JP2008089752A - エレクトロウエッティング装置とこれを用いた可変焦点レンズ、光ピックアップ装置、光記録再生装置、液滴操作装置、光学素子、ズームレンズ、撮像装置、光変調装置及び表示装置 - Google Patents
エレクトロウエッティング装置とこれを用いた可変焦点レンズ、光ピックアップ装置、光記録再生装置、液滴操作装置、光学素子、ズームレンズ、撮像装置、光変調装置及び表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】導電性又は有極性を有する液体材料部4a、4bと、この液体材料部4a、4bに誘電体層を介在して電圧を印加する電極1とを備えて成るエレクトロウエッティング装置であって、誘電体層が、電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部2として構成される。膜厚を薄く且つ比誘電率を高くでき、駆動電圧を低減化できる。
【選択図】図1
Description
この可変焦点レンズは、基本的に、円筒形等の容器310の中に導電性液体材料部301と、これと混合しない材料より成る絶縁性液体材料部302が充填されて構成される。導電性液体材料部301及び絶縁性液体材料部302は共に光透過性を有し、異なる屈折率をもち、且つ同じ密度(比重)を有する材料とされる。この例では、容器の内壁から一方の端部を覆って外側にかけて第1の電極305が形成され、その内側に、誘電体膜304が形成される。容器310の第1の電極305が覆う側の端部は、ガラス又は光透過性の樹脂等より成る光透過性材料部309が液密に封止され、この光透過性材料部309より成るいわば底面と、容器310の内壁の誘電体膜304を覆って撥水性材料部303、いわゆる撥水コートが被着される。
そして、導電性液体材料部301と接する容器310の一方の端部であるいわば蓋側の端部には、リング状等の第2の電極307が配置され、親水性材料部306、いわゆる親水コートを介してガラス又は光透過性樹脂等より成る光透過性材料部308が液密に封止される。この場合、上述のリング状の第2の電極307の縁部が、この光透過性材料部308の外周面を覆うように延在して形成される。
なお、第1の電極305は、第2の電極307とは離間するように、容器310の内面側の端部が形成される。図示の例では、誘電体膜304も同様に形成した場合を示す。
光透過性材料部309から矢印Liで示すように光を入射させ、もう一方の光透過性材料部308から出射させると、液体材料部301及び302の間の屈折率差と界面曲率によりレンズ効果があり、且つ電圧を印加すると、エレクトロウエッティングにより液体界面曲率が変化するため、その焦点距離が変化する。
このようなエレクトロウエッティング現象を利用した可変焦点レンズは、本質的に放電するとき以外は電流が流れず、消費電力がきわめて小さいこと、また機械的可動部がないので、モータ等によりレンズを移動させている従来の可変焦点レンズと比較して寿命が長いという利点を有する。更に、モータが不要となるため省スペース化を図り、簡単な構成でオートフォーカス機構を提供することが可能である。
導電性又は有極性を有する液体と絶縁性液体の界面変化は、下記の式(1)により示される(上記非特許文献1参照。)。
cosθ=(γSO−γSL)/γ+ε・ε0・V2/(2lγ) ・・・(1)
ただし、
θ:導電性液体材料と容器内壁の接触角
γSO:絶縁性液体材料と容器内壁面の界面張力
γSL:導電性液体材料と容器内壁面の界面張力
γ:導電性液体材料と絶縁性液体材料の界面張力
ε:容器内壁に構成される誘電体膜の比誘電率
ε0:真空中の誘電率
l:誘電体膜の膜厚
V:印加電圧
である。
図18に、上記式(1)で表される電圧印加時の界面張力及び表面張力を模式的に示す。
しかしながら、実際に誘電体膜を成膜するにあたっては、絶縁破壊強度が高く、均一なサブミクロン(1μm未満)の厚さの高誘電体薄膜を、ピンホールを生じることなく円筒形等の容器の内壁に形成するのは困難である。
従来の可変焦点レンズにおいて焦点変化させる駆動電圧が高い原因は、誘電体膜の誘電率εが3程度と低く、誘電体膜の膜厚lが数μm程度と比較的厚いことが挙げられるが、これらは上述したような理由により誘電体薄膜の形成に苦心している結果でもある。
更に、本発明による光記録再生装置は、上述の本発明構成の光ピックアップ装置を備えるものである。
具体的には、例えばアルミニウム、タンタル等のバルブ金属を陽極酸化し生成するアルミナ、5酸化タンタル皮膜等など、陽極酸化により比較的高い誘電率の酸化物が得られる各種の材料を用いることができる。このように、高絶縁、高誘電率を有し、また膜厚の低減化が容易な陽極酸化部を誘電体膜として用いることにより、液体材料部の接触角を変化させる駆動電圧の低減化を図ることができる。
本発明の可変焦点レンズとこれを用いる光ピックアップ装置及び光記録再生装置においては、可変焦点レンズの駆動電圧を低減化することができる。
本発明の液滴操作装置によれば、液滴を操作する駆動電圧の低減化を図ることができる。
また、本発明の光学素子及びズームレンズによれば、光学素子及びズームレンズの駆動電圧を低減化することができる。
同様に、本発明の光変調装置及び表示装置においても、その駆動電圧の低減化を図ることができる。
図1は、本発明のエレクトロウエッティング装置の駆動原理の説明図である。電極1上に、この電極1を陽極酸化して形成された金属酸化物より成る陽極酸化部2が誘電体膜として形成される。この陽極酸化部2の上に、撥水性材料部3を介して導電性又は有極性を有する液体材料部4a、4bが被着される。電圧印加部5による電圧を印加しない状態での導電性材料部4aの接触角をθ0とする。電圧印加部5により電圧を印加すると、液体材料部4bの接触角は、θ(V)<θ0となるθ(V)に変化する。
この場合、誘電体膜として陽極酸化部2を設けることによって、後述するようにその膜厚を容易に極めて薄くすることが可能であり、また比較的高い誘電率とすることができるので、駆動電圧を格段に低減化することができる。
次に、このエレクトロウエッティング装置を適用した可変焦点レンズ等の実施形態例について説明する。
先ず、本発明のエレクトロウエッティング装置を可変焦点レンズに適用した可変焦点レンズの一実施形態例を図2A及びBの概略断面構成図を参照して説明する。
この可変焦点レンズ10は、円筒形等の絶縁性材料より成る容器9の内部に導電性又は有極性を有する第1の液体材料部11と、絶縁性の第2の液体材料部12とを収容する構成とする。この第1及び第2の液体材料部11及び12としては、共に光透過性で異なる屈折率を有し、互いに混合しない材料が選定される。なお、可変焦点レンズを構成する場合は第1及び第2の液体材料部11及び12の比重差が小さいことが望ましい。比重差が小さい場合は、振動や重力による界面形状の変形を抑制できる。なお、容器9のサイズが1mm未満程度と極めて小さい場合や、その他の理由により振動や重力による影響を無視できる場合はこの限りではない。
入射光の通過する方向は第1の液体材料部11側からでも、第2の液体材料部12側からでもよく、用途に応じて適宜選定することができる。
第1の電極15及び陽極酸化部14の容器9の内面の端部は、容器9の他方の端部9Aから距離dをもって離間する形状として形成される。そしてこれら第1の電極15及び陽極酸化部14を含む容器9の内面及び光透過性材料部19の内面を覆って撥水性材料部13、いわゆる撥水コートが被着される。
そして容器9の端部9B側の外周面に延在する第1の電極15と、光透過性材料部18の外周面に延在する第2の電極17との間に、これらに電圧を印加する電圧印加部8が接続される。
第1の電極15の材料としては、その他ニオブ、ハフニウム、チタンなど、陽極酸化によって高い誘電率の金属酸化物を形成することが可能な種々のバルブ金属を用いることができる。
まず、円筒状等の容器9の内壁から一方の端部9Bを覆って電極取り出し領域となる容器9の外周面の一部分にかけて、スパッタリング等によって例えばタンタル薄膜を、ピンホールの発生を回避できる程度の充分な厚さをもって成膜する。または、容器9をタンタルより作製してもよい。
次に、容器9の内壁のみを、りん酸などの電解液が浸るようにして陽極酸化を行う。
そしてこの後、例えば一方の光透過性材料部19を第1の電極15が被着されている側の容器9の端部9Bに例えばエポキシ樹脂等の接着剤を用いて液密に封止して、内面に撥水性材料部13を被着し、その内部に絶縁性の第2の液体材料部12、導電性又は有極性の第1の液体材料部11をこの順に注入する。導電性又は有極性を有する第1の液体材料部11としては例えば塩水、硫酸ナトリウム(Na2SO4)水溶液等の電解質溶液、又はイオン性液体などを用いることができる。絶縁性の第2の液体材料部12としては、例えばシリコーンオイル等を用いることができる。この後、光透過性材料部18上に第2の電極17を上述の図2において説明した形状としてスパッタリング等により被着し、更に表面に親水性材料部16を被膜した後、容器9の他方の端部9Aに接着剤等により液密に封止して、本発明構成の可変焦点レンズを得ることができる。
また、これらの方法により平面でない面、例えば円筒内壁等に成膜すると、膜厚ムラが生じ易くなるため、同様に上記式(1)から、導電性又は有極性の第1の液体材料部11と絶縁性の第2の液体材料部12との界面が球面状とならずに、レンズとしての良好な曲率が得られなくなり、光学的品質が低下する恐れがある。
陽極酸化部は、金属酸化物に変化する過程で体積が増えることから、陽極酸化部においては緻密な膜となり、ピンホールの発生を抑制することが可能である。
更に、タンタル等の金属材料を容器の内壁に成膜する際に、下地である容器の材料が絶縁性物質であれば、タンタル等の金属膜に多少のピンホール欠損があっても絶縁破壊は起こらず、欠損は実用上問題にならない。また、陽極酸化により形成した金属酸化物は化成電圧までは絶縁破壊しないので、得られる陽極酸化部は絶縁破壊強度も高いという効果がある。
したがって、本発明の可変焦点レンズをはじめとするエレクトロウエッティング装置は、従来の真空成膜法やスピンコートなどで誘電体膜を形成する場合と比較して、製造装置や製造方法が簡便で、且つ多量に製造することができる。
これに対し、本発明構成の可変焦点レンズにおいて、例えば金属タンタルを100Vで陽極酸化した場合、比誘電率はおよそ27、膜厚は約0.18μmとなる。上記式(1)における右辺第2項の成分ε/lは、約150倍になる。駆動電圧はこの平方根分の一になるから、前記特許文献1及び非特許文献1に記載の可変焦点レンズに比べ、本発明による場合は、駆動電圧がおよそ1/12になる。
例えば前記非特許文献1に記載の可変焦点レンズでは、導電性材料部として塩水を用い、絶縁性材料部としてシリコーンオイルを用いた場合、球面度数を−100D(ジオプトリ)から+50Dまでの変化を120V程度の駆動電圧で行っている。
これに対し、本発明によれば、導電性材料部及び絶縁性材料部を同様の材料を用いた場合に、同程度の球面度数の変化を10V程度の駆動電圧で達成できる。
更にこの場合、化成電圧が100Vなので絶縁破壊強度にも充分余裕がある。
なお、陽極酸化時の印加電圧を調整して陽極酸化部の膜厚を小さくすれば、更に駆動電圧を低減化して、5V、3V程度の駆動電圧で同程度の球面度数の変化を発生させることも可能である。
このような構成とする場合は、第1の電極15を円筒形状等の容器の表面に部分的にスパッタリング等による成膜を行う必要がなく、製造上有利となる。
図3及び図4に示す構成とする場合においても、上述の図2に示す例と同様に、従来に比して駆動電圧の低減化を図ることができ、また絶縁破壊強度も充分得られるという効果がある。
この場合においても、図示を省略するが、陽極酸化部を設けることによってアレイレンズ160全体の低駆動電圧化を図ることができる。
更に、このようなシリンドリカルタイプの可変焦点レンズ10を図5に示すように併置配列することによって、レンチキュラーレンズタイプのレンズアレイとして構成することも可能である。
レンチキュラーレンズタイプの可変焦点レンズを構成することができれば、3次元画像を電圧制御により表示することが可能な表示装置に適用することが可能であり、小型で且つ実用的な駆動電圧とされた3次元表示装置を提供することができる。
これによって、良好な光学的特性をもって駆動電圧の低減化を図った可変焦点レンズを提供することができる。
また、直流電圧で駆動すると誘電体層に電荷が注入され、エレクトロウエッティング現象が減じられてしまう。これを防ぐためには交流電源で駆動すればよいことが知られている(例えば特開2001−249261号公報参照)。タンタルを100Vで陽極酸化した誘電体膜の場合、膜厚は約180nm、比誘電率は約27である。撥水コートに用いられる材料は総じて誘電率が低い。特にフッ化化合物が撥水には好適であるが、誘電率は2程度である。誘電体膜上に撥水コート層がある状態は、誘電体と撥水層それぞれで構成されるコンデンサーの直列接続とみなせる。
このように膜厚をナノレベル(1μm未満)にするためには、反応性の撥水コート材であるフッ素系シランカップリング剤が好適で、例えばオプツールDSX(ダイキン工業株式会社製、商品名)を用いることができる。オプツールDSX(ダイキン工業株式会社製、商品名)などの反応性撥水コート材は加工方法によって10nm未満、例えば5nm程度以下の膜厚とすることができ、すなわち単分子膜に近い膜厚とすることが可能である。
このように撥水性材料部の膜厚を極めて薄くすると、漏れ電流により撥水性材料部の発熱が小さくなり絶縁破壊を回避できるとともに、撥水性材料部はコンデンサーとして殆ど機能しない。したがって、陽極酸化部と撥水性材料部とはコンデンサーの直列接合とみなされず、陽極酸化部のみのコンデンサーとみなすことができる。このため、陽極酸化部及び撥水性材料部のトータルの誘電率は陽極酸化部のみの値となり、上述した低駆動電圧化の効果を損なうことを回避できる。
以上説明した本発明構成の可変焦点レンズは、駆動電圧を従来に比して格段に低減化することができるため、従来は不可能であった小型の可変焦点レンズを用いる種々の光学装置に適用することが可能となる。
例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc、登録商標)等に代表される各種の光ディスクの記録及び/又は再生を行う光記録再生装置及びその光ピックアップ装置において、収差補正素子や可変倍率とするコリメータレンズ等として用いることができる。
特に、これらの各種の光ディスクを互換とする多波長の光源を用いる光記録再生装置においては、コリメータレンズの焦点距離を可変とする必要があり、本発明による可変焦点レンズを用いる場合は、上述したように、駆動電圧を格段に低減化することができるので、これらの光記録再生装置や光ピックアップ装置への実用化が可能となる。
この光記録再生装置200は、2波長のレーザ光を出射する2波長レーザ型の半導体レーザより成る光源181と、光源181から出射される光を光記録媒体195、例えば光ディスクに入射させる光学系とを有する。この光学系は、この場合偏光ビームスプリッタ183、可変焦点レンズ10、4分の1波長板184、ミラー185、対物レンズ186より構成される。また、光記録媒体195から反射された光を受光部188に導く光学系を有し、この場合対物レンズ186、ミラー185、4分の1波長板184、可変焦点レンズ10、偏光ビームスプリッタ183より構成する。図示の例では、可変焦点レンズ内の第1及び第2の液体材料部のみを示し、第1の液体材料部に電圧を印加する電極や陽極酸化部については図示を省略しているが、可変焦点レンズの構成としては例えば上述の図2、図3又は図4に示す構成とすることが可能である。
対物レンズ186には、2軸アクチュエータ等のアクチュエータ187を有する対物レンズ駆動部190が接続される。また、光記録媒体195は、スピンドルモータ等の回転駆動部192上に載置固定されて、記録再生時には所定の速度で回転される。
受光部188において検出される信号は演算回路189に出力される。図7において、本発明の光ピックアップ装置180には破線を付して示す。
光記録媒体195から反射された光は、対物レンズ186、ミラー185を介して4分の1波長板184及び可変焦点レンズ10を通過する。4分の1波長板を2回通過した光は偏光方向が変換されて偏光ビームスプリッタ183において偏光面で反射され、受光部188の受光面上に入射される。
本発明のエレクトロウエッティング装置は、上述した可変焦点レンズのように光を通過させる機能をもつ光学装置に限定されるものではなく、その他液体材料部の変形を利用した各種の装置に適用することが可能である。この一例として、次に液滴操作装置の一例について説明する。
現在、マイクロサイズの連続した液体フローに対して所定の処理を行うマイクロ流体システムが開発されつつある。特に、「ケミストリ・オン・チップ(chemistry-on-a-chip)」と呼ばれるセンサやアナライザを実現するマイクロ流体デバイスの開発が要請され、これらはラボ・オン・チップ(Labs-On-a-Chip:LoC)及びマイクロトータル分析システム(μ−TAS)としても知られている。マイクロ流体システムを利用して自動化されたチップ形式のデバイスとして構成することにより、高速動作及び携帯が可能であり、安価で信頼性の高い化学(又は生化学)実験機器を提供することができる。その適用範囲は、医療診断用、環境モニタ用、基礎科学研究用などが挙げられる。また例えばマイクロミキサー装置として、圧電素子等による振動や電気泳動を利用したものも提案されているが、エレクトロウエッティング現象を利用することにより、微小な液滴の移動の高精度な制御が可能となる。
そして、これらの基板21及び22が、電極アレイ23及び共通電極29が形成されている側の面を内面側として対向配置され、その間に、導電性又は有極性の材料より成る液滴26が基板21上の撥水性材料部25及び28に接するように配置される。液滴26としては、例えば塩水、硫酸ナトリウム(Na2SO4)水溶液等の電解質溶液、又はイオン性液体を用いることができる。液滴26の周囲はシリコーンオイル等の液体より成る絶縁性材料部27が充填されていてもよい。また、空気などの気体を充填してもよい。
電極アレイ23の各電極23a、23b、23c、・・・、23i・・と基板22上の共通電極29との間に電圧印加部31及び電圧制御部32が接続され、また電圧制御部32と各電極23a、23b、23c、・・・、23i・・との間には、スイッチ部Sa、Sb、Sc、・・・Si、・・が配置される。スイッチ部Sa、・・Si、・・は電圧制御部32により制御されるか、または電圧制御部32内に組み込まれていてもよい。
先ず、図9Aに示すように、例えば電極23bに所定の電圧を印加する。共通電極29は例えば接地電位としてもよい。次に、図9Bに示すように隣接する他の電極23cにも同様に所定の電圧を印加すると、液滴26はエレクトロウエッティング現象によって電圧が印加された電極(この場合23b及び23c)との接触面積が広がり、図示のように電極24c上に底面が広がるような変形を起こす。その後図9Cに示すように、電極23bの電圧を低く、例えば0とすると、液滴26は電極23c上に移動する。このような電圧制御を行うことによって、液滴26を順次移動させる操作が可能となる。なお、このように連続的に隣接する電極に電圧を印加してスムーズに液滴26を移動させるためには、液滴26が安定な状態で、常に隣接する電極に底面が接触するように、液滴26の体積、基板21及び22の間の間隔、電極アレイ23の各電極の移動方向の長さを適切に選定することが必要である。
なお、このような液滴操作装置においても、上述の可変焦点レンズと同様に、撥水性材料部の膜厚を十分薄く、例えば10nm以下の5nm程度とすることが望ましい。薄く成膜するために、反応性の撥水コート材である例えばフッ素系シランカップリング剤を用いることが望ましい。
また上述の実施形態例においては、共通電極29の上に導電性の撥水性材料部28を被着した場合を示すが、この撥水性材料部28についても同様に、膜厚を十分薄く、例えば10nm以下の5nm程度とすることによって、導通可能としてもよい。薄く成膜するためには同様に、反応性の撥水コート材である例えばフッ素系シランカップリング剤を用いることが望ましい。
更に、本発明のエレクトロウエッティング装置は、上述した光ピックアップ装置や光記録再生装置の他、各種の光学装置、例えばカメラ機能付き携帯電話、小型カメラなど、或いは撮像装置における小型の絞り又はシャッター機能を有する光学素子としても利用可能である。
図10A〜Cは、本発明の実施形態例に係る光学素子の一例の概略断面構成図である。この光学素子50は、例えば円筒形状で絶縁性の材料よりなる容器40の両方の開口端である端部40A及び40Bに一対の光透過性材料部48及び49が液密に封止され、これらの光透過性材料部48及び49の間に、導電性又は有極性を有する第1の液体材料部41と、絶縁性を有する第2の液体材料部42とが収容される。第1の液体材料部41としては例えば塩水、硫酸ナトリウム(Na2SO4)水溶液等の電解質溶液、又はイオン性液体、第2の液体材料部42としては例えばシリコーンオイルを用いることができる。そして、容器40の内周面及び光透過性材料部49の内面には撥水性材料部43が被着される。容器40の内周面から光透過性材料部49側の一方の端部40Bにかけて第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極が形成される。第1の電極としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、ハフニウム、チタン等の陽極酸化が可能なバルブ金属を用いることができる。そしてその表面の一部、図示の例では容器40の内周面には、陽極酸化により金属酸化物より成る陽極酸化部44が形成されて誘電体膜として機能する。第1の電極45の内周面側の端部は容器40の他方の端部40Aから離間して配置され、その表面に陽極酸化部44及び撥水性材料部43が覆うように形成される。
そして容器40の端部40B側の外周面に延在する第1の電極45と、光透過性材料部48の外周面に延在する第2の電極47との間に、これらに電圧を印加する電圧印加部51が接続される。
このような構成とすることによって、第1の液体材料部41の本質的に回転対称となる変形を利用して、略真円に近い開口形状をもつ絞り又はシャッター機能を備える光学素子50を提供することができる。通常の絞りやシャッターのように、複数の羽状部材の移動により開口径を変化させる場合はこのように真円の開口形状とすることができず、六角形などの多角形となる。例えば意図的に焦点をずらしたいわゆるソフトフォーカス状態とする場合にはこの開口形状が反映されてしまうが、本発明構成の光学素子を用いることによって、極めて真円に近いソフトフォーカス状態を実現できることとなる。
なお、この光学素子においても、上述の可変焦点レンズ及び液滴操作装置と同様に、撥水性材料部の膜厚を十分薄く、例えば10nm以下の5nm程度とすることが望ましい。薄く成膜するために、反応性の撥水コート材である例えばフッ素系シランカップリング剤を用いることが望ましい。
次に、上述の可変焦点レンズと同様の構成のレンズを利用して、ズームレンズを構成する例について説明する。
図11は、本発明の実施形態例に係るズームレンズの一例の概略断面構成図である。図11に示すように、このズームレンズ102は、例えば上述の図2〜図4において示す可変焦点レンズと同様の構成の2つの可変焦点レンズ70及び90を1組設ける構成とするものである。一方の可変焦点レンズ70は、例えば円筒形状の容器80の両側の開口端にガラス等の光透過性材料部78及び79が液密に封止されて、その内部に導電性又は有極性の第1の液体材料部71と、絶縁性の第2の液体材料部72とが収容される。そして、容器80の内周面及び光透過性材料部79の内面には撥水性材料部73が被着される。容器80の内周面から光透過性材料部79側の一方の端部80Bにかけて第1の液体材料部71に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極75が形成される。そしてその表面の一部、図示の例では容器80の内周面には、陽極酸化により金属酸化物より成る陽極酸化部74が形成されて誘電体膜として機能する。第1の電極75の内周面側の端部は容器80の他方の端部80Aから離間して配置され、その表面に陽極酸化部74及び撥水性材料部73が覆うように形成される。
そして容器80の端部80B側の外周面に延在する第1の電極75と、光透過性材料部78の外周面に延在する第2の電極77との間に、これらに電圧を印加する電圧印加部81が接続されて、可変焦点レンズ70が構成される。
そして容器100の端部100B側の外周面に延在する第1の電極95と、光透過性材料部98の外周面に延在する第2の電極97との間に、これらに電圧を印加する電圧印加部101が接続されて、可変焦点レンズ90が構成される。
このように、2つの可変焦点レンズ70及び90を設けることにより、それぞれのレンズ70及び90内に、第1及び第2の液体材料部71及び72、91及び92の界面を1つずつ備え、全体として第1及び第2の液体材料部の界面を2つ備えた構成となっている。
これに対し、それぞれの可変焦点レンズ70及び90に印加する電圧を変化させた状態を図12に示す。図12において、図11と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図12は、可変焦点レンズ70の第1の液体材料部71は凹レンズ状に、可変焦点レンズ90の第1の液体材料部91は凸レンズ状となっている状態を示す。すなわちこの場合、図11に示す状態においては、可変焦点レンズ70では電圧印加部81から印加する電圧V11を比較的低く(例えばV=0)、可変焦点レンズ90では電圧印加部101から印加する電圧V21を比較的高く設定する。そして、図12に示す状態においては、可変焦点レンズ70では電圧印加部81から印加する電圧V12を比較的高く、可変焦点レンズ90では電圧印加部101から印加する電圧V21を比較的低く(例えばV=0)設定する。これにより、図11に示す状態では、可変焦点レンズ70の第1の液体材料部71の接触角θ(v11)が比較的大きく、図12に示す状態では、接触角θ(v12)は比較的小さくなる。一方、可変焦点レンズ90の第1の液体材料部91は、図11に示す状態では接触角θ(v21)が比較的大きく、図12に示す状態では、接触角θ(v22)が比較的小さくなる。
このようにして、それぞれの可変焦点レンズ70及び90の第1及び第2の電極に印加する電圧を制御して各レンズの焦点距離を制御することによって、例えば図11に示す状態では広角レンズを、図12に示す状態では望遠レンズを構成することができ、すなわち倍率を精度よく制御することができる。
次に、本発明の実施形態例に係る撮像装置の一例を図13の概略構成図を参照して説明する。この撮像装置170は、ズームレンズ171と、絞り172と、フォーカスレンズ173と、シャッター174と、固体撮像素子175を備える構成とする例を示す。固体撮像素子175としては、照射された光エネルギーを電荷に変換する複数の光電変換部、この電荷を蓄積する電荷蓄積部、電荷を転送し、外部に送出する電荷転送部からなるCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイス等を用いることが可能である。
ここで、ズームレンズ171、絞り172、フォーカスレンズ173、シャッター174のうち少なくとも1つを、上述の第1の実施形態例において説明した本発明構成の可変焦点レンズ、第3の実施形態例において説明した絞り又はシャッター機能を有する本発明構成の光学素子、第4の実施形態例において説明した本発明構成のズームレンズを用いて構成する。
すなわち、ズームレンズ171、絞り172、フォーカスレンズ173、シャッター174のうち少なくとも1つは、一対の光透過性材料部の間に導電性又は有極性を有する第1の液体材料部と絶縁性を有する第2の液体材料部とを収容して、第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極と、第1の液体材料部に導通する第2の電極とを有する構成とする。そして、誘電体層を、第1の電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部として構成する。
次に、本発明のエレクトロウエッティング装置を適用して光変調装置を構成する実施形態例について説明する。図14は、本発明の実施形態例に係る光変調装置の一例の要部の概略断面構成図である。この光変調装置130は、上述したシャッター機能を有する本発明構成の光学素子と同様の構成の光変調素子120a、120b、・・・を例えば2次元状に並置配列して構成する例を示す。図14に示すように、この光変調装置130は、一対の平板状の光透過性材料部118及び119の間に、例えば円筒形状の容器を兼ね、1つ1つが光変調素子120a、120b、120c、120d、・・を構成する第1の電極115が複数配置される。図14においては、第1の電極115が一方向に配列された断面を示しているが、例えば図14の紙面に垂直な方向にも同様に配置され、2次元状に並置配列されていてもよい。この第1の電極115としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、ハフニウム、チタン等の陽極酸化が可能なバルブ金属を用いることができる。なお、例えば円筒形状の絶縁性部材等よりなる容器を用いて、その一部に第1の電極115を被着形成してもよい。そしてその内部にそれぞれ導電性又は有極性を有する第1の液体材料部111と、絶縁性の第2の液体材料部112が収容される場合を示す。第1及び第2の液体材料部111及び112のうちいずれか一方、図示の例では第2の液体材料部112の光透過性が、第1の液体材料部111の光透過性に比して低い材料より構成し、第2の液体材料部112が光透過性材料部119側に配置されるように注入される。第1の液体材料部111としては、例えば塩水、硫酸ナトリウム(Na2SO4)水溶液等の電解質溶液、又はイオン性液体を用いることができ、第2の液体材料部112としては、例えばシリコーンオイルを用いることができる。
第1の電極115の表面はこの場合全面的に陽極酸化により形成した金属酸化物より成る陽極酸化部114とされる。
そして、第1及び第2の電極に電圧を印加する電圧印加部121が例えば光透過性材料部118及び119の間、もしくは各電極115及び117から導通部材が引き出されて、光透過性材料部118及び119の外部に配置される。図示の例においては、光透過性材料部118及び119の間に電圧印加部121を設ける例を示す。
また、図示しないが各電圧印加部121には、例えば画像、文字などの情報信号に対応して、各光変調素子120a、120b、・・に印加する電圧を変調する制御部が接続されて、印加する電圧の制御がなされる。例えば従来の液晶表示装置で用いられているTFT(Thin Film Transistor)のようなスイッチング用アクティブ素子とこれに接続される画素電極、走査線及び信号線がマトリクス状に配設されたアクティブ素子アレイ基板を光透過性材料部118として用いることができる。走査線及び信号線の選択によって、画像や文字情報等に対応して各電極に適切な電圧を印加することが可能である。
これについて説明すると、第1及び第2の電極115及び117に比較的高い電圧を印加した状態では、第1の液体材料部111の接触角が比較的小さく、第1及び第2の液体材料部111及び112の界面が球面の一部形状を保持し、光透過性の低い第2の液体材料部112が光透過性材料部119側でいわば一枚の膜状となり、ここを通過する光は遮光される。この状態を光変調素子120a及び120dとして示す。
第1及び第2の電極115及び117に印加する電圧を比較的低くすると、第1の液体材料部111の接触角が大きくなるので、第1の液体材料部111の押圧によって第2の液体材料部112が縁部に押し付けられいわばリング状に変形し、中央に開口が生じて光の一部を通過させる。この状態を光変調素子120b及び120cとして示す。
このように、第1及び第2の電極115及び117に印加する電圧を調整することによって、第2の液体材料部112が側面すなわち第1の電極115の内面に押し付けられる度合い、すなわち開口の大きさを制御することができる。したがって、各光変調素子120a、120b、120c、・・に印加する電圧を情報に対応して制御することによって、これらの光変調素子を通過させる光の光量を制御することができる。各光変調素子120a、120b、120c、・・をそれぞれ一画素として構成することで、表示装置に適用可能な光変調装置130を構成することが可能である。
次に、本発明の実施形態例に係る表示装置の一例について図15の概略分解斜視構成図を参照して説明する。図15に示すように、この場合、上述の第5の実施形態例において説明した構成の光変調装置130を用いて表示装置140を構成するもので、画素に対応して光変調素子122が配列された光変調装置130を用いる。そして例えば光変調装置130の背面側に光源装置132を配置し、また前面側にカラーフィルタ部131が配置される。カラーフィルタ131は、各画素すなわち各光変調素子122に対応した複数のセグメントに分割されている。例えば、3原色である赤色フィルタ(R)、緑色フィルタ(G)、青色フィルタ(B)の3つのセグメントに分割されている。カラーフィルタ131の配列パターンは、図15に示すような正方格子状の配列の他、図示しないがストライプ配列やデルタ配列などとしてもよい。また、光源装置132の光出射側の表面には図示しないが光波の位相差を補償して広視野角化や着色防止を図る機能、入射光を拡散させる機能、輝度向上を図る機能などを備えた光学シート群等を配置してもよい。なお、カラーフィルタ131を設けることなく、白黒表示を行う表示装置140として構成してもよい。
例えば、可変焦点レンズを用いる種々の光学装置、例えば光学測定装置、光学読み取り装置などに適用可能である。また、第1又は第2の液体材料部のどちらか一方を光透過性材料とし、他方を反射率の高い材料を用いて構成することによって、光の偏向方向を制御する光スイッチ素子を構成する場合においても適用可能である。
また、液体材料部の表面形状の変化を利用して液体を噴出させる流体ジェット装置やこれを利用したインクジェット方式のプリンタ装置にも適用可能である。
更に、マイクロウエッティング現象を利用した微小な液滴のミキサー装置、またこれを利用した種々の化学測定装置や生化学測定装置にも本発明を適用することが可能である。
また、液滴の表面形状の変化による高さ(厚さ)の変化を利用して、この液滴の上面に載置する例えば板状部材の位置制御を行い、これにより例えばゴニオメーター(角度計)の機能を備える制御装置を実現することもできる。
これらのいずれのエレクトロウエッティング現象を利用した装置においても、本発明を適用することによって、上述の各実施形態例におけると同様の効果を得ることができる。すなわち、誘電体膜として陽極酸化により形成した陽極酸化部を用いることによって、製造の簡易化、駆動電圧の低減化を図ることができる。また、従来に比して高精度に液体材料部の界面形状を制御することが可能となる。更に、第1の電極として容器を兼用する構成とするか、または第1の電極を形成する容器を絶縁性物質より構成することにより、ピンホール欠損の影響を回避し、また十分高い絶縁破壊強度をもって構成できる。
いずれの場合においても、陽極酸化部の上に被着される撥水性材料部は、その膜厚を十分薄く、例えば10nm以下の5nm程度とすることが望ましい。薄く成膜するために、反応性の撥水コート材である例えばフッ素系シランカップリング剤を用いることが望ましい。
Claims (13)
- 導電性又は有極性を有する液体材料部と、前記液体材料部に、誘電体層を介在して電圧を印加する電極とを備えて成るエレクトロウエッティング装置であって、
前記誘電体層が、前記電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされた
ことを特徴とするエレクトロウエッティング装置。 - 前記誘電体層と前記液体材料部との間に撥水性材料部とが設けられたことを特徴とする請求項1記載のエレクトロウエッティング装置。
- 一対の光透過性材料部の間に、導電性又は有極性を有する第1の液体材料部と、絶縁性の第2の液体材料部とが収容され、
前記第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極と、前記第1の液体材料部に導通する第2の電極とを有し、
前記誘電体層が、前記第1の電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされた
ことを特徴とする可変焦点レンズ。 - 前記一対の光透過性材料部のうち、少なくとも1つの光透過性材料部が、曲面を有する形状とされたことを特徴とする請求項3記載の可変焦点レンズ。
- 前記可変焦点レンズが複数設けられてアレイレンズとされたことを特徴とする請求項3記載の可変焦点レンズ。
- 光源部と、受光部と、光記録媒体と対向する対物レンズと、該対物レンズに前記光源部からの出射光を導く機能と前記対物レンズからの光を集光レンズにより前記受光部に集光する機能をもつ光学系とを有し、前記光源部からの光を前記光記録媒体の所定位置に照射する光ピックアップ装置であって、
前記光学系に、可変焦点レンズが設けられ、
前記可変焦点レンズは、一対の光透過性材料部の間に、導電性又は有極性を有する第1の液体材料部と、絶縁性の第2の液体材料部とが収容され、前記第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極と、前記第1の液体材料部に導通する第2の電極とを有する構造とされ、
前記誘電体層が、前記第1の電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされた
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 光源部と、受光部と、光記録媒体と対向する対物レンズと、該対物レンズに前記光源部からの出射光を導く機能と前記対物レンズからの光を集光レンズにより前記受光部に集光する機能をもつ光学系とを有し、前記光源部からの光を前記光記録媒体の所定位置に照射して記録及び/又は再生を行う光記録再生装置であって、
前記光学系に、可変焦点レンズが設けられ、
前記可変焦点レンズは、一対の光透過性材料部の間に、導電性又は有極性を有する第1の液体材料部と、絶縁性を有する第2の液体材料部とが収容され、前記第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極と、前記第1の液体材料部に導通する第2の電極とを有する構造とされ、
前記誘電体層が、前記第1の電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされた
ことを特徴とする光記録再生装置。 - 基板上に、電極アレイが形成され、前記電極アレイはそれぞれ誘電体層により覆われて成り、
前記誘電体層上に導電性又は有極性を有する液滴が被着され、
前記液滴に導通する共通電極が、前記電極アレイに対向して設けられ、
前記共通電極と前記電極アレイとの間に印加する電圧を制御して、前記液滴を前記電極アレイの配列方向に移動させる電圧制御部とを備えて成り、
前記電極アレイを覆う前記誘電体層は、前記アレイ電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされた
ことを特徴とする液滴操作装置。 - 一対の光透過性材料部の間に、導電性又は有極性を有する第1の液体材料部と、絶縁性を有する第2の液体材料部とが収容され、
前記第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極と、前記第1の液体材料部に導通する第2の電極とが設けられ、
前記第1及び第2の液体材料部のいずれか一方が他方に比して光透過性が低い材料より成り、
前記第1及び第2の液体材料部の界面の形状を、前記第1及び第2の電極に印加する電圧を制御して変化することにより、前記第1及び第2の液体材料部を透過する光の光量が制御され、
前記誘電体層が、前記第1の電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされた
ことを特徴とする光学素子。 - 一対の光透過性材料部の間に、導電性又は有極性を有する第1の液体材料部と、絶縁性の第2の液体材料部とが収容され、前記第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極と、前記第1の液体材料部に導通する第2の電極とを有する可変焦点レンズを1以上備え、
前記1以上の可変焦点レンズに、前記第1及び第2の液体材料部の界面が少なくとも2つ設けられ、
前記第1及び第2の液体材料部の界面の形状を前記第1及び第2の電極に印加する電圧を制御して変化することにより、前記1以上の可変焦点レンズの焦点距離を変化させて倍率が制御され、
前記可変焦点レンズの前記誘電体層が、前記第1の電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされた
ことを特徴とするズームレンズ。 - ズームレンズと、可変焦点レンズと、絞り又はシャッター機能を有する光学素子と、固体撮像素子とを備え、
前記ズームレンズ、可変焦点レンズ及び光学素子のうち少なくとも1つは、一対の光透過性材料部の間に導電性又は有極性を有する第1の液体材料部と絶縁性を有する第2の液体材料部とが収容され、前記第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極と、前記第1の液体材料部に導通する第2の電極とを有する構成とされ、
前記誘電体層が、前記第1の電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされた
ことを特徴とする撮像装置。 - 一対の光透過性材料部の間に導電性又は有極性を有する第1の液体材料部と、絶縁性を有する第2の液体材料部とが収容され、
前記第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極と、前記第1の液体材料部に導通する第2の電極とがそれぞれ設けられ、
前記第1及び第2の液体材料部のいずれか一方が他方に比して光透過性が低い材料より成り、
前記第1及び第2の液体材料部の界面の形状を前記第1及び第2の電極に印加する電圧を制御して変化することにより、入力される情報信号に対応して前記第1及び第2の液体材料部を透過する光の光量が制御される光変調素子として構成され、
前記誘電体層が、前記第1の電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされた
ことを特徴とする光変調装置。 - 光変調装置と、前記光変調装置に光を入力する光源装置とを備え、
前記光変調装置は、
一対の光透過性材料部の間に導電性又は有極性を有する第1の液体材料部と、絶縁性を有する第2の液体材料部とが収容され、
前記第1の液体材料部に誘電体層を介在して電圧を印加する第1の電極と、前記第1の液体材料部に導通する第2の電極とがそれぞれ設けられ、
前記第1及び第2の液体材料部のいずれか一方が他方に比して光透過性が低い材料より成り、
前記第1及び第2の液体材料部の界面の形状を前記第1及び第2の電極に印加する電圧を制御して変化することにより、入力される情報信号に対応して前記第1及び第2の液体材料部を透過する光の光量が制御される光変調素子として構成され、
前記光変調装置に設けられる前記誘電体層が、前記第1の電極を陽極酸化して形成した金属酸化物より成る陽極酸化部とされ、
前記光変調素子が画素に対応して設けられた
ことを特徴とする表示装置。
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