JP2002316709A - 導電性ベルトまたはローラ - Google Patents

導電性ベルトまたはローラ

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JP2002316709A
JP2002316709A JP2001124608A JP2001124608A JP2002316709A JP 2002316709 A JP2002316709 A JP 2002316709A JP 2001124608 A JP2001124608 A JP 2001124608A JP 2001124608 A JP2001124608 A JP 2001124608A JP 2002316709 A JP2002316709 A JP 2002316709A
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conductive
poly
belt
roller
resistivity
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JP2001124608A
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Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Masaya Kakimoto
正也 柿本
Shinko Yamakawa
真弘 山川
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体積抵抗率や表面抵抗率を所望の範囲内で安
定的に制御することができ、かつ、バラツキがない導電
性ベルトまたはローラを提供すること。 【解決手段】 導電性樹脂層から形成されているか、あ
るいは基体上に導電性樹脂層が形成された構造の導電性
ベルトまたはローラにおいて、該導電性樹脂層が、主鎖
にチオフェン環を有する導電性ポリマーから形成された
層であることを特徴とする導電性ベルトまたはローラ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の画
像形成装置などで用いられる導電性部材として好適な導
電性ベルトまたはローラに関し、さらに詳しくは、主鎖
にチオフェン環を有する導電性ポリマーから形成された
層を有する導電性ベルトまたはローラに関する。
【0002】本発明において、導電性の範囲は、金属か
ら半導体そして絶縁体の領域までであり、好ましくは、
金属などの導体と絶縁性樹脂などの絶縁体との間の体積
抵抗率、例えば1.0×102〜1.0×1013Ωcm
の範囲を意味しており、いわゆる半導電性領域を包含し
ている。
【0003】
【従来の技術】電子写真方式や静電記録方式の複写機、
ファクシミリ、レーザビームプリンタなどの画像形成装
置においては、帯電、露光、現像、転写、定着、除電な
どの各工程を経て画像が形成されている。これらの各工
程では、静電気を精密に制御することが必要である。そ
のため、このような画像形成装置においては、例えば、
帯電ベルト、帯電ローラ、転写ベルト、転写ローラなど
の導電性部材が配置されている。
【0004】具体的に、感光体表面を帯電させる方法と
して、従来のコロナ帯電装置を用いる方式では、オゾン
を発生するため、電圧を印加した帯電ベルトまたはロー
ラを感光体と接触させて、感光体表面に直接電荷を与え
て帯電させる方式が開発されている。転写工程では、コ
ロナ放電を用いた転写方式に代えて、転写ベルトまたは
ローラを転写紙の裏面から感光体に圧接し、転写ベルト
またはローラにバイアス電圧を印加することで転写電界
を形成し、クーロン力で感光体表面のトナー像を転写紙
上に転写する方式が開発されている。
【0005】このような画像形成装置におけるベルトや
ローラなどの部材には、少なくとも表面層が適度の導電
性を有することが要求されている。導電性の範囲は、多
くの場合、半導電性領域である。導電性ベルトやローラ
などの導電性部材を形成するには、一般に、絶縁性の合
成樹脂に導電性フィラーや界面活性剤などの帯電防止剤
を練り込んだ導電性樹脂組成物が用いられている。
【0006】導電性ローラの場合には、芯金などのロー
ラ基体上に、直接またはゴム層などを介して、導電性樹
脂組成物をコーティングしたり、導電性樹脂組成物から
形成されたチューブを被せたりして、導電性樹脂層を形
成している。
【0007】導電性ベルトの場合には、導電性樹脂組成
物によりシームレスベルトを形成したり、金属や耐熱性
樹脂からなるベルト基体上に、導電性樹脂組成物をコー
ティングするか、導電性樹脂組成物から形成されたシー
ト若しくはシームレスベルトを貼り合せている。導電性
樹脂組成物により形成されたシームレスベルトは、導電
性樹脂層のみからなり、エンドレスベルトまたはシーム
レスチューブとも呼ばれている。
【0008】画像形成装置に用いられる導電性ベルトや
ローラなどの導電性部材には、(1)それぞれの用途に応
じて、所望の導電性領域の体積抵抗率及び/または表面
抵抗率を有すること、(2)体積抵抗率及び/または表面
抵抗率の分布が均一であること、(3)温度や湿度などの
環境条件の変動によっても、体積抵抗率及び/または表
面抵抗率があまり変化しないこと、(4)感光体などの他
部材を汚染しないこと、(5)導電性樹脂層の機械的強
度、可撓性、柔軟性、加工性などに優れることなどが求
められている。
【0009】ところが、絶縁性の合成樹脂に導電性フィ
ラーや界面活性剤などを練り込んだ導電性樹脂組成物を
用いて導電性ベルトやローラなどの導電性部材を作製す
る従来の方法では、上記の諸特性を十分に満足させるこ
とができないという問題があった。
【0010】導電性カーボンブラックなどの導電性フィ
ラーは、合成樹脂と混練する際、粘度の上昇や分散不良
を引き起こしやすく、均一に分散させることが困難であ
る。導電性フィラーの不均一分散は、導電性部材の表面
抵抗率の場所によるバラツキをもたらす。
【0011】また、導電性フィラーを含有する導電性樹
脂組成物から形成した導電性部材は、使用中に体積抵抗
率や表面抵抗率が変動しやすい。導電性樹脂組成物の体
積抵抗率や表面抵抗率を均一かつ安定化させるには、導
電性フィラーの配合量を増大させる必要がある。しか
し、導電性フィラーの配合量を増大させると、導電性部
材の柔軟性、可撓性、機械的強度などが損われやすくな
る。
【0012】しかも、導電性フィラーの配合量によっ
て、導電性部材の体積抵抗率や表面抵抗率が急激に変動
しやすい。導電性フィラーの配合量が少ないと、樹脂組
成物中で導電性フィラーが個々バラバラに分散している
ため、導電性部材の体積抵抗率や表面抵抗率を半導電性
領域にまで下げることが難しい。一方、導電性フィラー
の配合量を増大させていくと、樹脂組成物中で導電性フ
ィラー同士が連結した分散状態になり、導電性部材の体
積抵抗率及び表面抵抗率が急激に低下する。
【0013】このように、導電性樹脂組成物の体積抵抗
率及び表面抵抗率は、主として導電性フィラーの分散状
態に依拠しているため、 所望の体積抵抗率や表面抵抗
率を有する導電性部材を安定して作製することが困難で
ある。また、導電性フィラーを含有する導電性樹脂組成
物から形成された導電性部材は、温度や湿度が変化する
と、体積抵抗率及び表面抵抗率が大きく変動しやすく、
高温高湿環境下では特にその傾向が著しい。さらに、該
導電性部材は、電圧の変動に伴う低籍抵抗率や表面抵抗
率の変動も大きい。
【0014】絶縁性の合成樹脂に界面活性剤などの帯電
防止剤を練り込んだ導電性樹脂組成物から形成した導電
性部材は、温度や湿度などの環境の変化に伴って、体積
抵抗率や表面抵抗率が大きく変動しやすい。しかも、界
面活性剤などの帯電防止剤は、導電性部材の表面にブリ
ードして、他部材を汚染しやすい。
【0015】合成樹脂製のベルトやローラの表面に帯電
防止剤を塗布する方法もあるが、帯電防止剤が容易に除
去されやすく、しかも帯電防止剤が他部材を汚染する。
合成樹脂に代えて、ゴム材料を用いても、導電性フィラ
ーや帯電防止剤を練り込む方法では、導電性樹脂組成物
の場合と同様の問題が発生する。
【0016】電子写真方式などの画像形成装置におい
て、導電性ベルトやローラなどの導電性部材の体積抵抗
率や表面抵抗率にバラツキが生じたり、不安定である
と、均一な帯電や転写ができなくなり、画像ムラの原因
となる。
【0017】電子写真方式などの画像形成装置では、ト
ナーの定着温度が高いため、各部材は、通常、高温環境
下で使用される。また、画像形成装置は、天候によって
は、高温高湿環境下で使用されることが多い。環境条件
の変動によって、導電性ベルトやローラの体積抵抗率や
表面抵抗率が大きく変動すると、高画質の画像を形成す
ることができなくなる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、体積
抵抗率や表面抵抗率を所望の範囲内で安定的に制御する
ことができ、かつ、体積抵抗率や表面抵抗率の場所によ
るバラツキがない導電性ベルトまたはローラを提供する
ことにある。
【0019】また、本発明の目的は、温度や湿度などの
環境変化、あるいは電圧の変動によっても、体積抵抗率
や表面抵抗率の変動が極めて小さい導電性ベルトまたは
ローラを提供することにある。
【0020】さらに、本発明の目的は、体積抵抗率や表
面抵抗率を半導電性領域に精密に制御することができ、
他部材を汚染することがなく、画像形成装置用導電性部
材として好適な導電性ベルトまたはローラを提供するこ
とにある。
【0021】本発明者らは、鋭意研究した結果、導電性
樹脂層として、主鎖にチオフェン環を有する導電性ポリ
マーから形成された層を用いることにより、前記目的を
達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
樹脂層から形成されているか、あるいは基体上に導電性
樹脂層が形成された構造の導電性ベルトまたはローラに
おいて、該導電性樹脂層が、主鎖にチオフェン環を有す
る導電性ポリマーから形成された層であることを特徴と
する導電性ベルトまたはローラが提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明で使用する導電性ポリマー
は、主鎖にチオフェン環を有するポリマーであり、以
下、「チオフェン系ポリマー」と呼ぶことがある。ポリ
チオフェンは、下記式(1)
【0024】
【化1】
【0025】で表わされる繰り返し単位を有するポリマ
ーである。式中、xは、重合度を表わし、以下の式でも
同じである。
【0026】チオフェン系ポリマーは、主鎖にチオフェ
ン環を有するものであれば、チオフェン誘導体から形成
されたポリマーであってもよい。したがって、本発明で
は、以下の式(2)
【0027】
【化2】
【0028】で表わされる繰り返し単位を有するポリマ
ーを使用することができる。
【0029】上記式(2)において、R1及びR2は、そ
れぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、
アルケンスルホン酸基〔−(CH)n−SO3 -Na+〕、
シクロヘキシル基、フェニル基、アルキル置換フェニル
基などである。また、R1及びR2は、互いに結合して、
飽和または不飽和の単環または多環を形成してもよい。
単環または多環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタ
レン環、ピラジン環、ジオキサン環などが挙げられる。
これらの単環または多環は、アルキル基などの置換基を
有していてもよい。
【0030】また、主鎖にチオフェン環を有する導電性
ポリマーとしては、式(3)
【0031】
【化3】
【0032】(式中、R1及びR2は、上記と同じ)で表
わされる主鎖中にチオフェン環と二重結合を含むポリ
(2,5−チェニレンビニレン)や、主鎖中にチオフェ
ン環と三重結合を含むポリ(2,5−チェニレンエチニ
レン)なども挙げられる。
【0033】主鎖にチオフェン環を有するポリマーは、
主鎖に沿って一次元的に広がったπ電子系を有するπ共
役導電性ポリマーであるため、半導電性領域を示す導電
性樹脂層を形成することができる。チオフェン系ポリマ
ーは、例えば、(1)FeCl3、(NH4228、硫
酸、五フッ化ヒ素などの酸化剤を用いた化学酸化重合
法、(2)電解重合法、(3)脱ハロゲン化重縮合法、(4)グ
リニヤールカップリング法などにより合成することがで
きる。チオフェン系ポリマーは、種々のドーパントでド
ーピングすることにより、導電率を調整することができ
る。
【0034】これらのチオフェン系ポリマーの中でも、
溶解性または溶融性を示し優れた加工性を有しているこ
と、高い導電率を示すこと、周囲環境に対して安定であ
ること、導電性を調整できること、機能性を付与できる
こと、高分子量のポリマーが得られやすいことなどの観
点から、式(4)
【0035】
【化4】
【0036】で表わされる繰り返し単位を有するポリ
(3−アルキルチオフェン)が好ましい。式中、nは、
1〜30の整数であるが、溶解性、耐熱性、導電性など
のバランスの観点からは、4〜22の範囲であることが
好ましく、6〜12の範囲であることがより好ましい。
【0037】ポリ(3−アルキルチオフェン)のアルキ
ル基の鎖長が短すぎると、有機溶媒に対する溶解性が低
下する。ヘキシル基以上の長鎖アルキル基を有するポリ
(3−アルキルチオフェン)は、クロロホルム、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、ベンゼンなどの一般の有機溶
媒に可溶であるため、好ましい。一方、アルキル基の鎖
長が長くなるに従って、導電性(導電率)が減少する。
アルキル基の鎖長が長すぎると、ポリマーの融点が低下
する。
【0038】ポリ(3−アルキルチオフェン)の具体例
としては、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−
ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェ
ン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデ
シルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェ
ン)、ポリ(3−ドコシルチオフェン)などが挙げられ
る。アルキル基が異なるモノマーの共重合体であっても
よい。
【0039】ポリ(3−アルキルチオフェン)は、例え
ば、クロロホルム中で塩化第二鉄(FeCl3 )を用い
た3−アルキルチオフェンの化学酸化重合法により製造
することができる。しかし、この化学酸化重合法によれ
ば、高度に立体規則性を有するポリ(3−アルキルチオ
フェン)を得ることができない。
【0040】ポリ(3−アルキルチオフェン)は、ポリ
マー鎖中に大きく分けて式(5)
【0041】
【化5】
【0042】(式中、Rは、アルキル基である。)であ
らわされる頭−尾結合(Head-to-Tail)(HT構造)と、
式(6)
【0043】
【化6】
【0044】(式中、Rは、アルキル基である。)で表
わされる頭−頭結合(Head-to-Head)(HH構造)との2
つの構造が含まれている。このミクロ構造は、1H−N
MR、13C−NMRなどにより解析されている。
【0045】上記HT構造(HT−HT構造ともいう)
の割合が好ましくは85%以上、より好ましくは90%
以上、特に好ましくは95%以上の立体規則性ポリ(3
−アルキルチオフェン)は、HT構造とHH構造が混在
するポリ(3−アルキルチオフェン)に比べて、アルキ
ル基同士の立体障害が小さく、主鎖中のπ共役平面が増
大することが期待され、その結果、導電性が向上し、か
つ、耐環境性に優れており、極めて安定した導電率(あ
るいは体積抵抗率や表面抵抗率)を示すようになる。
【0046】HT構造を有する立体規則性ポリ(3−ア
ルキルチオフェン)は、例えば、2−ブロモ−3−アル
キルチオフェンを出発材料とし、2段階反応によりグリ
ニヤール試薬を合成し、次いで、ニッケル触媒によるク
ロスカップリング反応を行う方法、テトラヒドロフラン
中で活性亜鉛とニッケル触媒を用いて、2,5−ジブロ
モ−3−アルキルチオフェンを脱ハロゲン重縮合する方
法〔Tian-An Chen, X.Wu, and R.D. Rieke, J. Am. Che
m. Soc., 117, 233-244 (1995)〕などにより合成するこ
とができる。
【0047】また、主鎖にチオフェン環を有する導電性
ポリマーとして、式(7)
【0048】
【化7】
【0049】で表わされるポリ(アルキレンジオキシチ
オフェン)が好ましい。
【0050】式(7)中、nは、通常0〜30、好まし
くは0〜21の整数である。n=0の場合は、ポリ(エ
チレンジオキシチオフェン)を表わす。ポリ(アルキレ
ンジオキシチオフェン)は、透明性に優れ、通常の環境
下で非常に安定しており、安定した導電率を示す。ポリ
(アルキレンジオキシチオフェン)は、酸化重合法、電
解重合法などにより合成することができる。
【0051】本発明で使用するチオフェン系ポリマーの
分子量は、有機溶媒に可溶である場合、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチ
レン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常5,000
〜500,000、好ましくは6,000〜300,0
00、より好ましくは7,000〜200,000であ
る。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は、
通常1.5〜7、好ましくは2〜6程度である。
【0052】主鎖にチオフェン環を有する導電性ポリマ
ーは、耐熱性が良好であり、多くの場合、100℃また
はそれ以上の高温でも安定した体積抵抗率や表面抵抗率
を示す。また、チオフェン系ポリマーは、吸湿性が小さ
く、湿度の変化に伴う体積抵抗率や表面抵抗率の変化が
極めて小さい。さらに、導電性カーボンブラックを配合
した導電性樹脂組成物に比べて、導電性フィラーの分散
の粗密による体積抵抗率や表面抵抗率のバラツキがな
く、均一な導電性を示す。
【0053】主鎖にチオフェン環を有する導電性ポリマ
ーの中でも、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ
(エチレンジオキシチオフェン)は、耐熱性に優れ、安
定した体積抵抗率や表面抵抗率を示す。ポリ(3−アル
キルチオフェン)の中でもHT構造の立体規則性ポリ
(3−アルキルチオフェン)は、HT−HT構造が規則
的に繰り返しており、その立体規則性によって、分子間
のチオフェンユニット間のπ共役が広がっており、極め
て安定した体積抵抗率や表面抵抗率示す。
【0054】ポリ(3−アルキルチオフェン)は、チオ
フェン環側鎖のアルキル基の鎖長により体積抵抗率や表
面抵抗率を系統的に変化させることができる。ポリ(3
−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェ
ン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オ
クタデシルチオフェン)の順に半導電性領域での体積抵
抗率や表面抵抗率が高くなる。
【0055】そこで、アルキル基の鎖長が異なる少なく
とも2種類のポリ(3−アルキルチオフェン)からそれ
ぞれ形成された少なくとも2層からなる多層構成を形成
すると、体積抵抗率や表面抵抗率が傾斜したポリ(3−
アルキルチオフェン)層を得ることができる。また、こ
の方法によって、外面と内面とで表面抵抗率が異なるポ
リ(3−アルキルチオフェン)層を得ることができる。
例えば、画像形成装置における転写ベルトやローラで
は、帯電しやすいように外面の表面抵抗率を高くし、背
面からの転写電圧が有効に作用するように内面の表面抵
抗率及び体積抵抗率を低くすることが好ましい。
【0056】ポリ(3−アルキルチオフェン)などのチ
オフェン系ポリマーに、例えば、ジフェノキノン、p−
トルエンスルホン酸、塩化第二鉄などのドーパントを
0.1〜100%程度添加することにより、体積抵抗率
を低下させて導電性に近づけることができる。同一のド
ーパントを同一量配合した場合でも、ポリ(3−アルキ
ルチオフェン)のアルキル基の鎖長により、体積抵抗率
や表面抵抗率を系統的に変化させることができる。導電
性ポリマーへのドーピング法としては、気相ドーピン
グ、液相ドーピング、電気化学的ドーピングなどがあ
る。
【0057】主鎖にチオフェン環を有するチオフェン系
ポリマーの層を形成するには、電解重合法のように、重
合過程でフィルムに成形加工するものは、常法に従って
フィルム化する。長鎖アルキル基でチオフェン環の3位
置を置換したポリ(3−アルキルチオフェン)は、加熱
により溶融し、また、種々の有機溶媒に可溶であるた
め、それらの性質を利用した成膜法を採用することがで
きる。
【0058】溶解性を示すチオフェン系ポリマーは、ク
ロロホルムやトルエン、塩化メチレンなどの有機溶媒に
溶解させ、得られた溶液を塗布法、スピンコーティング
法、キャスティング法などで成膜することができる。
【0059】シームレスベルトを作製する場合には、例
えば、鏡面仕上げをしたステンレス管などの支持体上に
ポリチオフェン系ポリマー溶液を塗布し、熱処理などで
溶媒を揮散させて成膜する方法が好ましい。2層以上の
多層構成の被膜を形成するには、重ね塗りの方法を適用
すればよい。成膜後、支持体を脱型すれば、シームレス
ベルトが得られる。また、ポリイミドフィルムなどのベ
ルト基体や芯金などのローラ基体上に成膜すれば、基体
と一体化した導電性ベルトまたはローラが得られる。
【0060】導電性ポリマー層は、それ単独で導電性ベ
ルトを形成する場合、厚みは、好ましくは30μm〜2
mm、より好ましくは50μm〜1mmである。導電性
ポリマー層をベルト基体やローラ基体上に形成する場合
には、厚みは、好ましくは20μm〜1mm、より好ま
しくは30〜500μmである。
【0061】本発明の導電性ポリマー層の温度20℃、
電圧100Vで測定した体積抵抗率は、通常1.0×1
2〜1.0×1013Ωcm、好ましくは1.0×104
〜1.0×1012Ωcm、より好ましくは1.0×10
5〜1.0×1011Ωcmの範囲である。また、導電性
ポリマー層の温度20℃、電圧100Vで測定した表面
抵抗率は、通常1.0×103〜1.0×1014Ω/
□、好ましくは1.0×104〜1.0×1013Ω/
□、より好ましくは1.0×105〜1.0×1012Ω
/□の範囲である。
【0062】導電性ポリマー層の温度20℃、電圧10
0Vで測定した外面の表面抵抗率(ρs1;Ω/□)
と、温度20℃、電圧100Vで測定した体積抵抗率
(ρv;Ωcm)との比(ρs1/ρv)は、1.5以
上であることが好ましい。導電性ポリマー層が単層であ
る場合、この比(ρs1/ρv)は、1.5〜15程度
である。導電性ポリマー層が多層である場合、この比
(ρs1/ρv)を5〜20程度とすることができる。
転写ベルトなどの場合において、帯電しやすいように外
面の表面抵抗率を高くし、背面からの転写電圧が有効に
作用するように体積抵抗率を低くすることが好ましい。
【0063】導電性ポリマー層を主鎖にチオフェン環を
有する少なくとも2種類の導電性ポリマーからそれぞれ
形成された少なくとも2層からなる多層構成とし、そし
て、温度20℃、電圧100Vで測定した外面の表面抵
抗率(ρs1)と内面の表面抵抗率(ρs2)との比
(ρs1/ρs2)を2以上とすることが好ましい。こ
の比(ρs1/ρs2)は、より好ましくは2〜20程
度である。転写ベルトなどの場合においては、帯電しや
すいように外面の表面抵抗率を高くし、背面からの転写
電圧が有効に作用するように内面の表面抵抗率と体積抵
抗率を低くすることが好ましい。2層構成の場合、各層
の厚さの比は、通常、5:95〜95:5、好ましくは
10:90〜90:10、より好ましくは20:80〜
80:20である。
【0064】本発明の導電性ポリマー層を有する導電性
ベルトまたはローラは、表面抵抗率の環境依存性が小さ
く、例えば、測定温度を20℃から100℃に変化さ
せた場合、測定電圧を10V、100V、500Vと
変化させた場合、温度60℃、相対湿度90%の環境
下で測定した場合、温度80℃、相対湿度90%で測
定した場合のいずれにおいても、表面抵抗率の値は、実
質的に同一水準を維持している。例えば、これらの諸条
件を変化させても、表面抵抗率の最小値に対する最大値
の倍率は10未満であり、多くの場合3未満、さらには
2.5未満である。体積抵抗率も同様の水準の耐環境性
を示す。
【0065】
【実施例】以下に、合成例、実施例、及び比較例を挙げ
て、本発明についてより具体的に説明する。
【0066】[合成例1]ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン)の合成 50ミリリットル(mL)の滴下ロートを備えた300
mLの3つ口フラスコ中に、塩化第2鉄(FeCl3
10.0gとクロロホルム100mLを入れて十分に攪
拌した。滴下ロートに、モノマーである3−n−ヘキシ
ルチオフェン3.0gとクロロホルム10mLを入れ
た。フラスコ内の塩化第2鉄溶液を攪拌しつつ、滴下ロ
ートから3−n−ヘキシルチオフェン溶液をゆっくり滴
下した。全量を滴下後、さらに室温で2時間反応させ
た。
【0067】反応終了後、反応混合液に蒸留水100m
Lを加えて、さらに2時間攪拌した。反応溶液を分液ロ
ートに移して、濃茶褐色となったクロロホルム層を分け
取った。このクロロホルム層を、エタノール500mL
と濃塩酸50mLの混合溶液中に投入して、30分間攪
拌した。その後、生じた濃茶褐色沈殿物を濾過して取
り、これをエタノールで洗浄した。この粗生成物をクロ
ロホルム/エタノールで再沈精製し乾燥することによっ
て、2.2gの濃茶褐色粉末状のポリ(3−ヘキシルチ
オフェン)を得た。
【0068】このようにして得られたポリ(3−ヘキシ
ルチオフェン)は、例えば、クロロホルム、テトラヒド
ロフラン(THF)、トルエン、ベンゼンなどの有機溶
媒に可溶であった。ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィ(GPC)によりポリ(3−ヘキシルチオフェン)
の分子量を測定した結果、ポリスチレン換算の重量平均
分子量(Mw)は、71,400で、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表わされる分
子量分布(Mw/Mn)は、3.4であった。
【0069】[合成例2]ポリ(3−オクチルチオフェ
ン)の合成 3−n−ヘキシルチオフェンに代えて、3−n−オクチ
ルチオフェンを用いたこと以外は、合成例1と同様にし
て、ポリ(3−オクチルチオフェン)を合成した。得ら
れたポリ(3−オクチルチオフェン)の重量平均分子量
(Mw)は、63,000で、分子量分布(Mw/M
n)は、3.3であった。
【0070】[合成例3]ポリ(3−ドデシルチオフェ
ン)の合成 3−n−ヘキシルチオフェンに代えて、3−n−ドデシ
ルチオフェンを用いたこと以外は、合成例1と同様にし
て、ポリ(3−ドデシルチオフェン)を合成した。得ら
れたポリ(3−ドデシルチオフェン)の重量平均分子量
(Mw)は、48,000で、分子量分布(Mw/M
n)は、3.5であった。
【0071】[合成例4]HT構造ポリ(3−オクチル
チオフェン)の合成 50mLの滴下ロートを備えた200mLの3つ口フラ
スコ中に、活性亜鉛(Rieke Zn*)のテトラヒドロフラン
溶液(Aldrich社製)を活性亜鉛11.0ミリモル(m
mol)相当量で添加した。このフラスコには、撹拌用
のマグネットを入れた。滴下ロートには、2,5−ジブ
ロモ−3−オクチルチオフェン(Aldrich社製)を3.
54g(10.0mmol)入れ、窒素雰囲気下で冷却
して、−78℃の温度にした。
【0072】この温度を保ったまま、フラスコ内の活性
亜鉛溶液を激しく攪拌しつつ、滴下ロートより2,5−
ジブロモ−3−オクチルチオフェンを全量滴下した。1
時間攪拌した後、冷却をやめ、ゆっくりと約3時間かけ
て温度を0℃まで上昇させた。次に、約12mgのジフ
ェニルフォスフィノエタンニッケルクロライド〔NiC
2(DPPE)、Aldrich社製〕と乾燥テトラヒドロフ
ラン20mlを加えて、そのまま24時間攪拌を続けて
徐々に室温にまで温度を上昇させた。
【0073】反応終了後、暗紫色の反応混合液を、メタ
ノール500mLと濃塩酸500mLとの混合溶液中に
投入して、30分間攪拌した。その後、生じた暗紫色の
沈殿物を濾過して取り、これをメタノールで洗浄した。
この粗生成物をクロロホルム/エタノールで再沈精製
し、暗紫色粉末のポリマー1.4gを得た。
【0074】このようにして得られたポリマーは、例え
ば、クロロホルム、THF、トルエン、ベンゼンなどの
有機溶媒に可溶であった。GPCにより該ポリマーの分
子量を測定したところ、ポリスチレン換算の重量平均分
子量(Mw)は、142,000で、分子量分布(Mw
/Mn)は、3.1であった。このポリマーの1H−N
MR、13C−NMR、及びIRスペクトルの測定結果
は、文献〔Tian-An Chen, X. Wu, and R.D. Rieke, J.
Am. Chem. Soc., 117, 233-244 (1995)〕の値と一致し
ており、ミクロ構造が頭−尾結合である立体規則性ポリ
(3−オクチルチオフェン)であることが確認された。
【0075】[合成例5]HT構造ポリ(3−ヘキシルチ
オフェン)の合成 2,5−ジブロモ−3−オクチルチオフェンに代えて、
2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェンを用いたこ
と以外は、合成例4と同様にして、HT構造ポリ(3−
ヘキシルチオフェン)を合成した。このHT構造ポリ
(3−ヘキシルチオフェン)の重量平均分子量(Mw)
は、95,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、
5.6であった。
【0076】[合成例6]HT構造ポリ(3−ドデシルチ
オフェン)の合成 2,5−ジブロモ−3−オクチルチオフェンに代えて、
2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェンを用いたこ
と以外は、合成例4と同様にして、HT構造ポリ(3−
ドデシルチオフェン)を合成した。このHT構造ポリ
(3−ドデシルチオフェン)の重量平均分子量(Mw)
は、106,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、
3.3であった。
【0077】[合成例7]ポリエチレンジオキシチオフ
ェンの合成 バイエル社製バイトロンM〔2,3−ジヒドロチエノ
(3,4−b)(1,4)ジオキシン〕4gにバイトロ
ンC〔トリス(パラトルエンスルホン酸)鉄(III)の
40%ブタノール液〕を配合して酸化重合することによ
り、ポリエチレンジオキシチオフェンを合成した。得ら
れたポリエチレンジオキシチオフェンの重量平均分子量
(Mw)は、7,200で、分子量分布(Mw/Mn)
は、5.1であった。
【0078】[実施例1]転写ベルトの作製 厚さ5mm、外径220mmφ、長さ300mmのステ
ンレス管の表面を鏡面仕上げした。このステンレス管の
表面に、合成例1で合成したポリ(3−ヘキシルチオフ
ェン)のトルエン溶液(濃度約10重量%)を塗布し、
次いで、熱処理によりトルエンを揮発させて被膜を形成
した。ステンレス管から被膜を脱型して、厚さ100μ
m、幅250mm、直径220mmφのシームレスベル
トを得た。
【0079】[実施例2〜7]ポリ(3−ヘキシルチオ
フェン)に代えて、合成例2〜7で合成した各ポリマー
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれ
シームレスベルトを作製した。
【0080】[実施例8]実施例1と同様にして、ステ
ンレス管の表面に厚さ50μmのポリ(3−ヘキシルチ
オフェン)の被膜を形成し、次いで、その上から、厚さ
50μmのポリ(3−オクチルチオフェン)の被膜を形
成した。これによって、内層がポリ(3−ヘキシルチオ
フェン)で外層がポリ(3−オクチルチオフェン)であ
る2層構成を有し、厚さ100μm、幅250mm、φ
220mmのシームレスベルトを得た。
【0081】[実施例9]ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン)及びポリ(3−ドデシルチオフェン)を用いて、実
施例8と同様にして、内層がポリ(3−ヘキシルチオフ
ェン)で外層がポリ(3−ドデシルチオフェン)である
2層構成を有し、厚さ100μm、幅250mm、φ2
20mmのシームレスベルトを得た。
【0082】[実施例10]HT構造ポリ(3−ヘキシ
ルチオフェン)及びHT構造ポリ(3−オクチルチオフ
ェン)を用いて、実施例8と同様にして、内層がポリ
(3−ヘキシルチオフェン)で外層がポリ(3−オクチ
ルチオフェン)である2層構成を有し、厚さ100μ
m、幅250mm、φ220mmのシームレスベルトを
得た。
【0083】[実施例11]HT構造ポリ(3−ヘキシ
ルチオフェン)及びHT構造ポリ(3−ドデシルチオフ
ェン)を用いて、実施例8と同様にして、内層がポリ
(3−ヘキシルチオフェン)で外層がポリ(3−ドデシ
ルチオフェン)である2層構成を有し、厚さ100μ
m、幅250mm、φ220mmのシームレスベルトを
得た。
【0084】[比較例1]ポリイミドワニス(宇部興産
社製Uワニス)に導電性カーボンブラック(東海カーボ
ン社製N220)をポリイミド固形分100重量部に対
して30重量部の割合で配合した。このワニスをステン
レス管の表面に塗布し、熱処理によって溶媒を揮発させ
て被膜(厚さ100μm)を形成した。被膜をステンレ
ス管から脱型して、ポリイミド製のシームレスレスベル
トを得た。
【0085】<評価方法>実施例1〜11及び比較例1
で作製した各シームレスベルトについて、ハイレスタ
(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、表面抵抗率
(Ω/□)値と体積抵抗率(Ωcm)を測定した。印可
電圧を10V、100V、及び500Vと変化させて、
温度20℃、相対湿度(RH)40%の室内中で測定し
た。また、シームレスベルトをホットプレート上で加熱
して、60℃、80℃、及び100℃の温度で内外面の
表面抵抗率を測定した。さらに、シームレスベルトを恒
温恒湿槽に24時間投入し、取り出した直後に、表面抵
抗率と体積抵抗率を測定した。恒温恒湿槽の条件は、6
0℃/90%RH、及び80℃/90%RHとした。
【0086】測定結果を表1〜3に示す。表1〜3にお
いて、A〜Gは、以下のポリマーに対応する。 A:ポリ(3−ヘキシルチオフェン) B:ポリ(3−オクチルチオフェン) C:ポリ(3−ドデシルチオフェン) D:HT構造の立体規則性ポリ(3−ヘキシルチオフェ
ン) E:HT構造の立体規則性ポリ(3−オクチルチオフェ
ン) F:HT構造の立体規則性ポリ(3−ドデシルチオフェ
ン) G:ポリエチレンジオキシチオフェン
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】<考察>表1〜3の結果から、本発明の導
電性ベルトは、温度や湿度などの環境の変化による表面
抵抗率及び体積抵抗率の変化が極めて小さく、耐環境性
に優れていることが分かる。また、長鎖アルキル基の鎖
長が異なるポリ(3−アルキルチオフェン)からなる多
層構成とすることにより、外面の表面抵抗率を高くした
り、内面の表面抵抗率を低くすることができる。このよ
うな精密な表面抵抗率の制御によって、例えば、転写ベ
ルトとして優れた機能を有する導電性ベルトを得ること
ができる。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、体積抵抗率や表面抵抗
率を所望の範囲内で安定的に制御することができ、か
つ、体積抵抗率や表面抵抗率の場所によるバラツキがな
い導電性ベルトまたはローラが提供される。また、本発
明によれば、温度や湿度などの環境変化、あるいは電圧
の変動によっても、体積抵抗率や表面抵抗率の変動が極
めて小さい導電性ベルトまたはローラが提供される。
【0092】さらに、本発明によれば、体積抵抗率や表
面抵抗率を半導電性領域に精密に制御することができ、
他部材を汚染することがなく、画像形成装置用導電性部
材として好適な導電性ベルトまたはローラが提供され
る。
【0093】本発明の導電性ベルトやローラは、電子写
真方式などの画像形成装置における帯電ベルトや転写ベ
ルトなどの導電性部材として好適である。本発明の導電
性ベルトやローラは、これ以外にも、産業用の搬送ベル
トやローラなどの広範な分野に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 103 G03G 15/16 103 (72)発明者 山川 真弘 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 2H200 FA01 FA08 FA18 GB50 HA02 HA28 HB12 HB13 HB22 HB45 HB46 JA02 JA25 JA26 JB06 JB45 JB46 LA23 MA04 MB01 MB04 MB05 3F024 BA02 CA04 CB02 CB07 3J103 AA02 AA21 EA11 FA18 GA02 GA57 GA58 GA60 HA04 HA20 HA60 4J032 BA04 BA07 BB01 BB09 BC01 CG01 CG06 CG08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性樹脂層から形成されているか、あ
    るいは基体上に導電性樹脂層が形成された構造の導電性
    ベルトまたはローラにおいて、該導電性樹脂層が、主鎖
    にチオフェン環を有する導電性ポリマーから形成された
    層であることを特徴とする導電性ベルトまたはローラ。
  2. 【請求項2】 該導電性ポリマーが、ポリ(3−アルキ
    ルチオフェン)である請求項1記載の導電性ベルトまた
    はローラ。
  3. 【請求項3】 該ポリ(3−アルキルチオフェン)が、
    頭−尾結合のミクロ構造を有する立体規則性ポリ(3−
    アルキルチオフェン)である請求項2記載の導電性ベル
    トまたはローラ。
  4. 【請求項4】 該導電性ポリマーが、ポリ(アルキレン
    ジオキシチオフェン)である請求項1記載の導電性ベル
    トまたはローラ。
  5. 【請求項5】 該導電性ポリマー層が、アルキル基の鎖
    長が異なる少なくとも2種類のポリ(3−アルキルチオ
    フェン)からそれぞれ形成された少なくとも2層からな
    る多層構成を有するものである請求項1乃至3のいずれ
    か1項に記載の導電性ベルトまたはローラ。
  6. 【請求項6】 該導電性ポリマー層の温度20℃、電圧
    100Vで測定した体積抵抗率が、1.0×102
    1.0×1013Ωcmの範囲である請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載の導電性ベルトまたはローラ。
  7. 【請求項7】 該導電性ポリマー層の温度20℃、電圧
    100Vで測定した表面抵抗率が、1.0×103
    1.0×1014Ω/□の範囲である請求項1乃至6のい
    ずれか1項に記載の導電性ベルトまたはローラ。
  8. 【請求項8】 該導電性ポリマー層の温度20℃、電圧
    100Vで測定した外面の表面抵抗率(ρs1;Ω/
    □)と、温度20℃、電圧100Vで測定した体積抵抗
    率(ρv;Ωcm)との比(ρs1/ρv)が、1.5
    以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の導電
    性ベルトまたはローラ。
  9. 【請求項9】 該導電性ポリマー層が、主鎖にチオフェ
    ン環を有する少なくとも2種類の導電性ポリマーからそ
    れぞれ形成された少なくとも2層からなる多層構成を有
    しており、かつ、温度20℃、電圧100Vで測定した
    外面の表面抵抗率(ρs1)と内面の表面抵抗率(ρs
    2)との比(ρs1/ρs2)が2以上である請求項1
    乃至8のいずれか1項に記載の導電性ベルトまたはロー
    ラ。
  10. 【請求項10】 画像形成装置用導電性部材である請求
    項1乃至9のいずれか1項に記載の導電性ベルトまたは
    ローラ。
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