JP2000338788A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000338788A
JP2000338788A JP14453899A JP14453899A JP2000338788A JP 2000338788 A JP2000338788 A JP 2000338788A JP 14453899 A JP14453899 A JP 14453899A JP 14453899 A JP14453899 A JP 14453899A JP 2000338788 A JP2000338788 A JP 2000338788A
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belt
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Yukio Hara
幸雄 原
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】中間転写ベルトの寿命が長く、白抜けなどの画
質欠陥の発生が防止された画像形成装置を提供する。 【解決手段】静電潜像が形成される像担持体1と、像担
持体1上に静電潜像を形成する静電潜像形成装置2と、
静電潜像をトナーで現像する現像装置5,6,7,8
と、像担持体1上のトナー像を中間転写体10に転写す
る1次転写ロール25と、転写されたトナー像を担持し
ながらB方向に移動する中間転写体10と、中間転写体
10上のトナー像を用紙Pに転写するバイアスロール3
およびバックアップロール22とを備え、中間転写体1
が、1×1010Ω/□以上1×1014Ω/□以下の表面
抵抗率を有するものであり、かつ中間転写体1表面に
2.5kVRMSの交流電圧を10時間連続印加した場
合の印加前後の表面抵抗率をρs1,ρs2とした時、
ρs1/ρs2<10なる関係を満たすようにした画像
形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やプリンタなどに用いられる画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置として、無
機または有機材料からなる光導電性感光体の表面層を有
する像担持体を一様に帯電させた後、画像信号を変調し
たレーザ光などにより像担持体上に静電潜像を形成し、
その静電潜像を帯電したトナーで現像して可視化された
トナー像を形成し、次にそのトナー像を中間転写体を介
して、あるいは直接に記録紙などの記録媒体に静電的に
転写することにより所望の再生画像を得る方式の画像形
成装置が知られている。
【0003】この方式の画像形成装置のうち中間転写体
として中間転写ベルトを用いる方式の画像形成装置とし
て、例えば、特開昭62−206567号公報などに
は、像担持体上に形成したトナー像を中間転写ベルトに
1次転写し、次に中間転写ベルト上のトナー像を記録紙
に2次転写する方式の画像形成装置が開示されている。
この方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトの
材料としては、例えば、特開平06−095521号公
報ではポリカーボネイト樹脂、特開平5−200904
号公報や特開平6−228335号公報ではPVDF
(ポリフッ化ビニリデン)、特開平6−149081号
公報ではポリアルキレンフタレート、特開平6−149
083号公報ではPC(ポリカーボネイト)/PAT
(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、特
開平6−149079号公報ではETFE(エチレンテ
トラフロロエチレン共重合体)/PC、ETFE/PA
T、およびPC/PATのブレンド材料などの熱可塑性
樹脂にカーボンブラックなどの導電剤を分散してなる導
電性の樹脂材料を用いる提案がなされている。
【0004】また、機械的特性が優れた樹脂材料とし
て、ポリイミド樹脂を挙げることができる。例えば、特
許第2560727号公報(特開昭63−311263
号公報)には、カーボンブラック分散のポリイミド無端
ベルトを用いた画像形成装置が開示されている。
【0005】さらに、中間転写体方式を採用した画像形
成装置に用いられるベルト材料として、特開平9−30
5038号公報や特開平10−240020号公報に
は、ポリエステルなどの織布と弾性部材を積層してなる
補強材入りの弾性ベルトが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術のうち
カーボンブラック分散のポリカーボネイト、カーボンブ
ラック分散のエチレンテトラフロロエチレン共重合体、
カーボンブラック分散のポリイミド樹脂などの導電性の
無端ベルトを中間転写体として用いた場合に、10℃1
5%RHの低温低湿環境において、多重色の6mm□パ
ッチ部を1000枚以上転写(転写電圧2kVを印加)
すると多重色のパッチ部の表面抵抗率が周辺部より低下
する。その中間転写体を用いてマゼンタ30%のハーフ
トーン画像を転写すると、上記の6mm□パッチ部が白
く抜けてしまうことがある。
【0007】このように6mm□パッチ部が白抜けする
のは、一次転写部でのトナー粒子間のエアーギャップで
の放電現象によって、多数回の転写が繰り返される6m
m□パッチ部に過剰な電流が流れ、一次転写部での長期
間にわたる繰返し電圧印加によって、中間転写体の転写
面に局部的な導電経路が形成され、転写面の6mm□パ
ッチ部の表面抵抗率が周辺部の表面抵抗率より低下する
ために、パッチ部の転写効率が周辺部の転写効率より低
下することが原因であると考えられる。
【0008】従来は、高価格であったために一部の法人
ユーザのみが対象であったフルカラーの複写機やプリン
タは、価格の低減に伴いスモールオフィスや一般家庭を
も含む、より広範なユーザが対象になりつつある。この
ような広範なユーザを対象にしたフルカラーの複写機や
プリンタでは、従来以上に本体を小型化し、低価格化す
ることが必要であるとともに、メンテナンスの手間の減
少および中間転写ベルトの寿命延長によるランニングコ
ストの低減がより一層重要な課題である。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑み、中間転写ベ
ルトの寿命が長く、白抜けなどの画質欠陥の発生が防止
された画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の画像形成装置は、表面に静電潜像が形成される像担
持体と、その像担持体上に画像情報に応じた静電潜像を
形成する静電潜像形成装置と、上記像担持体上に形成さ
れた静電潜像をトナーにより現像する現像装置と、現像
装置により形成された上記像担持体上のトナー像の転写
を受け転写されたトナー像を担持しながら所定の方向に
移動する中間転写体と、上記像担持体上のトナー像を上
記中間転写体に静電的に転写する1次転写装置と、上記
中間転写体に転写されたトナー像を所定の記録媒体に転
写する2次転写装置とを備えた画像形成装置において、
上記中間転写体が、1×1010Ω/□以上1×1014Ω
/□以下の表面抵抗率を有するものであり、かつ上記中
間転写体が、中間転写体表面に2.5kVRMSの交流
電圧を連続して10時間連続印加した場合における、交
流電圧印加前の表面抵抗率をρs1、交流電圧印加後の
表面抵抗率をρs2としたとき、 ρs1/ρs2<10 なる関係を満たすものであることを特徴とする。
【0011】ここで、上記中間転写体が、1×109Ω
cm以上1×1014Ωcm以下の体積抵抗率を有するも
のであることが好ましい。
【0012】なお、上記中間転写体が、ベルト形状のも
のであってもよく、また、上記中間転写体が、ドラム形
状のものであってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0014】本発明の画像形成装置は、中間転写体を使
用した電子写真方式の画像形成装置に適用することがで
きる。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容す
るモノカラー画像形成装置や、感光体ドラムなどの像担
持体上に形成された、互いに色の異なる複数のトナー像
を中間転写体に順次1次転写してカラートナー像を形成
しそれを記録媒体に2次転写するカラー画像形成装置
や、互いに異なる色のトナーを収容する現像器を備えた
複数の像担持体を中間転写体に沿って配置したタンデム
型カラー画像形成装置などに適用される。
【0015】図1は、本発明の画像形成装置が適用され
るフルカラー画像形成装置の概略構成図である。
【0016】このカラー画像形成装置は、矢印A方向に
回転する、像担持体としての感光体ドラム1、感光体ド
ラム1上に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜
像形成装置2、感光体ドラム1上に形成された静電潜像
をB(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、
C(シアン)の各色のトナーで現像してそれぞれの色の
トナー像tを形成する現像装置5,6,7,8、1次転
写位置T1において感光体ドラム1に接触してトナー像
tの転写を受ける、矢印B方向に循環移動する中間転写
ベルト10、1次転写位置T1において中間転写ベルト
10を介して感光体ドラム1に対向して配置された、感
光体ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト10に転写
する1次転写装置を構成する導電性ロール25、2次転
写位置T2において中間転写ベルト10上のトナー像を
記録媒体である用紙Pに転写する2次転写装置を構成す
るバイアスロール3、およびバイアスロール3に対向し
て配置されたバックアップロール22を備えている。中
間転写ベルト10の詳細については後述する。
【0017】これらのほかに、感光体ドラム1上に残留
したトナーを除去する感光体クリーナ16、中間転写ベ
ルト10を支持するベルトローラ21,23,24、バ
イアスロール3に付着したトナー粒子や紙粉などの異物
を除去する、ポリウレタンなどからなるクリーニングブ
レード15、バックアップロール22に電圧を印加する
電極ロール26、2次転写位置T2の下流側に配置され
た、中間転写ベルト10から用紙Pを剥離する剥離爪1
3、中間転写ベルト10上の残留トナー像を除去するベ
ルトクリーナ9、用紙Pを収容する記録紙トレー4、記
録紙トレー4内の用紙Pを2次転写位置T2に供給する
給紙装置14、さらに、バイアスロール3にバイアス電
圧を供給する電源(図示せず)、導電性ロール25にバ
イアス電圧を供給する電源(図示せず)などが備えられ
ている。
【0018】次に、この画像形成装置の動作について説
明する。
【0019】感光体ドラム1表面が、図示しない帯電装
置により一様に帯電されたのち、レーザ書込装置などか
らなる静電潜像形成装置2により感光体ドラム1上に第
1色、例えば、Bの静電潜像が形成される。このBの静
電潜像は現像装置5によりBトナーで現像されて可視化
されたトナー像tが形成される。トナー像tは感光体ド
ラム1のA方向への回転により1次転写位置T1に搬送
され、導電性ロール25からトナー像tに逆極性の電界
を作用させることにより静電的に中間転写ベルト10に
吸着され、中間転写ベルト10の矢印B方向への移動に
伴い中間転写ベルト10に1次転写される。
【0020】以下、同様にして第2色のYのトナー像
t、第3色のMのトナー像t、第4色のCのトナー像t
が順次形成され、中間転写ベルト10上において重ね合
わされるように1次転写されて多重トナー像が形成され
る。なお、中間転写ベルト10上への各色トナー像の1
次転写が完了するまでの間は、バイアスロール3、剥離
爪13、およびベルトクリーナ9などは中間転写ベルト
10から離れた退避位置に引き込まれている。
【0021】中間転写ベルト10に形成された多重トナ
ー像は中間転写ベルト10のB方向への移動に伴い2次
転写装置に搬送される。
【0022】単色画像形成の場合は、1次転写されたト
ナー像tは直ちに2次転写されて定着装置に搬送される
が、複数色の重ね合わせ転写による多色画像形成の場合
は、各色のトナー像が1次転写装置により中間転写ベル
ト10上の同一位置に正確に転写されるように中間転写
ベルト10と感光体ドラム1との回転を同期させて各色
のトナー像が相互にずれないように構成されている。
【0023】2次転写装置は、中間転写ベルト10のト
ナー像を担持する表面側に接して配置されたバイアスロ
ール3と、中間転写ベルト10の裏面側に接してバイア
スロール3に対向して配置されたバックアップロール2
2と、バックアップロール22に圧接しながら回転する
電極ロール26とから構成される。電極ロール26に
は、トナー像の極性と同極性の転写バイアス電圧が印加
されている。
【0024】用紙Pは記録紙トレー4に収容された記録
紙束から給紙装置14により一枚ずつ取り出され、2次
転写位置T2における中間転写ベルト10とバイアスロ
ール3との間に形成されるニップ部に所定のタイミング
で供給される。用紙Pと重ね合わされてニップ部に供給
された中間転写ベルト10上の多色トナー像は、バイア
スロール3およびバックアップロール22による圧接搬
送作用、転写バイアス電圧による静電反発作用、および
中間転写ベルト10の回転作用により用紙Pに転写され
る。
【0025】ここで、最終のトナー像の1次転写が終了
するまで退避位置に引き込まれていた剥離爪13を作動
位置に移動させることにより、トナー像が転写された用
紙Pは中間転写ベルト10から剥離され、図示しない定
着装置に搬送されて加圧/加熱処理を受けトナー像は定
着されて永久画像とされる。
【0026】なお、多重トナー像の用紙Pへの転写が終
了した中間転写ベルト10は、2次転写位置T2の下流
側に配置されたベルトクリーナ9により残留トナーの除
去が行われ、次の画像形成サイクルに備えられる。
【0027】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。
【0028】図2は、本発明の画像形成装置が適用され
るフルカラー画像形成装置の他の実施形態を示す概略構
成図である。
【0029】図2に示すように、この実施形態の画像形
成装置は、中間転写体として中間転写ドラム30を用
い、中間転写ドラム30の外周に沿って互いに異なる色
のトナー、例えばB(ブラック)、Y(イエロー)、M
(マゼンタ)、C(シアン)の各色のトナーを収容する
現像器5,6,7,8を配置したカラー画像形成装置で
ある。
【0030】この画像形成装置は、図2に示すように、
中間転写体として中間転写ドラム30を用いた点が、図
1に示した中間転写ベルトを用いた画像形成装置と異な
るのみでそれ以外は本質的に同一の構成となっている。
なお、この画像形成装置では、図1の実施形態における
ベルトローラ21,23,24は当然不要であり、バッ
クアップロール22に対応する電極部材および導電性ロ
ール25も必ずしも必要ではない。
【0031】この実施形態のように中間転写体として中
間転写ドラムを用いる場合には、アルミニウム、ステン
レス鋼(SUS)、銅などで形成された円筒状の基材の
表面に必要に応じて弾性層を被覆し、その表面に、以下
に説明する中間転写ベルトに関する実施例と同様の材料
を被覆したものを用いて中間転写体を構成することがで
きる。
【0032】なお、本実施形態の画像形成装置の動作
は、図1に示す画像形成装置とほぼ同様であるので説明
は省略する。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施例および比較例について
説明する。 [実施例1]図1に示した画像形成装置に用いられる中
間転写ベルト10を次のようにして作製した。
【0034】2軸押出機を用いて、三洋化成工業(株)
製のペレスタット6321(商品名)20重量部と呉羽
化学工業(株)製#1100ポリフッ化ブニリデン(P
VDF)樹脂100重量部とを混練してイオン導電性ポ
リマ分散のポリフッ化ビニリデン樹脂のペレットを得
た。次に、このペレットを1軸押出機により220℃の
加熱温度でチューブ形状に成型して厚み0.15mmの
無端ベルトを得た。この無端ベルトの表面抵抗率は1
2.4 logΩ/□、体積抵抗率は12.5 log
Ωcmであった。この無端ベルトに周波数50Hzの交
流電圧2.5kVrmsを10時間連続印加した場合に
おける表面抵抗率低下量は0.2桁(logΩ/□)で
あった。また、この無端ベルトを図1に示した画像形成
装置の中間転写ベルト10として用い、1000枚の連
続プリントを行った時の6mmパッチ部の表面抵抗率低
下量は0.1桁(logΩ/□)であった。
【0035】この実施例のように、中間転写体の表面抵
抗率を1×1010Ω/□以上1×1014Ω/□以下の範
囲、好ましくは、1×1011Ω/□以上1×1013Ω/
□以下の範囲とすることにより、中間転写体表面層の表
面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜けや、表
面抵抗率が低い場合に発生する画質劣化の問題を解決す
ることができる。すなわち、中間転写体の表面抵抗率が
1014Ω/□以上の場合は、一次転写部における像担持
体と中間転写体が剥離するポストニップ部で剥離放電が
発生してしまい、放電が発生した部分には白抜けが発生
する。また、中間転写体の表面抵抗率が109Ω/□以
下の場合は、プレニップ部での電界強度が強くなり、プ
レニップ部でのギャップ放電が発生しやすくなるために
画質の粒状性が悪化する。
【0036】さらに、中間転写体の初期の表面抵抗率ρ
s1と、中間転写体の転写面に交流電圧2.5kVRM
Sを連続10時間連続印加した場合における表面抵抗率
ρs2とが下記の(1)式を満足するように中間転写体
を構成することにより、長期の繰返し電圧印加による局
部的な表面抵抗率の低下を起こすことのない中間転写体
を実現することができる。
【0037】ρs1/ρs2<10 (1) 表面抵抗率ρs1,ρs2は次に示す装置により測定す
ることができる。
【0038】図3は、中間転写体に交流電圧を長時間印
加した場合の表面抵抗率の変化を測定する装置の断面図
である。
【0039】図3に示すように、幅100mmの中間転
写体31の転写面上に、厚さ0.3mmのポリイミドシ
ート32を間に挟んで直径15mmの2本の金属ロール
33,34を並べ、これら2本の金属ロール33,34
を電極として周波数50Hzの交流電圧2.5kVRM
Sを印加し、交流電圧印加前後の中間転写体の表面抵抗
率を測定した。
【0040】本発明者は、中間転写体への交流電圧印加
による表面抵抗率低下の原因について鋭意検討を進めて
きた結果、中間転写体転写面の表面抵抗率低下は印加電
圧に依存していること、また、直流電圧を印加した場合
よりも交流電圧を印加した場合の方が表面抵抗率低下に
対する影響が大きいこと、また、高周波数の交流電圧を
印加した方が表面抵抗率低下に対する影響が大きいこ
と、さらに、中間転写体表面に2.5kVRMSの交流
電圧を連続して10時間連続印加した場合における、交
流電圧印加前の表面抵抗率ρs1と交流電圧印加後の表
面抵抗率ρs2との間に上記(1)式の関係が成立して
いる場合は、10℃15%RHの低温低湿環境における
連続1000枚コピーした後の多重色の6mm□パッチ
部の表面抵抗率の低下量が0.7桁以内におさまり、白
抜けなどの画質欠陥を防止することが可能であることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0041】なお、交流電圧印加前後の表面抵抗率の低
下量が1.1桁以内であれば、パッチ部の表面抵抗率が
周辺部の表面抵抗率より低下して、マゼンタ30%のハ
ーフトーン画像を転写した場合にパッチ部が白く抜ける
などの画質欠陥を発生することがない。また、10℃1
5%RHの低温低湿環境において、連続1000枚コピ
ー後の多重色の6mm□パッチ部の表面抵抗率が0.7
桁以内であれば、一次転写で形成される多重色パッチ部
の表面抵抗率が周辺部の表面抵抗率より低下して、白抜
けなどの画質欠陥を発生することがなく、画像形成装置
本体の寿命と同等の耐久性をもつ中間転写体を得ること
ができる。
【0042】このように、交流電圧印加前後の中間転写
体の表面抵抗率の変化割合(ρs1/ρs2)が上記
(1)式を満足させるものであれば、上記の白抜けなど
の画質欠陥を回避することが可能であり、その中間転写
体は十分な寿命を有しているものと判断することができ
る。なお、表面抵抗率の変化割合は好ましくは0.4未
満である。
【0043】このような特性を有する中間転写体を得る
には、中間転写体を構成する樹脂材料、導電剤など各種
材料の選択とその配合量・分散条件の調整、および中間
転写体の層構成や製造方法の最適化など種々の条件が考
えられるが、中間転写体の表面抵抗率が1×1010Ω/
□以上1×1014Ω/□以下であり、かつ、交流電圧
2.5kVRMSを連続10時間印加した前後の中間転
写体の表面抵抗率が上記(1)式を満足するものでさえ
あれば、特に他の条件に限定されるものではない。
【0044】本実施形態の画像形成装置に用いられる中
間転写体の樹脂材料としては、例えば、ポリイミド、ポ
リエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミ
ド、ポリカーボネイト、ポリフッ化ビニリデンなどの樹
脂材料およびこれらを主原料としてなる樹脂材料を挙げ
ることができる。
【0045】これらの樹脂材料に、表面抵抗率を1×1
10Ω/□以上1×1014Ω/□以下の範囲に制御する
ために、電子電導性系導電剤またはイオン電導性導電剤
の導電剤を添加する。電子電導性系導電剤としては、カ
ーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケ
ル、銅合金などの金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、
チタン酸カリウム、酸化錫−酸化インジウムまたは酸化
錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などを
挙げることができ、イオン電導性導電剤としては、スル
ホン酸塩やアンモニア塩など、また、カチオン系、アニ
オン系、ノニオン系などの各種の界面活性剤などを挙げ
ることができる。
【0046】さらに、導電性ポリマをブレンドする方法
があり、導電性ポリマとしては、例えば、カルボキシル
基に4級アンモニウム塩基を結合する(メタ)アクリレ
ートとの各種(例えばスチレン)共重合体、4級アンモ
ニウム塩基と結合するマレイミドとメタアクリレートと
の共重合体などの4級アンモニウム塩基を結合するポリ
マ、ポリスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸のアル
カリ金属塩を結合するポリマ、分子鎖中に少なくともア
ルキルオキシドの親水性ユニットを結合するポリマ、例
えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール
系ポリアミド共重合体、ポリエチレンオキドーエピクロ
ルヒドリン共重合体ポリエーテルアミドイミド、ポリエ
ーテルを主セグメントとするブロック型のポリマ、さら
には、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレ
ン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレンなどを挙げ
ることができ、これらの導電性ポリマを脱ドープ状態、
またはドープ状態で用いることができる。上記の導電
剤、導電性ポリマ、または界面活性剤を1種または2種
以上を組み合わせて用いることによって、上記の表面抵
抗率を安定して得ることができる。なお、表面抵抗率の
計測には三菱油化製ハイレスターIPのHRプローブを
用い電圧100Vを印加し10秒後の電流値より求め
た。
【0047】また、この実施例のように、中間転写体の
体積抵抗率を1×109Ω以上1×1013Ωcm以下の
範囲とすることにより、ブラー現象による画像欠陥の発
生を防止することができる。すなわち、中間転写体の体
積抵抗率が109Ωcm以下の場合は、像担持体から中
間転写体に転写された未定着トナー像の電荷を保持する
静電的な力が働かなくなるため、トナーどうしの静電的
反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって画
像の周囲にトナーが飛散するブラー現象が発生しノイズ
の大きい画像が形成される。特に、多重転写画像のよう
に単位面積あたりのトナー量の多い画像周りではこの現
象が顕著に現れ、カラー画像形成装置にとって致命的な
画像欠陥となってしまう。
【0048】一方、体積抵抗率が1×1014Ωcm以上
の場合は、電荷を保持する静電的な力が大きくなり過
ぎ、中間転写体上の多重転写画像を記録紙に転写した後
でも中間転写体上に電荷が残っているために1次転写装
置の上流側に除電機構を設ける必要が生じる。なお、体
積抵抗率の計測には三菱油化製ハイレスターIPのHR
プローブを用い電圧100Vを印加し30秒後の電流値
より求めた。
【0049】本実施形態の画像形成装置の中間転写体と
して中間転写ベルトを用いる場合のベルト材料として
は、次の条件を満たすものであることが好ましい。すな
わち、ベルト材料のヤング率と、ベルト駆動時の外乱
(負荷変動)によるベルトの変位量との間に(2)式で
表す関係が成立するようなベルト材料であることが好ま
しい。
【0050】 ΔL=P・L・α/(t・w・E) (2) ここで、ΔLはベルトの変位量(μm)、Pは負荷
(N)、Lは2本のテンションロール間のベルトの長さ
(mm)、αは係数、tはベルト厚み(mm)、wはベ
ルト幅(mm)、Eはベルト材料のヤング率(N/mm
2)である。
【0051】ベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベ
ルトの伸縮(変位量ΔL)は、ベルト材料のヤング率E
と厚みtに逆比例する。高ヤング率のベルト材料を用い
るとベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベルトの変
位量ΔLが少なくなるため駆動時の応力に対するベルト
変形が小さくなり、良好な画質を安定して得ることがで
きる。例えば、ポリカーボネイト、PVDF(ポリフッ
化ブニリデン)などの熱可塑性樹脂材料のヤング率は2
4000kg/cm2であり、厚み100μmから15
0μmでベルト基材としての機械的特性を満足させるこ
とができる。
【0052】このようなベルト材料として、デュポン
(株)製のカプトンHAなどのポリピロメリット酸イミ
ド系のイミド樹脂材料、宇部興産(株)製のユーピレッ
クスSなどのポリビフェニルテトラカルボン酸イミド系
樹脂材料、宇部興産(株)製のユーピレックスR、三井
東圧化学工業(株)製のLARC−TPI(熱可塑性ポ
リイミド樹脂)などのポリベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸イミド酸系樹脂材料などを挙げることができる。こ
れらはいずれもヤング率35000kg/cm2以上で
あり、厚み70μmから100μmでベルト基材として
の機械的特性を満足させることができる。
【0053】次に、他の実施例について説明する。 [実施例2]中間転写ベルトのベルト材料として、ポリ
イミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸と脱ドープ状
態のポリアニリンとドーパント剤からなるポリマブレン
ド樹脂材料からなる成膜溶液を用いて、ステンレススチ
ール製シート上に厚み300μmに均一に流延し、12
0℃の雰囲気で120分乾燥させた後、さらに150℃
で30分、200℃で30分、250℃で60分、42
0℃で30分と段階的に昇温して、100μm厚の脱ド
ープ状態のポリアニリン15%を添加してなるポリイミ
ドのシートを得た。
【0054】次に、このポリイミドシートの両端部を接
合して無端ベルトを形成した。このポリイミド樹脂と脱
ドープ状態のポリアニリンとのポリマブレンド樹脂材料
からなるベルト材料の表面抵抗率は12.2 logΩ
/□であり、体積抵抗率は12.2 logΩcmであ
った。周波数50Hzの交流電圧2.5kVrmsを連
続10時間連続印加した場合における表面抵抗率低下量
は0.2桁(logΩ/□)であり、1000枚の連続
プリントを行った時の6mmパッチ部の表面抵抗率低下
量は0.1桁(logΩ/□)であった。 [実施例3]次のようにしてカーボンブラックを分散し
た熱硬化性無端ベルトを作製した。宇部興産(株)耐熱
皮膜用ポリイミドUワニスAにカーボンブラックを加え
てミキサなどにより混合する。こうして得られた製膜原
液を100℃から200℃に段階的に昇温して加熱しつ
つ500rpm〜2000rpmの回転数で円筒金型を
回転させながら遠心成形法によりフィルム状に成膜す
る。次いで、得られたフィルムを半硬化した状態で脱型
して鉄芯に被せ、330℃の高温でポリイミド化反応を
行い、厚み90μmのポリイミドフィルムを得た。
【0055】このポリイミドフィルムの表面抵抗率は1
1.8 logΩ/□、体積抵抗率は10.0 log
Ωcmであった。周波数50Hzの交流電圧2.5kV
rmsを10時間連続印加した場合における表面抵抗率
低下量は0.3桁(logΩ/□)であり、1000枚
の連続プリントを行った時の6mm□パッチ部の表面抵
抗率低下量は0.3桁(logΩ/□)であった。 [実施例4]次のようにしてカーボンブラックを分散し
た熱硬化性無端ベルトを作製した。宇部興産(株)製耐
熱皮膜用ポリイミドUワニスSにカーボンブラックを加
えてミキサなどにより混合する。こうして得られた製膜
原液を100℃から200℃に段階的に昇温して加熱し
つつ500rpm〜2000rpmの回転数で円筒金型
を回転させながら遠心成形法によりフィルム状に成膜す
る。次いで、得られたフィルムを半硬化した状態で脱型
して鉄芯に被せ、420℃の高温でポリイミド化反応さ
せて、表面抵抗率12.1 logΩ/□、体積抵抗率
9.2 logΩcm、厚さ80μmの無端ベルトを得
た。周波数50Hzの交流電圧2.5kVrmsを10
時間連続印加した場合における表面抵抗率低下量は0.
9桁(logΩ/□)であり、1000枚の連続プリン
トを行った時の6mm□パッチ部の表面抵抗率低下量は
0.7桁(logΩ/□)であった。
【0056】なお、図2に示した画像形成装置に用いら
れる中間転写ドラム30も上記各実施例におけるベルト
材料と同様の材料を用いて作製することができる。
【0057】次に、本発明の実施例との比較のためにい
くつかの比較例を挙げて説明する。 [比較例1]次のようにしてカーボンブラックを分散し
た熱硬化性無端ベルトを作製した。宇部興産(株)製耐
熱皮膜用ポリイミドUワニスSにカーボンブラックを加
えてミキサなどにより混合する。得られた製膜原液を1
00℃から200℃に段階的に昇温して加熱しつつ50
0rpm〜2000rpmの回転数で円筒金型を回転さ
せながら遠心成形法によりフィルム状に成膜する。次い
で、得られたフィルムを半硬化した状態で脱型して鉄芯
に被せ、350℃の高温でポリイミド化反応させて表面
抵抗率11.9 logΩ/□、体積抵抗率9.0 l
ogΩcm、厚さ80μmの無端ベルトを得た。周波数
50Hzで交流電圧2.5kVrmsを10時間連続印
加した場合における表面抵抗率低下量は1.1桁(lo
gΩ/□)であり、1000枚の連続プリントを行った
時の6mm□パッチ部の表面抵抗率低下量は0.9桁
(logΩ/□)であった。 [比較例2]次のようにしてカーボン分散PA樹脂ベル
トを作製した。2軸押出機を用いてPA樹脂にカーボン
ブラックを混練して、カーボンブラック12重量部とし
てなるPA樹脂ペレットを得た。さらに、この樹脂ペレ
ットを1軸押出機を用いてチューブ形状に押出成形して
厚み150μm、表面抵抗率12.0 logΩ/□、
体積抵抗率10.0 logΩcmの樹脂ベルトを得
た。
【0058】この樹脂ベルトに周波数50Hzの交流電
圧2.5kVrmsを10時間連続印加した場合におけ
る表面抵抗率低下量は1.1桁(logΩ/□)であ
り、1000枚の連続プリントを行った時の6mm□パ
ッチ部の表面抵抗率低下量は1.2桁(logΩ/□)
であった。 [比較例3]次のようにしてカーボン分散PVDF樹脂
ベルトを作製した。2軸押出機を用いてPVDF樹脂に
カーボンブラックを混練して、カーボンブラック15重
量部としてなるPVDF樹脂ペレットを得た。さらに、
この樹脂ペレットを1軸押出機を用いてチューブ形状に
押出成形して厚み150μm、表面抵抗率11.7lo
gΩ/□、体積抵抗率12.1 logΩcmの樹脂ベ
ルトを得た。
【0059】この樹脂ベルトに周波数50Hzの交流電
圧2.5kVrmsを10時間連続印加した場合におけ
る表面抵抗率低下量は1.2桁(logΩ/□)であ
り、1000枚の連続プリントを行った時の6mm□パ
ッチ部の表面抵抗率低下量は1.4桁(logΩ/□)
であった。 [比較例4]次のようにしてカーボン分散ポリカーボネ
イト樹脂ベルトを作製した。2軸押出機を用いてポリカ
ーボネイト樹脂にカーボンブラックを混練して、カーボ
ンブラック12重量部としてなるポリカーボネイト樹脂
ペレットを得た。さらに、この樹脂ペレットを1軸押出
機を用いてチューブ形状に押出成形して厚み150μ
m、表面抵抗率11.9 logΩ/□、体積抵抗率1
2.5 logΩcmの樹脂ベルトを得た。
【0060】この樹脂ベルトに周波数50Hzの交流電
圧2.5kVrmsを10時間連続印加した場合におけ
る表面抵抗率低下量は1.9桁(logΩ/□)であ
り、1000枚の連続プリントを行った時の6mm□パ
ッチ部の表面抵抗率低下量は1.8桁(logΩ/□)
であった。 [比較例5]次のようにしてカーボン分散ETFE樹脂
ベルトを作製した。2軸押出機を用いてETFE樹脂に
カーボンブラックを混練して、カーボンブラック14重
量部としてなるETFE樹脂ペレットを得た。さらに、
この樹脂ペレットを1軸押出機を用いてチューブ形状に
押出成形して厚み150μm、表面抵抗率11.7lo
gΩ/□、体積抵抗率11.5 logΩcmの樹脂ベ
ルトを得た。
【0061】この樹脂ベルトに周波数50Hzの交流電
圧2.5kVrmsを10時間連続印加した場合におけ
る表面抵抗率低下量は、2.1桁(logΩ/□)であ
り、1000枚の連続プリントを行った時の6mm□パ
ッチ部の表面抵抗率低下量は、2.3桁(logΩ/
□)であった。
【0062】表1に、上記の実施例1,2,3,4およ
び比較例1,2,3,4,5についての、表面抵抗率、
体積抵抗率、周波数50Hzの交流電圧2.5kVrm
sを10時間連続印加した場合における表面抵抗率低下
量、多重色のパッチ部を1000連続コピーした後のパ
ッチ部の表面抵抗率低下量、およびマゼンタ30%のハ
ーフトーン画像での6mm□パッチ部の白抜け発生の有
無を調査した結果を示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示すように、周波数50Hzの交流
電圧2.5kVrmsを10時間連続印加した場合にお
ける表面抵抗率低下量が1.0桁以内である実施例1,
2,3,4の中間転写体を用いた場合は、多重色のパッ
チ部を1000連続コピーした後の表面抵抗率の低下量
は0.7桁以内であり、ハーフトーン画像での白抜けの
発生はなかった。
【0065】一方、周波数50Hzの交流電圧2.5k
Vrmsを10時間連続印加した場合における表面抵抗
率低下量(logΩ/□)が1.1桁以上である比較例
1,2,3,4,5の中間転写体を用いた場合は、多重
色のパッチ部を1000連続コピーした後の表面抵抗率
の低下量は0.9桁以上であり、ハーフトーン画像での
白抜けが発生した。
【0066】図4は、周波数50Hzの交流電圧2.5
kVrmsを10時間連続印加した場合における表面抵
抗率の低下量を示す図である。
【0067】図4に示すように、各実施例、各比較例と
もに、電圧印加時間が増加するにつれて表面抵抗率が低
下する傾向を示している。全体的に各実施例の交流電圧
印加による表面抵抗率の低下は僅かであるが、それに比
べて各比較例の交流電圧印加による表面抵抗率の低下は
大きい。
【0068】図5は、周波数50Hzの交流電圧2.5
kVrmsを10時間連続印加した場合における表面抵
抗率低下量と1000枚連続コピーした後のパッチ部の
表面抵抗率低下量との関係を示す図である。
【0069】図5に示すように、周波数50Hzの交流
電圧2.5kVrmsを10時間連続印加した場合にお
ける表面抵抗率低下量が1.0桁以下である実施例1,
2,3,4の中間転写体を用いた場合は、多重色のパッ
チ部を1000連続コピーした後の表面抵抗率の低下量
は0.7桁以内であり、特に、周波数50Hzの交流電
圧2.5kVrms印加での低下量が0.3桁以下であ
る実施例1,2,3は、表面抵抗率の低下量が0.3桁
以内と極めて少ない。
【0070】図6は、多重色のパッチ部を1000枚連
続コピーした後のハーフトーンでの白抜け発生状況を示
す図である。
【0071】図6(a)に示すように、多重色の6mm
□パッチ部41を1000枚転写(1次転写電圧2k
V)した後にパッチ部41の表面抵抗率が周辺部42よ
り1.2桁(logΩ/□)低下する中間転写体を用い
て、マゼンタ30%のハーフトーン画像を転写すると、
図6(b)に示すように、6mm□パッチ部43が白く
抜けるという現象が観察される。
【0072】図7は、多重色のパッチ部において表面抵
抗率が低下する現象を説明する図である。
【0073】図7(a)に示すように、像担持体51、
中間転写体52、および1次転写ロール53とから形成
される1次転写装置において、図7(b)に示すよう
に、像担持体51上に形成された多重色のパッチ部が中
間転写体52に転写される場合には、トナー粒子間に存
在するエアーギャップにおいてパッシェン放電現象が発
生する。この放電現象により中間転写体52表面に過剰
な電流が流れ中間転写体52の樹脂材料よりなる表面層
が変質しやすくなり、表面層内に新たな導電経路が形成
されて表面抵抗が低下し中間転写体52を劣化させる。
本発明の画像形成装置では、この中間転写体52の表面
抵抗率を制御することにより表面抵抗率の低下を抑制す
ることができる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成
装置によれば、中間転写体を、1×1010Ω/□以上1
×1014Ω/□以下の表面抵抗率を有するものとし、か
つ、中間転写体表面に2.5kVRMSの交流電圧を連
続して10時間連続印加した場合における交流電圧印加
前の表面抵抗率をρs1、交流電圧印加後の表面抵抗率
をρs2としたときに、ρs1/ρs2<10なる関係
を満たすものとすることにより、転写電界による中間転
写体の表面抵抗率低下が抑制され、中間転写ベルトの寿
命が長く、白抜けなどの画質欠陥の発生が防止された画
像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置が適用されるフルカラー
画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置が適用されるフルカラー
画像形成装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】中間転写体に交流電圧を長時間印加した場合の
表面抵抗率の変化を測定する装置の断面図である。
【図4】周波数50Hzの交流電圧2.5kVrmsを
10時間連続印加した場合における表面抵抗率の低下量
を示す図である。
【図5】周波数50Hzの交流電圧2.5kVrmsを
10時間連続印加した場合における表面抵抗率低下量と
1000枚連続コピーした後のパッチ部の表面抵抗率低
下量との関係を示す図である。
【図6】多重色のパッチ部を1000枚連続コピーした
後のハーフトーンでの白抜け発生状況を示す図である。
【図7】多重色のパッチ部において表面抵抗率が低下す
る現象を説明する図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 静電潜像形成装置 3 バイアスロール 4 記録紙トレー 5,6,7,8 現像装置 9 ベルトクリーナ 10 中間転写ベルト 13 剥離爪 14 給紙装置 15 クリーニングブレード 16 感光体クリーナ 21,23,24 ベルトローラ 22 バックアップロール 25 導電性ロール 26 電極ロール 41,43 パッチ部 42 周辺部 51 像担持体 52 中間転写体 53 1次転写ロール P 用紙 T1 1次転写位置 T2 2次転写位置 t トナー像

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に静電潜像が形成される像担持体
    と、該像担持体上に画像情報に応じた静電潜像を形成す
    る静電潜像形成装置と、前記像担持体上に形成された静
    電潜像をトナーにより現像する現像装置と、該現像装置
    により形成された前記像担持体上のトナー像の転写を受
    け転写されたトナー像を担持しながら所定の方向に移動
    する中間転写体と、前記像担持体上のトナー像を前記中
    間転写体に静電的に転写する1次転写装置と、前記中間
    転写体に転写されたトナー像を所定の記録媒体に転写す
    る2次転写装置とを備えた画像形成装置において、 前記中間転写体が、1×1010Ω/□以上1×1014Ω
    /□以下の表面抵抗率を有するものであり、かつ該中間
    転写体が、該中間転写体表面に2.5kVRMSの交流
    電圧を連続して10時間連続印加した場合における、該
    交流電圧印加前の表面抵抗率をρs1、該交流電圧印加
    後の表面抵抗率をρs2としたとき、 ρs1/ρs2<10 なる関係を満たすものであることを特徴とする画像形成
    装置。
  2. 【請求項2】 前記中間転写体が、1×109Ωcm以
    上1×1014Ωcm以下の体積抵抗率を有するものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記中間転写体が、ベルト形状のもので
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記中間転写体が、ドラム形状のもので
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002182487A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Fuji Xerox Co Ltd 半導電性部材、中間転写体及び画像形成装置
JP2002351172A (ja) * 2001-05-23 2002-12-04 Shin Etsu Polymer Co Ltd 半導電性シームレスベルト
JP2003029538A (ja) * 2001-07-11 2003-01-31 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2006178070A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置

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