JP2008251876A - 発光素子および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光素子は、電子輸送層と、前記電子輸送層と互いに対向すると共に、離間して設けられたホール輸送層と、前記電子輸送層と前記ホール輸送層との間に挟持された複数の半導体微粒子からなる層を有する発光層であって、前記半導体微粒子は、前記電子輸送層又は前記ホール輸送層の互いに対向する少なくとも一方の表面に設けられた溝部に一粒子ずつ格納されている、発光層と、前記電子輸送層に面して設けられ、電気的に接続された第1の電極と、前記ホール輸送層に面して設けられ、電気的に接続された第2の電極と
を備える。
【選択図】図1
Description
前記電子輸送層と互いに対向すると共に、離間して設けられたホール輸送層と、
前記電子輸送層と前記ホール輸送層との間に挟持された複数の半導体微粒子からなる層を有する発光層であって、前記半導体微粒子は、前記電子輸送層又は前記ホール輸送層の互いに対向する少なくとも一方の表面に設けられた溝部に一粒子ずつ格納されている、発光層と、
前記電子輸送層に面して設けられ、電気的に接続された第1の電極と、
前記ホール輸送層に面して設けられ、電気的に接続された第2の電極と
を備えることを特徴とする。
前記第1の電子輸送層の表面に溝部を形成する工程と、
前記第1の電子輸送層上の溝部の底部に流動性を有する第2の電子輸送層を形成する工程と、
前記第1の電子輸送層上の溝部のそれぞれに半導体微粒子が一粒子ずつ並んだ半導体微粒子の一粒子層を形成する工程と、
前記半導体微粒子の上にホール輸送層を形成する工程と、
前記ホール輸送層の上に第2の電極を設ける工程と
を含むことを特徴とする。
前記誘電体を前記半導体微粒子の上部が露出するように除去する工程と
をさらに含んでもよい。
図1は、本発明の実施の形態1に係る発光素子10の構成を示す概略断面図である。この発光素子10は、基板1の上に、下部電極2、電子輸送層3、電子輸送層3の上に設けられた溝部16のそれぞれに半導体の微結晶を含む半導体微粒子11が一粒子ずつ入った半導体微粒子の一粒子層を有する発光層4、ホール輸送層5、上部電極6の順に積層された多層構造を有している。また、電子輸送層3とホール輸送層5とは、互いに対向すると共に、離間して設けられている。さらに、発光層4は、電子輸送層3とホール輸送層5との間に挟持された半導体微粒子11の一粒子層を有する。また、下部電極2は、電子輸送層3に電気的に接続されている。上部電極6は、ホール輸送層5に電気的に接続されている。発光層4は、半導体微粒子11間の間隙を埋める誘電体12をさらに有している。この誘電体12によってリーク電流を減少させることができる。なお、誘電体12は必ずしも必要でなく、例えば、外部の支持体等によって電子輸送層3とホール輸送層5とを所定の間隔で離間させておくことができれば誘電体12を用いなくてもよい。この発光素子10は、上部電極6と下部電極2との間に接続された電源7によって電圧を印加することによって発光させることができる。
<基板>
基板1には、例えば、ガラス基板,セラミックス基板,サファイア基板,窒化ホウ素(BN)基板,窒化アルミニウム基板,窒化ガリウム基板,窒化アルミニウム・ガリウム基板,窒化インジウム・ガリウム基板,炭化ケイ素(SiC)基板,シリコン(Si)基板、あるいは、金属基板、またはポリカーボネート樹脂,ポリエチレンテレフタレート樹脂,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂あるいはABS(Acrylonitrile−Butadiene−Styrene copolymer)樹脂等からなる樹脂基板を用いることができる。
電極として、下部電極2と上部電極6とがある。これらは、例えば、光を取り出す側の電極を透明電極として、他方の電極を背面電極としてもよい。それぞれの電極2,6は、光を取り出す側であるか否かでその材料等が限定される。なお、両方の電極2、6を透明電極としてもよい。そこで、下部電極2及び上部電極6について、その配置ではなく、透明電極として用いる場合と背面電極として用いる場合のそれぞれについて説明する。
電子輸送層3は、たとえばケイ素(Si)などのn型不純物を添加した第3B族元素の窒化物により構成されている。電子輸送層3は単結晶体,多結晶体,非晶質体,微粒子体、有機物あるいはこれらの複合体、積層膜などどのような形態を有していてもよい。
ホール輸送層5は、例えば、マグネシウム(Mg)などのp型不純物を添加した3B族元素の窒化物により構成されている。ホール輸送層5は、単結晶体,多結晶体,非晶質体,微粒子体、有機物あるいはこれらの複合体、積層膜などどのような形態を有していてもよい。
発光層4は、電子輸送層3とホール輸送層5との間に挟持された半導体微粒子11からなる層を有する。なお、上述のように、半導体微粒子11間の間隙を埋める誘電体12をさらに有してもよい。誘電体12を用いることによってリーク電流を減少させることができる。この発光層4を構成する半導体微粒子11からなる層は、電子輸送層3とホール輸送層5との間に一粒子層として形成されることが好ましい。半導体微粒子11の各粒子を介して電子輸送層3とホール輸送層5との間の電気的接続を行うことができる。なお、この半導体微粒子11の平均粒子径は、1〜100μmの範囲内であればよい。
この半導体の微結晶を含む半導体微粒子11は、少なくとも一部が微結晶により構成されておればよく、例えば、半導体微結晶以外の他の粒子を含んでいてもよい。また、例えば、微結晶に被覆層などが設けられた微粒子を含んでいてもよい。また、半導体微粒子11自体が単結晶であってもよい。ここで微結晶とは、単結晶または多結晶よりなる微粒子のことである。さらに、この半導体微粒子11は、禁制帯遷移発光(禁制帯遷移に起因する発光)またはドナーアクセプターペア発光(ドナーアクセプター準位間遷移に起因する発光)をするようになっている。すなわち、この粒子11は、禁制帯遷移発光機能またはドナーアクセプターペア発光機能をそれぞれ有している。
誘電体12には、必要に応じて低誘電率材料又は高誘電率材料を用いることができる。低誘電率材料の場合、具体的にはSiO2、Al2O3、Y2O3、BaTa2O6、Ta2O5などの金属酸化物やSi3N4などの窒化物、SiONなどの酸窒化物を用いることができる。また、高誘電率材料の場合、具体的にはペロブスカイト構造を有するセラミック材料が好ましく、さらに具体的にはPbNbO3やBaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、(Sr,Ca)TiO3などを用いることができる。半導体微粒子11間の間隙を誘電体12で埋めることによってリーク電流を生じにくくすることができる。
図2の(a)〜(l)は、本実施の形態1に係る発光素子10の製造方法の各工程を示す概略断面図である。
(a)まず、基板1の上に下部電極2をパターニングする(図2(a))。
(b)さらに、パターンニングされた下部電極2上に第1の電子輸送層3aを形成する(図2(b))。
(c)次に、第1の電子輸送層3aの上にレジスト14をパターニングする(図2(c))。
(d)パターンニングされたレジスト14を用いて、第1の電子輸送層3aを凹形に加工して、壁部15に挟まれた溝部16を形成する(図2(d))。このとき、加工方法にはウエットエッチング、ドライエッチングなどの方法を用いることができる。溝部16を構成する壁部15の間隔は、その後に配置する半導体微粒子11の直径よりやや大きい程度にする。これによって、溝部のそれぞれに半導体微粒子11がちょうど一粒子ずつ入るようにすることができる。また、壁部15の高さは、半導体微粒子11の直径より低くなるようにする。半導体粒子11の直径が壁部15より大きいので、半導体微粒子11は壁部15より上に突出し、半導体微粒子11をその後に形成するホール輸送層5と接触させることができる。
(e)その後、レジスト14を除去する(図2(e))。
(f)第1の電子輸送層3aの溝部16を埋めるように流動性を有する液体状の第2の電子輸送層3bを塗布により形成する(図2(f))。第2の電子輸送層3bは、液体の塗布により形成される。なお、第1の電子輸送層3aと第2の電子輸送層3bとは、同じ材料であっても異なる材料であってもよい。また、第2の電子輸送層3bは、流動性を有するものに限られず、半導体微粒子11を接着しうる接着性を有するもの、あるいは、半導体微粒子11が一部分だけ埋設されるものを用いることができる。
(g)次に、第2の電子輸送層3bは、溝部16の底部にのみ残るように除去する(図2(g))。
なお、半導体微粒子11は、第2の電子輸送層3bの上部にのみ接していてもよい。あるいは、半導体微粒子11は、第2の電子輸送層3bに埋設され、第1の電子輸送層3aに接していてもよい。この第1の電子輸送層3aと第2の電子輸送層3bによって電子輸送層3を構成する。また、半導体微粒子11からなる発光層4は、吹きつけによる方法に限られず、例えば、塗布等によって形成してもよい。
(i)半導体の微結晶を含む半導体微粒子11間の間隙を埋め込むように誘電体膜12を形成する(図2(i))。
(j)半導体の微結晶を含む粒子11の上部が露出するように余分の誘電体膜を除去する(図2(j))。
(k)半導体微粒子11の上にホール輸送層5を形成する(図2(k))。
(l)上記ホール輸送層5の上に上部電極6を形成する(図2(l))。
以上によって実施の形態1に係る発光素子10が形成される。
本発明の実施の形態2に係る発光素子は、実施の形態1に係る発光素子と比較すると、半導体微粒子11の内部構造において相違する。この半導体微粒子11は、図3の(a)及び(b)に示すようにp型部分13aとn型部分13bとを有し、粒子内部にpn接合を有する。また、各粒子11のp型部分13aの一部がホール輸送層5に接し、n型部分13bの一部が電子輸送層3に接している。これによって、半導体微粒子11の内部へホール及び電子が効率的に導入され、各粒子11の内部のpn接合において効率的に発光させることができる。
(1)p型ドープ材料23を粒子上に形成する。このp型ドープ材料23には、例えばMgなどの材料を用いる。
(2)熱処理等の手法により、半導体の微結晶を含む粒子11の上部にp型ドープされた部分13aを形成し、その後、不要なp型ドープ材料23を除去する。
以上の2工程を行うことによって半導体微粒子11の内部にpn接合を形成することができる。なお、上記の2工程は一例であって、これに限定されるものではない。
(a)それぞれn型半導体からなる内核13cとn型半導体からなる外殻13bとを有する半導体微粒子11を用意する(図4(a))。この内核と外殻とは、ドープ特性が異なり、内核はp型ドープされにくく、外殻はp型ドープされやすいものを用いる。
(b)粒子11の上部から、例えば、p型ドープ材料23によってドープを行う(図4(b))。
(c)この半導体微粒子11では、内核はp型ドープされにくいのでn型部分13cのまま残り、外殻はp型ドープされやすいので、下部に元のn型部分13bが残ると共に、上部から側部にかけてp型部分13aとなる(図4(a))。このようにして、外殻のp型ドープされた部分13aと、内核のn型部分13cとの界面においてpn接合が形成される。
以上によって、図3の(b)の構造を有する半導体微粒子11が形成される。この場合、外殻の下部にn型部分13bを残存するので、内核のn型部分13cからn型部分13bを介して電子輸送層3との電気的接続を確保することができる。
2 下部電極
3 電子輸送層
3a 第1の電子輸送層
3b 第2の電子輸送層
4 発光層
5 ホール輸送層
6 上部電極
7 電源
10 発光素子
11、11a 半導体微粒子
12 誘電体
13a p型部分
13b n型部分
13c n型部分
14 レジスト
15 壁部
16 溝部
23 p型ドープ材料
Claims (12)
- 電子輸送層と、
前記電子輸送層と互いに対向すると共に、離間して設けられたホール輸送層と、
前記電子輸送層と前記ホール輸送層との間に挟持された複数の半導体微粒子からなる層を有する発光層であって、前記半導体微粒子は、前記電子輸送層又は前記ホール輸送層の互いに対向する少なくとも一方の表面に設けられた溝部に一粒子ずつ格納されている、発光層と、
前記電子輸送層に面して設けられ、電気的に接続された第1の電極と、
前記ホール輸送層に面して設けられ、電気的に接続された第2の電極と
を備えることを特徴とする発光素子。 - 前記発光層を構成する前記半導体微粒子は、その内部にp型部分とn型部分とを有し、前記p型部分と前記n型部分との界面にpn接合を持ち、前記p型部分の一部が前記ホール輸送層に接すると共に、前記n型部分の一部が前記電子輸送層に接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
- 前記発光層は、前記半導体微粒子の一粒子層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の発光素子。
- 前記発光層は、前記半導体微粒子間の間隙を埋める誘電体をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記溝部を構成する前記壁部の間隔は、前記半導体微粒子の平均粒子径より大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記溝部を構成する前記壁部の高さは、前記半導体微粒子の平均粒子径より小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記半導体粒子は、GaN微結晶を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記半導体微粒子の平均粒子径は、1〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の発光素子。
- 基板上に、第1の電子輸送層を形成する工程と、
前記第1の電子輸送層の表面に溝部を形成する工程と、
前記第1の電子輸送層上の溝部の底部に流動性を有する第2の電子輸送層を形成する工程と、
前記第1の電子輸送層上の溝部のそれぞれに半導体微粒子が一粒子ずつ並んだ半導体微粒子の一粒子層を形成する工程と、
前記半導体微粒子の上にホール輸送層を形成する工程と、
前記ホール輸送層の上に第2の電極を設ける工程と
を含むことを特徴とする発光素子の製造方法。 - 前記半導体微粒子にpn接合を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の発光素子の製造方法。
- 前記半導体微粒子間の間隙に誘電体を埋め込む工程と、
前記誘電体を前記半導体微粒子の上部が露出するように除去する工程と
をさらに含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の発光素子の製造方法。 - 前記半導体微粒子として、GaNを含む半導体微粒子を使用することを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法。
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