JP4553336B2 - 光学素子、光学装置および撮影装置 - Google Patents

光学素子、光学装置および撮影装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロウェッティング効果(電気毛管現象)を利用した光学素子およびこの光学素子を有する光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レンズを機械的に移動させることなく可変焦点化にするために種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特開平11−133210号公報では、透明液体を密閉容器に封止し、容器が備えている第1電極と導電性弾性板との間に電位差を与えるようにした光学素子が提案されている。
【0004】
この光学素子では、第1電極と導電性弾性板との間に電位差を与えることにより、クーロン力による吸引力を発生させて両者の間隔を狭め、両者の間隔から排斥された透明液体の体積をもって、透明弾性板の中央部分を透明液体に背向して凸形に変形させ、凸状に変形した透明弾性板と透明板と両者の間を満たしている透明液体とで凸レンズを形成させる。そして、この上記電位差を変化させることによって凸レンズのパワーを変化させることで、可変焦点の光学素子を構成している。
【0005】
一方、エレクトロウェッティング効果(電気毛管現象)を用いた可変焦点レンズが、国際特許99/18456号にて開示されている。この可変焦点レンズでは、電気エネルギを直接、密閉容器に封止された第1の透明液体と第2の透明液体との界面が形成するレンズの形状変化に用いることができるため、レンズを機械的に移動させること無く可変焦点にすることができる。その動作原理について本願図7〜図13を用いて説明する。
【0006】
図7および図8には、上記光学素子の構成を示す断面図である。なお、ここでは、光軸123が上下方向に延びているものとして説明する。
【0007】
この図において、101は光学素子の全体を示している。102は中央に凹部を設けた透明アクリル製の透明基板である。この透明基板102の上面には、所定の表面抵抗率を有した、薄膜の抵抗体である透明電極103が形成され、その上面には透明アクリル製の絶縁層104が密着して設けられる。なお、この透明電極103には、後述するように複数の接続部が設けられているが、図7および図8では示していない。
【0008】
絶縁層104は、透明電極103の中央にレプリカ樹脂を滴下し、ガラス板で押しつけて表面を平滑にした後、UV照射を行い硬化させて形成する。絶縁層104の上面には、遮光性を有した円筒型の容器本体105が接着固定され、その上面には透明アクリル製の上カバー106が接着固定される。
【0009】
さらに、上カバー106の上面には、中央部に直径D3の開口を有した絞り板107が配置される。
【0010】
以上の構成において、絶縁層104、容器本体105および上カバー106で囲まれた所定体積の密閉空間、すなわち液室を有した筐体たる容器が形成される。そして、液室の壁面には、以下に示す表面処理が施されている。
【0011】
まず、絶縁層104の中央上面には、直径D1の範囲内に撥水処理剤が塗布され、撥水膜111が形成されている。撥水処理剤としては、フッ素化合物等が好適である。
【0012】
また、絶縁層104の上面の直径D1より外側の範囲には、親水処理剤が塗布され、親水膜112が形成されている。親水剤としては、界面活性剤、親水性ポリマー等が好適である。
【0013】
一方、上カバー106の下面には、直径D2の範囲内に親水処理が施され、親水膜112と同様の性質を有した親水膜113が形成されている。
【0014】
そしてこれまでに説明したすべての構成部材は、光軸123に対して回転対称形状をしている。
【0015】
容器本体105の一部には孔が開けられており、ここに棒状電極125が挿入される。棒状電極125と孔との隙間は接着剤で封止され、液室の密閉性が維持されている。
【0016】
そして、透明電極103の各接続部(不図示)と棒状電極125には給電回路126が接続され、スイッチ127の操作で両電極間に所定の電圧が印加可能になっている。
【0017】
以上の構成の容器内の液室には、以下に示す2種類の液体が充填収容される。
まず、絶縁層104上の撥水膜111の上には、第2の液体122が所定量だけ滴下される。第2の液体122は無色透明で、比重1.06、室温での屈折率1.49のシリコーンオイルが用いられる。
【0018】
また、液室内の残りの空間には、第1の液体121が充填される。第1の液体121は、水とエチルアルコールが所定比率で混合され、更に所定量の食塩が加えられた、比重1.06、室温での屈折率1.38の電解液である。
【0019】
すなわち、第1および第2の液体121,122は、比重が等しく、屈折率が異なり、かつ互いに混ざることのない(不溶な)液体が選定される。そして、両液体121,122は界面124を形成し、混ざり合わずにそれぞれが独立して存在する。
【0020】
次に、界面124の形状について説明する。まず、図7に示すように、第1の液体121と透明電極103間に電圧が印加されていない場合、界面124の形状は、両液体121,122間の界面張力、第1の液体121と絶縁層104上の撥水膜111あるいは親水膜112との界面張力、第2の液体122と絶縁層104上の撥水膜111あるいは親水膜112との界面張力および第2の液体122の体積で決まる。
【0021】
本光学素子101では、第2の液体122の材料であるシリコーンオイルと、撥水膜111との界面張力が相対的に小さくなるように材料選定されている。すなわち、両材料間の濡れ性が高いため、第2の液体122が形成するレンズ状液滴の外縁は広がる性向を持ち、外縁が撥水膜111の塗布領域に一致したところで安定する。つまり、第2の液体122が形成するレンズ底面の直径A1は、撥水膜111の直径D1に等しい。
【0022】
さらに、両液体121,122の比重は上述したように互いに等しいため、これら両液体121,122には見かけ上重力は作用しない。このため、界面124は球面になり、その曲率半径および高さh1は第2の液体122の体積により決まる。また、第1の液体121の光軸上の厚さはt1になる。
【0023】
一方、スイッチ127が閉成され、第1の液体121と透明電極103間に電圧が印加されると、エレクトロウェッティング効果によって第1の液体121と親水膜112との界面張力が減少し、第1の液体121が親水膜112と撥水膜111の境界を乗り越えて撥水膜111上に入り込む。
【0024】
この結果、図8に示すように、第2の液体122が作るレンズの底面の直径はA1からA2に減少し、高さはh1からh2に増加する。また、第1の液体121の光軸上の厚さはt2になる。
【0025】
このように第1の液体121への電圧印加によって、2種類の液体の界面張力の釣り合いが変化し、両液体121,122間の界面124の形状が変わる。このため、給電回路126の電圧制御によって界面124の形状を自在に変えることができる光学素子が実現できる。
【0026】
また、第1および第2の液体121,122が異なる屈折率を有しているため、光学レンズとしてのパワーが付与されることになり、光学素子101は界面124の形状変化によって焦点距離が可変であるレンズとなる。
【0027】
さらに、図7に比べて図8の界面124の方が曲率半径が短くなるので、図8に示した状態の光学素子101の方が図7の状態に比べて光学素子101の焦点距離が短くなる。
【0028】
なお、このエレクトロウェッティングによる2液界面の変形原理は、国際特許99/18456号に開示されており、界面124は、同特許の図2に記載された2液界面のポジションAおよびBに相当する。
【0029】
図9には、給電回路126の出力電圧と光学素子101の変形との関係を示している。
【0030】
同図(a)において、時刻t0に光学素子101に対して電圧値V0の電圧を印加すると、時定数t11で光学素子101の界面124の変形が始まる(図9(b)参照)。このまま電圧印加を続けていても、界面124が所望の変化量δ0に達する迄にはかなり長い時間が必要となる。そこで、光学系としては誤差として許容できる変形量、例えば図9(b)においては所望の界面変化量δ0の95%(0.95δ0と表記)まで界面124が変形した時(時刻t12)に所望の変形量に達したと見なす。
【0031】
この変形量に達しなければ、光学素子101の次の制御、例えば光学素子101に印加している電圧値を変更するといった制御には進まない設定になっている。なお、この許容できる変形量は、光学素子101が組込まれる光学系に基づいて決定されるものである。
【0032】
図10には、上記給電回路126を含む、給電制御回路の構成を示している。
ここでは、透明電極103の複数の接続部に等しい電圧が印加された場合の動作を説明する。
【0033】
130は光学素子101の動作を制御する中央演算処理装置(以下、CPUと略す)であり、ROM、RAM、EEPROM、A/D変換機能、D/A変換機能、PWM(Pulse Width Modulation)機能を有する1チップマイコンである。
【0034】
給電回路126のうち、132は乾電池等の直流電源、133は電源132から出力された電圧をCPU130の制御信号に応じて所望の電圧値へと昇圧するDC/DCコンバータ、134,135はCPU130の制御信号、例えばPWM機能が実現される周波数/デューティ比可変信号に応じて、その信号レベルをDC/DCコンバータ133で昇圧された電圧レベルにまで増幅する増幅器である。
【0035】
また、増幅器134は光学素子101の透明電極103に、増幅器135は光学素子101の棒状電極125にそれぞれ接続されている。なお、ここでは説明を簡略化するために、透明電極103には増幅器134から出力される電圧がその表面に一定の値として印加されるものとする。
【0036】
この構成により、CPU130の制御信号に応じて、電源132の出力電圧がDC/DCコンバータ133、増幅器134、増幅器135によって所望の電圧値、周波数およびデューティで光学素子101に印加されるようになる。
【0037】
図11には、増幅器134,135から出力される電圧波形を示している。なお、DC/DCコンバータ133から増幅器134,135へそれぞれ100Vの電圧が出力されたものとして以下説明を行う。
【0038】
図11(a)に示すように、増幅器134,135はそれぞれ光学素子101に接続されている。増幅器134からは、図11(b)に示すように、CPU130の制御信号により所望の周波数、デューティ比で矩形波形の電圧が出力される。
【0039】
一方、増幅器135からは、図11(c)に示したようにCPU130の制御信号により、増幅器134とは逆位相で、同一周波数、同一デューティ比の矩形波形の電圧が出力される。これにより、光学素子101の透明電極103および棒状電極125間に印加される電圧は、図11(d)に示すように±100Vの矩形波形の電圧、つまり交流電圧となる。
【0040】
このため、給電回路126によって光学素子101には交流電圧が印加されることになる。
【0041】
ところで、光学素子101に印加される電圧の印加開始からの実効値は図11(e)の様に表すことができるので、以後、光学素子101に印加する交流電圧の波形を図11(e)にならって表すこととする。
【0042】
なお、上記説明中、増幅器134,135から矩形波形の電圧が出力されるものとして説明したが、正弦波出力でも同様の構成となる。
【0043】
また、上記説明中、給電回路126に電源132が組込まれた場合について説明を行ったが、外付けの電源によって光学素子101に交流電圧が印加されるようにしてもよい。
【0044】
次に、図12を用いて従来の他の光学素子について説明する。同図において、301は光学素子の全体を示す。302は円盤形の透明アクリルあるいはガラス製の第1の封止板である。
【0045】
303は電極リングで、外径寸法は均一、内径寸法は下方向に向かって徐々にが大きくなっている。この電極リング303は、不導体でできたリング部材の表面に、カーボンと樹脂の混合物等の抵抗体を設けたリング状部材である。
【0046】
電極リング303の内面全周には、アクリル樹脂等でできた絶縁層304が密着形成される。絶縁層304の内径寸法は均一なため、厚さは下に向かって徐々に増加する。そして絶縁層304の内面全周の下側には撥水処理剤が塗布され、撥水膜311が形成されているとともに、絶縁層304の内面全周の上側には親水処理剤が塗布され、親水膜312が形成されている。
【0047】
306は円盤形の透明アクリルあるいはガラス製の第2の封止板で、その一部には孔が開けられた、ここに棒状電極325が挿入される。棒状電極325と孔との隙間は接着剤で封止される。
【0048】
307は光学素子301に入射する光束の径を制限する絞り板であり、第2の封止板306の上面に固定される。そして、第1の封止板302、電極リング303および第2の封止板306は互いに接着固定され、これらの部材で囲まれた所定体積の密閉空間、すなわち液室を有した筐体としての容器が形成される。
【0049】
この容器は、棒状電極325の挿入部以外は光軸323に対して軸対称形状をなしている。そして、液室には、以下に示す2種類の液体が充填される。
【0050】
まず、液室の底面側には、第2の液体322が、その液柱の高さが撥水膜311形成部と同一の高さになる分量だけ滴下される。第2の液体322は無色透明で、比重1.06、室温での屈折率1.49のシリコーンオイルが用いられる。
続いて、液室内の残りの空間には、第1の液体321が充填される。第1の液体321は、水とエチルアルコールが所定比率で混合され、更に所定量の食塩が加えられた、比重1.06、室温での屈折率1.38の電解液である。
【0051】
すなわち、第1および第2の液体321,322は、比重が等しく、屈折率が異なり、かつ互いに混ざることのない(不溶な)液体が選定される。そして、両液体321,322は界面324を形成し、混ざり合わずにそれぞれが独立して存在する。
【0052】
そして、この界面324の形状は、液室(容器)の内壁、第1の液体321および第2の液体322の3物質が交わる点、すなわち界面324の外縁部に働く3つの界面張力の釣り合いで決まる。
【0053】
131は図10に示した給電回路126と同一の構成および作用をなす給電回路である。
【0054】
この給電回路131の増幅器134は電極リング303に接続され、増幅器135は棒状電極325に接続されている。
【0055】
以上の構成において、第1の液体321には棒状電極325を介して電圧が印加され、エレクトロウェッティング効果によって界面324が変形する。
【0056】
次に、光学素子301における界面324の変形と、この変形によってもたらされる光学作用について図13を用いて説明する。
【0057】
まず、第1の液体321に電圧が印加されていない場合、図13(a)に示すように、界面324の形状は、両液体321,322間の界面張力、第1の液体321と絶縁層304上の撥水膜311あるいは親水膜312との界面張力、第2の液体322と絶縁層304上の撥水膜311あるいは親水膜312との界面張力、および第2の液体322の体積で決まる。また、第1の液体321の光軸上の厚さはh1になる。
【0058】
一方、第1の液体321に電圧が印加されると、エレクトロウェッティング効果によって第1の液体321と親水膜312との界面張力が減少し、第1の液体321が親水膜312と撥水膜311の境界を乗り越えて撥水膜311上に入り込む。この結果、図13(b)に示すように、第2の液体322の高さはh1からh2に増加する。また、第1の液体321の光軸上の厚さはt2になる。
【0059】
このように第1の液体321と電極リング303間への電圧印加によって、2種類の液体の界面張力の釣り合いが変化し、両液体321,322間の界面324の形状が変わる。こうして、給電回路131の電圧制御によって界面324の形状を自在に変えられる光学素子が実現できる。
【0060】
また、第1および第2の液体321,322が異なる屈折率を有しているため、光学レンズとしてのパワーが付与されることになり、光学素子301は界面324の形状変化によって焦点距離が変化する可変焦点レンズとなる。
【0061】
さらに、図13(a)の状態に比べて図13(b)の状態での界面324の方が曲率半径が短くなるので、図13(b)の光学素子301の方が図13(a)の状態に比べて光学素子301の焦点距離が短くなる。
【0062】
なお、このエレクトロウェッティング効果による2液界面の変形原理も、国際特許99/18456号に開示されており、界面324は、同特許の図6に記載された2液界面のポジションAおよびBに相当する。
【0063】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、透明液体を密閉容器に封止収容した可変焦点光学素子においては、光軸方向の厚みを薄くしたいという要求がある。
【0064】
しかしながら、光学素子を構成する各部品を、その強度を犠牲にして薄型にすることによって光学素子全体の薄型化を図るには無理があり、また、薄型化のために部品同士のクリアランスを小さくするにも限界がある。
【0065】
また、上記国際特許99/18456号では、薄型化に関する説明はなされていない。
【0066】
そこで本発明は、エレクトロウェッティング効果を利用した光学素子において、光軸方向についての薄型化を図ることができるようにすることを目的としている。
【0067】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、導電性又は極性を有する第1の液体およびこの第1の液体と混合することのない第2の液体を容器内に収容し、第1の液体に接して配置される第1の電極と、前記第1および第2の液体によって形成される界面の端部に対応して配置される第2の電極とに印加する電圧変化させて界面の形状変化させることにより光学特性変化させる光学素子において、容器のうち、該光学素子の光軸を含む第1の領域における光軸方向の厚さが、前記第2の電極が配置された第2の領域における光軸方向の厚さよりも薄くしている
【0068】
この光学素子では、印加電圧の変化に応じて上記界面の周辺部が光軸方向に変位することにより、上記界面の形状(曲率)が変化する。このため、容器の第1の領域における光軸方向寸法を第2の領域における光軸方向寸法よりも小さくしておくことにより、必要な上記界面の周辺部の変位量(つまりは、界面全体の曲率変化量)を確保しつつ、光学素子の第1の領域における光軸方向厚さを薄くすることが可能となる。
【0069】
このように光学素子における第1の領域の薄型化を図ることにより、この光学素子が含まれるレンズユニットを構成するレンズの設計自由度が増し、またレンズユニット全体の光軸方向の寸法を短くすることが可能となる。
【0070】
なお、第2の領域における光軸方向寸法は、第1の領域における光軸方向寸法よりも大きくなっているため、第2の領域におけるスペースを効率良く用いて第2の電極を配置することができる。これにより、上記界面の大きな曲率変化量を得ることが可能である。
【0071】
また、第2の電極を、この第2の電極のうち光軸方向一端側が他端側よりも光軸に近づくように傾けることによって、第2の電極を光軸方向に平行とする場合に比べて、光学素子における第2の領域の薄型化を図ることが可能である。
【0072】
また、第1の電極を、光軸方向を厚さ方向とするシート状に形成し、第1の液体のうち上記界面とは反対側の面に沿って配置することにより第1の電極やこれに対する配線が光軸方向に突出することのない、つまりは薄型の光学素子を構成することが可能である。
【0073】
そして、このような光学素子と第1および第2の電極間への印加電圧を変化させる給電制御回路とを設けて光学装置を構成したり、上記光学素子を含む撮影光学系と給電制御回路とを設けて撮影装置を構成したりすれば、薄型の光学装置および撮影装置を構成することが可能である。
【0074】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1および図2には、本発明の第1実施形態である光学素子の構成を示している。なお、ここでは光軸223が上下方向に延びているものとして説明する。
【0075】
これらの図において、230は光学素子の全体を示している。240は不導体で形成された下容器である。この下容器240の底面のうち周辺部には第1の凹部241が形成されているとともに、これよりも内径側(中心側)には第1の封止板202を保持する第2の凹部242が形成されている。第1の封止板202は、透明アクリルあるいはガラスにより形成されている。
【0076】
この下容器240の周辺壁部の内側全周には第2の電極リング243が設けられており、この第2の電極リング243の表面には、電極端面243aもカバーするアクリル樹脂等でできた絶縁層244が密着形成されている。
【0077】
ここで、下容器240の周辺壁部は、光軸223に対して下端側が上端側よりも光軸223に近づくように傾いている。このため、第1の電極リング243と絶縁層244も共に光軸223に対して傾いている。
【0078】
また、絶縁層244の厚さは、下に向かって徐々に増加している。また、絶縁層244の内面全周の下側には、撥水処理剤が塗布されて撥水211が形成されている。さらに、絶縁層244の内面全周の上側には、親水処理剤が塗布されて親水212が形成されている。
【0079】
250は不導体で形成された上容器であり、その内径側で、透明アクリルあるいはガラスにより形成された第2の封止板206を保持する。また、上容器250の周辺部下面には、シート状の第1の電極リング251が密着形成されている。
【0080】
この第1の電極リング251の表面には、絶縁層252が密着形成されているが、後述する第1の液体221に接してこれに電圧を印加するための露出部251aが備わるように、絶縁層252は第1の電極リング251の外縁側のみをカバーするように形成されている。
【0081】
そして、下容器240の周辺壁部と上容器250とを液密に封止することにより、下容器240、上容器250、第1の封止板202および第2の封止板206で囲まれた所定体積の液室を有した筐体としての容器が形成される。
【0082】
この容器は、光軸223に対して軸対称形状をなしている。そして、液室には、以下に示す2種類の液体が充填される。
【0083】
まず、液室の底面である第1の封止板202の上面および下容器240の周辺側の底面(これらが界面対向面に相当する)には、第2の液体222が、その液柱の高さが周辺壁部の撥水膜211の中間の高さになる分量だけ滴下される。
【0084】
第2の液体222は無色透明で、比重1.06、室温での屈折率1.49のシリコーンオイルが用いられる。続いて、液室内の残りの空間には、第1の液体221が充填される。第1の液体221は、水とエチルアルコールが所定比率で混合され、更に所定量の食塩が加えられた、比重1.06、室温での屈折率1.38の電解液(導電性又は極性を有する液体)である。
【0085】
すなわち、第1および第2の液体221,222は、比重が等しく、屈折率が異なり、かつ互いに混ざることのない(不溶な)液体が選定される。そして、両液体221,222は界面224を形成し、混ざり合わずにそれぞれが独立して存在する。
【0086】
そして、この界面224の形状は、液室(容器)の内面、第1の液体221および第2の液体222の3物質が交わる点、すなわち界面224の外縁部に働く3つの界面張力の釣り合いで決まる。
【0087】
231は第1の電極リング251と第2の電極リング243とに接続された給電回路である。なお、この給電回路231の構成および作用は、図10に示した給電回路126と同一である。
【0088】
給電回路231の2つの増幅器(図示せず)はそれぞれ、第1の電極リング251および第2の電極リング243から上容器250の下面に沿って光軸直交方向に引き出された端子部251b,243bに接続されている。これにより、例えば図12に示した光学素子301のように、電極325および配線が光学素子から光軸方向に突出することを回避でき、電極を含めた光学素子全体の薄型化に有効である。
【0089】
以上の構成において、第1の液体221に第1の電極リング251および第2の電極リング243を介して電圧が印加されると、エレクトロウェッティング効果によって界面224が変形する。
【0090】
次に、光学素子230における界面224の変形と、この変形によってもたらされる光学作用について説明する。
【0091】
まず、第1の液体221に電圧が印加されていない場合、図1に示すように、界面224の形状は、両液体221,222間の界面張力、第1の液体221と絶縁層244上の撥水膜211あるいは親水膜212との界面張力、第2の液体222と絶縁層244上の撥水膜211あるいは親水膜212との界面張力、および第2の液体222の体積で決まる。
【0092】
一方、第1の液体221に電圧が印加されると、エレクトロウェッティング効果によって第1の液体221と親水膜212との界面張力が減少し、第1の液体221が親水膜212と撥水膜211との境界を乗り越えて撥水膜211上に入り込む。この結果、図2に示すように、第2の液体222の光軸上での高さ(光軸方向の厚さ)が増加する。
【0093】
このように第1および第2の電極リング251,243を通じた第1の液体221への電圧印加によって、2種類の液体の界面張力の釣り合いが変化し、両液体221,222間の界面224の形状が変わる。こうして、給電回路231の電圧制御によって界面224の形状を自在に変えられる光学素子が実現できる。
【0094】
また、第1および第2の液体221,222が異なる屈折率を有しているため、光学レンズとしての光学パワー(1/f:fは焦点距離)が付与されることになり、光学素子230は界面224の形状変化によって焦点距離が変化する可変焦点レンズとなる。
【0095】
さらに、図1の状態に比べて図2の状態での界面224の方が曲率半径が短くなるので、図2の状態の方が図1の状態に比べて光学素子230の焦点距離が短くなる。
【0096】
ここで、この時のA部の詳細を図3に示している。図3に示すように、電圧を印加した時の界面224の周縁部は、撥水211(ないし絶縁層244)の下端部からL1だけ離れた位置にあり(これは界面224と絶縁層とのクリアランスに相当する)、また絶縁層244と下容器240に設けられた第1の凹部241とのクリアランス、つまりは電極リング243、絶縁層244、下容器240のそれぞれの製造誤差や組立て誤差を吸収するためのクリアランスはL2となっている。
【0097】
つまり、光学素子の光軸方向の厚みを制限する1つの項目に液室高さが挙げられるが、その中でも上記両クリアランスL1,L2、つまりメカ的なクリアランスによる制限が大きなウエイトを占めている。
【0098】
本実施形態の光学素子230では、上記クリアランスが必要な個所である周辺部のみ液室の高さが大きい設定となっている。つまり、容器底面のうち第の電極リング243の近傍である周辺部に、内径側の第1の封止板202の上面よりも下がった凹部241を設け、容器の周壁部に設けた第2の電極リング243の下部を、第1の封止板202の上面よりも下側(界面224とは反対側)まで延ばすことで、液室内の周辺部の高さT2を確保している。このため、上記クリアランスを十分にとることができる。
【0099】
一方、光軸223付近の内径側はそのようなメカ的な制限がないので、凹部241よりも第1の封止板202の上面を界面224側に高くすることで、液室内径側の高さをT2より小さいT1としている。つまり、第1の封止板202の上面を、凹部241に比べて第2の液体222側に入り込ませた形にしている。なお、内径側の液室高さT1は、界面224の変形による光学素子230の光学性能を満足できる高さは確保されている。
【0100】
より詳しく説明すると、図1に示す状態では、内径側の液室高さは上容器250(第2の封止板206)の下面と第1の封止板202の上面とで規定される高さT1となっており、周辺側の液室高さは上容器250(第2の電極リング251)の下面と下容器240の凹部241とで規定される高さT2となっている。そして、T1<T2の関係にある。
【0101】
以上により、界面224の変形量(曲率変化量)を十分確保しつつ、容器(つまりは光学素子230)の内径側の光軸方向厚さを、周辺側の厚さよりも薄くすることができる。
【0102】
また、本実施形態では、第2の電極リング243を光軸223に対して傾けることにより、周辺側の液室高さT2を、図12および13に示した光学素子301の液室高さ(t1+h1)よりも小さくしている。この結果、光学素子230の周辺側の薄型化も可能である。
【0103】
(第2実施形態)
図4には、本発明の第2実施形態である光学素子の構成を示している。この光学素子370は、図12に示した光学素子301の第1の封止板302に代えて、その形状が、第2の電極リング303の近傍である周辺側部分から光軸323に向かって徐々に界面324側に凸となるよう変化する第1の封止板302を使用したものである。ここで、第1の封止板302のうち第2の液体322と接する面が凸面となり、この凸面と反対側の面が凹面となっている。これにより、液室の厚さは、周辺側が厚く、内径側が薄くなる。
【0104】
本実施形態によっても、第1実施形態にて説明した周辺部でのクリアランスを確保することができるとともに、光学素子370の内径側での光軸方向厚さを薄くすることができる。
【0105】
なお、本発明における容器の形状は、上記各実施形態にて説明したものに限らず、光軸方向を向いた内面であって第2の液体の界面(第1および第2の液体の界面)とは反対側の面が接する界面対向面のうち中心側部分を、周辺側部分よりも上記界面側に形成した容器であればよい。
【0106】
例えば、上記各実施形態では、光軸方向から見たときの容器の形状を全体として円盤形状に形成し、第2の電極を円形リング状に形成した場合について説明したが、容器を矩形盤状や多角形盤状に形成してもよい。この場合、容器の形状に合わせて第2の電極を矩形又は多角形リング(枠)状に形成して容器の周辺壁部に配置する。
【0107】
このように本発明は、容器の形状や電極の形状にかかわらず適用することができる。
【0108】
(第3実施形態)
図5には、上記第1実施形態の光学素子230を光学装置としての撮影装置に応用した例を示している。本実施形態の撮影装置550は、静止画像を撮像素子で電気信号に光電変換し、これをデジタルデータとして記録する、いわゆるデジタルスチルカメラである。
【0109】
図5において、540は複数のレンズ群からなる撮影光学系(結像光学系)であり、第1レンズ群541、第2レンズ群542および光学素子230により構成される。
【0110】
この撮影光学系540は、第1レンズ群541の光軸方向の進退で焦点調節がなされ、光学素子230のパワー変化でズーミングがなされる。第2レンズ群542は移動しないリレーレンズ群である。
【0111】
そして、光学素子230は、第1レンズ群541と第2レンズ群542の間に配置され、第1レンズ群541と光学素子230との間には、絞り開口径を変化させて撮影光量を調整するための絞りユニット543が配置されている。
【0112】
また、撮影光学系540の焦点位置(予定結像面)には、撮像素子544が配置される。これは、照射された光エネルギを電荷に変換する複数の光電変換部、この電荷を蓄える電荷蓄積部およびこの電荷を転送して外部に送出する電荷転送部からなる2次元CCD等の光電変換素子が用いられる。
【0113】
545は画像信号処理回路であり、撮像素子544から入力したアナログの画像信号をA/D変換し、AGC制御、ホワイトバランス、γ補正、エッジ強調等の画像処理を施す。
【0114】
551は液晶ディスプレイ等の表示器で、撮像素子544を通じて取得した被写体像やこの撮影装置550の動作状況を表示する。
【0115】
552はCPU530をスリープ状態からプログラム実行状態に起動するメインスイッチである。
【0116】
553a,553bはそれぞれ、ワイド(W)側およびテレ(T)側のズームスイッチであり、撮影者によるこれらズームスイッチの操作に応じて、撮影光学系540の焦点距離の変更駆動が行われる。
【0117】
554は上記スイッチ以外の操作スイッチ群で、撮影準備スイッチ、撮影開始スイッチ、シャッター秒時等を設定する撮影条件設定スイッチ等で構成される。
【0118】
555は焦点検出装置で、一眼レフカメラに用いられる位相差検出式の焦点検出動作を行うものや、三角測量の原理を用いて被写体までの距離を検出するもの等が用いられる。
【0119】
556はフォーカス駆動回路であり、第1レンズ群541を光軸方向に進退させるアクチュエータとドライバ回路を含み、焦点検出装置555で演算されたフォーカス信号に基づいてフォーカス動作を行ない、撮影光学系540を合焦させる。
【0120】
557は外部メモリであり、撮影された画像信号を記録する。具体的には、着脱可能なPCカード型のフラッシュメモリ等が好適である。
【0121】
図6は、上記撮影装置550が有するCPU530の動作を示す制御フローチャートである。以下、図5および図6を用いて撮影装置550の動作を説明する。
【0122】
ステップS101において、メインスイッチ552がオン操作されたかどうかを判別し、オン操作されていない時はそのまま各種スイッチの操作を待つ待機モードの状態となる。ステップS101においてメインスイッチ552がオン操作されたと判定すると、待機モードを解除し、次のステップS102以降へと進む。
【0123】
ステップS102では、撮影者による撮影条件の設定を受け付ける。例えば、露出制御モードの設定(シャッター優先AE、プログラムAE等)や画質モード(記録画素数の大小、画像圧縮率の大小等)、ストロボモード(強制発光、発光禁止等)等の設定を受け付ける。
【0124】
ステップS103では、撮影者によってW側ズームスイッチ553aが操作されたか否かを判別する。オン操作されていない場合はステップS104に進む。
ここでW側ズームスイッチ553aが操作された場合は、ステップS121に移行する。
【0125】
ステップS121では、W側ズームスイッチ553aの操作量(操作方向やオン時間等)を検出し、その操作量に基づいて対応する焦点距離変化量を演算する(S122)。そして、ステップS123では、その演算結果によって光学素子230への印加電圧量を決定し、給電回路231の出力電圧を制御して光学素子230に電圧を印加する(S124)。そしてステップS102へ戻る。
【0126】
つまり、W側ズームスイッチ553aが操作され続けている場合は、ステップS102からステップS124を繰り返し実行し、W側ズームスイッチ553aのオン操作が終了した時点でステップS104へと移行する。
【0127】
ステップS104では、撮影者によってT側ズームスイッチ553bが操作されたか否かを判別する。オン操作されていない場合はステップS105に進む。
ここでT側ズームスイッチ553bが操作された場合は、ステップS121に移行する。
【0128】
ステップS121では、T側ズームスイッチ553bの操作量(操作方向やオン時間等)を検出し、その操作量に基づいて対応する焦点距離変化量を演算する(S122)。そして、ステップS123では、その演算結果によって光学素子230への印加電圧量を決定し、給電回路231の出力電圧を制御して光学素子230に電圧を印加する(S124)。そしてステップS102へ戻る。
【0129】
つまり、T側ズームスイッチ553bが操作され続けている場合は、ステップS102からステップS124を繰り返し実行し、T側ズームスイッチ553bのオン操作が終了した時点でステップS105へと移行する。
【0130】
ステップS105では、撮影者によって操作スイッチ群554のうち、撮影準備スイッチ(図6のフローチャートではSW1と表記)のオン操作が行われたか否かを判別する。オン操作されていない場合はステップS102に戻り、撮影条件設定の受付けや、ズームスイッチ553a、553bの操作の判別を繰り返す。ステップS105で撮影準備スイッチがオン操作されたと判定すると、ステップS111へ移行する。
【0131】
ステップS111では、撮像素子544および信号処理回路545を駆動して、プレビュー画像を取得する。プレビュー画像とは、最終記録用画像の撮影条件を適切に設定するためおよび撮影者に撮影構図を把握させるために撮影前に取得する画像のことである。
【0132】
ステップS112では、ステップS111で取得したプレビュー画像の受光レベルを認識する。具体的には、撮像素子544が出力する画像信号において、最高、最低および平均の出力信号レベルを演算し、撮像素子544に入射する光量を認識する。
【0133】
ステップS113では、ステップS112で認識した受光量に基いて、撮影光学系540内に設けられた絞りユニット543を駆動して適正光量になるように絞りユニット543の開口径を調整する。
【0134】
ステップS114では、ステップS111で取得したプレビュー画像を表示器551に表示する。続いて、ステップS115では、焦点検出装置555を用いて撮影光学系540の焦点調節状態を検出する。続いて、ステップS116では、フォーカス駆動回路556を通じて第1レンズ群541を光軸方向に進退させ、合焦動作を行なう。
【0135】
その後、ステップS117に進み、撮影スイッチ(フロー図では、SW2と表記)のオン操作がなされたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS111に戻り、プレビュー画像の取得からフォーカス駆動までのステップを繰り返し実行する。
【0136】
以上のように、撮影準備動作を繰り返し実行している最中に、撮影者が撮影スイッチをオン操作すると、ステップS117からステップS131にジャンプする。
【0137】
ステップS131では撮像を行なう。すなわち撮像素子544上に結像した被写体像を光電変換し、光学像の強度に比例した電荷が各受光部近傍の電荷蓄積部に蓄積される。
【0138】
ステップS132では、ステップS131で蓄積された電荷を電荷転送ラインを介して読み出し、読み出しされたアナログ信号を信号処理回路545に入力させる。
【0139】
ステップS133では、信号処理回路545において、入力したアナログ画像信号をA/D変換し、AGC制御、ホワイトバランス、γ補正、エッジ強調等の画像処理を施し、さらに必要に応じてCPU530内に記憶された画像圧縮プログラムでJPEG圧縮等を施す。
【0140】
ステップS134では、上記ステップS133で得られた画像信号をメモリ557に記録すると同時に、ステップS135にて一旦プレビュー画像を消去した後に、ステップS133で得られた画像信号を表示器551に改めて表示する。
その後、給電回路231を制御して光学素子230への電圧印加をオフし(S136)、一連の撮影動作を終了する。
【0141】
なお、本実施形態では、第1実施形態の光学素子を用いた場合について説明したが、第2実施形態にて説明した光学素子も用いることができる。
【0142】
また、本実施形態では、撮影装置の例としてデジタルスチルカメラを取り挙げたが、本発明の光学素子は、ビデオカメラや銀塩カメラといった他の撮影装置や光学系を備えた各種光学装置にも効果を損なわずに適用することができる。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1の領域における光軸方向の寸法を第2の領域における光軸方向の寸法よりも薄くすることにより、必要な上記界面変位量(つまりは、界面全体の曲率変化量)を確保しつつ、光学素子の中心側部分の光軸方向厚さを薄くすることができる。
【0144】
そしてこのように光学素子の中心側部分の薄型化を図ることにより、この光学素子が含まれるレンズユニットを構成するレンズの設計自由度が増し、またレンズユニット全体の光軸方向の寸法を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である光学素子(電圧未印加時)の断面構成図である。
【図2】上記光学素子(電圧印加時)の断面構成図である
【図3】図2のA部の拡大図である。
【図4】本発明の第2実施形態である光学素子の断面構成図である。
【図5】本発明の第3実施形態である撮影装置(光学装置)の構成図である。
【図6】上記撮影装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】従来の光学素子(電圧未印加時)の断面構成図である。
【図8】上記従来の光学素子(電圧印加時)の断面構成図である
【図9】上記従来の光学素子における印加電圧と界面変形量との関係を示す説明図である。
【図10】上記従来の光学素子への印加電圧を制御する給電制御回路の構成図である。
【図11】上記給電制御回路の動作説明図である。
【図12】従来の他の光学素子の断面構成図である。
【図13】上記従来の他の光学素子の断面構成図である。
【符号の説明】
230,370 光学素子
202 第1の封止板
206 第2の封止板
240 下容器
241 凹部
250 上容器
221 第1の液体
222 第2の液体
223,323 光軸
224,324・・・界面
243 第2の電極リング
251 第1の電極リング
325 棒状電極

Claims (7)

  1. 導電性又は極性を有する第1の液体およびこの第1の液体と混合することのない第2の液体を容器内に収容し、前記第1の液体に接して配置される第1の電極と、前記第1および第2の液体によって形成される界面の端部に対応して配置される第2の電極とに印加する電圧を変化させて前記界面の形状を変化させることにより、光学特性を変化させる光学素子において、
    前記容器は、該光学素子の光軸を含む第1の領域における光軸方向の厚さが、前記第2の電極が配置された第2の領域における光軸方向の厚さよりも薄いことを特徴とする光学素子。
  2. 前記第2の電極が、前記容器の周辺壁部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第1の領域のうち光軸方向における一端面が、前記第2の領域のうち光軸方向における一端面よりも前記界面側に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記第2の電極が、この第2の電極のうち光軸方向一端側が他端側よりも光軸に近づいた状態で、光軸方向に対して傾いていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光学素子。
  5. 前記第1の電極は、光軸方向を厚さ方向とするシート状に形成され、前記第1の液体のうち前記界面とは反対側の面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の光学素子。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の光学素子と、前記第1および第2の電極への印加電圧を変化させる給電制御回路とを有することを特徴とする光学装置。
  7. 請求項1から5のいずれか1つに記載の光学素子を含む撮影光学系と、前記第1および第2の電極への印加電圧を変化させる給電制御回路とを有することを特徴とする撮影装置。
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