JP4861638B2 - 光学濃度変化要素、光学素子、及び撮影ユニット - Google Patents

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本発明は、電圧の印加に応じて光学濃度を変化させることができる光学濃度変化要素、光学濃度変化要素を有する光学素子、及び光学素子を備えた撮影ユニットに関する。
電圧印加に応じて光学濃度が変化する材料として、エレクトロクロミック材料が知られている。エレクトロクロミック材料は、電子の授受によって可逆的に光学濃度が変化する材料であり、一般には自動車用防眩ミラー用、調光窓用の材料等に利用されている。
このようなエレクトロクロミック材料を、一組の電極(アノードとカソード)の表面に吸着させると、応答速度の速い光学濃度変化素子として機能することが報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び非特許文献1参照)。
この光学濃度変化素子は、一組の電極の表面にナノサイズの多孔質状の半導体材料(例えば、酸化チタンやアンチモンドープ酸化錫等)からなる層を形成し、この層にエレクトロクロミック材料を吸着させて、一組の電極を電解液を介して対向させたものである。
特表2000−506629号公報 特表2003−511837号公報 ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー B(Journal of Physical Chemistry B),2000年,104巻,11449頁
ところが、例えば非特許文献1で示されている光学濃度変化素子は、アノードとカソードの双方にエレクトロクロミック材料を吸着させる必要があり、片方の電極に吸着させるだけでは円滑な電子移動が得られず満足な応答速度が得られない。このため、一方の電極のエレクトロクロミック材料の光学濃度変化のみを機能させることは困難であり、どちらか一方のエレクトロクロミック材料の濃度変化を他方よりも若干促進させて、光学濃度変化素子全体の発色の色合いを調整する、といったことも難しい。
本発明の目的は、任意の色相に発色し、かつ応答速度の速い光学濃度変化要素を提供することである。
また、本発明の別の目的は、任意の色相に発色し、かつ応答速度の速い光学素子、及び前記光学素子を備えた撮影ユニットを提供することである。
本発明の上記目的は、下記の光学濃度変化要素、光学素子および撮影ユニットによって達成される。
1.アノードとカソードとを有し、
アノード側及びカソード側の少なくともいずれかに、
電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する化合物を有し、かつ、
アノード側及びカソード側の少なくともいずれかに、
電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない化合物を有し、
前記電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない化合物が、下記式(8)で示される構造を有することを特徴とする光学濃度変化要素。
式(8):(A)m−B
〔Aは酸基、Bはヒドロキシルアミン類又はカテコール類を示す。mは1〜4の整数を表し、mが2以上のとき、Aは同一であっても異なっていてもよい。〕
2.アノード側に、電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない化合物を有することを特徴とする上記1に記載の光学濃度変化要素。
3.アノード側に、電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化する化合物を有さないことを特徴とする上記1又は2に記載の光学濃度変化要素。
.アノード及びカソードの少なくともいずれかが、粗さ係数20以上のナノ多孔質半導体材料を有することを特徴とする上記1〜のいずれか1項に記載の光学濃度変化要素。
.消色状態において、波長400nmの光学濃度が0.2以下であることを特徴とする上記1〜のいずれか1項に記載の光学濃度変化要素。
.消色状態における波長400nm〜500nmの光学濃度の平均値、波長500nm〜600nmの光学濃度の平均値、及び波長600nm〜700nmの光学濃度の平均値が、いずれも0.1以下であることを特徴とする上記1〜のいずれか1項に記載の光学濃度変化要素。
.電磁波に応答し起電力を発生させる起電力発生要素と、その起電力により光学濃度が変化する上記1〜のいずれか1項に記載の光学濃度変化要素と、を有することを特徴とする光学素子。
.上記に記載の光学素子を有することを特徴とする撮影ユニット。
.前記撮影ユニットがレンズ付きフィルムであることを特徴とする上記に記載の撮影ユニット。
本発明によれば、「電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する化合物」(エレクトロクロミック材料)及び「電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない化合物」(無色酸化還元材料)を、アノード側および/またはカソード側に有することにより、任意の色相に発色し、かつ応答速度の速い光学濃度変化要素を提供することができる。
以下、本発明についてさらに詳述する。
本発明において、「光学濃度」とは、光学濃度変化要素に対する入射光強度をI0、透過光強度をITとしたときに、下記数式(1)で算出される値Aである。
数式(1):A=−log(IT/I0
本発明において、「ナノ多孔質材料」とは、表面により多くの物質が吸着できるようにナノメートルオーダーの凹凸を形成し表面積を増やした材料を意味する。多孔質化の程度は「粗さ係数」によって表される。
本発明において、「ナノ多孔質半導体材料の粗さ係数」とは、該当する半導体材料層表面の、投影した平面に対する実際に有効な表面積の割合である。具体的には、BET法を用いて測定することができる。
本発明において「消色状態」とは、光学濃度変化要素の両極を短絡する、あるいは両極間に逆電圧を印加する、すなわち発色させる際にかける電圧と正負逆の方向に電圧を印加する、などして光学濃度変化要素の光学濃度を可能な限り低い状態に置いた時を指す。
本発明において「半導体材料」とは一般的な定義に従う。例えば、物理学辞典(培風館刊)によれば、「半導体材料」とは、金属と絶縁体との中間的な電気抵抗をもつ物質を意味する。
本発明において「エレクトロクロミック材料(又は無色酸化還元材料)のナノ多孔質半導体材料への吸着」とは、化学結合あるいは物理結合によってナノ多孔質半導体材料表面にエレクトロクロミック材料(又は無色酸化還元材料)が結合する現象を指し、吸着の定義は一般的な定義に従う。
エレクトロクロミック材料のナノ多孔質半導体材料表面への吸着は、例えば以下に示すような方法で検出が可能である。
エレクトロクロミック材料が吸着したと思われるナノ多孔質半導体材料を0.1MNaOH溶液に浸漬させ、40℃で3時間振とうする。この際に用いる溶液の量はナノ多孔質半導体材料の塗布量に応じて決められ、塗布量1g/mあたり0.5mlが適当である。振とう後の溶液の吸収スペクトルを分光光度計で測定する。その結果、用いたエレクトロクロミック材料の吸収帯が検出され、該吸収帯ピークの吸光度が0.01以上であった時、ナノ多孔質半導体材料にエレクトロクロミック材料が「吸着」していたとみなす。なお、この際に用いる浸漬液(この場合はNaOH)の種類、濃度や振とうの温度、時間は用いたナノ多孔質半導体材料やエレクトロクロミック材料の種類に応じて決定されるもので、上記に限定されるものではない。
なお、無色酸化還元材料も同様の方法で検出することができる。吸収帯ピークが極めて短波長側にあるなどの理由で分光光度計による検出が困難な場合には、高速液体クロマトグラフィーなどの他の手法を適宜用いることができる。
本発明において「電磁波」とは、一般的な定義に従う。例えば、物理学辞典(培風館刊)によれば、電場と磁場には、時間的に一定な静的場と時間的に変動し空間の遠方まで伝播する波動場があり、この波動場が電磁波と定義されている。具体的には、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波に分類される。本発明が対象とする電磁波はこれら全てを含むものであるが、本発明の光学素子をカメラユニットの調光システムとして適用する場合に特に対象となるのは、好ましくは紫外線、可視光線、赤外線であり、より好ましくは紫外線、可視光線である。
以下、本発明の光学濃度変化要素、光学素子、及び撮影ユニットの各要素について説明する。
本発明の光学濃度変化要素は、外部からの電圧印加に応じてその濃度を変化させることができるものである。
本発明の光学濃度変化要素は、アノード、カソード、「電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する化合物」、および「電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない化合物」を有している。本発明の光学濃度変化要素の好ましい実施形態としては、これらの化合物を吸着させた半導体材料、導電性コーティングを担持した支持体、光学濃度変化要素内での導電性を担う電解質などで構成されたものである。
本発明において、「電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する化合物」を「エレクトロクロミック材料」と称し、「電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない化合物」を「無色酸化還元材料」と称する。なお、本発明に係る「無色酸化還元材料」は、無色透明のものだけでなく、有色であってその色が変化しない材料も含むものである。
また、「波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない」とは、400〜700nmの光学濃度の平均値の変化が0.05以下である、または、400〜700nmの範囲の光学濃度変化の最大値が0.1以下であることを意味する。
図1に、本発明の光学濃度変化要素の代表的な一構成例を示す。図1に示すように、エレクトロクロミック材料および無色酸化還元材料は、多孔質化した半導体材料からなる電極(アノード33aおよびカソード33b)に吸着している。エレクトロクロミック材料は、上下の導電性コーティング32から供給される電気エネルギーに応じて光学濃度が変化する。このエレクトロクロミック材料の光学濃度の変化に応じて、入射する電磁波hνはエレクトロクロミック材料に吸収され、透過光量が変化する。光学濃度変化要素の形態は、図1の形態に限定されることなく用途に応じて多様な形態をとることができ、例えば、光学フィルター、レンズ、絞り、ミラー、窓、メガネ、表示パネル等が挙げられる。カメラユニットでは、好ましくは光学フィルター、レンズ、絞りである。
光学濃度変化要素を構成する支持体は、特に限定されるものではないが、ガラス、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド、ポリイミド(PIM)、ポリスチレン、ノルボルネン樹脂(ARTON)、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等が挙げられ、その用途、形態に応じて適宜選択することができる。本発明の光学濃度変化要素が対象とする電磁波に対する吸収が小さいものを選択するのが好ましく、λ=400nm〜700nmの光に対してはガラス、PET、PEN、TACまたはアクリル樹脂が特に好ましい。また、支持体表面の反射による透過光の損失を避けるために、支持体の表面に反射防止層(例えば、酸化珪素の薄層など)を設けることも好ましい。その他にも、衝撃を防ぐ衝撃吸収層、摩擦による損傷を防ぐ対擦過層、対象外の電磁波(例えば、可視光用の光学濃度変化要素における紫外光)をカットする電磁波吸収層などの各種機能層が表面に設けられていても良い。
光学濃度変化要素を構成する導電性コーティングは、特に限定されないが、金属薄膜(金、銀、銅、クロム、パラジウム、タングステンおよびその合金等)、酸化物半導体膜(酸化錫、酸化銀、酸化亜鉛、酸化バナジウム、ITO(酸化錫をドープした酸化インジウム)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、FTO(フッ素をドープした酸化錫)、AZO(アルミニウムをドープした酸化亜鉛)、導電性窒化薄膜(窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム)、導電性ホウ化物薄膜(LaB6)、スピネル型化合物(MgInO4、CaGaO4)、導電性高分子膜(ポリピロール/FeCl3)、イオン伝導性膜(ポリエチレンオキサイド/LiClO4)、無機・有機複合膜(酸化インジウム微粉末/飽和ポリエステル樹脂)等が挙げられる。本発明の光学濃度変化要素が対象とする電磁波に対する吸収の小さいものを選択するのが好ましく、λ=400nm〜700nmの光に対しては酸化錫、FTOおよびITOが特に好ましい。また、対象とする電磁波の吸収をより小さくするため、電気伝導層は所望の導電性が確保できる中で可能な限り薄いことが好ましい。より具体的に言うならば電気伝導層の厚みは1000nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
光学濃度変化要素を構成する半導体材料としては、次に挙げる例に特に限定されるものではないが、例えば以下に示すような金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物が挙げられる。
金属酸化物としては、次に挙げる例に特に限定されるものではないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化鉛、酸化タングステン、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化カドミウム、酸化ビスマス、酸化アルミニウム、酸化第一鉄等およびその複合化合物、さらにはそれらにフッ素、塩素、アンチモン、燐、砒素、ホウ素、アルミニウム、インジウム、ガリウム、珪素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、錫等をドープした物、が挙げられる。あるいは酸化チタンの表面にITO、アンチモンドープ酸化錫、FTO等をコートしたものでもよい。
金属硫化物としては、次に挙げる例に特に限定されるものではないが、硫化亜鉛、硫化カドミウムおよびその複合化合物、さらにはそれらにアルミニウム、ガリウム、インジウム等をドープした物等が挙げられる。あるいは他の素材の表面に金属硫化物をコートしたものでもよい。
金属窒化物層としては、次に挙げる例に特に限定されるものではないが、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウムおよびその複合化合物、さらにはそれらに少量の異種原子(錫、ゲルマニウム等)をドープした物が挙げられる。あるいは他の素材の表面に金属窒化物をコートしたものでもよい。本発明の光学濃度変化要素が対象とする電磁波に対する吸収の小さいものを選択するのが好ましく、λ=400nm〜700nmの光に対しては酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、硫化亜鉛または窒化ガリウムが好ましく、酸化錫または酸化亜鉛が特に好ましい。
本発明では、こうした半導体材料にエレクトロクロミック材料及び無色酸化還元材料を吸着させることで、エレクトロクロミック材料及び無色酸化還元材料への円滑な電子流出入を実現し、光学濃度変化要素が短時間で光学濃度を変化させることを可能とする。この際、半導体材料に対するエレクトロクロミック材料及び無色酸化還元材料の吸着量が多ければ多いほど、より強い発色が可能となる。半導体材料はより多くのエレクトロクロミック材料及び無色酸化還元材料の吸着を可能とするためにナノ多孔質化して表面積を増し、20以上の粗さ係数を持つことが好ましく、150以上の粗さ係数を有することが特に好ましい。
このような多孔質を形成するに手段として、例えば、ナノメートルオーダーの超微粒子を結着させる方法が挙げられる。この場合、用いる粒子のサイズやサイズの分散性を最適化することで、電磁波が半導体材料で吸収あるいは散乱されて生じる透過光の損失を最低限に抑えることが可能となる。用いる粒子のサイズは好ましくは100nm以下、より好ましくは1nm以上60nm以下、さらに好ましくは2nm以上40nm以下である。また、サイズはなるべく単分散であることが好ましい。また、粒子サイズ、サイズの分散性の最適化などによっても、本発明の光学濃度変化要素の応答速度を速めることができる。
本発明では、こうしたエレクトロクロミック材料及び無色酸化還元材料が吸着した半導体材料を各電極に二層以上用いてもよい。用いる各層は同じ組成の物でもよいし、異なる組成の物でもよい。エレクトロクロミック材料と無色酸化還元材料とを同じ層に含有させても良いし、それぞれ別の層に含有させてもよい。また、エレクトロクロミック材料及び無色酸化還元材料のいずれか又は両方が吸着した半導体材料をクロミック材料の吸着していない半導体材料と組み合わせて用いてもよい。
光学濃度変化要素に用いるエレクトロクロミック材料は、ビオローゲン系色素、フェノチアジン系色素、スチリル系色素、フェロセン系色素、アントラキノン系色素、ピラゾリン系色素、フルオラン系色素、フタロシアニン系色素、等の有機色素、ポリスチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリベンジン、ポリイソチアナフテン、等の導電性高分子化合物類、酸化タングステン、酸化イリジウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化インジウム、酸化クロム、酸化マンガン、プルシアンブルー、窒化インジウム、窒化錫、窒化塩化ジルコニウム等の無機化合物、などが挙げられる。
本発明において、有機化合物の特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。
このような置換基をWとすると、Wで示される置換基としては、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファト基(-OSO3H)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
また、2つのWが共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
上記の置換基Wの中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)、が挙げられる。より具体的には、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセチルアミノスルホニル)、アリールカルボニルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基)、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル)が挙げられる。
ビオローゲン系色素とは、例えば下記一般式(1)〜(3)に示す構造に代表される化合物である。
Figure 0004861638
一般式(1)〜(3)中、V、V、V、V、V、V、V、V、V、V10、V11、V12、V13、V14、V15、V16、V17、V18、V19、V20、V21、V22、V23、及びV24は、水素原子又は一価の置換基を表す。
、R、R、R、R、及びRは、水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。
、L、L、L、L、及びLは、メチン基又は窒素原子を表す。
、n、及びnは、0、1、又は2を表す。
、M、及びMは電荷均衡対イオンを表し、m、m、及びmは分子の電荷を中和するのに必要な0以上の数を表す。
、V、V、V、V、V、V、V、V、V10、V11、V12、V13、V14、V15、V16、V17、V18、V19、V20、V21、V22、V23、及びV24は、水素原子又は一価の置換基を表し、V同士が互いに結合していても、環を形成していても良い。また、他のR〜R、及びL〜Lと結合していても良い。
一価の置換基としては、前述のWが挙げられる。
、R、R、R、R、及びRは、水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基であり、好ましくはアルキル基、アリール基、及び複素環基であり、さらに好ましくはアルキル基、及びアリール基であり、特に好ましくはアルキル基である。R〜Rとして表されるアルキル基、アリール基、及び複素環基として、具体的には、例えば、好ましくは炭素原子1から18、さらに好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、好ましくは炭素原子1から18、さらに好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の置換アルキル基{例えば置換基として前述のWが置換したアルキル基が挙げられる。特に、酸基を持つアルキル基が好ましい。ここで、酸基について説明する。酸基とは、解離性プロトンを有する基である。具体的には、例えばスルホ基、カルボキシル基、スルファト基、−CONHSO−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SONHSO−基(スルフォニルスルファモイル基)、スルホンアミド基、スルファモイル基、ホスファト基(−OP(=O)(OH))、ホスホノ基(−P(=O)(OH))、ボロン酸基、フェノール性水酸基、など、これらのpkaと周りのpHによっては、プロトンが解離する基が挙げられる。例えばpH5〜11の間で90%以上解離することが可能なプロトン解離性酸性基が好ましい。さらに好ましくはスルホ基、カルボキシル基、−CONHSO−基、−CONHCO−基、−SONHSO−基、ホスファト基、ホスホノ基であり、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基であり、さらに好ましくはホスファト基、ホスホノ基であり、最も好ましくはホスホノ基である。
具体的には、好ましくはアラルキル基(例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、2−(4−ビフェニル)エチル、2−スルホベンジル、4−スルホベンジル、4−スルホフェネチル、4−ホスホベンジル、4−カルボキシベンジル)、不飽和炭化水素基(例えば、アリル基、ビニル基、すなわち、ここでは置換アルキル基にアルケニル基、アルキニル基も含まれることとする。)、ヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、カルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル)、ホスファトアルキル基(例えば、ホスファトメチル、2−ホスファトエチル、3−ホスファトプロピル、4−ホスファトブチル)、ホスホノアルキル基(例えば、ホスホノメチル、2−ホスホノエチル、3−ホスホノプロピル、4−ホスホノブチル)、アルコキシアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例えば、2−フェノキシエチル、2−(4−ビフェニロキシ)エチル、2−(1−ナフトキシ)エチル、2−(4−スルホフェノキシ)エチル、2−(2−ホスホフェノキシ)エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基(例えば、エトキシカルボニルメチル、2−ベンジルオキシカルボニルエチル)、アリーロキシカルボニルアルキル基(例えば、3−フェノキシカルボニルプロピル、3−スルホフェノキシカルボニルプロピル)、アシルオキシアルキル基(例えば、2−アセチルオキシエチル)、アシルアルキル基(例えば、2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキル基(例えば、2−モルホリノカルボニルエチル)、スルファモイルアルキル基(例えば、N,N−ジメチルスルファモイルメチル)、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−[3−スルホプロポキシ]エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル、3−フェニル−3−スルホプロピル、4−フェニル−4−スルホブチル、3−(2−ピリジル)−3−スルホプロピル)、スルホアルケニル基、スルファトアルキル基(例えば、2−スルファトエチル基、3−スルファトプロピル、4−スルファトブチル)、複素環置換アルキル基(例えば、2−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル、2−(2−ピリジル)エチル、テトラヒドロフルフリル、3−ピリジニオプロピル)、アルキルスルホニルカルバモイルアルキル基(例えば、メタンスルホニルカルバモイルメチル基)、アシルカルバモイルアルキル基(例えば、アセチルカルバモイルメチル基)、アシルスルファモイルアルキル基(例えば、アセチルスルファモイルメチル基)、アルキルスルフォニルスルファモイルアルキル基(例えば、メタンスルフォニルスルファモイルメチル基)、アンモニオアルキル基(例えば、3−(トリメチルアンモニオ)プロピル、3−アンモニオプロピル)、アミノアルキル基(例えば、3−アミノプロピル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、4−(メチルアミノ)ブチル、グアニジノアルキル基(例えば、4−グアニジノブチル)}、
好ましくは炭素数6から20、さらに好ましくは炭素数6から10、特に好ましくは炭素数6から8の、置換または無置換アリール基(置換アリール基としては例えば、置換基の例として挙げた前述のWが置換したアリール基が挙げられる。特に、酸基を持つアリール基が好ましく、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基が置換したアリール基であり、特に好ましくはホスファト基、ホスホノ基が置換したアリール基であり、最も好ましくはホスホノ基が置換したアリール基である。具体的にはフェニル、1−ナフチル、p−メトキシフェニル、p−メチルフェニル、p−クロロフェニル、ビフェニル、4−スルホフェニル、4−スルホナフチル、4−カルボキシフェニル、4−ホスファトフェニル、4−ホスホノフェニルなどが挙げられる。)、好ましくは炭素数1から20、さらに好ましくは炭素数3から10、特に好ましくは炭素数4から8の、置換または無置換複素環基(置換複素環基としては置換基の例として挙げた前述のWが置換した複素環基が挙げられる。特に、酸基を持つ複素環基が好ましく、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基が置換した複素環基であり、特に好ましくはホスファト基、ホスホノ基が置換した複素環基であり、最も好ましくはホスホノ基が置換した複素環基である。具体的には2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、3−ピラゾリル、3−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、2−イミダゾリル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、2−ピリダジル、2−ピリミジル、3−ピラジル、2−(1,3,5−トリアゾリル)、3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリル、5−メチル−2−チエニル、4−メトキシ−2−ピリジル、4−スルホ−2−ピリジル、4−カルボキシ−2−ピリジル、4−ホスファト−2−ピリジル、4−ホスホノ−2−ピリジルなどが挙げられる。)が挙げられる。
また、他のR、V〜V24、及びL〜Lと結合していても良い。
、L、L、L、L、及びLは、それぞれ独立にメチン基又は窒素原子を表すが、好ましくはメチン基である。L〜Lで表されるメチン基は置換基を有していても良く、置換基としては前述のWが挙げられる。例えば、置換又は無置換の炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、特に好ましくは炭素数1から5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、2−カルボキシエチル、2−ホスファトエチル、2−ホスホノエチル)、置換または無置換の炭素数6から20、好ましくは炭素数6から15、更に好ましくは炭素数6から10のアリール基(例えば、フェニル、o−カルボキシフェニル、o−ホスファトフェニル、o−ホスホノフェニル)、置換または無置換の炭素数3から20、好ましくは炭素数4から15、更に好ましくは炭素数6から10の複素環基(例えば、N,N−ジメチルバルビツール酸基)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、沃素、フッ素)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、炭素数0から15、好ましくは炭素数2から10、更に好ましくは炭素数4から10のアミノ基(例えば、メチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−メチルピペラジノ)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、更に好ましくは炭素数6から10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−メチルフェニルチオ)などが挙げられる。また他のメチン基と結合して環を形成していても良く、V〜V24、及びR〜Rと結合していても良い。
、n、及びnは0、1、又は2を表し、好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。n〜nが2である時、メチン基又は窒素原子が繰り返されるが同一である必要はない。
、M、及びMは、化合物のイオン電荷を中性にするために必要であるとき、陽イオン又は陰イオンの存在を示すために式の中に含められている。典型的な陽イオンとしては、水素イオン(H)、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アリカリ土類金属イオン(例えば、カルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。
陰イオンとしては、無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであっても良く、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマー又は色素と逆電荷を有する他の色素を用いても良い。また、CO 、SO 、P(=O)(−O)は、対イオンとして水素イオンを持つときはCOH、SOH、P(=O)(−OH)と表記することも可能である。
、m、及びmは電荷を均衡させるのに必要な0以上の数を表し、好ましくは0〜4の数であり、さらに好ましくは0〜2の数であり、分子内で塩を形成する場合には0である。
以下にビオローゲン系色素の化合物を具体例として示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004861638
Figure 0004861638
Figure 0004861638
フェノチアジン系色素とは、下記一般式(6)に示す構造に代表される化合物である。
Figure 0004861638
一般式(6)中、V25、V26、V27、V28、V29、V30、V31、及びV32は水素原子、又は一価の置換基を表し、V同士が互いに結合していても、環を形成していても良い。また、Rと結合していても良い。一価の置換基としては、前述のWが挙げられる。
は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基であり、好ましくはアルキル基、アリール基、及び複素環基であり、さらに好ましくはアルキル基、及びアリール基であり、特に好ましくはアルキル基である。Rとして表されるアルキル基、アリール基、及び複素環基としては、具体的には、例えば、好ましくは炭素原子1から18、さらに好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、好ましくは炭素原子1から18、さらに好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の置換アルキル基{例えば置換基として前述のWが置換したアルキル基が挙げられる。特に、酸基を持つアルキル基が好ましい。ここで、酸基について説明する。酸基とは、解離性プロトンを有する基である。具体的には、例えばスルホ基、カルボキシル基、スルファト基、−CONHSO−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SONHSO−基(スルフォニルスルファモイル基)、スルホンアミド基、スルファモイル基、ホスファト基(−OP(=O)(OH))、ホスホノ基(−P(=O)(OH))、ボロン酸基、フェノール性水酸基、など、これらのpkaと周りのpHによっては、プロトンが解離する基が挙げられる。例えばpH5〜11の間で90%以上解離することが可能なプロトン解離性酸性基が好ましい。さらに好ましくはスルホ基、カルボキシル基、−CONHSO−基、−CONHCO−基、−SONHSO−基、ホスファト基、ホスホノ基であり、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基であり、さらに好ましくはホスファト基、ホスホノ基であり、最も好ましくはホスホノ基である。
具体的には、好ましくはアラルキル基(例えばベンジル、2−フェニルエチル、2−(4−ビフェニル)エチル、2−スルホベンジル、4−スルホベンジル、4−スルホフェネチル、4−ホスホベンジル、4−カルボキシベンジル)、不飽和炭化水素基(例えばアリル基、ビニル基、すなわち、ここでは置換アルキル基にアルケニル基、アルキニル基も含まれることとする。)、ヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、カルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル)、ホスファトアルキル基(例えば、ホスファトメチル、2−ホスファトエチル、3−ホスファトプロピル、4−ホスファトブチル)、ホスホノアルキル基(例えば、ホスホノメチル、2−ホスホノエチル、3−ホスホノプロピル、4−ホスホノブチル)、アルコキシアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例えば、2−フェノキシエチル、2−(4−ビフェニロキシ)エチル、2−(1−ナフトキシ)エチル、2−(4−スルホフェノキシ)エチル、2−(2−ホスホフェノキシ)エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基(例えば、エトキシカルボニルメチル、2−ベンジルオキシカルボニルエチル)、アリーロキシカルボニルアルキル基(例えば、3−フェノキシカルボニルプロピル、3−スルホフェノキシカルボニルプロピル)、アシルオキシアルキル基(例えば、2−アセチルオキシエチル)、アシルアルキル基(例えば、2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキル基(例えば、2−モルホリノカルボニルエチル)、スルファモイルアルキル基(例えば、N,N−ジメチルスルファモイルメチル)、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−[3−スルホプロポキシ]エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル、3−フェニル−3−スルホプロピル、4−フェニル−4−スルホブチル、3−(2−ピリジル)−3−スルホプロピル)、スルホアルケニル基、スルファトアルキル基(例えば、2−スルファトエチル基、3−スルファトプロピル、4−スルファトブチル)、複素環置換アルキル基(例えば、2−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル、2−(2−ピリジル)エチル、テトラヒドロフルフリル、3−ピリジニオプロピル)、アルキルスルホニルカルバモイルアルキル基(例えば、メタンスルホニルカルバモイルメチル基)、アシルカルバモイルアルキル基(例えば、アセチルカルバモイルメチル基)、アシルスルファモイルアルキル基(例えば、アセチルスルファモイルメチル基)、アルキルスルフォニルスルファモイルアルキル基(例えば、メタンスルフォニルスルファモイルメチル基)、アンモニオアルキル基(例えば、3−(トリメチルアンモニオ)プロピル、3−アンモニオプロピル)、アミノアルキル基(例えば、3−アミノプロピル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、4−(メチルアミノ)ブチル、グアニジノアルキル基(例えば、4−グアニジノブチル)}、
好ましくは炭素数6から20、さらに好ましくは炭素数6から10、特に好ましくは炭素数6から8の、置換または無置換アリール基(置換アリール基としては例えば、置換基の例として挙げた前述のWが置換したアリール基が挙げられる。特に、酸基を持つアリール基が好ましく、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基が置換したアリール基であり、特に好ましくはホスファト基、ホスホノ基が置換したアリール基であり、最も好ましくはホスホノ基が置換したアリール基である。具体的にはフェニル、1−ナフチル、p−メトキシフェニル、p−メチルフェニル、p−クロロフェニル、ビフェニル、4−スルホフェニル、4−スルホナフチル、4−カルボキシフェニル、4−ホスファトフェニル、4−ホスホノフェニルなどが挙げられる。)、好ましくは炭素数1から20、さらに好ましくは炭素数3から10、特に好ましくは炭素数4から8の、置換または無置換複素環基(置換複素環基としては置換基の例として挙げた前述のWが置換した複素環基が挙げられる。特に、酸基を持つ複素環基が好ましく、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基が置換した複素環基であり、特に好ましくはホスファト基、ホスホノ基が置換した複素環基であり、最も好ましくはホスホノ基が置換した複素環基である。具体的には2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、3−ピラゾリル、3−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、2−イミダゾリル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、2−ピリダジル、2−ピリミジル、3−ピラジル、2−(1,3,5−トリアゾリル)、3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリル、5−メチル−2−チエニル、4−メトキシ−2−ピリジル、4−スルホ−2−ピリジル、4−カルボキシ−2−ピリジル、4−ホスファト−2−ピリジル、4−ホスホノ−2−ピリジルなどが挙げられる。)が挙げられる。
また、これらがV25〜V32と結合していても良い。
は硫黄原子、酸素原子、窒素原子(N−Ra)、炭素原子(CVaVb)、又はセレン原子を表わし、好ましくは硫黄原子である。なお、Raは水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表わし、前述のR〜Rと同様なものが挙げられ、同様のものが好ましい。Va及びVbは、水素原子、又は一価の置換基を表わし、前述のV〜V32と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
は、化合物のイオン電荷を中性にするために必要であるとき、陽イオン又は陰イオンの存在を示すために式の中に含められている。典型的な陽イオンとしては水素イオン(H)、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アリカリ土類金属イオン(例えば、カルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであっても良く、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマー又は色素と逆電荷を有する他の色素を用いても良い。また、CO 、SO 、P(=O)(−O)は、対イオンとして水素イオンを持つときはCOH、SOH、P(=O)(−OH)と表記することも可能である。
は、電荷を均衡させるのに必要な0以上の数を表し、好ましくは0〜4の数であり、さらに好ましくは0〜2の数であり、分子内で塩を形成する場合には0である。
以下にフェノチアジン系色素の化合物を具体例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004861638
スチリル系色素とは、下記式(7)に示す基本骨格を持つ化合物である。
Figure 0004861638
式中、nは1〜5である。この化合物は式中の任意の場所に任意の置換基を有して良く、特にカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の吸着性の置換基を有することは好ましい。以下に示す化合物を具体例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004861638
以上のエレクトロクロミック材料のうち、有機化合物は、その置換基を変えることにより、吸収波長をコントロールすることができる。また、光学濃度を変化させるエレクトロクロミック材料を2種以上用い、光学濃度変化要素が異なる波長の光学濃度を変化させることを可能とするのも好ましい。
本発明の光学濃度変化要素をカメラユニットなどの調光素子として用いる場合、光学光を均一に吸収するニュートラルグレーに近い吸収特性を有することが好ましく、光学濃度変化要素は可視光、好ましくは複数の異なる波長の可視光、より好ましくは青色光,緑色光および赤色光を吸収することが好ましい。さらには、可視域の複数の材料の組み合わせにより実現させることができる。2種以上の好ましい組み合わせは、ビオローゲン系色素−フェノチアジン系色素、ビオローゲン系色素−フェロセン系色素、フタロシアニン系色素−プルシアンブルー、ビオローゲン系色素−酸化ニッケル、ビオローゲン系色素−酸化イリジウム、酸化タングステン−フェノチアジン系色素、ビオローゲン系色素−フェノチアジン系色素−スチリル系色素、ビオローゲン系色素2種(置換基の異なる2種)−フェノチアジン系色素、ビオローゲン系色素2種(置換基の異なる2種)−スチリル系色素、ビオローゲン系色素2種(置換基の異なる2種)−酸化ニッケルなどである。
本発明の光学濃度変化要素は、これらのエレクトロクロミック材料の電気化学反応を調整するために、アノード側及びカソード側の少なくともいずれかに、無色酸化還元材料を有する。また、エレクトロクロミック材料と同様に、アノード表面及びカソード表面のナノ多孔質半導体材料に吸着していることが好ましい。
また、無色酸化還元材料は、アノード側に存在していることが好ましい。無色酸化還元材料がアノード側に存在する場合(アノード側及びカソード側の両方に存在する場合と、アノード側のみに存在する場合を含む)、前述したエレクトロクロミック材料はアノード側に存在せず、カソード側に存在することが好ましい。
無色酸化還元材料としては、例えば式(8)に示すような基本構造を持つ化合物が挙げられる。
式(8): (A)m−B
式(8)において、Aは酸基、Bはヒドロキシルアミン類又はカテコール類を示す。mは1〜4の整数を表し、mは好ましくは1又は2である。mが2以上のとき、Aは同一であっても異なっていてもよい。
式中、Aはアノード表面及び/又はカソード表面への吸着を受け持つ部分であり、Bは電子授受を受け持つ部分である。Aは、好ましくは酸基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスファト基)であり、特に好ましくはホスホノ基、ホスファト基である。Bは、例えば以下に示すようなヒドロキシルアミン類、カテコール類などの構造である。
Figure 0004861638
無色酸化還元材料として例えば以下に示す化合物を具体例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004861638
さらに、エレクトロクロミック材料の電気化学反応を促進するために、酸化還元されうる補助化合物が電解液中に溶解していても良い。補助化合物は酸化還元によってλ=400nm〜700nmの光学濃度が変化しないものでも良いし、変化するものでも良い。
また、前記エレクトロクロミック材料及び無色酸化還元材料の電気化学反応を促進するために、酸化還元されうる補助化合物が光学濃度変化要素内に存在しても良い。補助化合物は酸化還元によってλ=400nm〜700nmの光学濃度が変化しないものでも良いし、変化するものでも良い。補助化合物はエレクトロクロミック材料及び無色酸化還元材料と同じ様に金属酸化物上に存在しても良いし、電解質中に溶解していても、あるいは電気伝導層上に単独で層を形成していても良い。
光学濃度変化要素に用いることができる電解質は、溶媒と支持電解質からなるものが好ましい。支持電解質は荷電の授受により、それ自身は決して電気化学反応を起さず、導電性を高める役目を担う。溶媒としては極性を有するものが好ましく、具体的には水、メタノール、エタノールなどのアルコール、酢酸などのカルボン酸、アセトニトリル、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、プロピレンカルボネート、エチレンカルボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、トリメチルホスフェイト、ピリジン、ヘキサメチレン酸トリアミド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
支持電解質は溶媒中でイオンとして荷電のキャリアーとして働くもので、イオン化し易いアニオンとカチオンで組み合わされた塩である。カチオンとしては、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+を代表とする金属イオン及びテトラブチルアンモニウムイオンを代表とする4級アンモニウムイオンが挙げられる。また、アニオンとしては、Cl-、Br-、I-、F-を代表とするハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、トシラートイオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン等が挙げられる。その他の電解質として、LiCl/KClを代表とする溶融塩系、イオン伝導体、超イオン伝導体を代表とする固体電解質系、イオン交換膜のような膜状のイオン導電性物質を代表とする固体高分子電解質系が挙げられる。
本発明の光学濃度変化要素は、光学濃度変化要素に用いられる各材料を適切に組み合わせる、すなわち支持体、電気伝導層、クロミック材料の種類を最適化する、また半導体材料の種類や粒子サイズを最適化することによって、消色状態でのλ=400nmの光学濃度を0.2以下に抑えることが好ましく、特に0.125以下にすることが好ましい。また同様にして、消色状態でのλ=400nm〜500nmの光学濃度の平均値、消色状態でのλ=500nm〜600nmの光学濃度の平均値および消色状態でのλ=600nm〜700nmの光学濃度の平均値をすべて0.1以下にすることが好ましい。一方で電磁波照射に対して応答した際のλ=400nm〜700nmの光学濃度の平均値が0.5以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。
本発明の光学素子は、電磁波に応答し起電力を発生させる起電力発生要素と、その起電力により光学濃度が変化する、本発明の光学濃度変化要素と、を有する。本発明の光学素子において、光学濃度変化要素と起電力発生要素の接続に当たっては直接接続しても良いし、増幅用、保護用などの機能を持った回路を介しても良い。また、光学濃度変化要素と並列に接続した抵抗を有し、光遮断時の印加電圧の解消を促進するような回路構成となっていてもよい。
本発明の光学素子は、光学濃度変化要素の光学濃度の変化が、起電力発生要素から発生した起電力、すなわち電磁波に応じて生じるので、電磁波の強度に応じてその透過光量を変化させる調光素子等として機能させることができる。
本発明において「起電力を発生させる要素(起電力発生要素)」とは、電磁波エネルギーを電気エネルギーに変換する要素をいう。より具体的には、太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池が代表例として挙げられる。太陽電池を構成する材料は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化合物が挙げられる。これらの化合物を用いた太陽電池としては公知のものを本発明の光学素子の用途に応じて選択して使用することができる。
また、色素によって増感された酸化物半導体を用いた光電変換素子(以後、色素増感光電変換素子と略す)、及びこれを用いた光電気化学電池について、Nature(第353巻、第737〜740頁、1991年)、米国特許4927721号、特開2002−75443号公報等に記載された技術も、本発明の起電力発生要素として利用することができる。このような色素増感光電変換素子もまた、本発明の起電力発生要素として好ましい。
また、電磁波センサーと電圧源を組み合わせて起電力発生要素としてもよい。この場合の電磁波センサーは特に限定されないが、フォトトランジスタ、CdSセンサー、フォトダイオード、CCD、CMOS、NMOS、太陽電池等が挙げられる。電磁波センサーの材料は応答させたい電磁波の波長に応じて適切なものを選ぶことができる。電圧源は特に限定されないが、乾電池、鉛蓄電池、ディーゼル発電機、風力発電機等が挙げられる。ここでいう乾電池としてはアルカリ乾電池、マンガン乾電池などの一次電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池のいずれであってもよい。
本発明の好ましい起電力発生要素は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを材料とする太陽電池、色素増感光電変換素子、およびフォトトランジスタと乾電池の組み合わせである。本発明の光学素子をカメラユニットに適用する場合、起電力発生要素は、照射される電磁波(特に太陽光)の強度に比例した大きさの起電力を発生するのが好ましい。
本発明の光学素子は、車両用窓材料、表示装置、カメラ関連光学素子などいずれにも適応できる。本発明の光学素子の有効性を発揮できる一応用例がカメラ関連光学素子である。大版・中版のカメラ、一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、レンズ付きフィルム、デジタルカメラ、放送用カメラ、映画用フイルムカメラ、映画用デジタルカメラ、携帯電話向けカメラユニット、8mmムービーカメラなどいずれの撮影ユニット対しても有効である。特に特徴を発揮できる例として、レンズ付きフィルムに代表される複雑な制御機構を必要としない簡易な撮影システムがある。特徴を発揮できる別の例として、CCDあるいはCMOSを撮像素子とするデジタルカメラがあり、撮像素子のダイナミックレンジの狭さを補うことができる。
本発明の光学素子を撮影ユニットに応用する場合に、光学濃度変化要素は、レンズの光軸上に設置されることが好ましい。また、起電力発生要素と、光学濃度変化要素、およびカメラの感光要素(感光材料(フィルムなど)やCCD)とは、光吸収特性(光吸収波長や分光感度)の重なりが大きいほど好ましい。特に、光学濃度変化要素の吸収波長域とカメラの感光要素の分光感度域の重なりが大きいほど好ましい。これにより、カメラの分光感度域全体に渡って、ニュートラルグレーな調光性を実現できる。
以下、本発明をより詳細に説明するために実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
本発明の光学濃度変化要素であるエレクトロフィルクロミックフィルター101(実施例1)、及び比較例のエレクトロクロミックフィルター102(比較例2)を、(i)カソード用酸化チタンナノ粒子の塗布、(ii)アノード用酸化錫ナノ粒子の塗布、(iii)カソード用エレクトロクロミック材料の吸着、(iv)アノード用無色酸化還元材料の吸着、(v)エレクトロクロミックフィルターの形成、の手順で作製した。以下、これらの手順について詳細に説明する。
(i)カソード用酸化チタンナノ粒子の塗布
平均直径10nmの酸化チタンの水分散液にポリビニルアルコールを加え、均一に攪拌して塗布液を作製した。
カソード用基板として、導電性SnO2蒸着膜で被覆した反射防止膜付きの透明導電性ガラス基板(厚さ0.7mm)を用意し、この透明導電性ガラス基板のSnO2膜上に、酸化チタンが6g/m2となるように、塗布液を均一に塗布した。
塗布後、ガラス基板を450℃で30分間焼成して高分子成分を除去し、酸化チタンナノ多孔質電極を作製した。このようにして作製した電極は、およそ750の表面粗さ係数を持っていた。
(ii)アノード用酸化錫ナノ粒子の塗布
平均直径5nmの酸化錫の水分散液にポリエチレングリコール(分子量20000)を加え、均一に攪拌して塗布液を作製した。
アノード用基板として、導電性SnO2蒸着膜で被覆した反射防止膜付きの透明導電性ガラス基板(厚さ0.7mm)を用意し、この透明導電性ガラス基板のSnO2膜上に塗布液を均一に塗布した。
塗布後、450℃まで100分かけて昇温し、450℃で30分間焼成して高分子を除去した。酸化錫の合計塗付量が7g/m2となるまで塗付と焼成を繰り返し、酸化錫ナノ多孔質電極を得た。以上のようにして作製した電極はおよそ750の表面粗さ係数を持っていた。
(iii)カソード用エレクトロクロミック材料の吸着
カソード用エレクトロクロミック材料として、下記式で示すクロミック色素(V−1)を用いた。クロミック色素(V−1)はカソード(−極)で還元されて発色する性質を有する。
Figure 0004861638
クロミック色素(V−1)を水溶媒中に濃度が0.02mol/lになるように溶解して、(i)で作製した酸化チタンナノ多孔質電極を浸漬して40℃で3時間化学吸着させた。化学吸着後、電極を水で洗浄し、さらに真空乾燥した。
なお、エレクトロクロミック材料のナノ粒子への吸着法については上記の浸漬法以外に、(i)でナノ粒子を透明導電性ガラス基板に塗布する際、塗布液に混ぜて吸着させる方法等も挙げられる。
(iv)アノード用無色酸化還元材料の吸着
アノード用無色酸化還元材料として、下記式で示す化合物(R−1)を用いた。化合物(R−1)は、アノード(+極)において酸化還元されうる化合物であるが、酸化還元の際、可視域(およそ波長400nm〜700nm)の分光吸収スペクトルは変化しない化合物である。従って、発色スペクトルに影響を与えずにカソード上のエレクトロクロミック材料の発色を促進することができる。
Figure 0004861638
化合物(R−1)を水溶媒中に0.02mol/lになるように溶解し、この化合物(R−1)を溶解した水溶液中に(ii)で作製した酸化錫ナノ多孔質電極を浸漬して、40℃で3時間化学吸着させた。化学吸着後、電極を水で洗浄し、さらに真空乾燥した。
(v)エレクトロクロミックフィルターの形成
クロミック色素(V−1)を吸着させた酸化チタンナノ多孔質電極及び化合物(R−1)を吸着させた酸化錫ナノ多孔質電極を、図4に示すように対向させ、その隙間に、0.2mol/lの過塩素酸リチウムのγ−ブチロラクトン溶液を電解質として封入して、エレクトロクロミックフィルター101(実施例1)を形成した。
一方、(iv)アノード用無色酸化還元材料の吸着は行わず、他は101と同様の手法を用いて比較例のエレクトロクロミックフィルター102(比較例1)を得た。
エレクトロクロミックフィルター101(実施例1)において、クロミック色素(V−1)を吸着させた酸化チタンナノ多孔質電極をカソード(−極)とし、化合物(R−1)を吸着させた酸化錫ナノ多孔質電極をアノード(+極)として、1.5Vの電圧を印加したところ、フィルターは速やかに着色し、波長610nmにおける光学濃度は30秒以内に0.9増加した。次いで、両極を短絡したところフィルターは速やかに消色し、20秒以内に電圧印加前の濃度に戻った。
一方、エレクトロクロミックフィルター102(比較例1)に同様の電圧印加を行ったところ、波長610nmにおける光学濃度の増加は、30秒経過時で0.7にとどまった。また、両極を短絡した際の消色も遅く、1分経過しても電圧印加前の濃度には戻らなかった。以上の結果を表1にまとめる。なお、表1の「30秒後の消色」については、発色前の光学濃度に対して±0.03以内となる場合を○、それ以外を×とした。
Figure 0004861638
以上の結果から、本発明の無色酸化還元材料を用いたエレクトロクロミックフィルター(光学濃度変化要素)は、比較例1の無色酸化還元材料を用いなかったエレクトロクロミックフィルターに対して発色性能、消色性能ともに優れていることがわかる。
[実施例2]
実施例1の(i)〜(iv)の工程を以下の(i)〜(iv)に変更して、エレクトロクロミックフィルター201を作製した。
(i)カソード用酸化錫ナノ粒子の塗布
直径約40nmの酸化錫の水分散液にポリエチレングリコール(分子量20,000)を加え、均一に攪拌して塗布液を作製した。塗布基板には、導電性SnO2蒸着膜で被覆した厚さ0.7mmの反射防止膜付き透明ガラスを用いた。この透明導電性ガラス基板のSnO2膜上に酸化錫が9g/m2となる様に、塗布液を均一に塗布した。塗布後、450℃で30分間、ガラス基板を焼成して高分子を除去して酸化錫ナノ多孔質電極を作製した。上記手法に従って作成した電極はおよそ750の表面粗さ係数を持っていた。
(ii)アノード用酸化錫ナノ粒子の塗布
実施例1と同様にして、酸化錫ナノ多孔質電極を得た。
(iii)カソード用エレクトロクロミック材料の吸着
カソード用エレクトロクロミック材料として、下記式で示すクロミック色素(V−7),(V−8),及び(V−10)を用いた。
Figure 0004861638
クロミック色素(V−7),(V−8),及び(V−10)を水溶媒中に濃度が0.02mol/lになるように溶解して、(i)で作製した酸化錫ナノ多孔質電極を浸漬して40℃で3時間化学吸着させた。化学吸着後、電極を水で洗浄し、さらに真空乾燥した。
(iv)アノード用無色酸化還元材料の吸着
実施例1と同様に無色酸化還元材料を酸化錫ナノ多孔質電極に吸着させた。
以上のようにして作製したエレクトロクロミックフィルター201を以下の表にまとめる。
Figure 0004861638
このエレクトロクロミックフィルター201に対して、実施例1と同様に電圧印加を行ったところ、実施例1と同様に速やかに着色・消色した。加えて、波長400nm〜700nmの全域にわたってバランスの良い発色が得られた。
[実施例3]
実施例1の(i)〜(iv)の工程を以下の(i)〜(iv)に変更して、エレクトロクロミックフィルター301を作製した。
(i)カソード用酸化錫ナノ粒子の塗布
実施例2と同様にして、酸化錫ナノ多孔質電極を作製した。
(ii)アノード用酸化錫ナノ粒子の塗布
実施例1と同様にして、酸化錫ナノ多孔質電極を得た。
(iii)カソード用無色酸化還元材料の吸着
カソード用無色酸化還元材料として、下記式で示す化合物(R−2)を用いた。
Figure 0004861638
化合物(R−2)を水溶媒中に0.02mol/lになるように溶解し、この化合物(R−2)を溶解した水溶液中に(i)のカソード用酸化錫ナノ多孔質電極を浸漬して、40℃で3時間化学吸着させた。化学吸着後、電極を水で洗浄し、さらに真空乾燥した。
(iv)アノード用エレクトロクロミック材料の吸着
アノード用エレクトロクロミック材料として、クロミック色素(P−1)を用いた。
クロミック色素(P−1)をクロロホルムとメタノールとの混合溶媒中に、濃度が0.02mol/lになるように溶解して、(ii)で作製しアノード用酸化錫ナノ多孔質電極を浸漬して40℃で3時間化学吸着させた。化学吸着後、電極を水で洗浄し、さらに真空乾燥した。
Figure 0004861638
Figure 0004861638
このエレクトロクロミックフィルター301に対して、実施例1と同様に電圧印加を行ったところ、波長515nmにおいて20秒後に光学濃度が0.9増加し、速やかに発色した。また、消色も20秒以内で速やかであった。
[実施例4]
実施例1の(i)〜(iv)の工程を以下の(i)〜(iv)に変更して、エレクトロクロミックフィルター401を作製した。
(i)カソード用酸化錫ナノ粒子の塗布
実施例2と同様にして、酸化錫ナノ多孔質電極を作製した。
(ii)アノード用酸化錫ナノ粒子の塗布
実施例1と同様にして、酸化錫ナノ多孔質電極を得た。
(iii)カソード用エレクトロクロミック材料及び無色酸化還元材料の吸着
カソード用エレクトロクロミック材料として、クロミック色素(V−1)を用い、カソード用無色酸化還元材料として化合物(R−2)を用いた。
クロミック色素(V−1)及び化合物(R−2)を水溶媒中に合わせて0.02mol/lになるように溶解し、この水溶液中に(i)のカソード用酸化錫ナノ多孔質電極を浸漬して、40℃で3時間化学吸着させた。化学吸着後、電極を水で洗浄し、さらに真空乾燥した。
(iv)アノード用エレクトロクロミック材料の吸着
アノード用エレクトロクロミック材料として、クロミック色素(P−1)を用いた。
クロミック色素(P−1)を、クロロホルムとメタノールとの混合溶媒中に濃度が0.02mol/lになるように溶解して、(ii)で作製しアノード用酸化錫ナノ多孔質電極を浸漬して40℃で3時間化学吸着させた。化学吸着後、電極を水で洗浄し、さらに真空乾燥した。
Figure 0004861638
このエレクトロクロミックフィルター401に対して、実施例1と同様に電圧印加を行ったところ、実施例3と同様に速やかな発色と消色が観察された。加えて、エレクトロクロミックフィルター401は、波長515nm付近で濃い発色を、波長610nm付近で中程度の発色を示していた。
[実施例5]
本発明の光学濃度変化要素と起電力発生要素とを有する光学素子をレンズ付きフィルムに搭載した実施例を示す。
本実施例のレンズ付きフィルム501は、図2および図3に示されるように、(1)調光フィルター23(光学濃度変化要素)及び(2)太陽電池13(起電力発生要素)を搭載したものである。太陽電池13をユニット外部に設けることで、外部光の強度に応じた起電力を発生させ、その起電力に応じて調光フィルター23にて、写真フィルム16に到達する光量を調節し、高輝度環境下でのオーバーネガを防ぐことができる。以下、(1)調光フィルター及び(2)太陽電池の詳細および作製法について説明する。
(1)調光フィルター
調光フィルターは、実施例2で作製したエレクトロクロミックフィルター201を使用した。
(2)太陽電池
太陽電池としては、シリコン型SS−3012DS(SINONAR社製)を用いた。それら太陽電池のユニットセルを約1.5Vの起電力が発生させられるように直列に繋いだ。使用した太陽電池の模擬太陽光(キセノンランプとOriel社製 AM1.5分光フィルターを使用)の光量に対する起電力特性を図5に示す。
上記の(1)調光フィルターと(2)太陽電池を用い、下記表1に示す構成のレンズ付きフィルム501を作製した。また、太陽電池及び調光フィルターを全く有しないレンズ付きフィルム502を比較例とした。使用したフィルムのISO感度は1600、絞りはF8、シャッター速度は1/85”である。この条件で構成される撮影システムを用いた場合、EV=8.4の条件で写真を撮影した際に最適の濃度のネガが得られる。
Figure 0004861638
試料501に用いた光学素子の太陽電池起電力に対する光学濃度特性を図6に示す。また、これらの結果から得られる、太陽電池と調光フィルターを結合した光学素子の光量に対する光学濃度応答特性を図7に示す。図7に示した光学濃度はλ=400nm〜700nmの平均値である。なお、絞りを+1するということは透過光量を半分にすることに相当し、光学濃度でいうと0.3の上昇に相当する。図7に示すように、この光学素子の絞りは光遮断時には+0.2で、そこにEV=11.0の光を照射することで+2.0まで、EV=11.5以上の光を照射することで+3.2まで絞りが増加した。変化の応答時間は5秒であった。なお、EVとは明るさを示す値であり、照度の実用単位luxを用いて示した明るさLから、下記数式(2)により、算出される値である。
数式(2):EV=log2(L/2.4)
先ほど示した絞りとの関係で述べると、ある光学素子の絞りを+1することはその光学素子を通して受取る光の明るさのEV値が1減少することに相当する。
上記501、502のレンズ付フィルムを使用して、EV=6.4(暗い室内に相当)〜15.4(真夏の晴天時に相当)の範囲の明るさの場面で撮影を行い、富士写真フイルムCN−16現像処理を3分15秒間行なった。その結果得られたネガの露出レベルの比較を表6に示す。なお、露出レベルとは処理後のネガの濃度の適正さを評価したもので、最適なネガの濃度を0とおいた。前述の様に今回用いた撮影システムの場合、EV=8.4の条件で写真を撮った際に最適の濃度のネガが得られる、すなわち露出レベル=0となる。露出レベル+1とは、適正なグレー濃度から1絞り分濃い(=光学濃度で言うと0.3高い)ことを、露出レベル−1とは、適正なグレー濃度から1絞り分薄い(光学濃度で言うと0.3低い)ことを意味する。
Figure 0004861638
ここで得られたネガを元にプリントを行う事を想定した場合、ある程度の露出レベルのずれは補正可能となる。具体的には−1〜+4までの範囲の露出レベルのネガならば、プリント時に補正可能であり、「撮影に成功した写真」を得ることができる。露出レベルが先程の範囲内にない場合にはプリント時での補正が追いつかず、「失敗写真」となってしまう。上記の条件で撮影したネガからプリントした場合に得られた写真が成功しているか失敗しているかを表7に示した。○が成功で×が失敗である。
Figure 0004861638
上記表から、調光システムを持つレンズ付フィルム501(本発明)は、調光システムを持たないレンズ付フィルム502(比較例)に比して照度の低い条件(EV値が小さい条件)での撮影可能領域がやや狭まっているものの照度の高い条件(EV値が大きい条件)での撮影可能領域が大幅に広がっており、総合してより広い撮影領域を持つカメラシステムが実現されていることが分かる。
[実施例6]
本実施例は、電子スチルカメラに調光フィルターを装備した実施例である。本実施例の電子スチルカメラは、図8に示したように、レンズとCCDの間に、実施例2で作製したエレクトロクロミックフィルター201を調光フィルターとして搭載したものである。更に、図9に示したように外装部に小型のフォトトランジスタ(シャープ社製PT380)を設置し、電子スチルカメラに内蔵された電池(単3;1.5V)を電源として調光フィルターを制御するように接続した。実施例5のレンズ付きフィルムユニットと同様の比較実験を行ったところ、本発明はダイナミックレンジの狭い電子スチルカメラではレンズ付きフィルムユニットの場合よりも顕著な調光効果を発揮した。
[実施例7]
本実施例は、携帯電話用の撮像ユニットに調光フィルターを装備した実施例である。本実施例の携帯電話用撮像ユニットは、携帯電話の撮像ユニットのレンズ上に、実施例2で作製したエレクトロクロミックフィルター201を調光フィルターとして搭載したものである。更に、撮像ユニットの周囲に実施例6と同様の小型のフォトトランジスタを設置し、携帯電話に内蔵された電池を電源として調光フィルターを制御するように接続した。本実施例の撮像ユニットを搭載した携帯電話は、本発明のような光学素子を持たない撮像ユニットと比較してより幅広い露光条件での撮影が可能であった。
本発明の光学濃度変化要素の代表的な一構成例を示す概略断面図である。 本発明の光学濃度変化要素を有するレンズ付きフィルムユニットの要部の概略断面図である。 本発明の光学濃度変化要素を有するレンズ付きフィルムユニットの一例の外観図である。 本発明の光学濃度変化要素の一例(エレクトロクロミックフィルター)の構成を示す概略断面図である。 実施例5に用いた太陽電池の起電力応答特性を示すグラフである。 実施例5で作製した調光フィルターの起電力応答特性を示すグラフである。 実施例5で作製した本発明の光学素子の起電力応答特性を示すグラフである。 本発明の光学濃度変化要素を有する電子スチルカメラの要部の概略断面図である。 本発明の光学濃度変化要素を有する電子スチルカメラの一例の概略外観図である。
符号の説明
1 レンズ付きフィルムユニット
4 撮影レンズ
5 ファインダー
6 ストロボ発光部
8 シャッターボタン
13 太陽電池
16 写真フィルム
18 遮光筒
20 レンズホルダー
21 アパーチャー
22 露光開口
23 調光フィルター
24 絞り
29 光軸
31 支持体
32 導電性コーティング
33a アノード
33b カソード
34 電解質
35 スペーサー

Claims (9)

  1. アノードとカソードとを有し、
    アノード側及びカソード側の少なくともいずれかに、
    電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する化合物を有し、かつ、
    アノード側及びカソード側の少なくともいずれかに、
    電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない化合物を有し、
    前記電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない化合物が、下記式(8)で示される構造を有することを特徴とする光学濃度変化要素。
    式(8):(A)m−B
    〔Aは酸基、Bはヒドロキシルアミン類又はカテコール類を示す。mは1〜4の整数を表し、mが2以上のとき、Aは同一であっても異なっていてもよい。〕
  2. アノード側に、電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない化合物を有することを特徴とする請求項1に記載の光学濃度変化要素。
  3. アノード側に、電極との電子授受が可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化する化合物を有さないことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学濃度変化要素。
  4. アノード及びカソードの少なくともいずれかが、粗さ係数20以上のナノ多孔質半導体材料を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学濃度変化要素。
  5. 消色状態において、波長400nmの光学濃度が0.2以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学濃度変化要素。
  6. 消色状態における波長400nm〜500nmの光学濃度の平均値、波長500nm〜600nmの光学濃度の平均値、及び波長600nm〜700nmの光学濃度の平均値が、いずれも0.1以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学濃度変化要素。
  7. 電磁波に応答し起電力を発生させる起電力発生要素と、その起電力により光学濃度が変化する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学濃度変化要素と、を有することを特徴とする光学素子。
  8. 請求項7に記載の光学素子を有することを特徴とする撮影ユニット。
  9. 前記撮影ユニットがレンズ付きフィルムであることを特徴とする請求項8に記載の撮影ユニット。
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