JP2004333553A - 光量調節装置、撮影装置及びフィルタ - Google Patents

光量調節装置、撮影装置及びフィルタ Download PDF

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一朗 大貫
Eirishi Namazue
英利子 鯰江
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健 宮崎
Akio Kashiwazaki
昭夫 柏崎
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Abstract

【課題】NDフィルタで光量調節を行なう装置における、動画モードと静止画モードでのNDフィルタの駆動制御の最適化を目的とする。
【解決手段】NDフィルタは、少なくとも所定範囲内での濃度分布が均一の均一濃度部を備え、その大きさは絞り開口を実質的に完全に覆うように構成される。そして該NDフィルタを絞り開口に対して相対駆動し、光量調節する装置において、動画モード時はNDフィルタが連続進退し、被写体輝度変化時の透過率制御を連続的に行なう。静止画モード時は、絞り開口内での濃度分布が均一となるようNDフィルタの停止位置を規制し、ボケ像の輝度分布が不均一になるのを防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結像光学系を用いて被写体像を取得するカメラ、すなわち撮影装置に関するもので、更に詳しくは該撮影装置等の光学機器に用いられる光量調節装置、及び該光量装置に好適な光量調節用の光学フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、CCD(charge−coupled device)やC−MOS(complementary metal−oxide semiconductor)センサ等の撮像手段を用いて動画像を磁気テープ媒体に記録するビデオカメラや、同じく撮像手段を用いて静止画像を固体メモリ媒体に記録するデジタルスチルカメラが製品化されている。さらに最近は、固体メモリ媒体の高容量化と、撮影装置の画像信号処理回路の高速高機能化により、動画撮影と静止画撮影の両機能を有した撮影装置も普及しつつある。さらには上記撮像手段の高画素化と小型化に伴い、撮影装置全体の小型化と画像の高精細化も急速に進んでいる。しかし一方では、撮像手段の単位受光部の間隔、いわゆる画素ピッチの狭小化に伴い、撮影光学系が有する光量調節用の絞り開口による回折の影響が無視できなくなっている。すなわち、高輝度被写体撮影時やスローシャッタ撮影時に絞り開口が小さくなると、いわゆる小絞り回折の影響によって画像のコントラストが低下し、撮影光学系が本来有する結像性能や、撮像手段の高画素能力が充分に発揮されず、高精細画像が得られない問題が生じる。そこで、上述した小絞り回折を緩和するために、透過光量減衰用のNeutral Density Filter(以下NDフィルタと称する)を用いた以下のような技術が開示されている。
【0003】
例えば実開昭51−145929号公報では、多数枚の絞り羽根で構成された虹彩絞りにおいて、適数枚の絞り羽根に濃淡のあるNDフィルタを用い、遮光用の羽根が最小絞り径まで絞られたのちに該NDフィルタが光束中に進入し、光量調節する絞り機構が開示されている。
【0004】
また特開平8−43878号公報では、2枚の絞り羽根の各々に、光軸から放射方向外側に向かうにつれて透過率が低下するNDフィルタを形成し、該2枚の絞り羽根を相対駆動することで光量調節する絞り装置が開示されている。
【0005】
また特開2000−106649号公報では、絞り開口形成用のアイリス羽根と多段階濃度のNDフィルタを独立に駆動制御する装置が開示されている。
【0006】
また特開2000−155352号公報では、アクチュエータの動作に伴って同一形状を有する多数枚の絞り羽根が動作して開口径を調節し、次いで該絞り羽根による開口径の変化率が少ない領域でNDフィルタを開口部に挿入することで光量調節する絞り装置が開示されている。
【0007】
一方、動画撮影と静止画撮影の両機能を有した撮影装置においては、取得された動画像と静止画像の画像サイズ(撮影画素数)は異なるのが一般的である。すなわち、動画撮影時は低画素画像を連続して取得し、静止画撮影時は高画素画像を1コマないし数コマ程度取得する。この場合、絞り開口径、すなわち撮影光学系のFナンバが等価でも、低画素の動画像と高画素の静止画像では、小絞り回折の影響度が異なる。そこで、動画撮影と静止画撮影とで、絞り開口の制御形態を異ならせる技術が以下のごとく開示されている。
【0008】
特開2002−64745号公報では、通常撮影時(静止画)は光学性能の保証された規定内絞り範囲(例えばF2.8からF8の範囲)のみを使用する。すなわち収差の大きな開放絞りの使用を制限したり、回折の影響が増大する小絞りの使用を制限することで画質低下を防止し、高精細画像を得ている。また間引き撮影時(動画)は、低画素数画像を取得すればよいので光学収差の許容度が増加するため、光学性能が低下する規定外絞り範囲(例えばF1.4からF11の範囲)まで使用することで、露光調節範囲を広げている。
【0009】
特開2002−204390号公報でも同様に、動画撮影時のFナンバ制御範囲をF1.4からF16に、静止画撮影時のFナンバ制御範囲をF2.8からF8制限することで、上記特開平2002−64745号公報と同様の効果を得ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には、以下のような欠点がある。
【0011】
実開昭51−145929号公報及び特開2000−155352号公報に開示された従来技術では、遮光用の羽根が小絞り径まで絞られたのちにNDフィルタが光束中に進入するため、NDフィルタの制御自由度がない。特に動画撮影時、暗いシーンから明るいシーンに移行した際に突然NDフィルタが進入すると、露出制御の連続性が損なわれ、再生された動画像に大きな違和感を生じる。
【0012】
特開平8−43878号公報に開示された従来技術では、絞り開放状態でNDフィルタが開口内に進入しているため、開放時に光量損失を来たす。また、絞り開口内の上下方向と左右方向でNDフィルタの濃度分布が異なるため、距離差が大きな被写体を撮影する際、ボケ像が不自然になり、特に高品位画像を必要とする静止画撮影には不適な構造である。
【0013】
特開2002−64745号公報及び特開2002−204390号公報に開示された従来技術では、動画撮影と静止画撮影とでそれぞれ最適な絞り制御を行なう技術は開示されているが、NDフィルタを用いた光量調節の開示はなく、小絞り回折の防止は不充分である。
【0014】
特開2000−106649号公報に開示された従来技術では、絞り開口径とNDフィルタによる透過率制御の自由度はあるが、動画撮影と静止画撮影における制御形態の切り換えに関しては詳細な記載はない。
【0015】
そこで本発明は、所定の濃度分布を有したフィルタ、及びそのフィルタを有し高品位画像を得ることができる光量調節装置、撮影装置及びフィルタの提供を目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願の光量調節装置では、開口部を通過する光束の量を調節する光量調節装置において、第1の光学濃度である第1の領域を有するフィルタと、前記第1の領域を前記開口部に対して相対移動させる駆動手段を有し、前記第1の領域が前記開口部を部分的に覆うことを許容する第1の制御モードと、前記開口部の一部を前記第1の領域が覆うことを禁止する第2の制御モードとを選択可能な制御手段とを有する。
【0017】
また上記の目的を達成するために、本願のフィルタでは、所定の大きさを有する開口部を覆うために、第1の光学濃度である第1の領域と、前記第1の光学濃度とは異なる第2の光学濃度である第2の領域を有するフィルタにおいて、前記第1の領域と第2の領域の隣接部においては前記第1の光学濃度と第2の光学濃度を段階的あるいは連続的に形成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1ないし図10は、第1の実施形態に係わる図である。
【0019】
<光量調節装置>
図1は光量調節装置100の要部分解斜視図である。同図において、111は全域に渡って遮光性を有する絞り羽根で、その下面と上面には被駆動用のピン112および113が植設される。絞り羽根111は同一形状のものが6枚用いられ、絞り開口が形成される。
【0020】
121は絞り羽根111を保持する地板で、平面状をなす底面の中央には、絞り開放時の光束の最大径を規定する開口部121cが設けられる。そして該開口部121cの周囲には6個のカム溝121aが設けられ、前記絞り羽根111のピン112が嵌合し、摺接移動可能となっている。
【0021】
131は風車と呼ばれる駆動部材で、中央の開口部131cの周囲には羽根駆動用の6個の穴131aが等間隔で設けられ、該穴131aには前記絞り羽根111のピン113が回転可能に嵌合している。そこで風車131が反時計方向に回動すると、前記6枚の絞り羽根111は上面の被駆動ピン113によって駆動されるが、その際に下面側の被駆動ピン112が前記カム溝121aに規制されて摺動するため、絞り開口径が連続的に減少し、絞り込み動作が行なわれる。また、風車131の上面には、風車の初期位置を検出するための指標132と、被駆動用のギヤ133が設けられる。
【0022】
141は仕切り板で、前記地板121との間に所定の空間を形成し、該空間内に前記羽根111と前記風車131を収容する。仕切り板141の中央には光束通過用の開口部141cが設けられ、その隣りには後述するフィルタとしてのNDフィルタの回転支持軸142が植設される。更に前記風車の指標132の有無を検出するための位相検知用窓141b、後述するピニオンギヤの逃げ穴141eが設けられる。
【0023】
151は円盤状のフィルタとしての、たとえばNDフィルタで、厚さ0.1mm程度の透明樹脂フィルム、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、インクジェット印刷によって後述するNDパターンが形成されるとともに、中心には軸受け152が設けられ、前記仕切り板上の回転支持軸142に回転可能に軸支される。NDフィルタの外周部には、金属板製のギヤ153が接着される。なお、NDフィルタの基材である透明フィルムの外周部をギヤ状の形状としても構わない。さらにNDフィルタ151の上面には、NDフィルタの初期位置を検出するための指標154が設けられる。
【0024】
NDフィルタ151の光減衰用パターンは、本実施形態では以下の5つの領域より構成される。151aは透過率100%の透明部で、光学濃度はゼロ、ND段数(減光段数)もゼロである。ここで、光学濃度(Optical Density、OD値)、透過率Tr(%)、及びND段数は、以下の式(式1)(式2)(式3)で関係付けられる。
【0025】
Figure 2004333553
151cは光学濃度0.6(ND段数は2段)の均一濃度部、151eは光学濃度1.2(ND段数は4段)の均一濃度部である。また、151bは時計回りの位相角方向に沿って光学濃度がゼロから0.6に連続的に変化する第1のグラデーション濃度部、151dは同様の位相角方向に沿って光学濃度が0.6から1.2に連続的に変化する第2のグラデーション濃度部である。
【0026】
161はカバー板で、前記仕切り板141との間に所定の空間を形成し、該空間内に前記NDフィルタ151が収容される。カバー板161の中央には光束通過用の開口部161cが設けられ、更に前記風車の指標132と前記NDフィルタの指標154の有無を検出するための検知用窓161b及び161d、そして後述するピニオンギヤの逃げ穴161e及び161fが設けられる。
【0027】
171は前記風車131を駆動するステップモータで、ピニオンギヤ171aは前記穴161e、141eを貫通して前記風車131に設けられたギヤ133にかみ合う。172は投光素子と受光素子を内蔵した光学的位置検出手段で、前記風車131の上面からの反射光を検出する。そして該検出手段172の直下に前記指標132が対向すると、所定の信号を出力し、風車131の位相角が初期状態に戻ったことを検知できるように構成されている。
【0028】
以上の構成により、検出手段172の出力を観察しながらステップモータ171を駆動して風車131を初期状態に戻し、絞り開口を開放に復帰させる。そしてその位置からステップモータを所定のプログラムに従って駆動することで、絞り開口を任意の大きさに制御できる。なお本実施例においては、上記絞り機構を後述する撮影光学系に組み込んだ際に、Fナンバが開放のF2から小絞り側のF8まで調節できるように構成されている。
【0029】
173は前記NDフィルタ151を駆動するステップモータで、ピニオンギヤ173aは前記穴161fを貫通して前記NDフィルタ151に設けられたギヤ153にかみ合う。174は投光素子と受光素子を内蔵した光学的位置検出手段で、前記NDフィルタ151の上面からの反射光を検出する。そして該検出手段174の直下に前記指標152が対向すると、所定の信号を出力し、NDフィルタ151の位相角が初期状態に戻ったことを検知できるように構成されている。
【0030】
以上の構成により、検出手段174の出力を観察しながらステップモータ173を駆動してNDフィルタ151を初期状態、すなわち透明部151aが開口部141cを覆う状態に戻す。そしてその位置からステップモータを所定のプログラムに従って駆動することで、NDフィルタによる透過光束減衰率を任意の値に制御できる。
【0031】
<フィルタの光学濃度分布>
図2はNDフィルタ151の光学濃度分布詳細を説明するための平面図である。151aは光学濃度ゼロの均一濃度部すなわち透明部(ND段数はゼロ段)、151cは光学濃度0.6の均一濃度部(ND段数は2段)、151eは光学濃度1.2(ND段数は4段)の均一濃度部である。これら3箇所の均一濃度部は扇形をなし、その中心角はすべて90度になっている。また、破線で示した円141cは前記仕切り板141の開口部であるが、これは絞り開放時の有効光束径を表わしている。そして本実施形態では、前記3箇所の均一濃度部151a、151c、151eの形状は、その扇型の中心軸と開口部141cの中心が一致した状態で、該開口部141cを完全に覆うことができる大きさになっている。
【0032】
一方、151bは時計回りの位相角方向に沿って光学濃度がゼロから0.6に連続的に変化する第1のグラデーション濃度部、151dは同様の位相角方向に沿って光学濃度が0.6から1.2に連続的に変化する第2のグラデーション濃度部で、これら2箇所のグラデーション濃度部も扇形をなし、その中心角はいずれも45度になっている。
【0033】
上記濃度分布を有するNDフィルタは、蒸着法、印刷法等によって製作できるが、本出願人による特願2002−041634に記載された技術を用いれば、インクジェット印刷法により、散乱等の光学的欠陥が少なく、かつ滑らかなグラデーション濃度部を有したNDフィルタが製作可能である。
【0034】
<開口部とフィルタの相対位置>
図3は前記NDフィルタの回転角に対する、光束通過開口部とNDフィルタの相対位置を説明するための図である。
【0035】
同図(a)はNDフィルタ151の回転角がゼロ度、すなわち初期位置状態での様子を示す図である。開口部141cの全領域がNDフィルタの透明部151aに覆われている。すなわちこの状態では、絞り開口部の透過率は全領域に渡って均一となり、開口部を通過する光束の強度分布は均一となる。換言すれば、結像面から瞳強度分布が均一となっている。
【0036】
同図(b)はNDフィルタ151の回転角が67.5度の場合で、開口部141cはNDフィルタの第1のグラデーション部151bに覆われている。換言すれば、NDフィルタの均一濃度部151aあるいは151cが開口部141cを部分的に覆っている。この状態では、絞り開口部の透過率は場所によって異なり、開口部を通過する光束の強度分布は不均一となる。換言すれば、結像面から見た瞳強度分布が不均一となっている。
【0037】
同図(c)はNDフィルタ151の回転角が135度の場合で、開口部141cの全領域が光学濃度0.6の均一濃度部151cに覆われている。すなわちこの状態では、絞り開口部の透過率は全領域に渡って均一であり、結像面から見た瞳強度分布も均一となっている。
【0038】
同図(d)はNDフィルタ151の回転角が202.5度の場合で、開口部141cはNDフィルタの第2のグラデーション部151dに覆われている。換言すれば、NDフィルタの均一濃度部151cあるいは151eが開口部141cを部分的に一部を覆っている。すなわちこの状態では、絞り開口部の透過率は場所によって異なり、開口部を通過する光束の強度分布は不均一となる。換言すれば、結像面から見た瞳強度分布が不均一となっている。
【0039】
同図(e)はNDフィルタ151の回転角が270度の場合で、開口部141cの全領域が光学濃度1.2の均一濃度部151eに覆われている。すなわちこの状態では、絞り開口部の透過率は全領域に渡って均一であり、結像面から見た瞳強度分布も均一となっている。
【0040】
<光量調節作用>
図4は、図1に示した光量調節装置100の光量調節作用を説明する図である。同図(a)は、風車131の回転角に対する絞り値、すなわちFナンバの変化の様子を示した図である。同図において、横軸は風車131が時計方向に回転した時の回転角、縦軸は絞り開口のFナンバである。風車131の回転に伴って前記絞り羽根111が連続的に絞り込まれ、Fナンバも2から8まで連続的に変化する。
【0041】
同図(b)は、NDフィルタ151の回転角に対するND段数を示した図である。同図において、横軸はNDフィルタ151が反時計方向に回転した時の回転角、縦軸は前述の(式3)で表わされるND段数である。NDフィルタ151の回転に伴って、濃度ゼロの領域から濃度の高い領域が絞り開口部を覆うため、ND段数もゼロから4まで変化する。ただし、NDフィルタの均一濃度部とグラデーション濃度部が交互に開口を覆うため、ND段数の変化は直線的にはならず、均一濃度部が開口を覆うゼロ度、135度及び270度において、変化率がゼロとなっている。
【0042】
<電子カメラ>
図5は、図1ないし図4で説明した光量調節装置100を撮影装置に配置したものである。本実施の形態では、撮影装置は光学像を撮像手段で電気信号に光電変換し、静止画像及び動画像をデジタルデータして記録する電子カメラを例として説明する。
【0043】
400は複数のレンズ群からなる撮影光学系で、フロントレンズ群401、バリエータレンズ群402、フォーカシングレンズ群403、光学ローパスフィルタ404を有する。本実施形態での撮影光学系の光学仕様は、35mmフィルム換算で焦点距離が35−200mm、開放Fナンバは2であるものとする。100は図1で示した光量調節装置、406は露光時間を調節するシャッタ機構である。
【0044】
また撮影光学系400の焦点位置(予定結像面)には、撮像手段440が配置される。これは照射された光エネルギを電荷に変換する複数の光電変換部、該電荷を蓄える電荷蓄積部、及び該電荷を転送し、外部に送出する電荷転送部からなる2次元CCD等の光電変換手段が用いられる。本実施形態では、300万画素のCCDセンサが用いられるものとする。
【0045】
撮像手段440上に結像した被写体の像は、その明るさの強弱に応じた画素毎の電荷量として、電気信号に変換され、アンプ回路441で増幅された後、カメラ信号処理回路442で所定のγ補正等の処理を施される。なおこの処理は、A/D変換後のデジタル信号処理で行われてもよい。このようにして作られた映像信号はメモリ443に記録される。メモリ443は、フラッシュROM等の半導体メモリ、光磁気ディスク等の光メモリ、磁気テープ等の磁気メモリ等、種々のものが利用可能である。
【0046】
421は液晶ディスプレイ等の表示器で、撮像手段440で取得した被写体像や、光学装置の動作状況を表示する。422は、操作スイッチ群でズームスイッチ、撮影準備スイッチ、撮影開始スイッチ、静止画モードと動画モードを選択する撮影モード選択スイッチ、露出制御モードやAFモード等を設定する撮影条件スイッチで構成される。423はズームアクチュエータで、前記ズームレンズ群402を駆動し、撮影光学系400の焦点距離を変える。424はフォーカスアクチュエータで、前記フォーカシングレンズ群403を駆動し、撮影光学系400の焦点状態を調節する。
【0047】
431はCPUで、撮影装置全体の動作を制御する。432はNDフィルタ駆動回路で、図1の光学的位置検出手段174の出力をモニタしながらステップモータ173を駆動する。そしてNDフィルタ151の回転角を調節し、光束通過開口部の透過率を所望の値に制御する。433は絞り駆動回路で、図1の光学的位置検出手段172の出力をモニタしながらステップモータ171を駆動する。そして風車141の回転角を調節し、絞り値すなわちFナンバを所望の値に制御する。434はシャッタ駆動回路で、前記シャッタ機構406を駆動し、撮像手段440への露光時間を制御する。
【0048】
<CPUフロー>
図6ないし図8は、図5に示した撮影装置が有するCPU431の制御フロー図である。まず図6を用いて、撮影装置のメイン制御フローを説明する。
【0049】
ステップS101を経由して、ステップS102では、撮影者によりメインスイッチがオン操作されたか否かを判別し、オン操作されていない時はステップS102に留まる。ステップS102でメインスイッチがオン操作されたと判定されたら、CPU431はスリープ状態から脱してステップS103以降を実行する。
【0050】
ステップS103では、撮影装置の初期化を行なう。具体的には、沈胴状態にある撮影光学系を撮影可能状態に繰り出し駆動したのち、光量調節装置100内のNDフィルタと絞り羽根を初期位置にリセットする。ステップS104では、静止画撮影か動画撮影かを決める撮影モードや、露出制御モード、焦点調節モード、ホワイトバランスモード、静止画撮影時の画像サイズ等の、各種撮影条件の設定を受け付ける。
【0051】
ステップS105では、上記ステップS104で設定された撮影モードの判別を行ない、静止画撮影モードであればステップS111の動画撮影サブルーチンへ、動画撮影モードであればステップS131の静止画撮影サブルーチンへ移行する。
【0052】
<動画撮影のサブルーチン>
図7は動画撮影のサブルーチンフロー図で、図6のステップS111に分岐した場合の制御フローを示している。ステップS111を経由してステップS112では、撮像素子440で画像信号を取得し、画像信号処理回路442で所定の画像処理を施す。ステップS113では測光演算1を行なう。これは動画撮影用の測光演算で、前記ステップS112で取得した画像情報の最大値、最小値、平均値等を用いて光量調節装置100の制御量を演算するが、詳細は後述する。ステップS114では上記測光演算1で算出したNDフィルタの濃度制御値に基づいて、NDフィルタ151を回転駆動する。ステップS115では、上記測光演算1で算出した絞り制御値に基づいて、風車131を回転駆動し、絞り開口を所定のFナンバに制御する。ステップS116では上記ステップS112で取得した画像信号をプレビュー画像用に変換し、表示器421にプレビュー画像を表示する。
【0053】
ステップS117及びステップS118では、撮影光学系400の焦点調節を行なう。これはいわゆる山登り式サーボAFと呼ばれる、画像信号の高周波成分が最大値となるフォーカス位置を探してレンズを停止させる焦点調節制御である。ステップS123では合焦したか否かを判定し、合焦していない場合は前記ステップS121およびステップS122を繰り返し実行する。合焦した場合はフォーカシングレンズの駆動を停止し、ステップS131へ移行する。
【0054】
ステップS119では、撮影者によって動画撮影用の撮影スイッチがオン操作されたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS112に戻り、光量調節制御、焦点調節制御、及びプレビュー画像表示を繰り返し実行する。ステップS119で撮影スイッチがオン操作されたと判定されたら、ステップS119からステップS121に進む。
【0055】
ステップS121では、撮像装置440で取得した画像信号を、まず動画用画像の画素数30万画素に縮小処理したのち、動画用の画像処理を施す。ステップS122では、動画記録用の画像圧縮を行ない、ステップS123にて圧縮された画像信号をメモリ443に記録する。
【0056】
ステップS124では、撮影者によって撮影スイッチがオフ操作されたか否かを判別する。オフ操作されていない時はステップS112に戻り、光量調節制御、焦点調節制御、プレビュー画像表示、及び記録用動画像のメモリへの記録を繰り返し実行する。ステップS124で撮影スイッチがオフ操作されたと判定されたら、ステップS125で撮影を終了する。
【0057】
<測光演算>
図9は、図7のステップS113における測光演算1の制御形式を説明するための図である。ここで同図(a)は、スチルカメラの露出制御プログラムを説明する際に用いられる、EV線図と称される図であり、同図(b)は被写体の明るさに対するNDフィルタの制御状態を説明する図である。まず同図(a)について説明する。
【0058】
スチルカメラで適正露出を得るための演算式は、一般に以下のAPEX演算式(式4)が用いられる。
【0059】
AV+TV=BV+SV=EV(式4)
ここで、AVは開口値(Aperture Value)、TVは時間値(Time Value)、BVは輝度値(Luminance Value)、SVは感度値(Film Speed Value)、EVは露出値(Exposure Value)である。そして図9(a)の横軸はシャッタ秒時(正確には表示数値の逆数が実露光時間)とこれに対応するTV値が、縦軸には絞り機構のFナンバとこれに対応するAV値が記載してある。なお本発明では、光量調節に虹彩絞りとNDフィルタの両手段を用いるため、縦軸にはFナンバに対してNDフィルタの透過率分を加味したTナンバを記載してある。ここでTナンバ及びAV値は以下の式(式5)(式6)で表わされる。
【0060】
Figure 2004333553
また、同図中の45度線は、等EV値を表わす線で、撮像素子の感度がISO100相当の場合のEV値が45度線の左上側に記載してある。
【0061】
<動画撮影モードの露出制御>
図9は動画撮影モード時の露出制御図であるが、動画撮影においては撮影光学系に配置されたメカニカルシャッタ406は用いず、撮像素子440が有する電子シャッタ機能を用いる。そして動画像の最長シャッタ秒時は動画撮影間隔、いわゆるフレームレートに律則される。本発明では、フレームレートを30[frame/sec]としているため、最長シャッタ秒時はおよそ1/30secになる。
【0062】
以上の条件において、露出制御のプログラム線図を説明する。まずEV値が2以上7未満の領域では、シャッタ秒時は1/30sec、レンズのTナンバは2に固定である。よって、EV7以下では適正露光量が得られないが、その場合には撮像素子440からの画像信号の増幅ゲインを増加して用いる。
【0063】
EV値が7以上13未満の領域では、シャッタ秒時は1/30secに固定、レンズのTナンバを2から16に変化させて適正露光量を得る。そしてEV13からEV19の領域では、レンズのTナンバを16に固定し、電子シャッタによるシャッタ秒時を1/30secから1/2000secに変化させて適正露光量を得る。
【0064】
続いて同図(b)を用いて、各EV値におけるNDフィルタの濃度と絞り制御によるFナンバの組合せについて説明する。図の横軸はEV値、縦軸は左側にシャッタ秒時が、右側にはFナンバとND段数が記載されている。そしてまずEV値が2以上7未満の領域では、シャッタ秒時は1/30sec、絞り制御によるFナンバは開放のF2、NDフィルタのND段数はゼロ、すなわち図2の透明部151a部を使用し、これらの値はすべてEV7以下の任意の領域ですべて固定されている。
【0065】
EV値が7以上13未満の領域では、シャッタ秒時は1/30secに固定、絞り制御によるFナンバはF2からF8まで連続可変、NDフィルタのND段数はゼロから4段まで連続可変となるように制御される。そしてEV13からEV19の領域では、絞り制御によるFナンバはF8、NDフィルタのND段数は4段に固定され、電子シャッタによるシャッタ秒時を1/30secから1/2000secに変化させる。
【0066】
上述した制御では、NDフィルタは図3の(a)から(e)のすべての状態を用いることになるので、NDフィルタを回転駆動すれば開口部を通過する光束の量を連続的に減衰させることができる。
【0067】
以上の光量調節制御により、動画撮影中に被写界の明るさが変化すると、FナンバとNDフィルタの透過率を連続的に変化させるため、露光制御の連続性が保たれ、違和感のない動画像が得られる。またNDフィルタ使用によって、虹彩絞りが必要以上に小絞りとなることを防止でき、小絞り回折が緩和されて高精細な動画像が得られる。
【0068】
<静止画撮影のサブルーチン>
図8は静止画撮影のサブルーチンフロー図で、図6のステップS131に分岐した場合の制御フローを示している。ステップS131を経由してステップS132では、撮像素子440で画像信号を取得し、画像信号処理回路442で所定の画像処理を施す。ステップS133では測光演算1を行なう。本フローは、静止画撮影用サブルーチンであるが、静止画撮影前のプレビュー時には、動画モードで画像取得を行なうので、ここでの測光演算は図7のステップS113と同様の演算を行なう。ステップS134では上記測光演算1で算出したNDフィルタの濃度制御値に基づいて、NDフィルタ151を回転駆動する。ステップS135では、上記測光演算1で算出した絞り制御値に基づいて、風車131を回転駆動し、絞り開口を所定のFナンバに制御する。ステップS136では上記ステップS132で取得した画像信号をプレビュー画像用に変換し、表示器421にプレビュー画像を表示する。
【0069】
ステップS137及びステップS138では、撮影光学系400の焦点調節を行なう。すなわち図7のステップS117及びステップS118と同じく、山登り式サーボAFを実行する。
【0070】
ステップS139では、撮影者によって静止画撮影用の撮影準備スイッチがオン操作されたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS132に戻り、光量調節制御、焦点調節制御、及びプレビュー画像表示を繰り返し実行する。ステップS139で撮影準備スイッチがオン操作されたと判定されたら、ステップS139からステップS141に進む。
【0071】
ステップS141では測光演算2を行なう。これは静止画撮影用の測光演算で、前記ステップS132で取得した画像情報の最大値、最小値、平均値等を用いて光量調節装置100の制御量を演算するが、詳細は後述する。ステップS142では上記測光演算2で算出したNDフィルタの濃度制御値に基づいて、NDフィルタ151を回転駆動する。ステップS143では、上記測光演算2で算出した絞り制御値に基づいて、風車131を回転駆動し、絞り開口を所定のFナンバに制御する。
【0072】
ステップS144及びステップS145では、撮影光学系400の焦点調節を再度行なう。そしてステップS146では合焦したか否かを判定し、合焦していない場合は前記ステップS144およびステップS145を繰り返し実行する。合焦した場合はフォーカシングレンズの駆動を停止し、ステップS147で合焦したプレビュー画像を表示する。
【0073】
ステップS148では、撮影者によって静止画撮影用の撮影スイッチがオン操作されたか否かを判別する。オン操作されていない時はステップS147に戻り、プレビュー画像の表示を継続する。そしてステップS148で撮影準備スイッチがオン操作されたと判定されたら、ステップS148からステップS151に進む。
【0074】
ステップS151では、静止画記録用の画像を取得するために、撮像素子440の電荷蓄積を開始する。ステップS152では、前記ステップS141の測光演算2で算出したシャッタ秒時に基づいて、シャッタ機構406のシャッタ羽根を閉じ方向に駆動し、撮像素子440への光束を遮断する。ステップS153では撮像素子440より電荷を転送し、ステップS154では取得した300万画素相当の画像信号に静止画用の画像処理を施す。ステップS155では、静止画記録用の画像圧縮を行ない、ステップS156にて圧縮された画像信号をメモリ443に記録する。
【0075】
そしてステップS157においてシャッタ機構406のシャッタ羽根を開き方向に復帰駆動し、ステップS158で撮影を終了する。
【0076】
<測光演算>
図10は、図8のステップS141における測光演算2の制御形式を説明するための図である。ここで図10(a)(b)はそれぞれ図9(a)(b)に対応する。
【0077】
図10は静止画撮影モード時の露出制御図であるが、静止画撮影においては撮影光学系に配置されたメカニカルシャッタ406を用いることにより、電荷転送中のスミアを防止する。また、静止画撮影時は動画撮影時のフレームレートに律則されることがないため、最長シャッタ秒時は1/30secより低速側も用いることができる。
【0078】
以上の条件において、露出制御のプログラム線図を説明する。まずEV値が2以上8未満の領域では、レンズのTナンバは2に固定、シャッタ秒時は1secから1/60secに変化させて適正露光量を得る。
【0079】
EV値が8以上17未満の領域では、シャッタ秒時は1/60secから1/500secに変化させ、レンズのTナンバも2から16に変化させて適正露光量を得る。そしてEV17からEV20の領域では、レンズのTナンバを16に固定し、メカニカルシャッタによるシャッタ秒時を1/500secから1/2000secに変化させて適正露光量を得る。
【0080】
続いて同図(b)を用いて、各EV値におけるNDフィルタの濃度と絞り制御によるFナンバの組合せについて説明する。まずEV値が2以上8未満の領域では、シャッタ秒時は各EV値に応じて低速側に変化しているが、絞り制御によるFナンバは開放のF2、NDフィルタのND段数はゼロに固定されている。すなわちこの領域では、NDフィルタ151は図2の透明部151a部を使用していることになる。
【0081】
EV値が8以上11未満の領域では、シャッタ秒時は1/60secから1/125secに連続可変、絞り制御によるFナンバはF2からF4まで連続可変、NDフィルタのND段数はゼロに固定されている。
【0082】
EV値が11を僅かに超えると、絞り制御によるFナンバをF4からF2に戻すとともに、NDフィルタのND段数をゼロから2段に切り換える。(図ではFナンバとND段数の切り換え点をずらして記載しているが、実際には同時に切り換わる)すなわちこの段階では、NDフィルタ151は図2における光学濃度0.6の均一濃度部151cを使用していることになる。
【0083】
EV値が11以上14未満の領域では、シャッタ秒時は1/125secから1/250secに連続可変、絞り制御によるFナンバはF2からF4まで連続可変、NDフィルタのND段数は2段に固定されている。
【0084】
EV値が14を僅かに超えると、絞り制御によるFナンバをF4からF2に戻すとともに、NDフィルタのND段数を2段から4段に切り換える。すなわちこの段階では、NDフィルタ151は図2における光学濃度1.2の均一濃度部151eを使用していることになる。
【0085】
EV値が14以上17未満の領域では、シャッタ秒時は1/250secから1/500secに連続可変、絞り制御によるFナンバはF2からF4まで連続可変、NDフィルタのND段数は4段に固定されている。
【0086】
EV値が17以上19未満の領域では、シャッタ秒時は1/500secから1/2000secに連続可変、絞り制御によるFナンバはF4に固定、NDフィルタのND段数は4段に固定されたままである。
【0087】
上述した制御では、NDフィルタは図3の(a)(c)及び(e)のみの状態を用い、それらの中間である(b)(d)は用いない。換言すれば、均一濃度部が光束通過開口を完全に覆う状態のみを許容し、部分的に覆う状態を禁止している。その理由は、静止画撮影時の画質は動画撮影の画質より更に高品位であることが求められ、焦点の外れたボケ画像にも均一性が要求される。すなわち、撮影光学系400の瞳位置に配置されたNDフィルタの光学濃度分布が、図3(b)(d)のごとく場所によってことなると、ボケ像の対称性が損なわれる。その結果、主被写体と背景の距離差が大きく、かつ背景に輝点があるような撮影シーンでは、輝点のボケ像が非対称になって画像品位を損ねることになる。
【0088】
そこで本実施例においては、静止画撮影時にはNDフィルタの均一濃度部のみを選択的に用いることで、自然なボケ像が得られ、違和感のない静止画像が得られる。またNDフィルタ使用によって、虹彩絞りが必要以上に小絞りとなることを防止でき、小絞り回折が緩和されて高精細な静止画像が得られる。
【0089】
(第2実施形態)
前記第1の実施の形態に用いたNDフィルタは、円盤状の透明フィルム上に、透明部を含む3箇所の均一濃度部と、該均一濃度部の境界部に2箇所のグラデーション濃度部が設けられていた。
【0090】
以下に示す第2実施形態のNDフィルタは、グラデーション濃度部を省略し、複数の均一濃度部のみを有する実施形態を示す。なお、NDフィルタ以外の構成は第1実施形態と同様のため、説明は省略する。
【0091】
<フィルタの光学濃度分布>
図11は、第2実施形態のNDフィルタ251の光学濃度分布詳細を説明するための平面図で、第1実施形態の図2に相当する。251は円盤状のNDフィルタで、機械的な構成は第1実施形態のNDフィルタ151と同一である。すなわちNDフィルタ251は厚さ0.1mm程度の透明樹脂フィルム、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、インクジェット印刷によって後述するNDパターンが形成されるとともに、中心には軸受け252が設けられ、前記仕切り板上の回転支持軸242に回転可能に軸支される。NDフィルタの外周部には、金属板製のギヤ253が接着される。さらにNDフィルタ251の上面には、NDフィルタの初期位置を検出するための指標254が設けられる。
【0092】
251aは光学濃度ゼロの均一濃度部すなわち透明部、251bは光学濃度0.45の均一濃度部、251cは光学濃度0.9の均一濃度部、251dは光学濃度1.35の均一濃度部である。これら4箇所の均一濃度部は扇形をなし、その中心角はすべて90度になっている。
【0093】
<光束通過開口部とフィルタの相対位置>
図12は前記NDフィルタの回転角に対する、光束通過開口部とNDフィルタの相対位置を説明するための図で、第1実施形態の図3に相当する。
【0094】
同図(a)はNDフィルタ251の回転角がゼロ度、すなわち初期位置状態での様子を示す図である。開口部241cの全領域がNDフィルタの透明部251aに覆われている。すなわちこの状態では、絞り開口部の透過率は全領域に渡って均一となり、開口部を通過する光束の強度分布は均一となる。換言すれば、結像面から瞳強度分布が均一となっている。
【0095】
同図(b)はNDフィルタ251の回転角が45度の場合で、開口部241cの上半分はNDフィルタの透明部241aに、下半分は光学濃度0.45の均一濃度部241bに覆われている。換言すれば、NDフィルタの均一濃度部251aあるいは251bが開口部241cを部分的に覆っている。この状態では、絞り開口部の透過率は場所によって異なり、開口部を通過する光束の強度分布は不均一となる。換言すれば、結像面から見た瞳強度分布が不均一となっている。
【0096】
同図(c)はNDフィルタ251の回転角が90度の場合で、開口部241cの全領域が光学濃度0.45の均一濃度部251bに覆われている。すなわちこの状態では、絞り開口部の透過率は全領域に渡って均一となり、開口部を通過する光束の強度分布は均一となる。換言すれば、結像面から瞳強度分布が均一となっている。
【0097】
以下同様に、同図(d)ないし(f)においては、NDフィルタ251の回転角が45度ずつ増加した場合を示し、開口部241c内の透過率は不均一状態と均一状態が交互に現れる。
【0098】
<光量調節作用>
図13は、図11に示したNDフィルタ251の光量調節作用を説明する図で、第1実施形態の図4(b)に相当する。
【0099】
図13は、NDフィルタ151の回転角に対するND段数を示した図である。NDフィルタ251の回転に伴って、濃度ゼロの領域から濃度の高い領域が絞り開口部を覆うため、ND段数もゼロから4.5まで変化する。ただし、NDフィルタの均一濃度部と境界部が交互に開口を覆うため、ND段数の変化は直線的にはならず、均一濃度部が開口を覆うゼロ度、90度、180度及び270度において、変化率がゼロとなっている。
【0100】
<動画撮影モードの露出制御>
図14は、第2の実施の形態におけるNDフィルタ251を撮影装置に組込み、動画モードで撮影する際の露出制御図で、第1実施形態の図9に相当する。NDフィルタの最高段数が、第1実施形態では4段であったのに対して、第2実施形態では4.5段となっている点のみが異なる。
【0101】
<静止画撮影モードの露出制御>
図15は、第2実施形態のNDフィルタ251を撮影装置に組込み、静止画モードで撮影する際の露出制御図で、第1実施形態の図10に相当する。第2実施形態のNDフィルタ251は、均一濃度部が透明部を含めて4箇所あり、各領域の濃度差は0.45なので、前述の(式3)で換算するとND段数差はそれぞれ1.5段となる。よって、被写体のEV値の増加に応じて図14(b)のごとくFナンバとND段数を制御することで、第1実施形態とほぼ同等の効果を得る。
【0102】
本実施の形態のNDフィルタ251はグラデーション濃度部を不要としているので、インクジェット印刷以外の方法、例えばオフセット印刷法や蒸着法を用いて製作することも可能である。
【0103】
一方、本実施形態のNDフィルタ251は均一濃度部同士の境界において、濃度段差が0.45ずつ生じているが、この程度の濃度段差であれば回折による画質低下は許容できるため、動画撮影モード時に該境界部が瞳内に進入して撮影が行なわれても、画質低下は許容し得る。
【0104】
なお、第1実施形態及び第2実施形態のNDフィルタにおいて、各均一濃度部の大きさを絞り開放時の有効光束径よりも大きくしているが、光量調節装置の小型化を図るため、均一濃度部の大きさを有効光束径よりも若干小さな値、例えば有効光束径の80%程度に設定しても構わない。この場合、絞り開放時にボケ像の周辺部に若干の光量不足が生じるが、この程度であればボケ像への違和感は殆ど生じず、絞りを一段絞り込めば実害は全くなくなる。
【0105】
以上説明したように、本願に係る第1の光量調節装置によれば、NDフィルタを用いて撮影光学系を通過する光束の光量調節を行なう際に、NDフィルタは少なくともその一部の領域に均一濃度部を備え、該均一濃度部が絞り開口部を部分的に覆うことを許容する第1の制御モードと、該均一濃度部が絞り開口部を部分的に覆うことを禁止する第2の制御モードとを有することで、光量調節の連続性を重視するか、画像のボケ味の自然さを重視するかを切り換え可能とした。
【0106】
また本願に係る第2の光量調節装置によれば、NDフィルタは光学濃度の異なる均一濃度部を複数備えるため、均一濃度部間の濃度段差を小さくすることができ、均一濃度部同士の境界部を用いた際の回折が緩和され、光量調節の連続性と回折防止の両立を図ることが可能である。
【0107】
また本願に係る第3の撮影装置によれば、動画撮影時には第1の制御モード、静止画撮影時には第2の制御モードを自動で選択するため、動画撮影中に被写体輝度が変化してもNDフィルタによる光量調節量の連続性が保たれ、静止画撮影時には自然なボケ像が得られるとともにNDフィルタの濃度段差による回折も発生せず、高品位静止画像が得られる。
【0108】
また本願に係る第4のNDフィルタによれば、光量減衰、濃度段差による回折の防止、ボケ像悪化防止等の各機能をバランスよく達成した光学フィルタを得ることができる。
【0109】
また本願に係る第5のNDフィルタによれば、多機能NDフィルタが小型かつ安価に構成できる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本願に係る発明によれば、所定の濃度分布を有したフィルタ、及びそのフィルタを有し高品位画像を得ることができる光量調節装置、撮影装置の提供をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における光量調節装置の分解斜視図である。
【図2】第1実施形態におけるNDフィルタの平面図である。
【図3】第1実施形態におけるNDフィルタの回転位相説明図である。
【図4】第1実施形態における光量調節装置の光量調節作用説明図である。
【図5】第1実施形態における撮影装置の構成図である。
【図6】第1実施形態における撮影装置のメイン制御フロー図である。
【図7】第1実施形態における動画撮影サブルーチンフロー図である。
【図8】第1実施形態における静止画撮影サブルーチンフロー図である。
【図9】第1実施形態における動画撮影時の露出制御説明図である。
【図10】第1実施形態における静止画撮影時の露出制御説明図である。
【図11】第2実施形態におけるNDフィルタの平面図である。
【図12】第2実施形態におけるNDフィルタの回転位相説明図である。
【図13】第2実施形態における光量調節装置の光量調節作用説明図である。
【図14】第2実施形態における動画撮影時の露出制御説明図である。
【図15】第2実施形態における静止画撮影時の露出制御説明図である。
【符号の説明】
100 光量調節装置
111 絞り羽根
121 地板
121c 開口部
131 風車
131c 開口部
132 ギヤ
141 仕切り板
151、251 NDフィルタ
161 カバー板
171、173 ステップモータ
172、174 位置検出手段
400 撮影光学系
406 シャッタ機構
440 撮像手段
431 CPU
432 NDフィルタ駆動回路
433 絞り駆動回路
434 シャッタ駆動回路
440 撮像手段

Claims (5)

  1. 開口部を通過する光束の量を調節する光量調節装置において、
    第1の光学濃度である第1の領域を有するフィルタと、
    前記第1の領域を前記開口部に対して相対移動させる駆動手段を有し、
    前記第1の領域が前記開口部を部分的に覆うことを許容する第1の制御モードと、前記開口部の一部を前記第1の領域が覆うことを禁止する第2の制御モードとを選択可能な制御手段と
    を有することを特徴とする光量調節装置。
  2. 前記フィルタは、第2の光学濃度を有する第2の領域を有し、第1、第2の領域の境界部は光学濃度が段階的あるいは連続的に変化することを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
  3. 撮影光学系と、撮像手段と、請求項1あるいは2に記載の光量調節装置を有した撮影装置において、前記第1の制御モードは動画撮影の際、第2の制御モードは静止画撮影の際に対応していることを特徴とする撮影装置。
  4. 所定の大きさを有する開口部を覆うために、第1の光学濃度である第1の領域と、前記第1の光学濃度とは異なる第2の光学濃度である第2の領域を有するフィルタにおいて、
    前記第1の領域と第2の領域の隣接部においては前記第1の光学濃度と第2の光学濃度を段階的あるいは連続的につなぐことを特徴とするフィルタ。
  5. 前記フィルタは所定の回動中心に対して回動可能に支持され、前記第1の領域及び第2の領域は前記回動中心に対して円周方向に隣接して配置されることを特徴とする請求項4に記載のフィルタ。
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