JP2000327822A - エステル系エラストマー発泡体及びそれを用いた発泡体積層シート - Google Patents

エステル系エラストマー発泡体及びそれを用いた発泡体積層シート

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JP2000327822A
JP2000327822A JP2000072616A JP2000072616A JP2000327822A JP 2000327822 A JP2000327822 A JP 2000327822A JP 2000072616 A JP2000072616 A JP 2000072616A JP 2000072616 A JP2000072616 A JP 2000072616A JP 2000327822 A JP2000327822 A JP 2000327822A
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weight
ester
polyester
nonwoven fabric
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JP2000072616A
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Akihiko Fujiwara
昭彦 藤原
Akihiro Niki
章博 仁木
Hirotake Matsumoto
弘丈 松本
Juichi Fukaya
重一 深谷
Seiji Nozato
省二 野里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐油性が良好で、耐熱性及び耐クリープ性に
優れたエステル系エラストマーからなる発泡体及び発泡
体積層シートを提供する。 【解決手段】 特定式で表される短鎖及び必要により長
鎖ポリエステル成分の繰り返しから構成され、短鎖成分
が50〜100 重量%、長鎖成分が50〜0 重量%であるポリ
エステル系共重合体(A) 100 重量部と、一般式 -R3-O-
(R3 は炭素数2〜8のアルキレン基)で表される繰返
し単位からなるポリエーテル(B) 50〜1500重量部、及び
一般式-O-CONH-R4-NHCO-O-(R4 は炭素数2〜15のア
ルキレン基又はフェニレン基を示す)で表されるウレタ
ン結合成分(C) 10〜300 重量部から構成されるエステル
系エラストマーからなる発泡体、及びこの発泡体シート
の少なくとも片面に不織布又は熱可塑性樹脂が積層され
てなる発泡体積層シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐油性、耐熱性及
び耐クリープ性に優れ、かつ透湿性を有するエステル系
エラストマーからなる発泡体およびそれを用いた発泡体
積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】発泡体は、その物理的性質を利用して、
シール材、緩衝材、断熱材、テープベース等に用いられ
ている。また、それぞれの用途に応じて、発泡体の種類
としては、例えば天然ゴムラテックス発泡体、軟質塩化
ビニル樹脂発泡体等がある。しかしながら、これらは、
耐熱性及び耐油性に劣っている。
【0003】一方、耐熱性及び耐油性に優れた発泡体と
しては、例えば架橋ポリオレフィン発泡体が知られてい
る(例えば特開昭57−133032号公報参照)が、
架橋ポリオレフィン発泡体は、一般に、耐クリープ性を
有するものではない。すなわち、架橋ポリオレフィン発
泡体の如く耐熱性及び耐油性に優れ、かつ耐クリープ性
にも優れた発泡体は、知られていないのが現状であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
発泡体の特性に鑑み、耐油性が良好で、耐熱性及び耐ク
リープ性に優れたエステル系エラストマーからなる発泡
体およびそれを用いた発泡体積層シートを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、一般式(1) で表される短鎖ポリエステル成
分、及び、必要により一般式(2) で表される長鎖ポリエ
ステル成分の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエス
テル成分が50〜100 重量%、前記長鎖ポリエステル成分
が50〜0 重量%であるポリエステル系共重合体(A) と、
一般式(3) で表される繰り返し単位から構成されるポリ
エーテル(B) とのブロック共重合体であって、ポリエス
テル系共重合体(A) 及びポリエーテル(B) は一般式(4)
で表されるウレタン結合成分(C) によって結合されてお
り、ポリエステル系共重合体(A)100重量部に対して、ポ
リエーテル(B) が50〜1500 重量部及びウレタン結合成
分(C) が10〜300 重量部から構成されるエステル系エラ
ストマーからなる発泡体を提供する。
【0006】
【化5】
【0007】
【化6】
【0008】
【化7】
【0009】
【化8】
【0010】〔式中、R0 は炭素数6〜12の2価の芳
香族炭化水素基を示し、R1 、R3は互いに独立に炭素
数2〜8のアルキレン基を示し、R4 は炭素数2〜15
のアルキレン基又はフェニレン基を示し、R2 は、−R
5 −O−(式中、R5 は炭素数2〜8のアルキレン基を
示す)で表される繰り返し単位から構成される、数平均
分子量500〜5000の成分を示す。〕 請求項2記載の発明のエラストマー発泡体は、請求項1
記載の発明のエラストマー発泡体において、上記ポリエ
ステル系共重合体(A) の数平均分子量が300〜500
0からなるものである。
【0011】請求項3記載の発明のエラストマー発泡体
は、請求項1又は2記載の発明のエラストマー発泡体に
おいて、上記ポリエーテル(B) の数平均分子量が500
〜5000からなるものである。請求項4記載の発明の
エラストマー発泡体は、発泡体が発泡体シートである請
求項1〜3何れか1項記載のエステル系エラストマー発
泡体からなるものである。
【0012】請求項5記載の発明の発泡体積層シート
は、請求項4記載の発泡体シートにおいて、少なくとも
片面に不織布が積層されてなるものである。請求項6記
載の発明の発泡体積層シートは、請求項4記載の発泡体
シートにおいて、少なくとも片面に熱可塑性樹脂が積層
されてなるものである。
【0013】請求項7記載の発明の発泡体積層シート
は、請求項6記載の発泡体積層シートにおいて、少なく
とも片面に不織布が積層されてなるものである。請求項
8記載の発明の発泡体積層シートは、請求項5又は7記
載の発泡体積層シートにおいて、不織布の厚さが0.0
3〜5mmであるものである。
【0014】請求項9記載の発明の発泡体積層シート
は、請求項5、7、8いずれか1項記載の発泡体積層シ
ートにおいて、不織布がポリオレフィン系不織布である
ものである。請求項10記載の発明の発泡体積層シート
は、請求項5、7、8いずれか1項記載の発泡体積層シ
ートにおいて、不織布がポリエステル系不織布であるも
のである。請求項11記載の発明の発泡体積層シート
は、請求項5、7、8いずれか1項記載の発泡体積層シ
ートにおいて、不織布がポリアミド系不織布であるもの
である。
【0015】以下、本発明を更に詳細に説明する。 (エステル系エラストマー)本発明に係る発泡体は特定
のエステル系エラストマーからなるものである。先ず、
このエステル系エラストマーについて説明する。本発明
において、上記ポリエステル系共重合体(A) は、上記一
般式(1) で表される短鎖ポリエステル成分、及び、必要
により一般式(2) で表される長鎖ポリエステル成分の繰
り返しから構成される。
【0016】このような共重合体としては、例えば、テ
レフタル酸、テレフタル酸ジメチルエステル等のジカル
ボン酸又はそのエステル形成性誘導体、低分子量ジオー
ル及びポリエーテルを反応させることにより得られるポ
リエーテルポリエステルエラストマーが使用される。上
記一般式(1) 及び一般式(2) において、2価の芳香族炭
化水素基R0 を含むジカルボン酸としては、例えば、テ
レフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イ
ソフタル酸ジメチル、オルソフタル酸、オルソフタル酸
ジメチル、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンジカル
ボン酸ジメチル等が挙げられる。
【0017】上記短鎖ポリエステル成分を構成する炭素
数2〜8のアルキレン基R1 を含むジオール成分として
は、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール等が挙げられる。上記長鎖ポリエステル成分を構
成する炭素数2〜8のアルキレン基R2 を含むジオール
成分は、R1 と同じジオール等が挙げられる。これらの
長鎖ポリエステル成分を構成するポリエーテルとして
は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(1,3−
プロパンジオール)、ポリ(1,2−プロパンジオー
ル)、ポリ(1,4−ブタンジオール)等のポリテトラ
メチレングリコール類、ポリ(1,6−ヘキサンジオー
ル)等のポリヘキサメチレングリコール類等が挙げられ
る。これらの低分子量のジオール及び高分子量のポリエ
ーテル成分は、各々、単独で用いられてもよく、2種以
上が併用されてもよい。
【0018】ポリエステル系共重合体(A) を得るための
ポリエーテルとしては、中でも、機械的特性、耐候性に
優れる点でポリテトラメチレングリコールが好ましく、
市販品としては、BASF社製「PTHF」や三菱化学
製「PTMG」等が例示される。又、優れた透湿性を付
与させ得る点でポリエチレングリコールが好適に用いら
れる。
【0019】上記ポリエーテルは、数平均分子量が50
0〜5000程度のものが好ましく用いられ、上記一般
式(2) におけるR2 が数平均分子量500〜5000の
成分とされる。R2 の数平均分子量が500よりも小さ
い場合、得られるポリエステル系共重合体(A) のブロッ
ク性が低下し融点が低くなり、エステル系エラストマー
の高温での機械的強度が低くなる。5000よりも大き
い場合、ポリエーテル(B) との相溶性が低くなるためエ
ステル系エラストマーの重合度が上がらず、十分な強度
のエラストマーが得られない。より好ましくは、数平均
分子量500〜2000のものが用いられる。
【0020】上記ポリエステル系共重合体(A) は下記の
方法によって重合することが可能である。例えば、テレ
フタル酸ジメチルエステルをポリエーテル及び過剰の低
分子量ジオールと共に、触媒の存在下において200℃
で加熱してエステル交換反応を行い、これに引き続い
て、減圧下240℃において重縮合反応を行うことによ
り、ポリエステル系共重合体(A) を得ることができる。
上記ポリエステル系共重合体(A) の構成成分中、短鎖ポ
リエステル成分が占める割合は50〜100重量%であ
る。短鎖ポリエステル成分が50重量%よりも少ない場
合は、ポリエステル系共重合体(A) の融点が低く、エス
テル系エラストマーの高温での機械的強度に悪影響を与
える。好ましくは70〜100重量%のものが用いられ
る。
【0021】上記ポリエステル系共重合体(A) の数平均
分子量は、好ましくは300〜5000である。数平均
分子量が300未満の場合、得られるエステル系エラス
トマーのブロック性が低くなり高温での機械的強度に悪
影響を与え、又、5000を超えると、上記ポリエーテ
ル(B) との相溶性が低いためエステル系エラストマーの
重合度が上がらず、十分な強度が得られない。
【0022】上記ポリエステル系共重合体(A) の固有粘
度は、特に限定されないが、余り低いと、エステル系エ
ラストマーのブロック性が低くなり高温での機械的強度
に悪影響を与え、余り高いとポリエーテル(B) との相溶
性が低下し、エステル系エラストマーの重合度が低下し
て十分な強度が得られないので、好ましくは0.05〜
1.0、より好ましくは0.2〜0.6とされる。この
場合の固有粘度の値は、オルトクロロフェノールを溶媒
として25℃で測定した値である。
【0023】上記ポリエーテル(B) の数平均分子量は、
好ましくは500〜5000である。上記ポリエーテル
(B) の数平均分子量が500よりも小さい場合、得られ
るエステル系エラストマーが柔軟性に劣り、更には十分
な透湿性を得ることができない。又、5000よりも大
きい場合、ポリエーテル(B) との相溶性が低くなるため
得られるエステル系エラストマーの重合度が上がらず、
十分な強度が得られない。より好ましくは、数平均分子
量500〜2000のものが用いられる。
【0024】本発明で使用されるポリエーテル(B) は、
上記一般式(3) で表される繰り返し単位から構成され
る。このようなポリエーテルとしては、例えば、上記ポ
リエステル系共重合体(A)を得るために用いられるもの
と同様のポリエーテルが好適に用いられる。
【0025】本発明に係る発泡体を構成するエステル系
エラストマーは、上記ポリエステル系共重合体(A) とポ
リエーテル(B) とのブロック共重合体であって、ポリエ
ステル系共重合体(A) 及びポリエーテル(B) は上記一般
式(4) によって結合されている。
【0026】このウレタン結合成分(C) によって結合さ
れたエステル系エラストマーを得るには、ポリエステル
系共重合体(A) 及びポリエーテル(B) と、例えば、ジイ
ソシアネート化合物を反応させればよい。ポリエステル
系共重合体(A) 及びポリエーテル(B) は通常、両末端に
水酸基を有するが、一部カルボキシル基を有していても
よい。このとき、ジイソシアネート化合物と反応する末
端官能基が両方とも水酸基の場合は、上記エステル系エ
ラストマーは一般式(4) で表されるウレタン結合成分
(C) によって結合されるのであるが、末端官能基の一方
が水酸基でもう一方がカルボキシル基の場合は下記一般
式(5) で表されるウレタン結合成分(C) によって結合さ
れ、又、両方ともカルボキシル基の場合は一般式(6) で
表されるウレタン結合成分(C) によって結合されること
となる。
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】上記イソシアネート化合物は、同一分子内
に2個のイソシアネート基を有する化合物であればその
構造は特に限定されず、生成したポリエステル系エラス
トマーの流動性を保つ範囲で3個以上のイソシアネート
基を有する化合物を用いてもよい。これらの3個以上の
イソシアネート基を有するイソシアネート化合物を用い
る場合には、イソシアネート基が2個のジイソシアネー
ト化合物と併用することが好ましい。上記イソシアネー
ト化合物1分子当たりの平均イソシアネート基数は、好
ましくは2.0〜2.2である。
【0029】上記ジイソシアネート化合物としては、例
えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシア
ネート;1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−
プロピレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシ
アネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シ
クロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、水素添加した4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げら
れる。
【0030】上記1分子当たりの平均イソシアネート基
数が2.0よりも大きいイソシアネート化合物として
は、ポリメリックMDIが代表的であり、市販品として
は、例えば、日本ポリウレタン社製「ミリオネートMR
200」(平均イソシアネート基数=2.8)が挙げら
れる。上記1分子当たりの平均イソシアネート基数が
2.0よりも大きいイソシアネート化合物としては、そ
の他トリフェニルメタントリイソシアネート(イソシア
ネート基数3)、トリス(イソシアネートフェニル)チ
オホスフェート(イソシアネート基数3)、ヘキサメチ
レントリイソシアネート(イソシアネート基数3)等が
挙げられる。
【0031】本発明における上記エステル系エラストマ
ーは、ポリエステル系共重合体(A)100重量部に対し
てポリエーテル(B) 50〜1500重量部及びウレタン
結合成分(C) が10〜300重量部から構成される。そ
の理由は、上記ポリエーテル(B) の量が50重量部より
も少ない場合は、エステル系エラストマーは十分な耐ク
リープ性が得られず、又、十分な透湿性が得られず、1
500重量部よりも多い場合は十分な機械的強度が得ら
れないからであり、好ましくは100重量部〜900重
量部から構成される。
【0032】又、上記ウレタン結合成分(C) の量が10
重量部よりも少ない場合はエステル系エラストマーは高
分子量体にならず機械的強度が低いものとなってしま
い、300重量部よりも多い場合はエステル系エラスト
マーは耐クリープ性に劣ったものとなり、更には、十分
な透湿性が得られないからであり、好ましくは30〜2
00重量部から構成される。
【0033】上記ポリエステル系共重合体(A) とポリエ
ーテル(B) の反応性を向上させ、機械的強度の優れたエ
ステル系エラストマーを得るためには、ポリエステル系
共重合体(A) の末端官能基は水酸基であることが好まし
い。上記末端官能基が、例えば、カルボキシル基である
場合、イソシアネート基との反応性が劣るため十分な高
分子量のポリマーが得られず、機械的強度が劣るものと
なる。更に、カルボキシル基とイソシアネート基との反
応による二酸化炭素の発生、発泡を抑制もしくは阻止す
るためのプロセス対策が必要となる。
【0034】上記ウレタン結合成分(C) のイソシアネー
ト基と、上記ポリエステル系共重合体(A) とポリエーテ
ル(B) の末端官能基当量比は、0.95〜1.1が好ま
しい。上記当量比が上記範囲から大きく外れると、十分
な高分子量のポリマーが得られず、機械的強度が劣るも
のとなる。
【0035】本発明におけるポリエステル系エラストマ
ーは、例えば、ポリエステル系共重合体(A) 、ポリエー
テル(B) 及びジイソシアネート化合物を溶融混合して反
応させることにより得られる。溶融混合の好ましい方法
としては、例えば押出機内で溶融混合する方法が挙げら
れ、好ましい押出温度は、150〜260℃である。1
50℃未満であると、ポリエステル系共重合体(A) が溶
融しないため反応性が困難となり、高分子量のエステル
系エラストマーが得られ難く、260℃を超えると、ポ
リエステル系共重合体(A) 及びジイソシアネート化合物
が分解し、強度の充分なエステル系エラストマーが得ら
れ難い。溶融混合温度の更に好ましい範囲は200〜2
40℃である。
【0036】本発明においては、上記溶融混合時に触媒
を用いても良い。上記触媒としては、ジアシル第一錫、
テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル
錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、錫ジオクタノエ
ート、錫テトラアセテート、トリエチレンアミン、ジエ
チレンアミン、トリエチルアミン、ナフテン酸金属塩、
オクチル酸金属塩、トリイソブチルアルミニウム、テト
ラブチルチタネート、酢酸カルシウム、二酸化ゲルマニ
ウム、三酸化アンチモン等が好ましい。上記触媒は二種
類以上併用してもよい。
【0037】本発明における上記エステル系エラストマ
ーには、安定剤が使用されてよく、例えば、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−
ビス{2−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−プロピオニロキシ]−1,1−ジ
メチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン等のヒンダードフェノール系酸化
防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト、トリラウリルホスファイト、2−t−ブチ
ル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホスファイ
ト、ジミリスチル 3,3’−チオジプロピオネート、
ジステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ペン
タエリスチリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオ
ネート)、ジトリデシル 3,3’−チオジプロピオネ
ート等の熱安定剤等が挙げられる。
【0038】本発明における上記エステル系エラストマ
ーには、製造時又は製造後に必要に応じて、気泡核形成
剤、繊維、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機充
填剤その他の無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を添加し
てもよい。上記気泡核形成剤としては、一般にその粒径
が500μm以下のものが好ましく、例えば、炭酸カル
シウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、カーボンブラック、二酸化珪素、酸化チタン、重
曹、クエン酸、オルト硼酸、脂肪酸のアルカリ土類金属
塩等が挙げられる。上記繊維としては、例えば、ガラス
繊維、炭素繊維、ボロン繊維、炭化けい素繊維、アルミ
ナ繊維、アモルファス繊維、シリコン・チタン・炭素系
繊維等の無機繊維;アラミド繊維等の有機繊維等が挙げ
られる。
【0039】上記難燃剤としては、例えば、ヘキサブロ
モシクロドデカン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)
ホスフェート、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等
が挙げられる。上記紫外線吸収剤としては、例えば、p
−tert−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,4,
5−トリヒドロキシブチロフェノン等が挙げられる。上
記帯電防止剤としては、例えば、N,N−ビス(ヒドロ
キシエチル)アルキルアミン、アルキルアリルスルホネ
ート、アルキルスルファネート等が挙げられる。
【0040】上記無機充填剤としては、例えば、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク等が挙げられ、
その他の無機物としては、例えば、硫酸バリウム、アル
ミナ、酸化珪素等が挙げられる。上記高級脂肪酸塩とし
ては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
バリウム、パルミチン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0041】本発明における上記エステル系エラストマ
ーは、上記以外の熱可塑性樹脂やゴム成分を混合してそ
の性質を改質して使用してもよい。かかる熱可塑性樹脂
としては、例えば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等が挙げ
られる。又、ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、ス
チレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体(EPM、EPDM) 、ポリクロロ
プレン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ウ
レタンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチ
レン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラスト
マー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可
塑性エラストマー等が挙げられる。
【0042】(エステル系エラストマーからなる発泡
体)次に、本発明に係るエステル系エラストマーからな
る発泡体の製造方法について説明する。本発明における
上記エステル系エラストマーからなる発泡体を製造する
方法としては、例えば、発泡剤として物理型発泡剤、熱
分解型発泡剤を使用し、押出機で発泡させる方法、圧力
容器中で発泡させる方法、プレスで発泡させる方法等が
挙げられるが、樹脂の熱劣化や発泡剤の均一な分散など
の観点から、物理型発泡剤を用いて押出機で発泡する方
法が好ましい。
【0043】押出機で発泡させる方法では、例えば、上
記エステル系エラストマーを押出機に投入し、押出機の
途中に設けられたガス庄入孔から物理型発泡剤を庄入し
て溶融状態にあるポリエステル樹脂に溶解させ、口金か
ら押し出し発泡する。物理型発泡剤の注入方法として
は、所定圧力に調節した期待を直接注入する方法、液体
状態の発泡剤をプランジャーポンプ等を用いて所定圧力
で注入する方法等がある。また、発泡剤を予め高圧下で
樹脂に含浸せしめたものを押出機のホッパーから投入し
ても良い。この場合、押出機中で溶融状態となる前にガ
スが放出され、ホッパーから抜け出ることもあるので、
加圧ホッパーを用いるのが好ましい。
【0044】次いで、発泡剤が溶解された樹脂を、所望
の形状の口金より、大気中に押出すと、圧力差により発
泡して目的の発泡体が得られる。このときの口金の形状
は目的の発泡体に応じた形状に順次広げられた形状のも
のであって良く、また、それが、潤滑油で潤滑処理され
たものであって良い。更に、発泡体の形状を保つため、
口金から押出された瞬間に水や冷風等の樹脂の軟化点よ
りも低い冷媒に接触させてもよい。
【0045】上記物理型発泡剤としては、例えば、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサ
ン、フロン等の揮発性発泡剤や窒素、空気、二酸化炭
素、アルゴン等の無機ガス系発泡剤が用いられる。熱分
解型発泡剤を用いた押出機による発泡剤の場合は、該ポ
リエステルと熱分解型発泡剤をドライブレンドし、押出
機のホッパーに投入し、口金より押し出して発泡する。
この時、発泡剤の分解温度がエステル系エラストマーの
溶融温度よりも高い温度のものを使用する必要がある.
分解温度の低い発泡剤を使用した場合、エステル系エラ
ストマーの溶融よりも早く発泡剤が分解するため、発生
したガスがホッパー側へ逸散して望ましい発泡効果が得
られない。
【0046】上記熱分解型発泡剤としては、アゾジカル
ボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミ
ノベンゼン、N,N’一ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、N,N’−ジメチルーN,N’−ジニトロテレ
フタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、pート
ルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビスベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、バリウムアゾジカルボレ
ート、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等が用いら
れる。また、必要に応じて発泡助剤を添加してもよい。
【0047】物理型発泡剤を用いて圧力容器中で発泡さ
せる方法としては、先ず、エステル系エラストマーをプ
レスや押出機によりシート状やブロック状等の所望の形
状に成形する。この成形体を圧力容器に投入し、物理型
発泡剤を充満させて、ポリエステルの軟化温度以上に加
熱加圧し、物理型発泡剤を十分に樹脂に溶解させた後
に、減圧することにより発泡させる。また、成形体を投
入した圧力容器に常温で物理型発泡剤を充満させて加圧
し、減圧後取り出し、オイルバス、オーブン等で加熱し
て発泡させることも可能である。
【0048】プレス機を用いる発泡方法としては、エス
テル系エラストマーを粉砕し、粉末状の熱分解型発泡剤
と共に、へンシェルミキサー、タンブラー等でドライブ
レンドし、所望の形状の型に充満させ、エステル系エラ
ストマーの軟化温度以上に加熱した状態でプレス機によ
り加圧し、発泡剤が十分に分解したらプレス圧力を開放
することによって発泡させる方法が挙げられる。
【0049】本発明のエラストマー発泡体の形状は特に
限定されないが、通常、シートの形状で製造され、使用
される場合が多い。このような発泡体シートに対して、
熱可塑性樹脂を積層することにより、更に機械的強度や
防水性を向上させた発泡体積層シートを得ることができ
る。積層する熱可塑性樹脂としては、特に限定されない
が、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げら
れる。熱可塑性樹脂フィルムもしくはシートを積層する
場合は、単層からなるものであってもよいが、2層以上
の複合フィルムもしくはシートであってもよい。上記2
層以上の複合フィルムもしくはシートにあっては、同種
の熱可塑性樹脂からなるフィルムもしくはシート同士を
積層したものであってもよいが、異種の熱可塑性樹脂か
らなるフィルムもしくはシートが積層されてもよい。
【0050】また、発泡体シートに対して、不織布を積
層することにより、更に機械的強度や防水性を向上させ
た発泡体積層シートを得ることができる。上記不織布と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、ニー
ドルパンチ方式、スパンレース方式、スパンボンド方式
或いはメルトブロー方式等の乾式工程で得られる不織
布、抄紙方式等の湿式工程で得られる不織布、乾式工程
と湿式工程でを複合して得られる不織布、或いは上記両
工程で得られる不織布の積層体等が挙げられる。
【0051】これらの不織布を構成する繊維としては、
特に限定されるものではないが、例えば、綿、麻、羊毛
等の天然繊維、セルロース系再生繊維、ポリアミド系、
ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、
ポリアクリル系、ポリビニルアルコール系等の合成繊
維、パルプ、ガラス繊維等の無機繊維等が挙げられる。
これらの繊維は、単独或いは混合して使用することがで
きる。中でも、ポリオレフィン系、ポリエステル系及び
ポリアミド系の合成繊維は、耐久性に優れているので好
適に用いられる。
【0052】上記不織布の厚さは、余り薄いと、エラス
トマーフィルムもしくはシートの補強効果が十分に得ら
れず、又、余り厚くなっても補強効果は十分であっても
嵩高さや剛性が増すばかりでなく、取扱性が悪化するの
で0.03〜5mmの範囲の厚さであることが好まし
い。
【0053】本発明の発泡体積層シートは、上述のエラ
ストマー発泡体シートに熱可塑性樹脂および、または不
織布を積層してなるものである。積層手段は、特に限定
されるものではないが、例えば、接着剤を用いた接着積
層法、熱融着法等が挙げられる。中でも、工業的には、
ポリエステル系エラストマー発泡体シートの押出成形に
際して、上記エラストマー発泡体シートが熱融着性を有
する間に、これに熱可塑性樹脂および、または不織布を
積層し、両者をロール等で押圧してラミネートする押出
ラミネート法が好適に用いられる。
【0054】(作用)本発明は、上述の様に、ハードセ
グメント成分とソフトセグメント成分のブロック性が高
いエステル系エラストマーを検討し、エラストマー発泡
体もしくは発泡体シートを得たものである。本発明にお
ける上記エステル系エラストマーは、短鎖ポリエステル
成分によって形成される結晶が架橋点を構成することに
よりエラストマーとしての特性を示すこととなり、分子
中に、一般式(1) で表される短鎖ポリエステル成分、即
ちハードセグメント成分の割合の高い部分と、一般式
(2) 又は一般式(3) で表される長鎖ポリエーテルポリエ
ステル成分、即ちソフトセグメント成分の割合の高い部
分とから構成されているので、従来の同程度の耐クリー
プ性を示すエステル系エラストマーよりも短鎖ポリエス
テル成分が結晶化しやすく、その結果、強固な架橋点が
形成され、高温での優れた機械特性を発現し得るのであ
る。更に、ポリエーテルの割合の高い部分が存在するこ
とにより架橋点間分子量が増大し、その結果、柔軟性に
富んだエラストマー材料としての特性を発現し得ると共
に、優れた透湿性を併せ有するものとなるのである。本
発明に係るエラストマー発泡体および発泡体積層シート
は、このようなエステル系エラストマーを用いているの
で、耐油性が良好で、耐熱性及び耐クリープ性に優れ、
さらにはソフトセグメント成分の種類により高い透湿性
を発現することも可能であり、実用上極めて有用なもの
である。本発明の発泡体および発泡体積層シートは、吸
音材、壁天井装飾剤、断熱材等の住宅用をはじめとし
て、包帯、サポータ等の医療用、運動靴、スキー靴等の
衣料用、自動車の内装材、シートや後処理フィルター、
抗菌材、脱臭剤、微生物培養材等の幅広い用途に使用す
ることが出来る。
【0055】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。各種物性は以下の方法を用い測定した。
【0056】〔発泡倍率〕発泡剤を添加しないで作製し
たサンプルの体積に対する発泡剤を添加して得たサンプ
ルの体積の比として示した。 〔耐油性〕ASTM D−543に準拠し、ガソリンを
用いて24℃で測定した。◎は全く影響がなかったこと
を、○は僅かに曇り又は着色が生じたことを、△は溶
出、着色又は寸法変化が僅かに生じたことを、×は寸法
変化がかなりあり、使用に耐えられないことを、各々示
す。
【0057】〔耐クリープ性〕25%の圧縮歪みを22
時間与え、その後、24時間放置した後、寸法変化率を
実測した。 〔耐熱性〕発泡体を110℃で24時間放置し、その後
の発泡体の寸法を実測し、加熱前の寸法と比較した変化
率として示した。
【0058】〔引っ張り強度〕JIS K 6301に
準じて測定を行った。 〔透湿性〕底面積約12cm2 のガラス容器に水を20
g入れ、ガラス容器の口をサンプルで覆い密閉する。そ
の後、110℃のホットプレート上に5時間放置した。
透湿性は減少した水分の量により評価した。なお、減少
した水分量は、試験開始前の重量から試験終了後の重量
を引いた値から求めた。
【0059】(実施例1)ポリエステル系共重合体の製造 テレフタル酸ジメチル100 重量部、1,4 −ブタンジオー
ル102 重量部、数平均分子量が約1000のポリテトラメチ
レングリコール(b) (BASF製PTHF1000)48重量
部、触媒としてテトラブチルチタネート0.3 量部、安定
剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6 −トリス(3,5−ジ
−t −ブチル−4 −ヒドロキシベンジル) ベンゼン0.3
重量部、及びトリス(2,4−ジ−t −ブチルフェニル) ホ
スファイト0.3 重量部を加え、反応系を窒素下、200 ℃
で3時間保ち、エステル交換反応を行った。
【0060】エステル交換反応の進行は留出するメタノ
ール分量を計量することにより確認した。エステル交換
反応進行後、20分間で240 ℃まで昇温し、減圧操作を行
った。重合系は20分で2mmHg 以下の減圧度に達した。こ
の状態で20分重縮合反応を行った結果、白色のポリエス
テル系共重合体(a1)160 重量部を得た。得られた共重合
体(a1)の数平均分子量は、2,200であった。
【0061】発泡体の製造 このポリエステル系共重合体(a1)100 重量部、上記ポリ
テトラメチレングリコール(b) 110 重量部、4,4'−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート42重量部を、二軸押出
機(ベルストルフ社製L/D=40mm)を用いて、220
℃で混練(滞留時間200秒)し、エステル系エラスト
マーのペレットを得た。得られたペレット100重量部
と気泡形成核剤としてタルク(日本タルク社製、商品名
「MS」平均粒子径9μm)0.8重量部とを210℃
に設定したベントタイプの押出機のホッパーに投入し、
ベント部から炭酸ガスを50kg/cm2 の圧力で圧入
し、180℃に設定した口径2mmの口金から12kg
/時間の押出量でロッド状に押出し、溶融樹脂を発泡さ
せてエステル系エラストマーからなる発泡体シートを得
た。得られた発泡体の、発泡倍率、耐油性、耐クリープ
性、耐熱性、引張強度及び透湿性を測定し、その結果を
表1に示した。
【0062】(実施例2)ポリエステル系共重合体の製造 実施例1で用いた上記ポリテトラメチレングリコール
(b) の使用量を12重量部としたこと以外は、実施例1
におけるポリエステル系共重合体の製造と同様にして、
ポリエステル系共重合体(a2)120 重量部を得た。得られ
た共重合体(a2)の数平均分子量は、2,400であっ
た。
【0063】発泡体の製造 このポリエステル系共重合体(a2)を用いた他は実施例1
と同様にして、エステル系エラストマーのペレットを得
て、ベントタイプの押出機に供して(タルク及び炭酸ガ
スも同様に使用)エステル系エラストマーからなる発泡
体シートを得た。得られた発泡体の、発泡倍率、耐油
性、耐クリープ性及び耐熱性を測定し、その結果を表1
に示した。
【0064】(実施例3)ポリエステル系共重合体の製造 実施例1で用いた上記ポリテトラメチレングリコール
(b) の使用量を37重量部としたこと以外は、実施例1
におけるポリエステル系共重合体の製造と同様にして、
ポリエステル系共重合体(a3)148重量部を得た。得ら
れた共重合体(a3)の数平均分子量は、2,000であっ
た。
【0065】発泡体の製造 このポリエステル系共重合体(a3)を用いた他は実施例1
と同様にして、エステル系エラストマーのペレットを得
て、ベントタイプの押出機に供して(タルク及び炭酸ガ
スも同様に使用)エステル系エラストマーからなる発泡
体シートを得た。得られた発泡体の、発泡倍率、耐油
性、耐クリープ性、耐熱性、引張強度及び透湿性を測定
し、その結果を表1に示した。
【0066】(実施例4)ポリエステル系共重合体の製造 実施例1で用いた上記ポリテトラメチレングリコール
(b) の使用量を28重量部としたこと以外は、実施例1
におけるポリエステル系共重合体の製造と同様にして、
ポリエステル系共重合体(a4)140重量部を得た。得ら
れた共重合体(a4)の数平均分子量は、1,800であっ
た。発泡体の製造 このポリエステル系共重合体(a4)を用いた他は実施例1
と同様にして、エステル系エラストマーのペレットを得
て、ベントタイプの押出機に供して(タルク及び炭酸ガ
スも同様に使用)エステル系エラストマーからなる発泡
体シートを得た。得られた発泡体の、発泡倍率、耐油
性、耐クリープ性、耐熱性、引張強度及び透湿性を測定
し、その結果を表1に示した。
【0067】(実施例5)ポリエステル系共重合体の製
テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジ
オール100重量部、触媒としてテトラブチルチタネー
ト0.3重量部、安定剤として1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.3重量部及びトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト0.
3重量部を加え、反応系を窒素下、200℃で1時間保
ち、エステル交換反応を行った。
【0068】エステル交換反応の進行は留出するメタノ
ール分量を計量することにより確認した。エステル交換
反応進行後、20分間で240℃まで昇温し、減圧操作
を行った。重合系は20分で2mmHg以下の減圧度に
達した。この状態で10分重縮合反応を行った結果、白
色のポリエステル系共重合体(a5)130重量部が得られ
た。得られた共重合体(a5)の数平均分子量は1300で
あった。
【0069】発泡体の製造 このポリエステル系共重合体100重量部、ポリテトラ
メチレングリコール(Mn ≒1000)500重量部及
び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート150
重量部を、二軸押出機(ベルストルフ社製L/D=4
0)を用いて、溶融混練しエラストマーを得た。実施例
1と同様にして、このエラストマーをベントタイプの押
出機に供して(タルク及び炭酸ガスも同様に使用)エス
テル系エラストマーからなる発泡体シートを得た。この
溶融押出工程において、上記溶融押出シートが熱融着性
を有する状態にある間に、ポリエステル系不織布(厚さ
0.29mm)を重ねて供給し、ラミネートロール間で
挟圧して厚さ1.2mmの発泡体積層シートを作製し
た。得られた発泡体の、発泡倍率、耐油性、耐クリープ
性、耐熱性、引張強度及び透湿性を測定し、その結果を
表1に示した。
【0070】(実施例6)発泡体の製造 実施例5で作製したポリエステル系共重合体100重量
部、ポリエチレングリコール(Mn= 1,000)330
重量部および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート150重量部二軸押出機(ベルストルフ社製L/D
=40)を用いて、溶融混練しエラストマーを得た。そ
の後実施例5と同様にして、ポリエステル系不織布(厚
さ0.29mm)を積層した厚さ1.2mmの発泡体積
層シートを作製した。得られた発泡体の、発泡倍率、耐
油性、耐クリープ性、耐熱性、引張強度及び透湿性を測
定し、その結果を表1に示した。
【0071】(比較例1)ポリエステル系共重合体の製造 テレフタル酸ジメチル100 重量部、1,4 −ブタンジオー
ル102 重量部、実施例1で用いた上記ポリテトラメチレ
ングリコール(b) 170量部、触媒としてテトラブチル
チタネート0.3 量部、安定剤として1,3,5 −トリメチル
−2,4,6 −トリス(3,5−ジ−t −ブチル−4 −ヒドロキ
シベンジル) ベンゼン0.3 重量部、及びトリス(2,4−ジ
−t −ブチルフェニル) ホスファイト0.3 重量部を加
え、反応系を窒素下、200 ℃で3時間保ち、エステル交
換反応を行った。エステル交換反応の進行は留出するメ
タノール分量を計量することにより確認した。エステル
交換反応進行後、20分間で240 ℃まで昇温し、減圧操作
を行った。重合系は20分で2mmHg 以下の減圧度に達し
た。この状態で20分重縮合反応を行った結果、ポリエス
テル系共重合体283重量部が得られた。
【0072】発泡体の製造 得られたポリエステル系共重合体と100重量部と気泡
形成核剤としてタルク(日本タルク社製、商品名「M
S」平均粒子径9μm)0.8重量部とを210℃に設
定したベントタイプの押出機のホッパーに投入し、ベン
ト部から炭酸ガスを50kg/cm2 の圧力で圧入し、
180℃に設定した口径2mmの口金から12kg/時
間の押出量でロッド状に押出し、溶融樹脂を発泡させて
エステル系エラストマーからなる発泡体シートを得た。
得られた発泡体の、発泡倍率、耐油性、耐クリープ性、
耐熱性、引張強度及び透湿性を測定し、その結果を表1
に示した。
【0073】(比較例2)シラングラフトプロピレン
(三菱化学社製、リンクロンXPF−860G)100
重量部とタルク(日本タルク社製、MS、平均粒径9μ
m)0.6重量部とを190℃に設定されたベントタイ
プφ65mm押出機(L/D=35)のホッパーに供給
し、ベント部よりフロン114を40kg/cm2 の圧
力で圧入し、15kg/時間の吐出量で167℃に設定
されたφ2mmの口金よりロッド状に押し出して発泡体
シートを得た。更に架橋を進行させるために80℃の熱
水に浸漬した。その後の発泡体の、発泡倍率、耐油性、
耐クリープ性、耐熱性、引張強度及び透湿性を測定し、
その結果を表1に示した。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明は、上述の通りの構成となされ、
一般式(1) で表される短鎖ポリエステル成分からなるハ
ードセグメント成分と、一般式(2) 又は一般式(3) で表
されるソフトセグメント成分とのブロック性が高く、耐
熱性、耐油性に加えて耐クリープ性にも優れたエステル
系エラストマーからなり、これまで知られていた発泡体
では兼ね備えることのなかった、耐熱性が良好で、耐油
性及び耐クリープ性に優れた発泡体を提供するものであ
る。本発明に係るエステル系エラストマーからなる発泡
体は、各種用途における断熱材やシール材として極めて
実用的な有用性の高いものである。又、このようなエス
テル系エラストマー発泡体を用いてなる発泡体積層シー
トは、上述の幅広い用途に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 18/48 C08G 18/48 F //(C08G 18/42 101:00) C08L 75:04 (72)発明者 深谷 重一 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 野里 省二 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) で表される短鎖ポリエステル成
    分、及び、必要により一般式(2) で表される長鎖ポリエ
    ステル成分の繰り返しから構成され、前記短鎖ポリエス
    テル成分が50〜100 重量%、前記長鎖ポリエステル成分
    が50〜0 重量%であるポリエステル系共重合体(A) と、
    一般式(3) で表される繰り返し単位から構成されるポリ
    エーテル(B) とのブロック共重合体であって、ポリエス
    テル系共重合体(A) 及びポリエーテル(B) は一般式(4)
    で表されるウレタン結合成分(C) によって結合されてお
    り、ポリエステル系共重合体(A)100重量部に対して、ポ
    リエーテル(B)が50〜1500 重量部及びウレタン結合成
    分(C) が10〜300 重量部から構成されることを特徴とす
    るエステル系エラストマーからなる発泡体。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 〔式中、R0 は炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素
    基を示し、R1 、R3は互いに独立に炭素数2〜8のア
    ルキレン基を示し、R4 は炭素数2〜15のアルキレン
    基又はフェニレン基を示し、R2 は、−R5 −O−(式
    中、R5 は炭素数2〜8のアルキレン基を示す)で表さ
    れる繰り返し単位から構成される、数平均分子量500
    〜5000の成分を示す。〕
  2. 【請求項2】ポリエステル共重合体(A) の数平均分子量
    が300〜5000であることを特徴とする請求項1記
    載のエステル系エラストマー発泡体。
  3. 【請求項3】ポリエーテル(B) の数平均分子量が500
    〜5000であることを特徴とする請求項1又は2記載
    のエステル系エラストマー発泡体。
  4. 【請求項4】発泡体が発泡体シートであることを特徴と
    する請求項1〜3何れか1項記載のエステル系エラスト
    マー発泡体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の発泡体シートの少なくとも
    片面に不織布が積層されてなることを特徴とする発泡体
    積層シート。
  6. 【請求項6】請求項4記載の発泡体シートの少なくとも
    片面に熱可塑性樹脂が積層されてなることを特徴とする
    発泡体積層シート。
  7. 【請求項7】請求項6記載の発泡体積層シートの少なく
    とも片面に不織布を積層したことを特徴とする発泡体積
    層シート。
  8. 【請求項8】不織布の厚さが0.03〜5mmであるこ
    とを特徴とする請求項5又は7記載の発泡体積層シー
    ト。
  9. 【請求項9】不織布がポリオレフィン系不織布である請
    求項5、7、8いずれか1項記載の発泡体積層シート。
  10. 【請求項10】不織布がポリエステル系不織布である請
    求項5、7、8いずれか1項記載の発泡体積層シート。
  11. 【請求項11】不織布がポリアミド系不織布である請求
    項5、7、8いずれか1項記載の発泡体積層シート。
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