JP2000344976A - フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物

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JP2000344976A
JP2000344976A JP11161846A JP16184699A JP2000344976A JP 2000344976 A JP2000344976 A JP 2000344976A JP 11161846 A JP11161846 A JP 11161846A JP 16184699 A JP16184699 A JP 16184699A JP 2000344976 A JP2000344976 A JP 2000344976A
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Japan
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random copolymer
butene
propylene
ethylene
olefin
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JP11161846A
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English (en)
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Yasuo Tanaka
泰夫 田中
Naoto Yasaka
直登 八坂
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒートシール強度、耐低温衝撃性、引張り特性
および透明性に優れたポリプロピレン樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】(A)ポリプロピレン樹脂50〜99重量
%、および(B)ゴム成分1〜50重量%からなり、前
記ゴム成分(B)が、 (i)密度0.850〜0.875g/cm3のエチレ
ンと炭素数4〜20のα−オレフインとのランダム共重
合体からなるエチレン系ランダム共重合体と、次の(i
i)および(iii)のうち少なくとも1つを重量比で9
5:5〜50:50の範囲で含むランダム共重合体組成
物からなることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成
物。 (ii)1−ブテン含有量60〜99モル%の1−ブテン
系ランダム共重合体 (iii)プロピレン含有量50〜90モル%のプロピレ
ン系ランダム共重合体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフィルム、
特にキャストフィルムやシーラント用フィルムとして使
用する際のヒートシール強度、低温シール性、耐低温衝
撃性、引張り特性、および透明性に優れたポリプロピレ
ン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は剛性、耐熱性等に
優れている反面、衝撃強度、特に低温における耐衝撃性
が低いという欠点を有している。この欠点を改良する目
的でポリプロピレン樹脂に、エチレン・プロピレンラン
ダム共重合体あるいはエチレン・ブテンランダム共重合
体等のエチレン系ランダム共重合体からなるゴム成分を
混合することはよく知られている。
【0003】しかしながら、このような従来のポリプロ
ピレン樹脂組成物においては、樹脂組成物中でのエチレ
ン・プロピレンランダム共重合体あるいはエチレン・ブ
テンランダム共重合体等のゴム成分の分散粒子径が大き
いため、ヒートシール強度が上がらず、このため一般に
ヒートシール強度および耐低温衝撃性のバランスがとれ
た組成物を得ることは困難であり、また透明性が悪く、
フィルム強度が劣る(柔らかくなりすぎる)などの問題
点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、樹脂組成物中のゴム成分の分散
粒子を小さくして、ヒートシール強度を向上させること
ができ、かつ耐低温衝撃性、フィルム強度(引張り特
性)および透明性に優れたポリプロピレン樹脂組成物を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のポリプロ
ピレン樹脂組成物及びフィルム用樹脂組成物並びにフィ
ルムである。 (I) (A)ポリプロピレン樹脂50〜99重量%、
および(B)ゴム成分1〜50重量%からなり、前記ゴ
ム成分(B)が、 (i)密度0.850〜0.875g/cm3、MFR
1900.1〜50g/10minのエチレンと炭素数4
〜20のα−オレフインとのランダム共重合体からなる
エチレン系ランダム共重合体と、次の(ii)および(ii
i)のうち少なくとも1つを重量比で95:5〜50:
50の範囲で含むランダム共重合体組成物からなること
を特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。 (ii)1−ブテン含有量60〜99モル%、MFR190
0.1〜50g/10minの1−ブテンと1−ブテン
を除く炭素数2〜20のα−オレフインとのランダム共
重合体からなる1−ブテン系ランダム共重合体 (iii)プロピレン含有量50〜90モル%、MFR230
1〜50g/10minのプロピレンとプロピレンを除
く炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合
体からなるプロピレン系ランダム共重合体 (II) (A)ポリプロピレン樹脂50〜99重量%、
および(B)ゴム成分1〜50重量%からなり、前記ゴ
ム成分(B)が、 (i)密度0.850〜0.875g/cm3、MFR
1900.1〜50g/10minのエチレンと炭素数4
〜20のα−オレフインとのランダム共重合体からなる
エチレン系ランダム共重合体と、次の(ii)および(ii
i)のうち少なくとも1つを、重量比で95:5〜5
0:50の範囲で含むランダム共重合体組成物からなる
ことを特徴とするフィルム用ポリプロピレン樹脂組成
物。 (ii)1−ブテン含有量60〜99モル%、MFR190
0.1〜50g/10minの1−ブテンと1−ブテン
を除く炭素数2〜20のα−オレフインとのランダム共
重合体からなる1−ブテン系ランダム共重合体 (iii)プロピレン含有量50〜90モル%、MFR230
1〜50g/10minのプロピレンとプロピレンを除
く炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合
体からなるプロピレン系ランダム共重合体 (III) (A)ポリプロピレン樹脂50〜99重量
%、および(B)ゴム成分1〜50重量%からなり、前
記ゴム成分(B)が、 (i)密度0.850〜0.875g/cm3、MFR
1900.1〜50g/10minのエチレンと炭素数4
〜20のα−オレフインとのランダム共重合体からなる
エチレン系ランダム共重合体と、次の(ii)および(ii
i)のうち少なくとも1つを、重量比で95:5〜5
0:50の範囲で含むランダム共重合体組成物からなる
ことを特徴とするフィルム。 (ii)1−ブテン含有量60〜99モル%、MFR190
0.1〜50g/10minの1−ブテンと1−ブテン
を除く炭素数2〜20のα−オレフインとのランダム共
重合体からなる1−ブテン系ランダム共重合体 (iii)プロピレン含有量50〜90モル%、MFR230
1〜50g/10minのプロピレンとプロピレンを除
く炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合
体からなるプロピレン系ランダム共重合体
【0006】本発明で使用される(A)成分のポリプロ
ピレン樹脂は、プロピレンの単独重合体、またはプロピ
レンと他のα−オレフィン、例えばエチレン、1−ブテ
ンなどとのランダムまたはブロック共重合体(通常、プ
ロピレン単位含有量90モル%以上、好ましくは93モ
ル%以上)であって、好ましくは沸騰n−ヘプタン不溶
分が90%以上、特には93%以上のものが使用でき
る。
【0007】このようなポリプロピレン樹脂(A)とし
ては、典型的には固体状チタン触媒成分と有機金属化合
物成分とから形成される触媒、あるいはこれら両成分お
よび電子供与体から形成される触媒を用いて製造でき
る。固体状チタン触媒成分としては、各種方法で製造さ
れた三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物、あるいは
マグネシウム、ハロゲン、電子供与体、好ましくは芳香
族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エーテルお
よびチタンを必須成分とし、比表面積が好適には100
2/g以上の担体付チタン触媒成分である。とくに後
者の担体付触媒成分を用いて製造したものが好適であ
る。
【0008】有機金属化合物としては有機アルミニウム
化合物が好適であり、例えばトリアルキルアルミニウ
ム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミ
ニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライ
ドなどがあげられ、これらはチタン触媒成分の種類によ
って好適なものも異なる。電子供与体としては、窒素、
リン、硫黄、酸素、珪素、ホウ素などを含む有機化合物
で、例えばエステル、エーテルなどを好適例としてあげ
ることができる。
【0009】担体付触媒成分を用いたポリプロピレンの
製造方法に関しては、例えば特開昭50−108385
号、同50−126590号、同51−20297号、
同51−28189号、同52−151691号などの
各公報に開示されている。
【0010】(B)成分のゴム成分を構成するエチレン
系ランダム共重合体(i)は、エチレンと炭素数4〜2
0のα−オレフインとのランダム共重合体ゴムであっ
て、エチレンを主体とするものである。エチレン系ラン
ダム共重合体(i)としては、密度が0.850〜0.
875g/cm3、好ましくは0.850〜0.870
g/cm3、特に好ましくは0.855〜0.868g
/cm3、MFR190(メルトインデックス:ASTM
D1238,65T,190℃、以下同様である)0.
1〜50g/10min,好ましくは0.5〜20g/
10min、さらに好ましくは1.0〜10g/10m
in、結晶化度40%以下、好ましくは20%以下、さ
らに好ましくは10%以下、α−オレフィンの炭素数4
〜20、好ましくは4〜10、さらに好ましくは4〜8
のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体が使用で
きる。尚、エチレン系ランダム共重合体(i)のエチレ
ン含有量としては、60〜90モル%が好ましい。これ
らのエチレン系ランダム共重合体(i)は1種単独で、
または2種以上を混合して使用することができる。
【0011】結晶化度は、成形後、少なくとも24時間
経過した厚さ1.0mmのプレスシートのX線回折測定
により求めた。
【0012】これらのエチレン系ランダム共重合体
(i)の密度が0.850〜0.875g/cm3の範
囲内にあると、ブロッキング等により樹脂のハンドリン
グ性や耐低温衝撃性の改良効果が大きい。MFR190
上記範囲内にあるとポリプロピレンへの分散性が良い。
また結晶化度が40%未満であると衝撃改良材としての
効果が大きい。そしてα−オレフィンの炭素数が20以
下であると、ポリマーのゴム的性質が大きくなり、衝撃
改良材としての効果が優れる。
【0013】(B)成分のゴム成分を構成する1−ブテ
ン系ランダム共重合体(ii)は、1−ブテンと1−ブ
テンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダ
ム共重合体ゴムであって、1−ブテンを主体とするもの
である。1−ブテン系ランダム共重合体(ii)として
は、1−ブテン含有量60〜99モル%、好ましくは7
0〜99モル%、さらに好ましくは75〜93モル%、
MFR1900.1〜50g/10min、好ましくは
0.5〜20g/10min、さらに好ましくは1.0
〜10g/10min、1−ブテンを除くα−オレフィ
ンの炭素数2〜20、好ましくは2〜10、さらに好ま
しくは2〜6の1−ブテン・α−オレフインランダム共
重合体が使用できる。これらの1−ブテン系ランダム共
重合体(ii)は1種単独で、または2種以上を混合し
て使用することができる。
【0014】また(B)成分のゴム成分を構成するプロ
ピレン系ランダム共重合体(iii)は、プロピレンとプ
ロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンとのラ
ンダム共重合体であって、プロピレンを主体とするもの
である。プロピレン系ランダム共重合体(iii)として
は、プロピレン含有量50〜90モル%、好ましくは5
5〜85モル%、さらに好ましくは60〜80モル%、
MFR2301〜50g/10min、好ましくは2〜2
0g/10min、さらの好ましくは3〜15g/10
min、プロピレンを除くα−オレフィンはα−オレフ
ィンの炭素数2〜20、好ましくは2〜10、さらに好
ましくは2〜6のプロピレン・α−オレフィン共重合体
が使用できる。これらプロピレン系ランダム共重合体
(iii)は1種単独あるいは2種以上を混合して使用す
ることができる。
【0015】エチレン系ランダム共重合体(i)は、公
知の可溶性バナジウム触媒とアルキルアルミニウムハラ
イド化合物からなる触媒系や、メタロセン触媒系を用い
て、複数の単量体をランダムに重合させて製造できる。
またエチレン系ランダム共重合体(i)は、直鎖状およ
び長鎖分岐のどちらでもよい。
【0016】1−ブテン系ランダム共重合体(ii)およ
びプロピレン系ランダム共重合体(iii)は、Ti系触
媒やメタロセン触媒系を用いて複数の単量体をランダム
に重合させて製造できる。
【0017】重合触媒として使用される可溶性バナジウ
ム化合物としては、例えば四塩化バナジウム、オキシ三
塩化バナジウム、バナジウムトリアセチルアセトネー
ト、オキシバナジウムトリアセチルアセトネートなどが
あげることができる。可溶性バナジウム化合物と組み合
わされて重合用触媒を構成するアルキルアルミニウムハ
ライド化合物としては、例えばエチルアルミニウムジク
ロリド、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルア
ルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムモノ
ブロミド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、イ
ソブチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニ
ウムセスキクロリドなどをあげることができる。
【0018】可溶性バナジウム触媒を使用する重合は、
溶液状または懸濁状あるいはこの中間領域で行うことが
でき、いずれの場合にも不活性溶剤を反応媒体とするの
が好ましい。重合に使用される溶剤としては炭素数3〜
12程度の脂肪族炭化水素があげられ、例えばプロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、灯油ある
いはハロゲン化炭化水素、例えばメチルクロリド、エチ
ルクロリド、エチレンジクロリド、などを単独、もしく
は混合して使用することができる。重合温度は通常0〜
100℃である。
【0019】メタロセン系触媒としては、下記式(1)
で示される(a)ブリッジタイプの遷移金属化合物(以
下、単に遷移金属化合物という場合がある)と、この
(a)遷移金属化合物を活性化させ得る化合物であっ
て、かつ(b)有機アルミニウム化合物、(c)有機ア
ルミニウムオキシ化合物、および(d)上記(a)遷移
金属化合物と反応してイオン対を形成するイオン化イオ
ン性化合物からなる(b)〜(d)の化合物群から選ば
れる少なくとも1種の化合物とを含むメタロセン系触媒
が好ましい。
【化1】
【0020】前記式(1)中、Mは周期律表第IV〜VIB
族の遷移金属であり、具体的には、チタニウム、ジルコ
ニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、
クロム、モリブデン、タングステンであり、好ましくは
チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好
ましくはジルコニウムである。
【0021】前記式(1)中、R1、R2、R3およびR4
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1
〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオ
ウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、また互
いに隣接する基の一部が結合してそれらの基が結合する
炭素原子とともに環を形成していてもよい。なお、式中
それぞれ2個ずつ存在するR1〜R4は、これらが結合し
て環を形成する際には同一記号同士の組み合せで結合す
ることが好ましいことを示しており、たとえばR1とR1
とで結合して環を形成することが好ましいことを示して
いる。
【0022】前記式(1)中、X1およびX2は、互いに
同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原
子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の
炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基である。こ
れらの原子または基としては、具体的には、R1〜R4
示した原子または基と同様のものが挙げられる。
【0023】前記式(1)中、Yは、ハロゲンで置換さ
れていてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O
−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR5
−、−P(R5)−、−P(O)(R 5)−、−BR5−または
−AlR5−である。ここで、R5は水素原子、上記と同
様のハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭
素数1〜20の炭化水素基である。
【0024】前記式(1)で示される(a)ブリッジタ
イプの遷移金属化合物の具体例を下記する。ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(t-ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(ネオペンチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス(1-シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(3-メチルシ
クロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2,4-ジメチルシクロペン
タジエニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2,3,5-トリメチルシクロペンタジ
エニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0025】さらに、上記の遷移金属化合物のジルコニ
ウムを、チタニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル、クロム、モリブデン、またはタングステ
ンに置き換えた遷移金属化合物を挙げることができる。
【0026】メタロセン触媒を使用する重合は、懸濁重
合、溶液重合などの液相重合法あるいは気相重合法のい
ずれの方法によっても行うことができる。液相重合法で
は脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、
ハロゲン化炭化水素、石油留分およびこれらの混合物な
どの不活性炭化水素溶媒、またはプロピレンなどのα−
オレフィン溶媒などを用いることができる。重合は、回
分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行う
ことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上
に分けて行うことも可能である。得られる共重合体の分
子量は、重合系に水素を存在させるか、あるいは重合温
度、重合圧力を変化させることによって調節することが
できる。
【0027】1−ブテン系ランダム共重合体(ii)は、
前記ポリプロピレン樹脂(A)の場合と同様の触媒を用
いて、同様の操作により複数の単量体をランダムに重合
させて製造することができる。
【0028】本発明のゴム成分(B)は、上記エチレン
系ランダム共重合体(i):1−ブテン系ランダム共重
合体(ii)および/またはプロピレン系ランダム共重合
体(iii)の重量比が95:5〜50:50、好ましく
は90:10〜60:40、さらに好ましくは90:1
0〜70:30となるように配合したランダム共重合体
組成物からなるものである。
【0029】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、前
記ポリプロピレン樹脂(A)50〜99重量%、好まし
くは70〜95重量%、さらに好ましくは80〜92重
量%、と、上記ゴム成分(B)1〜50重量%、好まし
くは5〜30重量%さらに好ましくは8〜20重量%、
とを配合した組成物である。
【0030】本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、
本発明の目的を損なわない範囲でポリエチレン樹脂等の
他の樹脂成分を配合することができ、また酸化防止剤、
紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、帯電
防止剤、防曇剤、難燃剤、顔料、染料、無機または有機
の充填剤などの各種添加剤を配合することができる。
【0031】本発明のポリプロピレン樹脂組成物を調整
するには、公知の任意の方法が採用でき、例えばV型ブ
レンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等の
混合機により混合する方法、および/または押出機、ミ
キシングロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の混
練機により混練する方法を組み合わせて、あるいは単独
で採用することができる。各成分を混合する順番に特に
制限はないが、エチレン系ランダム共重合体(i)と1
−ブテン系ランダム共重合体(ii)またはプロピレン系
ランダム共重合体(iii)とを先に混合し、後にポリプ
ロピレン樹脂(A)を混合する方法、または3成分を一
括して混合する方法などが採用できる。
【0032】こうして得られるポリプロピレン樹脂組成
物は、ゴム成分として1−ブテン系ランダム共重合体
(ii)またはプロピレン系ランダム共重合体(iii)が
存在するため、エチレン系ランダム共重合体のポリプロ
ピレン樹脂に対する分散性が良好であり、このため分散
粒子径が小さくなって、ヒートシール強度、引張り強度
が向上し、かつ耐低温衝撃性および透明性に優れたフィ
ルム等の成形物が得られる。
【0033】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、包
装用フィルムなど、ヒートシール性、耐低温衝撃性、フ
ィルム強度および透明性を要求されるフィルム、シート
等に適しているが、他の成形物として利用できる。
【0034】
【発明の効果】以上の通り、本発明のポリプロピレン樹
脂組成物は、エチレン系ランダム共重合体と1−ブテン
系ランダム共重合体またはプロピレン系ランダム共重合
体からなるゴム成分を含むため、低温ヒートシール性、
シール強度、フィルム強度を向上させることができ、か
つ耐低温衝撃性および透明性に優れている。特にフィル
ムインパクト、引張り強度、ヒートシール開始温度の点
で優れるため、フィルム特にキャストフィルムとして好
適に用いられる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の優れた効果を実施
例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0036】[実施例1]密度0.860g/cm3
MFR1903.6g/10minのエチレン・1−ブテ
ンランダム共重合体(EBR)90重量部、および1−
ブテン含有量95モル%、MFR1904.0g/10m
in、Tm104℃の1−ブテン・エチレンランダム共
重合体(BER)10重量部をヘンシェルミキサーで混
合し40mφ押出機を用いてペレット化した。このペレ
ット化EBR/BER混合物15重量部と、エチレン含
有量3.5モル%、MFR230=6.5g/10mi
n、Tm=141℃のプロピレン・エチレンランダム共
重合体85重量部をヘンシェルミキサーで混合し、フィ
ルム成形し、50μmの厚さのフィルムを成形した。
【0037】次に得られたフィルムについて0℃および
−10℃でのフィルムインパクト、霞度(ヘイズ)、光
沢度(グロス)、引張り強度(JISK6781に準ず
る)およびヒートシール特性を測定した。ここで、フィ
ルムインパクトは振子式フィルムインパクト測定装置を
用いて測定した。またヒートシール特性としては、フィ
ルムを0.2MPaの圧力で1秒間ヒートシールして3
00mm/minでTピールしたとき5N/15mmの
強度が出るヒートシール開始温度(H.S.開始温度)
および150℃でのヒートシール強度(H.S.強度)
の各特性について測定した。結果を表1に示す。
【0038】[実施例2]EBR80重量部、およびB
ER20重量部とする以外は実施例1と同様にしてフィ
ルムを成形し、測定を行った。結果を表1に示す。
【0039】[実施例3]EBR70重量部、およびB
ER30重量部とする以外は実施例1と同様にしてフィ
ルムを成形し、測定を行った。結果を表1に示す。
【0040】[実施例4]1−ブテン・エチレンランダ
ム共重合体(BER)の代わりに、プロピレン含有量2
4モル%、MFR2306.0g/10min、Tm11
0℃のプロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PB
R)を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを
成形し、測定を行った。結果を表1に示す。
【0041】[実施例5]EBR80重量部、およびP
BR20重量部とする以外は実施例1と同様にしてフィ
ルムを成形し、測定を行った。結果を表1に示す。
【0042】[実施例6]EBR70重量部、およびP
BR30重量部とする以外は実施例1と同様にしてフィ
ルムを成形し、測定を行った。結果を表1に示す。
【0043】[比較例1]EBR15重量部とプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体85重量部を用いた以外
は、実施例1と同様にしてフィルムを成形し、測定を行
った。結果を表1に示す。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA15X AA20 AA20X AA21X AA76 AA82 AA88 AF11 AF15 AF16 AF20 AF23 AF30 AF32 AF59 AH04 BB06 BC01 4J002 BB052 BB121 BB143 BB153 BB173 GG02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリプロピレン樹脂50〜99重
    量%、および(B)ゴム成分1〜50重量%からなり、
    前記ゴム成分(B)が、 (i)密度0.850〜0.875g/cm3、MFR
    1900.1〜50g/10minのエチレンと炭素数4
    〜20のα−オレフインとのランダム共重合体からなる
    エチレン系ランダム共重合体と、次の(ii)および(ii
    i)のうち少なくとも1つを重量比で95:5〜50:
    50の範囲で含むランダム共重合体組成物からなること
    を特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。 (ii)1−ブテン含有量60〜99モル%、MFR190
    0.1〜50g/10minの1−ブテンと1−ブテン
    を除く炭素数2〜20のα−オレフインとのランダム共
    重合体からなる1−ブテン系ランダム共重合体 (iii)プロピレン含有量50〜90モル%、MFR230
    1〜50g/10minのプロピレンとプロピレンを除
    く炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合
    体からなるプロピレン系ランダム共重合体
  2. 【請求項2】 (A)ポリプロピレン樹脂50〜99重
    量%、および(B)ゴム成分1〜50重量%からなり、
    前記ゴム成分(B)が、 (i)密度0.850〜0.875g/cm3、MFR
    1900.1〜50g/10minのエチレンと炭素数4
    〜20のα−オレフインとのランダム共重合体からなる
    エチレン系ランダム共重合体と、次の(ii)および(ii
    i)のうち少なくとも1つを、重量比で95:5〜5
    0:50の範囲で含むランダム共重合体組成物からなる
    ことを特徴とするフィルム用ポリプロピレン樹脂組成
    物。 (ii)1−ブテン含有量60〜99モル%、MFR190
    0.1〜50g/10minの1−ブテンと1−ブテン
    を除く炭素数2〜20のα−オレフインとのランダム共
    重合体からなる1−ブテン系ランダム共重合体 (iii)プロピレン含有量50〜90モル%、MFR230
    1〜50g/10minのプロピレンとプロピレンを除
    く炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合
    体からなるプロピレン系ランダム共重合体
  3. 【請求項3】 (A)ポリプロピレン樹脂50〜99重
    量%、および(B)ゴム成分1〜50重量%からなり、
    前記ゴム成分(B)が、 (i)密度0.850〜0.875g/cm3、MFR
    1900.1〜50g/10minのエチレンと炭素数4
    〜20のα−オレフインとのランダム共重合体からなる
    エチレン系ランダム共重合体と、次の(ii)および(ii
    i)のうち少なくとも1つを、重量比で95:5〜5
    0:50の範囲で含むランダム共重合体組成物からなる
    ことを特徴とするフィルム。 (ii)1−ブテン含有量60〜99モル%、MFR190
    0.1〜50g/10minの1−ブテンと1−ブテン
    を除く炭素数2〜20のα−オレフインとのランダム共
    重合体からなる1−ブテン系ランダム共重合体 (iii)プロピレン含有量50〜90モル%、MFR230
    1〜50g/10minのプロピレンとプロピレンを除
    く炭素数2〜20のα−オレフィンとのランダム共重合
    体からなるプロピレン系ランダム共重合体
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