JP2012083552A - 液体レンズ及びこれを備えた機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体を収容する容器101と、該容器内に収容された互いに混和しない電解液105及び非電解液104と、前記電解液に電圧を印加するための電極107と、を備え、前記電解液と前記電極との間に電圧を印加することにより前記電解液と前記非電解液とがなす界面109の曲率を変化させる液体レンズ100であって、前記電解液が、沃素イオンと、該沃素イオンの酸化を防止する水溶性の酸化防止剤と、を含有している。
【選択図】図1
Description
一方、特許文献2は、電解液を構成するアニオンとして、ハロゲンイオン(例えば、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン)、硫酸イオン、炭酸イオン等を用い得ることを開示する。
しかしながら沃素イオンを含有する電解液(沃化物が溶解した沃化物水溶液)は、紫外線等の照射により酸化されて三沃化物イオンを生成し、三沃化物イオンに起因する黄変が生ずることにより分光透過率の低下という不都合が生ずることが判明した。
沃素イオンの酸化を防止する水溶性の酸化防止剤と、を含有していることを特徴とする。
沃素イオンの酸化を防止する水溶性の酸化防止剤を含有する。沃素イオンの酸化を防止する水溶性の酸化防止剤を含有することで、沃素イオンの酸化が抑制される。これにより黄変の原因である三沃化物イオンの生成が抑えられ、分光透過率の低下を抑制し、長期に亘って安定した性能を発揮する液体レンズとなる。更に、他のハロゲン化物に比べて水への溶解度が高い沃化物により生ずる沃素イオンを含有することで比較的広範囲の比重の調整が可能となり、種々の屈折率を有する非電解液に対し、比重が同程度になるように電解液を調整することにより、種々の液体レンズを構成できる。
図1は、液体を収容する容器として円筒型の容器を用いた本発明の液体レンズの一例を示す模式図であり、円筒容器の中心軸(光軸)を含む平面で切断した断面図である。
2I− → I2 + 2e− (式1)
また、式1で生成された沃素は水溶液中の沃素イオンと式2に示す平衡反応を起こして三沃化物イオンを生成する。
ここであえて水溶性の酸化防止剤としているのは、電解液の溶媒として好適な水をはじめとする極性溶媒に良く溶けるという意味であり、溶媒に溶けて酸化防止剤としての機能を十分に発揮させるという観点に基づくものである。それ故、水にはほとんど不溶なジブチルヒドロキシトルエン(BHT)やブチルヒドロキシアニール(BHA)等の酸化防止剤は、本願発明の酸化防止剤には包含されない。
〈実験及び酸化防止剤について〉
表1:酸化防止剤の効果を調べるために調整した標本の組成を示す表
図2は各標本の分光透過率について、標本に含まれる酸化防止剤の質量%濃度と、波長550nmの透過率に対する波長400nmの透過率(以下ではT400/550と称す。)との関係を示した図である。本発明では、各標本における黄変の度合いを表す値としてT400/550を用い、T400/550が0.7未満の標本を黄変が生じた標本とした。
本発明の液体レンズにおいて、電解液と電極との間に印加する電圧としては、交流電圧または直流電圧のいずれも採用可能であるが、絶縁膜表面への電荷チャージアップ低減の観点から交流電圧を印加するのが好適である。
図3は、本発明の液体レンズ302を撮像装置300の光学系301に適用した模式的構成図である。
また、本発明は液体レンズ以外にも特開2000−356792に開示された可変NDフィルタやアポダイゼイションフィルタの液体として用いることも可能である。
本発明の液体レンズを他の光学部材や半導体部材とユニット化して用いる例について説明する。
図4は、本発明の液体レンズ100と、ガラス等からなる固体レンズ160と、CMOSセンサやCCD素子等の撮像素子303と、を保持部材181、182、及び183を用いてユニット化した例である。
また、液体レンズと複数の固体レンズとを組み合わせてズームレンズを構成することも可能である。
本発明の液体レンズをデジタルカメラに適用した例について説明する。
図5は、デジタルカメラの主要部のブロック図である。図5のデジタルカメラでは、本発明の液体レンズ100を固体レンズ160と組合せて用いており、固体レンズ160、液体レンズ100を経た光は、絞り163、シャッター162を経て撮像素子303に像を結ぶ。
504は信号処理部でアナログ信号処理を行い、A/D変換器505でアナログ信号をデジタルに変換する。画像メモリ506はデジタル信号を格納するメモリであり、画像処理部507は信号変換、信号補正等を行う。メインCPU508はデジタルカメラの全動作を制御する。CPU508はROM509に格納された制御プログラムの実行により画像処理部507、カメラ制御部502等の制御を行う。510はプログラム実行の作業領域を提供するRAMであり、511は画素表示部512に表示させる撮影画像を記憶する画像メモリである。圧縮/伸長処理部517は画像メモリ506内の画像情報を符号化し、符号化したデータはI/F518を介してメモリカード519に格納される。
シャッタースイッチ204が押下されることで、カメラ制御部502は調光制御部515に信号を送り、フラッシュ203を発光させる等の所定の動作がなされる。
本発明の液体レンズをカメラ付き携帯電話の撮影レンズに適用した例について説明する。
図6は、本発明の液体レンズを用いた携帯電話の要部を示す模式図である。
図6に示したカメラ付き携帯電話では、カメラ634の撮影レンズ部610に本発明の液体レンズ100を採用し、撮像したい物体の結像面の位置がCCD等の撮像素子303の結像面の位置に合うように構成した点が特徴である。
図6における他の部材はカメラ付き携帯電話における一般的なものであるが、以下簡単に説明する。
本発明の液体レンズを監視カメラに適用した例について説明する。
図7(A)は、本発明の液体レンズを用いた監視カメラの外観を示す模式図であり、図7(B)は、監視カメラシステムのブロック回路図である。
図7(A)において701はレンズユニット部、702は雲台ユニット部、750はレンズユニット部を覆うカバーである。
図7(B)において、レンズユニット部701を構成するレンズの一つとして本発明の液体レンズ100を組み込んだ点が本実施例の特徴である。図7(B)おいては、固体レンズ群160、液体レンズ100、撮像素子303が光軸に沿って並べられており、撮像素子の出力は増幅器714を介して映像処理回路715、フォーカス処理回路716にそれぞれ接続されている。
さらにCPU724は液体レンズ駆動回路717に接続されている。液体レンズ100は液体レンズ駆動回路717により駆動され、焦点の調整を行う。
101 円筒部材
102、103 蓋部材
104 第1の液体
105 第2の液体
106 絶縁体
107 電極
108 電圧印加装置
Claims (12)
- 液体を収容する容器と、該容器内に収容された互いに混和しない電解液及び非電解液と、前記電解液に電圧を印加するための電極と、を備え、前記電解液と前記電極との間に電圧を印加することにより前記電解液と前記非電解液とがなす界面の曲率を変化させる液体レンズであって、前記電解液が、沃素イオンと、該沃素イオンの酸化を防止する水溶性の酸化防止剤と、を含有していることを特徴とする液体レンズ。
- 前記酸化防止剤は、標準酸化還元電位が0.53V以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体レンズ。
- 前記酸化防止剤は、標準酸化還元電位が0.36V以下であることを特徴とする請求項2に記載の液体レンズ。
- 前記電解液は、前記電解液に対する前記酸化防止剤の質量%濃度が0.0025%以上であることを特徴とする請求項3に記載の液体レンズ。
- 前記電解液は、前記電解液に対する前記酸化防止剤の質量%濃度が0.003%以上であることを特徴とする請求項4に記載の液体レンズ。
- 前記沃素イオンは、前記電解液を構成する溶媒に沃化物を加えることにより生成され、前記電解液に対する前記沃化物の質量%濃度が50%以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の液体レンズ。
- 前記酸化防止剤は、アスコルビン酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、グルコース、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、ユビキノン、ピルビン酸、カルボニルレダクターゼの内、いずれか1つ又は複数であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の液体レンズ。
- 請求項1から7のいずれかに記載の液体レンズと、固体レンズとをユニット化したことを特徴とするレンズ。
- 請求項1から7のいずれかに記載の液体レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
- 前記撮像装置は、デジタルカメラである請求項8に記載の撮像装置。
- 前記撮像装置は、監視カメラである請求項8に記載の撮像装置。
- 請求項1から7のいずれに記載の液体レンズを備えたことを特徴とするカメラ付き携帯電話。
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