JP2010263083A - 光半導体素子 - Google Patents

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晃司 藤田
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Abstract

【課題】ZnO量子ドット(ZnO超微粒子)の粒子径に応じて誘導放出特性を制御することができ、種々のレーザ装置に応用可能な光半導体素子を実現する。
【解決手段】活性層が、熱処理されたZnO量子ドットの構造体を有すると共に、熱処理前の前記ZnO量子ドットは、マイクロエマルジョン法で作製されたZnO量子ドット分散溶液から取得される。熱処理されたZnO量子ドットの平均粒径が14nm以上の場合は、活性層は、或る閾値を超える励起強度の励起光を照射すると、ZnO量子ドット内に閉じ込められた励起子同士の衝突によりP発光が生じる。一方、熱処理されたZnO量子ドットの平均粒径が10nm以下の場合は、量子サイズ効果が発現し、かつ発光効率が向上することから、この性質を利用して量子ドットレーザへの応用が可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は光半導体素子に関し、より詳しくは励起子−励起子発光や量子ドットレーザに活用可能なレーザ素子等の光半導体素子に関する。
ZnO(酸化亜鉛)は安価かつ無毒性な材料であり、半導体特性、導電性、圧電性等、様々な特性を有することから、各方面で注目され、広く使用されている。
一方、近年、多くの技術分野では、ナノメートルレベルでの理論や技術・デバイスが盛んに研究されている。
すなわち、ナノメートルレベルに作製された微結晶中の電子は、量子力学的挙動を示すことから、バルク状の3次元結晶の1辺をナノメートルレベルにした量子井戸のような2次元量子系、2辺をナノメートルレベルにした量子細線のような1次元量子系、3辺すべてをナノメートルレベルにした量子ドット(ナノ粒子)のような0次元量子系等、ナノメートルレベルでの原子や分子を制御する各種のナノ構造が盛んに研究されている。
その中でも、上述したZnOは、バンドギャップエネルギーが3.3eVの紫外光領域にあり、また励起子の結合エネルギーが60meVと極めて高く、室温でも励起子が安定して存在することから、ZnOナノ構造はレーザ素子に代表される光半導体素子材料として注目されている。そして、これらZnOの特性を生かし、励起子同士の衝突を利用した高効率の紫外光レーザの発振が観測されている。
例えば、特許文献1では、ZnOを添加した薄膜を発光層とする光半導体素子が提案されている。この特許文献1では、レーザ分子線エピタキシー法等の気相法によりZnO六角柱ナノクリスタル薄膜を作製し、紫外光を用いた励起で誘導放出現象を生じさせている。
特許文献1に記載された誘導放出現象は、ZnO微結晶内に局在化した励起子同士が衝突することによって生じており、成長条件の制御により、ZnO微結晶の横方向のサイズが50nm〜250nm程度の間で制御している。
また、特許文献1では、平均粒径45nm(膜厚50nm)のZnO微結晶と平均粒径250nm(膜厚200nm)のZnO微結晶について比較検討している。その結果、平均粒径45nm(膜厚50nm)のZnO微結晶は小さな励起強度で励起子−励起子発光(以下、「P発光」という。)を観測できたが、平均粒径250nm(膜厚200nm)のZnO微結晶はレーザ発振する励起強度(閾値)が大きい上、P発光は観測されなかったことが記載されている。そして、ZnO微結晶の粒径を40〜60nmに制御することにより、ZnO微結晶内での励起子の閉じ込めによる振動子強度の増大が生じ、P発光を効率良く得ることができると記載されている。
一方、非特許文献1には、液相法の一つであるマイクロエマルジョン法を用いたZnO超微粒子分散溶液の合成手法や、該分散溶液を用いてZnOナノ粒子薄膜を作製する手法、さらにこれらの物性について報告されている。
この非特許文献1は、疎水性溶媒、界面活性剤、及び水を混合させて油中水滴(water in oil;以下、「W/O」という。)型のマイクロエマルジョン溶液を作製し、このマイクロエマルジョン溶液中で原料を注入して加水分解反応を生じさせ、これにより超微粒子を得ている。このマイクロエマルジョン法では、界面活性剤で包囲された水滴内での加水分解反応により超微粒子を生成しているため、粒度分布も比較的狭く、高純度の超微粒子を得ることができる。
そして、この非特許文献1では、マイクロエマルジョン法によれば、平均粒径2.4〜3.9nmのZnO超微粒子が分散した分散溶液の作製が可能であり、また、粒子径が6.5〜34.3nmのZnO超微粒子薄膜を作製することができると報告されている。
また、この非特許文献2では、粒子径が13.3nm程度まで微小化すると、量子サイズ効果が生じてバンドギャップエネルギーが増大することが記載され、さらに、このZnO超微粒子薄膜は、高い紫外発光特性を有することが報告されている。
特開平10−256673号公報(段落番号〔0019〕〜〔0028〕、図3、図9、及び図10)
猪口真志著、「マイクロエマルジョン法による酸化亜鉛ナノ粒子の合成と物性」、日本化学会コロイドおよび界面化学部会関西支部、2008年12月1日発行、第13回関西コロイド・界面実践講座 要旨集
しかしながら、特許文献1は、平均粒径45nmのZnO微結晶と平均粒径250nmのZnO微結晶について比較検討し、P発光の生じるZnO微結晶の膜厚やP発光する励起強度の閾値については記載されているが、ZnO量子ドットの粒子径と誘導放出特性との関係が不明である。すなわち、誘導放出特性をZnO量子ドットの粒子径で制御していないため、所望の大きな発光強度を有する光半導体素子を効率良く得るのは困難である。また、量子サイズ効果の生じる超微粒域のZnO量子ドットを使用したレーザ媒質の応用については、何ら記載されていない。
しかも、特許文献1は、ZnO薄膜を気相法で作製しているため、高エネルギーレーザ装置や高温、超高真空、高電圧等の高価な設備環境を要し、さらにその環境を厳密に制御する必要がある等、生産性に劣る。
一方、非特許文献1では、マイクロエマルジョン法により、均質なZnO超微粒子を得られることが記載され、また量子サイズ効果についても記載されているが、ZnO超微粒子の各種レーザ媒質への具体的な応用については記載されておらず、このためZnO超微粒子を利用した各種デバイスの開発が要望されているところである。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、ZnO量子ドット(ZnO超微粒子)の粒子径に応じて誘導放出特性を制御することができ、種々のレーザ装置に応用可能な光半導体素子を提供することを目的とする。
マイクロエマルジョン法によるZnO量子ドット(ZnO超微粒子)の合成は、W/O型のマイクロエマルジョン溶液中での加水分解反応により行われるため、レーザ分子線エピタキシー法等の気相法とは異なり、大規模な装置が不要であり、厳密な環境制御も不要であることから、比較的低コストで容易に均質なZnO量子ドットを得ることができる。
そして、本発明者らの鋭意研究の結果、マイクロエマルジョン法で作製されたZnO量子ドット分散溶液に対し、熱処理条件を異ならせて熱処理を行うことにより、種々の粒子径を有するZnO量子ドットの構造体を得ることができ、この構造体を光半導体素子の活性層に使用することにより、用途に応じた様々な誘導放出特性を有する光半導体素子を得ることができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る光半導体素子は、活性層が、熱処理されたZnO量子ドットの構造体を有すると共に、熱処理前の前記ZnO量子ドットは、界面活性剤に包囲された形態で疎水性溶媒中に分散したZnO量子ドット分散溶液から取得されることを特徴としている。
そして、本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、励起子同士の衝突によるP発光を得るためには、熱処理されたZnO量子ドットの平均粒径が、14nm以上必要であることが分かった。
すなわち、本発明の光半導体素子は、前記熱処理されたZnO量子ドットは、平均粒径が14nm以上であることを特徴としている。
また、本発明の光半導体素子は、前記活性層は、前記熱処理されたZnO量子ドット内に閉じ込められた励起子同士の衝突により発光することを特徴としている。
そして、ZnO量子ドットの構造体は、薄膜のみならず、厚膜構造、量子細線構造、及び前記ZnO量子ドットが絶縁体中に分散した分散体構造も可能である。
すなわち、本発明の光半導体素子は、前記構造体が、薄膜構造、厚膜構造、量子細線構造、及び前記ZnO量子ドットが絶縁体中に分散した分散体構造のうちのいずれかであることを特徴としている。
また、ZnO量子ドットが10nm以下に微小化すると、いわゆる量子サイズ効果によってZnOのバルク結晶に比べ、バンドギャップエネルギーが大きくなる。したがって、量子サイズ効果の生じる粒子径では、粒子径に応じて発光波長を可変とすることができ、これにより用途に応じた誘導放出特性を有する光半導体素子を得ることが可能となる。
しかも、ZnO量子ドットが10nm以下に微小化すると、電子と正孔が狭い範囲に閉じ込められることから、取り得るエネルギー準位が限定され、発光効率が向上することも分かった。
すなわち、本発明の光半導体素子は、前記熱処理されたZnO量子ドットは、平均粒径が10nm以下であることを特徴としている。
また、本発明は、上記光半導体素子において、前記活性層は、前記熱処理されたZnO量子ドットが、粒状に離散した状態で存在していることを特徴としている。
さらに、本発明の光半導体素子は、前記熱処理されたZnO量子ドットが、前記熱処理時の熱処理条件に基づき粒子径が制御されていることを特徴としている。
また、本発明の光半導体素子は、前記熱処理前の前記ZnO量子ドットは、前記界面活性剤と水とが前記疎水性溶媒中に分散した油中水滴型のマイクロエマルジョン溶液中で、Znアルコキシドの加水分解反応により生成されることを特徴としている。
上記光半導体素子によれば、活性層が、熱処理されたZnO量子ドットの構造体を有すると共に、熱処理前の前記ZnO量子ドットは、界面活性剤に包囲された形態で疎水性溶媒中に分散したZnO量子ドット分散溶液から取得されるので、マイクロエマルジョン法により作製されたナノ粒子であるZnO量子ドットの様々なレーザ媒質への応用が可能となる。
前記熱処理されたZnO量子ドットは、平均粒径が14nm以上であるので、ZnO量子ドット内に形成される励起子が効率良く局在化し、励起強度が或る閾値を超えるとP発光による誘導放出が生じる。そしてこれによりP発光を利用した光半導体素子を得ることができる。
また、前記活性層は、前記熱処理されたZnO量子ドット内に閉じ込められた励起子同士の衝突により発光するので、所定の励起強度を負荷することにより、大きな発光強度を有するP発光を容易に得ることができる。
また、前記構造体が、薄膜構造、厚膜構造、量子細線構造、及び前記ZnO量子ドットが絶縁体中に分散した分散体構造のうちのいずれかであるので、励起子同士の衝突によるP発光を様々な素子構造の光半導体素子で実現することが可能となる。
また、前記熱処理されたZnO量子ドットは、平均粒径が10nm以下であるので、量子サイズ効果が発現すると共に発光効率も向上することから、レーザ発振するのに必要なエネルギーが小さくて済み、これらの性質を利用して量子ドットレーザへの応用が可能となる。
また、前記活性層は、前記熱処理されたZnO量子ドットが、粒状に離散した状態で存在しているので、量子ドットレーザ用レーザ媒質を容易に実現することができる。
また、前記熱処理されたZnO量子ドットは、前記熱処理時の熱処理条件に基づき粒子径が制御されているので、同一のZnO量子ドット分散溶液から、用途に応じた様々な粒子径を有するZnO量子ドットを得ることができる。そして、このように様々な粒子径を有するZnO量子ドットを使用して、例えばP発光を利用したレーザ媒質や量子サイズ効果を利用した発光効率の向上を図ることができるレーザ媒質への応用が可能となる。
また、前記熱処理前のZnO量子ドットは、前記界面活性剤と水とが疎水性溶媒中に分散した油中水滴型のマイクロエマルジョン溶液中で、Znアルコキシドの加水分解反応により生成されるので、微小な水滴径に応じた粒子径のZnO量子ドットを効率良く容易に生成することができる。
本発明に係る光半導体素子の一実施の形態(第1の実施の形態)を模式的に示す断面図である。 ZnO量子ドット分散溶液の一実施の形態を模式的に示した正面図である。 図2の要部拡大図である。 励起強度をパラメータとした場合のZnO量子ドットの蛍光スペクトルの一例を示す図である。 マイクロエマルジョン法によるZnO量子ドット分散溶液の作製手順を説明するための模式図である。 本発明に係る光半導体素子の第2の実施の形態の要部を模式的に示す断面図である。 第2の実施の形態の製造方法をお説明するための分解斜視図である。 本発明に係る光半導体素子の第3の実施の形態を模式的に示す断面図である。 本発明に係る光半導体素子の第4の実施の形態の要部を模式的に示す断面図である。 第4の実施の形態の要部断面図である。 試料番号1のTEM像である。 試料番号2のTEM像である。 試料番号3のTEM像である。 試料番号4のTEM像である。 試料番号5のTEM像である。 試料番号6のTEM像である。 試料番号1〜3の粒度分布である。 試料番号4〜6の粒度分布である。 試料番号1〜3の蛍光スペクトルの励起強度依存性を示す図である。 試料番号4〜6の蛍光スペクトルの励起強度依存性を示す図である。 試料番号1〜3における発光強度及び発光エネルギーのそれぞれのピーク値の励起強度依存性を示す図である。 試料番号4〜6における発光強度及び発光エネルギーのそれぞれのピーク値の励起強度依存性を示す図である。 ZnO量子ドットの平均粒径のバンドギャップエネルギーの依存性を示す図である。
次に、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳説する。
図1は本発明に係る光半導体素子としてのレーザ素子の一実施の形態(第1の実施の形態)を模式的に示す断面図である。
該レーザ素子は、GaAsやサファイア等からなる基板1上にレーザ素子本体2が形成されると共に、該基板1の下面には、例えばTi膜、Au膜等が順次積層されたn(負)側電極3が形成され、レーザ素子本体2の上面には、例えばNi膜、Al膜、及びAu膜等が順次積層されたp(正)側電極4が形成されている。
そして、レーザ素子本体2は、n−GaN等からなるn型コンタクト層5、n−AlGaN等からなるn型クラッド層6、励起光の照射によって所定波長のレーザ光を発光する活性層7、p−AlGaN等からなるp型クラッド層8、及びp−GaN等からなるp型コンタクト層9が順次積層された多層膜で構成されている。すなわち、活性層7はn型クラッド層6及びp型クラッド層8に挟持され、また、n側クラッド層6はn側コンタクト層6及び基板1を介してn側電極3に接続されると共に、p型クラッド層8はp型コンタクト層9を介してp側電極4に接続されている。
活性層7は、熱処理されたZnO量子ドットの構造体からなり、本第1の実施の形態では、膜厚10nm〜1000nmの薄層に形成されている。熱処理前のZnO量子ドットは、界面活性剤に包囲された形態で疎水性溶媒中に分散したZnO量子ドット分散溶液から取得される。そして、この熱処理前のZnO量子ドットがn型クラッド層6上に塗布された後、熱処理されて活性層7を形成している。
図2は、ZnO量子ドット分散溶液を模式的に示した正面図である。
すなわち、このZnO量子ドット分散溶液11は、ZnO量子ドット12が、界面活性剤13に包囲された形態で疎水性溶媒14中に分散浮遊しており、斯かる分散溶液11が、容器15に収容されている。
具体的には、図3に示すように、界面活性剤13は、主界面活性剤16と副界面活性剤17とを有している。
そして、主界面活性剤16は、疎水性基16aと親水性基16bとを有し、疎水性基16aは疎水性溶媒14に吸着され、親水性基6bは超微粒子であるZnO量子ドット12に吸着されている。
ここで、主界面活性剤16としては、ポリオキシエチレン基(CHCHO)の部分で親水性を得ることができるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(APE(n))が使用され、特に、化学式HC(CHO(CHCHO)Hで示されるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(NPE(n))が好んで使用される。
そして、APE(n)の側鎖長nを変更することにより、得られるZnO量子ドットの平均粒径D50を制御することが可能となる。すなわち、側鎖長nの長さが長くなると、側鎖長nの長さが短いときに比べ、ZnO量子ドットの平均粒径D50は小さくなる傾向にある。これは、側鎖長nの長さが大きくなると親水性基も長くなることから、ZnO量子ドットの生成に寄与する水滴への吸着力が強くなって水滴径がより小さくなり、その結果、生成されるZnO量子ドット12の平均粒径D50も小さくなるためと考えられる。
このようにAPE(n)の側鎖長nの差を利用してZnO量子ドット12の平均粒径D50を制御することが可能となる。したがって、側鎖長nの異なるAPE(n)を選択するのみでZnO量子ドットの平均粒径D50を制御することが可能となる。
また、副界面活性剤17は、後述するマイクロエマルジョン作製時において、主界面活性剤16の親水性基16bの内部に入って水との界面エネルギーを低下させ、かつ、親水性基16bの側鎖長nによる立体障害を和らげる効果があり、これにより水滴の安定化に寄与する。そして、ZnO量子ドット12が生成される際には、主界面活性剤16の親水性基16bと共に、ZnO量子ドット12を包囲する形態でZnO量子ドット12に吸着され、ZnO量子ドット12を疎水性溶媒14中に安定して分散させるのに寄与する。
このような副界面活性剤17としては、化学式C2m+1OH(ただし、mは4〜10)で表される中鎖アルコール、例えば、1−オクタノール(C17OH)を使用することができる。すなわち、炭素数mは、主界面活性剤16の親水性基16bの側鎖長nの長さにも依存するが、炭素数mが4未満では、親水性が上がり過ぎるため、マイクロエマルジョン作製時に、水滴内に溶解してしまい、このため副界面活性剤17が主界面活性剤16と水との界面のみに存在しなくなるおそれがある。一方、炭素数mが10を超えると疎水性が大きくなり過ぎたり、立体障害が大きくなったりするおそれがあり、好ましくない。
尚、疎水性溶媒14としては、シクロへキサン、ヘキサン、シクロペンタン、ベンゼン、オクタンなどの無極性炭化水素、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類や、ケロシンなどの石油系炭化水素等を使用することができる。
そして、ZnO量子ドット12は、平均粒径D50が5nm以下、好ましくは3nm以下に形成される。
これにより粒子径が超微小であって、粒度分布の幅が極めて狭い単結晶のZnO量子ドット12が、凝集することもなく単分散状態で疎水性溶媒14中に分散浮遊した分散溶液11を得ることができる。
尚、ZnO量子ドットが溶液中に分散していることは、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope; 以下、「TEM」という。)で直接視認したり、制限視野回折パターン等により確認することができる。
そして、本第1の実施の形態では、活性層7は、熱処理後のZnO量子ドットが、14nm以上の平均粒径D50を有する薄膜構造とされ、これにより励起光が照射された場合、励起強度が所定閾値を超えるとZnO量子ドットに閉じ込められた励起子同士が衝突して大きな発光強度を有する急峻なP発光が生じるように構成されている。
以下、ZnO量子ドットの平均粒径D50を14nm以上とした理由について詳述する。
ZnO量子ドットの半径Rと、電子と正孔の距離を示す励起子ボーア半径aとの関係については、非特許文献2に理論的に解析されている。
すなわち、一般に、一対の電子と正孔からなる励起子は、ナノ粒子である量子ドットの半径Rが大きいときは電子と正孔の束縛状態を維持したまま、量子ドット内に局在化して存在する。
ところが、量子ドットの半径Rが微小化してくると、遷移状態を経て、遂には電子と正孔の束縛状態を保つことができず、電子と正孔は個別に量子ドット内に局在化する。
具体的には、量子ドットの半径Rと励起子ボーア半径aとの比R/aが4以上の場合は、量子ドットの粒径は励起子サイズに比べて十分に大きいため、励起子は電子・正孔の束縛状態を維持したまま、量子ドット内に局在化し、励起子は量子ドット内に閉じ込められる(励起子閉じ込め状態)。
一方、量子ドットの半径Rと励起子ボーア半径aとの比R/aが2以下の場合は、量子ドットの粒径が小さすぎるため、励起子は電子・正孔の束縛状態を保つことができず、個別に量子ドット内に局在化する。すなわち、比R/aが2以下の場合、電子と正孔とは対状態で束縛されるのではなく、量子ドット内で個別に解離しながら閉じ込められる(個別閉じ込め状態)。
そして、量子ドットの半径Rと励起子ボーア半径aとの比R/aが2〜4となって両者の中間状態にある場合は、一部は励起子閉じ込め状態となり、他部は個別閉じ込め状態となる(遷移状態)。
Yosuke Kanayama著、「Quantum-size effects of interacting electrons and holes in semiconductor microcrystals with spherical shape」、Physical Review B、The American Physical Society、(アメリカ)、 1988年、38巻、14号、p.9797-9805
この理論をZnOに適用すると、ZnOの励起子ボーア半径aは1.8nm程度とされていることから、励起子閉じ込め状態を実現できるZnO量子ドットの半径Rは約7nm(≒1.8×4)であり、したがって粒子径に換算すると14nmである。すなわち、ZnO量子ドットの平均粒径が14nm以上であれば、励起子閉じ込め状態を実現できることとなる。
そして、このZnO量子ドットの構造体を活性層7とし、該活性層7に励起強度の強い励起光を照射すると、励起子同士の衝突により発光強度の大きなP発光が生じる。
図4は第1の実施の形態の蛍光(Photoluminescence:PL)スペクトルの一例を示す図であり、励起強度をパラメータとしている。横軸は光子エネルギー(eV)、縦軸は発光強度(a.u.)である。Ex1〜Ex7は励起強度を示し、Ex1<Ex2<・・・<Ex6<Ex7である。
ZnOのバルク結晶のバンドギャップエネルギーは約3.3eVである。そして、励起光の励起強度が低い場合は、光子エネルギーが約3.3eVを頂点とした半値幅の大きな曲線を示すが、励起強度Ex3を閾値として該閾値を超える大きな励起強度が負荷されると、蛍光スペクトルは3.3eVよりも小さい3.1eV近傍で、半値幅の小さい急峻なピークが発生する。そして、これにより低いエネルギーで、発光強度の大きなP発光を得ることができる。
しかも、後述の実施例から明らかなように励起強度が閾値を超えると、僅かな励起強度の変動に対し発光強度は急激に上昇する。例えば、励起強度の変動に対し、その変動値の5〜12乗の大きさで発光強度は急上昇する。
そして、ZnO量子ドット12はn型クラッド層6上で熱処理により粒成長して肥大化することから、熱処理条件を異ならせることにより、14nm以上であって所望の平均粒径D50を有するZnO量子ドットの構造体を得ることが可能となる。そしてこれによりレーザ素子の誘導放出特性をZnO量子ドット12の粒子径と励起強度の閾値で制御することが可能となる。
尚、ZnO量子ドット12の平均粒径D50の上限は、特に限定されるものではないが、100nm程度が好ましい。これは粒径が大きいと励起子の閉じ込め効果が弱まり、誘導放出に要する励起強度の閾値が増加すると考えられるためである。
次に、上記レーザ素子の製造方法を詳述する。
まず、以下の方法でZnO量子ドット分散溶液11を作製する。
すなわち、疎水性溶媒14、界面活性剤13(主界面活性剤16及び副界面活性剤17)、及び水を容器15に入れて混合・撹拌すると、図5(a)に示すように、主界面活性剤16の疎水性基16aは疎水性溶媒14に吸着される一方、主界面活性剤16の親水性基16bは水に吸着され、さらに副界面活性剤16は主表面活性剤16の親水性基16bに入り込んで水との界面エネルギーが低下する。そしてその結果、水は超微小径の水滴18となって、界面活性剤13(主界面活性剤16及び副界面活性剤17)の内部に閉じ込められる。すなわち、水滴18は界面活性剤13に包囲されるような形態で、疎水性溶媒14中に分散し、これにより油中水滴型のマイクロエマルジョン溶液が形成される。
尚、界面活性剤13、及び水は、最終生成物であるZnO量子ドットの平均粒径D50が5nm以下(好ましくは、3nm以下)となるように、例えば、水/界面活性剤=0.005〜0.05となるように配合されている。
次に、ZnO量子ドット12の原料となるZnアルコキシド溶液を調製する。
超微小で粒度分布の幅が狭い所望粒子径のZnO量子ドット12を得るためには、加水分解反応に消費される水滴18の水滴径増加を招くのを避ける必要があり、そのためにはZnアルコキシドのような無水和物を使用するのが望ましい。しかしながら、Znアルコキシドはアルコールには殆ど溶解しないことが知られている。
このため本実施の形態では、Znアルコキシドをアルコール溶液に溶解させることができ、かつ疎水性溶媒14には溶解しないモノエタノールアミン(HNCHCHOH)等のアミノアルコールをZnアルコキシドと併用している。すなわち、アミノアルコールをエタノール等のアルコール溶液中に溶解させると共に、Znアルコキシドをアルコール溶液に投入して溶解させ、これによりZnアルコキシド溶液を調製している。
尚、Znアルコキシド溶液の調製は、空気中の水分がZnアルコキシド溶液に浸入するのを防ぐ観点から、Ar雰囲気等の不活性雰囲気で行うのが好ましい。すなわち、Znアルコキシド溶液の調製を不活性雰囲気で行うことにより、余分な水分がマイクロエマルジョン溶液に浸入することもなく、これによりZnO量子ドットの粒子径が大きくなるのを抑制できる。
また、アミノアルコールのアルコール溶液への添加モル量は、少なくともZnアルコキシドのアルコール溶液への添加モル量と同一モル量以上が必要である。これは、アルコール中のアミノアルコール類の添加モル量が、Znアルコキシドの添加量と同一モル量未満の場合は、固体であるZnアルコキシドが完全にはアルコール溶液中に溶解せず、未溶解のZnアルコキシドが残存するからである。
次に、このようにして作製されたZnアルコキシド溶液をマイクロエマルジョン溶液に滴下し、Ar雰囲気等の不活性雰囲気下、所定時間、撹拌混合する。するとZnアルコキシドと水滴18との間で加水分解反応が生じる。
例えば、ZnアルコキシドとしてジエトキシZnを使用した場合は、化学反応式(A)に示すような加水分解反応が生じ、超微小径のZnO量子ドット12が生成される。
Zn(OC+HO → ZnO+2COH・・・(A)
すなわち、界面活性剤13で包囲された水滴18を反応場として加水分解反応が進行し、図5(b)に示すように、水滴18が消費されて透明のZnO量子ドット12が生成される。
ここで、Znアルコキシド溶液は、マイクロエマルジョン溶液中の水量がZnアルコキシドの加水分解に必要な水量の1〜1.2倍となるように、マイクロエマルジョン溶液に滴下される。これはマイクロエマルジョン溶液中の水量がZnアルコキシドの加水分解に必要な水量の1倍未満の場合は、所望の加水分解反応が進行せず、一方、1.2倍を超えると、水量が多くなって水滴18が大きくなり、このため、大きくなった水滴径に応じ、生成されるZnOの平均粒径D50も大きくなるおそれがあるからである。
尚、Znアルコキシドの種類は、上述したジエトキシZnに限定されるものではなく、ジプロポキシZn、ジブトキシZn等を使用することができるのはいうまでもない。
このように本実施の形態では、アミノアルコールを併用して作製したZnアルコキシド溶液を使用することにより、他の水滴18と接することなく単分散状態の超微小径の水滴18を反応場としてZnアルコキシドを加水分解させている。したがって、水滴径に応じた超微小径のZnO量子ドット12が界面活性剤に囲まれた形で安定的に分散浮遊して存在する。そしてこれにより粒子の凝集・沈降が生じることもなく、平均粒径D50が5nm以下(好ましくは、3nm以下)で粒度分布が極めて狭く、高結晶性を有する単分散状態の単結晶ZnO量子ドット12が分散した分散溶液11を得ることができる。
また、必要最小限の水量で反応させているので、ZnO量子ドット12内への水酸基の取り込みや欠陥の発生を抑制することが可能である。しかも、使用する主界面活性剤16の親水性基16bの側鎖長nを種々変更することにより、生成されるZnO量子ドット12の粒子径を制御することができる。したがって気相法のように大規模な装置を要することなく、用途に応じた高品質のZnO量子ドット分散溶液を簡便に作製することが可能である。
そして、本第1の実施の形態のレーザ素子は、上記ZnO量子ドット分散溶液11を使用し、以下のようにして製造することができる。
まず、MOCVD(有機金属化学気相成長法)等の薄膜形成法により基板1上に順次n型コンタクト層5及びn型クラッド層6を形成する。
次いで、スピンコーティング法等によりZnO量子ドット分散溶液11をn型クラッド層6上に塗布した後、所定の熱処理条件で熱処理を行い、これによりZnO量子ドットの構造体からなる薄層の活性層7を作製する。
すなわち、ZnO量子ドット分散溶液11を基板1上のn型クラッド層6に滴下した後、該基板1を所定時間、所定回転数で回転させ、これによりZnO量子ドット分散溶液11をn型クラッド6上に一様に塗布する。そしてその後、所定の熱処理条件で熱処理を行う。例えば、最高熱処理温度633〜973K(360℃〜700℃)とし、適宜のヒートサイクルを含む所定の熱処理プロファイルでもって熱処理を行う。そして、これにより疎水性溶媒14や主界面活性剤16等は蒸発霧散する一方で、ZnO量子ドット12は熱処理によって適度に粒成長し、平均粒径D50が14nm以上所望粒径のZnO量子ドット12の構造体を有する活性層7が作製される。
そしてこの後、上述と同様、MOCVD(有機金属化学気相成長法)等の薄膜形成法により、活性層7上に順次p型クラッド層8及びp型コンタクト層9を形成する。
その後、真空蒸着法等により基板1の下面にn側電極3、p型コンタクト層9の上面にp側電極4を順次形成し、これにより図1のレーザ素子が作製される。
このように本第1の実施の形態では、活性層7が、熱処理されたZnO量子ドット12の構造体を有すると共に、熱処理前のZnO量子ドット12は、界面活性剤16に包囲された形態で疎水性溶媒14中に分散したZnO量子ドット分散溶液11から取得されるので、マイクロエマルジョン法により作製されたZnO量子ドット12のレーザ媒質への応用が可能となる。
そして、熱処理されたZnO量子ドット12は、平均粒径が14nm以上であるので、ZnO量子ドット内に形成される励起子が効率良く局在化し、P発光による誘導放出が生じる。
すなわち、活性層7は、熱処理されたZnO量子ドット12内に閉じ込められた励起子同士の衝突により発光するので、励起強度が強大なレーザ発振に必要な或る閾値を超えると、低エネルギーで発光強度の大きなP発光を容易に得ることができる。そしてこれによりP発光を利用したレーザ素子を得ることができる。
また、熱処理されたZnO量子ドット12は、熱処理条件に基づき粒子径が制御されているので、同一のZnO量子ドット分散溶液11から、所望の誘導放出特性を有するような粒子径のZnO量子ドット12を容易に得ることができる。
このように第1の実施の形態では、誘導放出特性をZnO量子ドット12の平均粒径D50で制御することにより、低いエネルギーで大きな発光強度を有するP発光を利用した様々な用途に適したレーザ素子を得ることができる。
また、上記第1の実施の形態では、活性層7を薄層構造としているが、厚膜構造であっても同様に適用でき、さらに以下に示すような種々の実施の形態が可能である。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る光半導体素子を模式的に示す斜視図であって、この第2の実施の形態は、n型半導体21とp型半導体22との間に1次元的な量子細線構造の活性層23が介装されている。
すなわち、活性層23は、ZnO量子ドットが一定方向に細線状に連設されて量子細線24を形成し、複数の量子細線24が絶縁層25を介して平行状に列設されている。
そして、本第2の実施の形態では、例えば、図中、上方から或る閾値を超える大きな励起強度の励起光が照射されると、活性層23の量子細線24からP発光が生じ、所望のレーザ光を取り出すことができる。
図7は図6の分解斜視図であって、上記活性層23は、以下のようにして製造することができる。
すなわち、スパッタリング法等でn型半導体21の表面に絶縁層25を形成した後、周知のフォトリソグラフィ技術やエッチング技術を使用して絶縁層25の一定方向に所定間隔毎に溝部を形成する。そして、この溝部にZnO量子ドット分散溶液11を流し込む。
そしてその後は、第1の実施の形態と同様、所定の熱処理条件で熱処理を行い、これにより平均粒径D50が14nm以上のZnO量子ドットからなる量子細線構造24の活性層23を作製することができる。
このように本第2の実施の形態においても、平均粒径が14nm以上であり、熱処理されたZnO量子ドット内に閉じ込められた励起子同士の衝突により発光するので、ZnO量子ドット内に形成される励起子が効率良く局在化し、或る閾値を超える励起強度の励起光を照射することにより、P発光による誘導放出が生じる。そしてこれによりP発光を利用したレーザ素子等の光半導体素子を得ることができる。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る光半導体素子を模式的に示す斜視図であって、この第3の実施の形態は、活性層26が一対のミラー27a、27bに挟持され、光共振器を形成している。
そして、この活性層26は、PMA樹脂等の耐熱性を有する透明樹脂(絶縁体)28中にZnO量子ドット29が分散された分散体構造を有している。
この活性層26は、透明樹脂28中にZnO量子ドット分散溶液11を流し込み、その後、所定の熱処理条件で熱処理を行うことにより、平均粒径D5014nm以上のZnO量子ドット29が透明樹脂28中に分散した活性層26を作製することができる。
そして、この第3の実施の形態では、矢印A方向から励起光が入射すると、光はミラー27a、27bにより反射を繰り返しながら活性層26の誘導放出作用により増幅され、矢印B方向にレーザ光が射出される。
このように本第3の実施の形態においても、平均粒径が14nm以上であり、熱処理されたZnO量子ドット内に閉じ込められた励起子同士の衝突により発光するので、ZnO量子ドット内に形成される励起子が効率良く局在化し、或る閾値を超える励起強度の励起光を照射することにより、P発光による誘導放出が生じる。そしてこれによりP発光を利用したレーザ素子等の光半導体素子を得ることができる。
以上詳述したように本発明のP発光を利用したレーザ素子(光半導体素子)は、薄膜構造、厚膜構造、量子細線構造、分散体構造のいずれでも可能である。
さらに、上記各実施の形態では、活性層が平均粒径D5014nm以上のZnO量子ドットの構造体を有することにより、P発光を利用した光半導体素子の実現を可能にしているが、ZnO量子ドット分散溶液11は、熱処理されたZnO量子ドットの平均粒径D50が10nm以下の場合も、別機構のレーザ媒質として活用することができる。
すなわち、ZnO量子ドット12の平均粒径D50が10nm以下に微小化すると、ZnO量子ドット12の半径Rと励起子ボーア半径aの比R/aが2.8以下となる。したがって、上述したように励起子を構成する電子と正孔が対となってZnO量子ドット内に閉じ込めることはできず、電子と正孔は別々に個別に閉じ込められるため、P発光は生じない。
しかしながら、このようにZnO量子ドット12の平均粒径D50が10nm以下に微小化すると、励起子を構成する電子と正孔が狭い領域に閉じ込められてエネルギー準位が限定されるため、発光効率が向上する。換言すると、レーザ発振をするのに必要なエネルギーが小さくて済むレーザ素子を実現することが可能となる。
しかも、上述のようにZnO量子ドットが10nm以下に微小化すると、量子サイズ効果が顕著に生じ、バンドギャップエネルギーがZnOのバルク結晶のときに比べ増大し、電子が占有しうるエネルギー状態が離散化する。
したがって、このような平均粒径D50が10nm以下のZnO量子ドットを使用することにより、ZnOのバルク結晶よりも短波長側で発光強度の大きな量子ドットレーザを得ることができる。
図9は本発明の第4の実施の形態としての量子ドットレーザ用レーザ素子(光半導体素子)を模式的に示した断面図である。
すなわち、このレーザ素子は、n型半導体31とp型半導体32の間に、熱処理されたZnO量子ドットの構造体を有する活性層33が介装されている。
該活性層33は、具体的には、図10に示すように、多数の粒状のZnO量子ドット34が離散的に配されたZnO量子ドットアレイ35と、該ZnO量子ドットアレイ35上に形成されたGaAs等からなる中間層36とを一組にしてn型半導体31上に所定枚数積層され、該活性層33の上面にp型半導体32が設けられている。
本第4の実施の形態においても、スピンコーティング法等によりn型半導体31又は中間層35上にZnO量子ドット分散溶液を一様に塗布し、所定の熱処理条件で熱処理することにより、平均粒径D50が10nm以下のZnO量子ドットの構造体、すなわちZnO量子ドットアレイ35を有する活性層33を得ることができる。
尚、活性層33のZnO量子ドットは、粒状に離散した状態で存在する必要があることから、最高熱処理温度は、疎水性溶媒14や界面活性剤16等を効率よく霧散蒸発させうる程度の比較的低い温度に設定する必要があり、例えば533〜593K(260℃〜320℃)程度が好ましい。最高熱処理温度を過度に上昇させると、ZnO量子ドットの粒成長が促進されて平均粒径D50が10nm以上となり、量子サイズ効果等が期待できなくなるからである。
また、ZnO量子ドット35の平均粒径D50の下限値は、マイクロエマルジョン法により作製される限界値まで可能であり、特に限定されるものではない。
このように本第4の実施の形態では、活性層33のZnO量子ドット34は、平均粒径が10nm以下であるので、励起子を構成する電子と正孔が狭い領域に閉じ込められてエネルギー準位が限定されるため、発光効率が向上し、したがってレーザ発振をするのに必要なエネルギーが小さくて済む。
しかも、量子サイズ効果によりZnOバルク結晶の場合に比べ、バンドギャップエネルギーが大きくなる。したがって、ZnO量子ドットを平均粒径10nm以下の様々な粒子径に制御することにより、所望波長の光線を発光することが可能な量子ドットレーザを得ることができる。
また、この量子ドットレーザに用いられるZnO量子ドットは、同様の青紫色発光を示すInGaNのように産出量の少ない元素を用いる必要がなく、大量生産に適したものとなる。
このように本発明は、同一のZnO量子ドット分散溶液11を使用してP発光を利用したレーザ素子、及び量子サイズ効果を利用したレーザ素子の双方を得ることが可能であり、同一のZnO量子ドット分散溶液11から、様々な誘導放出特性を有するレーザ素子等の光半導体素子を実現することが可能となる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で変更可能なことはいうまでもない。例えば、ZnO量子ドット分散溶液11の合成条件や、その後の熱処理条件も温度、時間を適宜変更することにより、様々な粒子径のZnO量子ドットを得ることが可能であり、また、膜密度、膜厚、量子ドット同士の間隔などあらゆる因子を制御することが可能である。
また、上記各実施の形態では、光半導体素子としてレーザ素子を例示したが、光の入射により誘導放出する各種発光媒体にも同様に適用でいいるのはいうまでもない。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
〔ZnO量子ドット分散溶液の作製〕
疎水性溶媒としてシクロヘキサン、主界面活性剤として親水性基の側鎖長nが10のNPE(10)を用意し、副界面活性剤として1−オクタノールを用意し、さらに水を用意した。
次に、シクロヘキサン:NPE(10):1−オクタノール:水=30:1.4:1.7:0.03となるように、これらを混合・撹拌し、これによりW/O型のマイクロエマルジョン溶液を作製した。
次に、ZnアルコキシドとしてジエトキシZn、アミノアルコールとしてモノエタノールアミンを用意し、さらにエタノール溶液を用意し、これらを混合・撹拌してジエトキシZn溶液(Znアルコキシド溶液)を調製した。
すなわち、まず、エタノール溶液中に投入されるジエトキシZnの添加モル量と同一モル量のモノエタノールアミンをエタノール溶液に添加して混合溶媒を作製した。次いで、Ar雰囲気のグローブボックス中で、ジエトキシZnを前記混合溶媒に投入し、混合撹拌してジエトキシZn溶液を作製した。
次に、上記マイクロエマルジョン溶液中の水量がジエトキシZnの加水分解に必要な量の1.2倍となるようにジエトキシZn溶液をマイクロピペットで分取し、マイクロエマルジョン溶液に滴下した。そして一晩、Ar雰囲気のグローブボックス中で撹拌混合を行い、ZnO量子ドット分散溶液を作製した。
尚、このZnO量子ドット分散溶液からサンプルを採取し、TEMで観察したところ、平均粒径D50は2.7nmであった。
〔評価試料の作製〕
〔試料番号1〕
スピンコーティング法によりZnO量子ドット分散溶液を石英基板上に塗布した後、空気中、323Kの温度で1分間加熱して乾燥させ、次いで、最高熱処理温度533Kで3分間、熱処理した。
その後、この処理(スピンコート→乾燥→熱処理)を4回繰り返した。すなわち、上述した熱処理プロファイルを1サイクルとして計5回繰り返し、これにより疎水性溶媒や界面活性剤(主界面活性剤及び副界面活性剤)を蒸発霧散させ、石英基板上に薄膜を形成した。
次いで、再度、最高熱処理温度533Kの温度で5分間、熱処理し、試料番号1の試料を作製した。
〔試料番号2〕
最高熱処理温度を563Kとした以外は、試料番号1と同様の方法で試料番号2の試料を作製した。
〔試料番号3〕
最高熱処理温度を593Kとした以外は、試料番号1と同様の方法・手順で試料番号3の試料を作製した。
〔試料番号4〕
最高熱処理温度を633Kとした以外は、試料番号1と同様の方法・手順で試料番号4の試料を作製した。
〔試料番号5〕
最高熱処理温度を723Kとした以外は、試料番号1と同様の方法・手順で試料番号5の試料を作製した。
〔試料番号6〕
スピンコーティング法によりZnO量子ドット分散溶液を石英基板上に塗布した後、空気中、323Kの温度で1分間加熱して乾燥させ、次いで、633Kの温度で3分間、熱処理した。
その後、この処理(スピンコート→乾燥→熱処理)を4回繰り返した。すなわち、上述した熱処理プロファイルを1サイクルとして計5回繰り返し、これにより疎水性溶媒や界面活性剤(主界面活性剤及び副界面活性剤)を蒸発霧散させ、石英基板上に薄膜を形成した。
次いで、最高熱処理温度973Kで5分間、熱処理を行い、試料番号6の試料を作製した。
〔試料の評価〕
〔試料観察及び粒度分布〕
試料番号1〜6の各試料の断面をTEMで観察した。
図11は試料番号1のTEM像、図12は試料番号2のTEM像、図13は試料番号3のTEM像、図14は試料番号4のTEM像、図15は試料番号5のTEM像、図16は試料番号6のTEM像を示している。各図中、矢印はZnO量子ドット薄膜と石英基板の境界を示している。
次に、図11〜図16の各TEM像から、100個のZnO量子ドットをサンプルして採取し、平均粒径D50と標準偏差σを求めた。
表1は、試料番号1〜6の試料の最高熱処理温度、平均粒径D50(nm)及び標準偏差σを示している。
また、図17、18は、試料番号1〜6の各試料の粒度分布を示している。横軸が粒子径、縦軸は頻度であり、全体で1となるように比率を棒グラフで示している。図17(a)は試料番号1、図17(b)は試料番号2、図17(c)は試料番号3、図18(a)は試料番号4、図18(b)は試料番号5、図18(c)は試料番号6の各頻度を示している。
この表1及び図17、18から明らかなように、試料番号1〜5では、最高熱処理温度を変更した以外は同一の熱処理条件で熱処理しているため、最高熱処理温度が高くなればなるほど、ZnO量子ドットの粒成長が促進され、このため平均粒径D50が大きくなった。
一方、試料番号6は、最高熱処理温度を973Kとしたが、最高熱処理温度が723Kの試料番号5よりも平均粒径D50が低下した。これはヒートサイクルの熱処理温度を最高熱処理温度である973Kよりも低い633Kで行ったためと思われる。
また、最高熱処理温度が低い試料番号1〜3は、標準偏差σも小さく、熱処理後も比較的均質なZnO量子ドットの得られることが分かった。
これに対し最高熱処理温度の高い試料番号4〜6は、標準偏差σが大きく、熱処理後のZnO量子ドットは、粒子径のバラツキが大きくなった。特に、熱処理プロファイルを大幅に変えた試料番号6は、標準偏差σも大きく、粒子径のバラツキが大きくなった。
そして以上から熱処理条件を適宜に異ならせることにより、ZnO量子ドットの平均粒径D50を柔軟に制御できることが分かった。
〔励起強度依存性〕
試料番号1〜6の試料について、蛍光スペクトルの励起強度依存性を測定した。励起光にはネオジム添加イットリウム−アルミニウム−ガーネット(Nd:YAG)レーザの波長4倍波を使用した。測定は室温で行い、波長は266nm、パルス幅は20ps、繰り返し周波数は10Hzに設定した。また、各試料への励起光の照射面積は約0.2cmで、励起強度は5〜1000MW/cmの間で変化させた。
図19、20は、励起強度をパラメータとした場合の試料番号1〜6の蛍光スペクトルを示しており、図19(a)が試料番号1、図19(b)が試料番号2、図19(c)が試料番号3、図20(a)が試料番号4、図20(b)が試料番号5、図20(c)が試料番号6である。
また、各図中、横軸は光子エネルギー(eV)、縦軸は発光強度(a.u.)を示し、各蛍光スペクトルの右横の数値は測定時の励起強度(MW/cm)、左横の数値は蛍光スペクトルの拡大率である。
図19から明らかなように、最高熱処理温度533K、563K、及び593Kで行なった試料番号1〜3の蛍光スペクトルは、ZnOのバルク結晶のバンドギャップエネルギーである3.3eV近傍をピークにした緩やかな山形形状を示している。そして、励起強度を増加させると蛍光スペクトルの半値幅が広がることが確認されたが、励起強度を1000MW/cmまで上げてもP発光は観測されなかった。これは試料番号1〜3の試料は平均粒径D50が6.47〜13.28nmと超微小であり、これらのZnO量子ドットの半径Rと励起子ボーア半径aとの比R/aが1.8〜3.7と4以下であるため、励起子閉じ込め状態にならず、個別閉じ込め状態となり、励起子同士の衝突が生じないためと思われる。
これに対し図20から明らかなように、最高熱処理温度633K、723K、及び973Kの試料番号4〜6は、励起強度を増加させると、低エネルギー側に新たなピークが出現した。
すなわち、試料番号4では、励起強度152.8MW/cm、試料番号5では、励起強度46.1MW/cm、試料番号6では、励起強度71.2MW/cmを閾値とし、これら閾値を超える励起強度を負荷した場合に、低エネルギー側に新たなピークが出現した。そして、この蛍光スペクトルは閾値以下の低い励起強度が負荷された場合とは波形が異なり半値幅が小さく、肉眼でも容易に視認できる強い発光であった。これは試料番号4〜6の試料は平均粒径D50が20.48〜32.58nmであり、これらのZnO量子ドットの半径Rと励起子ボーア半径aとの比R/aが、5.7〜9.1と4以上であるため、励起子が効率良く閉じ込められ、励起子同士が衝突してP発光が生じたためと思われる。
図21、22は、試料番号1〜6における発光強度のピーク(以下、「発光ピーク強度」という。)及び発光強度のピーク時の光子エネルギー(以下、「発光ピークエネルギー」という。)の励起強度依存性を示している。尚、励起強度は、5〜1000MW/cmの間で変化させている。
図21(a)が試料番号1、図21(b)が試料番号2、図21(c)が試料番号3、図22(a)が試料番号4、図22(b)が試料番号5、図22(c)が試料番号6である。また、各図中、横軸は励起強度(MW/cm)、縦軸は、上段が発光ピーク強度(a.u.)、下段が発光ピークエネルギー(eV)を示している。また、●印が低励起強度時から徐々に励起強度を上げていった場合に観測された発光ピーク強度及びそのときの発光ピークエネルギーをプロットしたものであり、○印は励起強度を増加していったときに新たに発生した発光ピーク強度及びそのときの発光ピークエネルギーをプロットしたものである。
図21(a)〜(c)から明らかなように、P発光が認められなかった試料番号1〜3では、試料の平均粒径D50が大きくなると、発光ピークエネルギーが低エネルギー側にシフトすることが分かった。
一方、図22(a)〜(c)から明らかなように、試料番号4〜6では励起強度が閾値を超えるとP発光が生じ、しかもこのP発光は、励起強度が閾値を超えた後は、該励起強度の僅かな増加で非線形的に飛躍的に増大することが分かった。因みに、励起強度の変動幅に対し、発光ピーク強度は5〜12乗の大きさで飛躍的に上昇することを確認した。
また、P発光の発光ピークエネルギーは低く、したがって小さな光子エネルギーで大きな発光ピーク強度が得られることが分かった。
そして、以上よりZnO量子ドットの平均粒径D50と励起強度を制御することにより、所望の発光強度を有する光半導体素子が容易に得られることが分かった。
〔バンドギャップエネルギー依存性〕
図23は、試料番号1〜3の平均粒径D50に対するバンドギャップエネルギーEgを示す図であり、横軸が平均粒径D50(nm)、縦軸がバンドギャップエネルギー(eV)である。●印が試料番号1、×印が試料番号2、◆印が試料番号3を示している。
平均粒径D50が13.3nmの試料番号3は、バンドギャップエネルギーが3.32eVであり、ZnOのバルク結晶(約3.3eV)とほぼ同様の値だった。
しかしながら、平均粒径D50が11.0nmの試料番号2は、バンドギャップエネルギーは3.39eVと大きくなり、さらに平均粒径D50が6.5nmの試料番号3は、バンドギャップエネルギーが3.47eVに増大した。
すなわち、平均粒径D50が10nm以下の微小なZnO量子ドットは、P発光を発現しない代わりに、量子サイズ効果が顕著に発現した。したがって、マイクロエマルジョン法で作製されたZnO量子ドットは、平均粒径D50が10nm以下の場合は、量子サイズ効果を利用した量子ドットレーザに適していることが確認された。
同一のZnOドット分散溶液からP発光を利用した光半導体素子と量子サイズ効果を利用した光半導体素子の双方を得ることができる。
7 活性層
12 ZnO量子ドット
13 界面面活性剤
14 疎水性溶媒
23 活性層
24 量子細線
26 活性層
28 透明樹脂(絶縁体)
33 活性層
34 ZnO量子ドット

Claims (8)

  1. 活性層が、熱処理されたZnO量子ドットの構造体を有すると共に、
    熱処理前の前記ZnO量子ドットは、界面活性剤に包囲された形態で疎水性溶媒中に分散したZnO量子ドット分散溶液から取得されることを特徴とする光半導体素子。
  2. 前記熱処理されたZnO量子ドットは、平均粒径が14nm以上であることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子。
  3. 前記活性層は、前記熱処理されたZnO量子ドット内に閉じ込められた励起子同士の衝突により発光することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光半導体素子。
  4. 前記構造体は、薄膜構造、厚膜構造、量子細線構造、及び前記ZnO量子ドットが絶縁体中に分散した分散体構造のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光半導体素子。
  5. 前記熱処理されたZnO量子ドットは、平均粒径が10nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子。
  6. 前記活性層は、前記熱処理されたZnO量子ドットが、粒状に離散した状態で存在していることを特徴とする請求項1又は請求項5記載の光半導体素子。
  7. 前記熱処理されたZnO量子ドットは、前記熱処理時の熱処理条件に基づき粒子径が制御されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光半導体素子。
  8. 前記熱処理前の前記ZnO量子ドットは、前記界面活性剤と水とが前記疎水性溶媒中に分散した油中水滴型のマイクロエマルジョン溶液中で、Znアルコキシドの加水分解反応により生成されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の光半導体素子。
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