JP2015183122A - 路面標示材料用の水性下塗り塗料 - Google Patents

路面標示材料用の水性下塗り塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】取り扱いが容易で、揮発性有機溶剤の含有量が少なく、さらに、水性下塗り塗料としての効果が高いにもかかわらず、乾燥に要する時間が短い、路面標示材料用の水性下塗り塗料を提供する。
【解決手段】合成ゴムエマルションと、固形成分を構成する樹脂成分が軟化点を有するエマルション型粘着付与剤と、を含有し、前記合成ゴムエマルションの固形成分の含有量と、前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の含有量と、の和が全成分の10質量%以上50質量%以下であり、かつ、前記合成ゴムエマルションの固形成分の含有量に対する前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の含有量が質量比で0.2倍以上1.5倍以下である路面標示材料用の水性下塗り塗料。
【選択図】なし

Description

既設の路面標示材料や路面の舗装の上に、路面標示材料の塗装に先行して塗装する、水性下塗り塗料に関する。
路面標示材料の塗装の際に、路面標示材料と路面の舗装との間に十分な付着性を得るために、現状、溶剤型の下塗り塗料が塗装されている。このような下塗り塗料には、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤が使用されている。使用されるこれら溶剤は、アスファルト舗装表面や既設の路面標示材料の表面の樹脂成分を溶解する、あるいは、コンクリート舗装の表面から内部へ含浸して表層を強化することで路面標示材料の付着性向上に寄与している。
しかし、有機溶剤を使用した下塗り塗料では、近年の種々の法律、規制、環境等への影響の観点から、その揮発性有機溶剤(VOC)の低減が求められている。さらに、トルエンや酢酸エチル等を含有している下塗り塗料では、引火の恐れがあり、取扱い時はもちろん、貯蔵時においても配慮が必要であると云った問題があった。
このような課題への解決法として、特許文献1にはトルエンを使用せず、代わりに高沸点芳香族系溶剤を使用するプライマーが提案されている。
しかし、このような技術においても、結局、沸点150〜260℃の溶剤を25〜35質量%使用しているために、環境への影響の配慮や揮発性有機溶剤の低減効果は十分でない。また、一般に、交通を遮断して行うことが多く、迅速な処理が求められる路面標示設置作業で用いられるものであるにもかかわらず、高沸点溶剤を用いているために、乾燥時間が長いなどの大きな問題を有し、その改善が求められていた。
特許第4802124号公報
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、取り扱いが容易で、揮発性有機溶剤の含有量が少なく、さらに、下塗り塗料としての効果が高いにもかかわらず、乾燥に要する時間が短い、路面標示材料用の水性下塗り塗料を提供することを目的とする。
本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料は上記課題を解決するために、合成ゴムエマルションと、固形成分を構成する樹脂成分が軟化点を有するエマルション型粘着付与剤と、を含有し、前記合成ゴムエマルションの固形成分の含有量と、前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の含有量と、の和が全成分の10質量%以上50質量%以下であり、前記合成ゴムエマルションの固形成分の含有量に対する前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の含有量が質量比で0.2倍以上1.5倍以下であることを特徴とする路面標示材料用の水性下塗り塗料である。
さらに本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料では、上記構成に加えて、前記合成ゴムエマルションの合成ゴム成分のガラス転移点が−60℃以上20℃以下であるものを用いることができる。
さらに、本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料では、上記構成に加えて、前記エマルション型粘着付与剤としてその固形成分の軟化点が65℃以上165℃以下であるものを用いることができる。
さらに、本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料では、上記構成に加えて、5質量%以下の有機溶剤を含有することができる。
本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料によれば、合成ゴムエマルションと、固形成分を構成する樹脂成分が軟化点を有するエマルション型粘着付与剤と、を含有し、前記合成ゴムエマルションの固形成分の含有量と、前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の含有量と、の和が全成分の10質量%以上50質量%以下であり、かつ、前記合成ゴムエマルションの固形成分の含有量に対する前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の含有量が質量比で0.2倍以上1.5倍以下である構成により、取り扱いが容易で、揮発性有機溶剤の含有量が少なく、さらに、下塗り塗料としての効果が高いにもかかわらず、乾燥に要する時間が短い。
さらに、合成ゴムエマルションの合成ゴム成分のガラス転移点が−60℃以上20℃以下であることにより、常温で舗装面や既存の路面標示材料への付着性を付与することができる。
さらに、前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の軟化点が65℃以上165℃以下であることにより、溶融型路面標示材料塗装時に熱溶融による付着性を付与することができる。
さらに、5質量%以下の有機溶剤を含有することにより、取り扱い性(安全性)を損なうことなく、低温安定性を改善することができる。
以下に、本発明の詳細について説明する。
本発明で用いる合成ゴムエマルションとしては、スチレンブタジエンゴムエマルションやニトリルゴムエマルション、アクリルゴムエマルション等が挙げられ、これらを単独で、あるいは、2種以上併用することができる。これら合成エマルションのうち、舗装面および路面標示材料との付着性能が良好であるために、スチレンブタジエンゴムエマルションを用いることが好ましい。
合成ゴムエマルションのベース成分である合成ゴムは、そのガラス転移点が−60℃以上20℃以下のものであることが好ましく、より好ましくは、−55℃以上0℃以下のものである。ここで、ガラス転移点が低すぎると付着強度が低下することがあり、また、高すぎると夏季に生じやすい、アスファルトの軟化による舗装の動きに追従できずクラックが発生することがある。
本発明で用いる固形成分を構成する樹脂成分に軟化点を有するエマルション型粘着付与剤としては、一般的に粘着剤や接着剤用途に、タッキファイヤーとして用いられている市販品の、天然樹脂のロジンを誘導したエステル樹脂のエマルションや石油樹脂エマルション、テルペンフェノール樹脂エマルションが挙げられ、これらを単独、あるいは、2種以上併用することができる。これらのうち、舗装面及び路面標示材料との付着性能が良好であるためロジンエステルエマルションを用いることが好ましい。なお、本発明において、固形成分を構成する樹脂成分に軟化点がないエマルション粘着付与剤を用いた場合には、常温で塗膜を形成しない。あるいは、塗膜強度が著しく低くなるため使用することができない。
エマルション型粘着付与剤としては、その固形成分の軟化点が65℃以上165℃以下のものであることがが好ましく、より好ましくは80℃以上100℃以下のロジンエステルエマルションである。
ここで、軟化点が低すぎると、夏季に樹脂成分が溶融することがあり、このとき、路面標示材料用の水性下塗り塗料として用いられたときに、付着強度が低下する場合がある。
また、軟化点が高すぎると低温時の付着性や耐衝撃性が低下しやすくなり、路面標示材料用の水性下塗り塗料として用いられたときに、クラックや塗膜の剥離が発生する場合がある。
本発明において、合成ゴムエマルションの固形成分と軟化点を有するエマルション型粘着付与剤の固形成分とにより構成される樹脂固形成分は、路面標示材料用の水性下塗り塗料の全成分全体の10質量%以上50質量%以下であり、必要に応じて水(、及び、後述の有機溶剤)を添加して樹脂固形成分がこの範囲となるように調整する。
これら樹脂固形成分の含有量が少なすぎると乾燥性が低下し、施工完了までに必要な時間が長くなってしまう場合があり、また、多すぎると塗装作業性が低下することがある。好ましい樹脂固形成分の範囲は20質量%以上40質量%以下であり、より好ましい範囲は30質量%以上40質量%以下である。
本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料においては、さらに、合成ゴムエマルションの固形成分に対するエマルション型粘着付与剤の固形成分を質量比で0.2倍以上1.5倍以下の範囲とする必要がある。
ここで、合成ゴムエマルションの固形成分に対する軟化点を有するエマルション型粘着付与剤の固形成分が少なすぎると熱溶融による付着効果が低下する場合があり、路面標示材料用の水性下塗り塗料として用いられたときに、付着強度が低下し、路面標示材料が剥離する場合がある。
また、合成ゴムエマルションの固形成分に対する軟化点を有するエマルション型粘着付与剤の固形成分が多すぎると低温時の耐衝撃性が低下し、路面標示材料用の水性下塗り塗料として用いられたときに、冬季に車両による衝撃で、路面標示材料がクラックを生じたり剥離する場合がある。前記の2つの固定成分の質量比の好ましい範囲は0.6倍以上1.5倍以下である。
本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料組成物には、上記必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の、有機溶剤、顔料、フィラー、及び、補助剤を配合するすることができる。
ただし、路面標示材料用の水性下塗り塗料としての用途を考慮すると、一般に透明であることが好ましく、不透明となる顔料、フィラーは特殊な用途を除いて使用しないことが好ましい。しかし、特にこれらの配合が求められる場合はこの限りではなく、その場合、顔料及びフィラーとしては、一般的な塗料で使用される酸化チタン、黄色酸化鉄などの各種の着色顔料、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、沈降性バリウムなどの各種の体質顔料を用いることができる。
本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料には、低温安定性の改良を目的に、有機溶剤を配合させることができる。有機溶剤としては、水に可溶であれば限定されるものではないが、アルコールであることが好ましい。アルコールとしては、水との相溶性がありかつ乾燥性が良好であるため、メタノールであることが好ましい。このような有機溶剤は路面標示材料用の水性下塗り塗料全体に対して、取り扱い性を考慮すると5質量%以下での配合が好ましく、より好ましくは2質量%以上5質量%以下である。
本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料に使用可能な補助剤としては、特に限定されるものではなく、消泡剤、表面調整剤、顔料分散剤などの公知の補助剤を添加することができる。
本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料は、上記の各原料を混合し、攪拌することで容易に調製することができ、また、従来の路面標示材料用の水性下塗り塗料同様に塗布し、乾燥させた後に路面標示材料の施工を行うことができる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料は上記実施形態の構成に限定されるものではない。
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料を適宜改変することができる。このような改変によってもなお本発明の路面標示材料用の水性下塗り塗料の構成を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
以下に本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
<実施例及び、比較例の水性下塗り塗料の調製>
合成ゴムエマルションとして、ニッポールLX―426(日本ゼオン社製スチレンブタジエンゴムエマルション、固形成分(スチレンブタジエンゴム成分):50質量%、合成ゴム成分のガラス転移点は−39℃)(ただし、配合例13(実施例10)では同ニッポールLX430(固形成分:49質量%、合成ゴム成分のガラス転移点は12℃)、配合例14(実施例11)では同ニッポールLX473D(固形成分:47.5%、合成ゴム成分のガラス転移点は−15℃)、そして、配合例15(実施例12)では同ニッポールLX432M(固形成分:41質量%、合成ゴム成分のガラス転移点は−55℃)、そして、配合例18(実施例15)では同ニッポールLX844C(固形成分:40質量%、合成ゴム成分のガラス転移点は32℃)を使用し、軟化点を有するエマルション型粘着付与剤として、スーパーエステルE−720(荒川化学工業社製ロジンエステルエマルション、固形成分(樹脂成分):50質量%)(ただし、配合例16(実施例12)ではスーパーエステルE−650(荒川化学工業社製ロジンエステルエマルション、固形成分:50質量%)、配合例17(実施例13)では成瀬化学社製石油樹脂エマルションPT201、固形成分:49質量%)、消泡剤として、BYK社製BYK025、水(イオン交換水)、及び、有機溶剤としてメタノールを用いて、以下の試験を行った。
1リットル(L)ビーカーに、表1〜4に配合例1〜18として示した配合量(質量)で各原料を取り、十分に攪拌して、それぞれ路面標示材料用の水性下塗り塗料(以下「水性下塗り塗料」とも云う。)を調製した。これら表には、合成ゴムエマルションの固形成分の質量を1としたときの前記軟化点を有するエマルション型粘着付与剤の固形成分の質量比を「質量比」として、併せて記載した。なお、アルコール有機溶剤に関しては表において括弧内に含有率(質量%)を記載した。なお、表1〜4では、用いた合成ゴムエマルションの合成ゴムのガラス転移点を括弧内に記載し、また、路面標示材料用の水性下塗り塗料全体量中の、合成ゴムエマルションの固形成分と前記軟化点を有するエマルション型粘着付与剤の固形成分とにより構成される樹脂固形成分の含有量(質量%)も「樹脂含有量(%)」として併せて記載した。
Figure 2015183122
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また、これらとは別に従来技術の、溶剤を用いる下塗り塗料として、トルエンを72質量%を含有するアトミクス社製プライマーNo.1を比較例4の溶剤型下塗り塗料とした。
<溶融型路面標示用塗料>
溶融型路面標示用塗料としてJIS K5665 3種相当材料であるアトミクス社製アトムライン#15を用いた。
<評価>
以下に、評価方法、及び、評価結果について説明する。なお、各評価で、不十分な結果となったサンプルについては、以降、他項目の評価は省略した。
<<乾燥性>>
上記実施例及び比較例の水性下塗り塗料をアスファルト面(300mm×300mm(アスファルトブロックを使用))に塗布し、室温にて10分、及び、60分(完全乾燥)静置した後に、これら水性下塗り塗料の塗装面に、上塗り塗料として200℃に加熱した、上記で調製した溶融型路面標示用塗料を塗布した。その後、溶融型路面標示用塗料の塗膜の外観変化の評価を行った。このとき、下塗り材組成物の乾燥が十分でないと溶融型路面標示用塗料にピンホールや膨れなどの外観変化が生じる。
溶融型路面標示用塗料の外観変化が、従来技術の、比較例4の溶剤型下塗り材を用いた場合に比べて大きい場合を水性下塗り塗料の「乾燥性」として不十分であるとして「×」、溶融型路面標示用塗料の機能が損なわれない程度に小さい場合は、水性下塗り塗料の「乾燥性」として概ね十分であるとして「△」、同等の場合に水性下塗り塗料の「乾燥性」として十分であるとして「○」として、それぞれ評価を行った。
<<固形成分の軟化点>>
固形成分の軟化点(なお、表1〜4では「軟化点」と、略して記載する)は次のようにして調べた。
すなわち、エマルション型粘着付与剤をメタノール中に投入し、析出した沈殿物を加熱・減圧により水分を除去後、JIS K2207に準じた測定方法にて測定した。なお、この試験時に、水分を除去したにも関わらず沈殿物が析出しない場合、及び、水分を除去したにも関わらず、残留物が液状である場合には、軟化点がないと判断した。
<<付着強度>>
付着強度については次のようにして調べた。
上記実施例及び比較例の水性下塗り塗料を、それぞれアスファルト面(300mm×300mm(アスファルトブロックを使用))に塗布し、十分に乾燥させた後、上塗り塗料として200℃に加熱した、上記で調製した溶融型路面標示用塗料を塗布した。次いで、塗布表面を研磨し、建研式接着試験器の治具を接着剤にて貼り付け、それぞれ付着強度を測定した。
<<耐衝撃性>>
耐衝撃性は次のようにして調べた。
上記実施例、及び、比較例の水性下塗り塗料をそれぞれ亜鉛メッキ鋼板(150mm×70mm、厚さ:3mm)の一方の表面に塗布し、十分に乾燥させた後、上塗り塗料として200℃に加熱した、上記の溶融型路面標示用塗料を塗布した。これら試験板について、室温(23℃、使用錘は500g、高さは500mm)、及び、5℃環境下(使用錘は500g、高さは500mm)で、JIS K5600−5−3に準拠し、デュポン式耐衝撃試験を行った。このとき、衝撃により基板から塗装の剥離がない場合を十分な耐衝撃性が得られたとして「○」、衝撃により変形した部位にのみに剥離が生じた場合を「△」及び、衝撃を与えた部位に加えて周辺にも剥離が生じた場合は十分な耐衝撃性が得られなかったとして「×」と、それぞれ評価した。
<<引火点>>
取り扱い性の目安として、引火点を測定した上記実施例及び比較例の水性下塗り塗料の、21℃及び70℃での引火点を、それぞれJIS K2265に準拠して、セタ密閉式の測定方法で測定した。
ここで、水性下塗り塗料に引火点がないと、貯蔵や取り扱いが容易になるとともに、実際の施工を安全に行うことができる。
試験温度において引火が認められた場合は「引火」として評価し、引火が認められなかった場合は「○」として評価した。
<<低温安定性>>
低温安定性は、路面標示材料用の水性下塗り塗料において、冬季の寒冷地での保管による塗料性状の変化であり、重要なパラメータである。ここで、上記の実施例及び比較例の水性下塗り塗料について、それらの低温安定性験を行った。
試験方法はJIS K5665に準拠し、ただし、試験温度は−10℃とした。塗料性状に変状(ゲル化、大幅な増粘)が見られた場合は不十分であるとして「×」と、変状がない場合は低温安定性が十分であるとして「○」と、それぞれ評価した。
<<低温付着性試験>>
低温付着性は、路面標示材料用の水性下塗り塗料において、冬季の路面標示材料との付着性を評価する指標であり、重要なパラメータである。
実施例及び比較例の下塗り材組成物をそれぞれアスファルト面(300mm×300mm)に塗布し、十分に乾燥を行った後、上塗り塗料として200℃に加熱した、上述の溶融型路面標示用塗料を塗布した。その後、溶融型路面標示用塗料の表面を研磨し、建研式接着試験器の治具を、接着剤を用いて貼り付け、5℃の環境下にて付着強度を測定した。
これら評価結果について、表1〜4に併せて示した。
<評価結果について>
上記表1〜5より、次のことが理解される。
上記実施例の下塗り材組成物によれば、合成ゴムエマルションとエマルション型粘着付与剤とを適切な比で配合した実施例の水性下塗り塗料では、高い乾燥性、非常に優れた付着強度、さらに、室温及び5℃において良好な耐衝撃性が得られることが理解される。
また、合成ゴムエマルション配合比率が高い方がより優れた耐衝撃性を得られること、有機溶剤含有量が5質量%以下であれば70℃の環境であっても引火しないこと、アルコール有機溶剤含有量が2.3%以上であれば−10℃(冬季の寒冷地での保管を想定。)での低温安定性が得られることが理解される。
さらに、低温環境下(5℃)での付着性においては、合成ゴムエマルション中の合成ゴムのガラス転移点が低いほど、かつ、前記エマルション型粘着付与剤樹脂固形成分の軟化点が65℃以上165℃以下の範囲では低い方である方が、より高い低温付着性が得られることが理解される。

Claims (4)

  1. 合成ゴムエマルションと、固形成分を構成する樹脂成分が軟化点を有するエマルション型粘着付与剤と、を含有し、
    前記合成ゴムエマルションの固形成分の含有量と、前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の含有量と、の和が全成分の10質量%以上50質量%以下であり、かつ、
    前記合成ゴムエマルションの固形成分の含有量に対する前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の含有量が質量比で0.2倍以上1.5倍以下であることを特徴とする路面標示材料用の水性下塗り塗料。
  2. 前記合成ゴムエマルションの合成ゴム成分のガラス転移点が−60℃以上20℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の路面標示材料用の水性下塗り塗料。
  3. 前記エマルション型粘着付与剤の固形成分の軟化点が65℃以上165℃以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の路面標示材料用の水性下塗り塗料。
  4. 5質量%以下の有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の路面標示材料用の水性下塗り塗料。
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