JP2005213466A - 道路標示材用プライマー - Google Patents

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啓一 浅見
Kunihiko Takeuchi
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Abstract

【解決手段】
熱可塑性エラストマー(A)と脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)に、粘結付与樹脂(C)および/またはα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)からなる道路標示材用プライマーを提供する。
【効果】
本発明の樹脂溶液は、PRTR法対象化学物質である芳香族炭化水素系溶剤や塩素系溶剤を含まず、貯蔵安定性に優れ、路面と道路標示材の双方に密着性が良好な道路標示材用プライマーを提供することができる。




































Description

本発明は樹脂溶液について、特に道路標示材用プライマーに関するものである。
車線区分線、横断歩道等の交通標識をコンクリートやアスファルト等の路面に道路標示材で形成する場合、路面にプライマーを塗布し、該標示材と路面との密着性を高める必要がある。これらのプライマーとしては、植物油変性アルキッド樹脂、合成ゴム、液状の芳香族系石油樹脂等の樹脂をトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤やトリクロロエチレン、トリクロロエタン等の塩素系溶剤等の溶剤に溶解したものが使用されてきた。しかし、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤やトリクロロエチレン、トリクロロエタン等の塩素系溶剤は、PRTR法対象化学物質に登録されており、その取り扱いについては、大気放出による環境汚染等の問題がある。今後、これらの溶剤は取り扱いの規制はもとより、将来的に使用が大幅に制限される可能性が高い。
特開平6−116513号公報 特開平8−127758号公報 特開2001−106966号公報
本発明目的は、熱可塑性エラストマー系樹脂の道路標示材用プライマーを提供するものであり、前記問題点である芳香族炭化水素系溶剤や塩素系溶剤を含まず、溶液の貯蔵安定性にも優れ、アスファルトやコンクリート等からなる路面と道路標示材の双方に良い密着性を発現するプライマーを提供することである。
本発明者ら、この目的を達成するために鋭意研究及び検討を重ねてきた結果、熱可塑性エラストマー(A)と脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)、粘結付与樹脂(C)および/またはα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)からなる樹脂を含有する樹脂溶液が極めて有効であることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明は以下の[1]〜[5]で特定される。
[1]熱可塑性エラストマー(A)、粘結付与樹脂(C)と脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)からなる樹脂溶液で構成される道路標示材用プライマー。
[2]熱可塑性エラストマー(A)、並びにα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体と脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)からなる樹脂溶液で構成される道路標示材用プライマー。
[3]熱可塑性エラストマー(A)に少なくとも一部が官能基で変性されたものを用いてなる[1]または[2]に記載の道路標示材用プライマー。
[4]粘結付与樹脂(C)を含有する[2]または[3]に記載の道路標示材用プライマー。
[5]活性水素及び/又は水酸基を有する[2]〜[4]のいずれかに記載の樹脂溶液と、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な樹脂からなる道路標示材用プライマー。
本発明の樹脂溶液は、PRTR法対象化学物質である芳香族炭化水素系溶剤や塩素系溶剤を含まず、貯蔵安定性に優れ、路面と道路標示材の双方に密着性が良好な道路標示材用プライマーを提供することができる。
本発明の道路標示材用プライマーは、熱可塑性エラストマー(A)を脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)に溶解したものに粘結付与樹脂(C)を混合したものや、熱可塑性エラストマー(A)、並びにα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体と脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)からなる樹脂溶液や、これらに粘結付与樹脂(C)を混合したものである。また、前記の熱可塑性エラストマー(A)に少なくとも一部が官能基で変性したものを用いることができる。
本発明に用いられる熱可塑性エラストマー(A)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体で代表される、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィンの単独または2種類以上の共重合体の熱可塑性エラストマ−が挙げられる。
上記の中でも、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−オクテン共重合体が好ましく、これらは単独又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
また、その重量平均分子量(以下、Mwと略記する)は通常、5千〜70万の範囲、好ましくは1万〜50万、さらに好ましくは4万〜40万である。この範囲であると、得られる樹脂組成物と素材との密着性が良く、樹脂合成時の樹脂粘度が適正である等で好ましい。
その他、熱可塑性エラストマー(A)としては、スチレン系エラストマーが挙げられる。例えば、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、スチレン−共役ジエンランダム共重合体およびこれらの水素添加物等が挙げられ、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の構成としてはスチレン−共役ジエンのジブロック共重合体、スチレン−共役ジエン−スチレンのトリブロック共重合体等が挙げられる。ここで用いられる共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。上記の中でも、スチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体の水素添加物が好ましい。
ここで用いられる熱可塑性エラストマーは、そのスチレンの含有量が3〜60重量%、好ましくは3〜45重量%の範囲である。 また、その重量平均分子量(以下、Mwと略記する)が5千〜70万の範囲が好ましい。スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物では5千〜50万、さらには1万〜30万がより好ましい。また、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物では1万〜70万、さらには5万〜50万がより好ましい。この範囲であると、得られる樹脂組成物と素材との密着性が良く、樹脂合成時の樹脂粘度が適正である等で好ましい。上記の熱可塑性エラストマーは、単独或いは2種以上併用して用いることができる。
本発明に用いられる脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、イソオクタン、イソデカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素が挙げられ、これらの2種以上からなる混合物であっても構わない。これらの中でも、蒸発速度Vが10≦V≦500のものを用いることが好ましい。この範囲であると、塗工後に塗膜に溶剤が残存しなく密着強度を低下させない、作業性が良好である等の点で好ましい。尚、溶剤の蒸発速度は 田中丈之;塗装と塗料、No339、p45(1981)の「溶剤の蒸発」で示される計算式を用い蒸発速度を算出し、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした相対蒸発速度に変換したものを用いた。また、混合溶剤の蒸発速度Vは、以下の計算式で求められる。
V=ΣC
選択される溶剤の全溶剤中での含有率:C(wet%)
選択される溶剤の蒸発速度:V(酢酸ブチルを100とした相対速度)
本発明に用いられる粘結付与樹脂(C)としては、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−2−ブテン、2−ペンテン、シクロペンタジエン、シクロペンテン等を主成分とする共重合体のC5系石油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン等を主成分とする共重合体のC9系石油樹脂、前記C5とC9の共重合体であるC5/C9石油樹脂等の石油樹脂、無水フタル酸等の多塩基酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール等の多価アルコールを骨格としたものまたはこれらを油脂等で変性したアルキッド樹脂或いはこれらを油脂等で変性したアルキッド樹脂、ロジンまたはその変性物であるマレイン化ロジン等のロジン系樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック等をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、ビスフェノールAにプロピレンオキサイド、またはエチレンオキサイドを付加しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環エポキシ樹脂、ポリエーテル系エポキシ樹脂、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フマル酸等の多価カルボン酸およびその低級アルコールエステル、パラオキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸、および安息香酸等の1価カルボン酸等を用いたカルボン酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチル−ペンタンジオール、2,2’−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等のアルコール成分をそれぞれ1種以上を縮重合したポリエステル等が使用されている。本発明で用いられた粘結付与樹脂(C)の中でも、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、前記C5とC9の共重合体であるC5/C9石油樹脂等の石油樹脂が好ましい。
本発明では、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体を含有させる事で、アスファルトやコンクリート等の路面と、道路標示材との密着をさらに向上させることができる。
本発明に用いられる熱可塑性エラストマー(A)、並びにα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体と脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)からなる樹脂溶液の製造方法は、脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)中、熱可塑性エラストマー(A)に、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)と重合開始剤をフィードしながら重合した後、或いは熱可塑性エラストマー(A)とα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)に、重合開始剤をフィードしながら重合した後に、さらにラジカルを発生させ反応させる方法である。また、熱可塑性エラストマー(A)に、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体を添加した後、ラジカルを発生させて反応させる方法でも製造することができる。
このとき、脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)の量は、熱可塑性エラストマー(A)を有機溶媒(D)に溶解させたときの不揮発分が5〜60重量%であることが範囲が好ましい。
本発明に用いられる、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)を以下に例示する。
α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類及びこれらのモノエステル化物、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル類、ビニルイソシアナート、イソプロペニルイソシアナート等のイソシアナート基含有ビニル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル類、その他アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、及びメチロールメタクリルアミド、エチレン、プロピレン、C〜C20のα−オレフィン等が挙げられる。また、上記単量体、或いはその共重合体をセグメントに有し、末端にビニル基を有するマクロモノマー類等も使用できる。また、本発明に用いられるその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーとしては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の無水カルボン酸類等が挙げられる。
また、ここに記載されたメチル(メタ)アクリレートのような記載は、メチルアクリレート及びメチルメタアクリレートを示す。
これらは、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体を主成分として用いることが好ましい。また、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体を主成分に、その他共重合可能な単量体を併用することもできる。
本発明において、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の比率は、重量比で(A)/(B)=1/9〜9/1、好ましくは(A)/(B)=2/8〜8/2である。
本発明に用いる重合開始剤としては、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタ酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド)等のアゾ化合物が挙げられる。これらは、単独或いは2種以上併用して用いることができる。
また、更にラジカルを発生させて反応を行う場合のラジカル発生方法は、例えば、光重合開始剤の存在下に光を照射する方法、又は有機過酸化物を添加する方法等、公知の方法を使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ω−ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−4,4’−テトラ−ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホルメート等のカルボニル類、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド類、ベンゾキノン、アントラキノン、クロロアントラキノン、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のキノン類、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられるが、これらは単独或いは2種以上併用して用いても良い。又、これらの光重合開始剤には、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ピリジン、キノリン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアミン類、トリフェニルホスフィン等のアリルホスフィン類、β−チオジグリコール等のチオールエーテル類等を併用して用いても良い。
上記光重合開始剤の使用量は、前記熱可塑性エラストマー(A)と、共重合性モノマー(B)との総重量に対し、通常、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲で用いる事で安定性に大きな効果が現れる。
また、有機過酸化物としては、分子内にtert−ブチル基及び/又はベンジル基を有する、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明では、上記した有機過酸化物のうちでも、ジ−tert−ブチルパーオキサイドやtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートがより好適に用いられる。すなわち、分子内にtert−ブチル基及び/又はベンジル基を有する有機過酸化物は水素引抜能力が比較的高く、ポリオレフィンとのグラフト率を向上させる効果がある。
上記有機過酸化物の使用量は、熱可塑性エラストマー(A)と、共重合性モノマー(B)との総重量に対し、通常2〜50重量%、より好ましくは3〜30重量%の範囲で用いる事で安定性に大きな効果が現れる。上記した範囲で有機過酸化物を使用する場合は、なるべく時間をかけ、これを少量ずつ添加することが好ましい。
さらに、熱可塑性エラストマー(A)に少なくとも一部が官能基で変性されたものを用いても良い。熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性されたものに、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)と重合開始剤をフィードしながら重合させる、或いは熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性されたものとα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)に、重合開始剤をフィードしながら重合させる方法で製造することができる。このようにして得られたものに更にラジカルを発生させ反応させて製造することもでき、熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性されたものにα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体を添加した後、ラジカルを発生させて反応させて製造することもできる。
熱可塑性エラストマー(A)の少なくとも一部が官能基で変性されたものは、上記記載の熱可塑性エラストマー、またはこれら2種以上の混合物に、以下記載の官能基を含有したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーを反応させて得られるが、一部に反応しないものを含んでも何ら問題ない。
ここで用いられる官能基を含有したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド等の窒素化合物、無水マレイン酸、無水シト ラコン酸等の無水カルボン酸類が挙げられ、これらは単独でも、2種以上でも使用できる。上記官能基を含有したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーの添加量は通常、熱可塑性エラストマーに対して0.5〜20重量%の範囲、より好ましくは1〜15重量%である。
本発明において、熱可塑性エラストマー(A)、粘結付与樹脂(C)の比率は、重量比で(A)/(C)=1/9〜9/1が好ましく、さらには(A)/(C)=2/8〜8/2がより好ましい。また、熱可塑性エラストマー(A)とα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の比率は、重量比で((A)+(B))/(C)=1/9〜9/1が好ましく、さらには((A)+(B))/(C)=2/8〜8/2がより好ましい。
本発明の樹脂溶液の溶媒濃度は、不揮発分で5〜90%であり、好ましくは10〜80%である。
さらに、本発明の構成単位としてヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類等の活性水素及び/又は水酸基を持つ組成物は、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な材料、例えば、分子内にイソシアナート基を有する材料を用いることで、ウレタン結合を有する道路標示材用プライマーとして使用することができる。
活性水素及び/又は水酸基と反応可能な分子内にイソシアナート基を有する材料としては、フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート類、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート等の脂肪族ジイソシアナート類、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート等の脂環族ジイソシアナート類、リジントリイソシアネ−トなどの3価以上のポリイソシアネート類、またこれらイソシアナート化合物の多量体であるビュレット体、イソシアヌレート体、アロファネート体、その他上記イソシアナートの一種又は二種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、キシリレングリコール、ブチレングリコール等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の3価アルコール等の多価アルコールとの付加物、イソシアナート基と反応可能な官能基を有する低分子量ポリエステル樹脂または水等との付加物、さらに低級1価アルコール、メチルエチルケトオキシム等公知のブロック剤でイソシアナート基をブロックされたいわゆるブロックイソシアネート等も使用可能である。イソシアナートを使用する場合は、例えば、ジブチルチンジラウレート等の有機スズ化合物、オクチル酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、トリエチルアミン等のアミン類を外部触媒として添加することができる。
本発明では、上記樹脂溶液に、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な材料を任意の割合で使用する事ができる。上記樹脂溶液に、活性水素及び/又は水酸基と反応可能なイソシアナート基を有する材料を混合した道路標示材用プライマーは、塗工後に乾燥硬化させるが、必要に応じて反応性触媒を併用することもできる。活性水素及び/又は水酸基と反応可能なイソシアナート基の配合割合は、活性水素とイソシアナート基の当量比で0.5:1.0〜1.0:0.5の範囲が好ましく、0.8:1.0〜1.0:0.8の範囲が更に好ましい。
さらに、本発明の道路標示材用プライマーは、必要に応じてポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、セルロース系樹脂或いはこれらの混合樹脂等を混合することができる。
また、本発明の道路標示材用プライマーは、必要に応じて、アゾ顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料、アゾ染料、アントラキノン系染料等の染料、酸化チタン、モリブデン、カーボンブラック等の無機顔料等の着色剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等の各種安定剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、防カビ剤、抗菌剤、防腐剤、触媒、充填剤、ワックス、ブロッキング防止剤、可塑剤、レベリング剤等の成分を含有させることができる。道路標示材用プライマーは、上記の材料を適当な溶媒中に分散、溶解し調整する。分散状態が悪い場合は、公知の装置を用い調整することもでき、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、3本ロール、ペイントシェーカー等を用いることができる。
本発明道路標示材用プライマーの塗布方法については、従来のプライマーと何ら変わるところはなく、スプレー塗り、はけ塗り、スポンジ塗り、ローラー塗り等の適宜従来方法で塗布される。なお、本発明道路標示材用プライマーの上に施工される道路標示材は、加熱溶融型塗料であってもよいし、加熱溶融貼付型シートであってもよく、また感圧貼付型シートであってもよく、その種類については特に限定されるものではない。
以下、本発明の道路標示材用プライマーの製法および各種試験例を挙げ、更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、以下において、部および%は特記していない限り重量基準である。
<道路標示材用プライマー製造例1>
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキンサンを250部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体として2−エチルヘキシルアクリレート30部とエチルアクリレート27部とメチルメタアクリレート20部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸3部とtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1部(以下、PBOと略記する)の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にメチルシクロヘキサンを100部添加するとともに、PBOを0.5部添加した。このPBO添加より1時間後にPBOを6部添加した。さらに1時間経過後に2部、更にそれより1時間経過後に2部を添加し反応させた。最後のPBO添加より2時間放置して反応させ道路標示材用プライマーを得た。
なお、上記で熱可塑性エラストマーとして用いたベストプラスト750はデグサヒュルス(株)製のプロピレン−ブテン−エチレン共重合体で、重合可能な単量体として用いたプラクセルFM−3はダイセル化学工業(株)製の不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエーテル修飾イプシロン−カプロラクトンである。
<道路標示材用プライマー製造例2>
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキサンを200部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、下記の方法で得られた滴下用樹脂溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後から30分後にPBOを1部添加した。このPBO添加より1時間後にPBOを6部添加した。さらに1時間経過後に2部、更にそれより1時間経過後に2部を添加し反応させた。最後のPBO添加より2時間放置して反応させ道路標示材用プライマーを得た。
<滴下用樹脂溶液>
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン50部と酢酸ブチル30部とメチルシクロヘキサン20部を仕込み、窒素置換しながら100℃に加熱昇温した。次いでこの中に、2−エチルヘキシルアクリレート30部とエチルアクリレート27部とメチルメタアクリレート20部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸3部とPBO1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にPBOを0.5部添加した。このPBO添加より更に1時間後にPBOを0.5部添加し反応させた。最後のPBO添加より2時間放置して反応させ滴下用樹脂溶液を得た。
<道路標示材用プライマー製造例3>
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキサンを150部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、官能基を有する重合性モノマーとしてプラクセルFM−3を5部添加、分散させた後、PBOを5部添加して2時間反応させた。その後メチルシクロヘキサン200部を添加して、熱可塑性エラストマーの一部が官能基で変性された樹脂を得た。次いで、反応器内を95℃に保持したまま、重合可能な単量体として2−エチルヘキシルアクリレート30部とエチルアクリレート27部とメチルメタアクリレート20部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸3部とPBO1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にメチルシクロヘキサンを100部添加するとともに、PBOを0.5部添加し、更に1時間後にPBOを0.5部添加した。このPBO添加より2時間放置して反応させ道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例4>
重合可能な単量体を、メチルメタアクリレート35部とイソブチルメタクリレート27部とエチルアクリレート15部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸3部に変更した以外は、道路標示材用プライマー製造例3と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例5>
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキサンを150部仕込み、窒素置換しながら130℃に加熱昇温した。次いでこの中に、官能基を有する重合性モノマーとしてプラクセルFM−3を5部添加、分散させた後、PBOを5部添加して2時間反応させた。その後メチルシクロヘキサンを200部添加して、熱可塑性エラストマーの一部が官能基で変性された樹脂を得た。次いで、反応器内を95℃に保持したまま、重合可能な単量体として2−エチルヘキシルアクリレート30部とエチルアクリレート27部とメチルメタアクリレート20部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸3部とPBO1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にメチルシクロヘキサンを100部添加するとともに、PBOを0.5部添加した。これより1時間後にPBOを3部添加し、更に2時間放置して反応させ道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例6>
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキサンを150部仕込み、窒素置換しながら130℃に加熱昇温した。次いでこの中に、官能基を有する重合性モノマーとしてプラクセルFM−3を5部添加、分散させた後、PBOを5部添加して2時間反応させた。その後メチルシクロヘキサンを50部仕込み熱可塑性エラストマーの一部が官能基で変性された樹脂を得た。次いでこの中に、上記の実施例2で得られた滴下用樹脂溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後から30分後にPBOを1部添加した。このPBO添加より1時間後にPBOを6部添加した。このPBO添加より1時間経過後に2部、更にそれより1時間経過後に2部を添加し反応させた。最後のPBO添加より2時間放置して反応させ道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例7>
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例1と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
なお、上記で熱可塑性エラストマーとして用いたセプトン2002はクラレ(株)製の水素添加スチレン−イソプレン共重合体である。
<道路標示材用プライマー製造例8>
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例2と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例9>
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例3と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例10>
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例4と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例11>
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例5と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例12>
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例6と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例13>
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例1と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
なお、上記で熱可塑性エラストマーとして用いたダイナロン1320PはJSR(株)製の水素添加スチレン−ブタジエン共重合体である。
<道路標示材用プライマー製造例14>
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例2と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例15>
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例3と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例16>
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例4と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例17>
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例5と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例18>
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は道路標示材用プライマー製造例6と同様の方法で道路標示材用プライマーを得た。
<道路標示材用プライマー製造例19〜21>
道路標示材用プライマー製造例1、3、4で得られた道路標示材用プライマーにさらに硬化剤としてイソシアナート化合物であるタケネートD−177NをOH/NCOで1/1(モル比)となるようにそれぞれ混合し、道路標示材用プライマーを得た。
なお、上記でイソシアナート化合物として用いたタケネートD−177Nは三井武田ケミカル(株)製のヘキサメチレンジイソシアナートのヌレート体である。
<道路標示材用プライマー製造例22>
道路標示材用プライマー製造例2の滴下用樹脂溶液に記載の方法で得られた樹脂溶液を道路標示材用プライマーとした。
[実施例1]
メチルシクロヘキサンを250部にベストプラスト750を100部加熱溶解し、これに粘結付与樹脂であるマルカクリアーLを100部混合して道路標示材用プライマーを得た。得られた樹脂溶液を、下記に記載の方法で評価を行い、その結果を表−1に示した。
なお、上記で粘結付与樹脂として用いたマルカクリアーLは丸善石油化学(株)製のポリペンタン化合物である。
[実施例2]
メチルシクロヘキサンを250部にセプトン2002を100部加熱溶解し、これにマルカクリアーLを100部混合して道路標示材用プライマーを得た。得られた樹脂溶液を、下記に記載の方法で評価を行い、その結果を表−1に示した。
[実施例3]
メチルシクロヘキサンを300部にダイナロン1320Pを100部加熱溶解し、これにマルカクリアーLを100部混合して道路標示材用プライマーを得た。得られた樹脂溶液を、下記に記載の方法で評価を行い、その結果を表−1に示した。
[実施例4〜24]
上記の道路標示材用プライマー製造例1〜21で得られた道路標示材用プライマーを、下記に記載の方法で評価を行い、その結果を表−1に示した。
[実施例25〜45]
上記の道路標示材用プライマー製造例1〜21で得られた樹脂溶液に、マルカクリアーLを樹脂の重量比で1/1となるように混合し道路標示材用プライマーを得た。得られた樹脂溶液を、下記に記載の方法で評価を行い、その結果を表−1に示した。
[比較例1]
上記の道路標示材用プライマー製造例22で得られた道路標示材用プライマーを、下記に記載の方法で評価を行い、その結果を表−1に示した。
[比較例2]
上記の道路標示材用プライマー製造例22で得られた樹脂溶液に、マルカクリアーLを樹脂の重量比で1/1となるように混合し道路標示材用プライマーを得た。得られた樹脂溶液を、下記に記載の方法で評価を行い、その結果を表−1に示した。
<<評価>>
実施例、比較例で得られた道路標示材用プライマーについて、以下の方法でそれぞれの評価を実施して、その結果を表−1に示した。
道路標示材用プライマー
<乾燥性>
実施例1〜45、比較例1、2をガラス板に乾燥膜厚が20μmとなるように塗工し、指触にて塗膜が乾燥するまでの時間を測定した。2分未満に乾燥したものを○、2分以上5分以内に乾燥したものを△、乾燥に5分以上かかるものを×として表に結果を記載した。
<密着性試験>
コンクリート床面に実施例1〜45、比較例1、2を乾燥時の重量が3〜4g/150cm2となるよう塗工したものに、ガムテープ(積水化学(株)品)を貼り付けた後、速やかに90°方向に引っ張って剥離し、密着性の評価を行った。20回以上繰返して剥離した後、剥離しなかったものを○、10%以内の剥離を△、11%以上剥離するものを×として表に結果を記載した。
<路上テスト>
屋外のアスファルト道路に実施例1〜45、比較例1、2を乾燥時の重量が3〜4g/150cm2となるように塗工し、下記の道路標示材を膜厚1.5mmとなるように溶融塗布し半年後の状況を目視にて観察した。異常が全くないものを○、一部剥離したものを△、全面剥離したものを×として表に結果を記載した。
<貯蔵安定性>
実施例1〜45で得られた道路標示材用プライマーをそれぞれ40℃、7日間放置し、安定性を評価した。安定性が良好なもの、および分離を起こすが再分散が可能で使用ができるものを○、分散が困難で使用できないものを×として表に結果を記載した。尚、硬化剤を混合したもの、路上テストで剥離したものについては、安定性試験を行わなかった。
道路標示材
<道路標示材の調整>
上記の路上テストで用いた道路標示材は、以下の配合のものを用いた。
酸変性炭化水素樹脂(R500X、三井化学社製):100部
可塑剤(アラキード251、荒川化学社製):15部
汚染防止剤(HW−R、三井化学社製):3.5部
粗粉炭酸カルシウム(寒水砂#30、日東粉化社製):214部
微粉炭酸カルシウム(ホワイトンH、白石工業社製):214部
酸化チタン(タイペークA−220、石原産業社製):28部
ガラスビーズ(GB−153T、東芝バロティー社製):110部
Figure 2005213466
本発明のプライマーは、芳香族炭化水素溶剤や塩素系溶剤を含まず、溶液の貯蔵安定性にも優れ、アスファルトやコンクリート等からなる路面と道路標示材の双方に密着性を発現することから道路標示材用のプライマーとして使用することができる。

Claims (5)

  1. 熱可塑性エラストマー(A)、粘結付与樹脂(C)と脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)からなる樹脂溶液で構成される道路標示材用プライマー。
  2. 熱可塑性エラストマー(A)、並びにα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体と脂環式炭化水素および/または脂肪族炭化水素の有機溶媒(D)からなる樹脂溶液で構成される道路標示材用プライマー。
  3. 熱可塑性エラストマー(A)に少なくとも一部が官能基で変性されたものを用いてなる請求項1または2に記載の道路標示材用プライマー。
  4. 粘結付与樹脂(C)を含有する請求項2または3に記載の道路標示材用プライマー。
  5. 活性水素及び/又は水酸基を有する請求項2〜4のいずれかに記載の樹脂溶液と、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な樹脂からなる道路標示材用プライマー。
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