JP2006321824A - 樹脂分散体及びその用途 - Google Patents
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Abstract
脂環式構造含有重合体(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)を原料として得られた樹脂分散体、及び得られた樹脂分散体を含む主剤に、分子内にイソシアナート基を有する硬化剤を混合した樹脂分散体。
【効果】
本発明により、樹脂分散体が分離現象を起こすことなく、塗工、スプレー塗装が可能な塗料及びプライマー、接着剤、添加剤、バインダーであり、分子内にイソシアナート基を有する硬化剤を併用することもでき、塗膜にした際には塗膜表面にベタツキがなく、優れた光学特性を有するものであって、無処理ポリオレフィン系樹脂フィルムやシート、あるいは成形物、とりわけ脂環式構造を含有する樹脂フィルムやシート、あるいは成形物に対し優れた密着性を示す樹脂分散体を得ることができる。
【選択図】 なし
Description
このため、ポリオレフィン系樹脂成形物に塗装や接着を行う際は、その表面をプライマー処理したり、あるいは活性化することにより表面への付着性を改良するといったことが行われてきた。例えば、自動車用バンパーではその表面をトリクロロエタン等のハロゲン系有機溶剤でエッチング処理することにより塗膜との密着性を高めたり、又はコロナ放電処理やプラズマ処理、もしくはオゾン処理等の前処理をした後において、目的の塗装や接着を行うといったことがなされてきた。しかしながら、これら従来に知られる汎用の樹脂組成物を用いた塗装や接着においては多大な設備費がかかるばかりでなく、施行に長時間を要し、更には仕上がりが一様でなく、表面処理状態に差を生じやすい原因となっていた。
このため、何らの前処理を施すことなく素材に対して優れた密着性が発現でき、優れた耐候性をも有するワンコート仕上げ処理の可能な塗料の開発が進められており、この分野では例えば、アクリル系単量体と塩素化ポリオレフィンを共重合させて得られる樹脂(特許文献3)や、水酸基含有アクリル−塩素化ポリオレフィン共重合体とイソシアナート化合物からなる塗料組成物(特許文献4)等が提案されてきた。しかしながら、これらは塩素を含有する為、耐侯性に問題があり、また環境への影響も懸念されている。
また、脂環式構造含有重合体(A)が、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、およびこれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ならびにノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他モノマーとの付加共重合体からなる群より選ばれる1種以上の重合体である樹脂分散体が好ましい。
本発明の樹脂分散体に使用される脂環式構造含有重合体(A)は、重合体の繰返し単位中に脂環式構造を含有するものであり、主鎖および側鎖のいずれに脂環式構造を有していてもよい。脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、膜にした際の熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、制限されないが通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である。脂環式構造含有重合体(A)中の脂環式構造を有する繰返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体(A)中の脂環式構造を有する繰返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性が低下し好ましくない。なお、脂環式構造含有重合体(A)中の脂環式構造を有する繰返し単位以外の残部は限定されず、使用目的に応じ適宜選択される。
本発明で使用されるノルボルネン系重合体としては、例えばノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、およびそれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、膜の耐熱性、機械強度等の観点からノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、およびノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体が最も好ましい。
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えばシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなど、単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
環状共役ジエン系重合体としては、例えばシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体およびその水素添加物などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用されるノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体または環状共役ジエン系重合体の分子量は使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で通常5000〜50万、好ましくは8000〜20万、より好ましくは1万〜10万の範囲であるときに、成形体の機械的強度および成形加工性とが高度にバランスされて好適な場合が多い。
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えばビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体およびその水素添加物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素添加物;などを用いることができる。この場合、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体とこれらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体およびその水素添加物であってもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
本発明に用いられる、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)を以下に挙げる。
α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類及びこれらのモノエステル化物、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル類、ビニルイソシアナート、イソプロペニルイソシアナート等のイソシアナート基含有ビニル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル類、その他アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、及びメチロールメタクリルアミド、エチレン、プロピレン、C4〜C20のα−オレフィン等が挙げられる。また、上記単量体、或いはその共重合体をセグメントに有し、末端にビニル基を有するマクロモノマー類等も使用できる。
本発明で用いられる重合体(C)は、上記記載のα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)により構成される重合体である。本発明での脂環式構造含有重合体(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)或いはこれらの重合体(C)の比率は、各種プラスチックと各種塗工剤に密着する、或いは各種塗工剤に添加するといった点で、重量比で(A)/(B)=10/90〜90/10、或いは(A)/(C)=10/90〜90/10、好ましくは(A)/(B)=20/80〜90/10、或いは(A)/(C)=20/80〜90/10である。
本発明で使用する有機溶媒(D)は、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素や、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素や、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等の炭化水素系有機溶剤(a)、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3メトキシブチルアセテート等のエステル系や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系や、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のエーテル系溶媒等の極性有機溶剤(b)を用いることができ、これらの2種以上からなる混合物であっても構わない。これらの中でも、炭化水素系有機溶媒(a)単独、或いは炭化水素系有機溶媒(a)と極性有機溶媒(b)の溶媒の混合溶媒が好適であり、これらの混合比率は重量比で(a)/(b)=100/0〜50/50、好ましくは(a)〜(c)/(d)〜(e)=100/0〜60/40である。
本発明で用いる重合開始剤としては、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタ酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド)等のアゾ化合物が挙げられる。これらは、単独或いは2種以上併用して用いることができる。また、更にラジカルを発生させて反応を行う場合のラジカル発生方法は、例えば、光重合開始剤の存在下に光を照射する方法、又は有機過酸化物を添加する方法等、公知の方法を使用することができる。
上記有機過酸化物の使用量は、脂環式構造含有重合体(A)と、共重合性モノマー(B)或いは重合体(C)との総重量に対し、通常0.1〜50重量%、より好ましくは0.53〜30重量%の範囲で用いる事で安定性に大きな効果が現れる。また、この有機過酸化物はなるべく時間をかけ、これを少量ずつ添加することが好ましい。すなわち、これの使用する量にもよるが、少量ずつ時間をかけて、又は多回数に分けて少量ずつ添加していくようにすることが好ましい。
第3成分として用いられる油脂類としては、アマニ油、大豆油、ヒマシ油およびこれらの精製物が挙げられる。第3成分として用いられる油脂類の誘導体としては、無水フタル酸等の多塩基酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール等の多価アルコールを骨格としたものを油脂(脂肪酸)で変性した短油アルキッド樹脂、中油アルキッド樹脂、長油アルキッド樹脂等、或いはこれにさらに天然樹脂、合成樹脂および重合性モノマーで変性したロジン変性アルキッド樹脂、フェノール変性アルキッド樹脂、エポキシ変性アルキッド樹脂、アクリル化アルキド樹脂、ウレタン変性アルキッド樹脂等が挙げられる。
活性水素及び/又は水酸基と反応可能な分子内にイソシアナート基を有する硬化剤としては、フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート類、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート等の脂肪族ジイソシアナート類、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート等の脂環族ジイソシアナート類、その他イソシアナート化合物の一種又は二種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、キシリレングリコール、ブチレングリコール等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の3価アルコール等の多価アルコールを付加物、イソシアナート基と反応可能な官能基を有する低分子量ポリエステル樹脂または水等の付加物、またはビュレット体、ジイソシアナート同士の重合体、さらに低級1価アルコール、メチルエチルケトオキシム等公知のブロック剤でイソシアナート基をブロックしたもの等が使用できる。イソシアナートプレポリマーを使用する場合についても、例えば、ジブチルチンジラウレート、トリエチルアミン等の外部触媒を添加することができる。
活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤がイソシアナート基を有する硬化剤である場合の配合割合は、活性水素とイソシアナート基の当量比で0.5:1.0〜1.0:0.5の範囲が好ましく、0.8:1.0〜1.0:0.8の範囲が更に好ましい。
また、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤がアミノ樹脂である場合は、本発明の樹脂分散体/アミノ樹脂のソリッドの重量比で95/5〜20/80の範囲で用いるのが好ましく、90/10〜60/40の範囲が更に好ましい。上記に記載の硬化剤を混合したものは、そのままでも塗工し硬化させることもできるが、必要に応じて反応性触媒を併用することもできる。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、脂環式構造含有重合体(A)であるアペル8008T(三井化学(株)製)を100部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを567部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体としてメチルメタアクリレート26部、エチルアクリレート56部、ヒドロキシエチルアクリレート17部、メタクリル酸1部と重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下、PBOと略記する)1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後と2時間後にPBOをそれぞれ0.5部添加した。更に1時間後にPBOを1部添加し反応させた。PBOの添加後より2時間放置して反応させ樹脂分散体を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、脂環式構造含有重合体(A)であるアペル8008Tを100部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを400部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体としてメチルメタアクリレート5部、エチルアクリレート9.75部、ヒドロキシエチルアクリレート10部、メタクリル酸0.25部と重合開始剤としてPBOを0.25部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後と2時間後にPBOをそれぞれ0.125部添加した。更に1時間後にPBOを0.25部添加し反応させた。PBOの添加後より2時間放置して反応させ樹脂分散体を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、脂環式構造含有重合体(A)であるアペル8008Tを100部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを500部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体として2−エチルヘキシルアクリレート46.7部、イソブチルメタアクリレート58.3部、イソボロニルメタアクリレート86.3部、ヒドロキシエチルアクリレート39.7部、メタクリル酸2.3部と重合開始剤としてPBOを2.3部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後と2時間後にPBOをそれぞれ1.15部添加した。更に1時間後にPBOを2.3部添加し反応させた。PBOの添加後より2時間放置して反応させ樹脂分散体を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、脂環式構造含有重合体(A)であるアペル8008Tを100部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを567部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体としてメチルメタアクリレート10部、ヒドロキシエチルアクリレート13部、4−ヒドロキシブチルアクリレート10部と重合開始剤としてPBOを0.3部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後と2時間後にPBOをそれぞれ0.15部添加し、PBOの添加後より2時間放置して反応させ樹脂分散体を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、有機溶剤としてトルエンを300部、酢酸ブチルを100部仕込み、窒素置換しながら100℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体としてメチルメタアクリレート26部、エチルアクリレート56部、ヒドロキシエチルアクリレート17部、メタクリル酸1部と重合開始剤としてPBOを1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後と2時間後にPBOをそれぞれ0.3部添加した。PBOの添加後より2時間放置して反応させ樹脂液1を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、脂環式構造含有重合体(A)であるアペル8008Tを80部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを300部仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、100部の樹脂液1を30分かけて滴下し、滴下終了より1時間後と2時間後にPBOをそれぞれ1部添加した。PBOの添加後より2時間放置して反応させ樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をアペル6015T(三井化学(株)製)に変更した以外は実施例1と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をアペル6015Tに変更した以外は実施例2と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をアペル6015Tに変更した以外は実施例3と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をトパス5013(TICONA社製)に変更した以外は実施例1と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をトパス5013に変更した以外は実施例2と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をトパス5013に変更した以外は実施例3と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をゼオノア1020R(日本ゼオン(株)製)に変更した以外は実施例1と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をゼオノア1020Rに変更した以外は実施例2と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をゼオノア1020Rに変更した以外は実施例3と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をゼオノア750R(日本ゼオン(株)製)に変更した以外は実施例1と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をゼオノア750Rに変更した以外は実施例2と同様の方法で樹脂分散体を得た。
脂環式構造含有重合体(A)をゼオノア750Rに変更した以外は実施例3と同様の方法で樹脂分散体を得た。
実施例1〜17で得られた樹脂分散体に硬化剤としてD−177N(三井武田ケミカル(株)製)をそれぞれNCO/OH=1となるよう混合して樹脂分散体を得た。
実施例1、2、3、9、10、11、15、16、17で得られた樹脂分散体100部に酸化チタン顔料(Tipeqe−CR93(石原産業(株)製)をそれぞれの樹脂分に対し30重量%添加し、キシレン/トルエン/メチルイソブチルケトン=1/1/1の割合で混合した有機溶剤を40部添加して樹脂分散体を得た。
実施例1、2、3、9、10、11、15、16、17で得られた樹脂分散体100部にアルミペイント顔料(アルペースト7640NS(東洋アルミニウム(株)製)をそれぞれの樹脂分に対し10重量%添加し、トルエンを40部添加して樹脂分散体を得た。
アペル8008Tを100部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを500部仕込み、95℃に加熱し樹脂液を得た。
アペル6015Tを100部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを500部仕込み、95℃に加熱し樹脂液を得た。
トパス5013を100部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを500部仕込み、95℃に加熱し樹脂液を得た。
ゼオノア1020Rを100部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを500部仕込み、95℃に加熱し樹脂液を得た。
ゼオノア750Rを100部と、有機溶剤としてメチルシクロヘキサンを500部仕込み、95℃に加熱し樹脂液を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、有機溶剤としてトルエンを300部、酢酸ブチルを100部仕込み、窒素置換しながら100℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体としてメチルメタアクリレート26部、エチルアクリレート56部、ヒドロキシエチルアクリレート17部、メタクリル酸1部と重合開始剤としてPBOを1部の混合液を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後と2時間後にPBOをそれぞれ0.3部添加した。PBOの添加後より2時間放置して反応させ樹脂液を得た。
<樹脂溶液の貯蔵安定性>
実施例1〜17、比較例1〜6で得られた樹脂分散体を、室温と40℃、それぞれの条件で1ヶ月静置し、溶液の状態を評価した。1ヶ月の経過後、この樹脂組成物溶液につき、分離および沈殿がともに確認されなかったものを○、分離および/または沈殿の観察されたもので攪拌にて容易に分散できるものを△、分離および/または沈殿の観察された攪拌にて容易に分散できないものを×とし、結果を表−1に記載した。
塗装ガンを使用し、塗装ブース内の温度30℃にて、実施例1〜17、比較例1〜6で得られた樹脂分散体をスプレーし、糸曳きが発生するか否かを観察し、発生しなかったものを○、1本でも発生したものを×とし、結果を表−1に記載した。
1.アペル6015での評価
基材に2mm厚のアペル6015Tの成形材を用いて、以下の試験を行い、結果を表−2,3に記載した。
《試験1》
実施例1〜52、比較例1〜6で得られた樹脂分散体を2mm厚のアペル6015Tの成形材に乾燥膜厚が5μmとなるよう塗工し、70℃、10分の条件で乾燥したものを1日放置し、塗膜を得た。
碁盤剥離試験:碁盤剥離試験を行い、剥離の有無を評価した。
透明性:実施例1〜34、比較例1〜6の樹脂分散体を用いて得られた塗膜で剥離がなかったものについて、波長550nmの単色光の透過率を塗工前後で測定し、透過率の差異を評価した。
実施例1〜43、比較例1〜6で得られた樹脂分散体を2mm厚のアペル6015Tの成形材に乾燥膜厚が5μmとなるよう塗工し、更に上記塗膜に白色の上塗り塗料(a)を乾燥後の膜厚が20μm になるように塗布し、室温にて10分間放置した後、80℃のオーブンに入れ20分間焼付け処理を行い、塗膜を得た。
碁盤剥離試験:碁盤目剥離試験を行い、剥離の有無を評価した。
《試験3−1》
実施例1〜52、比較例1〜6で得られた樹脂分散体を2mm厚のアペル6015Tの成形材に乾燥膜厚が5μmとなるよう塗工し、室温で10分乾燥したものに、更に上塗り塗料(b)を乾燥後の膜厚が5μm になるように塗布し、室温にて10分間放置した後、80℃のオーブンに入れ20分間焼付け処理を行い、塗膜を得た。
碁盤剥離試験:碁盤目剥離試験を行い、剥離の有無を評価した。
透明性:実施例1〜34、比較例1〜6の樹脂分散体を用いて得られた塗膜で剥離がなかったものについて、波長550nmの単色光の透過率を塗工前後で測定し、透過率の差異を評価した。
実施例1〜52、比較例1〜6で得られた樹脂分散体を2mm厚のアペル6015Tの成形材に乾燥膜厚が5μmとなるよう塗工し、室温で10分乾燥したものに、更に上塗り塗料(c)を乾燥後の膜厚が3μm になるように塗布し、室温にて10分間放置した後、80℃のオーブンに入れ10分間焼付け処理を行い、塗膜を得た。
碁盤剥離試験:碁盤目剥離試験を行い、剥離の有無を評価した。
透明性:実施例1〜34、比較例1〜6の樹脂分散体を用いて得られた塗膜で剥離がなかったものについて、波長550nmの単色光の透過率を塗工前後で測定し、透過率の差異を評価した。
実施例1〜52、比較例1〜6で得られた樹脂分散体を2mm厚のアペル6015Tの成形材に乾燥膜厚が5μmとなるよう塗工し、室温で10分乾燥したものに、更に上塗り塗料(d)を乾燥後の膜厚が3μm になるように塗布し、室温にて10分間放置した後、80W/cmの高圧水銀灯1灯を通過方向に垂直に設置した紫外線照射装置(日本電池(株)製、EPSH−600−3S型)を用い、光源下15cmの位置に置いてコンベアスピードを10m/分の速度で移動させ紫外線を照射し、塗膜を得た。
碁盤剥離試験:碁盤目剥離試験を行い、剥離の有無を評価した。
透明性:実施例1〜34、比較例1〜6の樹脂分散体を用いて得られた塗膜で剥離がなかったものについて、波長550nmの単色光の透過率を塗工前後で測定し、透過率の差異を評価した。
《試験4−1》
実施例1〜52、比較例1〜6で得られた樹脂分散体に上塗り塗料(b)を樹脂の比率で1:1となるように混合したものを、2mm厚のアペル6015Tの成形材に乾燥後の膜厚が5μm になるように塗布し、室温にて10分間放置した後、80℃のオーブンに入れ20分間焼付け処理を行い、塗膜を得た。
混合性:混合時の液状を評価した。
碁盤剥離試験:混合状態が良好なものについて塗膜を作成し、この塗膜について碁盤目剥離試験を行い、剥離の有無を評価した。
透明性:混合状態が良好で、実施例1〜34、比較例1〜6の樹脂分散体を用いて得られた塗膜に剥離がなかったものについて、波長550nmの単色光の透過率を塗工前後で測定し、透過率の差異を評価した。
実施例1〜52、比較例1〜6で得られた樹脂分散体に上塗り塗料(c)を樹脂の比率で1:1となるように混合したものを、2mm厚のアペル6015Tの成形材に乾燥後の膜厚が3μm になるように塗布し、室温にて10分間放置した後、80℃のオーブンに入れ10分間焼付け処理を行い、塗膜を得た。
混合性:混合時の液状を評価した。
碁盤剥離試験:混合状態が良好なものについて塗膜を作成し、この塗膜について碁盤目剥離試験を行い、剥離の有無を評価した。
透明性:混合状態が良好で、実施例1〜34、比較例1〜6の樹脂分散体を用いて得られた塗膜に剥離がなかったものについて、波長550nmの単色光の透過率を塗工前後で測定し、透過率の差異を評価した。
実施例1〜17、比較例1〜6で得られた樹脂分散体に上塗り塗料(d)を樹脂の比率で1:1となるように混合したものを、2mm厚のアペル6015Tの成形材に乾燥後の膜厚が3μm になるように塗布し、室温にて10分間放置した後、80W/cmの高圧水銀灯1灯を通過方向に垂直に設置した紫外線照射装置(日本電池(株)製、EPSH−600−3S型)を用い、光源下15cmの位置に置いてコンベアスピードを10m/分の速度で移動させ紫外線を照射し、塗膜を得た。
混合性:混合時の液状を評価した。
碁盤剥離試験:混合状態が良好なものについて塗膜を作成し、この塗膜について碁盤目剥離試験を行い、剥離の有無を評価した。
透明性:混合状態が良好で、実施例1〜17、比較例1〜6の樹脂分散体を用いて得られた塗膜に剥離がなかったものについて、波長550nmの単色光の透過率を塗工前後で測定し、透過率の差異を評価した。
基材をアペル6015からゼオノア1020Rに変更し、アペル6015基材で行ったのと同じ評価を実施し、その結果を表−4,5に記載した。
塗料(a):オレスターQ186(三井化学(株)製、商品名、不揮発分50%、水酸基価30KOHmg/g)に紫外線吸収剤(TINUVIN327)を樹脂分に対して0.2%、酸化防止剤(IRGANOX1330)を樹脂分に対して0.2%、酸化チタン顔料(Tipeqe−CR93(石原産業(株)製商品名))を樹脂分に対して30%となる様に分散させた主剤と、NCOを含有する硬化剤であるMTオレスターNM89 −50G(三井武田ケミカル(株)製、商品名、不揮発分50%、NCO%:6%)をOH/NCO=0.95となる様に混合したものを用いた。
塗料(d):オレスターRA1573(三井化学(株)製、商品名、不揮発分100%)に光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル(株)製、商品名、イルガキュア184)を樹脂分に対して3%添加したのち、酢酸エチルで樹脂分が80%となるよう希釈したものを用いた。
JIS−K−5400に記載されている碁盤目剥離試験の方法に準じ、碁盤目を付けた試験片を作成し、粘着テープ(ニチバン(株)品)を碁盤目上に貼り付けた後、速やかに90°方向に引っ張って剥離させ、碁盤目100個の中、剥離されなかった碁盤目数にて評価した。表には、剥離が全くなかったものを○、一部(30%未満)剥離したものを△、一部(30%以上)剥離したものを△×、全面剥離したものを×として、アペル6015での評価結果を表−2,3に、ゼオノア1020Rでの評価結果を表−4,5に記載した。
分光光度計を用いて波長550nmの単色光の透過率を塗工前後で測定した。塗工前後の透過率の差異が2%以下の場合を○、2%より大きく5%以下の場合を△、5%より大きい場合を×として、アペル6015での評価結果を表−2,3に、ゼオノア1020Rでの評価結果を表−4,5に記載した。
ガーゼに300gの荷重をかけながら20回往復させたものについて、傷の有無を評価した。表には、目視で傷が目立たないものを○、目立つものを×として、アペル6015での評価結果を表−2,3に、ゼオノア1020Rでの評価結果を表−4,5に記載した。
目視にて混合液が相溶しているかどうか評価した。表には、相溶しているものを○、相溶していないものを×として、アペル6015での評価結果を表−2,3に、ゼオノア1020Rでの評価結果を表−4,5に記載した。
Claims (16)
- 脂環式構造含有重合体(A)と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体及びその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマー(B)と、有機溶媒(D)とからなり、共重合性モノマー(B)が官能基を有しないモノマーを少なくとも1種含有する樹脂分散体。
- 脂環式構造含有重合体(A)が、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他モノマーとの開環共重合体、及びこれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ならびにノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他モノマーとの付加共重合体からなる群より選ばれる1種以上の重合体である請求項1に記載の樹脂分散体。
- (1)有機溶媒中、脂環式構造含有重合体(A)と共重合性モノマー(B)とを重合させるか、(2)有機溶媒中、脂環式構造含有重合体(A)と共重合性モノマー(B)とを重合させたのち、ラジカルを発生させ反応させるか、(3)有機溶媒中、脂環式構造含有重合体(A)と、共重合性モノマー(B)で構成された重合体(C)とをラジカルを発生させ反応させてなる請求項1に記載の樹脂分散体。
- 脂環式構造含有重合体(A)と共重合性モノマー(B)との割合が、(A)/(B)=10/90〜90/10の重量比である請求項1に記載の樹脂分散体。
- 脂環式構造含有重合体(A)に、少なくとも一部が官能基で変性されたものを含む請求項1に記載の樹脂分散体。
- 請求項1に記載の樹脂分散体を含有する塗料。
- 請求項1に記載の樹脂分散体を含有するプライマー。
- 請求項1に記載の樹脂分散体を含有する接着剤。
- 請求項1に記載の樹脂分散体を含有する添加剤。
- 請求項1に記載の樹脂分散体を含有するバインダー。
- 活性水素および/または水酸基を有する請求項1に記載の樹脂分散体を含有する主剤と、活性水素および/または水酸基と反応可能な硬化剤を含有する塗料。
- 活性水素および/または水酸基を有する請求項1に記載の樹脂分散体を含有する主剤と、活性水素および/または水酸基と反応可能な硬化剤を含有するプライマー。
- 活性水素および/または水酸基を有する請求項1に記載の樹脂分散体を含有する主剤と、活性水素および/または水酸基と反応可能な硬化剤を含有する接着剤。
- 活性水素および/または水酸基を有する請求項1に記載の樹脂分散体を含有する主剤と、活性水素および/または水酸基と反応可能な硬化剤を含有する添加剤。
- 活性水素および/または水酸基を有する請求項1に記載の樹脂分散体を含有する主剤と、活性水素および/または水酸基と反応可能な硬化剤を含有するバインダー。
- 請求項6〜10に記載の塗料、プライマー、接着剤、添加剤もしくはバインダーを塗布してなる塗膜、または請求項11〜15に記載の塗料、プライマー、接着剤、添加剤もしくはバインダーを硬化してなる塗膜。
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