JP3995916B2 - 半導電性シームレスベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電式複写機、プリンタ等の感光体、中間転写体、搬送ベルト等に用いられる半導電性シームレスベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導電性シームレスベルトは、主な用途として電子写真装置の中間転写体として使用されており、その要求される抵抗値レベルは体積抵抗率で104〜1013Ω・cmの範囲、かつ、ばらつきは1桁以内、好ましくは0.5桁以内で、表面抵抗率は外側表面の表面抵抗率が1012Ω/□以上であるものが望まれている。従来の半導電性シームレスベルトは、絶縁性のバインダー樹脂に、カーボンブラック、黒鉛粉末、金属粉末、セラミック粉末等の導電性フィラーを分散させ、これを遠心成形、押出し成形等の方法によりシームレスの円筒形に成形し、半導電性シームレスベルトとしていた。
【0003】
一方、導電性有機高分子系材料については、従来、次のものが知られている。
WO92/16951には有機溶媒に可溶な導電性ポリピロールを用い、従来知られている塗布技術を用いて容易に均一、透明性を有するフイルムを得ることができる、優れた静電防止材料として、式(II)で表される少なくとも一種の化合物を重合させることにより得られる重合度2〜1000の可溶性導電性ポリピロールを基材に被覆し、次いでドーピングして導電化させる静電防止材料が記載されている。
【0004】
【化2】
(式中、R1、R2は、同一又は相異なって炭素数1〜18の置換基を有していてもよいアルキル基、フェニル基又は置換基を有してもよいベンジル基を示す。)
【0005】
特開平8−244367号公報には、背面層の帯電防止効果が優れ、しかもサーマルヘッドの損傷を著しく低減できる熱転写シートとして、基材の一方の面に記録剤層が設けられ、他方の面に背面層が設けられてなる熱転写シートにおいて、該背面層がバインダー樹脂と導電性有機高分子とからなり、該導電性有機高分子が電子供与体である導電性有機高分子と電子受容体とからなり、かつ該背面層中の前記導電性有機高分子の含有率が35〜75質量%(固形分質量%)で、その表面抵抗率が1011Ω/cm2 以下である熱転写シートが記載されている。
【0006】
特開昭64−72842号公報には、シート基材の強度低下がなく、表面が高度な制電性と導電性を保ち、しかも複合シートを成形して得た容器に収納された内容物が肉眼で判別できる程度の透明性を有する透明・導電性複合シートとして、ゴム含有スチレン系樹脂シート層と、該シート層の少なくとも片面にメチルメタアクリレート−メタクリル酸エステル共重合樹脂、カーボンブラック及び溶剤を主成分とする導電性塗料を塗工した透明・導電性複合シートが記載されている。
【0007】
特開平9−77127号公報には、導電性を維持しつつ、シートの成形性および寸法安定性を向上させ、トップテープ等との良好なシール性を得ることができる導電性樹脂シートとして、ポリスチレン系樹脂シートの片面あるいは両面に、バインダーとしてアクリル−ウレタン系樹脂(アクリル成分:0.1〜50質量%)100質量部に対して、粒径0.05〜1.0μmのカーボンブラック等の導電性フィラー15〜35質量部を含有してなる導電層を設け、その表面固有抵抗値が104〜108Ωの範囲である導電性樹脂シートが記載されている。
【0008】
特開平6−206284号公報には、耐熱性、機械的特性、帯電防止性に優れ、かつICや電子部品の包装用として用いるための二次成形性を有する耐熱性導電性複合プラスチックシートとして、ポリフェニレンエーテル樹脂38〜96質量部と耐衝撃性ポリスチレン樹脂62〜4質量部のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなるシート基材の片面若しくは両面に、該基材をなすポリフェニレンエーテル系樹脂組成物よりもポリフェニレンエーテル樹脂の含有量が5〜40質量部少ないポリフェニレンエーテル系樹脂組成物100質量部とカーボンブラック等の導電付与材5〜50質量部の導電性樹脂組成物からなるフイルム又はシートを積層してなる耐熱導電性複合プラスチックシートが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
導電性フィラーをバインダー樹脂材料に添加したタイプの半導電性シームレスベルトは、所望の半導電性を得るために、導電性フィラーの添加量を調整するが、フィラー添加量対抵抗値の関係が、非常に不安定な領域での調整となるため、材料、製品の歩留まりが低くなりやすく、結果的に全体のコストアップを招いていた。
【0010】
また、半導電性シームレスベルトは複数のローラに懸架されて駆動して使用されるため、機械的耐久性が要求され、導電性フィラーをバインダー樹脂材料に添加したタイプの半導電性シームレスベルトは、フィラーの添加によりバインダー樹脂材料のみの場合と比較して機械的耐久性が劣化する傾向にあり、決して好ましいものではなかった。
【0011】
導電性有機高分子系材料については、静電防止レベルの導電性が前提とされており、それ自体が機械的性能を有すると共に、体積抵抗が重要な役割を持つ本発明の分野である電子写真装置用のシームレスベルトとしての実用化はなされていなかった。
【0012】
さらに、導電性有機高分子系材料に関しては、低分子量のドーパントの添加が必須となり、フィラー添加タイプと同様、このドーパントの添加により機械的耐久性の劣化を招いていた。
【0013】
従って、本発明は、シームレスベルトの厚さ方向及び面方向で、所望の半導電特性を安定して得ることができ、機械的耐久性の劣化が少ない半導電性シームレスベルトを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明の要旨は、体積抵抗率が1×1011〜6.9×1011Ω・cmである半導電性シームレスベルトであって、電子吸引性基を有するベンゼン環を分子鎖中に含むバインダー樹脂と、導電性有機高分子とを主成分とし、バインダー樹脂がポリウレタン系樹脂、または、芳香族ジアミンとジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレア系樹脂であり、導電性有機高分子がポリピロール類であり、導電性有機高分子の1繰り返し単位に対する、バインダー樹脂中の電子吸引性基を有するベンゼン環の割合が0.71以上であり、導電性有機高分子の含有量が、0.5〜30質量%の範囲であることを特徴とする半導電性シームレスベルトにあり、この構成により上述した課題が解決されることを確認した。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる導電性有機高分子としては、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリメタフェニレン、ポリチオフェンなどがあげられ、半導電領域に安定領域を取りやすく、導電性有機高分子そのものの機械的特性に優れるという点などからポリピロール類が好ましい。かかるポリピロール類としては、下記一般式(I)で示されるものや以下の式(III)で示されるものを例示することができる。そして、これらの中では式(I)で示されるポリピロールであることがより好ましい。
【0016】
【化3】
(式中、mは100〜10,000の整数を、m個のRは同一又は異なってエチル基又はブチル基を表す。)
【0017】
【化4】
(式中、nは一般的に33〜334の整数である)
【0018】
前記式(I)で示されるポリピロール類の中でも、Rがエチル基であるポリピロール誘導体とRがブチル基であるポリピロール誘導体との共重合体であるものが、他のバインダー樹脂との相溶性に優れる点でさらに好ましく、その共重合体の例として、ポリピロールSSPY(商品名、日本曹達株式会社製)を例示できる。
【0019】
本発明において用いられるバインダー樹脂としては、分子鎖中に電子吸引性基を有するベンゼン環を含むものを使用する必要がある。バインダー樹脂の少なくとも一部の成分の分子鎖中に電子吸引性基を含むベンゼン環を導入するためには、モノマーとしてベンゼン環に電子吸引性基を有するものを導入する方法と、ポリマー化した後に、電子吸引性基で置換する方法があるが、分子設計が容易で製造が容易なことから、前者の方法を採用することが好ましい。
【0020】
ベンゼン環に結合する電子吸引性基としては、−F,−Cl,−Br,−I,等のハロゲン基や、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基等が例示されるが、導入が容易であること、モノマーとして安定であることから、ハロゲン基、アルコキシカルボニル基を選択することが好ましく、電子吸引性基が、ハロゲン基、カルボニルアルコシキ基から選択される、1種または2種以上からなるものであることが好ましい。
また、本発明の中間転写用シームレスベルトは、複数のロールに懸架されて使用されるので、バインダー樹脂としては、充分な機械的強度と、可撓性を有する材料を選択する必要がある。
【0021】
このような材料としては、PET、PBT、PEN等の芳香族ポリエステル系樹脂、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の芳香族ポリイミド系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリウレタン系樹脂、芳香族ポリウレア系樹脂、芳香族アクリル系樹脂等が例示される。
これらの樹脂は熱硬化性、熱可塑性のいずれであっても良く、適用する製法によって適当なものを選択することができる。
【0022】
これらバインダー樹脂の中で、特に好ましいものとしてポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂が挙げられ、とりわけ、芳香族ポリウレタン系樹脂、芳香族ポリウレア系樹脂を用いた場合に良好な特性を得ることができる。
【0023】
また、芳香族ポリウレアを構成するジアミンとしてメチレン−ビス−2−クロロアニリン(MOCA)を含むものとすると、−Cl基により、より高い電子吸引性を得ることができ、導電性有機高分子の導電性の発現に有効に作用する。
さらに、バインダー樹脂の分子鎖中に含まれる電子吸引性基を有するベンゼン環が、バインダー樹脂を構成するモノマーである、芳香族ジアミンに由来するものであることが好ましく、前記芳香族ジアミンが、メチレン−ビス−2−クロロアニリンを含むものであることがより好ましい。
【0024】
ここでポリウレタン系樹脂とは、ポリオールとポリイソシアネートとを主モノマー成分とする反応生成物であり、ポリウレア系樹脂とは、ポリアミンとポリイソシアネートとを主モノマー成分とする反応性生物である。ポリオール、ポリアミン及びポリイソシアネートの3成分すべてを含むモノマーによる反応性生物に関しては、しばしばポリウレタンウレア樹脂と称されるが、本発明中において、この「ポリウレタンウレア樹脂」は、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂のいずれにも属するものであり、本発明の範疇にあるものである。
【0025】
また、芳香族ポリウレタン樹脂とは、ポリオール成分中の少なくも1つの−OH基が、ベンゼン環に直接結合しているものをモノマーとして含むものであり、芳香族ポリウレアとは、ポリアミン成分中の少なくも1つの−NH2基が、ベンゼン環に直接結合しているものをモノマーとして含むものである。
【0026】
導電性有機高分子の割合は、半導電性シームレスベルトを構成する全成分に対して0.5質量%以上が好ましい。0.5質量%未満であると充分な導電性を付与できなくなる傾向にある。また、上限は30質量%以下とすることが好ましく、これは導電性有機高分子の量をこれ以上増やしても、実質的に低抵抗化には効果が薄く、機械特性の劣化を招く危険性があるためである。
【0027】
導電性有機高分子に対する、バインダー樹脂中の電子吸引性基を有するベンゼン環の割合は、少なすぎると導電性の付与効果が小さく所望の導電性を得難くなるため、導電性有機高分子の重合度mに対し、バインダー樹脂中の電子吸引性基を有するベンゼン環の割合を、m以上とすることが好ましい。
【0028】
本発明における導電性は、表面抵抗率、及び、体積抵抗率をJIS K6911の抵抗率測定に規定される方法により測定、算出し評価される。本発明においては、この方法により得られる値が、体積抵抗率が1×1011〜6.9×1011Ω・cmの範囲にあり、かつ少なくとも外側表面の表面抵抗率が1012Ω/□以上とすることが好ましい。これは、紙やOHP用シートの搬送には表面抵抗は絶縁領域にあることがよく、トナーの転写、除電には体積抵抗が半導電域であることが都合が良いからで、上述の構成によれば、本特性を達成することが可能である。
【0029】
特に、導電性有機高分子として窒素原子及び平面環状分子構造を含むポリピロール類やポリアニリン類を使用し、バインダー樹脂としても、窒素原子及び平面環状分子構造を含むポリウレア系樹脂やポリウレタン系樹脂を使用することで、上記特性を容易に得ることができる。
【0030】
本発明においては、従来必要とされていたドーパントは不要であり、この役割を補うのがバインダー樹脂の分子鎖中に含まれる、電子吸引性基を有するベンゼン環である。これは、従来の主な用途であるコーティングによる導電薄膜形成においては、体積抵抗率換算で1×100〜1×104Ω・cmレベルの高い導電性が要求されていたのに対し、本発明が適用される半導電性の分野においては、1×1011〜6.9×1011Ω・cmの範囲が好適に使用されるため、本発明の構成で充分な導電機能を発揮するとともに、低分子量のドーパントを必要としないことから機械的特性に与える悪影響が非常に少なく、充分な耐久性を維持した半導電性シームレスベルトを得ることができる。
【0031】
次に本発明の製造方法について説明する。導電性有機高分子は予め適当な有機溶剤に溶解させる。ついで、この導電性有機高分子溶液を、適宜のバインダー樹脂と混合し、成形用樹脂材料を得る。バインダー樹脂が複数成分からなる場合は、少なくとも1つの成分に混合すればよい。混合する際、バインダー樹脂が固形であったり、高粘度のものであったりする場合は、適宜の溶剤を添加し、混合することができる。
【0032】
シームレスのベルトを成形する方法としては、押出し成形、遠心成形、注型法等の方法が適用可能であるが、厚さ精度、抵抗値精度、表面性に優れることから、遠心成形法を採用することが好ましい。特に、本発明においては、導電性付与物質が有機高分子であることからバインダー樹脂との相溶性に優れると共に比重差が少ないことから、遠心成形時の遠心力による成分の偏りを生じることがないという利点がある。
【0033】
遠心成形法と、上記原材料からなる成形用樹脂材料を流動状として円筒状の金型の内側に注入し、金型を回転させることにより、遠心力の作用で金型の内壁に流動状材料の層を形成し、樹脂を乾燥または加熱固化して、樹脂層を金型の内側に形成させ、得られた樹脂層を取り出す方法である。
【0034】
金型は金属製がよく、内側はシームレスベルト表面の面粗度を細かくするために鏡面加工を施し、シームレスベルトの剥離が簡単なようにフッ素樹脂やシリコーン樹脂等で処理したものが好ましい。
【0035】
成形用樹脂材料は、成形時の粘度が、50,000mPa・s以下となるように調整することが好ましい。熱硬化性樹脂を用い、そのものの粘度がこの範囲にある場合はそのまま使用することができるが、熱可塑性樹脂を使用する場合や、熱硬化性樹脂でも、この範囲を超える場合は、適宜の溶媒を加えて溶解、希釈することで粘度調整を行うことが可能である。50,000mPa・sを超える粘度では、遠心力による金型内壁へのレベリングが困難となり易い。下限は特に限定されないが、10mPa・s以上とすることが、材料の取り扱いの点から好ましい。
【0036】
第1図に本発明に使用される遠心成形装置を示す模式図を示すが、遠心成形装置は回転する4つのローラ3上に置かれた金型1と、金型内へ成形材料を供給する材料供給装置4とからなっている。金型1の両端部には流動状態の材料の漏れを防止するリング状プレート2が設けられている。成形用樹脂材料は、材料供給装置4により所定の組成となるように調整された後、金型1の中に、必要量だけ注入される。成形用樹脂材料の注入量は、固化後の成形用樹脂材料の比重、金型の内面寸法、製品の厚さから算出し、所定量を注入すればよい。本願のシームレスベルトには、機械的強度と、可撓性が求められるので、厚さは概略0.03〜1.0mm程度から選択される。
【0037】
金型内の樹脂を均一な厚みにするために必要な回転数で金型を回転させながら、成形を行う。成形用樹脂材料を注入したら、金型を適当なヒータ等(図示せず)により加熱し、成形用樹脂材料を乾燥または硬化させる。このとき、加熱のタイミングは成形用樹脂材料の乾燥、硬化条件により適宜選択すればよい。
【0038】
乾燥、硬化が完了したら、金型ごと冷却すれば、金型とシームレスベルトの熱膨張差によって、シームレスベルトは自然に剥離し、このものを所定寸法にカットして、シームレスベルトが得られる。
【0039】
上述のカット工程を省略するために、成形用金型内面に、成形用樹脂材料の流動を規制するための堰を設けることも可能である。
また、得られたシームレスベルトに、蛇行規制用のガイド部材を設けたり、位置検出部を設けたりしてもよい。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【0041】
(導電性有機高分子溶液の調製)
前記式(I)で示されるピロール類[式中Rがエチル基のものとブチル基のものとの共重合体]の、トルエン/DMF(=60/40)の10%溶液(商品名「ポリピロールSSPY溶液」日本曹達株式会社製)1000gを真空撹拌乾燥によりトルエン分を完全に除去するとともに、質量減少相当のDMFを添加し、SSPYのDMF10%溶液を作製、導電性有機高分子溶液として用いた。
【0042】
表1に示す組成にて、周長710mm、幅240mm、厚さ150μmのシームレスベルトを作製した。評価結果を表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
表1において、
A:ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(芳香族ジアミン)、分子量:1238、電子吸引性基(アルコキシカルボニル基)を有するベンゼン環の数:2個/1分子
B:MOCA(メチレン−ビス−2−クロロアニリン;芳香族ジアミン)、分子量:267.2、電子吸引性基(−Cl )を有するベンゼン環の数:2個/1分子
C:4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル5,5’ジメチルジフェニルエタン( 芳香族ジアミン)、分子量:282.4、電子吸引性基を有するベンゼン環を 含まない
D:ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−ヒドロキシベンゾエート(芳香族ジオール)、分子量:1240、電子吸引性基(アルコキシカルボニル基)を有するベンゼン環の数:2個/1分子
E: ビスフェノールAの2,2’位のCl置換体(芳香族ジオール)、分子量:297、電子吸引性基(−Cl基)を有するベンゼン環の数:2個/1分子
F: ビスフェノールA(芳香族ジオール)、分子量:228、電子吸引性基を有するベンゼン環を含まない
G: 脂肪族ジオール、平均分子量318、電子吸引性基を有するベンゼン環を含まない
H:脂肪族ジイソシアネート、平均分子量302.1
SSPY:変性ポリピロール、1繰り返し単位の平均分子量:164.5
TCNA:2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレン(ドーパント)
R:導電性有機高分子の1繰り返し単位に対する、バインダー樹脂中の電子吸引性基を有するベンゼン環の割合
【0045】
【表2】
※抵抗率の範囲表記は、シームレスベルト1本当り20点測定したうちの最小値〜最大値を示す。表面抵抗率は外側表面の値である。
【0046】
耐久性試験は、シームレスベルトをφ25mmのアルミニウム製ローラ(2本)に、荷重5kgfで懸架し、回転スピード15回転/分で回転させた。
1万回転までは1000回転毎に、1万回転からは1万回転毎に状態を確認しながら10万回転まで行い、異常があれば、前回確認した回転数をもって評価結果とした。
【0047】
印刷品位は、本シームレスベルトをカラーレーザープリンタに組み込み、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの4色をそれぞれハーフトーン印刷して目視にて判定を行った。
【0048】
各実施例においては、耐久性、印刷品位とも良好であるのに対して、比較例1では電子吸引性基を含むベンゼン環の割合が不足であることから所望の導電性が得られず、印刷品位上問題があり、比較例2においては導電性は得られるものの、耐久性に問題があることがわかる。
【0049】
【発明の効果】
以上の結果から明らかなように、本発明においては、充分な耐久性と、非常に安定した半導電特性を有する半導電性シームレスベルトを提供することが可能となり、本シームレスベルトを使用することにより、長期間にわたって安定した印刷品位が得られる電子写真装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される遠心成形装置を示す模式図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1・・・成形用金型、2・・・リング状プレート、3・・・回転ローラ、4・・・材料供給装置、5・・・スタティックミキサー、6・・・材料供給ポンプA、7・・・材料供給ポンプB
Claims (6)
- 体積抵抗率が1×1011〜6.9×1011Ω・cmである半導電性シームレスベルトであって、
電子吸引性基を有するベンゼン環を分子鎖中に含むバインダー樹脂と、導電性有機高分子とを主成分とし、
バインダー樹脂が、ポリウレタン系樹脂、または、芳香族ジアミンとジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレア系樹脂であり、
導電性有機高分子が、ポリピロール類であり、
導電性有機高分子の1繰り返し単位に対する、バインダー樹脂中の電子吸引性基を有するベンゼン環の割合が0.71以上であり、
導電性有機高分子の含有量が、0.5〜30質量%の範囲であることを特徴とする半導電性シームレスベルト。 - 前記電子吸引性基が、ハロゲン基及びアルコキシカルボニル基から選択される、1種または2種以上からなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の半導電性シームレスベルト。
- バインダー樹脂に含まれる電子吸引性基を有するベンゼン環が、バインダー樹脂を構成するモノマーである、芳香族ジアミンに由来するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の半導電性シームレスベルト。
- 前記芳香族ジアミンが、メチレン−ビス−2−クロロアニリンを含むものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の半導電性シームレスベルト。
- 半導電性シームレスベルトが、遠心成形法により成形されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の半導電性シームレスベルト。
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