JP2002351172A - 半導電性シームレスベルト - Google Patents

半導電性シームレスベルト

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JP2002351172A
JP2002351172A JP2001154401A JP2001154401A JP2002351172A JP 2002351172 A JP2002351172 A JP 2002351172A JP 2001154401 A JP2001154401 A JP 2001154401A JP 2001154401 A JP2001154401 A JP 2001154401A JP 2002351172 A JP2002351172 A JP 2002351172A
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Satoshi Odajima
智 小田嶋
Hiroshi Hasebe
浩 長谷部
Toshiyuki Kawaguchi
利行 川口
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電式複写機、プリンタ等の感光体、中間転
写体、搬送ベルト等に適した、シームレスベルトの厚さ
方向及び面方向で、所望の半導電特性を安定して得るこ
とのできるシームレスベルトを提供する。 【解決手段】 次の成分(a)及び(b) (a)バインダー樹脂 (b)電子供与体である導電性有機高分子と電子受容体
とからなる電荷移動錯体 からなる半導電性シームレスベルトであって、該半導電
性シームレスベルトの体積抵抗率が104〜1012Ω・
cmの範囲にあり、かつ、少なくとも外側表面の表面抵
抗率が1012Ω/□以上であることを特徴とする半導電
性シームレスベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式複写機、プ
リンタ等の感光体、中間転写体、搬送ベルト等に用いら
れる半導電性シームレスベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】半導電性シームレスベルトは、主な用途
として電子写真装置の中間転写体として使用されてお
り、その要求される抵抗値レベルは体積抵抗率で104
〜1012Ω・cmの範囲、かつ、ばらつきは1桁以内、
好ましくは0.5桁以内で、表面抵抗率は外側表面の表
面抵抗率が1012Ω/□以上であることが望まれてい
る。従来の半導電性シームレスベルトは、絶縁性のベー
ス樹脂に、カーボンブラック、黒鉛粉末、金属粉末、セ
ラミック粉末等の導電性フィラーを分散させ、これを遠
心成形、押出し成形等の方法によりシームレスの円筒形
に成形し、半導電性シームレスベルトとしていた。
【0003】一方、導電性高分子系材料については、従
来、次のものが知られている。WO92/16951に
は有機溶媒に可溶な導電性ポリピロールを用い、従来知
られている塗布技術を用いて均一、透明性を有するフイ
ルムを容易に得ることができる優れた静電防止材料とし
て、式(II)で表される少なくとも一種の化合物を重合
させることにより得られる重合度2〜1000の可溶性
導電性ポリピロールを基材に被覆し、次いでドーピング
して導電化させる静電防止材料が記載されている。
【0004】
【化2】
【0005】(式中、R1,R2は同一又は相異なって炭
素数1〜18の置換基を有していてもよいアルキル基、
フェニル基又は置換基を有してもよいベンジル基を示
す。)
【0006】特開平8−244367号公報には、背面
層の帯電防止効果が優れ、しかもサーマルヘッドの損傷
を著しく低減できる熱転写シートとして、基材の一方の
面に記録剤層が設けられ、他方の面に背面層が設けられ
てなる熱転写シートにおいて、該背面層がバインダー樹
脂と電荷移動錯体とからなり、該電荷移動錯体が電子供
与体である導電性有機高分子と電子受容体とからなり、
かつ該背面層中の前記電荷移動錯体の含有率が35〜7
5重量%(固形分重量%)で、その表面抵抗率が1011
Ω/□ 以下である熱転写シートが記載されている。
【0007】特開昭64−72842号公報には、シー
ト基材の強度低下がなく、表面が高度な制電性と導電性
を保ち、しかも複合シートを成形して得た容器に収納さ
れた内容物が肉眼で判別できる程度の透明性を有する透
明・導電性複合シートとして、ゴム含有スチレン系樹脂
シート層と、該シート層の少なくとも片面にメチルメタ
アクリレート−メタクリル酸エステル共重合樹脂、カー
ボンブラック及び溶剤を主成分とする導電性塗料を塗工
した透明・導電性複合シートが記載されている。
【0008】特開平9−77127号公報には、導電性
を維持しつつ、シートの成形性および寸法安定性を向上
させ、トップテープ等との良好なシール性を得ることが
できる導電性樹脂シートとして、ポリスチレン系樹脂シ
ートの片面あるいは両面に、バインダーとしてアクリル
−ウレタン系樹脂(アクリル成分:0.1〜50重量
%)100重量部に対して、粒径0.05〜1.0μm
のカーボンブラック等の導電性フィラーを15〜35重
量部含有してなる導電層を設け、その表面固有抵抗値が
104〜108Ωの範囲である導電性樹脂シートが記載さ
れている。
【0009】特開平6−206284号公報には、耐熱
性、機械的特性、帯電防止性に優れ、かつICや電子部
品の包装用として用いるための二次成形性を有する耐熱
性導電性複合プラスチックシートとして、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂38〜96重量部と耐衝撃性ポリスチレ
ン樹脂62〜4重量部のポリフェニレンエーテル系樹脂
組成物からなるシート基材の片面、若しくは両面に、該
基材をなすポリフェニレンエーテル系樹脂組成物よりも
ポリフェニレンエーテル樹脂の含有量が5〜40重量部
少ないポリフェニレンエーテル系樹脂組成物100重量
部とカーボンブラック等の導電付与材5〜50重量部の
導電性樹脂組成物からなるフイルム又はシートを積層し
てなる耐熱導電性複合プラスチックシートが記載されて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】導電性フィラーをベー
ス樹脂材料に添加したタイプの半導電性シームレスベル
トは、所望の半導電性を得るために、導電性フィラーの
添加量を調整するが、フィラー添加量対抵抗値の関係
が、非常に不安定な領域での調整となるため、材料、製
品の歩留まりが低くなりやすく、結果的に全体のコスト
アップを招いていた。
【0011】導電性高分子系材料については、静電防止
レベルの導電性が前提とされており、それ自体が機械的
性能を有すると共に、体積抵抗が重要な役割を持つ本発
明の分野である電子写真装置用のシームレスベルトとし
ての実用化はなされていなかった。したがって、本発明
は、シームレスベルトの厚さ方向及び面方向で、所望の
半導電特性を安定して得ることのできるシームレスベル
トを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、本発明を完成させたも
のであり、本発明の要旨は 次の成分(a)及び(b) (a)バインダー樹脂 (b)電子供与体である導電性有機高分子と電子受容体
とからなる電荷移動錯体 からなる半導電性シームレスベルトであって、該半導電
性シームレスベルトの体積抵抗率が104〜1012Ω・
cmの範囲にあり、かつ、少なくとも外側表面の表面抵
抗率が1012Ω/□以上であることを特徴とする半導電
性シームレスベルトにあり、この構成により上述した課
題が解決されることを確認した。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる電荷移動錯体
を構成する電子供与体としての導電性有機高分子として
は、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリアセチレ
ン、ポリパラフェニレン、ポリメタフェニレン、ポリチ
オフェンなどがあげられ、帯電防止効果に優れ、耐溶剤
安定性がよいという点などからポリピロール類が好まし
い。かかるポリピロール類としては、式(I)や式(II
I)で示されるものを例示することができ、式(I)で
示されるポリピロール類であることが好ましい。
【0014】
【化3】
【0015】(式中、mは100〜10,000の整数
を、m個のRは同一又は異なってエチル基又はブチル基
を示す。)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、nは一般的に33〜334の整数
である)そして、前記式(I)で示されるポリピロール
類の中でも、Rがエチル基であるポリピロール誘導体と
Rがブチル基であるポリピロール誘導体との共重合体で
あるものが好ましく、その共重合体の例として、ポリピ
ロールSSPY(商品名、日本曹達株式会社製)を例示
できる。
【0018】また、本発明に用いられる電子受容体とし
ては、テトラシアノテトラアザナフタレン、テトラシア
ノエチレンなどがあげられ、耐溶剤性の点からテトラシ
アノテトラアザナフタレン、特に式(IV)で表される
2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テト
ラアザナフタレンが好ましい。
【0019】
【化5】
【0020】この例として、TCNA(商品名、日本曹
達株式会社製)を示すことができる。
【0021】好適な導電性を得るためには、前記導電性
有機高分子と電子受容体との比(固形分重量比)は、
1:1〜8:1の範囲内にあることが好ましく、特に
1:1〜4:1であることが好ましい。
【0022】本発明において用いられるバインダー樹脂
としては、公知のものを使用すればよいが、本発明のシ
ームレスベルトを中間転写用シームレスベルトとして用
いる場合は、複数のロールに懸架されて使用されるの
で、十分な機械的強度と、可撓性を有する材料を選択す
る必要があり、このような材料としては、PET、PB
T、PEN等のポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリ
アミドイミド等のポリイミド系樹脂、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン11等のポリアミド系樹脂、フッ素
樹脂、ポリサルフォン、アラミド樹脂、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹
脂、アクリル系樹脂等が例示され、熱硬化性、熱可塑性
のいずれであっても良いが、適用する製法によって適当
なものを選択することができる。
【0023】これらバインダー樹脂の中で、特に好まし
いものとしてポリイミド系樹脂、ポリウレア系樹脂が挙
げられ、とりわけ、芳香族ポリイミド系樹脂、芳香族ポ
リウレア系樹脂を用いた場合に良好な特性を得ることが
できる。これは、特にポリピロール類を導電性有機高分
子材料として用いる場合、それぞれに含まれる窒素原子
の存在が、相溶性を高め、機械的特性を良好なものと
し、繰り返し単位に芳香族を含むことで、ベンゼン環の
有するπ電子が導電性有機高分子材料のπ電子と相互作
用による緩やかな結合を形成し、特に良好な機械的特
性、電気的安定性を得ることができ、特に後述する体積
抵抗率と表面抵抗率を得るために好都合である。
【0024】半導電性シームレスベルト中における、導
電性有機高分子と電子受容体とからなる電荷移動錯体の
バインダー樹脂量に対する割合は、バインダー樹脂重量
に対して0.5重量%以上であることが好ましい。0.
5重量%未満であると充分な導電性を付与でき難い。ま
た、上限は30重量%以下とすることが好ましく、これ
は電荷移動錯体の量が多すぎると機械特性の劣化を招き
易いためである。また、電荷移動錯体の量が多すぎる
と、表面抵抗率が低下するという問題もある。
【0025】本発明における表面抵抗率、及び、体積抵
抗率は、JIS K6911の抵抗率測定に規定される
方法により測定、算出される。本発明においては、この
方法により得られる値が、体積抵抗率が104〜1012
Ω・cmの範囲にあり、かつ少なくとも外側表面の表面
抵抗率が1012Ω/□以上であることが必要である。こ
れは、紙やOHP用シートの搬送には表面抵抗は絶縁領
域にあることがよく、トナーの転写、除電には体積抵抗
が半導電域であることが都合が良いからで、上述の構成
によれば、本特性を達成することが可能である。
【0026】特に、導電性有機高分子として窒素原子及
び平面環状分子構造を含むポリピロール類やポリアニリ
ン類を使用し、バインダー樹脂としても、窒素原子及び
平面環状分子構造を含むポリウレア系樹脂やポリイミド
系樹脂を使用することで、上記特性を容易に得ることが
できる。
【0027】次に本発明の製造方法について説明する。
導電性有機高分子及び電子受容体は、予め適当な有機溶
剤中で錯体を形成させる。ついで、この電荷移動錯体
を、適宜のバインダー樹脂と混合し、成形用樹脂材料を
得る。バインダー樹脂が複数成分からなる場合は、少な
くとも1つの成分に混合すればよい。混合する際、バイ
ンダー樹脂が固形であったり、高粘度のものであったり
する場合は、適宜の溶剤を添加し、混合することができ
る。
【0028】シームレスのベルトを成形する方法として
は、押出し成形、遠心成形、注型法等の方法が適用可能
であるが、厚さ精度、抵抗値精度、表面性に優れること
から、遠心成形法を採用することが好ましい。特に、本
発明においては、導電性付与物質が有機高分子であるこ
とからバインダー樹脂との相溶性に優れると共に両者間
における比重の差が少ないことから、遠心成形時の遠心
力による成分の偏りを生じることがないという利点があ
る。
【0029】遠心成形法とは、上記原材料からなる成形
用樹脂材料を流動状として円筒状の金型の内側に注入
し、金型を回転させることにより、遠心力の作用で金型
の内壁に流動状態の樹脂の層を形成し、樹脂を乾燥また
は加熱固化して、樹脂層を金型の内側に形成させ、得ら
れた樹脂層を取り出す方法である。
【0030】金型は金属製がよく、内側はシームレスベ
ルト表面の面粗度を細かくするために鏡面加工を施し、
シームレスベルトの剥離が簡単なようにフッ素樹脂やシ
リコーン樹脂等で処理したものが好ましい。
【0031】成形用樹脂材料は、成形時の粘度が、5
0,000mPa・s以下となるように調整することが
好ましい。熱硬化性樹脂を用い、そのものの粘度がこの
範囲にある場合はそのまま使用することができるが、熱
可塑性樹脂を使用する場合や、熱硬化性樹脂でも、この
範囲を超える場合は、適宜の溶媒を加えて溶解、希釈す
ることで粘度調整を行うことが可能である。50,00
0mPa・sを超える粘度の成形用樹脂材料は、成形時
の粘度が、50,000mPa・s以下となるように調
整することが好ましい。熱硬化性樹脂を用い、そのもの
の粘度がこの範囲にある場合はそのまま使用することが
できるが、熱可塑性樹脂を使用する場合や、熱硬化性樹
脂でも、この範囲を超える場合は、適宜の溶媒を加えて
溶解、希釈することで粘度調整を行うことが可能であ
る。50,000mPa・sを超える粘度では、遠心力
による金型内壁へのレベリングが困難となり易い。粘度
の下限は特に限定されないが、10mPa・s以上とす
ることが、材料の取り扱いの点から好ましい。
【0032】第1図に本発明に使用される遠心成形装置
を示す模式図を示すが、遠心成形装置は回転する4つの
ローラ3上に置かれた金型1と、金型内へ成形材料を供
給する材料供給装置4とからなっている。金型1の両端
部には流動状態の材料の漏れを防止するリング状プレー
ト2が設けられている。成形用樹脂材料は、材料供給装
置4により所定の組成となるように調整された後、金型
1の中に、必要量だけ注入される。成形用樹脂材料の注
入量は、固化後の成形用樹脂材料の比重、金型の内面寸
法、製品の厚さから算出し、所定量を注入すればよい。
本願のシームレスベルトには、機械的強度と、可撓性が
求められるので、厚さの範囲は概略0.03〜1.0m
m程度から選択される。
【0033】金型内の樹脂を均一な厚みにするために必
要な回転数で金型を回転させながら、成形を行う。成形
用樹脂材料を注入したら、金型を適当なヒータ等(図示
せず)により加熱し、成形用樹脂材料を乾燥または硬化
させる。このとき、加熱のタイミングは成形用樹脂材料
の乾燥、硬化条件により適宜選択すればよい。
【0034】乾燥、硬化が完了したら、金型ごと冷却す
れば、金型とシームレスベルトの熱膨張差によって、シ
ームレスベルトは自然に剥離し、このものを所定寸法に
カットして、シームレスベルトが得られる。上述のカッ
ト工程を省略するために、成形用金型内面に、成形用樹
脂材料の流動を規制するための堰を設けることも可能で
ある。また、得られたシームレスベルトに、蛇行規制用
のガイド部材を設けたり、位置検出部を設けたりしても
よい。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【0036】(電荷移動錯体の調製)前記式(I)で示
され、式中Rがエチル基のものとブチル基のものとの共
重合体であるポリピロール類(商品名「ポリピロールS
SPY」、日本曹達株式会社製)100gをトルエン/
DMF(=60/40)900gに溶解したものと、
2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テト
ラアザナフタレン(商品名「TCNA」、日本曹達株式
会社製)35gをTHF315gに溶解したものとの混
合溶液(以下「SSPY/TCNA溶液」という)を電
荷移動錯体として用いた。なお、式(I)で示され、式
中Rがエチル基のものとブチル基のものとの共重合体で
あるポリピロール類は次のようにして作製してもよい。
【0037】4−メチルピロール−3−カルボン酸ブチ
ル3.63g(20.1mmol)と4−メチルピロー
ル−3−カルボン酸エチル7.07g(46.2mmo
l)をトルエン/酢酸ブチル(=71.6g/43.4
g)に溶解する。酸化剤としてFeCl331.5g
(194.2mmol)をトルエン/酢酸ブチル(=1
42.9g/84.6g)に溶解し、温度計、撹拌機、
空気導入管を付した反応器に必要な場合ろ過して不溶解
物を除き、仕込む。この反応溶液に上記ピロール誘導体
混合物を滴下ロートより滴下し、反応温度25℃±5℃
で5時間反応する。反応後メタノール300mlを加え
反応を停止させる。反応液はろ過、洗浄、中和(脱ドー
プ化)により中性の共重合体の置換ポリピロールを得
る。この重合体はDMF、THF、NMP等の極性溶媒
に溶解する。
【0038】(実施例1〜4、比較例1、2)バインダ
ーとして表1に記載の樹脂を用い、上記で調製した電荷
移動錯体を表1に記載の量用いた組成の材料を用いて周
長710mm、幅240mm、厚さ200μmのシーム
レスベルトを作製した。(実施例1〜4、比較例2)ま
た、比較のため、表1に記載のバインダーに表1に記載
の導電性フィラーを表1に記載の量含有させた材料を用
いて上記と同様のシームレスベルトを作成した。(比較
例1)
【0039】
【表1】
【0040】表1において、 PAI:ポリアミドイミド樹脂(商品名「バイロマック
ス N−100」、東洋紡社製) ポリウレア:商品名「ポレアR−603」、イハラケミ
カル社製 CB:カーボンブラック(商品名「ケッチェンブラックE
C」、ライオン社製) 抵抗率の範囲表記は、シームレスベルト1本当り20点
測定したうちの最小値〜最大値を示し、例えば、3〜6
×1013は3×1013〜6×1013を示す。
【0041】これらのシームレスベルトの耐久性を評価
し、また、これらのシームレスベルトを用いたときの印
刷品位を評価した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】耐久性試験は、シームレスベルトをφ25
mmのアルミニウム製ローラ(2本)に、荷重5kgf
で懸架し、回転スピード15回転/分で回転させた。1
万回転までは1000回転毎に、1万回転からは1万回
転毎に状態を確認し、異常があれば、前回確認した回転
数をもって評価結果とした。
【0044】印刷品位は、本シームレスベルトをカラー
レーザープリンタに組み込み、ブラック、シアン、イエ
ロー、マゼンタの4色をそれぞれハーフトーン印刷して
目視にて判定を行った。
【0045】表1、2から実施例で得られたシームレス
ベルトはいずれも耐久性に優れ、印刷品位が良好である
のに対し、導電性フィラーを用いた比較例1のシームレ
スベルトは表面抵抗率が小さく、印刷品位に劣ることが
わかる。また、錯体含有量を多く用いた比較例2は表面
抵抗率も小さく、耐久性も不良で、印刷品位も若干劣っ
ていることがわかる。
【0046】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
においては、十分な耐久性を有し、優れた半導電特性を
有する半導電性シームレスベルトを提供することが可能
となり、本シームレスベルトを使用することにより、長
期間にわたって安定した印刷品位が得られる電子写真装
置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される遠心成形装置を示す模式図
であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1・・・成形用金型、2・・・リング状プレート、3・
・・回転ローラ、4・・・材料供給装置、5・・・スタ
ティックミキサー、6・・・硬化剤用ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/10 G03G 5/10 A 4J002 15/16 15/16 21/00 350 21/00 350 (72)発明者 川口 利行 東京都中央区日本橋本町4丁目3番5号 信越ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 2H035 CA05 CB03 CB06 2H068 AA52 AA55 BA16 BB38 BB49 BB50 2H071 BA42 DA09 DA16 DA23 2H200 FA13 JB07 JB43 JB45 JB46 JC04 JC13 JC15 JC16 MA04 MA14 MA17 MA20 MB02 MB04 MB05 4F071 AA26 AA31 AA39 AA46 AA47 AA48 AA51 AA52 AA53 AA54 AA58 AA60 AA64 AC12 AE16 AF37 AF38 AH17 4J002 BD121 BG001 BM002 CE002 CF061 CF071 CF081 CH091 CK011 CK021 CL021 CL031 CL061 CM012 CM041 CN031 EU006 GM01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)及び(b)(a)バイン
    ダー樹脂(b)電子供与体である導電性有機高分子と電
    子受容体とからなる電荷移動錯体からなる半導電性シー
    ムレスベルトであって、該半導電性シームレスベルトの
    体積抵抗率が104〜1012Ω・cmの範囲にあり、か
    つ、少なくとも外側表面の表面抵抗率が1012Ω/□以
    上であることを特徴とする半導電性シームレスベルト。
  2. 【請求項2】 バインダー樹脂が、ポリイミド系樹脂で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導電性シームレ
    スベルト。
  3. 【請求項3】 バインダー樹脂が、ポリウレア系樹脂で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導電性シームレ
    スベルト。
  4. 【請求項4】 導電性有機高分子が、ポリピロール類で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の半
    導電性シームレスベルト。
  5. 【請求項5】 ポリピロール類が、式(I)で示される
    ポリピロール類であることを特徴とする請求項4記載の
    半導電性シームレスベルト。 【化1】 (式中、mは100〜10,000の整数を、m個のR
    は同一又は異なってエチル基又はブチル基を示す。)
  6. 【請求項6】 電子受容体が、2,3,6,7−テトラ
    シアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレンである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の半導電
    性シームレスベルト。
  7. 【請求項7】 導電性有機高分子と電子受容体との合計
    含有量が、バインダー樹脂重量の0.5〜30重量%の
    範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記
    載の半導電性シームレスベルト。
  8. 【請求項8】 シームレスベルトが遠心成形法により成
    形されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    記載の半導電性シームレスベルト。
JP2001154401A 2001-05-23 2001-05-23 半導電性シームレスベルト Pending JP2002351172A (ja)

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