JP2005292819A - ナノ多孔質半導体材料、光学濃度変化素子及びカメラユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】消色状態と発色状態とのコントラストが大きく、ヘイズの低いエレクトロクロミック素子を提供する。
【解決手段】不純物元素をドープした材料を含む表面抵抗率が5×106Ω/□以上のナノ多孔質半導体材料であって、該ナノ多孔質材料に酸化発色型色素が吸着しているナノ多孔質半導体材料、電子授受可能な材料が電子授受の結果として400nm〜700nmの光学濃度が変化するナノ多孔質半導体材料、そのような材料を含んで成る光学濃度変化素子。
【選択図】図1
【解決手段】不純物元素をドープした材料を含む表面抵抗率が5×106Ω/□以上のナノ多孔質半導体材料であって、該ナノ多孔質材料に酸化発色型色素が吸着しているナノ多孔質半導体材料、電子授受可能な材料が電子授受の結果として400nm〜700nmの光学濃度が変化するナノ多孔質半導体材料、そのような材料を含んで成る光学濃度変化素子。
【選択図】図1
Description
本発明は、不純物元素をドープした半導体材料から成り、表面抵抗率が5×106Ω/□以上であって電子授受可能な材料が吸着していることを特徴とするナノ多孔質半導体材料に関する。特に、そのようなナノ多孔質半導体材料を有するアノード電極、そのようなアノード電極を含んで成る光学濃度変化素子、そのような光学濃度変化素子の起電力発生素子が電磁波に応答して起電力を発生することを特徴とする光学濃度変化素子、およびそのような光学濃度変化素子を有するカメラユニットに関する。
電子の流出入に応じて光学濃度を変えるエレクトロクロミック素子は自動車用防眩ミラー、調光窓等に利用されている。
特徴的なエレクトロクロミック素子として、電子授受の結果として光学濃度が変化するエレクトロクロミック化合物をナノ多孔質材料に化学吸着させた電極を有するものが知られている(例えば、特許文献1および非特許文献2を参照)。
この電極の特徴は、金属的レベルまでに不純物元素をドープした金属酸化物をナノ多孔質材料に利用したことにある。ここで、金属的レベルまでに不純物元素をドープした金属酸化物とは表面抵抗率105Ω/□未満(実施例のドープ率は15%)となるものを意味する。該電極を使用することによって、従来と比べ速く応答するエレクトロクロミック素子が提供された。特に、酸化発色型色素を吸着させた該電極をアノード極として用いた場合、大きな効果があることが開示されている。
この電極の特徴は、金属的レベルまでに不純物元素をドープした金属酸化物をナノ多孔質材料に利用したことにある。ここで、金属的レベルまでに不純物元素をドープした金属酸化物とは表面抵抗率105Ω/□未満(実施例のドープ率は15%)となるものを意味する。該電極を使用することによって、従来と比べ速く応答するエレクトロクロミック素子が提供された。特に、酸化発色型色素を吸着させた該電極をアノード極として用いた場合、大きな効果があることが開示されている。
本発明の筆者等は、上記技術を利用するエレクトロクロミック素子を、撮影装置レンズの透過光量を調節する「調光フィルター」として利用することを鋭意検討した。
その結果、該エレクトロクロミック素子では、<1>消色状態と発色状態とで大きなコントラスト(発色状態の定常状態と消色状態の定常状態との光学濃度の差)が得られない、さらに、<2>ナノ多孔質材料の散乱によるヘイズが大きい、ということが非常に大きな問題となった。消色状態と発色状態とでのコントラストが大きく、かつヘイズの低いエレクトロクロミック素子が、エレクトロクロミック素子をフィルターとしての用途では特に切望される。
特表2003−511837号公報
ジャーナルオブフィジカルケミストリーB (Journal of Physical Chemistry B),2000年,104巻,11449頁
本発明の目的は、消色状態と発色状態とのコントラストが大きく、ヘイズの低いエレクトロクロミック素子を提供することである。また、そのようなエレクトロクロミック素子と起電力発生要素とを組み合わせた調光フィルターを有する撮影装置、についても提供する。
上記課題は下記の不純物元素をドープした材料を含むナノ多孔質半導体材料、そのようなナノ多孔質半導体材料を有する電極、そのような電極を含んで成る光学濃度変化素子、およびそのような光学濃度変化素子と起電力発生要素を組み合わせた調光フィルターを搭載した撮影装置によって解決される。
1.不純物元素をドープした半導体材料を含むナノ多孔質半導体材料であって、5×106Ω/□以上の表面抵抗率を有し、少なくとも1種類の電子授受可能な材料を吸着していることを特徴とするナノ多孔質半導体材料。
2.前記電子授受可能な材料が電子授受の結果として波長400nm〜700nmの光学濃度が変化することを特徴とする上記1記載のナノ多孔質半導体材料。
3.前記電子授受可能な材料が酸化発色型材料であることを特徴とする上記1または2に記載のナノ多孔質半導体材料。
4.前記電子授受可能な材料が電子授受の結果として波長400nm〜700nmの光学濃度が0.5以上変化可能な材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナノ半導体材料。
2.前記電子授受可能な材料が電子授受の結果として波長400nm〜700nmの光学濃度が変化することを特徴とする上記1記載のナノ多孔質半導体材料。
3.前記電子授受可能な材料が酸化発色型材料であることを特徴とする上記1または2に記載のナノ多孔質半導体材料。
4.前記電子授受可能な材料が電子授受の結果として波長400nm〜700nmの光学濃度が0.5以上変化可能な材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナノ半導体材料。
5.前記不純物元素をドープした半導体材料が、
(a) F、Cl、Sb、P、As、Nb、TaまたはBをドープしたSnO2
(b) Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnO
(c) Sn、Ge、Mo、F、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、TeまたはPbをドープしたIn2O3
(d) InまたはSnをドープしたCdO
(e) BiをドープしたPbO2
(f) SnをドープしたGa2O3
(g) Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnS
(h) C、Si、Ge、Sn、Pb、O、S、SeまたはTeをドープしたGaN
(i) F、Cl、BrまたはIをドープしたTiO2
の中から選ばれた、単独化合物または2種以上からなる複合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料。
(a) F、Cl、Sb、P、As、Nb、TaまたはBをドープしたSnO2
(b) Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnO
(c) Sn、Ge、Mo、F、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、TeまたはPbをドープしたIn2O3
(d) InまたはSnをドープしたCdO
(e) BiをドープしたPbO2
(f) SnをドープしたGa2O3
(g) Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnS
(h) C、Si、Ge、Sn、Pb、O、S、SeまたはTeをドープしたGaN
(i) F、Cl、BrまたはIをドープしたTiO2
の中から選ばれた、単独化合物または2種以上からなる複合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料。
6.前記不純物元素をドープした半導体材料がSbをドープしたSnO2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料。
7.前記半導体材料への不純物元素のドープ量が0.1〜5%であることを特徴とする
上記1〜6のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料。
上記1〜6のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料。
8.前記電子授受可能な材料が下記式I〜IIIで表される化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材
料。
料。
[式中のXはSまたはOであり、R1、R2はそれぞれ独立に
(式中、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R4〜R7はそれぞれ独立に水素;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のアルキレン基;炭素原子数6〜12の置換または無置換のアリール基;ハロゲン;ニトロ基;または炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、nは1〜10である)から選ばれる。]
9.前記1〜8のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料を含有する光学濃度変化
素子。
素子。
10.該素子の消色状態の波長400 nmでの光学濃度が0.2以下、好ましくは0.125以下であることを特徴とする上記9記載の光学濃度変化素子。
11.(a)透明または半透明支持体を含んで成り、この透明または半透明支持体がその内側表面に導電性コーティングを有しており、この導電性コーティングが上記1〜10のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料を有している第一極、(b)透明または半透明支持体を含んで成り、この透明または半透明支持体がその内側表面に導電性コーティングを有しており、この導電性コーティングが半導体材料から成るナノ多孔質材料を有しており、このナノ多孔質材料に還元発色型色素または還元により光学濃度が変化しない材料が吸着している第二極、および(c)これら電極のナノ多孔質材料同士が対向するように配置した間に電解質層を含んで成ることを特徴とする光学濃度変化素子。
12.前記光学濃度変化素子が表面反射層を有することを特徴とする上記9〜11のいずれかに記載の光学濃度変化素子。
13. 該光学濃度変化素子に起電力を供給する素子が電磁波に応答し起電力を発生することを特徴とする上記9〜12のいずれかに記載の光学濃度変化素子。
14. 前記13に記載の光学濃度変化素子を有することを特徴とするカメラユニット。
15. 起電力発生素子と光学濃度変化素子が分離していることを特徴とする上記14に記載のカメラユニット。
15. 起電力発生素子と光学濃度変化素子が分離していることを特徴とする上記14に記載のカメラユニット。
16. 電磁波が紫外光および/または可視光であることを特徴とする上記14または15に記載のカメラユニット。
17. 起電力発生要素が半導体からなる受光素子を有することを特徴とする上記14〜16のいずれかに記載のカメラユニット。
17. 起電力発生要素が半導体からなる受光素子を有することを特徴とする上記14〜16のいずれかに記載のカメラユニット。
18. 起電力発生要素がSi、TiO2、SnO2またはZnOの少なくとも1つを一部ないしは複数含有することを特徴とする上記14〜17のいずれかに記載のカメラユニット。
19. 光学濃度変化素子がレンズの光軸上に設置されていることを特徴とする上記14〜18のいずれかに記載のカメラユニット。
20. カメラユニットがレンズ付きフィルムであることを特徴とする上記14〜19記載のいずれかに記載のカメラユニット。
不純物元素をドープした半導体材料で構成した、表面抵抗率が5×106Ω/□以上のナノ多孔質半導体材料を用いることによって、次のような顕著な技術的効果が得られた。
第一に、従来公知のナノ多孔質材料よりも、大きなコントラスト、小さなヘイズ値を特長とするエレクトロクロミック素子の提供が可能になる。
第二に、本発明のエレクトロクロミック素子と起電力発生要素とを組み合わせた光学素子 (カメラユニット、電子スチルカメラ、携帯電話用の撮像素子ユニット) に搭載することで、撮影領域の拡大を実現できた。
第一に、従来公知のナノ多孔質材料よりも、大きなコントラスト、小さなヘイズ値を特長とするエレクトロクロミック素子の提供が可能になる。
第二に、本発明のエレクトロクロミック素子と起電力発生要素とを組み合わせた光学素子 (カメラユニット、電子スチルカメラ、携帯電話用の撮像素子ユニット) に搭載することで、撮影領域の拡大を実現できた。
以下、本発明についてさらに詳述する。
本発明において「ナノ多孔質材料」とは、より多くのクロミック材料が吸着できるよう、ナノメートルオーダの凹凸を形成し表面積を増やした材料を意味する。多孔質化の程度は、投影した平面に対する実際に有効な表面積の割合を表す「粗さ係数」によって表され、粗さ係数は20以上が好ましく、150以上がより好ま
しい。
しい。
該ナノ多孔質材料を形成する一手法として、ナノメートルオーダの超微粒子を結着させる方法が挙げられる。この場合、用いる粒子のサイズやそのサイズ分散を最適化することで、電磁波がナノ多孔質材料で吸収あるいは散乱されて生じる透過光の損失を最低限に抑えることが可能となる。用いる粒子のサイズは好ましくは100nm以下、より好ましくは1nm以上60nm以下、さらに好ましくは2nm以上40nm以下であるべきである。また、サイズはなるべく単分散であることが好ましい。
本発明において「半導体材料」とは一般的な定義に従う。例えば、物理学辞典(培風館刊)によれば、「半導体」材料とは、金属と絶縁体との中間的な電気抵抗をもつ物質を意味する。
本発明において「不純物元素をドープした半導体材料」とは一般的な定義に従う。例えば、物理学辞典(培風館刊)によれば、「不純物半導体」とは、ドナーやアクセプターなどの不純物を含み、これらから供給される電子や正孔によって電気伝導が支配される半導体であって、広義では不純物半導体は欠陥や深い不純物をもっているものと定義される。本研究では、上記の広義の不純物半導体も含む。
本発明において「ドープ」とは、「ドーピング」をさしており、一般的な定義に従う。例えば、物理学辞典(培風館刊)によれば、「ドーピング」とは結晶中に少量の不純物を添加することを意味し、その手法は合金法、拡散法、またはイオン注入法などがある。ドープする不純物元素の量は、半導体を構成する元素に対する不純物元素のモル比によって表す。不純物元素のドープ量は、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは0.1〜3%、さらに好ましくは0.1〜1%である。
不純物元素をドープしたナノ多孔質材料の代表的な作製方法として、例えば下記の二手法が挙げられる。一手法は、(1)不純物元素をドープした材料1種類のみから作製するものであり、もう一手法は、(2)不純物元素のドープ量が異なる材料を2種類以上混合して作製するものである。例を用いて具体的に述べると、Sbドープ率1%のナノ多孔質SnO2を作製する場合、(1)Sbドープ率1%のSnO2粒子のみを用い作製する方法と、(2)SnO2粒子(ノンドープ、すなわちドープ率0%)とSbドープ率10%のSnO2粒子とを用いて、(SnO2粒子):(Sbドープ率10%SnO2粒子)=90:10の比率で混合して作製する方法である。
不純物元素をドープしたナノ多孔質材料の代表的な作製方法として、例えば下記の二手法が挙げられる。一手法は、(1)不純物元素をドープした材料1種類のみから作製するものであり、もう一手法は、(2)不純物元素のドープ量が異なる材料を2種類以上混合して作製するものである。例を用いて具体的に述べると、Sbドープ率1%のナノ多孔質SnO2を作製する場合、(1)Sbドープ率1%のSnO2粒子のみを用い作製する方法と、(2)SnO2粒子(ノンドープ、すなわちドープ率0%)とSbドープ率10%のSnO2粒子とを用いて、(SnO2粒子):(Sbドープ率10%SnO2粒子)=90:10の比率で混合して作製する方法である。
本発明において「不純物元素をドープした半導体材料から成るナノ多孔質半導体材料の表面抵抗率」とは該ナノ多孔質半導体材料のみが存在する状態で測定した同半導体材料層の表面抵抗率の値をさす。ナノ多孔質半導体材料の表面抵抗率は5×106Ω/□以上が好ましく、107Ω/□以上がより好ましく、5×107Ω/□以上がさらに好ましい。上限は、不純物ドープされた半導体材料であれば特に制限はないが、1×1010Ω/□以下が好ましい。
ナノ多孔質材料半導体の表面抵抗率は、該多孔質材料として用いる不純物元素をドープした半導体の不純物元素のドープ量、不純物元素の種類によって、主に制御可能である。しかし、表面低効率の制御法は上記方法のみに限らない。例えば、同じ不純物元素で同じドープ率を有するナノ粒子を用いた場合、ナノ多孔質材料の膜厚を変化させることによってもある程度表面抵抗率を制御することができる。
ナノ多孔質材料半導体の表面抵抗率は、該多孔質材料として用いる不純物元素をドープした半導体の不純物元素のドープ量、不純物元素の種類によって、主に制御可能である。しかし、表面低効率の制御法は上記方法のみに限らない。例えば、同じ不純物元素で同じドープ率を有するナノ粒子を用いた場合、ナノ多孔質材料の膜厚を変化させることによってもある程度表面抵抗率を制御することができる。
エレクトロクロミック素子の調光フィルターへの利用を妨げている問題の一つは、上述したように消色状態と発色状態のコントラストの小ささであった。つまり、透明性の高い消色状態と、発色濃度の濃い発色状態との両立ができていないことであった。従来技術の「不純物元素からなる半導体材料からなるナノ多孔質材料」に酸化発色型色素を吸着させた場合、消色状態の透明性は低いものの、発色効率が良く十分な発色濃度が得られる。一方で、不純物元素をドープしていない「ノンドープな半導体材料からなるナノ多孔質材料」に酸化発色型色素を吸着させた場合、消色状態の透明性は高いものの、発色効率が悪く十分な発色濃度が得られない。本発明は、前記の表面抵抗率を有するナノ多孔質材料をアノード電極に用いる場合、著しくかつ予想外に高いコントラスト (消色状態の透明性が高くかつ発色効率が良く十分な発色濃度) を有するエレクトロクロミック素子が得られるという知見によってこの問題を解決した。
本発明において、不純物元素をドープした半導体材料の例を次に挙げるが、これらに何ら限定されるものではない。例えば、(a)F、Cl、Sb、P、As、Nb、Ta
またはBをドープしたSnO2、(b)Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnO、(c)Sn、Ge、Mo、F、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、TeまたはPbをドープしたIn2O3、(d)InまたはSnをドープしたCdO、(e)BiをドープしたPbO2、(f)SnをドープしたGa2O3、(g)Al、Ga、B、In、Y 、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnS、(h)C、Si、Ge、Sn、Pb、O、S、SeまたはTeをドープしたGaN、(i)F、Cl、BrまたはIをドープしたTiO2の中から単独、または2種以上の複合物等が挙げられる。用いる不純物元素ドープの半導体材料は、好ましくはSbドープ SnO2、Fドープ SnO2、Snドープ In2O3、SnドープZnO、より好ましくはSbドープ SnO2、Fドープ SnO2、さらに好ましくはSbドープ SnO2である。
またはBをドープしたSnO2、(b)Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnO、(c)Sn、Ge、Mo、F、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、TeまたはPbをドープしたIn2O3、(d)InまたはSnをドープしたCdO、(e)BiをドープしたPbO2、(f)SnをドープしたGa2O3、(g)Al、Ga、B、In、Y 、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnS、(h)C、Si、Ge、Sn、Pb、O、S、SeまたはTeをドープしたGaN、(i)F、Cl、BrまたはIをドープしたTiO2の中から単独、または2種以上の複合物等が挙げられる。用いる不純物元素ドープの半導体材料は、好ましくはSbドープ SnO2、Fドープ SnO2、Snドープ In2O3、SnドープZnO、より好ましくはSbドープ SnO2、Fドープ SnO2、さらに好ましくはSbドープ SnO2である。
本発明において「光学濃度」とは、光学濃度変化素子に対する入射光強度をI0、透過光強度をITとした際に
数式1;
A=−log(IT/I0)
A=−log(IT/I0)
なる式で表される値Aをさす。
該ナノ多孔質材料に吸着させる酸化発色型色素は前記の式I〜IIIに何ら限られない。例えば、式I〜III以外のものとしてスチリル系色素が挙げられる。
スチリル系色素とは式(3)
に示すような基本骨格を持つ化合物である。式中、nは1〜5の整数である。この化合物は式中の任意の場所に任意の置換基を有して良い。
酸化発色型色素は、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の吸着性の置換基を有することは好ましい。以下に化合物を具体例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において「光学濃度を変化させる素子(光学濃度変化素子)」とは、起電力発生要素により発生した起電力、すなわち電気エネルギーにより光学濃度を変化させ、電磁波の透過率を変化させる素子をいう。
本発明において「電磁波」とは一般的な定義に従う。例えば、物理学辞典(培風館刊)によれば、電場と磁場には、時間的に一定な静的場と時間的に変動し空間の遠方まで伝播する波動場があり、この波動場が電磁波と定義されている。具体的には、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波に分類される。本発明が対象とする電磁波はこれら全てを含むものであるが、本発明の光学素子をカメラユニットの調光システムとして適用する場合に特に対象となるのは、好ましくは紫外線、可視光線、赤外線であり、より好ましくは紫外線、可視光線である。
以下、該光学濃度変化素子について詳細に説明する。
光学濃度変化素子は、導電性コーティングを担持した支持体、電子の流出入に応じて光学濃度変化可能な材料 (クロミック材料) を吸着させたナノ多孔質材料層を有するアノード電極、該アノード電極と対向するカソード電極、両電極間に存在する電解質等から構成される。該カソード電極に本発明のナノ多孔質材料を用いても良いが、該アノード電極に本発明のナノ多孔質半導体材料を用いた場合により有効である。図1に、光学濃度変化素子の代表的な構成の1例を示す。図1において、クロミック材料はナノ多孔質材料層に吸着している (33a、33b)。
クロミック材料は、上下の導電性コーティング32から供給される電気エネルギーに応じて各々光学濃度が変化する。このクロミック材料の光学濃度の変化に応じて、入射する電磁波hνはクロミック材料に吸収され透過する光量が変化する。
光学濃度変化素子の形態は図1の形態に限定されることなく用途に応じて多様な形態をとることができる。例えば形態として、光学フィルター、レンズ、絞り、ミラー、窓、メガネ、表示パネル等が挙げられる。カメラユニットでは、好ましくは光学フィルター、レンズ、絞りである。
クロミック材料は、上下の導電性コーティング32から供給される電気エネルギーに応じて各々光学濃度が変化する。このクロミック材料の光学濃度の変化に応じて、入射する電磁波hνはクロミック材料に吸収され透過する光量が変化する。
光学濃度変化素子の形態は図1の形態に限定されることなく用途に応じて多様な形態をとることができる。例えば形態として、光学フィルター、レンズ、絞り、ミラー、窓、メガネ、表示パネル等が挙げられる。カメラユニットでは、好ましくは光学フィルター、レンズ、絞りである。
光学濃度変化素子が含有する支持体は、特に限定されるものではないが、ガラス、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド、ポリイミド(PIM)、ポリスチレン、ノルボルネン樹脂(ARTON)、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等が挙げられ、その用途、形態に応じて適宜選択することができる。本発明の光学素子が対象とする電磁波の波長域の吸収が小さいものを選択するのが好ましく、λ=400nm〜700nmの光に対してはガラス、PET、PEN、TACまたはアクリル樹脂が特に好ましい。また、支持体表面の反射による透過光の損失を低減するために、支持体の表面に反射防止層(例えば、酸化珪素の薄層など)を設けることも好ましい。その他にも、素子への衝撃を防ぐ衝撃吸収層、摩擦による素子の損傷を防ぐ対擦過層、対象外の電磁波(例えば、可視光用の光学素子であれば紫外光)をカットする電磁波吸収層などの各種機能層が表面に設けられていても良い。
光学濃度変化素子が含有する導電性コーティングは、特に限定されないが、金属薄膜 (金、銀、銅、クロム、パラジウム、タングステンまたはその合金等)、酸化物半導体膜 (酸化錫、酸化銀、酸化亜鉛、酸化バナジウム、ITO(酸化錫をドープした酸化インジウム)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、FTO(フッ素をドープした酸化錫)、AZO(アルミニウムをドープした酸化亜鉛)、導電性窒化薄膜(窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム)、導電性ホウ化物薄膜(LaB6)、スピネル型化合物(MgInO4、CaGaO4)、導電性高分子膜(ポリピロール/FeCl3)、イオン伝導性膜(ポリエチレンオキサイド/LiClO4)、無機・有機複合膜(酸化インジウム微粉末/飽和ポリエステル樹脂)等が挙げられる。
本発明の光学素子が対象とする電磁波の波長域で吸収が小さいものが好ましく、λ=400nm〜700nmの光に対しては酸化錫またはITOが特に好ましい。また、対象とする電磁波の吸収を可能な限り小さくするため、導電性コーティングは所望の導電性が確保できる中で可能な限り薄い事が好ましい。より具体的に言うならば電気伝導層の厚みは1000nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
本発明の光学素子が対象とする電磁波の波長域で吸収が小さいものが好ましく、λ=400nm〜700nmの光に対しては酸化錫またはITOが特に好ましい。また、対象とする電磁波の吸収を可能な限り小さくするため、導電性コーティングは所望の導電性が確保できる中で可能な限り薄い事が好ましい。より具体的に言うならば電気伝導層の厚みは1000nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
本発明の光学濃度変化素子に用いるカソード電極の材料は、酸化タングステン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化チタン、もしくは酸化モリブデン等の無機化合物類、導電性高分子化合物類、またはナノ多孔質材料に還元発色型色素もしくは還元により光学濃度が変化しない化合物等が吸着した有機化合物類などが挙げられる。
カソード電極においてナノ多孔質材料に還元発色型の有機化合物を吸着させる場合、該ナノ多孔質材料を形成する材料は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化鉛、酸化タングステン、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化カドミウム、酸化ビスマス、酸化アルミニウム、酸化第一鉄等またはその複合化合物、さらにはそれらにフッ素、塩素、アンチモン、燐、砒素、ホウ素、アルミニウム、インジウム、ガリウム、珪素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、錫等をドープした物等が挙げられる。本発明の光学素子が対象とする電磁波に対する吸収の小さいものを選択するのが好ましく、λ=400 nm〜700 nmの光に対しては酸化チタン、酸化錫、または酸化亜鉛が好ましく、酸化亜鉛が特に好ましい。また、該ナノ多孔質材料に吸着させる還元発色型色素型の有機化合物類としては、ビオローゲン系色素、アントラキノン系色素等が挙げられる。
ビオローゲン系色素とは例えば一般式 (1)、(2)、(3)、(4)、(5)
に示すような構造に代表される化合物である。X1 -〜X5 -は対アニオンを表しそれぞれ同一であっても異なっても良く、ハロゲンアニオン、ClO4 -、BF4 -、PF6−、CH3COO-、CH3(C6H4)SO3 -などから選ばれる。R1〜R10は各々水素または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。こうした炭化水素基としてはアルキル基、アリール基が挙げられ、より具体的には例えばメチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トルイル基等があげられる。これらの炭化水素基は枝分かれしていても良いし、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、ニトロ基、オキソ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などの任意の官能基で置換されていてもよいし、途中の炭素が酸素、窒素、硫黄、リンなどの任意のヘテロ原子で置換されていても良いし、また一部ないしは全体が不飽和化されていても良い。特にカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の吸着性置換基を持つことは好ましい。L1〜L5は連結基を表し、好ましくはアルキレン基 (例えば、エチレン)、アルキニレン基 (例えば、メチン)、またはアリーレン基(例えば、フェニレン)であり、途中の炭素が酸素、窒素、硫黄、リンなどの任意のヘテロ原子で置換されていていても良いし、また一部ないしは全体が不飽和化されていても良い。以下に化合物を具体例として示すが、これらに限定されるものではない。
酸化発色型色素、または還元発色型色素は、その置換基を変えることにより、吸収波長をコントロールすることができる。また、光学濃度を変化させるクロミック材料を2種以上用い、光学濃度変化素子が異なる波長の光学濃度を変化させ
ることを可能とするのも好ましい。
ることを可能とするのも好ましい。
本発明の光学素子をカメラユニットなどの調光素子として用いる場合、光学濃度変化素子は可視光、好ましくは複数の異なる波長の可視光、より好ましくは青色光,緑色光および赤色光を吸収することが好ましい。さらには、可視域の光を均一に吸収するニュートラルグレーに近い吸収特性を有することが好ましく、複数の材料の組み合わせにより実現させることができる。2種以上の好ましい組み合わせは、ビオローゲン系色素−フェノチアジン系色素、ビオローゲン系色素−フェロセン系色素、ビオローゲン系色素−フェノチアジン系色素−スチリル系色素、ビオローゲン系色素2種(置換基の異なる2種)−フェノチアジン系色素、ビオロ−ゲン系色素2種(置換基の異なる2種)−スチリル系色素などである。
また、これらのクロミック材料の電気化学反応を促進するために、酸化還元されうる補助化合物が光学濃度変化素子内に存在しても良い。補助化合物は酸化還元によって光学濃度が変化しないものでも良いし、変化するものでも良い。補助化合物はクロミック材料と同様にナノ多孔質材料上に存在しても良いし、電解質中に溶解していても、あるいは電気伝導層上に単独で層を形成していても良い。
光学濃度変化素子を構成する電解質は、溶媒と支持電解質からなる。支持電解質は荷電の授受により、それ自身は決して電気化学反応を起さず、導電性を高める役目を担う。溶媒としては極性を有するものが好ましく、具体的には水、メタノール、エタノールなどのアルコール、酢酸などのカルボン酸、アセトニトリル、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、プロピレンカルボネート、エチレンカルボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、トリメチルホスフェイト、ピリジン、ヘキサメチレン酸トリアミド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。支持電解質は溶媒中でイオンとして荷電のキャリアーとして働くもので、イオン化し易いアニオンとカチオンで組み合わされた塩である。カチオンとしては、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+を代表とする金属イオンまたはテトラブチルアンモニウムイオンを代表とする4級アンモニウムイオンが挙げられる。またアニオンとしては、Cl-、Br-、I-、F-を代表とするハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、トシラートイオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン等が挙げられる。その他の電解質として、LiCl/KClを代表とする溶融塩系、イオン伝導体、超イオン伝導体を代表とする固体電解質系、イオン交換膜のような膜状のイオン導電性物質を代表とする固体高分子電解質系が挙げられる。
本発明において「消色状態」とは光学濃度変化素子の両極を短絡する、または両極間に逆電圧を印加する(発色させるときにかける電圧と正負逆方向の電圧を印加する)などして光学濃度変化素子の光学濃度を可能な限り低い状態に置いた状態をさす。
本発明の光学素子としては、光学濃度変化素子の材料を適切に組み合わせる、すなわち支持体、電気伝導層、クロミック材料の種類を最適化する、またナノ多孔質材料の種類や粒子サイズを最適化することによって、消色状態のλ=400nmの光学濃度を0.2以下、より好ましくは0.125以下に抑えることが望ましい。また同様にして、λ=400nm〜500nmの光学濃度の平均値、λ=500nm〜600nmの光学濃度の平均値およびλ=600nm〜700nmの光学濃度の平均値をすべて0.125以下(好ましくは0.12以下)にすることが好ましい。一方で電磁波照射に対する応答時のλ=400nm〜700nmの光学濃度の平均値が0.5以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、0.90以上であることが特に好ましい。
また、本発明の光学素子は、光学濃度変化素子の材料を適切に組み合わせる、特に上記のとおりナノ多孔質材料の種類や粒子サイズなどを最適化することにより、電磁波に対する光学濃度変化の応答時間を“サブ秒オーダー”とすることができる。電磁波に対する光学濃度変化の応答時間とは、電磁波を照射する場合、照射前の光学濃度(最小光学濃度) と照射後に飽和した光学濃度(最大光学濃度)との中間値の光学濃度に照射し始めてから到達するのに要した時間であり、電磁波を遮断する場合には、最大光学濃度から最小光学濃度との中間値の光学濃度に遮断し始めてから到達するのに要した時間である。いずれの場合にも、本発明では、好ましくは5秒以内、より好ましくは2秒以内、さらに好ましくは0.3秒以内の応答時間を実現することができる。
本発明の光学素子において光学濃度変化素子の光学濃度を増す(発色させる)際に印加する電圧値は素子の使用目的や用途に応じて選ばれるべきである。印加電圧が高いほど発色は迅速になるが、副反応が生じるなどして光学濃度変化素子の耐久性を損なう可能性も高くなる。発色させる際に印加する電圧は1V以上が好ましく、1.2V以上2.5V以下が特に好ましい。
本発明において「起電力を発生させる要素(起電力発生要素)」とは、電磁波エネルギーを電気エネルギーに変換する要素をいう。例えば、太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池が代表例として挙げられる。太陽電池を構成する材料は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化合物等が挙げられる。これらの化合物を用いた太陽電池としては公知のものを本発明の光学素子の用途に応じて選択して使用することができる。
また、色素によって増感された酸化物半導体を利用した光電変換素子(以後、色素増感光電変換素子と略す)を用いた光電気化学電池について、Nature(第353巻、第737〜740頁、1991年)、米国特許4927721号、特開2002−75443号公報等に記載された技術も、本発明の起電力発生要素として利用することができる。
本発明の好ましい起電力発生要素は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを材料とする太陽電池または色素増感光電変換素子である。本発明の光学素子をカメラユニットに適用する場合、起電力発生要素は、照射される電磁波(特に太陽光)の強度に比例した大きさの起電力を発生するのが好ましい。
本発明の光学素子において、光学濃度変化素子と起電力発生要素の接続にあたっては直接接続しても良いし、増幅用、保護用などの機能を持った回路を介しても良い。また、光学濃度変化素子と並列に接続した抵抗を有し、光遮断時の印加電圧の解消を促進するような回路構成となっていても良い。
本発明の光学素子は、車両用窓材料、表示装置、カメラ関連光学素子などいずれにも適応できる。本発明の光学素子の有効性を発揮できる一応用例がカメラ関連光学素子である。大版・中版のカメラ、一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、レンズ付きフィルム、デジタルカメラ、放送用カメラ、映画用フィルムカメラ、映画用デジタルカメラ、8mmムービーカメラなどいずれのカメラユニット対しても有効である。特に特徴を発揮できる例として、レンズ付きフィルムに代表される複雑な制御機構を必要としない簡易な撮影システムがある。特徴を発揮できる別の例として、CCDあるいはCMOSを撮像素子とするデジタルカメラがあり、撮像素子のダイナミックレンジの狭さを補うことができる。
本発明の光学素子をカメラユニットに応用する場合に、光学濃度変化素子は、レンズの光軸上に設置されることが好ましい。また、起電力発生要素と、光学濃度変化素子、またはカメラの感光要素(感光材料(フィルムなど)やCCD)とは、光吸収特性(光吸収波長や分光感度)の重なりが大きいほど好ましい。特に、光学濃度変化素子の吸収波長域とカメラの感光要素の分光感度域の重なりが大きいほど好ましい。これにより、カメラの分光感度域全体に渡って、ニュートラルグレーな調光性を実現できる。
[実施例]
[実施例]
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
本発明のナノ多孔質材料を有する光学濃度変化素子の実施例を以下に示す。
以下に示す方法で、3種類の光学濃度変化素子(表1に示した試料101、試料
102、および試料103)を作製した。
102、および試料103)を作製した。
<1>試料101の作製
<1>−I SnO2ナノ多孔質電極の作製
SnO2ナノ粒子(平均粒径5nm)水分散液にポリエチレングリコール(分子量20,000)を加え攪拌して均一な塗布液を作製した。該塗布液を、導電性SnO2で被覆した反射防止膜付き透明導電ガラス上に均一に塗布した。塗布後、該透明導電ガラス基板を450℃で30分間焼成し、塗布質量8g/m2のSnO2ナノ多孔質半導体電極を作製した。
<1>−I SnO2ナノ多孔質電極の作製
SnO2ナノ粒子(平均粒径5nm)水分散液にポリエチレングリコール(分子量20,000)を加え攪拌して均一な塗布液を作製した。該塗布液を、導電性SnO2で被覆した反射防止膜付き透明導電ガラス上に均一に塗布した。塗布後、該透明導電ガラス基板を450℃で30分間焼成し、塗布質量8g/m2のSnO2ナノ多孔質半導体電極を作製した。
<1>−II SnO2ナノ多孔質電極へのエレクトロクロミック色素の吸着
次いで、エレクトロクロミック色素 V−1、およびP−1をSnO2ナノ多孔質材料に吸着させた。吸着はSnO2多孔質基板を濃度0.02mol/lのV−1、P−1色素溶液に浸漬して、40℃、3hで行った。エレクトロクロミック色素V−1はカソード極で還元され発色し、P−1はアノード極で酸化され発色する。発色時、色素P−1、V−1は互いに異なる可視波長域に吸収帯を有する。すなわち上記2種類のクロミック色素は異なる波長の光学濃度を変化させる。
次いで、エレクトロクロミック色素 V−1、およびP−1をSnO2ナノ多孔質材料に吸着させた。吸着はSnO2多孔質基板を濃度0.02mol/lのV−1、P−1色素溶液に浸漬して、40℃、3hで行った。エレクトロクロミック色素V−1はカソード極で還元され発色し、P−1はアノード極で酸化され発色する。発色時、色素P−1、V−1は互いに異なる可視波長域に吸収帯を有する。すなわち上記2種類のクロミック色素は異なる波長の光学濃度を変化させる。
<1>−III光学濃度変化素子の組み立て
V−1色素が吸着させたSnO2多孔質基板とP−1色素が吸着したSnO2多孔質基板とを図1に示したように対向させ、その間に0.2mol/lの過塩素酸リチウムのγ−ブチロラクトン溶液を電解質として封入してエレクトロクロミック素子を作製した。なお、電解液は脱水、脱気を行ったものを用いた。作製したエレクトロクロミック素子は、P−1色素が吸着したSnO2多孔質電極に対してV−1色素が吸着したSnO2多孔質基板をカソード分極させると発色し、電圧印加を停止し短絡すると消色する。
V−1色素が吸着させたSnO2多孔質基板とP−1色素が吸着したSnO2多孔質基板とを図1に示したように対向させ、その間に0.2mol/lの過塩素酸リチウムのγ−ブチロラクトン溶液を電解質として封入してエレクトロクロミック素子を作製した。なお、電解液は脱水、脱気を行ったものを用いた。作製したエレクトロクロミック素子は、P−1色素が吸着したSnO2多孔質電極に対してV−1色素が吸着したSnO2多孔質基板をカソード分極させると発色し、電圧印加を停止し短絡すると消色する。
<2>試料102の作製
<2>−I 1%SbドープSnO2ナノ粒子の合成
特公平5−87445に準じた方法でSbを1%ドープしたSnO2ナノ粒子を合成した。
粒子の組成は粉末X線回折パターン、Sbドープ率は原子吸光分析により評価した。この粒子を電子顕微鏡で観察したところ、粒子直径は平均7nmであった。
<2>−I 1%SbドープSnO2ナノ粒子の合成
特公平5−87445に準じた方法でSbを1%ドープしたSnO2ナノ粒子を合成した。
粒子の組成は粉末X線回折パターン、Sbドープ率は原子吸光分析により評価した。この粒子を電子顕微鏡で観察したところ、粒子直径は平均7nmであった。
<2>−II SnO2ナノ多孔質電極、1%SbドープSnO2多孔質電極の作製
SnO2ナノ粒子、および1%SbドープSnO2ナノ粒子からなる多孔質電極の作製については、<1>−ISnO2ナノ多孔質電極の作製と同様に行った。
SnO2ナノ粒子、および1%SbドープSnO2ナノ粒子からなる多孔質電極の作製については、<1>−ISnO2ナノ多孔質電極の作製と同様に行った。
<2>−III ナノ多孔質電極へのエレクトロクロミック色素の吸着
SnO2からなる多孔質電極にはエレクトロクロミック色素V−1を、1%SbドープSnO2からなる多孔質電極にはエレクトロクロミック色素P−1を、<1>−IIと同様にして吸着させた。
SnO2からなる多孔質電極にはエレクトロクロミック色素V−1を、1%SbドープSnO2からなる多孔質電極にはエレクトロクロミック色素P−1を、<1>−IIと同様にして吸着させた。
<2>−IV光学濃度変化素子の組み立て
<1>−IIIと同様にして組み立てた。
<1>−IIIと同様にして組み立てた。
<3>試料103の作製
Sbを9%ドープしたSnO2ナノ粒子を合成し、試料102と同様に、試料103を作製した。
Sbを9%ドープしたSnO2ナノ粒子を合成し、試料102と同様に、試料103を作製した。
試料101、試料102および試料103のSbドープ率、該ドープ率におけるナノ多孔質材料の表面抵抗率、エレクトロクロミック素子の波長400nmにおける消色状態での透過率、ヘイズ、および該素子に最適電圧を印加した際の波長400〜700nmでの平均したΔ発色濃度(発色状態の定常状態と消色状態の定常状態との光学濃度の差)を表1に示す。ヘイズ値とは、試料にある強度の平行光線を当てた際、全透過光量に占める非平行透過光(入射光と平行でない透過光)の割合を示す。消色状態での光学濃度、ヘイズは小さい程良く、Δ発色濃度は大きい程良い。すなわち、最も望ましい光学濃度変化素子は、消色状態での光学濃度が小さくΔ発色濃度が大きい(つまり、コントラストが大きい)、またヘイズが小さい試料である。
表1に示すように、本発明の試料102は、コントラストが大きく、ヘイズが小さい。なお、応答速度については、103(比較例)と同様に速かった。驚くべきことに、本発明の試料102は、試料101(比較例)、試料103(比較例)の中間的な性能を示したわけでなく、試料101と試料103の良い点のみを反映した性能(試料101の良い点:消色時状態の高い透過率および低いヘイズ値、試料103の良い点:大きなΔ発色濃度)を示した。これはアノード側の不純物元素のドープ率が低くなったときに、すなわちナノ多孔質材料の表面抵抗値が5×106Ω/□以上になったときに、初めて達成されたエレクトロクロミック素子性能である。
本実施例は、実施例1の試料102に用いたアノード電極を実施例1とは異なる手段で作製した場合である。本実施例ではアノード電極に使用する1%SbドープSnO2ナノ多孔質材料を、[1]SnO2ナノ粒子と[2]SbドープSnO2ナノ粒子とを混合することによって作製した。すなわち、[1]SnO2ナノ粒子と[2]SbドープSnO2粒子(Sbドープ率10%)とを、SnO2ナノ粒子:SbドープSnO2粒子(Sbドープ率10%)=90:10の比率で混合することによって、1%SbドープSnO2ナノ多孔質材料を作製した。
このように作製したアノード電極を用いた場合においても、実施例1と同様の効果が得られた。本実施例から、実施例1のようにナノ多孔質材料全体に不純物元素をドープした半導体が一様に存在しなくても良いこと、すなわち不純物元素がドープされた半導体が局在しているナノ多孔質材料でも十分な効果があることが分かった。
本実施例は、不純物元素をドープしたナノ粒子として、FをドープしたSnO2を用いた実施例である。SbをドープしたSnO2ナノ粒子に換えて、FをドープしたSnO2ナノ粒子を用いた以外、実施例1と同様にエレクトロクロミック素子を作製した。該素子に対して、実施例1と同様な評価を行った結果、光学濃度の変化範囲が広く、ヘイズが小さく、高い光透過性を有するエレクトロクロミック素子が得られた。
本実施例は、不純物元素をドープしたナノ粒子として、SnをドープしたIn2O3を用いた実施例である。SbをドープしたSnO2ナノ粒子に換えて、SnをドープしたIn2O3ナノ粒子を用いた以外、実施例1と同様にエレクトロクロミック素子を作製した。該素子に対して、実施例1と同様な評価を行った結果、光学濃度の変化範囲が広く、ヘイズが小さく、高い光透過性を有するエレクトロクロミック素子が得られた。
本実施例は、不純物元素をドープしたナノ粒子として、SnをドープしたZnOを用いた実施例である。SbをドープしたSnO2ナノ粒子に換えて、SnをドープしたZnOナノ粒子を用いた以外、実施例1と同様にエレクトロクロミック素子を作製した。該素子に対して、実施例1と同様な評価を行った結果、光学濃度の変化範囲が広く、ヘイズが小さく、高い光透過性を有するエレクトロクロミック素子が得られた。
本実施例は用いる色素を変更し、色素の数を増やしたものである。実施例1の<1>−IIにおいて、SnO2ナノ多孔質電極に吸着させる色素を、エレクトロクロミック色素V−1の代わりにV−7とV−8とした以外、実施例1の<1>と同様にエレクトロクロミック素子を作製した。エレクトロクロミック素子の発色域に関して、実施例1ではイエロー発色がマゼンタ、シアン発色に比べて不足していたのに対し、本発明はイエローも十分に発色した。その結果、本発明では波長400〜700nm全域においてほぼ一様な発色が認められた。このように、複数の適切な色素を適切な比率で吸着させることでエレクトロクロミック素子の発色域を制御することができる。
本発明のエレクトロクロミック素子を起電力発生要素と併せてレンズ付きフィルムユニットに掲載した実施例を示す。
本実施のレンズ付きフィルムユニットの形態は、図2および図3に示すように、(1) 光学濃度変化素子(エレクトロクロミック素子)23、(2)太陽電池(起電力発生要素)13を搭載したものである。しかし、1)光学濃度変化素子23を設置する位置は前記の位置に何ら限定する必要はなく、例えば4の外側であっても構わない。太陽電池13をユニット外部に設けることで、外部光の強度に応じた起電力を発生させ、その起電力に応じて調光フィルター23にて、または実施例2と、写真フィルム16に到達する光量を調節し、高輝度環境下でのオーバーネガを防ぐことができる。以下、(1)エレクトロクロミック素子、および(2)太陽電池について説明する。
エレクトロクロミック素子
エレクトロクロミック素子(試料602、試料603、および試料604)を実施例1と同様に作製した。作製したエレクトロクロミック素子の構成は下表2の通りである。
エレクトロクロミック素子(試料602、試料603、および試料604)を実施例1と同様に作製した。作製したエレクトロクロミック素子の構成は下表2の通りである。
(2) 太陽電池
太陽電池としては、アモルファスシリコン型を用いた。使用した太陽電池の模擬太陽光(キセノンランプ、AM1.5分光フィルター(Oriel社製)を使用)の光量に対する起電力特性を図4に示す。
太陽電池としては、アモルファスシリコン型を用いた。使用した太陽電池の模擬太陽光(キセノンランプ、AM1.5分光フィルター(Oriel社製)を使用)の光量に対する起電力特性を図4に示す。
上記の(1)エレクトロクロミック素子、(2)太陽電池を用い、下表2に示す構成のレンズ付きフィルムユニットを作製した。使用したISO感度は1600、絞りはF8、シャッター速度は1/85”である。この条件で構成される撮影システムを用いた場合、EV=8.4の条件で写真を撮影した際に最適な濃度のネガが得られる。
試料603に用いたエレクトロクロミック素子の太陽電池起電力に対する光学濃度特性を図5に示す。また、太陽電池とエレクトロクロミック素子とを組み合わせた調光フィルターの光量に対する光学濃度変化特性を図6に示す。なお、ここに示した光学濃度は波長400〜700nmの平均値である。また、図中にはそれぞれの光学濃度上昇が、一般的な撮影システムで用いられる「絞り」で何絞り分に相当するかを併記した。なお、絞りを+1するということは透過光量を半分にすることに相当し、光学濃度変化でいうと+0.3に相当する。図6に示すように、該調光フィルターの絞りは光遮断時において+0.2であり、EV11.5以上の光が照射すると+3.3まで絞りが増加した。ここで、EVとは明るさを示す指標であり、照度の実用単位lux(Lと略記)を用いて次式のように定義される。
数式2:
EV=log2 (L/2.4)
EV=log2 (L/2.4)
前記した絞りとEV値との関係を述べると、ある光学素子の絞りを+1とすることはその光学素子を通して受け取る光の明るさのEV値が1減少することに相当する。
上記の試料601〜604を用いて、EV=6.4(暗い室内に相当)〜EV=15.4(真夏晴天時に相当)の範囲の明るさの場面で撮影を行い、富士写真フィルムCN−16現像処理を3分15秒間行った。その結果、得られたネガの露光レベルの比較を表3
に示す。なお、露光レベルとは処理後のネガ濃度の適正さを表す評価値である。前述のように本撮影システムを用いた場合、EV=8.4の条件で写真を撮影したとき最適な濃度のネガが得られる。この最適なネガの濃度を0(露光レベル=0)と記載した。露光レベル+1とは、適正なグレー濃度から1絞り分濃い(光学濃度でいうと+0.3)ことを、露光レベル−1とは、適正なグレー濃度から1絞り分薄い(光学濃度でいうと−0.3)ことを意味する。
に示す。なお、露光レベルとは処理後のネガ濃度の適正さを表す評価値である。前述のように本撮影システムを用いた場合、EV=8.4の条件で写真を撮影したとき最適な濃度のネガが得られる。この最適なネガの濃度を0(露光レベル=0)と記載した。露光レベル+1とは、適正なグレー濃度から1絞り分濃い(光学濃度でいうと+0.3)ことを、露光レベル−1とは、適正なグレー濃度から1絞り分薄い(光学濃度でいうと−0.3)ことを意味する。
ここで得られたネガを元にプリントを行う場合、ある程度の露光レベルのズレは補正することが可能である。具体的には−1〜+4までの範囲の露光レベルのネガであれば、プリント時に補正可能であり、「撮影に成功した写真」を得ることができる。露光レベルが先程の範囲内にない場合には、プリント時での補正が追いつかず「失敗写真」となってしまう。上記の条件で撮影したネガからプリントした場合、得られた写真が成功しているか失敗しているかを表5に示した。○が成功で×が失敗である。
表4から以下のことが分かる。本調光システムを有する試料603は、<1>調光システムを掲載していない比較例601と比して低照度(低いEV値)での撮影可能領域がやや狭くなっているものの高照度(高いEV値)での撮影可能領域が大幅に広がっている、<2>比較例602と比して高照度での撮影領域が広がっている、<3>比較例604と比して低照度での撮影領域が広がり、かつヘイズ値が小さくなったためより鮮鋭な写真が得られる、という特長を有する。
本実施例は、電子スチルカメラに調光フィルターを装備した実施例である。本発明の調光フィルターを搭載した電子スチルカメラは、図7に示すようにレンズとCCDの間に実施例5で作製したエレクトロクロミック素子を、さらに図8に示すように外装部にストロボ調光センサーを、各々搭載したものである。実施例6のレンズ付きフィルムユニットと同様の比較実験を行ったところ、本発明は、ダイナミックレンジがレンズ付きフィルムより狭い電子スチルカメラにおいて、より顕著な調光効果、およびヘイズ値上昇の抑制を実現した。
本実施例は、携帯電話用の撮像ユニット調光フィルターを装備した実施例である。携帯電話の撮像ユニットのレンズ上に実施例5で作製した調光フィルターを、さらに撮像ユニットの周囲に太陽電池を、各々搭載した。本発明の調光フィルターを搭載した携帯電話は、より広い撮影領域での撮影、およびヘイズ値上昇の抑制が実現された。
1 レンズ付きフィルムユニット
4 撮影レンズ
5 ファインダー
6 ストロボ発光部
8 シャッターボタン
13太陽電池
16写真フィルム
18遮光筒
20レンズホルダー
21アパーチャー
22露光開口
23調光フィルター
24絞り
29光軸
31支持体
32電気伝導層
33a,b クロミック材料が吸着したナノ多孔質材料
34電解質
35スペーサー
4 撮影レンズ
5 ファインダー
6 ストロボ発光部
8 シャッターボタン
13太陽電池
16写真フィルム
18遮光筒
20レンズホルダー
21アパーチャー
22露光開口
23調光フィルター
24絞り
29光軸
31支持体
32電気伝導層
33a,b クロミック材料が吸着したナノ多孔質材料
34電解質
35スペーサー
Claims (12)
- 不純物元素をドープした半導体材料を含むナノ多孔質半導体材料であって、5×106Ω/□以上の表面抵抗率を有し、少なくとも1種類の電子授受可能な材料を吸着していることを特徴とするナノ多孔質半導体材料。
- 前記電子授受可能な材料が電子授受の結果として波長400nm〜700nmの光学濃度が変化することを特徴とする請求項1記載のナノ多孔質半導体材料。
- 前記電子授受可能な材料が酸化発色型材料であることを特徴とする請求項1または2に記載のナノ多孔質半導体材料。
- 前記電子授受可能な材料が電子授受の結果として波長400nm〜700nmの光学濃度が0.5以上変化可能な材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナノ半導体材料。
- 前記不純物元素をドープした半導体材料が、
(a) F、Cl、Sb、P、As、Nb、TaまたはBをドープしたSnO2
(b) Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnO
(c) Sn、Ge、Mo、F、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、TeまたはPbをドープしたIn2O3
(d) InまたはSnをドープしたCdO
(e) BiをドープしたPbO2
(f) SnをドープしたGa2O3
(g) Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ti、Zr、HfまたはGeをドープしたZnS
(h) C、Si、Ge、Sn、Pb、O、S、SeまたはTeをドープしたGaN
(i) F、Cl、BrまたはIをドープしたTiO2
の中から選ばれた、単独化合物または2種以上からなる複合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料。 - 前記不純物元素をドープした半導体材料がSbをドープしたSnO2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料。
- 前記半導体材料への不純物元素のドープ量が0.1〜5%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のナノ多孔質半導体材料を有することを特徴とする光学濃度変化素子。
- 該素子の消色状態の波長400nmでの光学濃度が0.2以下であることを特徴とする請求項9記載の光学濃度変化素子。
- 該光学濃度変化素子に起電力を供給する素子が電磁波に応答し起電力を発生することを特徴とする請求項10または11に記載の光学濃度変化素子。
- 請求項9〜11のいずれかに記載の光学濃度変化素子を有することを特徴とするカメラユニット。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005065786A JP2005292819A (ja) | 2004-03-09 | 2005-03-09 | ナノ多孔質半導体材料、光学濃度変化素子及びカメラユニット |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004065344 | 2004-03-09 | ||
JP2005065786A JP2005292819A (ja) | 2004-03-09 | 2005-03-09 | ナノ多孔質半導体材料、光学濃度変化素子及びカメラユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005292819A true JP2005292819A (ja) | 2005-10-20 |
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JP2005065786A Pending JP2005292819A (ja) | 2004-03-09 | 2005-03-09 | ナノ多孔質半導体材料、光学濃度変化素子及びカメラユニット |
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JP (1) | JP2005292819A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007279573A (ja) * | 2006-04-11 | 2007-10-25 | Sony Corp | エレクトロクロミック素子、及びこれを用いたエレクトロクロミック装置 |
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KR101109253B1 (ko) * | 2005-12-29 | 2012-01-30 | 삼성전자주식회사 | 플렉서블 전기변색 소자 및 그 제조방법 |
CN112415826A (zh) * | 2020-11-18 | 2021-02-26 | 浙江大学 | 一种简单高效制备多色全固态电致变色器件的方法 |
CN114914710A (zh) * | 2022-05-18 | 2022-08-16 | 山东大学 | 一种电磁波吸收材料及其制备方法和应用 |
-
2005
- 2005-03-09 JP JP2005065786A patent/JP2005292819A/ja active Pending
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