JP2010215680A - 防錆塗料及び防錆塗膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶媒としてトルエンやキシレンを使用することなく、環境や作業者への負荷が少なく、保存安定性がよく、また塗装工程が煩雑ではない防錆塗料と、これによる防錆塗膜を提供する。
【解決手段】防錆塗料は、3〜10質量%の石油樹脂と、1〜5質量%のスチレン系熱可塑性エラストマーと、50〜65質量%の防錆顔料と、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、アルコール類、グリコールエーテル類から成る群より選ばれた少なくとも1種の有機溶剤20〜40質量%を含む。防錆塗膜は、上記防錆塗料を用いて成り、上記石油樹脂を4〜16質量%、スチレン系熱可塑性エラストマーを1〜8質量%、防錆顔料を76〜95質量%含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉄材や鋼材などの防錆に用いられる防錆塗料及びそれを用いた防錆塗膜に係り、更に詳細には、例えば亜鉛めっきを施した鉄材や鋼材などのめっきの補修に用いることができ、しかも、溶媒としてトルエンやキシレンを含まない防錆塗料及び防錆塗膜に関する。
従来の防錆塗料、例えばジンクリッチペイントにおいては、溶媒としてトルエン、キシレンを使用していた。しかし環境及び作業者への負荷を考慮すると、トルエン、キシレン等の毒性の高い有機溶剤を使用することは好ましくない。またトルエン、キシレンは、改正労働安全衛生法、施行令等(平成18年12月1日施行)における表示対象物質であることからも、その使用量は可能な限り少ないことが好ましいため、トルエン、キシレンを含まない防錆用ジンクリッチペイントの開発が望まれている。
トルエン、キシレンを用いない防錆用ジンクリッチペイントとして、特許文献1にエポキシ樹脂を用いた防錆用塗料が開示されている。また特許文献2には、多層塗りをすることにより、防食性と耐侯性に優れた複層塗膜を形成する塗装方法が開示されている。
特開2001−123111号公報 特開2005−74272号公報
しかしながら、特許文献1に記載の防錆用ジンクリッチペイントは、反応性エポキシ樹脂を使用している関係上、硬化剤が配合されていることから、混合した塗料の保存安定性が悪く、塗料の寿命が短い。一方、特許文献2に記載の塗装方法は、工程が複数になるため煩雑である。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、溶媒としてトルエンやキシレンを含まず、環境や作業者への負荷が少なく、しかも保存安定性がよく、塗装工程が煩雑ではない防錆塗料と、このような塗料による防錆塗膜を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、溶媒として脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、アルコール類、グリコールエーテル類又はこれらの任意の組み合わせから選択される溶剤を用い、防錆顔料と、石油樹脂と、更にスチレン系熱可塑性エラストマーをそれぞれ特定の割合で含有させることにより、上記課題が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明の防錆塗料は、3〜10質量%の石油樹脂、1〜5質量%のスチレン系熱可塑性エラストマー、50〜65質量%の防錆顔料、20〜40質量%の有機溶剤を含むことを特徴とする。ここで、上記有機溶剤は、脂肪族炭化水素 脂環族炭化水素 アルコール類、グリコールエーテル類又はこれらの任意の組み合わせから選択される。
また、本発明の防錆塗膜は、上記の防錆塗料を用いて形成されるものであり、4〜16質量%の石油樹脂、1〜8質量%のスチレン系熱可塑性エラストマー、76〜95質量%の防錆顔料を含むことを特徴とする。
本発明によれば、溶媒として脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、アルコール類、グリコールエーテル類又はこれらの任意の組み合わせから選択される溶剤を用い、防錆顔料と、石油樹脂と、更にスチレン系熱可塑性エラストマーをそれぞれ特定の割合で塗料中に含有させることとしたため、環境や作業者への負荷が少なく、保存安定性がよく、また塗装工程が煩雑ではない防錆塗料と、これによる防錆塗膜を提供することができる。
以下、本発明の防錆塗料、及び当該塗料を用いて成る防錆塗膜について、詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り、質量百分率を意味するものとする。
本発明は、防錆塗料の組成の検討に際し、塗料の溶媒として、トルエン及びキシレン以外の有機溶剤のうち許容できる溶剤を選択し、次いで上記溶剤と防錆顔料を用いることを前提として、防錆塗料とその塗膜の性状が良好となるようなバインダーや改質剤を探索することにより、見出されたものである。
〔防錆塗料〕
すなわち、本発明の防錆塗料は、上記したように、3〜10%の石油樹脂(バインダー)、1〜5%のスチレン系熱可塑性エラストマー(樹脂改質剤)、50〜65%の防錆顔料、20〜40%の有機溶媒、つまり脂肪族炭化水素 脂環族炭化水素 アルコール類、グリコールエーテル類又はこれらの任意の組み合わせから選択される有機溶剤を含む。
以下、本発明の防錆塗料の組成各成分について、(1)有機溶剤、(2)石油樹脂、(3)スチレン系熱可塑性エラストマー、(4)防錆顔料、(5)その他の組成成分の順に詳述する。
(1)有機溶剤
本発明の防錆塗料においては、塗料の溶媒としてトルエン、キシレンを用いないことを前提としている。従って、溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、アルコール類、グリコールエーテル類又はこれらの任意の組み合わせから選択される有機溶剤、好ましくは直鎖脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素又はこれらの任意の組み合わせから選択される有機溶剤、更に好ましくはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、特に好ましくは、エチルシクロヘキサンが用いられる。
脂環族炭化水素を用いた塗料は、石油樹脂、エラストマーの溶解性に優れ、沈降防止剤を添加した際の分散性が良好であり、更にエチルシクロヘキサンを用いた塗料は、塗膜にした際の乾燥性にも優れる。また、乾燥速度は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンの方が速いものの、きれいに造膜させるためには一定の乾燥速度が必要であるので、エチルシクロヘキサンを用いることが好ましい。
また、本発明の防錆塗料中の有機溶剤の含有量は20〜40%である。20%未満では、塗料としての粘性が高く塗布が困難となる一方、含有量が40%を超えると、塗布後の塗膜厚さが薄くなり、防錆効果が低下する。
(2)石油樹脂(バインダー)
本発明の防錆塗料のバインダー成分は石油樹脂である。ここで、石油樹脂とは、ナフサなど石油成分を分解した環状および直鎖の炭化水素を原料として合成した樹脂であって、例えば、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族−芳香族共重合石油樹脂等を挙げることができる。
具体例としては、日本ゼオン株式会社製クイントンシリーズ、日本石油化学株式会社製ネオポリマーシリーズ、エッソ化学株式会社製エスコレッツシリーズ、丸善石油化学株式会社製マルカレッツシリーズ、東邦化学工業株式会社製ハイレジンシリーズなどが挙げられる。
その中でも特に数平均分子量が400〜3000、軟化点が80℃〜150℃である芳香族系石油樹脂であることが好ましい。その理由としては、脂肪族系又は脂環族系炭化水素に可溶で造膜性が良い、エラストマーとの相溶性が良い、防錆顔料として亜鉛を用いた場合に、これとの相性(分散性)が良い、溶剤に溶解した際、あまり粘度が上がらない等の点で有利であることによる。
防錆塗料においては、防錆顔料である亜鉛粉末等を所望量添加しても、形成された塗膜の造膜性、塗膜強度、密着性が良好に維持されていることが必要である。また、塗料自体の保存安定性を向上させるために硬化剤の添加を回避するには、反応性樹脂以外の樹脂を使用することが望ましく、例えば、溶剤乾燥型アクリル樹脂の使用が考えられる。
しかし、溶液型のアクリル樹脂(例えば、アクリディックA−1381(商品名):DIC(株)製)では、亜鉛粉末の添加量の増加に従って塗膜強度や密着性が低下し、固形型のアクリル樹脂(例えば、ダイヤナールBR101,BR102,BR105(商品名):三菱レイヨン(株)製)では、造膜性が悪いという欠点を有しているため、防錆塗料のバインダーとしては適当ではない。
これに対し、石油樹脂は、溶剤乾燥型アクリル樹脂と同様に反応性樹脂ではなく、また塗料作製の際に、亜鉛粉末の添加量が所望の値まで増加しても、造膜性、塗膜強度、密着性等を良好に保つことができる。
特に、亜鉛系の防錆塗料では、その防錆力はバインダー(樹脂)の性能にほとんど依存することなく、乾燥塗膜中の亜鉛量や塗膜の膜厚に依存するため、亜鉛粉末を多く含有しても塗膜としての性能に悪影響がないことから、石油樹脂を好適に用いることができる。
このような石油樹脂としては、具体的には、例えば、日本石油化学株式会社製のネオポリマー120、 ネオポリマー130(商品名)などを挙げることができる。
本発明の防錆塗料中の石油樹脂の含有量は、3〜10%である。すなわち、石油樹脂の含有量が3%未満では、密着性、塗膜強度が十分に得られない。一方、石油樹脂の含有量が10%を超えると、乾燥塗膜中の防錆顔料の量が相対的に減ることになって、防錆力が低下することになる。
(3)スチレン系熱可塑性エラストマー(樹脂改質剤)
本発明の防錆塗料は、樹脂改質剤として、スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する。この樹脂改質剤は、形成される防錆塗膜に可撓性を付与する機能を有する。
即ち、本発明の防錆塗料は、バインダーとして石油樹脂を用いることにより、トルエン及びキシレンの使用を回避すると共に、硬化剤等を塗料に添加する必要性をも回避し、もって防錆塗料の保存安定性を格段に向上させるようにしたものである。
しかし、樹脂として石油樹脂を単独で用いた場合には、石油樹脂の硬く脆い性質がその塗膜にも反映され、柔軟性が低く、耐衝撃性に乏しく、割れ易い塗膜となる可能性が高いため、添加剤等により可撓性を与える必要がある。
可撓性付与剤としては、例えば、DINPなどの可塑剤の使用が考えられる。しかし、DINPを含有する塗膜は、タック(べたつき)が出るため適当ではない。
一方、スチレン系熱可塑性エラストマーは、石油樹脂との相溶性が良好であり、石油樹脂に対して、約30〜40%添加することによって、形成される塗膜にべたつきを生じさせることなく、所望の可撓性を得ることができ、密着性も向上する。なお、ここでいう相溶性とは、石油樹脂と親和性を有し、分離することなく、均一化された混合被膜を形成する性質をいう。
更に、石油樹脂単独のバインダーを用いた場合には、形成される塗膜の耐侯性が低いという欠点が生じるが、スチレン系熱可塑性エラストマーを添加することにより、耐侯性が向上するという効果も得られる。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、そのスチレン含有量が、20〜45%であることが好ましい。スチレン含有量をこの範囲とすることで、さらに良好な塗膜強度と可撓性が得られる傾向にあるからである。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーは、酸変性やアミノ酸変性等の変性がされていてもよいが、塗料の安定性の面からは、変性されていないものが好ましい。
このようなスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製のタフテックH1053、H1031、H1043、H1051、H1052、H1062、H1221、M1943(商品名)、旭化成株式会社製のスチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー(アサプレンTシリーズなど)、日本ゼオン株式会社製のスチレン・イソプレン系熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。
本発明の防錆塗料中のスチレン系熱可塑性エラストマーの含有量は1〜5%である。すなわち、当該エラストマーの含有量が1%未満では、塗膜に十分な可撓性を与えることができず、その耐衝撃性が低くなる。一方、含有量が5%を超えると、一般に、塗料の塗布が困難となって均一な塗膜が得られず、防錆性が低下することになる。
なお、後述するように、本発明の防錆塗料をエアゾール用の原液として用いる場合には、当該スチレン系熱可塑性エラストマーの含有量が3%を超えると、塗料の噴射状態が悪くなる傾向がある。
(4)防錆顔料
本発明に用いる防錆顔料としては、リン酸塩系防錆顔料、亜リン酸塩系防錆顔料、モリブデン酸塩系防錆顔料等の公知の防錆顔料を挙げることができるが、亜鉛粉末を用いることが好ましい。
また、その平均粒径は、2〜8μmであることが好ましい。平均粒径が2μm未満では、顔料の分散安定性が低下し、顔料がケーキングすることによって均一な塗膜形成が困難になる虞があり、8μmを超えると、噴霧などで塗布する場合、ノズルの閉塞等が生じ、均一な塗膜形成が困難になることがある。
このような防錆顔料としては、具体的には、例えば、ハクイスイテック株式会社製の亜鉛末(F末)などを挙げることができる。
本発明の防錆塗料中の防錆顔料の含有量については、50〜65%とする必要がある。防錆顔料の含有量が50%未満では、防錆力が低下する一方、その含有量が65%を超えると、密着性、塗膜強度が低下する虞がある。
(5)その他の組成成分
本発明の防錆塗料においては、所望の性状に応じて種々の成分、例えば色調整剤や沈降防止剤などを適宜加えることができる。
色調整剤は、意匠性を向上するために用いられるものであり、例えばアルミニウム粉のペーストが使用される。
また、沈降防止剤は、防錆塗料中で、防錆顔料や色調整剤など金属粉から成る比重の重い成分が沈降するのを防止するために用いられるものであって、例えば、有機ベントナイトや、脂肪酸アマイド等を挙げることができる。
〔エアゾール用塗料〕
本発明の防錆塗料は、刷毛塗りを始めとする種々の塗装手段によって、被塗装物に塗布されることになるが、エアゾールタイプのスプレー塗料にも適用できることは言うまでもない。
この場合、上記組成の防錆塗料は、DME(ジメチルエーテル)やLPGなどの噴射剤と共に、エアゾール缶内に封入されることになるが、請求項1記載の成分(A)〜(D)100重量部に対し、ガス成分50〜85重量部が好ましい。この場合の成分組成としては、石油樹脂:2〜5%、スチレン系熱可塑性エラストマー:1〜2%、防錆顔料:30〜35%、有機溶媒:15〜25%、DME:35〜45%を例示することができる。
〔防錆塗膜〕
次に、本発明の防錆塗膜について説明する。
本発明の防錆塗膜は、上に説明した本発明の防錆塗料から形成されるものであり、その膜厚については、50μm〜80μmであることが好ましい。ここで、塗膜厚さが50μm未満であると、所望の防錆力が得られない場合があり、80μmを超えると、所望の膜強度が得られない場合がある。
また、本発明の防錆塗膜は、4〜16質量%の石油樹脂と、1〜8%のスチレン系熱可塑性エラストマーと、76〜95%の防錆顔料を含むものであり、これによって防錆力と膜強度のバランスがとれた防錆塗膜とすることができる。
以下に、本発明を実施例及び比較例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
〔防錆塗料の製造〕
1.材料
実施例1、2、及び比較例1、2の防錆塗料を作製した。各塗料の調合割合と共に、使用した材料を表1に示す。
Figure 2010215680
2.防錆塗料の調合手順
(実施例1)
まず、有機溶媒としてエチルシクロヘキサンを使用し、これに石油樹脂(芳香族系石油樹脂)としてのネオポリマー130(日本石油化学(株)製)5.5%と、スチレン系熱可塑性エラストマーとしてのタフテックH1053(旭化成ケミカルズ(株)製)1.5%を溶解した。
次に、沈降防止剤として有機ベントナイト1.0%を投入し、ディスパーを用いてよく分散させ、0.5%のエチルアルコールで膨潤させた後、防錆顔料である亜鉛粉末(ハクスイテック(株)製亜鉛末(F末)、金属亜鉛分94%以上)56.0%を投入して、同様によく分散させ、さらに沈降防止剤としての脂肪酸アマイド2.5%を投入し、同様によく分散させた。
そして、色調整剤としてペースト状アルミ粉末MC707(旭化成ケミカルズ(株)製)2.0%を投入し、同様によく分散させて、本例の防錆塗料を得た。
(実施例2)
ネオポリマー130の配合量を6.0%、タフテックH1053を2.0%、亜鉛末(F末)を50.0%、脂肪酸アマイドを2.0%、ペースト状アルミ粉末を8.0%としたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の防錆塗料を得た。
(比較例1)
タフテックH1053を配合することなく、この分、ネオポリマー130の配合量を8.0%に増量したこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本比較例の防錆塗料を得た。
(比較例2)
有機溶媒としてキシレンを使用し、これにエポキシエステル樹脂であるベッコゾール794−55(DIC(株)製、固形分55%)14.0%を溶解した。
次に、有機ベントナイト1.5%を投入し、ディスパーを用いてよく分散させ、2.0%のn−ブタノールで膨潤させた後、上記した亜鉛粉末44.0%を投入して、同様によく分散させた。さらに脂肪酸アマイド1.5%を投入してよく分散させたのち、上記のペースト状アルミ粉末10.0%を投入し、同様によく分散させて、本比較例の防錆塗料を得た。
〔評価方法〕
1.塗膜の作製
上記実施例1、2、比較例1、2によって調整した各々の塗料を用いて、以下の手順で塗膜を得た。
(1)鋼板から成る塗装用試験片を石油系溶剤で洗浄した後、耐水研磨紙280番で研磨し、再度石油系溶剤で洗浄した。
(2)上記実施例及び比較例により得られた各塗料をDMEと共にエアゾール缶内にそれぞれ封入し、上記試験片に、乾燥後の膜厚が50μm程度となるようにスプレー塗布した。このとき、塗料とガス成分であるDMEとの割合は、全て容量比で40:60となるようにしたが、これらは塗料100重量部に対して、それぞれDME59重量部(実施例1)、64重量部(実施例2、比較例1)、54重量部(比較例2)に相当する。
(3)塗布後、1日常温乾燥し、さらに80℃で2時間強制乾燥した後、常温で1日間放置し、塗膜試験片を作製した。
2.評価項目
(1)密着性碁盤目試験(試験片サイズ:150×70×0.8mm)
塗膜試験片の中央に、カッターの角度を塗面に対して35〜45°にして、幅1mmの間隔で碁盤目状の切り傷をつけ、切り傷が塗膜を貫通して試験板の素地に届くようにした。次に、碁盤目状の切り傷を付けた塗膜表面にセロテープ(登録商標)を貼り付け、消しゴムでこすって塗面に密着させたのち、1〜2分後にテープの端を持って、塗面に垂直に瞬間的に引き剥がし、その時の塗膜の剥離状況を観察し、下記の基準に従って評価した。
10点:切り傷1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切り傷の交差と正方形の一目一目にはがれがない。
8点:切り傷の交差にわずかなはがれがあって、正方形の一目一目にはがれなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%以内。
6点:切り傷の両側と交差とにはがれがあって、欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%。
4点:切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面積は全正方形面積の15〜35%。
2点:切り傷によるはがれの幅は4点よりも広く、欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。
0点:はがれの面積は、全正方形面積の65%以上。
(2)耐屈曲性試験 (試験片サイズ:150×50×0.3mm)
塗膜試験片を予め温度:20℃、湿度:65%の標準状態に、約1時間放置した後、直径6mmの試験棒で塗面が心棒に対して外側になるように、約1秒かけて約180°折り曲げ、屈曲部の長辺から約10mmずつを除いた残りの部分を目視によって観察し、割れや剥がれの有無を調査した。そして、塗膜に割れ・はがれの認められないものを「合格」と判定した。
(3)耐衝撃性試験(試験片サイズ:200×100×0.6mm)
半径6.35mmの撃ち型と受け台を取り付け、その間に、塗膜面を上向きにした塗膜試験片を挟み、質量500gの重りを試験片の上方30cmの位置から撃ち型の上に落とした後、塗膜面に傷を与えないように試験片を取り出し、目視によって塗膜の割れや剥がれを観察し、塗膜に割れ・はがれの認められないものを「合格」と評価した。
(4)塩水噴霧試験(防錆性試験、試験片サイズ:150×70×0.8mm)
塗膜試験片の塗膜の上から、カッターナイフにより試験板の素地に達するように交差する2本の対角線を引き、得られた塗膜試験片を塩水噴霧試験装置に入れ、放置した。
所定時間経過後、試験片を取り出し、水洗いして、水を切り、室温で2時間放置した後、目視によって錆、膨れ、剥がれを観察すると共に、クロスカット部にテープをしっかりと貼った後、これを一気に引き剥がし、塗膜の剥がれ幅を観察した。さらに、シンナーで塗膜を剥がし、対象範囲の下地(試験片の素地)の錆、変色の有無を確認し、全てに問題がない場合を「合格」とした。ただし、クロスカットの両側3mm、試験片の周囲10mm以内の範囲は観察の対象外とした。
このとき、塩水噴霧装置の使用条件については、下記のとおりとした。
試験槽内の温度 35±1℃
試験槽内の相対湿度 99〜98%
加湿器の温度 47±1℃
噴霧用空気の圧力 0.098±0.002MPa
霧を集めて得た溶液の量 80cmについて1.0〜2.0ml/h
霧を集めて得た溶液のpH 6.5〜7.2(33〜35℃)
霧を集めて得た溶液の密度 1.022〜1.036(35℃)
塩水だめの水位 一定の水位を保っていること。
加湿器の水位 水位計の2本の標線の間にあること。
3.評価結果
上記実施例及び比較例の塗料により得られた塗膜の上記評価試験結果を表2に示す。
Figure 2010215680
以上、本発明を実施形態及び実施例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。

Claims (5)

  1. (A)石油樹脂:3〜10質量%
    (B)スチレン系熱可塑性エラストマー:1〜5質量%
    (C)防錆顔料:50〜65質量%
    (D)脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、アルコール類及びグリコールエーテル類から成る群より選ばれた少なくとも1種の有機溶剤:20〜40質量%
    を含むことを特徴とする防錆塗料。
  2. 上記石油樹脂が芳香族系石油樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の防錆塗料。
  3. 上記スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含有量が、20〜45質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防錆塗料。
  4. 上記防錆顔料が亜鉛粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の防錆塗料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の防錆塗料を用いて成る防錆塗膜であって、
    (A)石油樹脂:4〜16質量%
    (B)スチレン系熱可塑性エラストマー:1〜8質量%
    (C)防錆顔料:76〜95質量%
    を含むことを特徴とする防錆塗膜。
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