JP4531377B2 - インキ用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、有機溶剤と、熱可塑性エラストマー(A)、或いは熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーの重合体を含有してなるインキ用組成物に関する。より詳しくは、インキ用バインダー、インキ用添加剤として用いることのできる、種々のプラスチック材料からなるフィルムやシート、或いは成形物等への優れた印刷性を発現するインキ用組成物に関するものである。
近年、包装材料、容器、建設材等に用いられるフィルム、シート、或いは成形物は、用途により異なるが、種々のプラスチックが使用されている。中でも、エステル系樹脂、ナイロン系樹脂、とりわけオレフィン系樹脂は、印刷インキの密着性に劣るため、通常、フィルムやシート、或いは成形物の表面をコロナ処理したり、あるいはアンカー剤やプライマーを塗布することで印刷性を向上させていた。しかしながら、コロナ処理を行う方法では形状や処理方法でインキの密着性にバラツキを生じるという問題があり、また、アンカー剤、プライマーの塗工では工程が頻雑となり、生産性、作業性が低下し、コストが上がるという問題があった。
また、インキを改良することで印刷性の向上も検討されており、例えば、水素添加ポリブタジエンを導入したウレタン系樹脂の印刷インキ(特公平5−64192号公報等)や、塩素化ポリオレフィンを導入した印刷インキ(特開平4−4148号公報、特開平4−18470号公報等)が開示されている。しかしながら、水素添加ポリブタジエンを導入したウレタン系樹脂の印刷インキは、高分子量域での分子量制御が難しく分子量を小さくせざるを得ないため耐磨耗性の面で問題が、また塩素化ポリオレフィンを導入したインキは、塩素を含有することから耐光性が悪く、そのうえリサイクルが困難で環境に与える負荷が大きいという問題がそれぞれあった。
特公平5−64192号公報 特開平4−4148号公報 特開平4−18470号公報
本発明の課題は、上記の背景技術の樹脂組成物に記載した問題点を解決し、被印刷物としてのエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、オレフィン系樹脂等からなる種々のプラスチックのフィルムやシート、或いは成形物に対して優れた密着性を発現し、耐ブロッキング性を有するインキ用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を達成するインキ用組成物の開発に鋭意研究および検討を重ねてきた結果、熱可塑性エラストマー(A)、或いは熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーからなる重合体を含有してなるインキ用組成物が、上記課題を達成するために極めて有効である事を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[7]で特定される。
[1] 有機溶媒、熱可塑性エラストマー(A)、並びにα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)の重合体で構成される樹脂溶液からなるインキ用組成物。
[2] 有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを、(A)/(B)=1/9〜9/1の重量比で重合せしめた後、更にラジカルを発生させ反応させた樹脂溶液からなるインキ用組成物。
[3] 有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)とを、(A)/(C)=1/9〜9/1の重量比でラジカルを発生させ反応させた樹脂溶液からなるインキ用組成物。
[4] 有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを、(A)/(B)=1/9〜9/1の重量比で重合せしめた樹脂溶液からなるインキ用組成物。
[5] 有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)とを、(A)/(B)=1/9〜9/1の重量比で重合せしめた後、更にラジカルを発生させ反応させた樹脂溶液からなるインキ用組成物。
[6] 有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)とを、(A)/(C)=1/9〜9/1の重量比でラジカルを発生させ反応させた樹脂溶液からなるインキ用組成物。
[7] 活性水素及び/又は水酸基を有する請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂溶液と、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な樹脂からなるインキ用組成物。
本発明のインキ用組成物は、上記手段により、エステル系樹脂、ナイロン系樹脂、オレフィン系樹脂等からなる種々のプラスチックのフィルムやシート、或いは成形物に対して優れた密着性を発現し、耐ブロッキング性、耐摩擦性を有するものであり、さらに種々のインキとの相溶性も良好で、混合することでフィルムやシート、或いは成形物に対して優れた密着性を付与するという利点もあり、そのうえ貯蔵安定性に優れるという利点もある。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のインキ用組成物は、有機溶剤中、熱可塑性エラストマー(A)に、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)と重合開始剤をフィードしながら重合せしめた後、或いは熱可塑性エラストマー(A)とα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)に、重合開始剤をフィードしながら重合せしめた後に、さらにラジカルを発生させ反応を行なう方法で製造することができる。また、熱可塑性エラストマー(A)に、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)を添加した後、ラジカルを発生させて反応を行なう方法でも製造することができる。
さらに、熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものに、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)と重合開始剤をフィードしながら重合させる、或いは熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものとα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)に、重合開始剤をフィードしながら重合させる方法で製造することができる。このようにして得られたものに更にラジカルを発生させ反応させて製造することもでき、熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものにα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)を添加した後、ラジカルを発生させて反応させて製造することもできる。
本発明に用いられる熱可塑性エラストマー(A)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体で代表される、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィンの単独または2種類以上の共重合体の熱可塑性エラストマ−が挙げられる。
上記の中でも、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−オクテン共重合体が好ましく、これらは単独又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
また、その重量平均分子量(以下、Mwと略記する)は通常、5千〜40万の範囲、好ましくは1万〜30万、さらに好ましくは4万〜20万である。
その他、熱可塑性エラストマー(A)としては、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−共役ジエンランダム共重合体の水素添加物等が挙げられ、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の構成としてはスチレン−共役ジエンのジブロック共重合体の水素添加物、スチレン−共役ジエン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。ここで用いられる共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
上記の中でも、スチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体の水素添加物が好ましい。
ここで用いられる熱可塑性エラストマーは、そのスチレンの含有量が3〜60重量%、より好ましくは3〜45重量%の範囲のものである。
また、その重量平均分子量(以下、Mwと略記する)が5千〜70万の範囲が好ましく、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物では5千〜50万、さらには1万〜30万が好ましい。また、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物では1万〜70万、さらには5万〜50万が好ましい。
上記の熱可塑性エラストマーは、単独或いは2種以上併用して用いることができる。
さらに、熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものは、上記記載の熱可塑性エラストマー、またはこれら2種以上の混合物に、以下記載の官能基を含有したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーを反応させて得られるが、一部に反応しないものを含んでも何ら問題ない。
ここで用いられる官能基を含有したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド等の窒素化合物、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の無水カルボン酸類が挙げられ、これらは単独でも、2種以上でも使用できる。上記官能基を含有したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーの添加量は、熱可塑性エラストマーの重量の0.5〜20重量%の範囲、より好ましくは1〜15重量%である。
本発明に用いられる、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)を以下に例示する。
α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類及びこれらのモノエステル化物、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル類、ビニルイソシアナート、イソプロペニルイソシアナート等のイソシアナート基含有ビニル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル類、その他アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、及びメチロールメタクリルアミド、エチレン、プロピレン、C〜C20のα−オレフィン等が挙げられる。また、上記単量体、或いはその共重合体をセグメントに有し、末端にビニル基を有するマクロモノマー類等も使用できる。
また、本発明に用いられるその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーとしては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の無水カルボン酸類等が挙げられる。
また、ここに記載されたメチル(メタ)アクリレートのような記載は、メチルアクリレート及びメチルメタアクリレートを示す。
これらは、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体を主成分として用いることが好ましい。また、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体を主成分に、その他共重合可能な単量体を併用することもできる。
本発明で用いられる重合体(C)は、下記記載のα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)により構成される。
本発明において、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)或いはこれらの重合体(C)の比率は、重量比で(A)/(B)=1/9〜9/1、或いは(A)/(C)=1/9〜9/1、好ましくは(A)/(B)=2/8〜8/2、或いは(A)/(C)=2/8〜8/2である。
本発明のインキ用組成物で用いられる樹脂溶液の溶剤としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、イソオクタン、イソデカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3メトキシブチルアセテート等のエステル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等の有機溶剤を用いることができ、また、これらの2種以上からなる混合物であっても構わない。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂環式炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素がより好適に用いられる。有機溶媒の量は、熱可塑性エラストマー(A)を有機溶媒に溶解させたときの不揮発分が5〜60重量%となる範囲で用いることができる。
本発明のインキ用組成物で用いる重合開始剤としては、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタ酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド)等のアゾ化合物が挙げられる。これらは、単独或いは2種以上併用して用いることができる。
また、更にラジカルを発生させて反応を行う場合のラジカル発生方法は、例えば、光重合開始剤の存在下に光を照射する方法、又は有機過酸化物を添加する方法等、公知の方法を使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ω−ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−4,4’−テトラ−ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホルメート等のカルボニル類、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド類、ベンゾキノン、アントラキノン、クロロアントラキノン、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のキノン類、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられるが、これらは単独或いは2種以上併用して用いても良い。又、これらの光重合開始剤には、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ピリジン、キノリン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアミン類、トリフェニルホスフィイン等のアルキルホスフィン類、β−チオジグリコール等のチオールエーテル類等を併用して用いても良い。
上記光重合開始剤の使用量は、前記熱可塑性エラストマー(A)と、共重合性モノマー(B)或いは重合体(C)との総重量に対し、通常、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲で用いる事で安定性に大きな効果が現れる。
また、有機過酸化物としては、分子内にtert−ブチル基及び/又はベンジル基を有する、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明では、上記した有機過酸化物のうちでも、ジ−tert−ブチルパーオキサイドやtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートがより好適に用いられる。すなわち、分子内にtert−ブチル基及び/又はベンジル基を有する有機過酸化物は水素引抜能力が比較的高く、ポリオレフィンとのグラフト率を向上させる効果がある。
上記有機過酸化物の使用量は、熱可塑性エラストマー(A)と、共重合性モノマー(B)或いは重合体(C)との総重量に対し、通常2〜50重量%、より好ましくは3〜30重量%の範囲で用いる事で安定性に大きな効果が現れる。上記した範囲で有機過酸化物を使用する場合は、なるべく時間をかけ、これを少量ずつ添加することが好ましい。
上記樹脂を製造するにあたり、油脂類、油脂類の誘導体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上を第3成分として用いることができる。
第3成分として用いられる油脂類としては、アマニ油、大豆油、ヒマシ油及びこれらの精製物が挙げられる。
第3成分として用いられる油脂類の誘導体としては、無水フタル酸等の多塩基酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール等の多価アルコールを骨格としたものを油脂(脂肪酸)で変性した短油アルキッド樹脂、中油アルキッド樹脂、長油アルキッド樹脂等、或いはこれにさらに天然樹脂、合成樹脂および重合性モノマーで変性したロジン変性アルキッド樹脂、フェノール変性アルキッド樹脂、エポキシ変性アルキッド樹脂、アクリル化アルキド樹脂、ウレタン変性アルキッド樹脂等が挙げられる。
また、第3成分として用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック等をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、ビスフェノールAにプロピレンオキサイド、またはエチレンオキサイドを付加しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂等を挙げることができる。また、多官能アミンをエポキシ基に付加したアミン変性エポキシ樹脂等を用いても良い。さらに、脂肪族エポキシ樹脂、脂環エポキシ樹脂、ポリエーテル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、第3成分として用いられるポリエステル樹脂は、カルボン酸成分とアルコール成分を縮重合したものであり、カルボン酸成分として例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フマル酸等の多価カルボン酸およびその低級アルコールエステル、パラオキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸、および安息香酸等の1価カルボン酸等を用いる事ができ、また2種類以上併用する事も可能である。
また、アルコール成分として例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチル−ペンタンジオール、2,2’−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等を用いることができ、また2種類以上併用する事も可能である。
また、水酸基を有する上記ポリエステル樹脂に、分子内に重合性不飽和結合を有する無水カルボン酸を付加させることによって得られた分子内に重合性不飽和結合を含有させた樹脂も使用可能である。
上記、第3成分は、1種類でも使用できるし、2種類以上で併用しても何ら構わない。また、反応器中へフィードしながら添加することも、また最初に反応器内に仕込んで使用することも可能である。また第3成分の添加量は、樹脂成分に対し通常0.5〜60重量%、好ましくは2〜40重量%で用いる。
特に、第3成分として油脂類及び油脂類の誘導体を用いた樹脂組成物は、とりわけ安定性が良く、また他樹脂との相溶性も良好で、特にひまし油を含むものは効果が大きい。
以上説明したような有機溶媒中における反応により得た樹脂溶液については、例えば、反応時の溶媒を脱溶媒した後、所望の溶剤を添加して樹脂を溶解・分散させる方法、或いは所望の溶媒を添加した後、反応時の溶媒を脱溶媒する方法等により、所望の溶媒組成の樹脂溶液に変更することもできる。
本発明のうちで、構成単位としてヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類等の活性水素及び/又は水酸基を持つ組成物は、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な材料、例えば、分子内にイソシアナート基を有する材料を用いることで、ウレタン結合を有するインキ用組成物として使用することができる。
活性水素及び/又は水酸基と反応可能な分子内にイソシアナート基を有する材料としては、フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート類、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート等の脂肪族ジイソシアナート類、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート等の脂環族ジイソシアナート類、リジントリイソシアネ−トなどの3価以上のポリイソシアネート類、またこれらイソシアナート化合物の多量体であるビュレット体、イソシアヌレート体、アロファネート体、その他上記イソシアナートの一種又は二種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、キシリレングリコール、ブチレングリコール等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の3価アルコール等の多価アルコールとの付加物、イソシアナート基と反応可能な官能基を有する低分子量ポリエステル樹脂または水等との付加物、さらに低級1価アルコール、メチルエチルケトオキシム等公知のブロック剤でイソシアナート基をブロックしたもの等が使用できる。イソシアナートプレポリマーを使用する場合についても、例えば、ジブチルチンジラウレート、トリエチルアミン等の外部触媒を添加することができる。また、上記イソシアネート硬化剤のイソシアネート基はその一部または全部がアルコール系、フェノール系、ラクタム系、オキシム系、活性メチレン系などの活性水素化合物でブロックされたいわゆるブロックイソシアネートも使用可能である。
本発明では、上記樹脂溶液に、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な材料を任意の割合で使用する事ができる。上記樹脂溶液に、活性水素及び/又は水酸基と反応可能なイソシアナート基を有する材料を混合したインキ用組成物は、塗工後に乾燥硬化させるが、必要に応じて反応性触媒を併用することもできる。活性水素及び/又は水酸基と反応可能なイソシアナート基の配合割合は、活性水素とイソシアナート基の当量比で0.5:1.0〜1.0:0.5の範囲が好ましく、0.8:1.0〜1.0:0.8の範囲が更に好ましい。
また、本発明では、活性水素及び/又は水酸基と反応可能なイソシアナート基を有する材料を反応させたものをインキ用組成物として用いることができる。これらは、活性水素及び/又は水酸基とイソシアナート基を有する材料を加熱することで得られ、その混合比は、当量比で1.0:0.01〜1.0:0.5の範囲が好ましく、1.0:0.05〜1.0:0.2の範囲が更に好ましい。これら活性水素及び/又は水酸基とイソシアナートとの反応には、必要に応じて反応性触媒を併用することもできる。
本発明のインキ用組成物はそのままでも使用できるが、必要に応じてポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、アルキド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリオレフィン、或いはこれらの混合樹脂等を混合することができる。
また、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、アルキド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリオレフィン、或いはこれらの混合樹脂等の成分に、本発明のインキ用組成物を添加することで各種被印刷物へのインキの密着性を改善する用途にも使用できる。
また、本発明のインキ用組成物は、必要に応じて、アゾ顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料、アゾ染料、アントラキノン系染料等の染料、酸化チタン、モリブデン、カーボンブラック等の無機顔料等の着色剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等の各種安定剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、防カビ剤、抗菌剤、防腐剤、触媒、充填剤、ワックス、ブロッキング防止剤、可塑剤、レベリング剤等の成分を含有させることができる。
インキは、上記の材料を適当な溶媒中に分散、溶解し調整する。分散状態が悪い場合は、公知の装置を用い調整することもでき、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、3本ロール、ペイントシェーカー等を用いることができる。
上記で得られたインキは、膜厚や濃度を制御できれば印刷方法を特に限定するものではないが、印刷方法としては、凸版、平版、グラビア、スクリーン等が挙げられる。
上記で得られたインキは、例えば、凸版インキ、平版インキ、グラビアインキ、スクリーンインキ、溶融転写用のインキ、熱転写用のインキ、昇華転写用のインキ、バーコード用のインキ等の用途に適用でき、PETフィルム等のエステル系樹脂、OPPフィルム、CPPフィルム等のオレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂等からなる種々のプラスチックのフィルムやシート、或いはこれら樹脂の成形物に対して優れた密着に優れるためこれらへの印刷、印字、意匠用途に適用できる。
[実施例]
以下、本発明のインキ用組成物の製法および各種試験例を挙げ、更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、以下において、部および%は特記していない限り重量基準である。
インキ用組成物の製造
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキンサンを250部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体としてメチルメタアクリレート45部とイソブチルメタアクリレート20部とエチルアクリレート14部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸1部とtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1部(以下、PBOと略記する)の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にメチルシクロヘキサンを100部添加するとともに、PBOを0.5部添加した。このPBO添加より1時間後にPBOを6部添加した。さらに1時間経過後に2部、更にそれより1時間経過後に2部を添加し反応させた。最後のPBO添加より2時間放置して反応させインキ用組成物を得た。
なお、上記で熱可塑性エラストマーとして用いたベストプラスト750はデグサヒュルス(株)製のプロピレン−ブテン−エチレン共重合体で、重合可能な単量体として用いたプラクセルFM−3はダイセル化学工業(株)製の不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエーテル修飾イプシロン−カプロラクトンである。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキサンを200部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、下記の方法で得られた滴下用樹脂溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後から30分後にPBOを1部添加した。このPBO添加より1時間後にPBOを6部添加した。さらに1時間経過後に2部、更にそれより1時間経過後に2部を添加し反応させた。最後のPBO添加より2時間放置して反応させインキ用組成物を得た。
滴下用樹脂溶液
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、トルエン70部とメチルイソブチルケトン30部を仕込み、窒素置換しながら100℃に加熱昇温した。次いでこの中に、メチルメタアクリレート45部とイソブチルメタアクリレート20部とエチルアクリレート14部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸1部とPBO1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にPBOを0.5部添加した。このPBO添加より更に1時間後にPBOを0.5部添加し反応させた。最後のPBO添加より2時間放置して反応させ滴下用樹脂溶液を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキサンを150部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、官能基を有する重合性モノマーとしてプラクセルFM−3を5部添加、分散させた後、PBOを5部添加して2時間反応させた。その後メチルシクロヘキサン200部を添加して、熱可塑性エラストマーの一部が官能基で変性された樹脂を得た。次いで、反応器内を95℃に保持したまま、重合可能な単量体としてメチルメタアクリレート45部とイソブチルメタアクリレート20部とエチルアクリレート14部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸1部とPBO1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にメチルシクロヘキサンを100部添加するとともに、PBOを0.5部添加し、更に1時間後にPBOを0.5部添加した。このPBO添加より2時間放置して反応させインキ用組成物を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキサンを150部仕込み、窒素置換しながら130℃に加熱昇温した。次いでこの中に、官能基を有する重合性モノマーとしてプラクセルFM−3を5部添加、分散させた後、PBOを5部添加して2時間反応させた。その後メチルシクロヘキサンを200部添加して、熱可塑性エラストマーの一部が官能基で変性された樹脂を得た。次いで、反応器内を95℃に保持したまま、重合可能な単量体としてメチルメタアクリレート45部とイソブチルメタアクリレート20部とエチルアクリレート14部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部とプラクセルFM−3を15部とメタクリル酸1部とPBO1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後にメチルシクロヘキサンを100部添加するとともに、PBOを0.5部添加した。これより1時間後にPBOを3部添加し、更に2時間放置して反応させインキ用組成物を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部とメチルシクロヘキサンを150部仕込み、窒素置換しながら130℃に加熱昇温した。次いでこの中に、官能基を有する重合性モノマーとしてプラクセルFM−3を5部添加、分散させた後、PBOを5部添加して2時間反応させた。その後メチルシクロヘキサンを50部仕込み熱可塑性エラストマーの一部が官能基で変性された樹脂を得た。次いでこの中に、上記の実施例2で得られた滴下用樹脂溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後から30分後にPBOを1部添加した。このPBO添加より1時間後にPBOを6部添加した。このPBO添加より1時間経過後に2部、更にそれより1時間経過後に2部を添加し反応させた。最後のPBO添加より2時間放置して反応させインキ用組成物を得た。
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は実施例1と同様の方法でインキ用組成物を得た。
なお、上記で熱可塑性エラストマーとして用いたセプトン2002はクラレ(株)製の水素添加スチレン−イソプレン共重合体である。
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は実施例2と同様の方法でインキ用組成物を得た。
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は実施例3と同様の方法でインキ用組成物を得た。
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は実施例4と同様の方法でインキ用組成物を得た。
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は実施例5と同様の方法でインキ用組成物を得た。
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は実施例1と同様の方法でインキ用組成物を得た。
なお、上記で熱可塑性エラストマーとして用いたダイナロン1320PはJSR(株)製の水素添加スチレン−ブタジエン共重合体である。
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は実施例2と同様の方法でインキ用組成物を得た。
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は実施例3と同様の方法でインキ用組成物を得た。
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は実施例4と同様の方法でインキ用組成物を得た。
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに、初期に仕込むメチルシクロヘキサンを400部に変更した以外は実施例5と同様の方法でインキ用組成物を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、実施例1で得られた樹脂溶液100部とイソシアナート化合物であるタケネートD−177Nを0.1部仕込み、窒素置換しながら70℃に加熱し、6時間反応させインキ用組成物を得た。
なお、上記でイソシアナート化合物として用いたタケネートD−177Nは三井武田ケミカル(株)製のヘキサメチレンジイソシアナートのヌレート体である。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、実施例3で得られた樹脂溶液100部とイソシアナート化合物であるタケネートD−177Nを0.1部仕込み、窒素置換しながら70℃に加熱し、6時間反応させインキ用組成物を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、実施例4で得られた樹脂溶液100部とイソシアナート化合物であるタケネートD−177Nを0.1部仕込み、窒素置換しながら70℃に加熱し、6時間反応させインキ用組成物を得た。
[比較例1]
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、トルエンを150部と熱可塑性エラストマーとしてベストプラスト750を100部仕込み、90℃で1時間加熱し、インキ用組成物を得た。
[比較例2]
熱可塑性エラストマーをセプトン2002に変更した以外は比較例1と同様の方法でインキ用組成物を得た。
[比較例3]
熱可塑性エラストマーをダイナロン1320Pに変更した以外は比較例1と同様の方法でインキ用組成物を得た。
[比較例4]
実施例2の滴下用樹脂溶液に記載の方法で得られた樹脂溶液をインキ用組成物とした。
<<評価>>
実施例、比較例で得られたインキ用組成物について、以下の方法でインキを調整し、それぞれの評価を実施して、その結果を実施例については表−1、表−2に、比較例については表−3に示した。
インキ用バインダーとしての評価
<インキの調整>
実施例1〜18、比較例1〜4の樹脂(固形分)10部に対して、カーボンブラックは5部を、酸化チタンは20部を、フタロシアニンブルーは10部をそれぞれ分散混合してインキを調整した。粘度を調整する希釈溶剤は、メチルシクロヘキサンを用いた。
<密着性>
上記で調整されたインキを、OPPフィルムに乾燥膜厚が1μmとなるよう塗工し、これを1日放置したものについてセロテープ剥離試験を行い、剥離の有無を評価した。インキの剥離が全くなかったものを○、一部剥離したものを△、全面剥離したものを×として表に結果を記載した。また、カーボンブラックを用いたインキについては、PETフィルムでも同様の試験を行った。尚、密着性の悪いサンプルについては、耐ブロッキング性、耐摩擦性、貯蔵安定性の試験を実施しなかった。
<耐ブロッキング性>
密着性の評価で得られたカーボンブラックを含有するインキを塗工したOPPフィルムとPETフィルムについて、塗工面と被塗工面を重ね合わせ、40℃、1kgf/cmの荷重下、1日放置し、耐ブロッキング性を評価した。重ね合わせたフィルムを剥がす際に、全く抵抗がなくインキの脱落がないものを○、剥がすときに若干の抵抗がありインキの脱落が一部に見られるものを△、剥がすときに抵抗がかなりあり、インキの脱落がひどいものを×として表に結果を記載した。
<耐摩擦性>
密着性の評価で得られたカーボンブラックを含有するインキを塗工したOPPフィルムとPETフィルムについて、テーパー磨耗試験法(JIS K5600−5−9)の磨耗輪法(CS10F、500g荷重)にて、50回転の磨耗試験を行い目視にて耐磨耗性を評価した。基材に達しない磨耗状態を○、基材に達する磨耗状態を×として表に結果を記載した。
<貯蔵安定性>
上記で得られたインキをそれぞれ40℃、7日間放置し、安定性を評価した。安定性が良好なもの、および分離を起こすが再分散が可能で使用ができるものを○、分散が困難で使用できないものを×として表に結果を記載した。
インキ用の密着性付与剤としての評価
<インキとの相溶性>
インキ(大日精化(株)製、VYSインキ(黄))10部に対して、実施例1〜18、比較例1〜4で得られた樹脂溶液を5部混合し、相溶性を評価した。相溶性の良好なものを○、相溶性が悪いものを×として表に結果を記載した。尚、相溶性の悪いサンプルについては、密着性、貯蔵安定性の試験を、密着性の悪いサンプルについては貯蔵安定性の試験を実施しなかった。
<密着性>
上記で調整されたインキを、OPPフィルムとPETフィルムに乾燥膜厚が1μmとなるよう塗工し、これらを1日放置したものについてセロテープ剥離を行い、剥離の有無を評価した。インキの剥離が全くなかったものを○、一部剥離したものを△、全面剥離したものを×として表に結果を記載した。
<貯蔵安定性>
上記で得られたインキをそれぞれ40℃、7日間放置し、安定性を評価した。安定性が良好なものおよび分離を起こすが再分散が可能で使用ができるものを○、分散が困難で使用できないものを×として表に結果を記載した。
Figure 0004531377
Figure 0004531377
Figure 0004531377
本発明のインキ用組成物は、エステル系樹脂、ナイロン系樹脂、オレフィン系樹脂等からなる種々のプラスチックのフィルムやシート、或いは成形物に対して優れた密着性を発現し、耐ブロッキング性、耐摩擦性を有することからインキ用のバインダー用途等に使用することができる。また、種々のインキとの相溶性も良好で、混合することでフィルムやシート、或いは成形物に対して優れた密着性を付与することもできインキ用の添加剤用途等にも使用することができる。

Claims (3)

  1. 有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)とを、(A)/(C)=1/9〜9/1の重量比でラジカルを発生させ反応させた樹脂溶液からなるインキ用組成物。
  2. 有機溶媒中、熱可塑性エラストマー(A)の一部が官能基で変性されたものと、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)とを、(A)/(C)=1/9〜9/1の重量比でラジカルを発生させ反応させた樹脂溶液からなるインキ用組成物。
  3. 活性水素及び/又は水酸基を有する請求項1または2に記載の樹脂溶液と、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な樹脂からなるインキ用組成物。
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