JP4596599B2 - 水系プライマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系発泡体用の耐ブロッキング性、接着性、耐水性およびに優れ、さらに低起泡性でかつポリオレフィン発泡体に対するぬれ性が良好な水系プライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン系発泡体は非極性材料であるので接着する場合には、予めプライマーを塗布するなど、予め何らかの表面処理をする必要がある。従来、折板屋根の断熱材として用いられるポリオレフィン系発泡体のプライマーには、一般的にクロロプレンゴムを有機溶剤で溶解した溶剤系プライマーが使用されている。プライマーは長尺の発泡体にドライ塗布量で1〜10g/m2塗布されてから乾燥される。このプライマーを塗布した発泡体は、コイル巻の状態で提供されている。折板屋根の製造は、鋼板側を90〜180℃に加熱して、その表面にポリオレフィン系発泡体のプライマー塗布面を貼合せて、連続熱ラミネートする方法や、加熱せず接着剤を用いて連続的にラミネートする方法により行われている。しかし、上記溶剤系プライマーは、有機溶剤を含有していることから、オレフィン系発泡体の製造工程として、加熱発泡とプライマー塗工とを連続的に行うラインではプライマーに引火する可能性があり、適用できない重要な欠点がある。このため、有機溶剤を含まない水系プライマー組成物が要望されており、本発明者らは特願平11−186222で示すような水系プライマーの提案を行ったが、長時間連続塗工を行うと、塗工ロール部に泡が貯まるなどの問題が新たに生じ、問題の解決が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機溶剤を使用しない水系プライマー組成物でありながら、優れた耐水性を示し、さらに低起泡性でかつポリオレフィン系発泡体に対するぬれ性の良好な、ポリオレフィン系発泡体と鋼板などを貼合せる際に、予めポリオレフィン系発泡体に塗布して使用する、水系プライマー組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は(A)カルボキシル化クロロプレンラテックスを固形分換算で100重量部(以下、重量部はすべて固形または有効成分換算)に対し、(B)軟化点が80〜170℃のロジン系樹脂エマルジョンを10〜200重量部、(C)ポリエステルディスパージョンを5〜30重量部配合することで、優れた初期接着性、耐水性が得られることを見出したことによる。
しかし、これだけでは、長時間連続して塗布した際に塗布するロール上および、ロールにプライマーを供給するプライマー槽などに泡が生じるなどの問題を生じる。水系プライマーの粘度を下げることで、泡の発生を低減することもできるが、水系プライマーをポリオレフィン発泡体面に塗布後、乾燥するまでの間に弾きを生じ、均一な皮膜を形成できないなどの理由から、主に耐水性が低下するなどの問題があった。泡の抑制にはこの他、消泡剤などを併用することも出来るが、少量では効果が不十分であり、また十分な量を添加すると耐水性の低下やブロッキングなどの他の問題を生じ、耐水性を低下させずに泡の問題を解決することが強く望まれていた。
【0005】
そこで、鋭意検討した結果、前記(A)+(B)+(C)に、有効成分換算で、(D)アセチレンジオール/(E)アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物を重量部比で1/3〜3/1、でかつ(D)+(E)の合計が、(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部配合することで、初期接着性、耐水性を低下すること無く、低起泡性でかつポリオレフィン発泡体に対するぬれ性良好な特性を得ることを見出した。アセチレンジオールは親水基を多く含まず、耐水性の低下が少なく、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物は、水への溶解性が良好なため、十分な量を添加できる。両者を併用することで、耐水性の低下を最低限に抑え、濡れ性を出すのに十分な量を添加できる。
【0006】
即ち、本発明は、(A)カルボキシル化クロロプレンラテックス100重量部に対し、(B)軟化点が80〜170℃のロジン系樹脂エマルジョンを10〜200重量部、(C)ポリエステルディスパージョンを5〜30重量部、有効成分換算で、(D)アセチレンジオール/(E)アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物を重量部比で1/3〜3/1、かつ(D)+(E)の合計が、(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部配合してなる水系プライマー組成物であって、(D)アセチレンジオールが、式(1)で示される界面活性剤であり、(E)アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物が、式(2)で示される界面活性剤であり、(E)のエチレンオキサイド付加モル数が5〜100であることを特徴とする水系プライマー組成物に関する。
【化3】
(式(1)中のR 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、直鎖または分岐をもつC1からC20のアルキル、アリールおよびアルキルアリールの群から選択される。)
【化4】
(式(2)中のx+yは5〜100であり、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、直鎖または分岐をもつC1からC20のアルキル、アリールおよびアルキルアリールの群から選択される。)
【0007】
本発明において適用できるポリオレフィン系発泡体の素材としては、例えば低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン酢酸ビニル共重合体等の単独、またはこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。上記ポリオレフィン系発泡体は、発泡剤とパーオキサイド等を用いた化学架橋法により製造されたものであってもよいし、電子線等の放射線架橋法により製造されたものであってもよく、発泡体の性状は用途によって異なり、特に限定されるものではないが例えば、発泡倍率は2〜100倍,発泡体厚さは2〜20mmの範囲のものを使用することができる。また、必要に応じ、安定剤、金属水酸化物などの無機物、着色剤、難燃剤やその他添加剤を含有していても支障はない。
【0008】
本発明における鋼板としては、例えば、亜鉛メッキ鋼板,亜鉛アルミ合金メッキ鋼板,塗装金属板,アルミ板,ステンレス鋼板等、折板屋根や壁材等に用いられる鋼板を広く使用することができる。
【0009】
カルボキシル化クロロプレンラテックスは、分子中にカルボキシル基を持つものであれば特に限定はないが、通常は、2−クロロ1、3、ブタジエンに共重合できる不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステル類、イタコン酸及びそのエステル類が挙げられ、これらをポリビニルアルコールや保護コロイド作用のある水溶性高分子の存在下、乳化重合法で共重合することにより得ることができる。
【0010】
ロジン系樹脂エマルジョンとは、ロジン類、ロジン誘導体のエマルジョンが挙げられる。ここでロジン類とは、ガムロジン、ウッドロジン、トールロジンの原料ロジンまたはこの原料ロジンを水素添加処理した安定化ロジン、不均化ロジンや重合ロジンが挙げられる。ロジン誘導体としてはロジンエステル類、ロジンフェノール類が挙げられる。ロジンエステル類としては前記ロジン類と多価アルコールとをエステル化反応させて得られたロジンエステル、原料ロジンを部分的にフマル化または、マレイン化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化または部分フマル化ロジンの多価アルコールエステル、原料ロジンを部分的にフマル化または、マレイン化したあと、不均化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化または部分フマル化ロジン不均化ロジンの多価アルコールエステル等をいう。ロジンフェノール類とはロジン類にフェノール類を付加させ熱重合したもの、または次いでエステル化したものをいう。
【0011】
ロジン系樹脂の軟化点は80〜170℃であり、好ましくは90〜130℃である。80℃以下では、耐熱性や耐水性が低下し、また、ブロッキングも大きくなる傾向がある。170℃以上では熱貼り法で水系プライマー組成物が活性せず、十分な初期接着性が得られない。
【0012】
ポリエステルディスパージョンとはポリエステル樹脂を水に分散または、水溶化させたものである。ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと多価塩基酸の重縮合体である。多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチルグリコール、プロピレングリコール、1、4−ブタジエンオール、2、2−ジメチル−1、3、プロパンジオール等が挙げられる。多塩基酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、それらのエステル及び酸塩化物等が挙げられる。ポリエステル樹脂を分散または、水溶化させる方法としては、親水性の原材料を共重合させる方法、例えば、スルホン酸金属塩基を含有する原材料やポリアルキレングリコールまたは脂肪族ジカルボン酸等を単独または併せて共重合する方法が挙げられる。また、水との親和性を高める目的で、アルコール、エーテル、エステル、ケトン化合物等の水溶性有機化合物を使用しても良い。
【0013】
ロジン系樹脂エマルジョンの添加量はカルボキシル化クロロプレンラテックス100重量部に対し、10〜200重量部用いる。10重量部以下では十分な初期接着性が得られず、200重量部以上では耐水性が低下する。
【0014】
ポリエステルディスパージョンの添加量はカルボキシル化クロロプレンラテックス100重量部に対し、5〜30重量部用いる。5重量部以下では水系プライマー組成物塗布面にタックが強く、オレフィン発泡体を巻取った時に、ブロッキングしてしまう。30重量部以上では初期接着性及び耐水性が低下する
【0015】
(D)アセチレンジオールとは、以下の式(1)であって、
【化5】
ここで、R1,R2,R3,R4は、直鎖または分岐をもつC1からC20のアルキル、アリールおよびアルキルアリールの群から選択される界面活性剤で、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールなどが挙げられる。これらのアセチレンジオールは、単独または2種以上を混合して用いることができる。また、これらのアセチレンジオールは、水系プライマーを調製する際の作業性を考慮して、各種溶媒に分散または溶解したものを用いても良く、溶媒としては、2−エチルヘキサノール、ブチルセロソルブ、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロパノールなどが挙げられる。
【0016】
(E)アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物とは、以下の式であって、
【化2】
ここで、x+yは5〜100であり、R1,R2,R3,R4は、直鎖または分岐をもつC1からC20のアルキル、アリールおよびアルキルアリールの群から選択される界面活性剤で、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジポリオキシエチレンエーテル、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール−ジポリオキシエチレンエーテルなどが挙げられる。これらのアセチレンジオールエチレンオキサイド付加物は、単独または2種以上を混合して用いることができる。また、これらのアセチレンジオールエチレンオキサイド付加物は水に対して十分な溶解性を示すことが必要で、エチレンオキサイドの付加モル数は5〜100であることが好ましい。
【0017】
(D)アセチレンジオールおよび(E)アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物の配合量は、有効成分換算で、(D)アセチレンジオール/(E)アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物を重量部比で1/3〜3/1、でかつ(D)+(E)の合計が(A)100部に対し、0.1〜10重量部が好ましい。(D)/(E)が1/3より小さいと、十分な耐水性が得られず、3/1より大きいと、十分な分散性が得られず、アセチレンジオールが油膜となって経時でプライマー表面に分離してしまう。また、(D)+(E)が(A)100部に対し、0.1部より小さいと十分な濡れ性が得られず、10部より大きいと初期接着性が低下するといった問題を生じる。
これら、(D)アセチレンジオールおよび(E)アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物を、前記(A)+(B)+(C)に添加するときは、(D)と(E)を予めブレンドしてから添加してもよいし、別々に添加しても構わない。また、予め必要量の溶媒に分散または溶解して用いてもよい。しかし、できるだけ固形分を下げずに効果的に均一化するには、(D)と(E)を予めブレンドし、(A)+(B)+(C)の混合液に添加する方法が好ましい。
【0018】
本発明にはこの他、必要に応じて、増粘剤、充填剤、界面活性剤、酸化防止剤、増膜助剤、紫外線吸収剤、加硫促進剤、脱塩素剤、着色剤等を、特性を低下させない範囲で添加しても良い。
【0019】
ポリオレフィン系発泡体に水系プライマー組成物を塗布する方法としては、特に限定しないが、塗布の均一性からグラビアコーターなどで塗布することが好ましい。また、水系プライマー組成物のドライ塗布量としては、1〜20g/m2、好ましくは3〜10g/m2が良い。1g/m2以下では接着性が得られず、逆に20g/m2以上ではブロッキングが発生しやすくなり好ましくない。水系プライマー組成物を塗布した後は、乾燥し、コイル巻き状などにして提供する。
【0020】
このようにして得られた水系プライマー組成物付きポリオレフィン系発泡体を、熱貼り法と接着剤貼り法の両方で使用することができる。熱貼り法は、加熱した鋼板に水系プライマー組成物面を貼合せ、折り曲げ成型して屋根材や壁材として利用できる。この際、鋼板を加熱する温度は、90℃〜180℃が好ましい。90℃以下では水系プライマー組成物が十分に熱活性せず、180℃以上では発泡体に変形などの悪影響を与えるため、好ましくない。また、接着剤貼り法は水系プライマー組成物付きポリオレフィン系発泡体を、クロロプレン系溶剤型接着剤を塗布した鋼板と貼合せ、熱貼り法と同様に屋根材や壁材として利用できる。
【0021】
【実施例】
次に本発明の実施例及び比較例を説明する。
【0022】
(実施例1)
(A)カルボキシル化クロロプレンラテックスとしてネオプレン115(固形分47%、昭和電工デュポン(株)製)を100重量部、(B)ロジン系樹脂エマルジョンとして、軟化点125℃の重合ロジンエステル樹脂エマルジョンであるスーパーエステルE−625(固形分50%、荒川化学工業(株)製)を100重量部、(C)ポリエステルディスパージョンとして、MD1200(固形分34%、東洋紡績(株)製)を10重量部を容器に計量し、攪拌機で10分間混合した。次いでこれに、アセチレンジオールとしてサーフィノール104E(有効成分50%、エアプロダクツ製)を4重量部、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物としてサーフィノール465(有効成分100%、エチレンオキサイド10モル付加物、エアプロダクツ製)を2重量部予め混合したものを加え、10分間攪拌した。さらに、加硫促進剤として、亜鉛華を水に分散させた分散液(固形分50%)を1重量部加え、撹拌し、最後に精製水で希釈して粘度を200mP・s/20℃に調製し、水系プライマー組成物とした。
【0023】
(実施例2)実施例1の水系プライマー組成物において、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物をサーフィノール485(有効成分100%、エチレンオキサイド30モル付加物、エアプロダクツ製)2重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0024】
(実施例3)実施例1の水系プライマー組成物において、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物としてサーフィノール465(有効成分100%、エチレンオキサイド10モル付加物、エアプロダクツ製)2重量部を1重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0025】
(比較例1)実施例1の水系プライマー組成物において、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物としてサーフィノール465(有効成分100%、エチレンオキサイド10モル付加物、エアプロダクツ製)2重量部を配合より削除した以外は、実施例1と同様に行った。
【0026】
(比較例2)実施例1の水系プライマー組成物において、アセチレンジオールとしてサーフィノール104E(有効成分50%、エアプロダクツ製)4重量部を配合より削除した以外は、実施例1と同様に行った。
【0027】
(比較例3)実施例1の水系プライマー組成物において、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物をサーフィノール420(有効成分100%、エチレンオキサイド1.3モル付加物、エアプロダクツ製)2重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0028】
(比較例4)水系プライマー組成物からアセチレンジオールとしてサーフィノール104E(有効成分50%、エアプロダクツ製)4重量部、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物としてサーフィノール465(有効成分100%、エチレンオキサイド10モル付加物、エアプロダクツ製)2重量部を配合より削除し、代わりに増粘剤としてボルチゲルL75N(固形分50%、ボーシャース製)で粘度をプライマーの弾きが生じないように2、000mP・s/20℃に調製した以外は、実施例1と同様に行った。
【0029】
上記材料を加え十分に撹拌して、水系プライマー組成物を調整した。この水系プライマー組成物をポリオレフィン系発泡体上に、ドライ塗布量で7g/m2となるように連続的に塗布した。またポリオレフィン系発泡体は、架橋発泡ポリオレフィン(発泡倍率35倍、厚さ4mm接板屋根材用準難燃フォーム)を用いた。
塗布後未乾燥の状態で20秒放置後、60℃3分間の乾燥を行った。評価はプライマーの塗布状態の観察、および接着試験とブロッキング試験を行った。接着方法は熱貼り法、接着剤貼り法の2種類の方法で貼合せを行った。
また、起泡性の評価は液パンにプライマーを投入し、ロールコーターを60分間回転させた後、液パンおよびロール上に発生した泡の量を観察した。
【0030】
(熱貼り法)
熱貼り法は、発泡体の水系プライマー組成物塗布面に、100℃及び140℃に加熱した鋼板(日本鋼管(株)製NKK鋼板)を一対のゴムロールを介して加圧(70kgf/m)ラミネートした。室温で放置し、鋼板が室温になったことを確認した後、鋼板と発泡体を手で剥がし、発泡体の材破率を測定した。耐水性は促進条件の60℃温水に24時間浸せきしたのち、取り出して室温に戻った事を確認した後、同様に手で剥がし、発泡体の材破率を測定した。材破率は少なくとも80%以上であることが必要である。
【0031】
(接着剤貼り法)
接着剤貼り法は、鋼板(日本鋼管(株)製NKK鋼板)上にロールコーターを用いて、有機溶剤を溶媒とするクロロプレン系接着剤(ハイボン1491:日立化成ポリマー(株)製)をドライ塗布量で10g/m2塗布し、60℃で30秒乾燥した後、発泡体の水系プライマー組成物塗布面を重ね合せ、一対のゴムロールを介して加圧(70kgf/m)ラミネートした。
【0032】
(ブロッキング試験)
水系プライマー組成物を塗布した発泡体を幅100mm、長さ100mmに切り出し、水系プライマー組成物塗布面と発泡体の背面を重ね、10g/cm2の荷重をかけ、40℃で24時間放置したのち、はく離し、ブロッキング強度を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】
表1,2の結果より、実施例1,2,3のものは熱活性性,耐水性,耐ブロッキング性、低起泡性、ポリオレフィン発泡体に対するぬれ性の何れにおいても優れており、本発明品が汎用性の高い、ポリオレフィン系発泡体と鋼板貼合せ用の水系プライマー組成物を提供できることがわかる。これに対して比較例1のものは、アセチレンジオールが水系プライマー中に均一に分散または溶解しないためポリオレフィン発泡体に対するぬれ性が不十分であるため弾きを生じ、この結果耐水性の低下を生じている。比較例2のものは、親水性の大きい、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物を単独で使用しているため、耐水性が不十分である。比較例3のものは、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物の親水性が不十分であるため、アセチレンジオールが水系プライマー中に均一に分散または溶解しないためポリオレフィン発泡体に対するぬれ性が不十分であるため弾きを生じ、この結果耐水性の低下を生じている。比較例4のものは、アセチレンジオールおよびアセチレンジオールエチレンオキサイド付加物を使用しない代わりに粘度を上げて、弾きを防いだが、このため、ロールコーター上に短時間で泡が発生し、作業性が著しく悪化した。
【0036】
また本発明の水系プライマー組成物は、ポリオレフィン系発泡体と鋼板を貼合わせる用途として、折板屋根のみならず、壁材,自動車用などにも、幅広く使用することが出来る。
Claims (1)
- 固形分換算で、(A)カルボキシル化クロロプレンラテックス100重量部に対し、(B)軟化点80〜170℃のロジン系樹脂エマルジョンを10〜200重量部、(C)ポリエステルディスパージョンを5〜30重量部、有効成分換算で、(D)アセチレンジオール/(E)アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物を重量部比で1/3〜3/1、かつ(D)+(E)の合計が、(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部配合してなる水系プライマー組成物であって、(D)アセチレンジオールが、式(1)で示される界面活性剤であり、(E)アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物が、式(2)で示される界面活性剤であり、(E)のエチレンオキサイド付加モル数が5〜100であることを特徴とする水系プライマー組成物。
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