JP2000328812A - 耐震スリットの形成方法 - Google Patents

耐震スリットの形成方法

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JP2000328812A JP11136974A JP13697499A JP2000328812A JP 2000328812 A JP2000328812 A JP 2000328812A JP 11136974 A JP11136974 A JP 11136974A JP 13697499 A JP13697499 A JP 13697499A JP 2000328812 A JP2000328812 A JP 2000328812A
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徹 篠崎
Harunori Yasojima
治典 八十島
Toshiro Itaya
俊郎 板谷
Munehiro Umemoto
宗宏 梅本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率のよい耐震スリットの形成方法を提供す
ることである。 【解決手段】 柱3と壁4の接合部における型枠15内
面に、前方に膨脹するスリット材5を対向させて設け、
前記型枠15内にコンクリート18が打設された後に、
前記対向するスリット材5を前方へ膨脹させて先端部同
士を接合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐震スリットの形成
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄筋コンクリート構造物における
耐震スリットの形成方法は、図7に示すように、スリッ
ト材24を柱25と壁26の接合部におけるセパレータ
27および内外型枠28、29に固定し、前記スリット
材24が曲がらないように、柱型枠側30と壁型枠側3
1とに交互にコンクリート32を打設していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
耐震スリットの形成方法は、コンクリートを柱型枠側と
壁型枠側とに交互に打設していたために効率が悪かっ
た。
【0004】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、効率のよい耐震スリットの
形成方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段は、請求項1の発明が、柱と壁の接合部におけ
る型枠内面に、前方に膨脹するスリット材を対向させて
設け、前記型枠内にコンクリートが打設された後に、前
記対向するスリット材を前方へ膨脹させて先端部同士を
接触させることを特徴とする。
【0006】請求項1の発明によれば、対向するスリッ
ト材が前方へ膨脹して先端部同士が接触されることによ
り、壁厚の全断面が縁切りできる耐震スリットを簡単に
形成できる。コンクリートを柱型枠側または壁型枠側の
どちらか一方から打設したとしても、十分な流動性と充
填性とを確保することができる。
【0007】また請求項2の発明が、請求項1におい
て、前記スリット材は多孔質系弾性材であることを特徴
とする。
【0008】請求項2の発明によれば、多孔質系弾性材
は打設されたコンクリートの中で圧縮した応力を自己解
除することにより、前方に自己膨張する。
【0009】また請求項3の発明が、請求項2におい
て、前記多孔質系弾性材の一部が水溶性ポリエチレンの
シートで被覆されていることを特徴とする。
【0010】請求項3の発明によれば、水溶性ポリエチ
レンのシートが打設コンクリート中のアルカリ水分で溶
けて、圧縮された応力を解除することによりコンクリー
トを押しのけて自己膨張するので、取扱中の水分での発
泡を防ぐことができ便利である。
【0011】また請求項4の発明が、請求項1におい
て、前記スリット材は空気によって膨脹するゴムチュー
ブであることを特徴とする。
【0012】請求項4の発明によれば、ゴムチューブに
空気を入れると、前方に膨張して対向するゴムチューブ
の先端部に接触するようにしたので、簡単な構成にする
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐震スリットの形
成方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は
鉄筋コンクリート構造物における柱と壁との接合部に形
成した耐震スリットの正面図、図2は第1の実施の形態
の耐震スリットの形成方法の断面図である。
【0014】耐震スリット1は、図1に示すように、鉄
筋コンクリート構造物2の柱3と壁4の接合部に形成さ
れ、構造物2にねじれや応力が集中しないようにするも
のである。
【0015】耐震スリット1は、図2に示すようなスリ
ット材5を使用して形成するものである。このスリット
材5は発泡力を増すためにアルミ粉末が混入された多孔
質系弾性材6であり、壁の高さと同じ長さのものが圧縮
した状態で硬質プラスチックのケース7に押し込められ
ている。前記多孔質系弾性材6としては、ゴム系、ポリ
エチレン系、ポリビニールアルコール系などである。こ
れらの原理は、一方向に圧縮された状態で容器に閉じ込
め、該容器の応力を圧縮方向と同方向に解除させて自己
膨張させる。さらに、この自己膨張を補助するように自
己発泡力のあるアルミ粉末を混入している。
【0016】またケース7の側面には多数の水分浸透用
孔8が開口され、かつケース7の前面および側面にはア
ルミ水分のみに反応する水溶性ポリエチレンのシート9
が被覆されている。このケース7は目地用ケース10に
取外自在に取り付けられ、該目地用ケース10には遮音
ゴムなどの目地材11が圧入されている。
【0017】このスリット材5を外型枠12と内型枠1
3との内面に釘14で取り付け、これらの型枠12、1
3を組立形成すると、スリット材5が図3の(1)に示
すように、柱3と壁4の接合部における壁型枠15の内
面に対向した状態に取り付けられる。
【0018】次に、同図の(2)に示すように、スリッ
ト材5間が適宜の間隙部16を有しているため、壁型枠
側15または柱型枠側17のどちらか一方からコンクリ
ート18を打設すると、該コンクリート18中のアルカ
リ水分でケース7前面および側面の水溶性ポリエチレン
のシート9が溶け、多孔質弾性体の応力を解除して自己
膨張できる状態になる。このとき多孔質系弾性材6に混
入されたアルミ粉末がコンクリート18のアルカリ水分
と反応して、多孔質系弾性材6が前方向に自己膨脹し、
その先端部同士が接触されることにより、型枠15、1
7内のコンクリート18が壁型枠側のコンクリート18
aと柱型枠側のコンクリート18bとに分断される。
【0019】次に、前記コンクリート18a、18bが
硬化した後に型枠15、17を解体すると、壁厚の全断
面にわたった耐震スリット1が形成される。
【0020】図4および図5は、他の実施の形態を示す
スリット材5であり、図4はケース7前面を、上下にス
ライド自在なプラスチック板19で覆ったものであり、
型枠15、17にコンクリート18が打設された後に引
き上げてケース7前面を開放する(図示せず)。また打
ち継ぎが予想される場合は、多孔質系弾性材6を高さ方
向に分割して対応させる。この多孔質系弾性材6の代わ
りに、コンクリートのスランプ状態が柔らかい場合は、
発泡ウレタン材を用いてもよい。
【0021】また図5は、ケース7前面が合成樹脂性の
二枚のフィルム20で覆われ、これらのフィルム20が
中央部において引き紐21で接合されたものである。よ
って引き紐21を、型枠15、17内にコンクリート1
8が打設された後に引き抜くと、フィルム20が両側に
開いてケース7前面が開放される(図示せず)。
【0022】また、図6は耐震スリットの形成方法の第
2の実施の形態を示し、スリット材5に蛇腹状のゴムチ
ューブ22を使用したものであり、この点を除く以外は
第1の実施の形態と同じ方法である。これは、型枠1
5、17内にコンクリート18が打設された後に、双方
のゴムチューブ22を空気で前方に膨脹させて先端部同
士を接触させることにより、型枠15、17内のコンク
リート18を壁型枠側のコンクリート18aと柱型枠側
のコンクリート18bとに分断して耐震スリット1を形
成する。
【0023】
【発明の効果】対向するスリット材が前方へ膨脹して先
端部同士が接触されることにより、壁厚の全断面を縁切
りできる耐震スリットが簡単に形成できる。
【0024】コンクリートを柱型枠または壁型枠のどち
らか一方から打設したとしても、十分な流動性と充填性
とを確保することができる。
【0025】スリット材の型枠への取付作業が簡単で、
後作業がないので作業の効率化が図れる。
【0026】アルカリ水分と反応するように表面を覆っ
たので、コンクリートの打設前の水分のみとの反応を防
ぐことができ、かつ取り扱いが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐震スリットを形成した壁の正面図である。
【図2】(1)はスリット材の平面図、(2)は目地材
用ケースの側面図、(3)はスリット材のケースの側面
図、(4)はスリット材の正面図である。
【図3】(1)および(2)は耐震スリットの形成方法
の断面図である。
【図4】(1)はスリット材の平面図、(2)は目地材
用ケースの側面図、(3)はスリット材のケースの側面
図、(4)はスリット材の正面図である。
【図5】(1)はスリット材の平面図、(2)および
(4)はスリット材のケースの正面図、(3)はスリッ
ト材の平面図である。
【図6】(1)および(2)は第2の実施の形態の耐震
スリットの形成方法の断面図である。
【図7】従来の耐震スリットの形成方法の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 耐震スリット 2 鉄筋コンクリート構造物 3、25 柱 4、26 壁 5、24 スリット材 6 多孔質系弾性材 7 ケース 8 水分浸透用孔 9 シート 10 目地用ケース 11 目地材 12、29 外型枠 13、28 内型枠 14 釘 15、31 壁型枠側 16 間隙部 17、30 柱型枠側 18、18a、18b、32 コンクリート 19 プラスチック板 20 フィルム 21 引き紐 22 ゴムチューブ 27 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板谷 俊郎 東京都中央区京橋1−7−1 戸田建設株 式会社内 (72)発明者 梅本 宗宏 東京都中央区京橋1−7−1 戸田建設株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱と壁の接合部における型枠内面に、前
    方に膨脹するスリット材を対向させて設け、前記型枠内
    にコンクリートが打設された後に、前記対向するスリッ
    ト材を前方へ膨脹させて先端部同士を接触させることを
    特徴とする耐震スリットの形成方法。
  2. 【請求項2】 前記スリット材は多孔質系弾性材である
    ことを特徴とする請求項1に記載の耐震スリットの形成
    方法。
  3. 【請求項3】 前記多孔質系弾性材の一部が水溶性ポリ
    エチレンのシートで被覆されていることを特徴とする請
    求項2に記載の耐震スリットの形成方法。
  4. 【請求項4】 前記スリット材は空気によって膨脹する
    ゴムチューブであることを特徴とする請求項1に記載の
    耐震スリットの形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6981698B1 (ja) * 2020-11-14 2021-12-17 田中建設株式会社 セメント組成物及びその硬化体

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