JP2000100486A - 電解質および光電気化学電池 - Google Patents

電解質および光電気化学電池

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JP2000100486A
JP2000100486A JP10286006A JP28600698A JP2000100486A JP 2000100486 A JP2000100486 A JP 2000100486A JP 10286006 A JP10286006 A JP 10286006A JP 28600698 A JP28600698 A JP 28600698A JP 2000100486 A JP2000100486 A JP 2000100486A
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polymer compound
compound
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JP10286006A
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Hiroo Takizawa
裕雄 滝沢
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な電解質、特にゲル電解質を提供し、こ
れを用いて光電変換特性および耐久性に優れた光電気化
学電池を提供する。 【解決手段】 特定構造の高沸点化合物を溶媒とし、か
つ高分子化合物を含有する電解質とし、導電性支持体
と、この導電性支持体上に塗設された半導体含有層と、
本発明の電解質を含有する電荷移動層と、対向電極とを
有する光電気化学電池とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池の電解質、特
に光電気化学電池の電解質に用いられる新規な電解質、
特にゲル電解質に関する。さらにはこれを用いた光電気
化学電池に関する。
【0002】
【従来の技術】光エネルギーを電気エネルギーに変換す
る太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコ
ン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、テルル化
カドミウムやセレン化インジウム銅等の化合物太陽電池
が実用化、もしくは研究開発の対象となっているが、普
及させる上で製造コスト、原材料の確保、エネルギーペ
イバックタイムの長さなどの問題点を克服する必要があ
る。一方、大面積化や低価格化を指向した有機材料を用
いた太陽電池もこれまでにも多く提案されているが、変
換効率が低く、耐久性も悪いという問題があった。
【0003】こうした状況の中で、Nature(第353巻、
第737〜740頁、1991年)および米国特許4927721号等
に、色素によって増感された酸化物半導体を用いた光電
変換素子(以後、色素増感光電変換素子と略す)および
これを用いた光電気化学電池の技術が開示された。この
電池は負極として機能する光電変換素子、電荷移動層お
よび対向電極からなる。光電変換素子は導電性支持体お
よび感光層からなり、感光層は表面に色素が吸着した半
導体を含む。電荷移動層は酸化還元体からなり、負極と
対向電極(正極)との間で電荷輸送を担う。上記特許で
提案された光電気化学電池は、電荷移動層としてヨウ化
カリウム等の塩を電解質とする水溶液(電解液)を用い
た電池である。この方式は安価で、比較的高いエネルギ
ー変換効率(光電変換効率)が得られる点で有望である
が、電荷移動層にヨウ化カリウム水溶液といったような
低沸点溶媒を多く含む電解液を用いているため、長期に
わたって使用すると電解液の蒸散、枯渇により光電変換
効率が著しく低下したり、電池として機能しなくなるこ
とが問題であった。
【0004】この問題に対し、特開平9−27352号
公報には架橋ポリエチレンオキサイド系高分子固体電解
質を用いた光電気化学電池が記載されている。さらに、
J,Phys.Chem.,1995,99,1701-1703にはポリアクリロニト
リル系高分子ゲル電解質を用いて固体化した光電気化学
電池が提案されている。
【0005】しかしながら、これらの固体電解質を用い
た光電気化学電池は検討の結果、光電変換特性、特に短
絡電流密度が劣ることが判明した。また、耐久性も不充
分なレベルであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光電
変換特性および耐久性に優れた電池の電解質、特に光電
気化学電池用の電解質を提供することである。さらには
光電変換効率および耐久性に優れた光電気化学電池を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の本発
明を特定する事項および好ましい次項により解決され
た。 (1) 少なくとも式(I)および(II)で表される化
合物群から選ばれる少なくとも1種と、少なくとも1種
の高分子化合物とを含有することを特徴とする電解質。
【0008】
【化3】
【0009】[式(I)中、R1およびR2はそれぞれ独
立にアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表
す。R3はシアノ基、アルコキシカルボニル基、アシル
オキシ基、カルボンアミド基、リン酸基、ホスホノ基、
ホスフィノ基、ホスホリル基、カルバモイル基、ウレタ
ン基、ウレア基、カーボネート基、スルホンアミド基、
スルファモイル基、スルホキシド基、スルホン基、スル
ホニル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリーロキシ基ま
たはヒドロキシ基を表し、Eは単結合、アルキレン基、
アルケニレン基またはアリーレン基を表す。a、bおよ
びcはそれぞれ独立に0または1である。式(II)中、
3はシアノ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキ
シ基、カルボンアミド基、リン酸基、ホスホノ基、ホス
フィノ基、ホスホリル基、カルバモイル基、ウレタン
基、ウレア基、カーボネート基、スルホンアミド基、ス
ルファモイル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホ
ニル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリーロキシ基また
はヒドロキシ基を表し、Eは単結合、アルキレン基、ア
ルケニレン基またはアリーレン基を表す。Dは−O−、
−OC(O)−または−OC(O)O−を表す。R4
複素環基、または複素環基を有するアルキル基、アルケ
ニル基もしくはアリール基を表す。]
【0010】(2) 高分子化合物の主鎖部分がポリエ
チレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニル
アルコール、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、
ポリシラン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポ
リビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリフッ
化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、およびそれらの任
意の共重合体から選ばれる上記(1)の電解質。 (3) 高分子化合物の側鎖部分に少なくとも1個のオ
キシエチレン基、オキシプロピレン基、ヘテロ環基、シ
アノ基およびカーボネート基から選ばれる置換基を有す
る上記(2)の電解質。 (4) 高分子化合物が、ポリアクリロニトリルまたは
ポリフッ化ビニリデンである上記(1)〜(3)のいず
れかの電解質。 (5) 高分子化合物が、架橋高分子化合物である上記
(1)〜(3)のいずれかの電解質。 (6) 架橋高分子化合物が式(III)で表される上記
(5)の電解質。
【0011】
【化4】
【0012】[式(III)中、R51は水素原子、アルキ
ル基またはアリール基を表す。Z51はヘテロ環基、シア
ノ基、カーボネート基、−(CH2CH2O)n52
52、および−[CH2CH(CH3)O]n53−R53
ら選ばれる置換基を少なくとも1個含有する1価の有機
基を表し、L51は−COO−、−OCO−、−CONR
54−または−NR54CO−を表し、n51は0または1で
ある(ここで、R52、R53およびR54はそれぞれ独立に
水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基またはアリール基を表し、n52およびn53はそれぞれ
独立に1〜30の整数である)。Gはエチレン性不飽和
基を含有する化合物から誘導される繰り返し単位を表
す。Jはエチレン性不飽和基を2個以上含有する化合物
から誘導される繰り返し単位を表す。d、eおよびfは
それぞれ独立に繰り返し単位の重量組成比を表し、dは
5重量%以上99重量%以下、eは0以上70重量%以
下、fは0.5重量%以上50重量%以下である。] (7) 式(III)中、L51が−COO−(OでZ51
結合)または−CONR54−(NでZ51と結合)である
上記(6)の電解質。 (8) 式(III)中、n52およびn53がそれぞれ独立
に1〜10の整数である上記(6)または(7)の電解
質。 (9) 式(III)中、dが20重量%以上である上記
(6)〜(8)のいずれかの電解質。 (10) 式(I)および(II)中のそれぞれにおいて、
3がシアノ基である上記(1)〜(9)のいずれかの
電解質。 (11) 式(I)で表される化合物を含有する上記
(1)〜(10)のいずれかの電解質。 (12) ゲル電解質である上記(1)〜(11)のいずれ
かの電解質。 (13) 光電気化学電池に用いられる上記(1)〜(1
2)のいずれかの電解質。 (14) 上記(13)の電解質を含む電荷移動層を有し、
さらに輻射線に感応する半導体と対向電極とを有する光
電気化学電池。 (15) 半導体が色素増感された微粒子半導体である上
記(14)の光電気化学電池。 (16) 微粒子半導体が金属カルコゲニドである上記
(15)の光電気化学電池。 (17) 金属カルコゲニドが酸化チタンを含む上記(1
6)の光電気化学電池。 (18) 色素が金属錯体色素および/またはポリメチン
色素である上記(15)〜(17)のいずれかの光電気化学
電池。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電解質は、式(I)または式(II)で表される
化合物を溶媒とし、高分子化合物を含有するものであ
り、電解質はゲル電解質となることが好ましい。本発明
の電解質は、種々の電池に用いることができるが、好ま
しくはリチウムイオン二次電池または半導体を用いた光
電変換素子(例えばCCDカメラ等)もしくは光電気化
学電池に用いることが好ましく、半導体を用いた光電気
化学電池に用いることがより好ましい。
【0014】次に本発明の式(I)または式(II)で表
される化合物について詳しく説明する。式(I)、(I
I)で表される化合物は高沸点有機溶媒であり、上述の
ように電解質の溶媒に用いたとき、溶媒の揮発による素
子の性能劣化を防止することができる。従って、高分子
化合物と、このような溶媒とを併用することによって、
短絡電流密度が高く、かつ短絡電流密度の経時劣化がな
いなど、光電変換特性および耐久性に優れた光電化学電
池が得られる。これに対し、式(I)、(II)とは異な
る従来の溶媒を用いた電解質を使用すると、短絡電流密
度の経時劣化が生じ、耐久性が不十分となる。
【0015】よって本発明の有機溶媒の沸点は200℃
以上であることがより好ましく、250℃以上であるこ
とがさらに好ましい。また光電変換素子の短絡電流密
度、変換効率等の性能上からは、有機溶媒の粘度が低
く、誘電率が大きいことが好ましい。すなわち、粘度が
低いことによっては、イオン移動度を向上させたりする
効果が得られ、誘電率が大きいことによっては、有効キ
ャリアー濃度を向上させる効果が得られる。
【0016】式(I)について説明すると、式(I)
中、R1、R2はそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の
アルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数)が1〜
20であり、直鎖状であっても分岐鎖であってもよく、
例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、i−プロピ
ル、ヘキシル、t−オクチル、ベンジル、2−エトキシ
エチル、2−ブトキシエチル)、置換もしくは無置換の
アルケニル基(好ましくはC数が2〜20であり、直鎖
状であっても分岐鎖であってもよく、例えばビニル、ア
リル)、置換もしくは無置換のアリール基(好ましくは
C数が6〜20であり、単環であっても多環であっても
よく、例えばフェニル、4−メトキシフェニル、4−シ
アノフェニル、1−ナフチル)を表し、好ましくはアル
キル基である。R1とR2とは同じでも異なってもよい
が、同じであることが好ましい。
【0017】R3はシアノ基、アルコキシカルボニル
基、アシルオキシ基、カルボンアミド基、リン酸基、ホ
スホノ基、ホスフィノ基、ホスホリル基、カルバモイル
基、ウレタン基、ウレア基、カーボネート基、スルホン
アミド基、スルファモイル基、スルホキシド基、スルホ
ン基、スルホニル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリー
ロキシ基、ヒドロキシ基であり、Eは単結合、アルキレ
ン基、アルケニレン基またはアリーレン基を表す。
【0018】R3で表される置換基は、さらに置換基を
有していてもよい。Eで表されるアルキレン基、アルケ
ニレン基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、また
置換基を有していてもよい。Eで表されるアリーレン基
は単環であっても多環であってもよく、さらには置換基
を有していてもよい。
【0019】Eは、より好ましくはC数1〜8のアルキ
レン基を示し、さらに好ましくはC数1〜8の無置換の
アルキレン基を示し、もっとも好ましくはメチレン基、
エチレン基、プロピレン基、ブチレン基を示す。
【0020】なお、R3としてより好ましくはシアノ
基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、リン酸
基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ホスホリル基、カーボ
ネート基、スルホキシド基、スルホン基、アルコキシ
基、ヒドロキシ基であり、さらに好ましくはシアノ基、
アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、リン酸基、
ホスホリル基、カーボネート基、アルコキシ基であり、
もっとも好ましくはシアノ基である。
【0021】a、b、cはそれぞれ独立に0または1を
表し、好ましくは、aは1、bは1、cは0を表す。
【0022】式(II)中、R3、Eは式(I)と同義で
ある。Dは−O−、−OC(O)−(向きは問わな
い)、−OC(O)O−を表し、好ましくは−OC
(O)−または−OC(O)O−を表し、より好ましく
は−OC(O)−を表す。
【0023】R4はヘテロ環基またはヘテロ環基を有す
るアルキル基、アルケニル基もしくはアリール基を表
す。ここでのヘテロ環基はさらに置換基を有していても
よく、単環であっても多環であってもよい。また、上記
のアルキル基、アルケニル基は直鎖でも分岐鎖であって
もよく、上記のアリール基は単環であっても多環であっ
てもよい。
【0024】R4として、好ましくはヘテロ環基が末端
に置換したC数1〜8のアルキル基を表す。
【0025】ヘテロ環基としては、好ましくは5または
6員環の飽和ヘテロ環基であり、より好ましくはこれら
の基中のヘテロ環としてテトラヒドロフラン環、1,4
−ジオキサン環、テトラヒドロピラン環、エチレンカー
ボネート環、プロピレンカーボネート環、イミダゾリジ
ノン環、ピロリドン環、オキサゾリジノン環、テトラヒ
ドロチオフェン環等であり、さらに好ましくはテトラヒ
ドロフラン環、エチレンカーボネート環、ピロリドン
環、オキサゾリジノン環である。また、これらのヘテロ
環が互いに縮合したものも好ましい。
【0026】式(I)、(II)で表される本発明の化合
物の中では、式(I)で表される化合物が好ましい。
【0027】以下に本発明の化合物の具体例を示すが、
本発明はこれに限定されるわけではない。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】これらの化合物は単独で用いても2種以上
併用してもよい。
【0032】次に、本発明の電解質に用いる高分子化合
物について詳しく説明する。本発明の高分子化合物とし
ては、好ましくは、例えばポリエチレングリコール、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミ
ン、ポリフォスファゼン、ポリシラン、ポリシロキサ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニル
イミダゾール、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等お
よびそれらの任意の共重合体が挙げられる。またこれら
を主鎖構造とし、側鎖部にオキシエチレン基、オキシプ
ロピレン基、ヘテロ環基、シアノ基、カーボネート基等
を有する高分子化合物も好ましい。
【0033】これらの主鎖構造としてはより好ましく
は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアリ
ルアミン、ポリシラン、ポリアクリロニトリル、ポリス
チレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾー
ル、ポリフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等およ
びそれらの任意の共重合体である。
【0034】本発明の高分子化合物と式(I)または
(II)で表される溶媒を含む電解質は耐久性、機械的強
度等の観点でゲル電解質となることが好ましい。ここ
で、一般にゲルとはコロイド粒子または高分子溶質が相
互作用のために独立した運動性を失って、集合して構造
を持ち、固化した状態をいう。
【0035】ゲル電解質とするためには、ポリアクリロ
ニトリル、ポリフッ化ビニリデン等の高分子化合物また
は架橋構造を有する高分子化合物が好ましい。
【0036】本発明において、架橋高分子化合物とは、
高分子全体が架橋によりネットワークを構成しているも
のである。高分子化合物に架橋構造を持たせるために
は、グリセリン、メチレンビスアクリルアミド、オリゴ
エチレングリコールジアクリレート、アルキルジアクリ
レートなどの多官能性基を有する架橋剤を用いるのが一
般的である。高分子化合物の主鎖部分としては前述のよ
うなものが好ましい。
【0037】本発明の架橋型高分子化合物は好ましくは
以下の式(III)にて表される。
【0038】式(III)中、R51は水素原子、アルキル
基またはアリール基を表す。Z51はヘテロ環基、シアノ
基、カーボネート基、−(CH2CH2O)n52−R52
および−[CH2CH(CH3)O]n53−R53から選ば
れる置換基を少なくとも1個含有する1価の有機基を表
し、L51は−COO−、−OCO−、−CONR54−ま
たは−NR54CO−を表し、n51は0または1である
(ここで、R52、R53およびR54はそれぞれ独立に水素
原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基ま
たはアリール基を表し、n52およびn53はそれぞれ独立
に1〜30の整数である)。Gはエチレン性不飽和基を
含有する化合物から誘導される繰り返し単位を表す。J
はエチレン性不飽和基を2個以上含有する化合物から誘
導される繰り返し単位を表す。d、eおよびfはそれぞ
れ独立に繰り返し単位の重量組成比を表し、dは5重量
%以上99重量%以下、eは0以上70重量%以下、f
は0.5重量%以上50重量%以下である。
【0039】以下に式(III)で表される本発明の架橋
型高分子化合物について詳しく述べる。なお、式(II
I)にてアルキル基、アルケニル基は直鎖状でも分岐鎖
状でも置換していても無置換でもよい。また、アリール
基、ヘテロ環基、シクロアルキル基は置換していても縮
環していてもよい。
【0040】式(III)にてR51は水素原子、アルキル
基(好ましくはC数1〜18、例えばメチル、エチル、
i−プロピル、t−オクチル、ベンジル、トリフルオロ
メチル、エトキシエチル)、アリール基(好ましくはC
数6〜18、例えばフェニル、4−メチルフェニル、2
−ナフチル)を表し、好ましくは水素原子またはメチル
基を表す。
【0041】Z51はヘテロ環基(好ましくはC数1〜1
8、基中のヘテロ環としては、例えばエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、イミダゾリジノン、ピ
ロリドン、サクシンイミド、オキサゾリドン、イミダゾ
ール、ピリジン、より好ましくはエチレンカーボネー
ト、ピロリドン、イミダゾリジノン、オキサゾリドン、
イミダゾール、ピリジン)、シアノ基、カーボネート
基、−(CH2CH2O)n52−R52、−[CH2CH
(CH3)O]n53−R53を含む一価の有機基を表す。
ここでn52、n53は独立に1〜30の整数を表すが、1
〜20がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。
【0042】R52、R53は独立に水素原子、アルキル基
(好ましい例はR51と同じ)、アルケニル基(好ましく
はC数2〜18、例えばアリル、ビニル)、シクロアル
キル基(好ましくはC数3〜18、例えばシクロヘキシ
ル、シクロペンチル)、アリール基(好ましい例はR51
と同じ)を表すが、、水素原子またはC数1〜8のアル
キル基が好ましい。これらの置換基はこれらの基自体が
51となるか、またはアルキル基、アルキレンオキシ基
かアリール基に置換してZ51となることが好ましい。
【0043】L51は−COO−、−OCO−、−CON
54−、−NR54CO−を表し、−COO−または−C
ONR54−が好ましく、−COO−がより好ましい。−
COO−はOで、−CONR54−はNで、Z51と結合す
ることが好ましい。R54はC数1〜8のアルキル基また
は水素原子が好ましい。n51は0または1である。
【0044】Z51を含有する繰り返し単位が式(III)
の架橋高分子化合物に占める好ましい重量組成範囲dは
5重量%以上99重量%以下、さらに好ましくは20重
量%以上95重量%以下である。Z51を含有する繰り返
し単位は2種以上の繰り返し単位を組み合わせて構成し
てもかまわない。
【0045】次にGで表される繰り返し単位について説
明する。Gはエチレン性不飽和基を含有する化合物から
誘導される繰り返し単位を表す。Gで表される繰り返し
単位誘導するエチレン性不飽和基を有する化合物の好ま
しい例としてはアクリル酸またはα−アルキルアクリル
酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるエステ
ル類もしくはアミド類(例えば、N−i−プロピルアク
リルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−t−
ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、アクリルアミド、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ア
クリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレー
ト、2−メチル−2−ニトロプロピルアクリレート、n
−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−
ブチルアクリレート、t−ペンチルアクリレート、2,
2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2−ジ
メチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリ
レート、エチルカルビトールアクリレート、n−ペンチ
ルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、オクタフ
ルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアク
リレート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアク
リレート、4−メチル−2−プロピルペンチルアクリレ
ート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n−オ
クタデシルアクリレート、メチルメタクリレート、2,
2,2−トリフルオロエチルエチルメタクリレート、テ
トラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロ
プロピルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、
sec−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリ
レート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロ
デシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレー
ト、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニ
ルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イル
メチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニル
メチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリ
レートなど)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル
酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビ
ニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸また
はフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、
マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナト
リウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジ
エン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソ
プレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−
クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチ
レン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルホ
ルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N
−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセト
アミド、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウ
ム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸
ナトリウム、ビニリデンフルオライド、ビニリデンクロ
ライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニ
ルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イ
ソブテン、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。こ
れらのエチレン性不飽和基を有する化合物は組み合わせ
て使用してもよい。これら以外のエチレン性不飽和基を
有する化合物はリサーチディスクロージャーNo.19
55(1980年、7月)に記載されているものを使用
することができる。これらのエチレン性不飽和基を有す
る化合物がこの架橋高分子に占める重量組成範囲eは0
以上70重量%以下であり、さらに好ましくは0以上5
0重量%以下である。
【0046】次にJで表される繰り返し単位について説
明する。Jはエチレン性不飽和基を2個以上含有する化
合物から誘導される繰り返し単位を表す。エチレン性不
飽和基を少なくとも2個以上含有する化合物の好ましい
例としては、ジビニルベンゼン、4,4’−イソプロピ
リデンジフェニレンジアクリレート、1,3−ブチレン
ジアクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、
1,4−シクロへキシレンジメチレンジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプ
ロピリデングリコールジメタクリレート、ジビニルオキ
シメタン、エチレングリコールジアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、エチリデンジアクリレート、エチリデ
ンジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタ
クリレート、1,6−ジアクリルアミドヘキサン、N,
N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−(1,
2−ジヒドロキシ)エチレンビスアクリルアミド、2,
2−ジメチル−1,3−トリメチレンジメタクリレー
ト、フェニルエチレンジメタクリレート、テトラエチレ
ングリコールジメタクリレート、テトラメチレンジアク
リレート、テトラメチレンジメタクリレート、2,2,
2−トリクロロエチリデンジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、トリメチロールメタントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレート、トリメチロー
ルメタントリメタクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキ
サヒドロ−S−トリアジン、ビスアクリルアミド酢酸、
エチリジントリメタクリレート、プロピリジントリアク
リレート、ビニルアリルオキシアセテート等が挙げられ
る。この中でも、ジビニルベンゼン、エチレングリコー
ルジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレートが特に好
ましい。Jで表される繰り返し単位がこの架橋高分子化
合物に占める好ましい重量組成範囲fは0.5重量%以
上50重量%以下であり、さらに好ましくは1.0重量
%以上30重量%以下である。
【0047】本発明の高分子化合物の重量平均分子量は
好ましくは1000以上であり、より好ましくは200
0以上である。
【0048】以下に、本発明の高分子化合物の具体例を
列挙するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
下記d,e,f等の添字は重量組成比を表したものであ
る。
【0049】
【化8】
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】本発明の高分子化合物は、大津隆行・木下
雅悦共著:高分子合成の実験法(化学同人)や大津隆
行:講座重合反応論1ラジカル重合(I)(化学同人)
に記載された一般的な高分子合成法であるラジカル重合
によって合成することができる。本発明の高分子化合物
は、加熱、光、電子線、また電気化学的にラジカル重合
することができるが、特に加熱によってラジカル重合さ
せることが好ましい。本発明の高分子化合物が加熱によ
り形成される場合に好ましく使用される重合開始剤は、
例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、
ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネー
ト)(ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート)な
どのアゾ系開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイル
パーオキシド、tert−ブチルパーオクトエートなど
の過酸化物系開始剤等である。重合開始剤の好ましい添
加量はモノマー総量に対し0.01重量%以上20重量
%以下であり、さらに好ましくは0.1重量%以上10
重量%以下である。
【0056】本発明の高分子化合物の電解質に占める濃
度は0.02重量%以上50重量%以下であることが好
ましく、さらに好ましい濃度は0.1重量%以上30重
量%以下であり、最も好ましくは1重量%以上20重量
%以下である。このような濃度とすることによって本発
明の効果が向上する。これに対し、高分子化合物の濃度
が小さくなるとゲル化進行が十分でなくなって、光電気
化学電池の性能の安定性が低下し、反対に大きくなると
逆に光電気化学電池の初期性能、特に光電流密度の低下
がみられる。
【0057】次に本発明の電解質を構成する本発明の式
(I)、(II)で表される化合物および高分子化合物以
外の成分、すなわち電解質について説明する。本発明の
電解質はLiI、NaI、KI、CsI、CaI2など
の金属ヨウ化物、4級イミダゾリウム化合物のヨウ素
塩、4級ピリジニウム化合物のヨウ素塩、テトラアルキ
ルアンモニウム化合物のヨウ素塩、Br2とLiBr、
NaBr、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭
化物、あるいはBr2とテトラアルキルアンモニウムブ
ロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウ
ム化合物の臭素塩、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸
塩やフェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯
体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキル
ジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒ
ドロキノン−キノンなどを用いることができる。この中
でも本発明の電解質は、LiI、NaI、KI、Cs
I、CaI2などの金属ヨウ化物、テトラアルキルアン
モニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイドの4級ア
ンモニウム化合物のヨウ素塩が特に好ましい。好ましい
電解質濃度は0.05モル/リットル以上1.5モル/
リットル以下である。特に0.1モル/リットル以上
0.8モル/リットル以下が好ましい。また、本発明の
電解質にヨウ素を添加して酸化還元対を予め生成させて
おくこともできるが、その場合の好ましい添加濃度は
0.01モル/リットル以上0.2モル/リットル以下
である。このような濃度とすることによって本発明の効
果が向上する。これに対し、電解質濃度が小さくなる
と、電子のキャリアとしての機能が十分でなくなり、反
対に電解質濃度が大きくなると、効果の向上がさほどで
ないばかりか、粘度の上昇にともなう光電流密度の低下
につながる。
【0058】以下に本発明の半導体を用いた光電気化学
電池について詳細に説明する。本発明の光電気化学電池
は、輻射線に感応する半導体と電荷移動層と対向電極と
を有するものであり、電荷移動層には本発明の電解質が
含有されている。より具体的には、導電性支持体と導電
性支持体上に塗設される半導体含有層(感光層)とを有
する光電変換素子を備え、本発明の電解質、好ましくは
ゲル電解質を含有する電荷移動層を有し、かつ対向電極
を有することが好ましい。
【0059】本発明の電解質を含有する電荷移動層の厚
みは、0.001〜200μm が好ましく、0.1〜1
00μm であることがより好ましい。
【0060】本発明において半導体はいわゆる感光体で
あり、光を吸収して電荷分離を行い電子と正孔を生ずる
役割を担う。
【0061】半導体としてはシリコン、ゲルマニウムの
ような単体半導体の他に、金属のカルコゲニド(例えば
酸化物、硫化物、セレン化物等)に代表されるいわゆる
化合物半導体またはペロブスカイト等を使用することが
できる。金属のカルコゲニドとして好ましくはチタン、
スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニ
ウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イット
リウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、もしくはタン
タルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモ
ン、ビスマス等の硫化物、カドミウム、鉛等のセレン化
物、カドミウムのテルル化物等が挙げられ、他の化合物
半導体としては亜鉛、カリウム、インジウム、カドミウ
ム等のリン化物、ガリウムヒ素、銅−インジウム−セレ
ン化物、銅−インジウム−硫化物等が挙げられる。
【0062】また、ペロブスカイトとして好ましくはチ
タン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸
ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等が
挙げられる。
【0063】本発明に用いられる半導体としてより好ま
しくは、具体的にはSi、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、Zn
O、Nb2O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、GaP、InP、Ga
As、CdTe、CuInS2、CuInSe2等が挙げられ、さらに好ま
しくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、Pb
S、CdSe、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2等である。
【0064】本発明に用いられる半導体は、単結晶で
も、多結晶でもよい。変換効率としては単結晶が好まし
いが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバック
タイム等の点では多結晶が好ましく、特にナノメートル
からマイクロメートルサイズの微粒子半導体が好まし
い。
【0065】これらの半導体微粒子の粒径は、投影面積
を円に換算したときの直径を用いた平均粒径で1次粒子
として5〜200nmであることが好ましく、特に8〜1
00nmであることが好ましい。また、分散物中の半導体
微粒子の平均粒径としては0.01〜100μmである
ことが好ましい。
【0066】さらに微粒子半導体としては色素により増
感されて用いられることが好ましく、その際は金属酸化
物が好ましく、具体的にはTiO2、ZnO、SnO2、Fe2O3、WO
3、Nb2O5が好ましく、TiO2がより好ましい。
【0067】以下に、色素で増感された半導体微粒子を
用いた本発明の光電気化学電池について詳しく述べる。
【0068】導電性支持体は、金属のように支持体その
ものに導電性があるものか、または表面に導電剤層を有
するガラスもしくはプラスチックの支持体を使用するこ
とができる。後者の場合好ましい導電剤としては金属
(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、
インジウム等)、炭素、もしくは導電性の金属酸化物
(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をド
ープしたもの等)が挙げられる。この中でもフッ素をド
ーピングした二酸化スズからなる導電剤層を、低コスト
のソーダ石灰フロートガラスでできた透明基板上に堆積
した導電性ガラスが特に好ましい。上記導電剤層の厚さ
は、0.02〜10μm程度であることが好ましい。
【0069】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲としては100Ω/cm2以下であ
り、さらに好ましくは40Ω/cm2以下である。この下限
には特に制限はないが、通常0.1Ω/cm2程度であ
る。
【0070】導電性支持体は実質的に透明であることが
好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%
以上であることを意味し、50%以上であることが好ま
しく、70%以上が特に好ましい。透明導電性支持体と
してはガラスもしくはプラスチックに導電性の金属酸化
物を塗設したものが好ましい。このときの導電性の金属
酸化物の塗布量はガラスもしくはプラスチックの支持体
1m2当たり0.01〜100gが好ましい。透明導電性
支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させること
が好ましい。
【0071】半導体微粒子を導電性支持体上に塗設する
方法としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶
液を導電性支持体上に塗布する方法、半導体微粒子の前
駆体を導電性支持体上に塗布し空気中の水分によって加
水分解して半導体微粒子膜を得る方法(ゾル-ゲル法)
などが挙げられる。半導体微粒子の分散液を作成する方
法としては前述のゾル-ゲル法の他、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。分散媒としては水
または各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、アセト
ン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分
散の際、必要に応じてポリマー、界面活性剤、酸、もし
くはキレート剤などを分散助剤として用いてもよい。
【0072】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子層を支持体上に塗設した状態での表面積
は、投影面積に対して10倍以上であることが好まし
く、さらに100倍以上であることが好ましい。この上
限には特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0073】一般に、半導体微粒子含有層の厚みが増大
するほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため
光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増
すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがっ
て、半導体微粒子層には好ましい厚さが存在するが、典
型的には0.1〜100μmである。光電気化学電池と
して用いる場合は1〜30μmであることが好ましく、
3〜20μmであることがより好ましい。半導体微粒子
は支持体に塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクト
させ、塗膜強度の向上や基板との密着性を向上させるた
めに焼成することが好ましい。好ましい焼成温度の範囲
は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは40
℃以上650℃以下である。また焼成時間は10分〜1
0時間程度である。
【0074】また、焼成後、半導体粒子の表面積を増大
させたり、半導体粒子近傍の純度を高め色素から半導体
粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チ
タン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を
用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0075】なお、半導体微粒子の支持体1m2当たりの
塗布量は0.5〜500g、さらには5〜100gが好ま
しい。
【0076】本発明に使用する色素は、錯体色素、特に
金属錯体色素および/またはポリメチン色素が好まし
い。こうした色素は半導体微粒子の表面に対する適当な
結合基(interlocking group)を有していることが好ま
しい。好ましい結合基としては、COOH基、SO3H基、シア
ノ基、-P(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2基、または、オキシ
ム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サリチレートお
よびα−ケトエノレートのようなπ伝導性を有するキレ
ート化基が挙げられる。この中でもCOOH基、-P(O)(OH)2
基、-OP(O)(OH)2基が特に好ましい。これらの基はアル
カリ金属等と塩を形成していてもよく、また分子内塩を
形成していてもよい。また、ポリメチン色素の場合、メ
チン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成する
場合のように酸性基を含有するなら、この部分を結合基
としてもよい。
【0077】本発明に使用する色素が金属錯体色素の場
合、ルテニウム錯体色素である場合が好ましく、さらに
下記式(IV)で表される色素が好ましい。 式(IV) (Y1)pRuBabc 式中、pは0〜2であり、好ましくは2である。Ruは
ルテニウムを表す。Y1はCl、SCN、H2O、Br、
I、CN、−NCO、およびSeCNから選択される配
位子である。Ba、Bb、Bcはそれぞれ独立に以下のB-
1〜B-8から選択される有機配位子である。
【0078】
【化14】
【0079】
【化15】
【0080】ここで、Raは水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数(以下C数という)1〜12個で置換もしく
は無置換のアルキル基、C数7〜12個で置換もしくは
無置換のアラルキル基、またはC数6〜12個で置換も
しくは無置換のアリール基を表す。上記のアルキル基、
アラルキル基のアルキル部分は直鎖状であっても分岐鎖
状であってもよく、アリール基、アラルキル基のアリー
ル部分は単環であっても多環(縮合環、環集合)であっ
てもよい。
【0081】本発明に用いられるルテニウム錯体色素と
しては、例えば、米国特許4927721号、同4684537号、同
5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号お
よび特開平7-249790号明細書に記載の錯体色素が挙げら
れる。
【0082】以下に本発明に使用する錯体色素の好まし
い具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0083】
【化16】
【0084】
【化17】
【0085】
【化18】
【0086】本発明に使用する色素がポリメチン色素で
ある場合、下記式(V)または式(VI)で表される色素
が好ましい。
【0087】
【化19】
【0088】式中、RbおよびRfは各々水素原子、ア
ルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、Rc
〜Reは各々水素または置換基を表す。Rb〜Rfは互
いに結合して環を形成してもよい。X11およびX12は各
々窒素、酸素、硫黄、セレン、テルルを表す。n11およ
びn13は各々0〜2の整数を表し、n12は1〜6の整数
を表す。式(V)で表される化合物は分子全体の電荷に
応じて対イオンを有してもよい。
【0089】上記におけるアルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基は、置換基を有していてもよい。アルキル基は
直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、アリール
基、ヘテロ環基は、単環でも、多環(縮合環、環集合)
であってもよい。またRb〜Rfによって形成される環
は、置換基を有していてもよく、単環であっても縮合環
であってもよい。
【0090】
【化20】
【0091】式中、Zaは含窒素ヘテロ環を形成するに
必要な非金属原子群を表す。Rgはアルキル基またはア
リール基である。Qは式(VI)で表される化合物がメチ
ン色素を形成するのに必要なメチン基またはポリメチン
基を表す。X13は電荷均衡対イオンを表し、n14は分子
の電荷を中和するのに必要な0以上10以下の数を表
す。
【0092】上記のZaで形成される含窒素ヘテロ環は
置換基を有していてもよく、単環であっても縮合環であ
ってもよい。また、アルキル基、アリール基は置換基を
有していてもよく、アルキル基は直鎖状であっても分岐
鎖状であってもよく、アリール基は単環であっても多環
(縮合環、環集合)であってもよい。
【0093】式(VI)で表される色素は、下記式(VII
−a)〜(VII−d)で表される色素であることが好ま
しい。
【0094】
【化21】
【0095】式(VII−a)〜(VII−d)中、R11〜R
15、R21〜R24、R31〜R33、およびR41〜R43はそれ
ぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、または
ヘテロ環基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31〜Y
35およびY41〜Y46はそれぞれ独立に酸素、硫黄、セレ
ン、テルル、−CR1617−、または−NR18−を表
す。R16〜R18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。Y23
-、S-、Se-、Te-、または−NR- 18を表す。V1
1、V12、V21、V22、V31およびV41はそれぞれ独立
に置換基を表し、n15、n31およびn41はそれぞれ独立
に1〜6の整数を表す。式(VII−a)〜(VII−d)で
表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有
していてもよい。
【0096】上記におけるアルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基は置換基を有していてもよく、アルキル基は直
鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、アリール基、
ヘテロ環基は単環であっても多環(縮合環、環集合)で
あってもよい。
【0097】以上のようなポリメチン色素の具体例はM.
Okawara,T.Kitao,T.Hirasima, M.Matuoka著Organic Col
orants(Elsevier)等に詳しく記載されている。
【0098】以下に式(V)および(VI)で表されるポ
リメチン色素の好ましい具体例を示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0099】
【化22】
【0100】
【化23】
【0101】
【化24】
【0102】
【化25】
【0103】
【化26】
【0104】
【化27】
【0105】
【化28】
【0106】
【化29】
【0107】
【化30】
【0108】式(V)および式(VI)で表される化合物
は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「複素サイク
リック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレ
ィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyan
ine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリ
ー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨ
ーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマ
ー(D.M.Sturmer)著「複素サイクリック・コンパウンズ
ースペシャル・トピックス・イン・複素サイクリック・
ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topics
in heterocyclicchemistry)」、第18章、第14節、
第482から515項、ジョン・ウィリー・アンド・サ
ンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンド
ン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カ
ーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon Co
mpounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15
章、第369から422項、エルセビア・サイエンス・
パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Pu
blishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、英国特許
第1,077,611号などに記載の方法に基づいて合成するこ
とができる。
【0109】半導体微粒子に色素を吸着させるには色素
溶液中によく乾燥した半導体微粒子を数時間浸漬する方
法が一般的である。色素の吸着は室温で行ってもよい
し、特開平7-249790号に記載されているように加熱還流
して行ってもよい。色素の吸着は半導体微粒子の塗布前
に行っても塗布後に行ってもよい。また、半導体微粒子
と色素を同時に塗布して吸着させても良い。未吸着の色
素は洗浄によって除去することが望ましい。塗布膜を焼
成する場合の色素吸着は焼成後に行うことが好ましい。
焼成後、塗布膜表面に水が吸着する前にすばやく色素を
吸着させるのが特に好ましい。吸着する色素は1種類で
もよいし、数種混合して用いてもよい。用途が光電気化
学電池である場合、光電変換の波長域をできるだけ広く
するように混合する色素が選ぶことができる。
【0110】色素の使用量は、全体で、支持体1m2当た
り0.01〜100mモルが好ましい。また、色素の半
導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して
0.01〜1mモルが好ましい。
【0111】このような色素量とすることによって、半
導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、
色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多
すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効
果を低減させる原因となる。
【0112】また、会合など色素同士の相互作用を低減
する目的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着
させる疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するス
テロイド化合物(例えばコール酸)等が挙げられる。
【0113】色素を吸着した後にアミン類を用いて半導
体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類と
してはピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニ
ルピリジン等が挙げられる。これらが液体の場合はその
まま用いてもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0114】本発明の高分子化合物はあらかじめ重合さ
せた化合物を本発明の式(I)または(II)の溶媒に溶
解させた後、光電気化学電池の半導体電極上に塗布また
は浸透させて電解質として用いてもよい。また、式
(I)または(II)の溶媒には高分子化合物を形成しう
る種々のモノマーを任意の比で含有させておいて、電極
上に塗布または浸透させた後に内部で重合させてもよ
い。ただし、本発明の電解質がゲル電解質の場合、特に
架橋高分子化合物を用いる場合は、前述の高分子化合物
を構成するモノマー類、重合開始剤、電解質、溶媒から
溶液を調製し、キャスト法、塗布法、浸漬法、含浸法な
どにより色素を担持した電極上にゾル状の電解質層を形
成し、その後ラジカル重合することによってゲル化させ
ゲル電解質層を形成させる方法によって製造することが
好ましい。
【0115】塗布法によってゲル電解質を形成する場
合、モノマー類、重合開始剤、溶媒、電解質からなる塗
布溶液にレベリング剤等の塗布性改良剤などの添加剤を
添加し調製し、スピンコート法、ディップコート法、エ
アーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコー
ト法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ある
いは米国特許第2681294号記載のホッパーを使用するエ
クストルージョンコート法、または米国特許第2761418
号、同3508947号、同2761791号記載の多層同時塗布方法
等の方法により塗布し、その後ラジカル重合させてゲル
電解質を形成することができる。重合温度は開始剤の半
減温度や色素の耐熱温度等により適当に選択されるが、
好ましくは10℃以上150℃以下である。また、重合
時間は温度等の条件によって適宜選択される。電解質に
ヨウ素など還元状態の化合物を導入する場合、この化合
物が重合禁止剤として働き、モノマーの重合が阻害され
る場合がある。電解質にヨウ素など還元状態の化合物を
導入する場合は、ゲル電解質の形成後、例えばゲル電解
質を含むサンプルをヨウ素など還元状態の化合物と共に
密閉容器内に置き、ゲル電解質中に拡散させる手法等に
より導入することができる。また、ヨウ素など還元状態
の化合物は対向電極に塗布あるいは蒸着する方法により
素子中に導入することもできる。
【0116】対向電極は、光電気化学電池としたとき、
光電気化学電池の正極として働くものである。対向電極
は通常前述の導電性支持体と同義であるが、強度が十分
に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要でな
い。ただし、支持体を有する方が密閉性の点で有利であ
る。
【0117】感光層に光が到達するためには、前述の導
電性支持体と対向電極の少なくとも一方は実質的に透明
でなければならない。本発明の光電気化学電池において
は、導電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から
入射させるのが好ましい。この場合対向電極は光を反射
する性質を有することがさらに好ましい。
【0118】光電気化学電池の対向電極としては金属も
しくは導電性の酸化物を蒸着したガラス、またはプラス
チックを使用でき、また、金属薄膜を5μm以下、好ま
しくは5nm〜3μmの範囲の膜厚になるように、蒸着や
スパッタリングなどの方法により形成して作成すること
もできる。本発明では白金を蒸着したガラスもしくは蒸
着やスパッタリングによって形成した金属薄膜を対向電
極とすることが好ましい。
【0119】感光層は目的に応じて設計され単層構成で
も多層構成でもよい。一層の感光層中の色素は一種類で
も多種の混合でもよい。
【0120】また、本発明の光電気化学電池では構成物
の酸化劣化を防止するために電池の側面をポリマーや接
着剤等で密封してもよい。
【0121】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 一般式(I)、(II)で表される本発明の化合物S−
2、S−11についての合成例を示す。以下に、これら
の化合物の反応スキームを示す。
【0122】
【化31】
【0123】(1)S−2の合成 シアノ酢酸1;25.5g (0.3mol)、ジメチルホ
ルムアミド(DMF)0.1mlを塩化メチレン75mlに
溶解し、オギザリルクロライド57.2g (0.45m
l)をゆっくり滴下し、さらに30分撹拌した。溶媒等
を減圧留去し、酸クロライド2;31.1g (収率10
0%)を得た。
【0124】2−フリルメチルアルコール3;15.3
g (0.15mol)をアセトニトリル50mlに溶解し、
酸クロライド2;15.5g (0.15mol)を滴下
し、50℃にて1時間撹拌した。濃縮後、シリカゲル−
酢酸エチル:ヘキサン=1:2→1:1カラムで精製
し、S−2の液体17.0g (収率66.9%)を得
た。
【0125】1HNMRスペクトル(CDCl3,δ,p
pm)1.6−2.2(4H,m,THF:テトラヒド
ロフラン),3.52(2H,S,−CH2CN),
3.75−3.95(2H,m,−OCH2−(TH
F)),4.17(2H,t,−COOCH2−),
4.2−4.3(1H,m,=CH−O−(THF))
【0126】(2)S−11の合成 亜リン酸4;41.4g (0.3mol)、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DB
U);45.6g (0.3mol)をジメチルアセトアミ
ド50mlに溶解し、アクリロニトリル19.1g (0.
36mol)をゆっくり滴下し、さらに40℃にて1時間
撹拌した。80℃減圧留去により、アクリロニトリル、
ジメチルアセトアミド、DBUを除いた後、シリカゲル
−酢酸エチルカラムにて精製し、S−11の液体54.
0g (収率94%)を得た。
【0127】1HNMRスペクトル(CDCl3,δ,p
pm)1.35(6H,t,−CH3),2.0−2.
2(2H,m,−P(O)CH2−),2.55−2.
7(2H,m,−C 2CN),4.05−4.25
(4H,m,−CH2O−)
【0128】実施例2 実施例1で合成した本発明の化合物S−2、S−11
と、化合物S−14について、1気圧下サンドバスにて
沸点を測定した。結果を表1に示す。なお、表1にはP
C:プロピレンカーボネート、EC:エチレンカーボネ
ート、DME:ジメトキシエタン、AN:アセトニトリ
ルの沸点を併記する。
【0129】
【表1】
【0130】表1から明らかなように、本発明の化合物
は、沸点がすべて270℃以上であり、PC、EC、D
ME、ANの沸点を大きく上回った。よって、本発明の
化合物は高沸点であり、きわめて低揮発性である。
【0131】実施例3 1.二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロンコーティングした内容積200mlのステ
ンレス製ベッセルに二酸化チタン(日本アエロジル社
Degussa P−25)15g、水45g、分散剤
(アルドリッチ社製、Triton X−100)1
g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社
製)30gを入れ、サンドグラインダーミル(アイメッ
クス社製)を用いて1500rpmにて2時間分散し
た。分散物からジルコニアビーズをろ過して除いた。こ
の場合の二酸化チタンの平均粒径は2.5μmであっ
た。このときの粒径はMALVERN社製マスターサイ
ザーにて測定したものである。
【0132】2.色素を吸着したTiO2電極(電極
A)の作成 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性
ガラス(旭硝子製TCOガラス-Uを20mm×20mmの大
きさに切断加工したもの)の導電面側にガラス棒を用い
て上記の分散液を塗布した。この際導電面側の一部(端
から3mm)に粘着テープを張ってスペーサーとし、粘着
テープが両端に来るようにガラスを並べて一度に8枚ず
つ塗布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日
間風乾した。次に、このガラスを電気炉(ヤマト科学製
マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃にて30分
間焼成した。ガラスを取り出し冷却した後、表2に示す
色素のエタノール溶液(3×10-4モル/リットル)に
3時間浸漬した。色素の染着したガラスを4−tert−ブ
チルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄
し自然乾燥させた。このようにして得られる感光層の厚
さは10μmであり、半導体微粒子の塗布量は20g/m2
とした。色素の塗布量は、色素の種類に応じ、適宜0.
1〜10mモル/m2の範囲から選択した。なお、導電性ガ
ラスの表面抵抗は約30Ω/cm2であった。
【0133】3.ゲル電解質を含有する光電気化学電池
の作成 表2記載の有機溶媒に支持電解質0.5モル/リットル
を加え、さらに表2記載の高分子化合物の重量組成比に
応じた各種モノマーを総計有機溶媒の10重量%となる
ように添加し、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
を有機溶媒の0.5重量%添加した。同溶液はアルゴン
ガスバブリングを5分間行った後、白金を蒸着した対向
電極とサンドイッチされた色素担持TiO2電極中に浸
透圧を用い導入した。この電極はこの後アルゴン雰囲気
下、85°にて時間加熱して、電解質をゲル化し、さら
にヨウ素雰囲気下に、30分間曝して高分子化合物中に
ヨウ素を拡散させて光電気化学電池(サンプル)を得
た。この工程を色素とゲル電解質組成物の組み合わせを
表2に記載されているように変更して行った。
【0134】本実施例により、図1に示したとおり、導
電性ガラス1(ガラス上に導電剤層2が設層されたも
の)、TiO2電極3、色素層4、ゲル電解質層5、白
金層6およびガラス7が順に積層された光電気化学電池
が作成された。
【0135】
【表2】
【0136】NMO:3-メチル-2-オキサゾリジノン、PC:
プロピレンカーボネート、EC:エチレンカーボネート、
DME:ジメトキシエタン、AN;アセトニトリル、MHIm;1
-メチル-3-ヘキシルイミダゾリウムのヨウ素塩
【0137】4.比較用光電気化学電池A、B、Cの作
成 比較用光電気化学電池A 前述のようにして作成した色増感されたTiO2電極基
板(電極A;2cm×2cm)をこれと同じ大きさの白金蒸
着ガラスと重ねあわせた(図1参照)。次に、両ガラス
の隙間に毛細管現象を利用して電解液(アセトニトリル
と3−メチル−2−オキサゾリジノンの体積比90対10
の混合物を溶媒とした沃素0.05モル/リットル、ヨ
ウ化リチウム0.5モル/リットルの溶液)を染み込ま
せて比較用光電気化学電池Aを作成した。
【0138】比較用光電気化学電池B(特開平9−27
352号) 前述のようにして作成した色増感されたTiO2電極基
板(電極A;2cm×2cm)上に、ヘキサエチレングリコー
ルメタクリル酸エステル(日本油脂化学社製ブレンマー
PE350)1gと、エチレングリコール1gと、重合
開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニループロパン−1−オン(日本チバガイギー社製 ダ
ロキュア1173)20mgを含有した混合溶液に、ヨウ
化リチウム500mgを溶解し10分間真空脱気して、塗
布した。次に、前記の混合溶液を塗布した多孔性物質を
減圧下に置くことで、多孔性物質中の気泡を除きモノマ
ーの浸透を促した後、紫外光照射により重合して高分子
化合物の均一なゲルを多孔性物質の細孔内に存在させ
た。このようにして得られた物質をヨウ素雰囲気下に、
30分間曝して高分子化合物中にヨウ素を拡散させて比
較用光電気化学電池Bを得た。
【0139】比較用光電気化学電池C(特開平9−27
352号) 前述のようにして作成した色増感されたTiO2電極基
板(電極A;2cm×2cm)上に、モノマーとしてヘキサエ
チレングリコールメタクリル酸エステル(日本油脂化学
社製ブレンマーPE350)1gと、エチレングリコー
ルジアクリレート100mgと、電解質を溶解することが
できる溶媒として、プロピレンカーボネート3gと、重
合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニル−プロパン−1−オン(日本チバガイギー社製
ダロキュア1173)20mgを含有した混合溶液に、ヨ
ウ化リチウム500mgを溶解し10分間真空脱気して、
溶存する気体を追い出した後多孔性物質に塗布した。次
に前記の混合溶液を塗布した多孔性物質を減圧下に置く
ことで、多孔性物質中の気泡を除きモノマーの浸透を促
した後、紫外光照射により重合した。このようにして得
られた素子をヨウ素雰囲気下に、30分間曝して比較用
光電気化学電池Cを得た。
【0140】5.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.5
フィルター(Oriel社製)およびシャープカットフ
ィルター(Kenko L−42)を通すことにより紫
外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度
は86mW/cm2であった。
【0141】前述の光電気化学電池の導電性ガラスと白
金蒸着ガラスにそれぞれ、ワニ口クリップを接続し、模
擬太陽光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置
(ケースレーSMU238型)にて測定した。これにより
求められた光電気化学電池の開放電圧(Voc)、短絡電流
密度(Jsc)、形状因子(FF)、および変換効率(η)と36
0時間連続照射後の短絡電流密度および短絡電流密度の
低下率を一括して表3に記載した。
【0142】
【表3】
【0143】式(I)、(II)の化合物とは異なる比較
用低沸点有機溶媒を用いたゲル電解質とした場合に比
べ、本発明の式(I)、(II)で表される高沸点化合物
と高分子化合物を用いたゲル電解質とした場合は、いず
れの増感色素、支持電解質を用いた場合でも光電変換特
性の劣化は少なく、また短絡電流密度、変換効率等の初
期性能も優れていることが判明した。
【0144】比較用光電気化学電池Aと比べ本発明の光
電気化学電池では光電変換特性の劣化が少ないことが明
らかである。また比較用光電気化学電池B、Cと比べ本
発明の光電気化学電池では短絡電流密度が大きく、光電
変換特性に優れ、かつ劣化が少ないことが明らかであ
る。
【0145】
【発明の効果】本発明により、新規な電解質、特にゲル
電解質が得られ、光電変換特性に優れ、経時での特性劣
化が少ない光電気化学電池が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した光電気化学電池の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 導電性ガラス 2 導電剤層 3 TiO2電極 4 色素層 5 ゲル電解質層 6 白金層 7 ガラス

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも式(I)および(II)で表さ
    れる化合物群から選ばれる少なくとも1種と、少なくと
    も1種の高分子化合物とを含有することを特徴とする電
    解質。 【化1】 [式(I)中、R1およびR2はそれぞれ独立にアルキル
    基、アルケニル基またはアリール基を表す。R3はシア
    ノ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カル
    ボンアミド基、リン酸基、ホスホノ基、ホスフィノ基、
    ホスホリル基、カルバモイル基、ウレタン基、ウレア
    基、カーボネート基、スルホンアミド基、スルファモイ
    ル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基、ニ
    トロ基、アルコキシ基、アリーロキシ基またはヒドロキ
    シ基を表し、Eは単結合、アルキレン基、アルケニレン
    基またはアリーレン基を表す。a、bおよびcはそれぞ
    れ独立に0または1である。式(II)中、R3はシアノ
    基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボ
    ンアミド基、リン酸基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ホ
    スホリル基、カルバモイル基、ウレタン基、ウレア基、
    カーボネート基、スルホンアミド基、スルファモイル
    基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基、ニト
    ロ基、アルコキシ基、アリーロキシ基またはヒドロキシ
    基を表し、Eは単結合、アルキレン基、アルケニレン基
    またはアリーレン基を表す。Dは−O−、−OC(O)
    −または−OC(O)O−を表す。R4は複素環基、ま
    たは複素環基を有するアルキル基、アルケニル基もしく
    はアリール基を表す。]
  2. 【請求項2】 高分子化合物の主鎖部分がポリエチレン
    オキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリル酸エ
    ステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコ
    ール、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリシ
    ラン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリビニ
    ルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリフッ化エチ
    レン、ポリフッ化ビニリデン、およびそれらの任意の共
    重合体から選ばれる請求項1の電解質。
  3. 【請求項3】 高分子化合物が、ポリアクリロニトリル
    またはポリフッ化ビニリデンである請求項1または2の
    電解質。
  4. 【請求項4】 高分子化合物が、架橋高分子化合物であ
    る請求項1または2の電解質。
  5. 【請求項5】 架橋高分子化合物が式(III)で表され
    る請求項4の電解質。 【化2】 [式(III)中、R51は水素原子、アルキル基またはア
    リール基を表す。Z51はヘテロ環基、シアノ基、カーボ
    ネート基、−(CH2CH2O)n52−R52、および−
    [CH2CH(CH3)O]n53−R53から選ばれる置換
    基を少なくとも1個含有する1価の有機基を表し、L51
    は−COO−、−OCO−、−CONR54−または−N
    54CO−を表し、n51は0または1である(ここで、
    52、R53およびR54はそれぞれ独立に水素原子、アル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリー
    ル基を表し、n52およびn53はそれぞれ独立に1〜30
    の整数である)。Gはエチレン性不飽和基を含有する化
    合物から誘導される繰り返し単位を表す。Jはエチレン
    性不飽和基を2個以上含有する化合物から誘導される繰
    り返し単位を表す。d、eおよびfはそれぞれ独立に繰
    り返し単位の重量組成比を表し、dは5重量%以上99
    重量%以下、eは0以上70重量%以下、fは0.5重
    量%以上50重量%以下である。]
  6. 【請求項6】 ゲル電解質である請求項1〜5のいずれ
    かの電解質。
  7. 【請求項7】 光電気化学電池に用いられる請求項1〜
    6のいずれかの電解質。
  8. 【請求項8】 請求項7の電解質を含む電荷移動層を有
    し、さらに輻射線に感応する半導体と対向電極とを有す
    る光電気化学電池。
  9. 【請求項9】 半導体が色素増感された微粒子半導体で
    ある請求項8の光電気化学電池。
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