JP2000327779A - ポリアリーレンスルフィド及び、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド及び、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】(1)流動性が向上し又は、(2)流動性及び
結晶化速度が優れ、その結果、成形加工性が良好なPA
S及び、PAS樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(1)種結晶を用いて結晶を成長させた結
晶性ゼオライトを含有するPAS及び、そのようなPA
Sと無機充填剤とからなる樹脂組成物である。また、
(2)結晶性ゼオライトの平均粒径が5μm以上のもの
を含有するPAS及び、そのようなPASと無機充填剤
とからなる樹脂組成物である。
結晶化速度が優れ、その結果、成形加工性が良好なPA
S及び、PAS樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(1)種結晶を用いて結晶を成長させた結
晶性ゼオライトを含有するPAS及び、そのようなPA
Sと無機充填剤とからなる樹脂組成物である。また、
(2)結晶性ゼオライトの平均粒径が5μm以上のもの
を含有するPAS及び、そのようなPASと無機充填剤
とからなる樹脂組成物である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリアリー
レンスルフィド(以下「PAS」という)及びPAS樹
脂組成物に関する。さらに詳しくは、特定のゼオライト
を含有するPAS及び、そのようなPASとガラス繊維
等の無機充填剤からなるPAS樹脂組成物であって、流
動性等を改良し、成形加工性を向上した樹脂組成物に関
する。
レンスルフィド(以下「PAS」という)及びPAS樹
脂組成物に関する。さらに詳しくは、特定のゼオライト
を含有するPAS及び、そのようなPASとガラス繊維
等の無機充填剤からなるPAS樹脂組成物であって、流
動性等を改良し、成形加工性を向上した樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィドに代表される
PASは、優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐溶剤性、電
気絶縁性を活かし、自動車、電気・電子関連の部品等に
使用されてきた。しかし、PASの機械的強度等を更に
向上するために、PAS自体の分子量を増大させ、PA
Sにカップリング剤等を添加し、あるいはPASにガラ
ス繊維等の無機充填剤を配合する等種々の方法がとられ
ている。かかる場合、機械的強度等は向上するものの、
PASの流動性が低下することが多い。そのため、その
ようなPASや、PAS組成物を成形加工すると、流動
性不充分による成形加工性不良品が発生し生産効率を極
度に低下させる。
PASは、優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐溶剤性、電
気絶縁性を活かし、自動車、電気・電子関連の部品等に
使用されてきた。しかし、PASの機械的強度等を更に
向上するために、PAS自体の分子量を増大させ、PA
Sにカップリング剤等を添加し、あるいはPASにガラ
ス繊維等の無機充填剤を配合する等種々の方法がとられ
ている。かかる場合、機械的強度等は向上するものの、
PASの流動性が低下することが多い。そのため、その
ようなPASや、PAS組成物を成形加工すると、流動
性不充分による成形加工性不良品が発生し生産効率を極
度に低下させる。
【0003】また、一般にPASは、ナイロン6,ナイ
ロン66等他の結晶性エンジニアリングプラスチックと
比べて、結晶化速度が遅いという欠点を有する。結晶化
速度が遅いと、成形サイクル時間が長く、成形に長時間
を要するとともに離型性不良の原因にもなるため、生産
効率を一層低下させる。従って、PAS又は、PAS樹
脂組成物の流動性を向上することが不可欠であるととも
に、結晶化速度を速くする技術の開発が要望されてい
た。
ロン66等他の結晶性エンジニアリングプラスチックと
比べて、結晶化速度が遅いという欠点を有する。結晶化
速度が遅いと、成形サイクル時間が長く、成形に長時間
を要するとともに離型性不良の原因にもなるため、生産
効率を一層低下させる。従って、PAS又は、PAS樹
脂組成物の流動性を向上することが不可欠であるととも
に、結晶化速度を速くする技術の開発が要望されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流動性を向
上したPAS及び、PAS樹脂組成物を提供すること
(第一の発明)、更には、流動性を向上し、しかも、結
晶化速度が速いPAS及びそのようなPASと無機充填
剤との樹脂組成物を提供すること(第二の発明)を目的
とする。
上したPAS及び、PAS樹脂組成物を提供すること
(第一の発明)、更には、流動性を向上し、しかも、結
晶化速度が速いPAS及びそのようなPASと無機充填
剤との樹脂組成物を提供すること(第二の発明)を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の結晶性
ゼオライトを含有するPASが流動性向上効果を示すこ
と(第一の発明)、更にまた、結晶性ゼオライトで、限
定された平均粒径のものは、前記PASの流動性向上効
果を有するとともに結晶化速度も速くすること(第二の
発明)を発見し、かかる知見に基づいて完成したもので
ある。従って、本発明の要旨は以下の通りである。
ゼオライトを含有するPASが流動性向上効果を示すこ
と(第一の発明)、更にまた、結晶性ゼオライトで、限
定された平均粒径のものは、前記PASの流動性向上効
果を有するとともに結晶化速度も速くすること(第二の
発明)を発見し、かかる知見に基づいて完成したもので
ある。従って、本発明の要旨は以下の通りである。
【0006】〔1〕(A)ポリアリーレンスルフィドと
(B)種結晶の存在下で結晶を成長させて製造された結
晶性ゼオライトを含有するポリアリーレンスルフィド。 〔2〕結晶性ゼオライトの製造に用いる種結晶が、モル
デナイト、ZSM−5型ゼオライト、A型ゼオライト、
X型ゼオライト,Y型ゼオライトから選ばれた1種以上
のゼオライトである上記〔1〕に記載のポリアリーレン
スルフィド。
(B)種結晶の存在下で結晶を成長させて製造された結
晶性ゼオライトを含有するポリアリーレンスルフィド。 〔2〕結晶性ゼオライトの製造に用いる種結晶が、モル
デナイト、ZSM−5型ゼオライト、A型ゼオライト、
X型ゼオライト,Y型ゼオライトから選ばれた1種以上
のゼオライトである上記〔1〕に記載のポリアリーレン
スルフィド。
【0007】〔3〕結晶性ゼオライトがシリカ、アルミ
ナ、アルカリ金属、水からなる原料混合物に種結晶であ
る結晶性ゼオライトを存在させて、結晶性ゼオライトが
生成するに必要な温度、時間及び反応系のpHを調整し
製造したものである上記〔1〕又は〔2〕に記載のポリ
アリーレンスルフィド。 〔4〕(A)ポリアリーレンスルフィドと(B)平均粒
径が5μm以上の結晶性ゼオライトを含有するポリアリ
ーレンスルフィド。
ナ、アルカリ金属、水からなる原料混合物に種結晶であ
る結晶性ゼオライトを存在させて、結晶性ゼオライトが
生成するに必要な温度、時間及び反応系のpHを調整し
製造したものである上記〔1〕又は〔2〕に記載のポリ
アリーレンスルフィド。 〔4〕(A)ポリアリーレンスルフィドと(B)平均粒
径が5μm以上の結晶性ゼオライトを含有するポリアリ
ーレンスルフィド。
【0008】〔5〕結晶性ゼオライトが、種結晶の存在
下で結晶を成長させて製造された結晶性ゼオライトであ
る上記〔4〕に記載のポリアリーレンスルフィド。 〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のポリアリ
ーレンスルフィドと(C)無機充填剤からなるポリアリ
ーレンスルフィド樹脂組成物。 〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のポリアリ
ーレンスルフィド又は、ポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物を射出成形してなる自動車部品又は電気・電子部
品。
下で結晶を成長させて製造された結晶性ゼオライトであ
る上記〔4〕に記載のポリアリーレンスルフィド。 〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のポリアリ
ーレンスルフィドと(C)無機充填剤からなるポリアリ
ーレンスルフィド樹脂組成物。 〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のポリアリ
ーレンスルフィド又は、ポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物を射出成形してなる自動車部品又は電気・電子部
品。
【0009】
【発明の実施の形態】〔(A)成分に用いるPAS〕本
発明の(A)成分に用いるPASは、特に制限はなく、
あらゆるPASが使用できる。但し、固有粘度η
ihr (dl/g)が0.1〜0.5のPASを用いれ
ば、機械的強度等に優れるため、更に、高性能なPAS
及びPAS樹脂組成物が得られる。
発明の(A)成分に用いるPASは、特に制限はなく、
あらゆるPASが使用できる。但し、固有粘度η
ihr (dl/g)が0.1〜0.5のPASを用いれ
ば、機械的強度等に優れるため、更に、高性能なPAS
及びPAS樹脂組成物が得られる。
【0010】一般にPASは、構造式〔−Ar−S−〕
(ただし、Arはアリーレン基、Sはイオウである)で
示される繰り返し単位を含有する重合体で、その好まし
い代表的例は、下記化学式(I)
(ただし、Arはアリーレン基、Sはイオウである)で
示される繰り返し単位を含有する重合体で、その好まし
い代表的例は、下記化学式(I)
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Rは炭素数6以下のアルキル基、
アルコキシ基、フェニル基、カルボキシル基もしくはそ
の金属塩、ニトロ基、及びフッ素、塩素、臭素等のハロ
ゲン原子から選ばれる置換基であり、mは0〜4の整数
である。)で示される繰り返し単位を70モル%以上有
するポリアリーレンスルフィドである。当該繰り返し単
位が70モル%未満だと結晶性ポリマーとしての特徴で
ある本来の結晶成分が少なく、機械的強度が不充分とな
る場合がある。
アルコキシ基、フェニル基、カルボキシル基もしくはそ
の金属塩、ニトロ基、及びフッ素、塩素、臭素等のハロ
ゲン原子から選ばれる置換基であり、mは0〜4の整数
である。)で示される繰り返し単位を70モル%以上有
するポリアリーレンスルフィドである。当該繰り返し単
位が70モル%未満だと結晶性ポリマーとしての特徴で
ある本来の結晶成分が少なく、機械的強度が不充分とな
る場合がある。
【0013】さらに、単独重合体のほか共重合体でもよ
い。その共重合構成単位として、メタフェニレンスルフ
ィド単位、オルソフェニレンスルフィド単位、p−p’
−ジフェニレンケトンスルフィド単位、p−p’−ジフ
ェニレンスルホンスルフィド、p−p’−ビフェニレン
スルフィド単位、p−p’−ジフェニレンメチレンスル
フィド単位、p−p’−ジフェニレンクメニルスルフィ
ド単位、ナフチルスルフィド単位などが挙げられる。
い。その共重合構成単位として、メタフェニレンスルフ
ィド単位、オルソフェニレンスルフィド単位、p−p’
−ジフェニレンケトンスルフィド単位、p−p’−ジフ
ェニレンスルホンスルフィド、p−p’−ビフェニレン
スルフィド単位、p−p’−ジフェニレンメチレンスル
フィド単位、p−p’−ジフェニレンクメニルスルフィ
ド単位、ナフチルスルフィド単位などが挙げられる。
【0014】また、本発明のPASは、実質的に線状構
造を有するポリマーであることが好ましいが、性能を妨
げない範囲で、モノマーの一部分として3個以上の官能
基を有するモノマーを少量使用して重合した分岐構造、
あるいは架橋構造を有するポリマーであってもよい。ま
た、これを前記の実質的に線状構造を有するポリマーに
ブレンドして用いてもよい。
造を有するポリマーであることが好ましいが、性能を妨
げない範囲で、モノマーの一部分として3個以上の官能
基を有するモノマーを少量使用して重合した分岐構造、
あるいは架橋構造を有するポリマーであってもよい。ま
た、これを前記の実質的に線状構造を有するポリマーに
ブレンドして用いてもよい。
【0015】このPASの製造方法は、カルボン酸のア
ルカリ金属塩を触媒とし、N−メチルピロリドン等の溶
媒中で、p−ジクロルベンゼンと硫化ソ−ダを反応させ
る方法(特公昭45−3368、特公昭52−1224
0)、同様な方法で、水を触媒とする方法(特公昭63
−33775)等の任意の方法で製造できる。
ルカリ金属塩を触媒とし、N−メチルピロリドン等の溶
媒中で、p−ジクロルベンゼンと硫化ソ−ダを反応させ
る方法(特公昭45−3368、特公昭52−1224
0)、同様な方法で、水を触媒とする方法(特公昭63
−33775)等の任意の方法で製造できる。
【0016】〔(B)成分に用いるゼオライト〕本出願
の第一発明の(B)成分に用いるゼオライトは、種結晶
を用いて結晶を成長させた結晶性ゼオライトであること
が必要である。このような結晶性ゼオライトを用いる
と、PASの顕著な流動性向上効果が認められるからで
ある。
の第一発明の(B)成分に用いるゼオライトは、種結晶
を用いて結晶を成長させた結晶性ゼオライトであること
が必要である。このような結晶性ゼオライトを用いる
と、PASの顕著な流動性向上効果が認められるからで
ある。
【0017】ここで、問題とする流動性は、溶融粘弾性
量の低下、具体的には、複素粘性率η’と貯蔵弾性率
G’の値によって評価することができる。この種結晶を
用いて結晶を成長させた結晶性ゼオライトは、下記の方
法によって効率的に製造することができる。その方法
は、シリカ、アルミナ、アルカリ金属、水からなる原料
混合物に種結晶である結晶性ゼオライトを存在させて、
結晶性ゼオライトが生成するに必要な温度、時間及び反
応系のpHを調整して製造するものである。
量の低下、具体的には、複素粘性率η’と貯蔵弾性率
G’の値によって評価することができる。この種結晶を
用いて結晶を成長させた結晶性ゼオライトは、下記の方
法によって効率的に製造することができる。その方法
は、シリカ、アルミナ、アルカリ金属、水からなる原料
混合物に種結晶である結晶性ゼオライトを存在させて、
結晶性ゼオライトが生成するに必要な温度、時間及び反
応系のpHを調整して製造するものである。
【0018】この製造法に用いるシリカ源は、特に制限
はないが、シリカ粉末、ケイ酸、コロイド状シリカ、溶
解シリカなどがある。溶解シリカとしては、Na2 O又
はK 2 O 1モルに対してSiO2 1〜5モルを含有す
る水ガラスケイ酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩などが挙げ
られる。また、アルミナ源としては、特に制限はない
が、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニ
ウムの硫酸塩、硝酸塩、アルミン酸ナトリウム、コロイ
ド状アルミナあるいはアルミナなどが用いられる。
はないが、シリカ粉末、ケイ酸、コロイド状シリカ、溶
解シリカなどがある。溶解シリカとしては、Na2 O又
はK 2 O 1モルに対してSiO2 1〜5モルを含有す
る水ガラスケイ酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩などが挙げ
られる。また、アルミナ源としては、特に制限はない
が、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニ
ウムの硫酸塩、硝酸塩、アルミン酸ナトリウム、コロイ
ド状アルミナあるいはアルミナなどが用いられる。
【0019】本発明の原料混合物中のシリカとアルミナ
の比は、SiO2 /Al2 O3 のモル比で5〜100
0、さらには、10〜500,特に20〜200が好ま
しい。次に、アルカリ金属としては水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムが用いられる。さらに、ケイ酸ナトリウ
ム、アルミン酸ナトリウムを用いてシリカ、アルミナの
供給源を兼ねることもできる。このアルカリ金属はM2
Oとしてシリカ(SiO2 )1モルに対して通常0.0
1〜50モル,好ましくは0.1〜10モル使用する。
の比は、SiO2 /Al2 O3 のモル比で5〜100
0、さらには、10〜500,特に20〜200が好ま
しい。次に、アルカリ金属としては水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムが用いられる。さらに、ケイ酸ナトリウ
ム、アルミン酸ナトリウムを用いてシリカ、アルミナの
供給源を兼ねることもできる。このアルカリ金属はM2
Oとしてシリカ(SiO2 )1モルに対して通常0.0
1〜50モル,好ましくは0.1〜10モル使用する。
【0020】一方、種結晶として好適に使用できるもの
は、結晶性ゼオライトの粉末であり、特に、モルデナイ
ト、ゼオライトZSM−5,A型ゼオライト、X型ゼオ
ライト、Y型ゼオライト等の粉末が挙げられる。この粉
末は平均粒径は特に制限はないが、1〜20μmのもの
が好適に使用できる。この種結晶の量は、特に限定はな
いが、通常原料シリカ(SiO2 )に対して0.01〜
10重量%,好ましくは0.05〜5重量%の範囲で添
加される。
は、結晶性ゼオライトの粉末であり、特に、モルデナイ
ト、ゼオライトZSM−5,A型ゼオライト、X型ゼオ
ライト、Y型ゼオライト等の粉末が挙げられる。この粉
末は平均粒径は特に制限はないが、1〜20μmのもの
が好適に使用できる。この種結晶の量は、特に限定はな
いが、通常原料シリカ(SiO2 )に対して0.01〜
10重量%,好ましくは0.05〜5重量%の範囲で添
加される。
【0021】なお、水の量は特に限定されない。また、
この際必要により結晶化促進のため、砿化剤を加えるこ
ともできる。
この際必要により結晶化促進のため、砿化剤を加えるこ
ともできる。
【0022】本出願の第一の発明に用いる結晶性ゼオラ
イトは、シリカ、アルミナ、アルカリ金属、水及び種結
晶である結晶性ゼオライト粉末からなる原料混合物を結
晶性ゼオライトが生成するに必要な温度及び時間加熱す
ればよい。例えば、反応温度は80〜300℃,好まし
くは120〜200℃の範囲であり、反応時間は0.5
時間〜30日、好ましくは5時間〜5日である。圧力に
ついては、特に制限はなく、通常自己圧力下で実施され
る。
イトは、シリカ、アルミナ、アルカリ金属、水及び種結
晶である結晶性ゼオライト粉末からなる原料混合物を結
晶性ゼオライトが生成するに必要な温度及び時間加熱す
ればよい。例えば、反応温度は80〜300℃,好まし
くは120〜200℃の範囲であり、反応時間は0.5
時間〜30日、好ましくは5時間〜5日である。圧力に
ついては、特に制限はなく、通常自己圧力下で実施され
る。
【0023】更に、本ゼオライトの製造にあたっては、
反応系のpHの調整が必要であり、pHは9〜12、特
に、9.5〜11の範囲に調整するのが好ましい。これ
によって、良好な結晶性ゼオライトを得ることができ
る。合成反応は、通常攪拌下において、必要に応じて不
活性ガスで置換して行う。この合成反応は、結晶性ゼオ
ライトが十分生成するまで継続され、生成が完了した反
応混合物は室温まで冷却した後、ろ過、デカンテ−ショ
ン、遠心分離などにより、結晶を分離し、水で十分洗浄
し結晶を得る。この結晶を通常100℃以上で数時間程
度乾燥することにより結晶性ゼオライトを得ることがで
きる。
反応系のpHの調整が必要であり、pHは9〜12、特
に、9.5〜11の範囲に調整するのが好ましい。これ
によって、良好な結晶性ゼオライトを得ることができ
る。合成反応は、通常攪拌下において、必要に応じて不
活性ガスで置換して行う。この合成反応は、結晶性ゼオ
ライトが十分生成するまで継続され、生成が完了した反
応混合物は室温まで冷却した後、ろ過、デカンテ−ショ
ン、遠心分離などにより、結晶を分離し、水で十分洗浄
し結晶を得る。この結晶を通常100℃以上で数時間程
度乾燥することにより結晶性ゼオライトを得ることがで
きる。
【0024】このようにして得られた結晶性ゼオライト
は、更に、空気中で300〜700℃の温度で2〜48
時間程度焼成して活性化したり、結晶性ゼオライト中に
存在するアルカリ金属イオンの一部又は全部を他のカチ
オンの少なくとも一種とイオン交換することができる。
このイオン交換は周知の方法で行えばよく、適当なカチ
オンとしては金属イオン、アンモニウムイオン、水素イ
オン及びこれらの混合物があり、金属イオンとしてはリ
チウム、銀、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ア
ルミニウム、マンガン、コバルト、ニッケルあるいは希
土類金属のカチオンを例示することができる。
は、更に、空気中で300〜700℃の温度で2〜48
時間程度焼成して活性化したり、結晶性ゼオライト中に
存在するアルカリ金属イオンの一部又は全部を他のカチ
オンの少なくとも一種とイオン交換することができる。
このイオン交換は周知の方法で行えばよく、適当なカチ
オンとしては金属イオン、アンモニウムイオン、水素イ
オン及びこれらの混合物があり、金属イオンとしてはリ
チウム、銀、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ア
ルミニウム、マンガン、コバルト、ニッケルあるいは希
土類金属のカチオンを例示することができる。
【0025】本出願の第二の発明において(B)成分に
用いるゼオライトは、平均粒径が5μm以上、好ましく
は8μm以上であることが必要である。このような平均
粒径を有する結晶性ゼオライトをPASに配合すると、
PASの流動性を向上すると同時に、結晶化速度を速く
する効果をも示す。このような平均粒径の結晶性ゼオラ
イトの製造方法は、特に制限はないが、前記第一の発明
に用いる(B)成分の製造方法で、種結晶としての結晶
性ゼオライト粉末の平均粒径を大きくすることによって
容易に製造できる。ここでいう種結晶の平均粒径が大き
いとは、通常3μm以上、さらには5μm以上であるこ
とが好ましい。
用いるゼオライトは、平均粒径が5μm以上、好ましく
は8μm以上であることが必要である。このような平均
粒径を有する結晶性ゼオライトをPASに配合すると、
PASの流動性を向上すると同時に、結晶化速度を速く
する効果をも示す。このような平均粒径の結晶性ゼオラ
イトの製造方法は、特に制限はないが、前記第一の発明
に用いる(B)成分の製造方法で、種結晶としての結晶
性ゼオライト粉末の平均粒径を大きくすることによって
容易に製造できる。ここでいう種結晶の平均粒径が大き
いとは、通常3μm以上、さらには5μm以上であるこ
とが好ましい。
【0026】第一発明及び第二の発明の(B)成分に用
いる結晶性ゼオライトの配合量は、特に制限はないが、
PAS100重量部に対し0.1〜10重量部、さらに
は、1〜7重量部,特に3〜5重量部であることが好ま
しい。0.1重量部未満では所望の流動性、結晶化速度
効果が認められず、10重量部を超えると効果が飽和
し、機械的強度が低下する可能性があるからである。
いる結晶性ゼオライトの配合量は、特に制限はないが、
PAS100重量部に対し0.1〜10重量部、さらに
は、1〜7重量部,特に3〜5重量部であることが好ま
しい。0.1重量部未満では所望の流動性、結晶化速度
効果が認められず、10重量部を超えると効果が飽和
し、機械的強度が低下する可能性があるからである。
【0027】〔PAS樹脂組成物〕本発明のPAS樹脂
組成物は、上述の(A)PASと(B)結晶性ゼオライ
ト及び(C)無機充填剤からなるPAS樹脂組成物であ
る。ここで、(C)成分の配合量は、PAS100重量
部に対して10〜300重量部,さらには20〜200
重量部、特に30〜100重量部配合して使用すること
が好ましい。無機充填剤が300重量部を超えると流動
性が低下し、10重量部より少なくなると寸法安定性が
悪くなる場合がある。
組成物は、上述の(A)PASと(B)結晶性ゼオライ
ト及び(C)無機充填剤からなるPAS樹脂組成物であ
る。ここで、(C)成分の配合量は、PAS100重量
部に対して10〜300重量部,さらには20〜200
重量部、特に30〜100重量部配合して使用すること
が好ましい。無機充填剤が300重量部を超えると流動
性が低下し、10重量部より少なくなると寸法安定性が
悪くなる場合がある。
【0028】なお、この場合、樹脂組成物中にカップリ
ング剤を存在させることが好ましく、カップリング剤
は、無機充填剤に予めカップリング処理していれば、そ
の処理程度に応じて添加量を調整すればよく、それが充
分であれば追加的には必要ではないし、全く未処理であ
れば(A)PAS樹脂100重量部に対して0.1〜
3.0重量部を添加すればよい。その際、カップリング
剤の添加量が3.0重量部より多くしても増量効果が期
待できないし、0.1重量部より少なければ機械的強度
が向上しない場合がある。
ング剤を存在させることが好ましく、カップリング剤
は、無機充填剤に予めカップリング処理していれば、そ
の処理程度に応じて添加量を調整すればよく、それが充
分であれば追加的には必要ではないし、全く未処理であ
れば(A)PAS樹脂100重量部に対して0.1〜
3.0重量部を添加すればよい。その際、カップリング
剤の添加量が3.0重量部より多くしても増量効果が期
待できないし、0.1重量部より少なければ機械的強度
が向上しない場合がある。
【0029】本発明に用いる無機充填剤としては、ガラ
ス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウ
イスカ、炭化ケイ素ウイスカ、マイカセラミック繊維、
ウオストナイト、マイカ、タルク、シリカ、アルミナ、
カオリン、クレー、シリカアルミナ、カーボンブラッ
ク、炭酸カルシウム、酸化チタン、炭酸リチウム、二硫
化モリブデン、黒鉛、酸化鉄、ガラスビーズ、燐酸カル
シウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸マグ
ネシウム、窒化ケイ素、ハイドロタルサイト等を挙げる
ことができる。これらの無機充填剤を一種又は二種以上
組み合わせて使用することができる。また、これらの中
にあっては、特にガラス繊維がよい。
ス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウ
イスカ、炭化ケイ素ウイスカ、マイカセラミック繊維、
ウオストナイト、マイカ、タルク、シリカ、アルミナ、
カオリン、クレー、シリカアルミナ、カーボンブラッ
ク、炭酸カルシウム、酸化チタン、炭酸リチウム、二硫
化モリブデン、黒鉛、酸化鉄、ガラスビーズ、燐酸カル
シウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸マグ
ネシウム、窒化ケイ素、ハイドロタルサイト等を挙げる
ことができる。これらの無機充填剤を一種又は二種以上
組み合わせて使用することができる。また、これらの中
にあっては、特にガラス繊維がよい。
【0030】本発明に用いるガラス繊維としては、特に
制限はなく、アルカリガラス、低アルカリガラス、無ア
ルカリガラスのいずれでもよく、また、繊維長は好まし
くは0.1〜8mm、より好ましくは0.3〜6mmで
あって、繊維径は好ましくは0.1〜30μm、より好
ましくは0.5〜25μmである。繊維長が0.1mm
より小さければ補強効果が低いし、8mmより大きけれ
ば、流動性が低下する。また、繊維径は0.1μmより
小さければ流動性が低下するし、30μmより大きけれ
ば強度が低下する。更に、ガラス繊維の形態としては、
特に制限はなく、例えばロービング、ミルドファイバ
ー、チョップトストランドなどの各種のものが挙げられ
る。これらのガラス繊維は単独でも二種以上を組み合わ
せて用いることもできる。
制限はなく、アルカリガラス、低アルカリガラス、無ア
ルカリガラスのいずれでもよく、また、繊維長は好まし
くは0.1〜8mm、より好ましくは0.3〜6mmで
あって、繊維径は好ましくは0.1〜30μm、より好
ましくは0.5〜25μmである。繊維長が0.1mm
より小さければ補強効果が低いし、8mmより大きけれ
ば、流動性が低下する。また、繊維径は0.1μmより
小さければ流動性が低下するし、30μmより大きけれ
ば強度が低下する。更に、ガラス繊維の形態としては、
特に制限はなく、例えばロービング、ミルドファイバ
ー、チョップトストランドなどの各種のものが挙げられ
る。これらのガラス繊維は単独でも二種以上を組み合わ
せて用いることもできる。
【0031】また、ガラス繊維は、樹脂との親和性を高
めるために、アミノシラン系、エポキシシラン系、ビニ
ルシラン系、メタクリルシラン系等のシラン系カップリ
ング剤やテトラメチル・オルソチタネート、テトラエチ
ル・オルソチタネートほかチタネート系カップリング
剤、クロム錯化合物、ホウ素化合物で表面処理されたも
のであってもよい。前記したように、これらのカップリ
ング剤をガラス繊維に表面処理する代わり、別個に添加
して用いてもよい。
めるために、アミノシラン系、エポキシシラン系、ビニ
ルシラン系、メタクリルシラン系等のシラン系カップリ
ング剤やテトラメチル・オルソチタネート、テトラエチ
ル・オルソチタネートほかチタネート系カップリング
剤、クロム錯化合物、ホウ素化合物で表面処理されたも
のであってもよい。前記したように、これらのカップリ
ング剤をガラス繊維に表面処理する代わり、別個に添加
して用いてもよい。
【0032】なお、本発明の樹脂組成物には、本発明の
効果を損なわない範囲で耐候剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤等添加剤を添加しても
よい。
効果を損なわない範囲で耐候剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤等添加剤を添加しても
よい。
【0033】前記したようにPAS、無機充填剤を所定
の配合比で配合し、リボンタンブラー、ヘンシェルミキ
サー、バンバリミキサー、ドラムタンブラー、単軸スク
リュー押出機、二軸スクリュー押出機等により混練する
ことができる。混練温度は、通常280〜320℃が適
当である。
の配合比で配合し、リボンタンブラー、ヘンシェルミキ
サー、バンバリミキサー、ドラムタンブラー、単軸スク
リュー押出機、二軸スクリュー押出機等により混練する
ことができる。混練温度は、通常280〜320℃が適
当である。
【0034】〔用途〕前記したPAS及びPAS樹脂組
成物は、PAS本来の機械的強度を有し、同時に流動性
が高く、結晶化速度が速くて成形加工性に優れるため、
薄肉で複雑な形状を有し、高温で高強度の材料性能が要
求される自動車部品、特にエンジンまわり、ラジエータ
部品、キャップ、ホースクリップ、配線用コネクターの
他電気・電子部品等に好適に用いることができる。
成物は、PAS本来の機械的強度を有し、同時に流動性
が高く、結晶化速度が速くて成形加工性に優れるため、
薄肉で複雑な形状を有し、高温で高強度の材料性能が要
求される自動車部品、特にエンジンまわり、ラジエータ
部品、キャップ、ホースクリップ、配線用コネクターの
他電気・電子部品等に好適に用いることができる。
【0035】
【実施例】本発明について、更に、実施例を用いて詳細
に説明する。なお、実施例で用いた試験方法は、以下の
とおりである。 〔固有粘度〕ポリマ−サンプル0.04g±0.001
gをα−クロロナフタレン10cc中に235℃、15
分間内で溶解させ、206℃の恒温槽内で得られる粘度
とポリマーを溶解させていないα−クロロナフタレンの
粘度との相対粘度を測定した。固有粘度ηihr は、次式
で示される値を用いた。 ηihr =ln( 相対粘度) / ポリマー濃度 [dl/g]
に説明する。なお、実施例で用いた試験方法は、以下の
とおりである。 〔固有粘度〕ポリマ−サンプル0.04g±0.001
gをα−クロロナフタレン10cc中に235℃、15
分間内で溶解させ、206℃の恒温槽内で得られる粘度
とポリマーを溶解させていないα−クロロナフタレンの
粘度との相対粘度を測定した。固有粘度ηihr は、次式
で示される値を用いた。 ηihr =ln( 相対粘度) / ポリマー濃度 [dl/g]
【0036】〔溶融粘弾性の測定〕PASとガラス繊維
とを溶融混練した複合化ペレット試料を、卓上テストプ
レス(進藤金属工業(株)製)を用いて320℃で厚さ
1mmのシ−トを作成した。このシ−トを用い、レオメ
トリック社製RMS−800パラレルプレ−ト型によ
り、溶融粘弾性の周波数依存性曲線を測定した。測定条
件は、320℃,窒素雰囲気で、周波数領域0.01〜
100rad/secである。この曲線の周波数ω=
1.0rad/secに対応する複素粘性率η’(Pa
s)と貯蔵弾性率G’(Pa)とを求めた。
とを溶融混練した複合化ペレット試料を、卓上テストプ
レス(進藤金属工業(株)製)を用いて320℃で厚さ
1mmのシ−トを作成した。このシ−トを用い、レオメ
トリック社製RMS−800パラレルプレ−ト型によ
り、溶融粘弾性の周波数依存性曲線を測定した。測定条
件は、320℃,窒素雰囲気で、周波数領域0.01〜
100rad/secである。この曲線の周波数ω=
1.0rad/secに対応する複素粘性率η’(Pa
s)と貯蔵弾性率G’(Pa)とを求めた。
【0037】〔半量結晶化時間の測定〕上記と同じ方法
で100μmのフイ ルムを作成し、そこから5mgを採
取した。この試料を、示差走査熱量計(パ−キンエルマ
−社製DSC−7型)により、室温から10℃/min
の速度で320℃まで昇温し、320℃で5分間保持
後、200℃/minで265℃まで降温し、265℃
で保持して等温結晶化曲線を測定した。得られた等温結
晶化曲線から結晶化量が50%に対応する時間を算出し
て、半量結晶化時間t1/2 (sec)とした。
で100μmのフイ ルムを作成し、そこから5mgを採
取した。この試料を、示差走査熱量計(パ−キンエルマ
−社製DSC−7型)により、室温から10℃/min
の速度で320℃まで昇温し、320℃で5分間保持
後、200℃/minで265℃まで降温し、265℃
で保持して等温結晶化曲線を測定した。得られた等温結
晶化曲線から結晶化量が50%に対応する時間を算出し
て、半量結晶化時間t1/2 (sec)とした。
【0038】〔平均粒径の測定〕マルバ−ン粒度分布測
定装置(シイベルヘグナ−社製 マスサイザ−MS2
0)を用い、濃度0.2%の水系で粒度分布を測定し、
その結果から平均粒径(D 50)を求めた。
定装置(シイベルヘグナ−社製 マスサイザ−MS2
0)を用い、濃度0.2%の水系で粒度分布を測定し、
その結果から平均粒径(D 50)を求めた。
【0039】〔結晶性ゼオライト(1)の合成〕硫酸ア
ルミニウム(18水塩)18.8g,硫酸(97%)1
7.6g及び水250mlを溶液としたものをA液とす
る。水ガラス(SiO2 37.6重量%,Na2 O 1
7.5重量%,水44.9重量%)162g,水300
mlを溶液としたものをB液とする。塩化ナトリウム7
2g,水122mlを溶液としたものをC液とする。C
液を攪拌しながら、これに室温でA液、B液を徐々に滴
下した。この原料混合物に、種結晶として用いるモルデ
ナイトの粉末(平均粒径8μm)1gを添加した後、p
Hを10.0に調整し、1Lのオ−トクレ−ブ中に入れ
て回転数200rpmで攪拌しながら170℃,自己圧
力下にて20時間反応させた。反応混合物を冷却した
後、1Lの水で5回洗浄した。次いで、ろ過により固形
分を分離し、その固形分を120℃で3時間乾燥して、
55gの結晶性(アルミノシリケ−ト)ゼオライト
(1)を得た。この結晶性ゼオライト(1)は、平均粒
径(D50)が10.0μm、ケイバン比(SiO2 /A
l2 O3 のモル比)38.0,結晶化度90%以上であ
った。
ルミニウム(18水塩)18.8g,硫酸(97%)1
7.6g及び水250mlを溶液としたものをA液とす
る。水ガラス(SiO2 37.6重量%,Na2 O 1
7.5重量%,水44.9重量%)162g,水300
mlを溶液としたものをB液とする。塩化ナトリウム7
2g,水122mlを溶液としたものをC液とする。C
液を攪拌しながら、これに室温でA液、B液を徐々に滴
下した。この原料混合物に、種結晶として用いるモルデ
ナイトの粉末(平均粒径8μm)1gを添加した後、p
Hを10.0に調整し、1Lのオ−トクレ−ブ中に入れ
て回転数200rpmで攪拌しながら170℃,自己圧
力下にて20時間反応させた。反応混合物を冷却した
後、1Lの水で5回洗浄した。次いで、ろ過により固形
分を分離し、その固形分を120℃で3時間乾燥して、
55gの結晶性(アルミノシリケ−ト)ゼオライト
(1)を得た。この結晶性ゼオライト(1)は、平均粒
径(D50)が10.0μm、ケイバン比(SiO2 /A
l2 O3 のモル比)38.0,結晶化度90%以上であ
った。
【0040】〔結晶性ゼオライト(2)の合成〕種結晶
として用いるモルデナイトの粉末の平均粒径が2μmで
ある以外は、上記結晶性ゼオライト(1)の合成と同一
の方法で合成し、結晶性ゼオライト(2)を得た。平均
粒径(D50)は2.37μm、ケイバン比32.4、結
晶化度90%以上であった。 〔結晶性ゼオライト(3)〕ゼオライトLV−X(ト−
プレン株式会社製)を用いた。このゼオライトの平均粒
径(D50)は1.40μm、ケイバン比2.12であっ
た。結晶性ゼオライト(1)〜(3)の性状等を表1に
示した。
として用いるモルデナイトの粉末の平均粒径が2μmで
ある以外は、上記結晶性ゼオライト(1)の合成と同一
の方法で合成し、結晶性ゼオライト(2)を得た。平均
粒径(D50)は2.37μm、ケイバン比32.4、結
晶化度90%以上であった。 〔結晶性ゼオライト(3)〕ゼオライトLV−X(ト−
プレン株式会社製)を用いた。このゼオライトの平均粒
径(D50)は1.40μm、ケイバン比2.12であっ
た。結晶性ゼオライト(1)〜(3)の性状等を表1に
示した。
【0041】〔実施例1〕ポリフェニレンサルファイド
ト−プレンLR2G(ト−プレン株式会社製,固有粘
度 ηihr 0.22dl/g)100重量部に合成した
結晶性ゼオライト(1)を3.3重量部ドライブレンド
した後、ガラス繊維(旭ファイバ−ガラス株式会社製F
T591)67重量部をブレンドし、20mmΦ単軸押
出機(田辺プラスチック株式会社製)を用い温度320
℃,回転数80rpmで溶融混練し、複合化ペレットを
得た。この試料について、溶融粘弾性と半量結晶化時間
を測定した。複素粘性率η’は667Pas、貯蔵弾性
率G’は130Paであり、半量結晶化時間t1/2 は5
76secであった。
ト−プレンLR2G(ト−プレン株式会社製,固有粘
度 ηihr 0.22dl/g)100重量部に合成した
結晶性ゼオライト(1)を3.3重量部ドライブレンド
した後、ガラス繊維(旭ファイバ−ガラス株式会社製F
T591)67重量部をブレンドし、20mmΦ単軸押
出機(田辺プラスチック株式会社製)を用い温度320
℃,回転数80rpmで溶融混練し、複合化ペレットを
得た。この試料について、溶融粘弾性と半量結晶化時間
を測定した。複素粘性率η’は667Pas、貯蔵弾性
率G’は130Paであり、半量結晶化時間t1/2 は5
76secであった。
【0042】〔実施例2〕結晶性ゼオライト(1)の代
わりに結晶性ゼオライト(2)を用いた以外は、実施例
1と同様にして複合化ペレットを得た。複合材料の複素
粘性率η’は737Pas、貯蔵弾性率G’は137P
aであった。また、半量結晶化時間t1/2は1090s
ecを示した。
わりに結晶性ゼオライト(2)を用いた以外は、実施例
1と同様にして複合化ペレットを得た。複合材料の複素
粘性率η’は737Pas、貯蔵弾性率G’は137P
aであった。また、半量結晶化時間t1/2は1090s
ecを示した。
【0043】〔比較例1〕結晶性ゼオライトを添加せず
に、ト−プレンLR2G100重量部とガラス繊維67
重量部のみを用いて、実施例1と同様の方法で複合化ペ
レットを得た。この複合材料の複素粘性率η’は107
0Pas、貯蔵弾性率G’は234Paであった。ま
た、半量結晶化時間t1/2 は960secであった。 〔比較例2〕結晶性ゼオライト(1)の代わりに結晶性
ゼオライト(3)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て複合化ペレットを得た。複合材料の複素粘性率η’は
743Pas、貯蔵弾性率G’は154Paであった。
また、半量結晶化時間t1/2は858secを示した。
実施例、比較例の複合材料の性質を表2に纏めて示し
た。
に、ト−プレンLR2G100重量部とガラス繊維67
重量部のみを用いて、実施例1と同様の方法で複合化ペ
レットを得た。この複合材料の複素粘性率η’は107
0Pas、貯蔵弾性率G’は234Paであった。ま
た、半量結晶化時間t1/2 は960secであった。 〔比較例2〕結晶性ゼオライト(1)の代わりに結晶性
ゼオライト(3)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て複合化ペレットを得た。複合材料の複素粘性率η’は
743Pas、貯蔵弾性率G’は154Paであった。
また、半量結晶化時間t1/2は858secを示した。
実施例、比較例の複合材料の性質を表2に纏めて示し
た。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】種結晶の存在下で結晶を成長させて製造
された結晶性ゼオライトを含有するPASとガラス繊維
との複合材料は、結晶性ゼオライト無添加品、種結晶を
使用しないで製造された結晶性ゼオライト添加品より、
複素粘性率η’及び貯蔵弾性率G’が低い(実施例1、
2と、比較例1,2との比較)。つまり、流動性が向上
する効果が認められる。また、平均粒径(D50)が5μ
m以上の結晶性ゼオライトを含有するPASとガラス繊
維との複合材料は、結晶性ゼオライトで平均粒径が3μ
m以下の結晶性ゼオライトを用いたものと比較して、複
素粘性率η’及び貯蔵弾性率G’が低いとともに半量結
晶化時間t1/2 が著しく短くなる(実施例1と実施例2
の比較)。つまり、製造時間の大幅短縮が可能であっ
て、成形加工性が高い。
された結晶性ゼオライトを含有するPASとガラス繊維
との複合材料は、結晶性ゼオライト無添加品、種結晶を
使用しないで製造された結晶性ゼオライト添加品より、
複素粘性率η’及び貯蔵弾性率G’が低い(実施例1、
2と、比較例1,2との比較)。つまり、流動性が向上
する効果が認められる。また、平均粒径(D50)が5μ
m以上の結晶性ゼオライトを含有するPASとガラス繊
維との複合材料は、結晶性ゼオライトで平均粒径が3μ
m以下の結晶性ゼオライトを用いたものと比較して、複
素粘性率η’及び貯蔵弾性率G’が低いとともに半量結
晶化時間t1/2 が著しく短くなる(実施例1と実施例2
の比較)。つまり、製造時間の大幅短縮が可能であっ
て、成形加工性が高い。
【0047】従って、種結晶の存在下で結晶を成長させ
て製造された結晶性ゼオライト又は、平均粒径(D50)
が5μm以上の結晶性ゼオライトを含有するPAS及
び、そのようなPASとガラス繊維等の無機充填剤とか
らなる複合材料は、成形加工性が極めて高い。
て製造された結晶性ゼオライト又は、平均粒径(D50)
が5μm以上の結晶性ゼオライトを含有するPAS及
び、そのようなPASとガラス繊維等の無機充填剤とか
らなる複合材料は、成形加工性が極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CL062 CN011 DA017 DA027 DA037 DE117 DE137 DE147 DE187 DE227 DE237 DE287 DG027 DH047 DJ006 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 DJ057 DL007 FA042 FA047 FA067 FA087 FD012 FD017 4J030 BA03 BA49 BB29 BB31 BC08 BC17 BF19 BG04 BG27
Claims (7)
- 【請求項1】(A)ポリアリーレンスルフィドと(B)
種結晶の存在下で結晶を成長させて製造された結晶性ゼ
オライトを含有するポリアリーレンスルフィド。 - 【請求項2】結晶性ゼオライトの製造に用いる種結晶
が、モルデナイト、ZSM−5型ゼオライト、A型ゼオ
ライト、X型ゼオライト,Y型ゼオライトから選ばれた
1種以上のゼオライトである請求項1に記載のポリアリ
ーレンスルフィド。 - 【請求項3】結晶性ゼオライトがシリカ、アルミナ、ア
ルカリ金属、水からなる原料混合物に種結晶である結晶
性ゼオライトを存在させて、結晶性ゼオライトが生成す
るに必要な温度、時間及び反応系のpHを調整し製造し
たものである請求項1又は2に記載のポリアリーレンス
ルフィド。 - 【請求項4】(A)ポリアリーレンスルフィドと(B)
平均粒径が5μm以上の結晶性ゼオライトを含有するポ
リアリーレンスルフィド。 - 【請求項5】結晶性ゼオライトが、種結晶の存在下で結
晶を成長させて製造された結晶性ゼオライトである請求
項4に記載のポリアリーレンスルフィド。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のポリアリ
ーレンスルフィドと(C)無機充填剤からなるポリアリ
ーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のポリアリ
ーレンスルフィド又は、ポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物を射出成形してなる自動車部品又は電気・電子部
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11138857A JP2000327779A (ja) | 1999-05-19 | 1999-05-19 | ポリアリーレンスルフィド及び、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11138857A JP2000327779A (ja) | 1999-05-19 | 1999-05-19 | ポリアリーレンスルフィド及び、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000327779A true JP2000327779A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15231778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11138857A Pending JP2000327779A (ja) | 1999-05-19 | 1999-05-19 | ポリアリーレンスルフィド及び、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000327779A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020080289A1 (ja) * | 2018-10-16 | 2020-04-23 | Dic株式会社 | 樹脂組成物およびその成形体 |
WO2020171164A1 (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-27 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその成形体、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法ならびに成形体の製造方法 |
-
1999
- 1999-05-19 JP JP11138857A patent/JP2000327779A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020080289A1 (ja) * | 2018-10-16 | 2020-04-23 | Dic株式会社 | 樹脂組成物およびその成形体 |
JP2020063339A (ja) * | 2018-10-16 | 2020-04-23 | Dic株式会社 | 樹脂組成物およびその成形体 |
WO2020171164A1 (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-27 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその成形体、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法ならびに成形体の製造方法 |
JPWO2020171164A1 (ja) * | 2019-02-22 | 2021-09-13 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその成形体、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法ならびに成形体の製造方法 |
CN113454155A (zh) * | 2019-02-22 | 2021-09-28 | Dic株式会社 | 聚芳硫醚树脂组合物和其成形体、聚芳硫醚树脂组合物的制造方法以及成形体的制造方法 |
JP6996657B2 (ja) | 2019-02-22 | 2022-01-17 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその成形体、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法ならびに成形体の製造方法 |
EP3929241A4 (en) * | 2019-02-22 | 2022-11-23 | DIC Corporation | POLY(ARYLENE SULFIDE) RESIN COMPOSITION, MOLDED BODY THEREOF, METHOD FOR PRODUCTION OF POLY(ARYLENE SULFIDE) RESIN COMPOSITION AND METHOD OF PRODUCTION OF MOLDED BODY |
US12049565B2 (en) | 2019-02-22 | 2024-07-30 | Dic Corporation | Polyarylene sulfide resin composition, molded body of same, method for producing polyarylene sulfide resin composition, and method for producing molded body |
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