛管現象によって第1の液体121と親水膜112との界面張力が減少し、第1の液体が親水膜112と撥水膜111の境界を乗り越えて撥水膜111内に侵入する。その結果、図2のごとく、第2の液体が作るレンズの底面の直径はA1からA2に減少し、高さはh1からh2に増加する。
また、第1の液体の光軸上の厚さはt2になる。このように第1の液体121への電圧印加によって、2種類の液体の界面張力の釣り合いが変化し、両液体間の界面の形状が変わる。
【0015】
ここで、第2の液体は実質上透明であるが、第1の液体は添加された光吸収性材料のために所定の光線吸収能率を有する。そこで、絞り板107の開口から光束を入射させると、該光束が通過する第1の液体の光路長に応じた分だけ光線が吸収され、透明基板102から射出する光束の強度は低下する。すなわち光強度の低下率は第1の液体の光軸上の厚さ(図1のt1あるいは図2のt2)に比例するため、給電手段126の電圧制御によって界面124の形状を変えることにより、透過光量を自在に変えられる光学素子が実現できる。また、第1及び第2の液体の屈折率を実質的に等しくしているため、入射した光束はその方向
を変えずに射出光の強度のみが変えられる。
【0016】
つぎに、図3に基づいて、当光学素子を可変NDフィルタとして用いる場合の動作を更に詳しく説明する。
図3(a)は、光学素子101に接続された給電手段126の出力電圧が、ゼロあるいは非常に低いV1の場合を示す。
この時の界面124の形状は図1に示したものと同じで、第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA1、高さはh1である。
また、第1の液体の光軸上の厚さはt1である。LINは光学素子101の上方から照射され、絞り107の開口部に入射する光束、LOUTは光学素子101から射出される光束である。
そして、光束LINに対するLOUTの比が光学素子101の透過率になるが、第1の液体の光軸上の厚さt1が大きいため、透過率は低くなる。
また、射出光束LOUTの光量分布は、光軸からの距離、すなわち入射高が大きいほど光量が少なくなるが、液体122が形成するレンズ底面の直径A1に対して、絞り107の開口直径D3を小さくしているので、射出光束LOUTの光量分布は略均一と見なせる。
【0017】
図3(b)は、給電手段126の出力電圧が、V1より大きなV2の場合を示す。この時、第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA2、高さはh2である。
また、第1の液体の光軸上の厚さは同図(a)のt1より小さなt2である。そこで光束の透過率は同図(a)の場合より大きくなる。
図3(c)は、給電手段126の出力電圧が、V2より更に大きなV3の場合を示す。この時、第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA3に縮まり、界面124の頂上はカバー板106の下面に形成された親水膜113に接触して平坦となる。
そして、この平坦部の直径は絞り107の開口部の直径D3に等しいか、D3より大きい。その結果、第1の液体の光軸上の厚さはゼロになるため、透過率は同図(b)の場合より更に大きくなる。
その後、給電手段126の出力電圧を更に上昇させても、絞り107の開口部内側の界面124の形状は変わらないため、当光学素子を可変NDフィルタとして用いた場合の透過率は一定のままである。この時の透過率は、透明基板102、透明電極103、絶縁層104、撥水膜111、第2の液体122、親水膜113、カバー板106の透過率の積で表わされる。
【0018】
なお、同図(c)の状態から給電手段126の印加電圧をV1に戻すと、両液体の界面張力が元に戻る。この時、第1の液体121と親水膜113との濡れ性は良く、第2の液体122と親水膜113との濡れ性は悪いため、第2の液体は親水膜113から離れて同図(a)の状態に復帰する。すなわち、当光学素子の界面124の形状変化は、印加電圧の変化に対して可逆である。
図4は、光学素子101に印加される電圧に対する光学素子101の光線透過率の関係を表わしたものである。印加電圧の増加に伴い、透過率も上昇し、印加電圧がV3に達したところで透過率は飽和する。
【0019】
図5は、光学素子101を撮影装置に応用したものである。
本実施例では、撮影装置141は静止画像を撮像手段で電気信号に光電変換し、これをデジタルデータとして記録する、いわゆるデジタルスチルカメラを例として説明する。
130は複数のレンズ群からなる撮影光学系で、第1レンズ群131、第2レンズ群132、第3レンズ群133で構成される。
第1レンズ群131の光軸方向の進退で、焦点調節がなされる。
第2レンズ群132の光軸方向の進退で、ズーミングがなされる。
第3レンズ群133は移動しないリレーレンズ群である。
そして、第2レンズ群132と第3レンズ群133の間に光学素子101が配置される。
【0020】
撮影光学系130の焦点位置(予定結像面)には、撮像手段134が配置される。これは照射された光エネルギを電荷に変換する複数の光電変換部、該電荷を蓄える電荷蓄積部、及び該電荷を転送し、外部に送出する電荷転送部からなる2次元CCD等の光電変換手段が用いられる。
142は撮影装置全体の動作を制御する中央演算処理装置(以下CPUと略す)で、ROM、RAM、EEPROM、A/D変換機能、D/A変換機能を有する1チップマイコンである。143はCPU142や撮影装置内の各種回路、アクチュエータに電力を供給する電源である。
144は光学素子101へ電圧を印加するための給電手段で、図1の給電手段126に相当する。給電手段144は、CPU142からの制御信号に応じて所望の電圧を出力する。
145は画像信号処理回路で、撮像手段134から入力したアナログの画像信号をA/D変換し、AGC制御、ホワイトバランス、γ補正、エッジ強調等の画像処理を施す。
【0021】
151は液晶ディスプレイ等の表示器で、撮像手段134で取得した被写体像や、撮影装置の動作状況を表示する。
152は操作スイッチ群で、CPU142をスリープ状態からプログラム実行状態に起動するメインスイッチ、撮影準備スイッチ、撮影開始スイッチ、シャッター秒時等を設定する撮影条件設定スイッチ等で構成される。
153はズーム駆動手段で、第2レンズ群132を光軸方向に進退させるアクチュエータとドライバ回路を含み、撮影者のズームスイッチ操作に応じて変倍動作を行ない、撮影光学系130の焦点距離を変える。154は焦点検出手段で、一眼レフカメラに用いられる位相差検出式焦点検出手段等が好適である。
155はフォーカス駆動手段で、第1レンズ群131を光軸方向に進退させるアクチュエータとドライバ回路を含み、前記焦点検出手段154で演算したフォーカス信号に基づいてフォーカス動作を行ない、撮影光学系130の焦点状態を調節する。
156はメモリ手段で、撮影された画像信号を記録する。具体的には、着脱可能なPCカード型のフラッシュメモリ等が好適である。
【0022】
次に、本実施例における光学素子101の作用を説明する。
自然界に存在する被写体の輝度のダイナミックレンジは非常に大きく、これを所定範囲に収めるために、通常は撮影光学系内部に機械式絞り機構を有し、撮影光束の光量を調節している。
しかしながら、機械式絞り機構は小さくする事は困難で、かつ絞り開口部が小さい小絞り状態では、絞り羽根端面による光線の回折現象で、被写体像の解像力が低下する。
そこで、本実施例のように、光学素子101を前記機械式絞り機構を代用する可変NDフィルタとして用いることで、上記欠点を生ずること無く、撮影光学系を通過する光量を適切に調節することが可能となる。
【0023】
図6は、図5に示した撮影装置141が有するCPU142の制御フロー図である。以下、図5及び図6を用いて撮影装置141の制御フローを説明する。
ステップS101を経由して、ステップS102では、撮影者によりメインスイッチがオン操作されたか否かを判別し、オン操作されていない時はステップS102に留まる。
ステップS102でメインスイッチがオン操作されたと判定されたら、CPU142はスリープ状態から脱してステップS103以降を実行する。
ステップS103では、撮影者による撮影条件の設定を受け付ける。具体的には、撮影者は表示器151と操作スイッチ群152を用いて、露出制御モード(シャッター優先AE、プログラムAE等)、オートフォーカスモード(ワンショットAF、コンティニュアスAF等)、ドライブモード(単写、連写等)、画質モード(記録画素数の大小、画像圧縮率の大小等)等を設定する。
【0024】
ステップS104では、撮影者による撮影準備スイッチ(フロー図では、SW1と表記)のオン操作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS103に戻り、撮影条件の設定を繰り返し受け付ける。ステップS104で撮影準備スイッチがオン操作されたと判定されたら、ステップS104から脱してステップS111以降を実行する。
ステップS111では、撮像手段134及び信号処理回路145を駆動して、プレビュー画像を取得する。プレビュー画像とは、最終記録用画像の撮影条件を適切に設定するため、及び撮影者に撮影構図を把握させるために撮影前に取得する画像である。
【0025】
ステップS112では、ステップS111で取得したプレビュー画像の受光レベルを認識する。
具体的には、撮像手段134が出力す画像信号において、最高、最低及び平均の出力信号レベルを演算し、撮像手段134に入射する光量を認識する。
ステップS113では、前記ステップS112で判定した受光量が適正か否かを判別する。
そして、当ステップで適正と認識されたら、ステップS114に進む。
ステップS114では、ステップS111で取得したプレビュー画像を表示器151に表示する。
【0026】
続いて、ステップS115では、焦点検出手段154を用いて撮影光学系130の焦点状態を検出する。続いてステップS116では、フォーカス駆動手段155により、第1レンズ群131を光軸方向に進退させて合焦動作を行なう。
その後、ステップS117に進み、撮影スイッチ(フロー図では、SW2と表記)のオン操作がなされたか否かを判別する。
オン操作されていない時はステップS111に戻り、プレビュー画像の取得からフォーカス駆動までのステップを繰り返し実行する。
一方ステップS113において、前記ステップS112で判定した受光量が適正でないと判別されたら、ステップS121にジャンプする。
【0027】
ステップS121では、実際の受光量と適正な受光量を比較し、撮影光学系130内の光学素子101の適正透過率を演算する。
ステップS122では、前記ステップS121で演算した適正透過率を得るための制御電圧を演算する。具体的には、CPU142のROMには、図4に示した印加電圧に対する透過率の関係がルックアップテーブルとして記憶されているので、該テーブルを参照し、ステップS121で演算した透過率に対する印加電圧を求める。
ステップS123では、前記ステップS122で求めた電圧が光学素子101に印加されるよう、給電手段144の出力電圧を制御する。ステップS123実行後はステップS111に戻り、撮像手段134に入射する光量が適正になるまで、プレビュー画像の取得から給電手段制御までのステップを繰り返し実行する。そして、撮像手段134に入射する光量が適正になると、ステップS113からステップS114に移行する。
【0028】
以上のごとく、撮影準備動作を繰り返し実行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作すると、ステップS117からステップS131にジャンプする。ステップS131では撮像を行なう。すなわち撮像手段134上に結像した被写体像を光電変換し、光学像の強度に比例した電荷が各受光部近傍の電荷蓄積部に蓄積される。ステップS132では、ステップS131で蓄積された電荷を電荷転送ラインを介して読み出し、読み出しされたアナログ信号を信号処理回路145に入力させる。ステップS133では、信号処理回路145において、入力したアナログ画像信号をA/D変換し、AGC制御、ホワイトバランス、γ補正、エッジ強調等の画像処理を施し、さらに必要に応じてCPU142内に記憶された画像圧縮プログラムでJPEG圧縮等を施す。ステップS134では、上記ステップS133で得られた画像信号をメモリ156に記録し、ステップS135にて撮影動作が終了する。
【0029】
上記したように、実施例1によると、
・光学素子への印加電圧を制御することで、光束透過率を所望の値に制御可能なNDフィルタを得ることができる。
・当光学素子を撮影光学系の機械式絞り機構の代わりに用いることで、絞り羽根や絞り開口制御機構等のメカニカル手段を廃止でき、かつ撮像手段に入射する光量を連続的に制御できるため、撮影装置の小型化及び高性能化が達成できる。
等の点で優れた効果を奏することが可能な光学素子あるいは撮影装置を実現することができる。
【0030】
[実施例2]
前述の実施例1においては透過率可変な光学素子を可変NDフィルタを構成した例について説明したが、実施例2は、光学素子へ入射する光束の入射高(光軸からの距離)に応じて透過率が漸減し、かつ該光学素子への印加電圧を制御することで、透過率分布を所望の値に制御可能な透過率分布可変フィルタを構成した例である。
図7〜図10は本発明の実施例2について説明するための図であり、図7は本実施例における光学素子を透過率分布可変フィルタとして用いる場合の動作を詳しく説明するための図である。
本実施例においては、光学素子201が有する絞り板207の開口部の直径D4は、実施例1の絞り板107の開口部直径D3より大きく設定され、それ以外の部材はすべて同一機能、同一寸法を有する。従って同一部分は同一の番号にて示し、重複説明は省略する。
【0031】
図7(a)は、光学素子201に接続された給電手段126の出力電圧が、ゼロあるいは非常に低いV1の場合を示す。この時の界面124の形状は図3(a)と同一で、第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA1、高さはh1である。
また、第1の液体の光軸上の厚さはt1である。LINは光学素子201の上方から照射され、絞り207の開口部に入射する光束、LOUTは光学素子201から射出される光束である。
そして、本実施例では、液体122が形成するレンズ底面の直径A1が、実施例1と同一なのに対して、絞り207の開口径D4は実施例1の開口径D3よりも大きくしているので、射出光束LOUTの光量分布は均一にはならず、光軸123から離れるに従って透過光量はかなり減少する。
【0032】
図7(b)は、給電手段126の出力電圧が、V1より大きなV2の場合を示す。この時、第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA2、高さはh2であり、透過光量平均値は同図(a)より大きくなると共に、透過光量の不均一性も拡大する。図3(c)は、給電手段126の出力電圧が、V2より更に大きなV3の場合を示す。
この時、第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA3に縮まり、界面124の頂上はカバー板106の下面に形成された親水膜113に接触して平坦となる。
そして、この平坦部の直径は絞り207の開口部の直径D4よりは小さい。その結果、透過率は該平坦部の内側領域は均一になり、外側領域では光軸からの距離に応じて漸減する。この時の入射高ゼロにおける透過率は、透明基板102、透明電極103、絶縁層104、撥水膜111、第2の液体122、親水膜113、カバー板106の透過率の積で表わされる。
【0033】
図8は、給電手段126から光学素子201に印加される電圧をパラメータとして、光学素子201に入射する光束の入射高(光軸123からの距離)に対する透過率分布の関係を表わしたものである。
印加電圧の増加に伴い、平均透過率が増加すると共に、入射高に応じて透過率が漸減する透過率カーブの傾き絶対値も増加する。
【0034】
図9は、光学素子201を撮影装置に応用したものである。本実施例では、撮影装置241は静止画像を銀塩フィルムに露光する、いわゆる銀塩スチルカメラを例として説明する。
230は複数のレンズ群からなる撮影光学系で、第1レンズ群231、第2レンズ群232、第3レンズ群233で構成され、それぞれの機能は図5の実施例1の撮影装置141における各レンズ群131、132、133と同一である。
そして、第2レンズ群232と第3レンズ群233の間に光学素子201が配置され、その後方にはステップモータを駆動源とした機械式絞り機構234が配置される。撮影光学系230の焦点位置には、銀塩フィルム236が配置され、その直前にはフォーカルプレンシャッタ235が配置される。
【0035】
242は撮影装置全体の動作を制御するCPUで、ROM、RAM、EEPROM、A/D、D/A変換機能を有する1チップマイコンである。電源143、給電手段144は実施例1と同一のものなので、同一符号で表わす。245はメカニカルチャージ手段で、前述のフォーカルプレンシャッタ235の駆動バネをチャージする機構、及びフィルム236の巻き上げ巻戻し機構からなる。246は、被写体の観察用画像を形成するためのファインダ光学系で、フォーカシングスクリーン、ペンタダハプリズム、接眼レンズで構成される。
247は第3レンズ群233とフォーカルプレンシャッタ235の間に配置されたクイックリターンミラーで、前記フィルム236とファインダ光学系246への光束の切り換えを行なう可動ミラーと、該ミラーを駆動するアクチュエータで構成される。
【0036】
251は液晶ディスプレイ等の表示器で、撮影装置の動作状況を表示する。252は操作スイッチ群で、CPU242をスリープ状態からプログラム実行状態に起動するメインスイッチ、撮影準備スイッチ、撮影開始スイッチ、シャッター秒時等を設定する撮影条件設定スイッチ等で構成される。
また、後述するアポダイゼイション効果入力スイッチを有する点が、実施例1と異なる。
ズーム駆動手段153、焦点検出手段154、フォーカス駆動手段155は実施例1と同一の機能を有するため、同一符号で示す。
256は測光手段で、前記ファインダ光学系246の途中に配置された測光センサと該センサの出力増幅手段からなる。
【0037】
次に本実施例における光学素子201の作用を説明する。
奥行きのある被写体を撮影光学系230によりフィルム236上に結像させた時、合焦した被写体像は点像の集まりとして表わせるが、非合焦の被写体像、いわゆるアウトフォーカス画像は有限直径のボケ像の集合となる。
そして、撮影光学系が無収差レンズであれば、該ボケ像は照度が均一の円形像となる。
しかしながら、現実のレンズは種々の収差を有し、その結果ボケ像が乱れ、例えば二線ボケと呼ばれるような汚いボケ味を呈するレンズとなる。
そこで、特開平9−236740号公報に開示されたように、撮影光学系の絞り近傍に、透過率が入射高と共に漸減するアポダイゼイションフィルタと呼ばれる光学素子を配置することで、違和感のない自然なボケ像を得ることを可能としているが、本実施例では、前記アポダイゼイションフィルタの役目を光学素子201で達成するものである。
【0038】
図10は、図9に示した撮影装置241が有するCPU242の制御フロー図である。
以下、図9及び図10を用いて撮影装置241の制御フローを説明する。
ステップS201を経由して、ステップS202では、撮影者によりメインスイッチがオン操作されたか否かを判別し、オン操作されていない時はステップS202に留まる。
ステップS202でメインスイッチがオン操作されたと判定されたら、CPU242はスリープ状態から脱してステップS203以降を実行する。
ステップS203では、撮影者による撮影条件の設定を受け付ける。具体的には、撮影者は表示器251と操作スイッチ群252を用いて、露出制御モード(シャッター優先AE、プログラムAE等)、オートフォーカスモード(ワンショットAF、コンティニュアスAF等)、ドライブモード(単写、連写等)等を設定する。
【0039】
ステップS204では、撮影者によるアポダイゼイション効果の選択を受け付ける。具体的には、撮影者は表示器251と操作スイッチ群252にあるアポダイゼイション効果選択スイッチを用いて、アポダイゼイションレベルを選択する。具体的には、アポダイゼイションレベルは「1」から「3」までが選択可能で、レベルの数値が大きいほど、大きなアポダイゼイション効果が得られるようになっている。
ステップS205では、前記ステップS204で選択されたアポダイゼイションレベルに対応する印加電圧が演算される。具体的には、レベル1が選択された時は光学素子201への印加電圧はV1に設定される。同様にレベル2が選択された時は印加電圧はV2に、レベル3が選択された時は印加電圧はV3に設定される。
【0040】
ステップS206では、前記ステップS205で設定された電圧が、給電手段144より光学素子201に供給される。その結果、撮影者によりアポダイゼイションレベル1が選択された場合は、光学素子201の透過率分布は図8における印加電圧V=V1で示した曲線になる。同様にレベル2が選択されると印加電圧V=V2に相当する特性が、レベル3が選択されると印加電圧V=V3に相当する特性が得られる。
ステップS207では、撮影者による撮影準備スイッチ(フロー図では、SW1と表記)のオン操作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS203に戻り、撮影条件の設定とアポダイゼイション効果の選択を繰り返し受け付ける。ステップS207で撮影準備スイッチがオン操作されたと判定されたら、ステップS207から脱してステップS211以降を実行する。
【0041】
ステップS211では、測光手段256を用いて被写体輝度を検知する。ステップS212では、検知した被写体輝度とROMに記憶されたプログラム線図に基づいて、撮影時のシャッタ秒時と絞り値を演算する。ステップS213では、焦点検出手段154を用いて撮影光学系230の焦点状態を検出する。続いてステップS214では、フォーカス駆動手段155により、第1レンズ群231を光軸方向に進退させて合焦動作を行なう。
その後、ステップS215に進み、撮影スイッチ(フロー図では、SW2と表記)のオン操作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS207に戻り、測光からフォーカス駆動までのステップを繰り返し実行する。
【0042】
以上のごとく、撮影準備動作を繰り返し実行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作すると、ステップS215からステップS231にジャンプする。
ステップS231では、クイックリターンミラー247を撮影光束外に退避させる。
ステップS232では、ステップS212で演算した絞り値に基づいて絞り234を絞り込み制御する。
ステップS233では、ステップS212で演算したシャッタ秒時に基づいてフォーカルプレンシャッタ235を駆動制御する。
ステップS234では、クイックリターンミラー247を撮影光束内に復帰させると共に、絞り234も開放状態に復帰させる。
ステップS235では、チャージ手段245を駆動してフォーカルプレンシャッタ235を初期状態(羽根走行可能状態)にチャージすると共に、フィルム236を1駒分巻き上げ、ステップS236にて撮影動作が終了する。
【0043】
上記したように、実施例2によると、
・光学素子へ入射する光束の入射高に応じて透過率が漸減し、かつ該光学素子への印加電圧を制御することで、透過率分布を所望の値に制御可能な透過率分布可変フィルタを得ることができる。
・当光学素子を撮影光学系の絞り機構近傍に配置することで、アウトフォーカス画像(いわゆるボケ画像)のボケ味を任意に制御でき、高品位画像を取得可能な撮影装置が得られる。
等の点で優れた効果を奏することが可能な光学素子あるいは撮影装置を実現することができる。
【0044】
[実施例3]
前述の実施例1及び実施例2は、透過率を連続的に変化させるフィルタを構成した例について説明したが、実施例3は、透過率可変な光学素子を、光束を透過する状態と遮断する状態とに切り換える光シャッタとしてとして構成した例である。
図11〜図14は本発明の実施例3について説明するための図であり、図11は、本実施例において光学素子を光シャッタとして用いる場合の動作を詳しく説明するための図である。
本実施例においては、第1の液体321に溶解する水溶性染料の濃度を、実施例1のものより大きくし、光吸収能率を高めた構成になっている。それ以外の部材はすべて実施例1と同一機能、同一寸法を有する。従って同一部分は同一の番号にて示し、重複説明は省略する。
【0045】
図11(a)は、光学素子301に接続された給電手段126の出力電圧が、ゼロあるいは非常に低いV1の場合を示す。この時の界面124の形状は図3(a)と同一で、第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA1、高さはh1である。また、第1の液体231の光軸上の厚さはt1である。LINは光学素子301の上方から照射され、絞り107の開口部に入射する光束である。そして本実施例では、第1の液体321の光吸収能率が非常に高いため、第1の液体231の光軸上の厚さt1がかなり小さな場合でも、射出する光束の量はほぼゼロになる。
【0046】
図11(b)は、給電手段126の出力電圧が、図3(c)のV3と同一の場合で、第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA3に縮まり、界面124の頂上はカバー板106の下面に形成された親水膜113に接触して平坦となる。そしてこの平坦部の直径は絞り板107の開口部の直径D3より大きい。その結果、透過率分布は絞り板107の開口径D3の内側では均一になる。その後、給電手段126の出力電圧を更に上昇させても、絞り板107の開口部内側の界面124の形状は変わらないため、当光学素子を光シャッタとして用いた場合の透過率は一定のままである。この時の透過率は、透明基板102、透明電極103、絶縁層104、撥水膜111、第2の液体122、親水膜113、カバー板106の透過率の積で表わされるが、上記各部材は透明材料が選択されるため、総合透過率は高く、すなわち光シャッタとしては開放状態を呈する。
【0047】
図12は、光学素子301への印加電圧に対する光学素子301の光束透過率の関係を表わしたものである。
印加電圧が低い時には透過率はほぼゼロ、印加電圧の増加に伴って透過率は急増し、印加電圧がV3に達したところで透過率は飽和する。
そして、当光学素子を、印加電圧が極めて小さい状態で用いれば光束を遮断、印加電圧がV3の状態で用いれば光束を透過する光シャッタになる。
【0048】
図13は、光学素子301を撮影装置に応用したものである。本実施例では、撮影装置341は実施例1と同様のデジタルスチルカメラを例として説明する。330は複数のレンズ群からなる撮影光学系で、第1レンズ群331、第2レンズ群332、第3レンズ群333で構成され、それぞれの機能は図5の第1実施例の撮影装置における各レンズ群131、132、133と同一である。
そして、第2レンズ群332と第3レンズ群333の間に光学素子301が配置され、その後方にはステップモータを駆動源とした機械式絞り機構334が配置される。
その他の部材の構成は実施例1と同一のため、同一部材は同一の符号で表わして説明は省略する。
本実施例では、光シャッタ部材としての光学素子301とは別に、機械式絞り機構334を用いているが、これは撮影光束の光量微調節機能と、光束の透過、遮断切り換え機能を別の部材で実現させるためである。
【0049】
図14は、図13に示した撮影装置341が有するCPU342の制御フロー図である。
以下、図13及び図14を用いて撮影装置341の制御フローを説明する。
ステップS301を経由して、ステップS302では、撮影者によりメインスイッチがオン操作されたか否かを判別し、オン操作されていない時はステップS302に留まる。
ステップS302でメインスイッチがオン操作されたと判定されたら、CPU342はスリープ状態から脱してステップS303以降を実行する。
【0050】
ステップS303では、撮影者による撮影条件の設定を受け付ける。具体的には、撮影者は表示器151と操作スイッチ群152を用いて、露出制御モード(シャッター優先AE、プログラムAE等)、オートフォーカスモード(ワンショットAF、コンティニュアスAF等)、ドライブモード(単写、連写等)、画質モード(記録画素数の大小、画像圧縮率の大小等)等を設定する。
ステップS304では、撮影者による撮影準備スイッチ(フロー図では、SW1と表記)のオン操作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS303に戻り、撮影条件の設定を繰り返し受け付ける。ステップS304で撮影準備スイッチがオン操作されたと判定されたら、ステップS304から脱してステップS311以降を実行する。
ステップS311では、給電手段144の出力電圧をV3に制御し、光学素子301に該電圧V3を印加する。すると図12で説明したごとく、光学素子301は透過率が最大、すなわち光スイッチが開放の状態となり、撮影光学系内を撮影光束が通過する。ステップS312では、撮像手段134及び信号処理回路145を駆動して、プレビュー画像を取得する。
【0051】
ステップS313では、ステップS312で取得したプレビュー画像の受光レベルを認識する。具体的には、撮像手段134が出力する複数の画素信号において、最高、最低及び平均の出力信号レベルを演算し、撮像手段134に入射する光量を認識する。ステップS314では、前記ステップS313で判定した受光量が適正か否かを判別する。
そして、当ステップで適正と認識されたら、ステップS315に進む。
ステップS315では、ステップS312で取得したプレビュー画像を表示器151に表示する。続いてステップS316では、焦点検出手段154を用いて撮影光学系330の焦点状態を検出する。
続いて、ステップS317では、フォーカス駆動手段155により、第1レンズ群331を光軸方向に進退させて合焦動作を行なう。
【0052】
その後、ステップS318に進み、撮影スイッチ(フロー図では、SW2と表記)のオン操作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS311に戻り、プレビュー画像の取得からフォーカス駆動までのステップを繰り返し実行する。
一方ステップS314において、前記ステップS313で判定した受光量が適正でないと判別されたら、ステップS321にジャンプする。ステップS321では、実際の受光量と適正な受光量を比較し、撮影光学系330内の絞り手段334の開口径を増減させる。
ステップS321実行後はステップS312に戻り、撮像手段134に入射する光量が適正になるまで、プレビュー画像の取得から絞り開口制御までのステップを繰り返し実行する。
そして、撮像手段134に入射する光量が適正になると、ステップS314からステップS315に移行する。
【0053】
以上のごとく、撮影準備動作を繰り返し実行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作すると、ステップS318からステップS331にジャンプする。
ステップS331では撮像を行なう。すなわち撮像手段134上に結像した被写体像を光電変換し、光学像の強度に比例した電荷が各受光部近傍の電荷蓄積部に蓄積される。ステップS332では、給電手段144の出力電圧をゼロに制御し、光学素子301への電圧印加を解除する。
すると、図12で説明したごとく、光学素子301は透過率が最小の状態となり、撮影光学系内を通過する光束が遮断される。ステップS333では、ステップS331で蓄積された電荷を電荷転送ラインを介して読み出し、読み出しされたアナログ信号を信号処理回路145に入力させる。
ここで一般に、撮像手段が蓄積電荷を転送する際、受光部に光が照射されていると画像信号に有害なノイズが発生し易いが、本実施例では上記ステップS332において、電荷転送中は光学素子301が光束を遮断しているため、画像に有害なノイズが載ることを避けられる。
S334では、信号処理回路145において、入力したアナログ画像信号をA/D変換し、AGC制御、ホワイトバランス、γ補正、エッジ強調等の画像処理を施し、さらに必要に応じてCPU342内に記憶された画像圧縮プログラムでJPEG圧縮等を施す。
ステップS335では、上記ステップS131で得られた画像信号をメモリ156に記録し、ステップS336にて撮影動作が終了する。
【0054】
上記したように、実施例3によると、
・光学素子への印加電圧を制御することで、光束を透過状態と遮断状態とに切り換える光シャッタを得ることができる。
・当光学素子を撮影光学系の機械式シャッタ機構の代わりに用いることで、シャッタ羽根やシャッタ羽根駆動機構等のメカニカル手段を廃止でき、撮影装置の小型化が達成できる。
等の点で優れた効果を奏することが可能な光学素子あるいは撮影装置を実現することができる。
【0055】
[実施例4]
前述の実施例2は、光学素子に入射する光束の入射高が大きいほど透過率が漸減するアポダイゼイションフィルタとして用いる例について説明したが、実施例4は、光学素子へ入射する光束の入射高に応じて透過率が漸増し、かつ該光学素子への印加電圧を制御することで、透過率分布を所望の値に制御可能な透過率分布可変フィルタとして用いる実施例について説明する。
図15〜図18は、本発明の実施例4について説明するための図であり、図15は本実施例における光学素子を透過率分布可変フィルタとして用いる場合の動作を詳しく説明するための図である。
【0056】
本実施例においては、光学素子401が有する第1の液体421と第2の液体422の性質が、実施例1〜実施例3の各液体と相違する点が異なる。
まず、実施例1〜実施例3において、第1の液体121には水溶性の染料が加えられたが、本実施例の第1の液体421には該染料が加えられず、透明である。また、実施例1〜実施例3において、第2の液体122は透明であったが、本実施例の第2の液体422には油脂に溶解する染料が所定濃度加えらる。
該染料は、キレートアゾ顔料やニトロソ顔料が好適である。
【0057】
一般に該顔料は、ブルー、イエロー、レッド等に色づけされているため、これらを所定比率で混合すれば無彩色顔料が得られる。それ以外の部材はすべて実施例1〜実施例3と同一機能、同一寸法を有する。従って同一部分は同一の番号にて示し、重複説明は省略する。
また、絞り207は実施例2の絞り207と同一の開口径D4を有する。
【0058】
図15(a)は、光学素子401に接続された給電手段126の出力電圧が、ゼロあるいは非常に低いV1の場合を示す。この時の界面124の形状は図7(a)と同一で、第2の液体422が形成するレンズの底面の直径はA1、高さはh1である。また、第1の液体の光軸上の厚さはt1である。LINは光学素子401の上方から照射され、絞り207の開口部に入射する光束、LOUTは光学素子401から射出される光束である。
そして、本実施例では、レンズ形状を呈する液体422は所定の光吸収能率を有するため、射出光束LOUTの光量分布は均一にはならず、光軸123上での光透過率が最小で、光軸123から離れるに従って透過光量は増加する。
図15(b)は、給電手段126の出力電圧が、V1より大きなV2の場合を示す。この時、第2の液体422が形成するレンズの底面の直径はA2、高さはh2であり、透過光量平均値は同図(a)より小さくなると共に、透過光量の不均一性も拡大する。
【0059】
図15(c)は、給電手段126の出力電圧が、V2より更に大きなV3の場合を示す。この時、第2の液体122が形成するレンズの底面の直径はA3に縮まり、界面124の頂上はカバー板106の下面に形成された親水膜113に接触して平坦となる。
そして、この平坦部の直径は絞り207の開口部の直径D4よりは小さい。その結果、透過率は該平坦部の内側領域は均一になり、外側領域では光軸からの距離に応じて漸増する。この時の入射高ゼロにおける透過率は、透明基板102、透明電極103、絶縁層104、撥水膜111、第2の液体422、親水膜113、カバー板106の透過率の積で表わされるが、第2の液体422の光吸収能率が支配的になる。
【0060】
図16は、給電手段126から光学素子401に印加される電圧をパラメータとして、光学素子401に入射する光束の入射高(光軸123からの距離)に対する透過率分布の関係を表わしたものである。印加電圧の増加に伴い、平均透過率が減少すると共に、入射高に応じて透過率が漸増する透過率曲線の傾き絶対値は増加する。
【0061】
図17は、光学素子401を撮影装置に応用したものである。本実施例では、実施例2と同じく、撮影装置441は静止画像を銀塩フィルムに露光する、いわゆる銀塩スチルカメラを例として説明する。
430は複数のレンズ群からなる撮影光学系で、第1レンズ群431、第2レンズ群432、第3レンズ群433で構成され、それぞれのレンズは図9の実施例2の撮影装置241における各レンズ群231、232、233とパワー構成は異なるが、機能は同一である。そして、第2レンズ群432と第3レンズ群433の間にはステップモータを駆動源とした機械式絞り機構434が配置され、第3レンズ群433の後方には光学素子401が配置される。撮影光学系230の焦点位置には、銀塩フィルム236が配置され、その直前にはフォーカルプレンシャッタ235が配置される。これ以外の構成は実施例2の撮影装置241と同一なので、説明は省略する。
【0062】
次に、本実施例における光学素子401の作用を説明する。撮影光学系430によりフィルム236上に結像される被写体像の照度は、中心が大きく、中心から離れるほど低下する、いわゆる周辺光量低下現象を呈する。そしてこの時の周辺光量低下量は、撮影光学系のズーム状態と絞り込み状態でほぼ一義的に決まる。一方、光学素子401の入射高に対する透過率分布は、図16で説明したように、印加電圧により一義的に決まる。
そこで、光学素子401を撮影光学系中の適当な位置に置き、ズーム状態と絞り込み状態で決まる周辺光量低下量を補償する透過率分布を光学素子401に与えることで、フィルム面236上の画像の周辺光量低下を適正に補償できる。具体的には、撮影装置441の製造時に、各ズーム状態と絞り込み状態に応じた周辺光量低下データと、これを補償するために最適な光学素子401への印加電圧を実験的に決定する。
そして、各ズーム状態と絞り込み状態に応じた印加電圧をCPU442内のROMにルックアップテーブルとして記憶させ、撮影時に該テーブル値を呼び出して光学素子401への印加電圧を制御すればよい。
【0063】
図18は、図17に示した撮影装置441が有するCPU442の制御フロー図である。
以下、図17及び図18を用いて撮影装置441の制御フローを説明する。
ステップS401を経由して、ステップS402では、撮影者によりメインスイッチがオン操作されたか否かを判別し、オン操作されていない時はステップS402に留まる。
ステップS402でメインスイッチがオン操作されたと判定されたら、CPU442はスリープ状態から脱してステップS403以降を実行する。
ステップS403では、撮影者による撮影条件の設定を受け付ける。具体的には、撮影者は表示器251と操作スイッチ群252を用いて、露出制御モード(シャッター優先AE、プログラムAE等)、オートフォーカスモード(ワンショットAF、コンティニュアスAF等)、ドライブモード(単写、連写等)等を設定する。
【0064】
ステップS404では、撮影者による撮影準備スイッチ(フロー図では、SW1と表記)のオン操作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS403に戻り、撮影条件の設定を繰り返し受け付ける。ステップS404で撮影準備スイッチがオン操作されたと判定されたら、ステップS404から脱してステップS411以降を実行する。
ステップS411では、撮影光学系430のズーム状態を認識する。
ステップS412では、測光手段256を用いて被写体輝度を検知する。ステップS413では、検知した被写体輝度とROMに記憶されたプログラム線図に基づいて、撮影時のシャッタ秒時と絞り値を演算する。
【0065】
ステップS414では、前記ステップS411で認識した撮影光学系430のズーム状態とステップS413で演算した撮影時の絞り値に基づいて、光学素子401に印加する電圧をROMに記憶されたルックアップテーブルから呼び出す。
ステップS415では、前記ステップS414で呼び出された電圧が、給電手段144より光学素子401に供給される。その結果、撮影光学系430の周辺光量低下が補償される。
ステップS416では、焦点検出手段154を用いて撮影光学系430の焦点状態を検出する。
続いてステップS417では、フォーカス駆動手段155により、第1レンズ群431を光軸方向に進退させて合焦動作を行なう。その後、ステップS418に進み、撮影スイッチ(フロー図では、SW2と表記)のオン操作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS311に戻り、ズーム状態認識からフォーカス駆動までのステップを繰り返し実行する。
【0066】
以上のごとく、撮影準備動作を繰り返し実行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作すると、ステップS418からステップS431にジャンプする。ステップS431では、クイックリターンミラー247を撮影光束外に退避させる。
ステップS432では、ステップS413で演算した絞り値に基づいて絞り434を絞り込み制御する。
ステップS433では、ステップS413で演算したシャッタ秒時に基づいてフォーカルプレンシャッタ235を駆動制御する。ステップS434では、クイックリターンミラー247を撮影光束内に復帰させると共に、絞り434も開放状態に復帰させる。
ステップS435では、チャージ手段245を駆動してフォーカルプレンシャッタ235を初期状態(羽根走行可能状態)にチャージすると共に、フィルム236を1駒分巻き上げ、ステップS436にて撮影動作が終了する。
【0067】
上記したように、実施例4によると、
・光学素子へ入射する光束の入射高に応じて透過率が漸増し、かつ該光学素子への印加電圧を制御することで、透過率分布を所望の値に制御可能な透過率分布可変フィルタを得ることができる。
・当光学素子を撮影光学系の所定位置に配置することで、撮影光学系の周辺光量低下を軽減でき、高品位画像を取得可能な撮影装置が得られる。
等の点で優れた効果を奏することが可能な光学素子あるいは撮影装置を実現することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、エレクトロウエッティング現象を利用して、メカニカル機構を用いることなく、入射光束の透過率を効率的に自在に変化させる光学素子を得ることができ、従来のものとは異なる方式の小型で簡単な構成の光学素子あるいは撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の光学素子の断面図である。
【図2】本発明の実施例1の光学素子に電圧を印可した時の動作説明図である。
【図3】本発明の実施例1の光学素子の動作説明詳細図である。
【図4】本発明の実施例1の光学素子の透過率説明図である。
【図5】本発明の実施例1の撮影装置の構成図である。
【図6】本発明の実施例1の撮影装置の制御フロー図である。
【図7】本発明の実施例1の光学素子の動作説明詳細図である。
【図8】本発明の実施例2の光学素子の透過率分布説明図である。
【図9】本発明の第2実施例2の撮影装置の構成図である。
【図10】本発明の実施例の撮影装置の制御フロー図である。
【図11】本発明の実施例3の光学素子の動作説明詳細図である。
【図12】本発明の実施例3の光学素子の透過率説明図である。
【図13】本発明の実施例3の撮影装置の構成図である。
【図14】本発明の実施例3の撮影装置の制御フロー図である。
【図15】本発明の実施例4の光学素子の動作説明詳細図である。
【図16】本発明の実施例4の光学素子の透過率分布説明図である。
【図17】本発明の実施例4の撮影装置の構成図である。
【図18】本発明の実施例4の撮影装置の制御フロー図である。
【図19】エレクトロウエッティング現象を説明するための電圧の印加前、印加後の液滴の変化を示す図である。
【符号の説明】
101、201、301、401:光学素子
102:透明基板
103:透明電極
104:絶縁層
107:絞り板
111:撥水膜
112:親水膜
113:親水膜
121、421:第1の液体
122、422:第2の液体
123:光軸
124:界面
125:棒状電極
126:給電手段
130、230、330、430:撮影光学系
134:撮像手段
235:フォーカルプレンシャッタ
236:フィルム
141、241、341、441:撮影装置
142、242、342、442:CPU
234、434:機械式絞り機構
144:給電手段
151、251:表示器
152、252:操作スイッチ群

Claims (6)

  1. 光束の透過光量を制御する光学素子であって
    電性または有極性の第1の液体と、
    前記第1の液体と混合することがなく、かつ該第1の液体と屈折率が実質的に等しい、該第1の液体とは光線吸収能率が異なる第2の液体とを備え、
    第1基板と第2の基板との間に形成された空間内に、前記第1及び第2の液体の界面が所定の光軸を有する略球面の一部をなした状態で密閉されるとともに、
    前記界面の外周縁の直径よりも小さな開口径を有する光束制限部材が前記界面の光軸と同軸上に配置され、
    前記第1の液体への印加電圧の出力を制御して前記界面形状を変化させることにより、前記第1の液体の光軸上の光路長と前記第2の液体の光軸上の光路長を変化させて通過する光束の透過光量を変化させることを特徴とする光学素子。
  2. 前記第1の液体の単位光路長当たりの光線吸収能率が、前記第2の液体の単位光路長当たりの光線吸収能率より小さく、かつ前記第1の液体の前記光軸方向の光路長が前記光軸からの距離が長いほど増大することを特徴とする請求項に記載の光学素子。
  3. 前記第1の液体の単位光路長当たりの光線吸収能率が、前記第2の液体の単位光路長当たりの光線吸収能率より小さく、かつ前記第1の液体の前記光軸上の光路長が印加電圧の出力が大きいほど減少することを特徴とする請求項に記載の光学素子。
  4. 前記第2の液体の単位光路長当たりの光線吸収能率が、前記第1の液体の単位光路長当たりの光線吸収能率より小さく、かつ前記第2の液体の前記光軸方向の光路長が前記光軸からの距離が長いほど減少することを特徴とする請求項に記載の光学素子。
  5. 前記第2の液体の単位光路長当たりの光線吸収能率が、前記第1の液体の単位光路長当たりの光線吸収能率より小さく、かつ前記第1の液体の前記光軸上の光路長が印加電圧の出力が大きいほど減少することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  6. 被写体像を形成する撮影光学系と、
    前記撮影光学系を通過する光束の透過光量を変化させる光学素子と、を有する撮影装置であって
    前記光学素子は、導電性または有極性の第1の液体及び該第1の液体と混合することがなく、かつ該第1の液体と屈折率が実質的に等しい、該第1の液体とは光線吸収能率が異なる第2の液体とを備え、
    第1基板と第2の基板との間に形成された空間内に、前記第1及び第2の液体の界面が所定の光軸を有する略球面の一部をなした状態で密閉されるとともに、 前記界面の外周縁の直径よりも小さな開口径を有する光束制限部材が前記界面の光軸と同軸上に配置され、
    前記第1の液体への印加電圧の出力を制御して前記界面形状を変化させることにより、前記第1の液体の光軸上の光路長と前記第2の液体の光軸上の光路長を変化させて前記撮影光学系を通過する光束の透過光量を変化させることを特徴とする撮影装置。
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