JP2000336300A - 水系プライマー組成物 - Google Patents
水系プライマー組成物Info
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Abstract
折板屋根や壁材等に断熱材として用いられるポリオレフ
ィン系発泡体に予め塗布し、鋼板などと熱活性接着させ
るのに適し、更に耐ブロッキング性,接着性及び耐水性
に優れたポリオレフィン系発泡体と鋼板貼合せ用水系プ
ライマー組成物に関する。 【解決手段】 本発明は、カルボキシル化クロロプレン
ラテックス100重量剖に対し、樹脂の軟化点が80〜
170℃であるロジン系樹脂エマルジョンを10〜20
0重量部、ポリエステルディスパージョンを5〜30重
量部配合された水系プライマー組成物に関する。
Description
発泡体用の耐ブロッキング性、接着性及び耐水性に優れ
た水系プライマー組成物に関する。
あるので接着する場合には、予めプライマーを塗布する
必要がある。従来、折板屋根の断熱材として用いられる
ポリオレフィン系発泡体のプライマーには、一般的にク
ロロプレンゴムを有機溶剤で溶解した溶剤系プライマー
が使用されている。プライマーは長尺の発泡体にドライ
塗布量で1〜10g/m2塗布されてから乾燥される。
このプライマーを塗布した発泡体は、コイル巻の状態で
提供されている。折板屋根の製造は、鋼板側を90〜1
80℃に加熱して、その表面にポリオレフィン系発泡体
のプライマー塗布面を貼合せて、連続熱ラミネートする
方法や、加熱せず接着剤を用いて連続的にラミネートす
る方法により行われている。しかし、上記溶剤系プライ
マーは、有機溶剤を含有していることから、オレフィン
系発泡体の製造工程として、加熱発泡とプライマー塗工
とを連続的に行うラインではプライマーに引火する可能
性があり、適用できない重要な欠点がある。このため、
有機溶剤を含まない水系プライマー組成物が望まれてい
た。
使用しない水系プライマー組成物でありながら、優れた
耐水性を示す、ポリオレフィン系発泡体と鋼板などを貼
合せる際に、予めポリオレフィン系発泡体に塗布して使
用する、水系プライマー組成物を提供することを目的と
する。
クロロプレンラテックスを固形分換算で100重量部
(以下、重量部はすべて固形分換算)に対し、軟化点が
80〜170℃のロジン系樹脂エマルジョンを10〜2
00重量部配合することで、優れた初期接着性、耐水性
が得られることを見出したことによる。しかし、これだ
けでは、塗布面のタックが強く、オレフィン系発泡体に
塗布し巻取った時に、背面に、環境条件によっては経時
的に部分的ではあるが、接着して巻き戻せない問題(以
下ブロッキング)のあることが分かった。そこで、鋭意
検討した結果、ポリエステルディスパージョンを5〜3
0重量部配合することで、初期接着性、耐水性を低下す
ること無く、良好な特性を得ることを見出した。ポリエ
ステルディスパージョンは、ラテックス、エマルジョン
と異なり、重縮合反応で得られた親水基を含むポリエス
テルを必要に応じて分散補助剤等を併用して、水に分散
させることにより得られるので、乳化剤を含まないか、
ごく少量で安定な水分散体が得られることから、耐水性
の低下が少ない。
レンラテックス100重量部に対し、軟化点が80〜1
70℃のロジン系樹脂エマルジョンを10〜200重量
部、ポリエステルディスパージョンを5〜30重量部し
てなる水系プライマー組成物に関する。
系発泡体の素材としては、例えば低密度ポリエチレン,
直鎖状低密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,ポリ
プロピレン,エチレン酢酸ビニル共重合体等の単独、ま
たはこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。上記ポ
リオレフィン系発泡体は、発泡剤とパーオキサイド等を
用いた化学架橋法により製造されたものであってもよい
し、電子線等の放射線架橋法により製造されたものであ
ってもよく、発泡体の性状は用途によって異なり、特に
限定されるものではないが例えば、発泡倍率は2〜10
0倍,発泡体厚さは2〜20mmの範囲のものを使用す
ることができる。また、必要に応じ、安定剤、金属水酸
化物などの無機物、着色剤、難燃剤やその他添加剤を含
有していても支障はない。
鉛メッキ鋼板,亜鉛アルミ合金メッキ鋼板,塗装金属
板,アルミ板,ステンレス鋼板等、折板屋根や壁材等に
用いられる鋼板を広く使用することができる。
は、分子中にカルボキシル基を持つものであれば特に限
定はないが、通常は、2−クロロ1、3、ブタジエンに
共重合できる不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸及
びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステル類、
イタコン酸及びそのエステル類が挙げられ、これらをポ
リビニルアルコールや保護コロイド作用のある水溶性高
分子の存在下、乳化重合法で共重合することにより得る
ことができる。
類、ロジン誘導体のエマルジョンが挙げられる。ここで
ロジン類とは、ガムロジン、ウッドロジン、トールロジ
ンの原料ロジンまたはこの原料ロジンを水素添加処理し
た安定化ロジンや重合ロジンが挙げられる。ロジン誘導
体としてはロジンエステル類、ロジンフェノール類が挙
げられる。ロジンエステル類としては前記ロジン類と多
価アルコールとをエステル化反応させて得られたロジン
エステル、原料ロジンを部分的にフマル化もしくは、マ
レイン化し、次いでエステル化して得られる部分マレイ
ン化もしくは部分フマル化ロジンの多価アルコールエス
テル、原料ロジンを部分的にフマル化もしくは、マレイ
ン化したあと、不均化し、次いでエステル化して得られ
る部分マレイン化もしくは部分フマル化ロジン不均化ロ
ジンの多価アルコールエステル等をいう。ロジンフェノ
ール類とはロジン類にフェノール類を付加させ熱重合し
たもの、または次いでエステル化したものをいう。
あり、好ましくは90〜130℃である。80℃以下で
は、耐熱性や耐水性が低下する。また、ブロッキングも
大きくなる傾向がある。170℃以上では熱貼り法で水
系プライマー組成物が活性せず、十分な初期接着性が得
られない。
ステル樹脂を水に分散または、水溶化させたものであ
る。ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと多価塩基
酸の重縮合体である。多価アルコールとしてはエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチルグリコ
ール、プロピレングリコール、1、4−ブタジエンオー
ル、2、2−ジメチル−1、3、プロパンジオール等が
挙げられる。多塩基酸としてはフタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、それらのエステル及び酸塩化物等が
挙げられる。ポリエステル樹脂を分散または、水溶化さ
せる方法としては、親水性の原材料を共重合させる方
法、例えば、スルホン酸金属塩基を含有する原材料やポ
リアルキレングリコールまたは脂肪族ジカルボン酸等を
単独または併せて共重合する方法が挙げられる。また、
水との親和性を高める目的で、アルコール、エーテル、
エステル、ケトン化合物等の水溶性有機化合物を使用し
ても良い。
ボキシル化クロロプレンラテックス100重量部に対
し、10〜200重量部用いる。10重量部以下では十
分な初期接着性が得られず、200重量部以上では耐水
性が低下する。
カルボキシル化クロロプレンラテックス100重量部に
対し、5〜30重量部用いる。5重量部以下では水系プ
ライマー組成物塗布面にタックが多く、オレフィン発泡
体を巻取った時に、ブロッキングしてしまう。30重量
部以上では初期接着性及び耐水性が低下する。
剤、充填剤、界面活性剤、酸化防止剤、増膜助剤、紫外
線吸収剤、加硫促進剤、脱塩素剤、着色剤等を特性を低
下させない範囲で、添加しても良い。
組成物を塗布する方法としては、特に限定しないが、塗
布の均一性からロールコーターなどで塗布することが好
ましい。また、水系プライマー組成物のドライ塗布量と
しては、1〜20g/m2、好ましくは3〜10g/m
2が良い。1g/m2以下では接着性が得られず、逆に
20g/m2以上ではブロッキングが発生しやすくなり
好ましくない。水系プライマー組成物を塗布した後は、
乾燥し、コイル巻き状などにして提供する。
成物付きポリオレフィン系発泡体を、熱貼り法と接着剤
貼り法の両方で使用することができる。熱貼り法は、加
熱した鋼板に水系プライマー組成物面を貼合せ、折り曲
げ成型して屋根材や壁材として利用できる。この際、鋼
板を加熱する温度は、90℃〜180℃が好ましい。9
0℃以下では水系プライマー組成物が十分に熱活性せ
ず、180℃以上では発泡体に変形などの悪影響を与え
るため、好ましくない。また、接着剤貼り法は水系プラ
イマー組成物付きポリオレフィン系発泡体を、クロロプ
レン系溶剤型接着剤を塗布した鋼板と貼合せ、熱貼り法
と同様に屋根材や壁材として利用できる。
ラテックスとしてネオプレン115(固形分47%、昭
和電工デュポン(株)製)を100重量部、ロジン系樹
脂エマルジョンとして、軟化点125℃の重合ロジンエ
ステル樹脂エマルジョンであるスーパーエステルE−6
25(固形分50%、荒川化学工業(株)製)を100
重量部、ポリエステルディスパージョンとして、MD1
200(固形分34%、東洋紡績(株)製)を10重量
部。この他、加硫促進剤として、亜鉛華を水に分散させ
た分散液(固形分50%)を1重量部加え、撹拌し、水
系プライマー組成物とした。
成物において、カルボキシル化クロロプレンラテックス
としてデンカクロロプレンOL−0226(固形分55
%、電気化学工業(株)製)を100重量部とした以外
は、実施例1と同様に行った。
成物において、ロジン系樹脂エマルジョンとして軟化点
150℃の重合ロジンエマルジョンであるスーパーエス
テルE−650(固形分50%、荒川化学工業(株))
を100重量部とした以外は、実施例1と同様に行っ
た。
成物において、カルボキシル化クロロプレンラテックス
としてカルボキシル基を含んでいないクロロプレンラテ
ックスであるネオプレンL−750(固形分50%、昭
和電工デュポン(株)製)を100重量部とした以外
は、実施例1と同様に行った。
成物において、ロジン系樹脂エマルジョンとして樹脂の
軟化点が70℃のロジンエステルであるタコリン500
3(固形分45%、理化ハーキュレス(株))を100
重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
成物において、ポリエステルディスパージョンであるM
D1200を配合より削除した以外は、実施例1と同様
に行った。
の有機溶剤を溶媒とするクロロプレンゴム系プライマー
組成物(日立化成ポリマー(株)製ハイボン1420)
とした以外は、実施例1と同様に行った。
イマー組成物を調整した。この水系プライマー組成物を
ポリオレフィン系発泡体上に、ドライ塗布量で7g/m
2となるように連続的に塗布した。またポリオレフィン
系発泡体は、架橋発泡ポリオレフィン(発泡倍率35
%、厚さ4mm接板屋根材用難燃フォーム)を用いた。
評価は接着試験とブロッキング試験を行った。接着方法
は熱貼り法、接着剤貼り法の2種類の方法で貼合せを行
った。
ライマー組成物塗布面に、100℃及び140℃に加熱
した鋼板(日本鋼管(株)製NKK鋼板)を一対のゴム
ロールを介して加圧(70kgf/m)ラミネートし
た。室温で放置し、鋼板が室温になったことを確認した
後、銅板と発泡体を手で剥がし、発泡体の材破率を測定
した。耐水性は促進条件の60℃温水に24時間浸せき
したのち、取り出して室温に戻った事を確認した後、同
様に手で剥がし、発泡体の材破率を測定した。材破率は
少なくとも80%以上であることが必要である。
(日本鋼管(株)製NKK鋼板)上にロールコーターを
用いて、有機溶剤を溶媒とするクロロプレン系接着剤
(ハイボン1491:日立化成ポリマー(株)製)をド
ライ塗布量で10g/m2塗布し、60℃で30秒乾燥
した後、発泡体の水系プライマー組成物塗布面を重ね合
せ、一対のゴムロールを介して加圧(70kgf/m)
ラミネートした。
物を塗布した発泡体を幅100mm、長さ100mmに
切り出し、水系プライマー組成物塗布面と発泡体の背面
を重ね、10g/cm2の荷重をかけ、40℃で24時
間放置したのち、はく離し、ブロッキング強度を測定し
た。
のものは熱活性性,耐水性,耐ブロッキング性の何れに
おいても優れており、本発明品が汎用性の高い、ポリオ
レフィン系発泡体と鋼板貼合せ用の水系プライマー組成
物を提供できることがわかる。これに対して比較例1の
ものは、接着性が不十分であり、比較例2のものは、耐
水性が不十分である。比較例3のものは、ポリエステル
ディスパージョンが含まれてない為、ブロッキング性が
不十分である。比較例4のものは従来のクロロプレンゴ
ム系プライマー組成物を使用しているため、有機溶剤を
含有しており作業方法が限定され好ましくない。
リオレフィン系発泡体と鋼板を貼合わせる用途として、
折板屋根のみならず、壁材,自動車用などにも、幅広く
使用することが出来る。
Claims (1)
- 【請求項1】固形分換算で、カルボキシル化クロロプレ
ンラテックス100重量部に対し、軟化点80〜170
℃のロジン系樹脂エマルジョンを10〜200重量部、
ポリエステルディスパージョンを5〜30重量部配合し
てなることを特徴とする水系プライマー組成物。
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---|---|---|---|
JP18622299A JP3935641B2 (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 水系プライマー組成物 |
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---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-05-28 JP JP18622299A patent/JP3935641B2/ja not_active Expired - Fee Related
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