JP2000349333A - 発光素子,発光装置および表示装置並びに発光素子の製造方法 - Google Patents

発光素子,発光装置および表示装置並びに発光素子の製造方法

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JP2000349333A JP20938399A JP20938399A JP2000349333A JP 2000349333 A JP2000349333 A JP 2000349333A JP 20938399 A JP20938399 A JP 20938399A JP 20938399 A JP20938399 A JP 20938399A JP 2000349333 A JP2000349333 A JP 2000349333A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光効率が高く、材料選択の幅が広く、大面
積の素子列を得られる発光素子,発光装置および表示装
置並びに製造方法を提供する。 【解決手段】 石英ガラスよりなる基板11にn型Al
GaNの非単結晶体よりなるn型クラッド層12,Zn
Oよりなる複数の微結晶13aを含む発光層13および
p型BNの非単結晶体よりなるp型クラッド層14を順
次積層する。n型クラッド層12とp型クラッド層14
との間には微結晶13aの間を埋めるように絶縁層15
が形成され、漏れ電流が防止される。絶縁層15はn型
クラッド層12の表面を酸化することにより形成され
る。発光層13は結晶性が向上された複数の微結晶13
aを含むので、発光効率が向上すると共に、発光層1
3,n型クラッド層12,p型クラッド層14および基
板11の材料選択の幅が広がり、大面積の素子列を形成
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微結晶を用いた発
光素子,発光装置および表示装置並びに発光素子の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、GaAs,GaAsP混晶,Ga
AlAs混晶またはGaPなどの半導体を用いた発光素
子が開発されている。これらの発光素子は、基板の上に
n型半導体層,発光層およびp型半導体層が順次積層さ
れた構造を有しており、順方向バイアスに電圧が印加さ
れると、発光層において電子と正孔とが再結合し発光す
るようになっている。なお、従来は、n型半導体層,発
光層およびp型半導体層を単結晶によりそれぞれ構成し
ており、基板の上にエピタキシャル成長させることによ
り形成していた。よって、基板も単結晶により構成して
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
発光素子ではn型半導体層,発光層およびp型半導体層
を単結晶によりそれぞれ構成していたので、良好な結晶
を得るためには、基板との格子整合や結晶構造の整合が
必要不可欠であった。また、エピタキシャル成長させる
際の条件も厳しく限定されると共に、欠陥を低減するに
は高温でエピタキシャル成長させる必要があった。よっ
て、基板を構成する材料が著しく限定されてしまい、材
料選択の自由度が小さかった。従って、石英やガラスな
どを基板に用いることができず、大面積の素子列を作成
することができないという問題があった。
【0004】また、発光層,n型半導体層およびp型半
導体層を構成する材料も基板の材料により著しく限定さ
れてしまい、それらの材料選択の自由度も小さかった。
よって、発光波長が限定されてしまうという問題もあっ
た。更に、このように欠陥を低減する工夫が成されてい
ても欠陥を全く無くすことはできず、欠陥が非発光中心
として働き、発光効率の低下や劣化の原因となってしま
うという問題もあった。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、発光効率が高く、材料選択の幅が広
く、大面積の素子列を形成することができる発光素子,
発光装置および表示装置並びに発光素子の製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による発光素子
は、第1導電型層と、第2導電型層と、第1導電型層と
第2導電型層との間に形成され、半導体よりなる複数の
微結晶を含む微結晶層とを備えたものである。
【0007】本発明による他の発光素子は、第1導電型
クラッド層と、第2導電型クラッド層と、第1導電型ク
ラッド層と第2導電型クラッド層との間に形成され、複
数の微結晶を含む発光層と、第1導電型クラッド層と第
2導電型クラッド層との間に形成され、発光層よりも薄
い厚さを有する絶縁層とを備えたものである。
【0008】本発明による発光素子の製造方法は、第1
導電型層を形成する工程と、第1導電型層に半導体より
なる複数の微結晶を含む微結晶層を形成する工程と、微
結晶層を介して第1導電型層に第2導電型層を形成する
工程とを含むものである。
【0009】本発明による他の発光素子の製造方法は、
第1導電型クラッド層を形成する工程と、第1導電型ク
ラッド層に複数の微結晶を含む発光層を形成する工程
と、第1導電型クラッド層に発光層よりも厚さが薄い絶
縁層を形成する工程と、発光層および絶縁層をそれぞれ
介して第1導電型クラッド層に第2導電型クラッド層を
形成する工程とを含むものである。
【0010】本発明による発光装置は、第1導電型層と
第2導電型層との間に半導体よりなる複数の微結晶を含
む微結晶層が設けられた複数の発光素子を積層してなる
ものである。
【0011】本発明による他の発光装置は、第1導電型
クラッド層と第2導電型クラッド層との間に複数の微結
晶を含む発光層およびこの発光層よりも薄い厚さを有す
る絶縁層がそれぞれ設けられた複数の発光素子を積層し
てなるものである。
【0012】本発明による表示装置は、第1導電型層と
第2導電型層との間に半導体よりなる複数の微結晶を含
む微結晶層が設けられた発光素子を少なくとも1つ備え
たものである。
【0013】本発明による他の表示装置は、第1導電型
クラッド層と第2導電型クラッド層との間に複数の微結
晶を含む発光層およびこの発光層よりも薄い厚さを有す
る絶縁層がそれぞれ設けられた発光素子を少なくとも1
つ備えたものである。
【0014】本発明による発光素子では、第1導電型層
と第2導電型層との間に電圧が印加されると、微結晶層
の微結晶に電流が注入され発光が起こる。この微結晶に
は欠陥がほとんど無く、高い効率で発光する。
【0015】本発明による他の発光素子では、第1導電
型クラッド層と第2導電型クラッド層との間に電圧が印
加されると、発光層の微結晶に電流が注入され発光が起
こる。この微結晶には欠陥がほとんど無く、高い効率で
発光する。また、第1導電型クラッド層と第2導電型ク
ラッド層との間には絶縁層が形成されているので、第1
導電型クラッド層と第2導電型クラッド層との間におけ
る漏れ電流が低減され、電流は各微結晶を介して流れ
る。
【0016】本発明による発光素子の製造方法では、第
1導電型層が形成されたのち、微結晶層が形成され、第
2導電型層がこの微結晶層を介して形成される。
【0017】本発明による他の発光素子の製造方法で
は、第1導電型クラッド層が形成されたのち、微結晶層
が形成されると共に、絶縁層が形成される。そののち、
この微結晶層および絶縁層を介して第2導電型層が形成
される。
【0018】本発明による発光装置および本発明による
表示装置は、本発明の発光素子をそれぞれ用いたもので
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0020】(発光素子における第1の実施の形態)図
1は本発明の発光素子における第1の実施の形態に係る
発光ダイオード(light emitting diode;LED)10
の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10
は、基板11の一面に、第1導電型層である第1導電型
クラッド層12,微結晶層である発光層13および第2
導電型層である第2導電型クラッド層14が順次積層さ
れている。なお、本実施の形態においては、第1導電型
がn型であり、第2導電型がp型となっている。
【0021】基板11は、例えば、積層方向における厚
さ(以下、単に厚さという)が0.5mmであり、石英
ガラスあるいはケイ酸塩ガラスなどのガラスまたは結晶
性の石英またはサファイアなどの透明材料により構成さ
れている。このように透明材料により基板11を構成す
れば、基板11の側からも光を取りだすことができるの
で好ましい。また、透明材料に限らず、ガラス以外の非
晶質体により基板11を構成するようにしてもよい。こ
のように非晶質体により構成するようにすれば、基板1
1の面積を容易に大きくすることができるので好まし
い。
【0022】第1導電型クラッド層12は、例えば、厚
さが1μmであり、ケイ素(Si)などのn型不純物を
添加したn型AlGaNまたはn型GaNにより構成さ
れている。また、第1導電型クラッド層12は、これら
の多結晶体,非晶質体あるいは多結晶体と非晶質体との
複合体などの非単結晶体により構成されている。n型A
lGaNにおけるアルミニウムの組成は、例えば50モ
ル%以下である。
【0023】発光層13は、例えば、ZnOよりなる複
数の微結晶13aを含んでいる。ここで、微結晶13a
というのは単結晶または多結晶よりなる微小な粒子のこ
とであり、発光可能なものを言う。この各微結晶13a
の結晶粒径(すなわち1つの単結晶の結晶粒径)は10
0nm以下であるとが好ましい。100nm以下であれ
ば欠陥の無い結晶を得ることができるからである。ま
た、この各微結晶13aは、積層方向においてほぼ1層
形成されている。
【0024】第2導電型クラッド層14は、例えば、厚
さが0.5μmであり、マグネシウム(Mg)などのp
型不純物を添加したp型BNの非単結晶体あるいは亜鉛
(Zn)などのp型不純物を添加したp型AlNの非単
結晶体により構成されている。すなわち、本実施の形態
では、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラ
ッド層14は窒素(N)を含む無機半導体によりそれぞ
れ構成されており、発光層13は酸素(O)を含む無機
半導体により構成されている。
【0025】第1導電型クラッド層12と第2導電型ク
ラッド層14との間には、また、発光層13の各微結晶
13aの間を埋めるように絶縁層15が形成されてお
り、第1導電型クラッド層12と第2導電型クラッド層
14との接触を防止するようになっている。この絶縁層
は、例えば、厚さが発光層13の各微結晶13aの粒径
の大きさよりも薄くなっており、アルミニウム(Al)
とガリウム(Ga)と酸素との化合物またはガリウムと
酸素との化合物により構成されている。
【0026】また、第1導電型クラッド層12の基板1
1と反対側には第1の電極16が形成されている。この
第1の電極16は、例えば、第1導電型クラッド層12
の側からチタン(Ti)層,アルミニウム層,白金(P
t)層および金(Au)層を順次積層して加熱処理によ
り合金化した構造を有しており、第1導電型クラッド層
12と電気的に接続されている。更に、第2導電型クラ
ッド層14の基板11と反対側には第2の電極17が形
成されている。この第2の電極17は、例えば、第2導
電型クラッド層14の側からニッケル(Ni)層,白金
層および金層を順次積層して加熱処理により合金化した
構造を有しており、第2導電型クラッド層14と電気的
に接続されている。すなわち、ここにおいて第1の電極
16はn側電極として機能し、第2の電極17はp側電
極として機能するようになっている。
【0027】図2はこの発光ダイオード10のバンドギ
ャップ構造を表すものである。図2中において、実線は
第1導電型クラッド層12,発光層13および第2導電
型クラッド層14の各バンドギャップをそれぞれ表し、
破線は絶縁層15のバンドギャップを表している。この
ように、発光層13のバンドギャップは、第1導電型ク
ラッド層12および第2導電型クラッド層14の各バン
ドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。また、絶
縁層15のバンドギャップは発光層13のバンドギャッ
プよりも大きくなっている。すなわち、第2導電型クラ
ッド層14と第1導電型クラッド層12との間において
は、電流が発光層13を介して流れるようになってい
る。
【0028】なお、第1導電型クラッド層12,第2導
電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャッ
プは、それらを構成する材料により決定され、発光層1
3(すなわち各微結晶13a)のバンドギャップは、各
微結晶13aを構成する材料およびその粒径によって決
定される。発光層13のバンドギャップは各微結晶13
aの粒径が小さくなるほど広くなる傾向を有する。ま
た、この発光ダイオード10の発光波長は発光層13の
バンドギャップにより決定される。ここでは、発光層1
3のバンドギャップが約3.3eVであり、発光波長は
約380nmとなっている。
【0029】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、次のようにして製造することができる。
【0030】図3はその各製造工程を表すものである。
まず、図3(A)に示したように、石英ガラスなどより
なる基板11を用意し、その一面に、例えば、スパッタ
リング法,CVD(Chemical Vapor Deposition )法,
分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy;MB
E)法あるいはレーザ堆積法を用いてn型AlGaNの
非単結晶体またはn型GaNの非単結晶体よりなる第1
導電型クラッド層12を形成する。その際、基板11の
温度は600℃以下とする。第1導電型クラッド層12
を非単結晶体により構成するので温度をあまり高くする
必要がないからであり、これにより、基板11をガラス
などの非晶質体により構成しても十分に耐え得る温度と
なっている。次いで、第1導電型クラッド層12におけ
る不純物の活性化が不十分である場合には、例えばレー
ザアニール法によりその活性化を行う。
【0031】続いて、図3(B)に示したように、第1
導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例えば、
電着法,MBE法あるいはレーザ堆積法を用いてZnO
よりなる複数の微結晶13aを被着することにより、あ
るいは溶媒中に分散させたZnOよりなる複数の微結晶
13aを塗布することにより、発光層13を形成する。
この際、各条件を調整することにより、各微結晶13a
の粒径,各微結晶13aによる第1導電型クラッド層1
2の被覆率および各微結晶13aの積層数(すなわち発
光層13の厚さ)をそれぞれ制御する。具体的には、電
着法においては、溶液の純度,溶液の温度,印加電圧お
よび処理時間などを調整することにより制御する。ま
た、MBE法およびレーザ堆積法においては、基板11
の温度,雰囲気ガス圧および蒸着速度などを調整するこ
とにより制御する。溶媒中に分散させた微結晶13aを
塗布する方法においては、溶媒の種類,粘性および濃度
などを調整することにより制御する。
【0032】発光層13を形成したのち、図3(C)に
示したように、酸素プラズマ処理などの酸素含有雰囲気
中における加熱処理を行う。これにより、発光層13の
各微結晶13aに存在する酸素空孔を補完してその結晶
性を向上させると共に、各微結晶13aが接触していな
い第1導電型クラッド層12の表面を酸化し、アルミニ
ウムとガリウムと酸素との化合物またはガリウムと酸素
との化合物よりなる絶縁膜15を形成する。そののち、
更に、水素プラズマ処理などの水素含有雰囲気中におけ
る加熱処理を行うことが好ましい。これにより、発光層
13の各微結晶13aに残存する酸素空孔を補完して更
にその結晶性を向上させることができるからである。す
なわち、これらの酸素および水素を用いた処理により、
酸素空孔の作るドナーが関与するドナー−アクセプタ再
結合による緑色(波長510nm)の発光を不活性化す
る(T. Sekiguchi et al. Jpn. J. Appl. Phys 36, L28
9(1997) )。
【0033】酸素含有雰囲気中および水素含有雰囲気中
における加熱処理をそれぞれ行ったのち、図3(D)に
示したように、発光層13および絶縁層15をそれぞれ
介して、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側
に、例えば、スパッタリング法,CVD法,MBE法あ
るいはレーザ堆積法を用いてp型BNの非単結晶体また
はp型AlNの非単結晶体よりなる第2導電型クラッド
層14を形成する。その際、基板11の温度は600℃
以下とする。第2導電型クラッド層14も非単結晶体に
より構成するので温度をあまり高くする必要がないから
であり、これにより、基板11をガラスなどにより構成
しても十分に耐え得る温度となっている。そののち、第
2導電型クラッド層14における不純物の活性化が不十
分である場合には、例えばレーザアニール法によりその
活性化を行う。
【0034】第2導電型クラッド層14を形成したの
ち、リソグラフィ技術を用い、第1の電極16の形成位
置に対応して、第2導電型クラッド層14,発光層13
および絶縁層15を選択的に順次除去し、第1導電型ク
ラッド層12の一部を露出させる。なお、この際、第1
導電型クラッド層12の一部も選択的に除去してもよ
い。第1導電型クラッド層12を露出させたのち、第2
導電型クラッド層14およびエッチングにより露出され
た第1導電型クラッド層12の全面に図示しないレジス
ト膜を塗布形成し、n側電極14の形成位置に開口を形
成する。そののち、その全面に、例えば、真空蒸着法に
よりチタン層,アルミニウム層,白金層および金層を順
次蒸着し、レジスト膜をその上に形成された各金属層と
共に除去(リフトオフ)することにより第1の電極16
を形成する。また、例えば、第1の電極16と同様にし
て、ニッケル層,白金層および金層を順次蒸着し、第2
の電極17を選択的に形成する。そののち、加熱処理を
行い、第2の電極17および第1の電極16をそれぞれ
合金化する。これにより、図1に示した発光ダイオード
10が形成される。
【0035】このようにして製造した発光ダイオード1
0は、次のように作用する。
【0036】この発光ダイオード10では、第1の電極
16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加される
と発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微
結晶13aにおいてそれぞれ電子−正孔再結合により発
光が起こる。この各微結晶13aには欠陥がほとんど無
く、高い効率で発光する。発光波長は発光層13のバン
ドギャップに応じて決定され、ここでは約380nmで
ある。また、第2導電型クラッド層14と第1導電型ク
ラッド層12との間に絶縁層15が形成されているの
で、第2導電型クラッド層14と第1導電型クラッド層
12との間における漏れ電流が低減され、電流は各微結
晶13aを介して流れる。よって、各微結晶13aに効
率良く電子および正孔が注入される。
【0037】なお、この発光ダイオード10は、照明,
表示装置あるいは殺菌灯などの光源として用いられる。
【0038】このように本実施の形態に係る発光ダイオ
ード10によれば、複数の微結晶13aを利用して発光
層13を構成するようにしたので、発光層13の結晶性
を向上させることができ、発光効率を向上させることが
できると共に寿命を延長することができる。また、基板
11との格子整合などを考慮する必要がないので、発光
波長などに応じて任意の材料を選択することができる。
更に、粒子サイズ効果により粒径が小さくなるほどバン
ドギャップが広くなるので、発光波長を短波長化するこ
とができ、例えば各微結晶13aをZnOにより構成し
た場合など紫外領域の発光を得ることができる。よっ
て、殺菌灯などの光源としても用いることができる。
【0039】加えて、第1導電型クラッド層12および
第2導電型クラッド層14も単結晶により構成する必要
がなくなり、それらを構成する材料の選択幅が広がると
共に、低温で形成可能な非単結晶体によりそれらを構成
することもできる。よって、基板11を構成する材料の
選択幅が広がり、例えば、ガラスなどの非晶質体によっ
ても基板11を構成することができる。従って、大面積
の素子列を形成することが可能となる。
【0040】更にまた、この発光ダイオード10によれ
ば、発光層13の各微結晶層13aの間に絶縁層15を
設けるようにしたので、第2導電型クラッド層14と第
1導電型クラッド層12との間における漏れ電流を低減
することができ、各微結晶13aに効率良く電子および
正孔を注入することができる。よって、発光効率を向上
させることができる。
【0041】加えてまた、本実施の形態に係る発光ダイ
オード10の製造方法によれば、基板11に第1導電型
クラッド層12および発光層13を順次積層し、絶縁層
15を形成したのち、第2導電型クラッド層14を形成
するようにしたので、本実施の形態に係る発光ダイオー
ド10を容易に形成することができ、本実施の形態に係
る発光ダイオード10を実現することができる。特に、
発光層13を形成したのち、酸素含有雰囲気中において
加熱処理をするようにしたので、絶縁層15を容易に形
成することができると共に、各微結晶13aの結晶性を
向上させることもできる。また、酸素含有雰囲気中にお
いて加熱処理をしたのち、更に、水素含有雰囲気中にお
いて加熱処理を行うようにしたので、各微結晶13aの
結晶性を更に向上させることができる。
【0042】(発光素子における第2の実施の形態)図
4は本発明の発光素子における第2の実施の形態に係る
発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この
発光ダイオード10は、発光層13の構成が異なること
を除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有してお
り、同様にして製造することができ、同様にして用いら
れる。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の
符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略す
る。
【0043】発光層13は、例えば、ZnOよりなる複
数の微結晶13aを含むと共に、TiO2 よりなる複数
の微結晶13bも含んでいる。すなわち、この発光層1
3は、異なる半導体よりそれぞれなる2種の各微結晶1
3a,13bをそれぞれ含んでおり、発光層13は2つ
のバンドギャップを有している。ZnOよりなる各微結
晶13aのバンドギャップは約3.3eVであり、Ti
2 よりなる各微結晶13bのバンドギャップは約2.
9eVである。
【0044】この発光ダイオード10では、第1の電極
16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加される
と発光層13の各微結晶13a,13bに電流が注入さ
れ、各微結晶13a,13bにおいてそれぞれ発光が起
こる。ここでは、各微結晶13aと各微結晶13bとは
異なった半導体によりそれぞれ構成されているので、バ
ンドギャップが互いに異なっている。よって、それぞれ
異なった波長(約380nmと約430nm)で発光す
る。なお、TiO2 よりなる各微結晶13bは、大きな
ストークスシフトを生じると低温において530nmで
発光する(N. Hosaka et al., J. Luminescence 72-74,
874(1997))。
【0045】このように本実施の形態によれば、先の第
1の実施の形態において説明した効果に加えて、発光層
13における各微結晶13a,13bを異なる半導体よ
りそれぞれ構成するようにしたので、波長が異なる2種
類の光を得ることができるという効果も有する。
【0046】なお、上記第2の実施の形態では、発光層
13が2種の各微結晶13a,13bをそれぞれ含む場
合について説明したが、発光層13は異なる半導体より
それぞれなる3種以上の微結晶をそれぞれ複数づつ含ん
でいてもよい。各微結晶を構成する材料としては、例え
ば、ZnOあるいはTiO2 以外に、ZnSe,Cd
S,CdSe,InN,GaAsP混晶あるいはα−S
iCなどを用いることもできる。このように各微結晶の
種類の数を多くすれば、それだけ発光波長の数も多くす
ることができる。
【0047】(発光素子における第3の実施の形態)図
5は本発明の発光素子における第3の実施の形態に係る
発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この
発光ダイオード10は、発光層13の構成が異なること
を除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有してお
り、同様にして製造することができ、同様にして用いら
れる。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の
符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略す
る。
【0048】発光層13は、例えば、内部層13cとそ
の表面に形成された表面層13dとの層状構造を有する
複数の微結晶13aを含んでいる。内部層13cは発光
部として機能するものであり、表面層13dは内部層1
3cの発光効率を高めるためのものである。表面層13
dを構成する材料は、表面層13dのバンドギャップが
内部層13cよりも大きく第1導電型クラッド層12お
よび第2導電型クラッド層14よりもそれぞれ小さくな
るように選択される。例えば、内部層13cは不純物を
添加しないZnOにより構成され、表面層13dはマグ
ネシウムを添加したMg-dopedZnOにより構成され
る。また、内部層13cは不純物を添加しないCdSに
より構成され、表面層13dは不純物を添加しないZn
Sにより構成される。
【0049】図6はこの発光ダイオード10のバンドギ
ャップ構造を表すものである。図6中において、実線は
第1導電型クラッド層12,発光層13および第2導電
型クラッド層14の各バンドギャップをそれぞれ表し、
破線は絶縁層15のバンドギャップを表している。この
ように、発光層13のバンドギャップは、表面層13d
よりも更に内部層13cにおいて小さくなっている。ま
た、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバン
ドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型
クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよ
りもそれぞれ小さくなっている。
【0050】この発光ダイオード10では、第1の電極
16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加される
と発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微
結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、
各微結晶13aが内部層13cと表面層13dとから構
成されているので、バンドギャップが段階的に変化して
いる。よって、発光効率が高くなっている。
【0051】このように本実施の形態によれば、先の第
1の実施の形態において説明した効果に加えて、発光層
13における各微結晶13aを層状構造とするようにし
たので、発光効率を更に高めることができるという効果
も有する。なお、本実施の形態は、先の第2の実施の形
態ついても同様に適用することができる。
【0052】(発光素子における第4の実施の形態)図
7は本発明の発光素子における第4の実施の形態に係る
発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この
発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層12,発
光層13,第2導電型クラッド層14,絶縁層15およ
び第1の電極16をそれぞれ構成する材料について先の
第1の実施の形態とは異なる一例を示すものである。よ
って、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付
し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0053】第1導電型クラッド層12は、例えば、炭
素(C)などのn型不純物を添加したn型BNの非単結
晶体により構成されている。発光層13は、例えば、G
aNよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。第2導
電型クラッド層14は、例えば、マグネシウムなどのp
型不純物を添加したp型BNの非単結晶体により構成さ
れている。絶縁層15は、例えば、ホウ素(B)と酸素
との化合物により構成されている。すなわち、本実施の
形態では、第1導電型クラッド層12,発光層13およ
び第2導電型クラッド層14は窒素を含む無機半導体に
よりそれぞれ構成されている。また、第1導電型クラッ
ド層12と第2導電型クラッド層14とは導電型が異な
る同一の半導体材料により構成されている。
【0054】なお、これらの材料により第1導電型クラ
ッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14お
よび絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先
の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャ
ップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッ
ド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそ
れぞれ小さくなっている。
【0055】第1の電極16は、例えば、第2の電極1
7と同様に、第1導電型クラッド層12の側からニッケ
ル層,白金層および金層を順次積層して加熱処理により
合金化した構造を有している。
【0056】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、次のようにして製造することができる。
【0057】まず、基板11を用意し、その一面に、例
えば、スパッタリング法またはレーザ堆積法を用いてn
型BNの非単結晶体よりなる第1導電型クラッド層12
を形成する。その際、先の第1の実施の形態と同様に、
基板の温度は600℃以下とする。次いで、第1導電型
クラッド層12における不純物の活性化が不十分である
場合には、先の第1の実施の形態と同様に、例えばレー
ザアニール法によりその活性化を行う。
【0058】続いて、第1導電型クラッド層12の基板
11と反対側に、例えば、スパッタリング法,MBE法
あるいはレーザ堆積法を用いてGaNよりなる複数の微
結晶13aを被着し、発光層13を形成する。この際、
各微結晶13aの粒径,各微結晶13aによる第1導電
型クラッド層12の被覆率および各微結晶13aの積層
数(すなわち発光層13の厚さ)は、基板11の温度,
雰囲気ガス圧および蒸着速度などを調整することにより
制御する。
【0059】発光層13を形成したのち、窒素プラズマ
処理などの窒素含有雰囲気中における加熱処理を行う。
これにより、発光層13の各微結晶13aに存在する窒
素空孔を補完してその結晶性を向上させる。そののち、
酸素プラズマ処理などの酸素含有雰囲気中における加熱
処理を行う。これにより、各微結晶13aが接触してい
ない第1導電型クラッド層12の表面を酸化し、ホウ素
と酸素との化合物よりなる絶縁膜15を形成する。な
お、この際、各微結晶13aの表面も僅かに酸化され
る。ちなみに、この酸素含有雰囲気中における加熱処理
は、窒素含有雰囲気中における加熱処理の後に行うこと
が好ましい。各微結晶13aに欠陥が多いと酸化され易
いからである。
【0060】酸素含有雰囲気中における加熱処理を行っ
たのち、更に、水素プラズマ処理などの水素含有雰囲気
中における加熱処理を行うことが好ましい。これによ
り、各微結晶13aの表面に形成された酸化膜を除去す
ることができると共に、各微結晶13aに残存する窒素
空孔を補完して結晶性を更に向上させることができるか
らである。水素含有雰囲気中における加熱処理を行った
のち、発光層13および絶縁層15をそれぞれ介して、
第1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例え
ば、スパッタリング法またはレーザ堆積法を用いてp型
BNの非単結晶体よりなる第2導電型クラッド層14を
形成する。そののち、第2導電型クラッド層14におけ
る不純物の活性化が不十分である場合には、先の第1の
実施の形態と同様に、例えばレーザアニール法によりそ
の活性化を行う。
【0061】第2導電型クラッド層14を形成したの
ち、先の第1の実施の形態と同様にリソグラフィ技術を
用い、第1の電極16の形成位置に対応して、第2導電
型クラッド層14,発光層13および絶縁層15を選択
的に順次除去し、第1導電型クラッド層12の一部を露
出させる。第1導電型クラッド層12の一部を露出させ
たのち、先の第1の実施の形態と同様にして、ニッケル
層,白金層および金層を順次蒸着し、第1の電極16お
よび第2の電極17をそれぞれ選択的に形成する。その
のち、加熱処理を行い、第2の電極17および第1の電
極16をそれぞれ合金化する。これにより、本実施の形
態に係る発光ダイオード10が形成される。
【0062】このような発光ダイオード10は、先の第
1の実施の形態と同様に作用すると共に、同様にして用
いることができる。また、本実施の形態によれば、先の
第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。な
お、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態
についても同様に適用することができる。
【0063】(発光素子における第5の実施の形態)図
8は本発明の発光素子における第5の実施の形態に係る
発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この
発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層12,発
光層13,第2導電型クラッド層14,絶縁層15およ
び第1の電極16をそれぞれ構成する材料について先の
第1の実施の形態とは異なる他の一例を示すものであ
る。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符
号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0064】第1導電型クラッド層12は、例えば、β
─Ga2 3 またはアルミニウムなどのn型不純物を添
加したn型Al-dopedGa2 3 の非単結晶体により構
成されている。発光層13は、例えば、InNよりなる
複数の微結晶13aを含んでいる。第2導電型クラッド
層14は、例えば、窒素などのp型不純物を添加したp
型ZnOの非単結晶体により構成されている。絶縁層1
5は、例えば、ガリウムと窒素との化合物またはアルミ
ニウムとガリウムと窒素との化合物により構成されてい
る。すなわち、本実施の形態では、第1導電型クラッド
層12および第2導電型クラッド層14が酸素を含む無
機半導体によりそれぞれ構成され、発光層53が窒素を
含む無機半導体により構成されている。
【0065】なお、これらの材料により第1導電型クラ
ッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14お
よび絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先
の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャ
ップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッ
ド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそ
れぞれ小さくなっている。
【0066】第1の電極16は、例えば、第1導電型ク
ラッド層12の側からニッケルとクロム(Cr)との合
金層と金層とを順次積層して加熱処理により合金化した
構造を有している。
【0067】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、次のようにして製造することができる。
【0068】まず、基板11を用意し、その一面に、例
えば、スパッタリング法,CVD法,MBE法またはレ
ーザ堆積法を用いてβ─Ga2 3 またはn型Al-dop
edGa2 3 の非単結晶体よりなる第1導電型クラッド
層12を形成する。その際、先の第1の実施の形態と同
様に、基板の温度は600℃以下とする。次いで、第1
導電型クラッド層12における不純物の活性化が不十分
である場合には、先の第1の実施の形態と同様に、例え
ばレーザアニール法によりその活性化を行う。
【0069】続いて、第1導電型クラッド層12の基板
11と反対側に、例えば、スパッタリング法,MBE法
あるいはレーザ堆積法を用いてInNよりなる複数の微
結晶13aを被着し、発光層13を形成する。この際、
各微結晶13aの粒径,各微結晶13aによる第1導電
型クラッド層52の被覆率および各微結晶13aの積層
数(すなわち発光層13の厚さ)は、基板11の温度,
雰囲気ガス圧および蒸着速度などを調整することにより
制御する。
【0070】発光層13を形成したのち、窒素プラズマ
処理などの窒素含有雰囲気中における加熱処理を行う。
これにより、発光層13の各微結晶13aに存在する窒
素空孔を補完して結晶性を向上させると共に、各微結晶
13aが接触していない第1導電型クラッド層12の表
面を窒化し、アルミニウムとガリウムと窒素との化合物
よりなる絶縁膜15を形成する。そののち、更に、水素
プラズマ処理などの水素含有雰囲気中における加熱処理
を行うことが好ましい。これにより、各微結晶13aに
残存する窒素空孔を補完して結晶性を更に向上させるこ
とができるからである。
【0071】酸素含有雰囲気中および水素含有雰囲気中
における加熱処理をそれぞれ行ったのち、発光層13お
よび絶縁層15をそれぞれ介して、第1導電型クラッド
層12の基板11と反対側に、例えば、スパッタリング
法,CVD法,MBE法またはレーザ堆積法を用いてp
型ZnOの非単結晶体よりなる第2導電型クラッド層1
4を形成する。そののち、第2導電型クラッド層14に
おける不純物の活性化が不十分である場合には、先の第
1の実施の形態と同様に、例えばレーザアニール法によ
りその活性化を行う。
【0072】第2導電型クラッド層14を形成したの
ち、先の第1の実施の形態と同様にリソグラフィ技術を
用い、第1の電極16の形成位置に対応して、第2導電
型クラッド層14,発光層13および絶縁層15を選択
的に順次除去し、第1導電型クラッド層12の一部を露
出させる。第1導電型クラッド層12の一部を露出させ
たのち、先の第1の実施の形態と同様にして、ニッケル
とクロムとの合金層および金層を順次蒸着して第1の電
極16を選択的に形成すると共に、ニッケル層,白金層
および金層を順次蒸着して第2の電極17を選択的に形
成する。そののち、加熱処理を行い、第2の電極17お
よび第1の電極16をそれぞれ合金化する。これによ
り、本実施の形態に係る発光ダイオード10が形成され
る。
【0073】このような発光ダイオード10は、先の第
1の実施の形態と同様に作用すると共に、同様にして用
いることができる。また、本実施の形態によれば、先の
第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。な
お、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態
についても同様に適用することができる。
【0074】(発光素子における第6の実施の形態)図
9は本発明の発光素子における第6の実施の形態に係る
発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この
発光ダイオード10は、基板11,第1導電型クラッド
層12,第2導電型クラッド層14,絶縁層15,第1
の電極16および第2の電極17をそれぞれ構成する材
料について先の第1の実施の形態とは異なる他の一例を
示すものである。よって、ここでは、対応する構成要素
には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明
を省略する。
【0075】基板11は、例えば、先の第1の実施の形
態と同様に、ガラス,石英あるいはサファイアなどによ
り構成されてもよいが、プラスチックにより構成されて
いてもよい。本実施の形態では、後述するように第1導
電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14が
有機半導体により構成されるので、より低温で製造する
ことができるからである。このように基板11をプラス
チックにより構成するようにすれば、基板11の面積を
容易に大きくすることができると共に、価格もより安価
とすることができるので好ましい。
【0076】第1導電型クラッド層12は、例えば、ポ
リピロールあるいはポリ(p−フェニレン)などのπ共
役高分子錯体にp型添加物を添加したp型π共役高分子
錯体により構成されている。p型添加物としては、例え
ば、ヨウ素(I2 ),臭素(Br2 )あるいは臭化ヨウ
素(IBr)などのハロゲン、または塩化鉄(FeCl
3 ),塩化アルミニウム(AlCl3 ),フッ化砒素
(AsF5 )あるいは塩化スズ(SnCl3 )などの金
属化合物が挙げられる。第2導電型クラッド層14は、
例えば、ポリ(p−フェニレン),ポリ(2,5−ピリ
ジンジイル)あるいはポリ(キノリン)などのπ共役高
分子錯体にn型添加物を添加したn型π共役高分子錯体
により構成されている。n型添加物としては、例えば、
リチウム(Li),カリウム(K)あるいはナトリウム
(Na)などの金属が挙げられる。
【0077】すなわち、本実施の形態では、第1導電型
クラッド層12および第2導電型クラッド層14が有機
半導体によりそれぞれ構成されており、第1導電型がp
型で、第2導電型がn型となっている。
【0078】また、絶縁層15は、例えば、ポリイミド
などの有機化合物により構成されている。なお、これら
の材料により第1導電型クラッド層12,第2導電型ク
ラッド層14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合
においても、先の第1の実施の形態と同様に、発光層1
3のバンドギャップは第1導電型クラッド層12,第2
導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャ
ップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0079】第1の電極16は、例えば、ITO(イン
ジウム(In)とスズ(Sn)と酸素との化合物;Indi
um Tin Oxide)または酸化スズ(SnO2 )により構成
されている。第2の電極17は、例えば、インジウム,
アルミニウム,マグネシウム,金あるいは白金などの金
属、またはマグネシウムとインジウムとの合金(MgI
n),アルミニウムとリチウムとの合金(AlLi)あ
るいはマグネシウムと銀との合金(MgAg)などの合
金により構成されている。なお、本実施の形態において
は第1の電極16がp側電極として機能し、第2の電極
17がn側電極として機能するようになっている。
【0080】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、次のようにして製造することができる。
【0081】まず、基板11を用意し、その一面に、例
えば、塗布法,真空蒸着法あるいはレーザ堆積法により
p型π共役高分子錯体よりなる第1導電型クラッド層1
2を形成する。次いで、第1導電型クラッド層12の基
板11と反対側に、例えば、先の第1の実施の形態と同
様にしてZnOよりなる複数の微結晶13aを被着し、
発光層13を形成する。続いて、第1導電型クラッド層
12の発光層13側に、例えば、塗布法、真空蒸着法あ
るいはレーザ堆積法によりポリイミドよりなる絶縁層1
5を形成する。そののち、この絶縁層15をエッチング
し、発光層13の一部を表面に露出させる。
【0082】発光層13の一部を表面に露出させたの
ち、発光層13および絶縁層15をそれぞれ介して、第
1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例え
ば、塗布法,真空蒸着法あるいはレーザ堆積法によりn
型π共役高分子錯体よりなる第2導電型クラッド層14
を形成する。第2導電型クラッド層14を形成したの
ち、先の第1の実施の形態と同様にリソグラフィ技術を
用い、第1の電極16の形成位置に対応して第2導電型
クラッド層14,発光層13および絶縁層15を選択的
に順次除去し、第1導電型クラッド層12の一部を露出
させ、例えば蒸着により第1の電極16および第2の電
極17をそれぞれ選択的に形成する。これにより、本実
施の形態に係る発光ダイオード10が形成される。
【0083】このような発光ダイオード10は、先の第
1の実施の形態と同様に作用すると共に、同様にして用
いることができる。このように、本実施の形態によれ
ば、先の第1の実施の形態と同様の効果を得ることがで
きると共に、第1導電型クラッド層12および第2導電
型クラッド層14を有機半導体によりそれぞれ構成する
ようにしたので、より低温で形成することができる。よ
って、基板11を構成する材料の選択幅が更に広がり、
プラスチックなどによっても基板11を構成することが
できる。従って、大面積の素子列を低価格で形成するこ
とが可能となる。なお、本実施の形態は、先の第2およ
び第3の実施の形態についても同様に適用することがで
きる。
【0084】(発光素子における第7の実施の形態)図
10は本発明の発光素子における第7の実施の形態に係
る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。こ
の発光ダイオード10は、基板11,第1導電型クラッ
ド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14,絶
縁層15,第1の電極16および第2の電極17をそれ
ぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態とは異
なる他の一例を示すものである。よって、ここでは、対
応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分につい
ての詳細な説明を省略する。
【0085】基板11は、例えば、先の第6の実施の形
態と同様に、ガラス,石英,サファイアあるいはプラス
チックにより構成されている。第1導電型クラッド層1
2は、例えば、ポリビニルアルコールなどの高分子化合
物に導電体として超微粒子状の硫化銅(CuS)などの
金属硫化物を混合したp型の導電性樹脂により構成され
ている。発光層13は、例えば、InNよりなる複数の
微結晶13aを含んでいる。第2導電型クラッド層14
は、例えば、ポリビニルアルコールなどの高分子化合物
に導電体として超微粒子状の硫化銅あるいは硫化水銀
(HgS)などの金属硫化物を混合したn型の導電性樹
脂により構成されている。すなわち、この発光ダイオー
ド10は、第1導電型クラッド層12および第2導電型
クラッド層14がそれぞれ導電性樹脂により構成されて
おり、第1導電型クラッド層12がp型クラッド層、第
2導電型クラッド層14がn型クラッド層とそれぞれな
っている。
【0086】また、絶縁層15は、例えば、先の第6の
実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物によ
り構成されている。なお、これらの材料により第1導電
型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層
14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合において
も、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバン
ドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型
クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよ
りもそれぞれ小さくなっている。
【0087】第1の電極16および第2の電極17は、
例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれ
ぞれ構成されている。これらは、先の第6の実施の形態
と同様に、第1の電極16がp側電極として機能し、第
2の電極17がn側電極として機能するようになってい
る。
【0088】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造
することができる。
【0089】まず、基板11の一面に、例えば、超微粒
子状の金属硫化物を含有するオルガノゾルを塗布したの
ち乾燥して、p型の導電性樹脂よりなる第1導電型クラ
ッド層12を形成する。次いで、InNよりなる複数の
微結晶13aを被着して発光層13を形成したのち、ポ
リイミドよりなる絶縁層15を形成する。続いて、この
絶縁層15をエッチングして発光層13の一部を表面に
露出させたのち、例えば、超微粒子状の金属硫化物を含
有するオルガノゾルを塗布乾燥させて、n型の導電性樹
脂よりなる第2導電型クラッド層14を形成する。その
のち、リソグラフィ技術により第1導電型クラッド層1
2の一部を露出させ、第1の電極16および第2の電極
17をそれぞれ選択的に形成する。これにより、本実施
の形態に係る発光ダイオード10が形成される。
【0090】このような発光ダイオード10は、先の第
1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用いること
ができる。このように、本実施の形態によれば、先の第
1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共
に、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッ
ド層14を導電性樹脂によりそれぞれ構成するようにし
たので、より低温で形成することができる。なお、本実
施の形態は、先の第2および第3の実施の形態について
も同様に適用することができる。
【0091】(発光素子における第8の実施の形態)図
11は本発明の発光素子における第8の実施の形態に係
る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。こ
の発光ダイオード10は、基板11,第1導電型クラッ
ド層12,第2導電型クラッド層14,絶縁層15,第
1の電極16および第2の電極17をそれぞれ構成する
材料について先の第1の実施の形態とは異なる他の一例
を示すものである。よって、ここでは、対応する構成要
素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説
明を省略する。
【0092】基板11は、例えば、先の第6の実施の形
態と同様に、ガラス,石英,サファイアあるいはプラス
チックにより構成されている。第1導電型クラッド層1
2は、例えば、オルガノポリシランあるいはジラニレン
系ポリマーなどの高分子シリコン誘導体にp型添加物を
添加したp型高分子シリコン誘導体により構成されてい
る。p型添加物としては、例えば、ヨウ素などのハロゲ
ン、または塩化鉄,塩化アルミニウム,フッ化砒素ある
いは塩化スズなどの金属化合物が挙げられる。第2導電
型クラッド層14は、例えば、n型不純物を添加したn
型π共役高分子錯体あるいはn型高分子金属錯体、また
は高分子化合物に導電体を混合したn型の導電性樹脂に
より構成されている。すなわち、この発光ダイオード1
0は、第1導電型クラッド層12が有機半導体により構
成されたp型クラッド層となっており、第2導電型クラ
ッド層14が有機半導体または導電性樹脂により構成さ
れたn型クラッド層となっている。
【0093】また、絶縁層15は、例えば、先の第6の
実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物によ
り構成されている。なお、これらの材料により第1導電
型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶
縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先の第1
の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャップ
は、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層
14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞ
れ小さくなっている。
【0094】第1の電極16および第2の電極17は、
例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれ
ぞれ構成されている。これらは、先の第6の実施の形態
と同様に、第1の電極16がp側電極として機能し、第
2の電極17がn側電極として機能するようになってい
る。
【0095】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造
することができる。また、先の第1の実施の形態と同様
に作用し、同様にして用いることができる。このよう
に、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同
様の効果を得ることができると共に、第1導電型クラッ
ド層12を有機半導体により構成し、第2導電型クラッ
ド層14を有機半導体または導電性樹脂により構成する
ようにしたので、より低温で形成することができる。な
お、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態
についても同様に適用することができる。
【0096】(発光素子における第9の実施の形態)図
12は本発明の発光素子における第9の実施の形態に係
る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。こ
の発光ダイオード10は、基板11,第1導電型クラッ
ド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14,絶
縁層15,第1の電極16および第2の電極17をそれ
ぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態とは異
なる他の一例を示すものである。よって、ここでは、対
応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分につい
ての詳細な説明を省略する。
【0097】基板11は、例えば、先の第6の実施の形
態と同様に、ガラス,石英,サファイアあるいはプラス
チックにより構成されている。第1導電型クラッド層1
2は、例えば、高分子金属錯体にp型添加物を添加した
p型高分子金属錯体により構成されている。高分子金属
錯体としては、例えば、フタロシアニン、または鉄,ニ
ッケル,銅(Cu),亜鉛(Zn),白金,鉛(P
b),クロム(Cr),ルテニウム(Ru),ロジウム
(Rh),ケイ素,ゲルマニウム(Ge)あるいはスズ
(Sn)などの金属を含む金属フタロシアニン、または
それらの誘導体が挙げられる。また、p型添加物として
は、例えば、ヨウ素,臭素あるいは臭化ヨウ素などのハ
ロゲン、または塩化鉄,塩化アルミニウム,フッ化砒素
あるいは塩化スズなどの金属化合物が挙げられる。
【0098】発光層13は、例えば、CdSeよりなる
複数の微結晶13aを含んでいる。第2導電型クラッド
層14は、例えば、高分子金属錯体にn型不純物を添加
したn型高分子金属錯体により構成されている。高分子
金属錯体としては、例えば、コバルト(Co)などの金
属を含む金属フタロシアニン,ペリレン顔料あるいはポ
ルフィリン金属錯体が挙げられ、n型添加物としては、
例えば、ヨウ素などのハロゲンが挙げられる。すなわ
ち、この発光ダイオード10は、先の第6の実施の形態
と同様に、第1導電型クラッド層12および第2導電型
クラッド層14がそれぞれ有機半導体により構成されて
おり、第1導電型クラッド層12がp型クラッド層、第
2導電型クラッド層14がn型クラッド層とそれぞれな
っている。
【0099】また、絶縁層15は、例えば、先の第6の
実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物によ
り構成されている。なお、これらの材料により第1導電
型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層
14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合において
も、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバン
ドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型
クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよ
りもそれぞれ小さくなっている。
【0100】第1の電極16および第2の電極17は、
例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれ
ぞれ構成されている。これらは、先の第6の実施の形態
と同様に、第1の電極16がp側電極として機能し、第
2の電極17がn側電極として機能するようになってい
る。
【0101】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造
することができる。また、先の第1の実施の形態と同様
に作用し、同様にして用いることができる。このよう
に、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同
様の効果を得ることができると共に、第1導電型クラッ
ド層12および第2導電型クラッド層14を有機半導体
によりそれぞれ構成するようにしたので、より低温で形
成することができる。なお、本実施の形態は、先の第2
および第3の実施の形態についても同様に適用すること
ができる。
【0102】(発光素子における第10の実施の形態)
図13は本発明の発光素子における第10の実施の形態
に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものであ
る。この発光ダイオード10は、基板11,第1導電型
クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層1
4,絶縁層15,第1の電極16および第2の電極17
をそれぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態
とは異なる他の一例を示すものである。よって、ここで
は、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分
についての詳細な説明を省略する。
【0103】基板11は、例えば、先の第6の実施の形
態と同様に、ガラス,石英,サファイアあるいはプラス
チックにより構成されている。第1導電型クラッド層1
2は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、p型π
共役高分子錯体により構成されている。発光層13は、
例えば、InNよりなる複数の微結晶13aを含んでい
る。第2導電型クラッド層14は、例えば、先の第6の
実施の形態と同様に、n型π共役高分子錯体により構成
されている。絶縁層15は、例えば、先の第6の実施の
形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物により構成
されている。第1の電極16および第2の電極17は、
例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれ
ぞれ構成されている。すなわち、この発光ダイオード1
0は、発光層13を構成する材料が異なることを除き、
先の第6の実施の形態と同一の構成となっている。
【0104】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造
することができる。また、この発光ダイオード10は、
先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用い
ることができる。更に、本実施の形態によれば、先の第
1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共
に、より低温で形成することができる。なお、本実施の
形態は、先の第2および第3の実施の形態についても同
様に適用することができる。
【0105】(発光素子における第11の実施の形態)
図14は本発明の発光素子における第11の実施の形態
に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものであ
る。この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層
12および第2導電型クラッド層14の構成、並びに第
1の電極16を構成する材料異なることを除き、先の第
1の実施の形態と同一の構成を有しており、同様にして
製造することができる。また、先の第1の実施の形態と
同様にして用いられる。よって、ここでは、対応する構
成要素には同一の符号を付し、同一の部分についての詳
細な説明を省略する。
【0106】第1導電型クラッド層12は、例えば、基
板11の側から順に積層された第1層12aと第2層1
2bとよりなる多層構造を有している。第1層12a
は、例えば、厚さが0.4μmであり、炭素などのn型
不純物を添加したn型BNの非単結晶体により構成され
ている。第2層12bは、例えば、厚さが0.1μmで
あり、ケイ素などのn型不純物を添加したn型AlGa
Nの非単結晶により構成されている。
【0107】第2導電型クラッド層14は、例えば、発
光層13の側から順に積層された第1層14aと第2層
14bとよりなる多層構造を有している。第1層14a
は、例えば、厚さが0.1μmであり、マグネシウムな
どのp型不純物を添加したp型AlGaNの非単結晶体
により構成されている。第2層14bは、例えば、厚さ
が0.4μmであり、マグネシウムなどのp型不純物を
添加したp型BNの非単結晶により構成されている。
【0108】第1の電極16は、n側電極として機能
し、例えば、第1導電型クラッド層12の側からチタン
層,ニッケル層,白金層および金層を順次積層して加熱
処理により合金化した構造を有している。
【0109】図15はこの発光ダイオード10のバンド
ギャップ構造を表すものである。図15中において、実
線は第1導電型クラッド層12,発光層13および第2
導電型クラッド層14の各バンドギャップをそれぞれ表
し、破線は絶縁層15のバンドギャップを表している。
第1導電型クラッド層12のバンドギャップは、第1層
12aが約6.2eV、第2層12bが約3.4〜4.
8eVであり、発光層13側の方がより小さくなってい
る。第2導電型クラッド層14のバンドギャップも、第
1層14aが約3.4〜4.8eV、第2層14bが約
6.2eVであり、発光層13側の方がより小さくなっ
ている。これは、電荷の注入効率を高め、発光効率を向
上させるためである。また、発光層13のバンドギャッ
プは約3.3eVであり、先の第1の実施の形態と同様
に、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層
14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞ
れ小さくなっている。
【0110】この発光ダイオード10では、第1の電極
16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加される
と発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微
結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、
第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層
14がそれぞれ多層構造となっており、発光層13側に
向かってバンドギャップが段階的に小さくなっているの
で、電荷の注入効率が高くなり、発光効率が高くなる。
【0111】このように本実施の形態によれば、第1導
電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を
それぞれ多層構造とし、発光層13側の方がより小さな
バンドギャップをそれぞれ有するようにしたので、先の
第1の実施の形態において説明した効果に加えて、発光
効率を更に高めることができる。なお、本実施の形態
は、先の第2乃至第5の実施の形態についても同様に適
用することができる。
【0112】(発光素子における第12の実施の形態)
図16は本発明の発光素子における第12の実施の形態
に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものであ
る。この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層
12および第2導電型クラッド層14の構成、並びに基
板11,発光層13,絶縁層15,第1の電極16およ
び第2の電極17をそれぞれ構成する材料が異なること
を除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有してい
る。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符
号を付し、同一の部分についての詳細な説明を省略す
る。
【0113】第1導電型クラッド層12は、例えば、基
板11の側から順に積層された第1層12aと第2層1
2bとよりなる多層構造を有している。第1層12a
は、例えば、厚さが0.4μmであり、p型添加物を添
加したp型ポリジメチルシランにより構成されている。
第2層12bは、例えば、厚さが0.1μmであり、p
型添加物を添加したp型ポリ(p−フェニレン)により
構成されている。なお、第1層12aのバンドギャップ
は約3.5eVであり、第2層12bのバンドギャップ
は約3.2eVである。
【0114】第2導電型クラッド層14は、例えば、発
光層13の側から順に積層された第1層14aと第2層
14bとよりなる多層構造を有している。第1層14a
は、例えば、厚さが0.4μmであり、n型添加物を添
加したn型ポリ(p−フェニレン)により構成されてい
る。第2層14bは、例えば、厚さが0.1μmであ
り、n型添加物を添加したn型ポリジメチルシランによ
り構成されている。なお、第1層14aのバンドギャッ
プは約3.2eVであり、第2層14bのバンドギャッ
プは約3.5eVである。すなわち、本実施の形態で
は、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッ
ド層14が有機半導体よりなる多層構造とそれぞれなっ
ており、それらのバンドギャップは発光層13側の方が
より小さくなるようにそれぞれ構成されている。
【0115】基板11は、第1導電型クラッド層12お
よび第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれ
ぞれ構成した先の第6の実施の形態と同様に、例えば、
ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより
構成されている。発光層13は、例えば、InNよりな
る複数の微結晶13aを含んでいる。絶縁層15は、例
えば、先の第6の実施の形態と同様に、ポリイミドなど
の有機化合物により構成されている。なお、発光層13
のバンドギャップは約1.9eVであり、先の第1の実
施の形態と同様に、第1導電型クラッド層12,第2導
電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャッ
プよりもそれぞれ小さくなっている。
【0116】第1の電極16および第2の電極17は、
例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれ
ぞれ構成されている。これらは、先の第6の実施の形態
と同様に、第1の電極16がp側電極として機能し、第
2の電極17がn側電極として機能するようになってい
る。
【0117】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造
することができる。また、この発光ダイオード10は、
先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用い
られる。但し、ここでは、第1導電型クラッド層12お
よび第2導電型クラッド層14がそれぞれ多層構造とな
っており、発光層13側に向かってバンドギャップが段
階的に小さくなっているので、電荷の注入効率が高くな
り、発光効率が高くなる。
【0118】このように本実施の形態によれば、先の第
1の実施の形態で説明した効果に加えて、第1導電型ク
ラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半
導体によりそれぞれ構成するようにしたので、より低温
で形成することができると共に、第1導電型クラッド層
12および第2導電型クラッド層14をそれぞれ多層構
造とし、発光層13側の方がより小さなバンドギャップ
をそれぞれ有するようにしたので、発光効率を更に高め
ることができる。なお、本実施の形態は、先の第2、第
3および第6乃至第10の実施の形態についても同様に
適用することができる。
【0119】(発光素子における第13の実施の形態)
図17は本発明の発光素子における第13の実施の形態
に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものであ
る。この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層
12および第2導電型クラッド層14の構成、並びに基
板11,発光層13,絶縁層15,第1の電極16およ
び第2の電極17をそれぞれ構成する材料が異なること
を除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有してい
る。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符
号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0120】第1導電型クラッド層12は、例えば、基
板11の側から順に積層された第1層12aと第2層1
2bとよりなる多層構造を有している。第1層12a
は、例えば、厚さが0.4μmであり、p型添加物を添
加したp型ポリピロールにより構成されている。第2層
12bは、例えば、厚さが0.1μmであり、p型添加
物を添加したp型ポリ(p−フェニレン)により構成さ
れている。なお、第1層12aのバンドギャップは約
3.6eVであり、第2層12bのバンドギャップは約
3.2eVである。
【0121】第2導電型クラッド層14は、例えば、発
光層13の側から順に積層された第1層14aと第2層
14bとよりなる多層構造を有している。第1層14a
は、例えば、厚さが0.1μmであり、n型添加物を添
加したn型ポリ(p−フェニレン)により構成されてい
る。第2層14bは、例えば、厚さが0.4μmであ
り、n型添加物を添加したn型ポリキノリンにより構成
されている。この第2の層14bは、第2の電極17と
の密着性が高く、第2の電極17との密着性を高める密
着層としての機能を有している。なお、第1層14aお
よび第2層14bの各バンドギャップはそれぞれ約3.
2eVである。すなわち、本実施の形態では、第1導電
型クラッド層12および第2導電型クラッド層14が有
機半導体よりなる多層構造とそれぞれなっており、第1
導電型クラッド層12においては発光層13側のバンド
ギャップがより小さくなるように構成され、第2導電型
クラッド層14においては第2の電極17側に密着層が
形成されている。
【0122】基板11は、第1導電型クラッド層12お
よび第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれ
ぞれ構成した先の第6の実施の形態と同様に、例えば、
ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより
構成されている。発光層13は、例えば、InNよりな
る複数の微結晶13aを含んでいる。絶縁層15は、例
えば、先の第6の実施の形態と同様に、ポリイミドなど
の有機化合物により構成されている。なお、発光層13
のバンドギャップは約1.9eVであり、先の第1の実
施の形態と同様に、第1導電型クラッド層12,第2導
電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャッ
プよりもそれぞれ小さくなっている。第1の電極16お
よび第2の電極17は、例えば、先の第6の実施の形態
と同様の材料によりそれぞれ構成されている。これら
は、先の第6の実施の形態と同様に、第1の電極16が
p側電極として機能し、第2の電極17がn側電極とし
て機能するようになっている。
【0123】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造
することができる。また、この発光ダイオード10は、
先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用い
られる。但し、ここでは、第1導電型クラッド層12が
多層構造となっており、発光層13側に向かってバンド
ギャップが段階的に小さくなっているので、電荷の注入
効率が高くなり、発光効率が高くなる。
【0124】このように本実施の形態によれば、先の第
1の実施の形態で説明した効果に加えて、第1導電型ク
ラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半
導体によりそれぞれ構成するようにしたので、より低温
で形成することができる。また、第1導電型クラッド層
12を多層構造とし、発光層13側の方がより小さなバ
ンドギャップを有するようにしたので、発光効率を更に
高めることができる。更に、第2導電型クラッド層14
を多層構造とし、第2の電極17側に密着層を有するよ
うにしたので、第2の電極17の密着性を改善すること
ができる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第12
の実施の形態についても適用することができる。
【0125】(発光素子における第14の実施の形態)
図18は本発明の発光素子における第14の実施の形態
に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものであ
る。この発光ダイオード10は、第2導電型クラッド層
14が多層構造とされ、第2の電極が削除されると共
に、基板11,第1導電型クラッド層12,発光層1
3,第2導電型クラッド層14,絶縁層15および第1
の電極16をそれぞれ構成する材料が異なることを除
き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有している。
よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を
付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0126】基板11は、第1導電型クラッド層12お
よび第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれ
ぞれ構成した先の第6の実施の形態と同様に、例えば、
ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより
構成されている。第1導電型クラッド層12は、例え
ば、p型添加物を添加したp型ポリ(p−フェニレン)
などのp型有機半導体により構成されている。この第1
導電型クラッド層12のバンドギャップは約3.2eV
である。発光層13は、例えば、InNよりなる複数の
微結晶13aを含んでいる。
【0127】第2導電型クラッド層14は、例えば、発
光層13の側から順に積層された第1層14aと第2層
14bとよりなる多層構造を有している。第1層14a
は、例えば、厚さが0.1μmであり、n型添加物を添
加したn型ポリキノリンにより構成されている。第2層
14bは、例えば、厚さが0.4μmであり、n型添加
物を添加したn型ポリ(p−フェニレン)により構成さ
れている。この第2の層14bは、高い導電性を有して
おり、第2の電極(ここではn側電極)として機能する
電極層ともなっている。なお、第1層14aおよび第2
層14bの各バンドギャップはそれぞれ約3.2eVで
ある。
【0128】絶縁層15は、例えば、先の第6の実施の
形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物により構成
されている。なお、これらの材料により第1導電型クラ
ッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14お
よび絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先
の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャ
ップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッ
ド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそ
れぞれ小さくなっている。
【0129】第1の電極16は、例えば、先の第6の実
施の形態と同様に、ITOあるいは酸化スズ(Sn
2 )により構成されている。この第1の電極16はp
側電極として機能するようになっている。
【0130】このような構成を有する発光ダイオード1
0は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造
することができる。また、この発光ダイオード10は、
先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用い
られる。また、本実施の形態によれば、先の第1の実施
の形態で説明した効果に加えて、第1導電型クラッド層
12および第2導電型クラッド層14を有機半導体によ
りそれぞれ構成するようにしたので、より低温で形成す
ることができと共に、第2導電型クラッド層14を多層
構造とし、電極層を有するようにしたので、金属あるい
は金属合金による第2の電極を新たに形成する必要がな
く、素子構造および製造工程を簡素化することができ
る。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第13の実施
の形態についても適用することができる。
【0131】(発光素子における第15の実施の形態)
図19は本発明の発光素子における第15の実施の形態
に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものであ
る。この発光ダイオード10は、基板11と第1導電型
クラッド層12との間に拡散防止層21を備えたことを
除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有し、同様
にして用いられる。よって、ここでは、同一の構成要素
には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0132】拡散防止層21は、基板11と第1導電型
クラッド層12との間における各構成元素の拡散を防止
すると共に、基板11と第1導電型クラッド層12との
密着性を高めるためのものである。この拡散防止層21
は、例えば、厚さが数nmであり、窒化チタン(Ti3
4 )または窒化ケイ素(Si3 4 )により構成され
ている。
【0133】この発光ダイオード10は、先の第1の実
施の形態と同様にして製造することができる。なお、拡
散防止層21は、例えば、スパッタリング法,CVD法
あるいはレーザー堆積法などにより形成される。
【0134】この発光ダイオード10では、第1の電極
16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加される
と発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微
結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、
拡散防止層21が設けられているので、基板11と第1
導電型クラッド層12との間における各構成元素の拡散
が防止されると共に、基板11と第1導電型クラッド層
12との密着性が確保される。よって、品質が保持され
る。
【0135】このように本実施の形態によれば、先の第
1の実施の形態において説明した効果に加えて、拡散防
止層21を備えるようにしたので、基板11と第1導電
型クラッド層12との間における各構成元素の拡散を防
止することができると共に、基板11と第1導電型クラ
ッド層12との密着性を確保することができる。よっ
て、品質を向上させることができる。なお、本実施の形
態は、先の第2乃至第14の実施の形態についても同様
に適用することができる。
【0136】(発光素子における第16の実施の形態)
図20は本発明の発光素子における第16の実施の形態
に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものであ
る。この発光ダイオード10は、基板11と第1導電型
クラッド層12との間に補助電極22を備えたことを除
き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有し、同様に
して用いられる。よって、ここでは、同一の構成要素に
は同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0137】補助電極22は、第1の電極16に対する
補助的な電極として機能するものであり、発光層13の
全面に渡って均一に電圧が印加されようにするためのも
のである。この補助電極22は、例えば、厚さが0.2
μmであり、酸化スズ(SnO2 )などの導電性の材料
により構成されている。なお、補助電極22を酸化スズ
などの拡散防止機能も有する材料により構成した場合に
は、この補助電極22は拡散防止層としても機能する。
【0138】この発光ダイオード10は、先の第1の実
施の形態と同様にして製造することができる。なお、補
助電極22は、例えば、スパッタリング法,CVD法あ
るいは真空蒸着法などにより形成される。
【0139】この発光ダイオード10では、第1の電極
16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加される
と発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微
結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、
補助電極22が設けられているので、発光層13の全面
に渡って均一に電圧が印加される。よって、発光層13
の全面において均一に発光が起こる。
【0140】このように本実施の形態に係る発光ダイオ
ード10によれば、先の第1の実施の形態において説明
した効果に加えて、補助電極22を備えるようにしたの
で、発光層13の全面に渡って均一に電圧を印加するこ
とができ、発光層13の全面において均一に発光させる
ことができる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第
15の実施の形態についても同様に適用することができ
る。
【0141】(発光素子における第17の実施の形態)
図21は本発明の発光素子における第17の実施の形態
に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものであ
る。この発光ダイオード10は、基板11を導電性材料
により構成し第1の電極としての機能を持たせると共
に、第1の電極16を削除したことを除き、先の第1の
実施の形態と同一の構成および作用を有しており、同様
にして用いられる。また、先の第1の実施の形態と同様
にして製造することができる。よって、ここでは、同一
の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省
略する。
【0142】基板11は、例えば、金属,半導体あるい
は炭化ケイ素(doped-SiC)などの導電性材料により
構成されている。基板11を構成する金属としては、タ
ングステン(W)あるいはタンタル(Ta)などの高融
点金属、または鉄(Fe)などが好ましい。高融点金属
は高温での製造が可能となるからであり、鉄は安価で入
手が容易だからである。また、金属により基板11を構
成すれば、大面積の素子列を形成することができるので
好ましい。基板11を構成する半導体としてはシリコン
が好ましい。高温での製造が可能であると共に、安価で
入手が容易だからである。なお、基板11を半導体によ
り構成する場合には、不純物(ここではn型不純物)を
添加することにより抵抗を低くしたものを用いる。更
に、基板11を半導体または炭化ケイ素により構成する
場合には、単結晶体または非単結晶体のいずれのものを
用いてもよい。但し、非単結晶体の半導体または炭化ケ
イ素により基板11を構成すれば、入手が容易であると
共に、高温での製造が可能であり、かつ大面積の素子列
を形成することができるので好ましい。
【0143】このように本実施の形態によれば、先の第
1の実施の形態において説明した効果に加えて、基板1
1に第1の電極(すなわちn側電極)の機能を持たせる
ようにしたので、発光層13の全面に均一に電圧を印加
することができ、発光層13の全面において均一に発光
させることができると共に、製造工程を簡素化すること
ができる。特に、鉄などにより基板11を構成するよう
にすれば、安価で大面積の素子列を形成することができ
る。また、シリコンまたは炭化ケイ素などにより基板1
1を構成するようにすれば、安価で高温でも安定して製
造することができる。更に、シリコンまたは炭化ケイ素
の非単結晶体により基板11を構成するようにすれば、
大面積の素子列を形成することができる。なお、本実施
の形態は、先の第2乃至第15の実施の形態についても
同様に適用することができる。
【0144】(発光素子における第18の実施の形態)
図22は本発明の発光素子における第18の実施の形態
に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものであ
る。この発光ダイオード10は、蛍光体層23を備える
と共に、発光層13が異なる材料により構成されたこと
を除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有してお
り、同様にして用いられる。よって、ここでは、対応す
る構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての
詳細な説明を省略する。
【0145】発光層13は、例えば、GaNよりなる複
数の微結晶13aを含んでいる。蛍光体層23は、例え
ば、第2導電型クラッド層14の基板11と反対側に形
成されている。蛍光体層23を構成する蛍光材料として
は、例えば、ユウロピウム(Eu)を添加したBaMg
Al1017(以下、BaMgAl1017:Euと表す)
や、銅(Cu)および銀(Ag)を添加したZnS(以
下、ZnS:Cu,Agと表す)や、あるいはユウロピ
ウムを添加したYO2 2 (以下、YO2 2:Euと
表す)などの無機蛍光体材料、またはクマリン1や、ク
マリン6や、あるいはローダミン101などの有機蛍光
体材料が挙げられる。これらの蛍光材料は、例えば、紫
外光の励起により発光を示すものであり、BaMgAl
1017:Euおよびクマリン1は青色の発光を、Zn
S:Cu,Agおよびクマリン6は緑色の発光を、YO
2 2 :Euおよびローダミン101は赤色の発光をそ
れぞれ示すものである。
【0146】この発光ダイオード10は、先の第1の実
施の形態と同様にして製造することができる。但し、発
光層13を形成したのち、絶縁層15を形成する工程に
おいては、先の第4の実施の形態で説明したように、ま
ず、窒素含有雰囲気中における加熱処理を行い、次い
で、酸素含有雰囲気中における加熱処理を行い、更に、
必要に応じて水素含有雰囲気中における加熱処理を行う
ようにすることが好ましい。また、蛍光体層23は、例
えば、MBE法またはレーザ堆積法などによりそれぞれ
形成される。
【0147】この発光ダイオード10では、第1の電極
16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加される
と各微結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。発光
層13で発生した光は蛍光体層23に照射され、蛍光体
層23では励起により蛍光材料に応じた色の光を発生す
る。
【0148】このように本実施の形態によれば、先の第
1の実施の形態において説明した効果に加えて、蛍光体
層23を備えるようにしたので、蛍光体層23を構成す
る蛍光材料を変化させることにより発光色を容易に変化
させることができる。よって、材料の選択幅が広がると
共に、得ることができる発光色の範囲も広くすることが
できる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第17の
実施の形態についても同様に適用することができる。
【0149】(発光素子における第19の実施の形態)
図23は本発明の発光素子における第19の実施の形態
に係る半導体レーザ(laser diode ;LD)30の断面
構造を表すものである。この半導体レーザ30は、一対
の反射鏡31,32を備えたことを除き、先の第1の実
施の形態に係る発光ダイオード10と同一の構成および
効果を有している。よって、ここでは、同一の構成要素
には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0150】反射鏡31は基板11と第1導電型クラッ
ド層12との間に形成されており、反射鏡32は第2導
電型クラッド層14の基板11と反対側に形成されてい
る。反射鏡31,32は、ここでは図示しないが、低屈
折率層と高屈折率層とが交互に1層以上積層されている
か、そのいずれか一方により構成されている。反射鏡3
1,32の各反射率は低屈折率層と高屈折率層との積層
数に応じて制御されており、反射鏡31の反射率は高
く、反射鏡32の反射率は低くなっている。すなわち、
これら一対の反射鏡31,32の間で往復して増幅され
た光は、反射鏡32から外部に射出されるようになって
いる。なお、低屈折率層を構成する材料としては二酸化
ケイ素(SiO2 ),フッ化カルシウム(CaF)ある
いはフッ化マグネシウム(MgF2 )などがあり、高屈
折率層を構成する材料としては酸化セリウム(Ce
2 ),硫化亜鉛(ZnS),酸化ハフニウム(HfO
2 )あるいは酸化タンタル(TaO2 )などがある。
【0151】この半導体レーザ30は、先の第1の実施
の形態と同様にして製造することができる。なお、反射
鏡31,32は、例えば、スパッタリング法またはCV
D法などによりそれぞれ形成される。
【0152】この半導体レーザ30では、第1の電極1
6と第2の電極17との間に所定の電圧が印加されると
発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微結
晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。発光層13で
発生した光は、一対の反射鏡31,32の間を往復して
増幅され、反射鏡32から外部に射出される。
【0153】このように、本発明は、発光ダイオードの
みならず、半導体レーザについても応用することができ
る。なお、本実施の形態は、先の第1の実施の形態に限
らず、先の第2乃至第18の実施の形態についても同様
に適用することができる。
【0154】(発光装置における第1の実施の形態)図
24は本発明の発光装置における第1の実施の形態の断
面構造を表すものである。この発光装置100は、基板
111を共通とする複数の発光ダイオード110,12
0,130が絶縁部膜121,131を間に介して積層
された構造を有している。これらの発光ダイオード11
0,120,130は、発光層113,123,133
が異なる材料により構成されたことを除き、本発明の発
光素子における第1の実施の形態と同一の構成を有して
いる。よって、ここでは、対応する構成要素に百の位を
“1”、十の位を“1”,“2”あるいは“3”に変更
した符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略
する。
【0155】発光層113,123,133は、互いに
異なる材料よりなる微結晶113a,123a,133
aをそれぞれ含むように構成されている。例えば、発光
層113はInNよりなる微結晶113aを含み、発光
層123はZnOよりなる微結晶123aを含み、発光
層133はGaNよりなる微結晶133aを含むように
それぞれ構成されている。これにより、発光ダイオード
110からは赤色、発光ダイオード120からは緑色、
発光ダイオード130からは青色とそれぞれ異なる色の
発光が得られるようになっている。なお、発光ダイオー
ド120における発光はドナーアクセプターペア発光
(ドナーアクセプター準位間遷移に起因する発光)によ
るものであり、他はバンド間発光(バンドギャップ間遷
移に起因する発光)によるものである。
【0156】なお、発光ダイオード110,120,1
30は、基板111側に位置するものの方がより大きく
なるように構成されており、他の発光ダイオード12
0,130により覆われず露出された部分がそれぞれの
発光面となっている。また、絶縁部膜121,131
は、例えば、二酸化ケイ素(SiO2 )によりそれぞれ
構成されている。
【0157】このような構成を有する発光装置100
は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0158】まず、例えば、発光素子における第1の実
施の形態と同様にして、基板111の一面に第1導電型
クラッド層112を形成し、その上に発光層113を形
成する。次いで、例えば、窒素含有雰囲気中における加
熱処理および酸素含有雰囲気中における加熱処理をそれ
ぞれ行い、絶縁層115を形成する。続いて、必要に応
じて水素含有雰囲気中における加熱処理を行う。そのの
ち、例えば、発光素子における第1の実施の形態と同様
にして、発光層113および絶縁層115の上に第2導
電型クラッド層114を形成する。
【0159】第2導電型クラッド層114を形成したの
ち、例えば、CVD法により絶縁部膜121を形成し、
この絶縁部膜121の上に、同様にして第1導電型クラ
ッド層122,発光層123,絶縁層125および第2
導電型クラッド層124をそれぞれ形成する。但し、絶
縁層125を形成する際には、窒素含有雰囲気中におけ
る加熱処理は行わない。そののち、第2導電型クラッド
層124の上に、同様にして、絶縁部膜131,第1導
電型クラッド層132,発光層133,絶縁層135お
よび第2導電型クラッド層134をそれぞれ形成する。
【0160】このようにして第1導電型クラッド層11
2から第2導電型クラッド層134までを形成したの
ち、リソグラフィ技術により、第2導電型クラッド層1
34,124,114、絶縁層135,125,11
5、発光層133,123,133、第1導電型クラッ
ド層132,122および絶縁部膜131,121をそ
れぞれ選択的に除去し、第1の電極116,126,1
36および第2の電極117,127,137をそれぞ
れ形成する。これにより、図24に示した発光装置10
0が形成される。
【0161】このような発光装置100では、第1の電
極116,126,136と第2の電極117,12
7,137との間に所定の電圧がそれぞれ印加される
と、各微結晶113a,123a,133aにおいてそ
れぞれ発光が起こる。ここでは、各微結晶113a,1
23a,133aがそれぞれ異なる材料により構成され
ているので、発光ダイオード110,120,130に
より異なる色の赤、緑、青の発光が得られる。
【0162】このように本実施の形態に係る発光装置1
00によれば、発光ダイオード110,120,130
を積層するようにしたので、発光色が異なる複数の発光
ダイオード110,120,130を同一基板上に形成
することができる。よって、この発光装置を用いて表示
装置などを構成すれば、発光色が異なる複数の発光ダイ
オードを平面的に配列する場合に比べて画素を細かくす
ることができ、高精細なカラー表示装置を得ることがで
きる。
【0163】なお、この発光装置には、上述した発光ダ
イオード110,120,130に変えて、発光素子の
第2乃至第19の実施の形態において説明したものを用
いることもできる。
【0164】(表示装置における第1の実施の形態)図
25は本発明の表示装置における第1の実施の形態の概
略構成を表すものである。この表示装置は、例えば、発
光色が赤の発光ダイオード210と、発光色が緑の発光
ダイオード220と、発光色が青の発光ダイオード23
0とをそれぞれ複数づつ備えている。これらの発光ダイ
オード210,220,230は互いに基板211を共
通としており、M行×N列(M,Nは2以上の整数)の
アレイ状に配列されている。このうち同一行の発光ダイ
オード210,220,230は発光色が同一であり、
同一列の発光ダイオード210,220,230は発光
色が一定の順番で繰り返すように配置されている。
【0165】図26は図25におけるI−I線に沿った
断面構造を表すものである。発光ダイオード210,2
20,230は、発光層213,223,233が異な
る材料により構成されたことを除き、本発明の発光素子
における第1の実施の形態と同一の構成を有している。
よって、ここでは、対応する構成要素には百の位を
“2”、十の位を“1”,“2”あるいは“3”に変更
した符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略
する。
【0166】発光層213,223,233は、互いに
異なる材料よりなる微結晶213a,223a,233
aをそれぞれ含むように構成されている。例えば、発光
ダイオード210はInNよりなる微結晶213aを含
み、発光ダイオード220はZnOよりなる微結晶22
3aを含み、発光ダイオード230はGaNよりなる微
結晶233aを含むようにそれぞれ構成されている。ま
た、第1の電極216,226,236は、例えば、ワ
イヤ201を介して行方向の共通配線202とそれぞれ
接続されており、第2の電極217,227,237
は、例えば、列方向の共通配線であるワイヤ203とそ
れぞれ接続されている。
【0167】このような構成を有する表示装置は、例え
ば、次のようにして製造することができる。
【0168】まず、例えば、発光素子における第1の実
施の形態と同様にして、基板211の一面に第1導電型
クラッド層212,222,232を構成することとな
る第1導電型構成層を形成する。次いで、例えば、発光
ダイオード210の形成予定領域以外をマスクで覆い、
発光素子における第1の実施の形態と同様にして、第1
導電型構成層の上に発光層213を形成する。続いて、
窒素含有雰囲気中における加熱処理および酸素含有雰囲
気中における加熱処理をそれぞれ行って絶縁層215を
形成し、必要に応じて水素含有雰囲気中における加熱処
理を行う。そののち、例えば、マスクにより覆う位置を
移動させ、同様にして、発光層223,絶縁層225,
発光層233および絶縁層235を順次形成する。但
し、絶縁層225を形成する際には、窒素含有雰囲気中
における加熱処理は行わない。
【0169】発光層213,223,233および絶縁
層215,225,235をそれぞれ形成したのち、例
えば、発光素子における第1の実施の形態と同様にし
て、全面に第2導電型クラッド層214,224,23
4を構成することとなる第2導電型構成層を形成する。
第2導電型構成層を形成したのち、リソグラフィ技術に
より各層を選択的に除去し、第1導電型クラッド層21
2,222,223および第2導電型クラッド層21
4,224,234をそれぞれ形成する。そののち、第
1の電極216,226,236、第2の電極217,
227,237および行方向の共通配線202をそれぞ
れ形成し、第1の電極216,226,236を例えば
ワイヤ201により共通配線202にそれぞれ接続する
と共に、第2の電極217,227,237を例えばワ
イヤ203によりそれぞれ接続する。これにより、図2
5および図26に示した表示装置が形成される。
【0170】このような表示装置では、第1の電極21
6,226,236と第2の電極217,227,23
7との間に所定の電圧がそれぞれ印加されると、各微結
晶213a,223a,233aにおいてそれぞれ発光
が起こり、発光ダイオード210,220,230によ
り赤色、緑色、青色の異なる発光が得られる。
【0171】このように本実施の形態に係る表示装置に
よれば、本発明の発光ダイオードを用いるようにしたの
で、ガラスなどの非晶質体よりなる基板211を用いる
ことができ、大面積の基板211の上に素子列を形成す
ることができる。
【0172】(表示装置における第2の実施の形態)図
27は本発明の表示装置における第2の実施の形態の断
面構造を表すものである。この表示装置は、第2導電型
クラッド層214,224,234の上に蛍光体層21
8,228,238がそれぞれ設けられると共に、発光
層213,223,233をそれぞれ構成する材料が異
なることを除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同
一の構成を有している。よって、ここでは対応する構成
要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な
説明を削除する。
【0173】発光層213,223,233は、例え
ば、GaNよりなる複数の微結晶213a,223a,
233aをそれぞれ含んでいる。発光ダイオード210
の蛍光体層218は例えばYO2 2 :Euにより構成
されており、発光ダイオード220の蛍光体層228は
例えばZnS:Cu,Agにより構成されており、発光
ダイオード230の蛍光体層238は例えばBaMgA
1017:Euにより構成されている。
【0174】この表示装置は、第1の実施の形態に係る
表示装置と同様にして製造することができる。なお、発
光層213,223,233の構成はそれぞれ同一なの
で、マスクを用いることなくそれらを同時に形成するこ
とができる。また、蛍光体層218,228,238
は、例えば、MBE法またはレーザ堆積法などによりそ
れぞれ形成される。この表示装置では、発光層213,
223,233でそれぞれ発生した光が蛍光体層21
8,228,238にそれぞれ照射され、それぞれにお
いて蛍光材料に応じた色の光を発生することを除き、第
1の実施の形態に係る表示装置と同様に作用する。
【0175】このように本実施の形態によれば、第1の
実施の形態において説明した効果に加えて、蛍光体層2
18,228,238を備えるようにしたので、蛍光材
料を変えることにより容易に発光色の異なる発光ダイオ
ード210,220,230を得ることができる。よっ
て、同一基板上に発光色の異なる発光ダイオード21
0,220,230を容易に形成することができる。
【0176】(表示装置における第3の実施の形態)図
28は本発明の表示装置における第3の実施の形態の断
面構造を表すものである。この表示装置は、蛍光体層2
18,228,238をそれぞれ構成する材料について
第2の実施の形態に係る表示装置とは異なる他の一例を
示すものである。よって、ここでは対応する構成要素に
は同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を
削除する。
【0177】この表示装置では、例えば、蛍光体層21
8がローダミン101により構成され、蛍光体層228
がクマリン6により構成され、蛍光体層238がクマリ
ン1により構成されている。この表示装置は、第2の実
施の形態に係る表示装置と同様にして製造することがで
き、同様に作用し、同様の効果を有する。
【0178】(表示装置における第4の実施の形態)図
29は本発明の表示装置における第4の実施の形態の断
面構造を表すものである。この表示装置は、発光ダイオ
ード210,220について第2導電型クラッド層21
4,224の上に蛍光体層218,228がそれぞれ設
けられると共に、発光層213,223をそれぞれ構成
する材料が異なることを除き、第1の実施の形態に係る
表示装置と同一の構成および効果を有している。すなわ
ち、この表示装置は、赤色および緑色を蛍光体層21
8,228からの発光により得るようにし、青色をGa
Nよりなる微結晶233aからの発光により得るように
したものである。よって、ここでは対応する構成要素に
は同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を
削除する。
【0179】発光層213,223は、例えば、GaN
よりなる複数の微結晶213a,223aをそれぞれ含
んでいる。これらの微結晶213a,223aは微結晶
233aよりも粒径が小さくなるように調節されてお
り、蛍光体層218,228の励起光として紫外光を発
生するようになっている。蛍光体層218は例えばロー
ダミン101により構成されており、蛍光体層228は
例えばZnS:Cu,Agにより構成されている。
【0180】この表示装置は、第1の実施の形態に係る
表示装置と同様にして製造することができる。なお、蛍
光体層218,228は、例えば、MBE法またはレー
ザ堆積法などによりそれぞれ形成される。また、この表
示装置では、発光層213,223でそれぞれ発生した
光が蛍光体層218,228にそれぞれ照射され、それ
ぞれにおいて蛍光材料に応じた色の光を発生することを
除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同様に作用す
る。
【0181】(表示装置における第5の実施の形態)図
30は本発明の表示装置における第5の実施の形態の断
面構造を表すものである。この表示装置は、同一の発光
色を有する発光ダイオード210,220,230が行
ごとに基板211,221,231を共通にすると共
に、発光ダイオード210,220,230の構成が一
部異なることを除き、第1の実施の形態に係る表示装置
と同一の構成を有している。よって、ここでは、対応す
る構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての
詳細な説明を削除する。
【0182】発光ダイオード210は、構成材料が異な
ることを除き、本発明の発光素子における第1の実施の
形態と同一の構成を有している。基板211は、例え
ば、ガラスにより構成されている。第1導電型クラッド
層212は、例えば、アルミニウムなどのn型不純物を
添加したn型Al-dopedGa2 3 により構成されてい
る。発光層213は、例えば、InNよりなる複数の微
結晶213aを含んでいる。第2導電型クラッド層21
4は、例えば、AlCuO2 により構成されている。絶
縁層215は、例えば、アルミニウムとガリウムと窒素
との化合物により構成されている。第1の電極216
は、例えば、第1導電型クラッド層212の側からクロ
ム層,ニッケル層および金層を順次積層して加熱処理に
より合金化した構成とされている。第2の電極217
は、例えば、第2導電型クラッド層214の側からニッ
ケル層,白金層および金層を順次積層して加熱処理によ
り合金化した構成とされている。
【0183】発光ダイオード220は、構成材料が異な
ることを除き、本発明の発光素子における第1の実施の
形態と同一の構成を有している。基板221は、例え
ば、プラスチックにより構成されている。第1導電型ク
ラッド層222は、例えば、リチウムなどのn型添加物
を添加したn型ポリキノリンにより構成されている。発
光層223は、例えば、ZnOよりなる複数の微結晶2
23aを含んでいる。第2導電型クラッド層224は、
例えば、塩化鉄などのp型添加物を添加したポリピロー
ルにより構成されている。絶縁層215は、例えば、ポ
リイミドにより構成されている。第1の電極216は、
例えば、酸化スズにより構成されている。第2の電極2
17は、例えば、アルミニウムとリチウムとの合金によ
り構成されている。
【0184】発光ダイオード230は、蛍光体層238
を備えると共に、構成材料が異なり、かつ第1の電極が
排除されたことを除き、本発明の発光素子における第1
の実施の形態と同一の構成を有している。基板231
は、例えば、アルミニウム,銅,銀,ステンレスあるい
は真鍮などの金属により構成されており、第1の電極と
しての機能を兼ね備えている。第1導電型クラッド層2
32は、例えば、ケイ素などのn型不純物を添加したn
型AlGaNまたはn型GaNにより構成されている。
発光層233は、例えば、ZnOよりなる複数の微結晶
233aを含んでいる。第2導電型クラッド層234
は、例えば、マグネシウムなどのp型不純物を添加した
p型BNにより構成されている。絶縁層235は、例え
ば、アルミニウムとガリウムと酸素との化合物により構
成されている。第2の電極237は、例えば、第2導電
型クラッド層234の側からニッケル層,白金層および
金層を順次積層して加熱処理により合金化した構成とさ
れている。
【0185】これらの発光ダイオード210,220,
230は例えば行ごとに基板211,221,231が
共通となっており、これら基板211,221,231
は配設基板204の上にそれぞれ配設されている。配設
基板204には行方向の共通配線202が形成されてお
り、発光ダイオード210,220の第1の電極21
6,226は例えばワイヤ201を介して共通配線20
2にそれぞれ接続されている。発光ダイオード230に
ついては、基板231がそのまま行方向の共通配線20
2として用いられている。
【0186】このような構成を有する表示装置は、例え
ば、次のようにして製造することができる。
【0187】まず、発光ダイオード210,220,2
30をそれぞれ第1の実施の形態に係る表示装置と同様
にして製造する。なお、発光ダイオード220の第1導
電型クラッド層222,第2導電型クラッド層224お
よび絶縁層225は、有機材料を用いているので、例え
ば、塗布法,真空蒸着法あるいはレーザ堆積法によりそ
れぞれ形成される。そののち、発光ダイオード210,
220,230を行ごとに分割して配設基板204に配
設し、例えば、第1の電極216,226をワイヤ20
1を介して共通配線202にそれぞれ接続すると共に、
第2の電極217,227,237をワイヤ203でそ
れぞれ接続する。これにより、図30に示した表示装置
が形成される。
【0188】また、この表示装置では、発光ダイオード
230において蛍光体層238からの発光を利用するこ
とを除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同様に作
用する。このように本実施の形態に係る表示装置によれ
ば、本発明の発光ダイオードを用いるようにしたので、
行ごとあるいは列ごとに基板211,221,231を
共通とするように構成することもできる。また、発光ダ
イオード230のように基板231を金属により構成す
ることもできるので、基板231を共通配線202とし
て用いることもできる。よって、構成を簡素化でき、製
造が容易となる。
【0189】(表示装置における第6の実施の形態)図
31は本発明の表示装置における第6の実施の形態の断
面構造を表すものである。この表示装置は、基板211
を導電性材料により構成し、列ごとあるいは行ごとに基
板211を共通にすると共に、基板211と第1導電型
クラッド層212,222,232との間に拡散防止層
241を備えたことを除き、第1の実施の形態に係る表
示装置と同一の構成および作用を有し、同様にして製造
することができる。よって、ここでは、対応する構成要
素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説
明を削除する。
【0190】基板211は、例えば、アルミニウム,
銅,銀,ステンレスあるいは真鍮などの金属により構成
されており、第1の電極としての機能および列方向の共
通配線としての機能を兼ね備えている。拡散防止層24
1は、例えば、酸化スズにより構成されている。なお、
これら発光ダイオード210,220,230は、列ご
とあるいは行ごとに配設基板204に配設されており、
第2の電極217,227,237は行ごとあるいは列
ごとに例えばワイヤ203により接続されている。ちな
みに、図31では列ごとに基板211を共通とした場合
を示している。
【0191】このように本実施の形態に係る表示装置に
よれば、本発明の発光ダイオードを用いるようにしたの
で、第5の実施の形態においても説明したように、基板
211を金属などでも構成することができ、基板211
を共通配線として用いることができる。よって、構成を
簡素化でき、製造が容易となる。
【0192】(表示装置における第7の実施の形態)図
32は本発明の表示装置における第7の実施の形態の概
略構成を表すものである。この表示装置は、本発明の発
光装置100を複数備えている。これら発光装置100
は、アレイ状に配列されており、互いに基板111を共
通としている。なお、これら発光装置100は、列ごと
あるいは行ごとに基板111を共通とするように構成さ
れていてもよく、また、個々に基板111を別々とする
ように構成されていてもよい。これらの場合には、発光
装置100は図示しない配設基板に配設されることによ
りアレイ状に配列される。また、発光装置100の第1
の電極116,126,136は、例えば、基板111
あるいは配設基板に形成された列方向の共通配線205
にワイヤによりそれぞれ接続されており、第2の電極1
17,127,137は、例えば、基板111あるいは
配設基板に形成された行方向の共通配線206,20
7,208にワイヤによりそれぞれ接続されている。
【0193】このように本実施の形態の表示装置によれ
ば、本発明の発光装置を用いるようにしたので、第1乃
至第6の実施の形態に係る表示装置のように発光色の異
なる発光ダイオードを平面的に配列する場合に比べて、
画素を細かくすることができ、高精細なカラー表示装置
を得ることができる。
【0194】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態
においては、第1導電型クラッド層,発光層,第2導電
型クラッド層および絶縁層をそれぞれ構成する材料につ
いて具体的な例を挙げて説明したが、本発明は、他の材
料によりそれらを構成することもできる。例えば、発光
層を、亜鉛,マグネシウム,カドミウム(Cd),マン
ガン(Mn),水銀(Hg)およびベリリウム(Be)
からなる群より選ばれた少なくとも1種のII族元素
と、酸素,セレン(Se),硫黄(S)およびテルル
(Te)からなる群より選ばれた少なくとも1種のVI
族元素とを含む他のII−VI族化合物半導体、あるい
はホウ素,アルミニウム,ガリウムおよびインジウムか
らなる群より選ばれた少なくとも1種のIII族元素
と、窒素,燐(P),ヒ素(As),アンチモン(S
b)およびビスマス(Bi)からなる群より選ばれた少
なくとも1種のV族元素とを含むIII−V族化合物半
導体により構成することもできる。
【0195】更に、上記実施の形態においては、発光層
の各微結晶を積層方向においてほぼ1層形成する場合に
ついて説明したが、2層以上に積み重ねて形成するよう
にしてもよい。
【0196】加えて、上記発光素子における第1乃至第
5,第11および第15乃至第19の実施の形態におい
ては、第1導電型クラッド層をn型とし第2導電型クラ
ッド層をp型とする場合について説明したが、第1導電
型クラッド層をp型とし第2導電型クラッド層をn型と
するようにしてもよい。また、上記発光素子における第
6乃至第10および第12乃至第14の実施の形態にお
いては、第1導電型クラッド層をp型とし第2導電型ク
ラッド層をn型とする場合について説明したが、第1導
電型クラッド層をn型とし第2導電型クラッド層をp型
とするようにしてもよい。
【0197】更にまた、上記発光素子における第1乃至
第5,第11および第15乃至第19の実施の形態にお
いては、第1導電型クラッド層および第2導電型クラッ
ド層を非単結晶の無機半導体によりそれぞれ構成する場
合について説明したが、そのどちらか一方のみを非単結
晶の無機半導体により構成するようにしてもよい。ま
た、両方を単結晶の無機半導体によりそれぞれ構成する
ようにしてもよい。
【0198】加えてまた、上記発光素子における第6乃
至第10および第12乃至第14の実施の形態において
は、第1導電型クラッド層および第2導電型クラッド層
を有機半導体または導電性樹脂によりそれぞれ構成する
場合について説明したが、第1導電型クラッド層または
第2導電型クラッド層のどちらか一方のみを有機半導体
または導電性樹脂により構成するようにしてもよい。ま
た、第1導電型クラッド層および第2導電型クラッド層
をそれぞれ有機半導体により構成するようにしても、そ
れぞれ導電性樹脂により構成するようにしてもよく、第
1導電型クラッド層または第2導電型クラッド層のどち
らか一方を有機半導体により構成し、他方を導電性樹脂
により構成するようにしてもよい。更に、第1導電型ク
ラッド層および第2導電型クラッド層をそれぞれ有機半
導体により構成する場合には、それらを同一種類の有機
半導体によりそれぞれ構成するようにしてもよく、異な
る種類の有機半導体によりそれぞれ構成するようにして
もよい。
【0199】更にまた、上記発光素子における第12乃
至第14の実施の形態においては、第1導電型クラッド
層および第2導電型クラッド層のうちの少なくとも一方
が有機半導体よりなる多層構造を有する場合について説
明したが、多層構造のうちの少なくとも一部を導電性樹
脂により構成するようにしてもよい。
【0200】加えてまた、上記発光素子における第11
乃至第13の実施の形態においては、第1導電型クラッ
ド層および第2導電型クラッド層がそれぞれ多層構造を
有する場合について説明したが、どちらか一方のみが多
層構造とされていてもよい。
【0201】更にまた、上記発光素子における第11乃
至第14の実施の形態においては、第1導電型クラッド
層または第2導電型クラッド層が2層の多層構造を有す
る場合について説明したが、3層以上の多層構造を有す
るようにしてもよい。その際、発光層に近いほどバンド
ギャップが小さくなるように構成すれば、上記発光素子
における第11および第12の実施の形態と同様に発光
効率を高めることができる。また、発光層に近いほどバ
ンドギャップが小さくなるように積層された複数の層と
共に、密着層および電極層のうちの少なくとも一方を有
するようにしてもよい。
【0202】加えてまた、上記発光素子における第13
または第14の実施の形態においては、第2導電型クラ
ッド層に密着層または電極層が形成された場合について
説明したが、第1導電型クラッド層に密着層または電極
層を設けるようにしてもよい。
【0203】更にまた、上記実施の形態においては、第
1導電型クラッド層と第2導電型クラッド層との間に絶
縁層を備える場合について説明したが、第1導電型クラ
ッド層と第2導電型クラッド層との間の漏れ電流が問題
とならない場合などには絶縁層を備えていなくてもよ
い。
【0204】加えてまた、上記発光素子における第1の
実施の形態において説明したように、発光層を溶媒中に
分散させた複数の微結晶を塗布することにより形成する
場合には、溶媒として、SOG(spin on glass )のよ
うに焼成処理後に絶縁膜となるような物質を用いれば、
絶縁層の形成を容易とすることもできる。
【0205】更にまた、上記発光素子における第18の
実施の形態、および表示装置における第2乃至第5の実
施の形態においては、蛍光体層を第2導電型クラッド層
に設ける場合について説明したが、発光層からの光が照
射されれば他の位置に配設するようにしてもよく、第2
導電型クラッド層などとは離間して別に設けた支持体に
より支持するようにしてもよい。
【0206】加えてまた、発光装置における第1の実施
の形態、および表示装置における第1乃至第7の実施の
形態においては、複数色の発光を得る場合について説明
したが、本発明は、単色の発光を得る場合にも適用する
ことができる。
【0207】更にまた、上記表示装置における第1乃至
第7の実施の形態においては、本発明の発光ダイオード
をアレイ状に配列する場合について説明したが、部分的
に本発明の発光ダイオードを用いるようにしてもよい。
すなわち、本発明の表示装置は、本発明の発光素子を少
なくとも1つ備えていればよく、他の構成を有する発光
素子を含んでいてもよい。
【0208】更にまた、上記発光装置における第1の実
施の形態および上記表示装置における第1乃至第7の実
施の形態においては、発光ダイオードの構成について具
体的に例を挙げて説明したが、本発明の発光素子であれ
ば他の構成のものを用いても同様の効果を得ることがで
きる。すなわち、上記実施の形態で説明した発光素子を
いずれも用いることができる。
【0209】加えてまた、上記表示装置における第1乃
至第7の実施の形態においては、全ての発光素子につい
て基板を共通にする場合および列方向あるいは行方向の
発光素子について基板を共通にする場合を説明したが、
個々の発光素子についてそれぞれ基板を別にし、配設基
板にそれぞれ配設するようにしてもよい。
【0210】
【発明の効果】以上説明したように請求項1乃至請求項
26のいずれか1に記載の発光素子によれば、第1導電
型層と第2導電型層との間に形成された微結晶層に結晶
性を向上させた複数の微結晶を含むようにしたので、発
光効率を向上させることができ、素子の寿命を延長する
ことができる。また、格子整合などを考慮する必要がな
いので、発光波長などに応じて任意の材料を選択するこ
とができる。更に、粒子サイズ効果により粒径が小さく
なるほどバンドギャップが広くなるので、発光波長を短
波長化することができ、微結晶層を構成する材料を選択
することにより紫外領域の発光を得ることもできる。よ
って、殺菌灯などの光源としても用いることができる。
加えて、第1導電型層および第2導電型層も単結晶の無
機半導体により構成する必要がなくなり、それらを構成
する材料の選択幅が広がると共に、非単結晶の無機半導
体,有機半導体または導電性樹脂によってもそれらを構
成することができ、低温で容易に形成することができる
という効果も奏する。
【0211】特に、請求項4記載の発光素子によれば、
微結晶層が異なる半導体よりそれぞれなる2種以上の微
結晶をそれぞれ含むようにしたので、波長が異なる複数
の光を得ることができるという効果を奏する。
【0212】また、請求項5記載の発光素子によれば、
微結晶が層状構造を有するようにしたので、発光効率を
更に高めることができるという効果を奏する。
【0213】更に、請求項6または請求項11に記載の
発光素子によれば、第1導電型層および第2導電型層の
うちの少なくとも一方を、非単結晶体または有機半導体
および導電性樹脂のうちの少なくとも一方により構成す
るようにしたので、低温で容易に製造することができる
という効果を奏する。
【0214】加えて、請求項13記載の発光素子によれ
ば、第1導電型層および第2導電型層のうちの少なくと
も一方が微結晶層に近いほどバンドギャップの小さい複
数の層を有するようにしたので、発光効率を更に高める
ことができるという効果を奏する。
【0215】更にまた、請求項14記載の発光素子によ
れば、第1導電型層および第2導電型層のうちの少なく
とも一方が密着層を有するようにしたので、電極の密着
性を高めることができるという効果を奏する。
【0216】加えてまた、請求項15記載の発光素子に
よれば、第1導電型層および第2導電型層のうちの少な
くとも一方が電極層を有するようにしたので、金属ある
いは金属合金による電極を新たに形成する必要がなく、
素子構造および製造工程を簡素化することができるとい
う効果を奏する。
【0217】更にまた、請求項16乃至請求項19のい
ずれか1に記載の発光素子によれば、微結晶層における
各微結晶の間に絶縁層を備えるようにしたので、第1導
電型層と第2導電型層との間における漏れ電流を低減す
ることができ、各微結晶に効率良く電子および正孔を注
入することができる。よって、発光効率を向上させるこ
とができるという効果を奏する。
【0218】加えてまた、請求項21に記載の発光素子
によれば、非晶質体またはプラスチックにより基板を構
成するようにしたので、基板の面積を容易に大きくする
ことができ、大面積の素子列を形成することができると
いう効果を奏する。
【0219】更にまた、請求項22に記載の発光素子に
よれば、金属,半導体あるいは炭化ケイ素により基板を
構成するようにしたので、微結晶層の全面に渡って均一
に電圧を印加することができ、微結晶層の全面において
均一に発光させることができると共に、製造工程を簡素
化することができるという効果を奏する。また、基板の
面積を容易に大きくすることができ、大面積の素子列を
形成することができるという効果も奏する。
【0220】加えてまた、請求項23記載の発光素子に
よれば、基板と第1導電型層との間に拡散防止層を備え
るようにしたので、基板と第1導電型層との間における
各構成元素の拡散を防止することができ、品質を向上さ
せることができるという効果を奏する。
【0221】更にまた、請求項24記載の発光素子によ
れば、基板と第1導電型層との間に補助電極を備えるよ
うにしたので、微結晶層の全面に渡って均一に電圧を印
加することができ、微結晶層の全面において均一に発光
させることができるという効果を奏する。
【0222】更にまた、請求項25記載の発光素子によ
れば、蛍光体層を備えるようにしたので、蛍光体層を構
成する蛍光材料を変化させることにより発光色を容易に
変化させることができる。よって、材料の選択幅が広が
ると共に、得ることができる発光色の範囲も広くするこ
とができるという効果を奏する。
【0223】加えてまた、請求項27記載の発光素子に
よれば、第1導電型クラッド層と第2導電型クラッド層
との間に形成された発光層に複数の微結晶を含むように
したので、上記請求項1乃至26のいずれか1に記載の
発光素子と同一の効果を奏する。また、絶縁層を第1導
電型クラッド層と第2導電型クラッド層との間に備える
ようにしたので、上記請求項16乃至19のいずれか1
に記載の発光素子と同一の効果を奏する。
【0224】加えてまた、請求項28乃至請求項44の
いずれか1に記載の発光素子の製造方法によれば、第1
導電型層を形成する工程と、これに微結晶層を形成する
工程と、微結晶層を介して第1導電型層に第2導電型層
を形成する工程とを含むので、本発明に係る発光素子を
容易に製造することができ、本発明に係る発光素子を容
易に実現することができるという効果を奏する。
【0225】特に、請求項30乃至請求項35のいずれ
か1に記載の発光素子の製造方法によれば、微結晶層を
形成したのち、酸素含有雰囲気中もしくは窒素含有雰囲
気中もしくは水素含有雰囲気中において加熱処理をする
ようにしたので、各微結晶の結晶性を向上させることが
できるという効果を奏する。
【0226】また、請求項36または請求項37に記載
の発光素子の製造方法によれば、第1導電型層および第
2導電型層のうちの少なくとも一方を、非単結晶の無機
半導体または有機半導体および導電性樹脂のうちの少な
くとも一方により形成するようにしたので、低温で容易
に製造することができるという効果を奏する。
【0227】また、請求項39または請求項40に記載
の発光素子の製造方法によれば、第1導電型層を形成し
たのち、その表面を酸化もしくは窒化するようにしたの
で、容易に絶縁層を形成することができ、本発明に係る
発光素子を容易に実現することができるという効果を奏
する。
【0228】更に、請求項46に記載の発光素子の製造
方法によれば、第1導電型クラッド層を形成する工程
と、発光層を形成する工程と、絶縁層を形成する工程
と、第2導電型クラッド層を形成する工程とを備えるよ
うにしたので、本発明に係る発光素子を容易に製造する
ことができ、本発明に係る発光素子を容易に実現するこ
とができるという効果を奏する。
【0229】更にまた、請求項47または請求項48に
記載の発光装置によれば、本発明の発光素子を複数積層
して用いるようにしたので、発光色が異なる複数の発光
素子を平面的に配列する場合に比べて、画素を細かくす
ることができ、高精細なカラー表示装置を得ることがで
きるという効果を奏する。
【0230】加えてまた、請求項49乃至請求項53の
いずれか1に記載の表示装置によれば、本発明の発光素
子を備えるようにしたので、ガラスなどの非晶質体,プ
ラスチック,あるいは金属などよりなる基板を用いるこ
とができ、大面積の基板の上に素子列を配設することが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子における第1の実施の形態に
係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した発光ダイオードのバンドギャップ
構造図である。
【図3】図1に示した発光ダイオードの各製造工程を表
す断面図である。
【図4】本発明の発光素子における第2の実施の形態に
係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図5】本発明の発光素子における第3の実施の形態に
係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図6】図5に示した発光ダイオードのバンドギャップ
構造図である。
【図7】本発明の発光素子における第4の実施の形態に
係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図8】本発明の発光素子における第5の実施の形態に
係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図9】本発明の発光素子における第6の実施の形態に
係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図10】本発明の発光素子における第7の実施の形態
に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図11】本発明の発光素子における第8の実施の形態
に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図12】本発明の発光素子における第9の実施の形態
に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。
【図13】本発明の発光素子における第10の実施の形
態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図14】本発明の発光素子における第11の実施の形
態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図15】図14に示した発光ダイオードのバンドギャ
ップ構造図である。
【図16】本発明の発光素子における第12の実施の形
態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図17】本発明の発光素子における第13の実施の形
態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図18】本発明の発光素子における第14の実施の形
態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図19】本発明の発光素子における第15の実施の形
態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図20】本発明の発光素子における第16の実施の形
態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図21】本発明の発光素子における第17の実施の形
態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図22】本発明の発光素子における第18の実施の形
態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図23】本発明の発光素子における第19の実施の形
態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。
【図24】本発明の発光装置における第1の実施の形態
の構成を表す断面図である。
【図25】本発明の表示装置における第1の実施の形態
の構成を表す概略図である。
【図26】図25に示した表示装置のI−I線に沿った
断面図である。
【図27】本発明の表示装置における第2の実施の形態
の構成を表す断面図である。
【図28】本発明の表示装置における第3の実施の形態
の構成を表す断面図である。
【図29】本発明の表示装置における第4の実施の形態
の構成を表す断面図である。
【図30】本発明の表示装置における第5の実施の形態
の構成を表す断面図である。
【図31】本発明の表示装置における第6の実施の形態
の構成を表す断面図である。
【図32】本発明の表示装置における第7の実施の形態
の構成を表す概略図である。
【符号の説明】
10,110,120,130,210,220,23
0…発光ダイオード(発光素子)、11,111,21
1…基板、12,112,122,132,212,2
22,232…第1導電型クラッド層(第1導電型
層)、13,113,123,133,213,22
3,233…発光層、13a,13b,113a,12
3a,133a,213a,223a,233a…微結
晶、14,114,124,134,214,224,
234…第2導電型クラッド層(第2導電型層)、1
5,115,125,135,215,225,235
…絶縁層、16,116,126,136,216,2
26,236…第1の電極、17,117,127,1
37,217,227,237…第2の電極、13c…
内部層、13d…表面層、12a,14a…第1層、1
2b,14b…第2層、21241…拡散防止層、22
…補助電極、23,218,228,238…蛍光体
層、30…半導体レーザ(発光素子)、31,32…反
射鏡、100…発光装置、112,113…絶縁部膜、
201,203…ワイヤ、202,205,206,2
07,208…共通配線、204…配設基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 芳文 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 戸田 淳 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5F041 AA03 AA05 AA11 AA12 AA40 AA42 AA44 CA34 CA40 CA41 CA45 CA46 CA57 CA65 CA66 CA67 CA73 CA82 CA88 CA92 CB25 FF01 5F073 AB19 BA09 CA24 CB05 CB22 DA05 DA06 EA07

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型層と、 第2導電型層と、 前記第1導電型層と前記第2導電型層との間に形成さ
    れ、半導体よりなる複数の微結晶を含む微結晶層とを備
    えたことを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】 前記微結晶層における各微結晶の結晶粒
    径は、100nm以下であることを特徴とする請求項1
    記載の発光素子。
  3. 【請求項3】 前記微結晶層は、前記第1導電型層およ
    び前記第2導電型層よりもそれぞれ小さいバンドギャッ
    プを有することを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  4. 【請求項4】 前記微結晶層は、異なる半導体よりそれ
    ぞれなる2種以上の微結晶をそれぞれ含むことを特徴と
    する請求項1記載の発光素子。
  5. 【請求項5】 前記微結晶層は、層状構造を有する微結
    晶を含むことを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  6. 【請求項6】 前記第1導電型層および前記第2導電型
    層のうちの少なくとも一方は、非単結晶の無機半導体よ
    りなることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  7. 【請求項7】 前記第1導電型層および前記第2導電型
    層は窒素を含む無機半導体よりそれぞれなると共に、前
    記微結晶層は酸素を含む無機半導体よりなることを特徴
    とする請求項1記載の発光素子。
  8. 【請求項8】 前記第1導電型層,前記第2導電型層お
    よび前記微結晶層は窒素を含む無機半導体よりそれぞれ
    なることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  9. 【請求項9】 前記第1導電型層および前記第2導電型
    層は酸素を含む無機半導体よりそれぞれなると共に、前
    記微結晶層は窒素を含む無機半導体よりなることを特徴
    とする請求項1記載の発光素子。
  10. 【請求項10】 前記第1導電型層および前記第2導電
    型層のうちの少なくとも一方は、有機半導体および導電
    性樹脂のうちの少なくとも一方よりなることを特徴とす
    る請求項1記載の発光素子。
  11. 【請求項11】 前記有機半導体は、π共役高分子錯
    体,高分子シリコン誘導体および高分子金属錯体のうち
    の少なくとも1種よりなることを特徴とする請求項10
    記載の発光素子。
  12. 【請求項12】 前記第1導電型層および前記第2導電
    型層のうちの少なくとも一方は、多層構造を有すること
    を特徴とする請求項1記載の発光素子。
  13. 【請求項13】 前記第1導電型層および前記第2導電
    型層のうちの少なくとも一方は、微結晶層に近いほどバ
    ンドギャップが小さくなるように積層された複数の層を
    有することを特徴とする請求項12記載の発光素子。
  14. 【請求項14】 更に、前記第1導電型層および前記第
    2導電型層のうちの少なくとも一方に配設された電極を
    備えると共に、この電極が配設された前記第1導電型層
    および前記第2導電型層のうちの少なくとも一方は、多
    層構造の中に電極の密着性を高める密着層を有すること
    を特徴とする請求項12記載の発光素子。
  15. 【請求項15】 前記第1導電型層および前記第2導電
    型層のうちの少なくとも一方は、多層構造の中に電極と
    して機能する電極層を有することを特徴とする請求項1
    2記載の発光素子。
  16. 【請求項16】 更に、前記微結晶層を構成する各微結
    晶の間に形成され、前記第1導電型層と前記第2導電型
    層との接触を防止する絶縁層を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の発光素子。
  17. 【請求項17】 前記絶縁層は、前記微結晶層よりも大
    きなバンドギャップを有することを特徴とする請求項1
    6記載の発光素子。
  18. 【請求項18】 前記第1導電型層および前記第2導電
    型層は窒素を含む無機半導体よりそれぞれなると共に、
    前記絶縁層は酸素を含む無機半導体よりなることを特徴
    とする請求項16記載の発光素子。
  19. 【請求項19】 前記第1導電型層および前記第2導電
    型層は酸素を含む無機半導体よりそれぞれなると共に、
    前記絶縁層は窒素を含む無機半導体よりなることを特徴
    とする請求項16記載の発光素子。
  20. 【請求項20】 更に、前記第1導電型層,前記微結晶
    層および前記第2導電型層が積層された基板を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  21. 【請求項21】 前記基板は、非晶質体あるいはプラス
    チックよりなることを特徴とする請求項20記載の発光
    素子。
  22. 【請求項22】 前記基板は、金属,半導体あるいは炭
    化ケイ素よりなることを特徴とする請求項20記載の発
    光素子。
  23. 【請求項23】 更に、前記第1導電型層と前記基板と
    の間に形成された拡散防止層を備えたことを特徴とする
    請求項20記載の発光素子。
  24. 【請求項24】 更に、前記第1導電型層と前記基板と
    の間に形成された補助電極を備えたことを特徴とする請
    求項20記載の発光素子。
  25. 【請求項25】 更に、蛍光体層を備えたことを特徴と
    する請求項1記載の発光素子。
  26. 【請求項26】 更に、共振器を形成する一対の反射鏡
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  27. 【請求項27】 第1導電型クラッド層と、 第2導電型クラッド層と、 前記第1導電型クラッド層と前記第2導電型クラッド層
    との間に形成され、複数の微結晶を含む発光層と、 前記第1導電型クラッド層と前記第2導電型クラッド層
    との間に形成され、前記発光層よりも薄い厚さを有する
    絶縁層とを備えたことを特徴とする発光素子。
  28. 【請求項28】 第1導電型層を形成する工程と、 第1導電型層に半導体よりなる複数の微結晶を含む微結
    晶層を形成する工程と、 微結晶層を介して第1導電型層に第2導電型層を形成す
    る工程とを含むことを特徴とする発光素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 結晶粒径が100nm以下の微結晶を
    用いて微結晶層を形成することを特徴とする請求項28
    記載の発光素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 酸素を含む無機半導体よりなる微結晶
    を用いて微結晶層を形成すると共に、微結晶層を形成し
    たのち、更に、酸素含有雰囲気中において加熱処理する
    工程を含むことを特徴とする請求項28記載の発光素子
    の製造方法。
  31. 【請求項31】 プラズマ処理により加熱処理すること
    を特徴とする請求項30記載の発光素子の製造方法。
  32. 【請求項32】 窒素を含む無機半導体よりなる微結晶
    を用いて微結晶層を形成すると共に、微結晶層を形成し
    たのち、更に、窒素含有雰囲気中において加熱処理する
    工程を含むことを特徴とする請求項28記載の発光素子
    の製造方法。
  33. 【請求項33】 プラズマ処理により加熱処理すること
    を特徴とする請求項32記載の発光素子の製造方法。
  34. 【請求項34】 微結晶層を形成したのち、更に、水素
    含有雰囲気中において加熱処理する工程とを含むことを
    特徴とする請求項28記載の発光素子の製造方法。
  35. 【請求項35】 プラズマ処理により加熱処理すること
    を特徴とする請求項34記載の発光素子の製造方法。
  36. 【請求項36】 第1導電型層および第2導電型層のう
    ちの少なくとも一方を、非単結晶の無機半導体により形
    成することを特徴とする請求項28記載の発光素子の製
    造方法。
  37. 【請求項37】 第1導電型層および第2導電型層のう
    ちの少なくとも一方を、有機半導体および導電性樹脂の
    うちの少なくとも一方により形成することを特徴とする
    請求項28記載の発光素子の製造方法。
  38. 【請求項38】 更に、微結晶層を構成する各微結晶の
    間に、第1導電型層と第2導電型層との接触を防止する
    絶縁層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項2
    8記載の発光素子の製造方法。
  39. 【請求項39】 窒素を含む無機半導体により第1導電
    型層を形成すると共に、第1導電型層を形成したのち、
    その表面を酸化することにより絶縁層を形成することを
    特徴とする請求項38記載の発光素子の製造方法。
  40. 【請求項40】 酸素を含む無機半導体により第1導電
    型層を形成すると共に、第1導電型層を形成したのち、
    その表面を窒化することにより絶縁層を形成することを
    特徴とする請求項38記載の発光素子の製造方法。
  41. 【請求項41】 第1導電型層,微結晶層および第2導
    電型層を基板に形成することを特徴とする請求項28記
    載の発光素子の製造方法。
  42. 【請求項42】 更に、基板に拡散防止層を形成する工
    程を含むと共に、拡散防止層を形成したのち、拡散防止
    層を介して第1導電型層を基板に形成することを特徴と
    する請求項41記載の発光素子の製造方法。
  43. 【請求項43】 更に、基板に補助電極を形成する工程
    を含むと共に、補助電極を形成したのち、補助電極を介
    して第1導電型層を基板に形成することを特徴とする請
    求項41記載の発光素子の製造方法。
  44. 【請求項44】 更に、蛍光体層を形成する工程を含む
    ことを特徴とする請求項28記載の発光素子の製造方
    法。
  45. 【請求項45】 更に、共振器を構成する一対の反射鏡
    を形成する工程を含むことを特徴とする請求項28記載
    の発光素子の製造方法。
  46. 【請求項46】 第1導電型クラッド層を形成する工程
    と、 第1導電型クラッド層に複数の微結晶を含む発光層を形
    成する工程と、 第1導電型クラッド層に発光層よりも厚さが薄い絶縁層
    を形成する工程と、 発光層および絶縁層をそれぞれ介して第1導電型クラッ
    ド層に第2導電型クラッド層を形成する工程とを含むこ
    とを特徴とする発光素子の製造方法。
  47. 【請求項47】 第1導電型層と第2導電型層との間に
    半導体よりなる複数の微結晶を含む微結晶層が設けられ
    た複数の発光素子を積層してなることを特徴とする発光
    装置。
  48. 【請求項48】 第1導電型クラッド層と第2導電型ク
    ラッド層との間に複数の微結晶を含む発光層およびこの
    発光層よりも薄い厚さを有する絶縁層がそれぞれ設けら
    れた複数の発光素子を積層してなることを特徴とする発
    光装置。
  49. 【請求項49】 第1導電型層と第2導電型層との間に
    半導体よりなる複数の微結晶を含む微結晶層が設けられ
    た発光素子を少なくとも1つ備えたことを特徴とする表
    示装置。
  50. 【請求項50】 前記発光素子の少なくとも1つは、更
    に、蛍光体層を備えていることを特徴とする請求項49
    記載の表示装置。
  51. 【請求項51】 前記発光素子は、共通の基板上に形成
    されていることを特徴とする請求項49記載の表示装
    置。
  52. 【請求項52】 前記発光素子を複数積層した発光装置
    を少なくとも1つ備えたことを特徴とする請求項49記
    載の表示装置。
  53. 【請求項53】 第1導電型クラッド層と第2導電型ク
    ラッド層との間に複数の微結晶を含む発光層およびこの
    発光層よりも薄い厚さを有する絶縁層がそれぞれ設けら
    れた発光素子を少なくとも1つ備えたことを特徴とする
    表示装置。
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