JP2000327588A - 経皮投与製剤 - Google Patents

経皮投与製剤

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JP2000327588A
JP2000327588A JP11144324A JP14432499A JP2000327588A JP 2000327588 A JP2000327588 A JP 2000327588A JP 11144324 A JP11144324 A JP 11144324A JP 14432499 A JP14432499 A JP 14432499A JP 2000327588 A JP2000327588 A JP 2000327588A
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triethylene glycol
poorly soluble
drug
acid
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Yasunori Sakamoto
靖則 坂本
Miyuki Takahashi
美由紀 高橋
Tomomasa Koide
倫正 小出
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 難溶性薬物を製剤全体の0.1〜2重量
%、トリエチレングリコールを製剤全体の0.5〜15
重量%及びトリエチレングリコール以外の炭素数4〜6
を有する二価アルコールを製剤全体の0.5〜30重量
%配合してなることを特徴とする経皮投与製剤。 【効果】 難溶性薬物の溶解性を向上させて経皮吸収性
を高め、その薬理作用を最大限に引き出すことができる
のみならず、製剤中の上記難溶性薬物の経時安定性も良
好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難溶性薬物を配合した
経皮投与製剤に関し、更に詳述すると、難溶性薬物の経
皮吸収率が高く、優れた薬理効果を有すると共に、皮膚
に対する安全性も高く、且つ製剤安定性にも優れる経皮
投与製剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、インドメタシン,スプロフェン,ピロキシカム等の
難溶性薬物は、整形外科領域で慢性関節リウマチ、変形
性関節炎等の治療に使用され、優れた効果が認められて
いる。しかし、一方では内服投与した場合に消化器障害
等の副作用が生じるという点が問題視されていた。
【0003】この点を解決する手段として、近年上記の
ような難溶性薬物を配合した液剤,軟膏剤,パップ剤等
の各種外用剤が開発され、上記難溶性薬物を直接皮膚に
適用することが可能になった。
【0004】しかしながら、これらの難溶性薬物は水不
溶性であるため、単にその粉末を貼付基剤に配合したの
では充分に経皮吸収させることができず、従って上記難
溶性薬物を溶解した状態で基剤に配合する必要がある
が、従来より例えばインドメタシン,スプロフェン,ピ
ロキシカム等の良溶媒として知られるエチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどの
1価のアルコール類を用いた場合、低級アルコール類は
水と容易に混和するため、基剤中における上記難溶性薬
物の溶解度が極端に低下し、上記難溶性薬物の配合量を
制限せざるを得ない。一方、低級アルコール類を溶媒と
して薬理効果が期待できる量のインドメタシン,スプロ
フェン,ピロキシカム等の難溶性薬物を基剤に配合しよ
うとすると、低級アルコール類を極端に高濃度で配合し
なければならず、皮膚への安全性の点で好ましくない。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
インドメタシン,スプロフェン,ピロキシカム等の難溶
性薬物を有効成分とし、該難溶性薬物の経皮吸収率が高
く、その薬理効果を充分発揮させることができると共
に、皮膚に対する安全性も高い経皮投与製剤を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
難溶性薬物の経皮吸収率を高めることにつき鋭意検討を
行った結果、所定量の難溶性薬物を含有する経皮投与製
剤に、トリエチレングリコールと炭素数4〜6を有する
トリエチレングリコール以外の二価アルコールとをそれ
ぞれ所定量で併用して配合することにより、上記目的が
効果的に達成されることを知見した。
【0007】即ち、所定量の難溶性薬物を配合した経皮
投与製剤にトリエチレングリコールを単独で配合しても
その量が少ないと上記難溶性薬物の効果を充分に発揮さ
せることができず、一方トリエチレングリコールを多量
に配合すると、皮膚刺激性が高くなる。また、プロピレ
ングリコール、1,3−ブチレングリコール等のトリエ
チレングリコール以外の炭素数3〜6の二価アルコール
を単独で配合しても上記難溶性薬物の経皮吸収効果は充
分に高められず、また、これらを2種以上組み合わせて
配合すると、更に経皮吸収効果は向上するが、より高い
効果を望む余地があると共に、製剤中での上記難溶性薬
物の安定性についても改良の余地がある。ところが、ト
リエチレングリコールとトリエチレングリコール以外の
炭素数4〜6の二価アルコールとを所定量で併用した場
合、これらの難溶性薬物に対する経皮吸収促進作用が相
乗的に作用して、水に対する溶解性の低い上記難溶性薬
物の溶解性を向上させて、上記難溶性薬物の経皮吸収性
を格段に向上させることができ、高い薬理効果を有する
のみならず、皮膚に対する安全性も高く、且つ製剤安定
性にも優れる経皮投与製剤が得られることを知見し、本
発明をなすに至ったものである。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の経皮投与製剤は、所定量の難溶性薬物を含
有すると共に、トリエチレングリコールとトリエチレン
グリコール以外の炭素数4〜6を有する二価アルコール
とをそれぞれ所定量で併用配合してなるもので、これに
より製剤中での難溶性薬物の安定性を損なうことなく、
その経皮吸収性を格段に高めることができるものであ
る。
【0009】ここで、本発明の難溶性薬物は、水にほと
んど溶けない薬物であり、このような薬物は、通常、消
炎鎮痛剤、抗炎症剤、角質溶解剤等の皮膚疾患治療薬及
び/又はケアに有効な成分とされている。本発明の場
合、このような薬物であればその種類は特に制限されな
いが、難溶性の指標として、例えば日本薬局方の性状試
験に準じて水に対する溶解性を示すときに、「極めて溶
けにくい」又は「ほとんど溶けない」の用語が用いられ
る薬物が好適であり、このような薬物として具体的に
は、例えばブフェキサマク、インドメタシン、トルフェ
ナム酸、メフェナム酸、フルフェナム酸、サリチル酸、
アスピリン、サザピリン、アルクロフェナク、スプロフ
ェン、イブプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン、
フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェンブフェ
ン、アセメタシン、メチアジン酸、プロチジン酸、スリ
ンダク、プラノプロフェン、フェンチアザク、ジフルニ
サル、チアプロフェン酸、オキサプロジン等を挙げるこ
とができ、これらの中でもインドメタシン、スプロフェ
ン、ピロキシカム等の消炎鎮痛作用を有する難溶性薬物
に対して、特に効果的である。これらの薬物は1種単独
で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができ
る。
【0010】本発明の製剤において、上記難溶性薬物の
配合量は製剤全体の0.1〜2%(重量%、以下同様)
であり、好ましくは0.3〜1%である。上記難溶性薬
物の配合量が0.1%未満では充分な薬理効果が得られ
ず、2%を超えると薬理効果は充分得られるが、皮膚刺
激性の点で好ましくない。
【0011】また、トリエチレングリコールの配合量は
製剤全体の0.5〜15%であり、好ましくは1〜10
%である。この配合量が0.5%未満では経皮吸収性が
高まらず、15%を超えると皮膚刺激が認められ、安全
性上好ましくない。
【0012】本発明においては、トリエチレングリコー
ルと共に更にトリエチレングリコール以外の炭素数4〜
6の二価アルコールを配合する。この二価アルコールと
しては、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレング
リコール、3−メチル−1,3−ブチレングリコール、
2−メチル−2,4−ペンタンジオールなどが挙げら
れ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合せて
用いることができる。この二価アルコールの配合量は、
製剤全体の0.5〜30%であり、好ましくは1〜20
%である。上記二価アルコールの配合量が0.5%未満
では経皮吸収促進効果が得られず、30%を超えると基
剤の粘性が極端に減少して製造性の点で問題になる場合
がある。また、トリエチレングリコールとの配合割合
は、トリエチレングリコール:二価アルコール(重量
比)=1:60〜30:1であると好適であり、特に
1:20〜10:1であると、より効果的である。上記
範囲以外ではトリエチレングリコールと上記二価アルコ
ールとの併用による相乗的な効果が充分に得られない場
合がある。なお、上記二価アルコールは、炭素数7以上
では経皮吸収促進効果が得られない。なお、本発明の経
皮投与製剤の場合、プロピレングリコール等の炭素数3
以下の二価アルコールを更に配合することもできる。
【0013】本発明の経皮投与製剤は、その剤型が特に
制限されるものではなく、例えば貼付剤の貼付基剤、ロ
ーション剤、ゲル(ジェル)剤などの剤型に調製される
水性皮膚外用剤として調製することができ、特に貼付基
剤として好適である。本発明の経皮投与製剤を貼付基剤
として使用する場合、貼付基剤を支持体に塗布すること
によって貼付剤を得ることができるが、この場合、貼付
基剤に使用される粘着剤は、該貼付剤を常温で皮膚表面
に長時間固定し得る粘着力があれば充分で、特に限定さ
れず、例えば水系、アクリル系、ゴム系、シリコーン樹
脂系などの粘着剤が利用され得る。
【0014】水系粘着剤として調製する場合、その組成
には特に制限はなく、いずれの組成のものも使用でき、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン・
ビニルアセテート共重合体、カルボキシビニル共重合
体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ペクチ
ン、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル・
無水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルスターチ等
の1種又は2種以上の水溶性高分子物質(配合量通常基
剤全体の1〜15%)、カオリン、ベントナイト、モン
モリロナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニ
ウム、無水ケイ酸等の1種又は2種以上の無機粉体(配
合量通常基剤全体の0〜10%)、グリセリン、ソルビ
トール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリ
ウム等の1種又は2種以上の保湿剤(配合量通常基剤全
体の0〜20%)及び水を適宜割合で混合したものなど
を使用することができる。
【0015】この場合、このような水系粘着剤としては
金属イオン架橋型含水ゲル基剤、特にポリアクリル酸及
びポリアクリル酸塩を含有し、更にカルボキシメチルセ
ルロースナトリウム及び/又はアルギン酸アルカリ金属
塩を含有する非ゼラチン系基剤を好ましく使用し得る。
即ち、上記組成の含水ゲル基剤は粘着力が強く、かつ含
水率も高く、保型性に優れているため、この含水ゲル基
剤を用いることにより、これに難溶性薬物を配合した場
合、この有効成分が皮膚に効率的に吸収されるものであ
る。なお、上記組成の含水ゲル基剤は、ポリアクリル酸
とポリアクリル酸塩との配合比率を変えることにより、
任意のpHを有する基剤を得ることができるものである
が、この場合ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩の配合
比は1:9〜8:2とすることが好ましく、ポリアクリ
ル酸重量がポリアクリル酸−ポリアクリル酸塩重量の1
/10より少ないと肌への充分な粘着力が得られない場
合があり、またポリアクリル酸−ポリアクリル酸塩重量
の8/10より多いと充分な増粘が行われず、膏体がダ
レる場合が生じる。更に、上記成分からなる含水ゲル基
剤を多価金属塩により金属架橋する場合、多価金属塩と
しては塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミ
ニウム、カリミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄
ミョウバン、硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄、硫酸マグ
ネシウム、EDTA−カルシウム、EDTA−アルミニ
ウム、EDTA−マグネシウム、塩化第一錫等の可溶性
塩、水酸化カルシウム、水酸化第二鉄、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カル
シウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アル
ミニウム、クエン酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化
バリウム、アルミニウムアラントイネート、酢酸アルミ
ニウム、アルミニウムグリシナール、水酸化第一錫、α
−錫酸等の微溶性又は難溶性塩などから選ばれる1種又
は2種以上、更に架橋反応の速度調整剤としてEDTA
−2ナトリウム、クエン酸、酒石酸、尿素、アンモニア
等の金属イオンに対してキレートもしくは配位能を持つ
有機酸、有機酸塩、有機塩基などを配合し得る。
【0016】アクリル系粘着剤では、その粘着性などか
ら、特に、炭素数4〜18の脂肪族アルコールと(メ
タ)アクリル酸とから得られる(メタ)アルキル酸アル
キルエステルの(共)重合体及び/又は上記(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノマーと
の共重合体が好適に用いられる。
【0017】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デ
シル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリ
ル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸
ステアリルなどがある。上記官能性モノマーには、水酸
基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマ
ー、アミド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノ
マーなどが挙げられる。水酸基を有するモノマーとして
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートがある。カルボキシル基
を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸
などのα,β不飽和カルボン酸、マレイン酸ブチルなど
のマレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸、クマ
ル酸、クロトン酸などがある。無水マレイン酸もマレイ
ン酸と同様の(共)重合成分を与える。アミド基を有す
るモノマーとしては、アクリルアミド、ジメチルアクリ
ルアミド、ジエチルアクリルアミドなどのアルキル(メ
タ)アクリルアミド;ブトキシメチルアクリルアミド、
エトキシメチルアクリルアミドなどのアルキルエーテル
メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、ビニルピロリドンなどがある。アミノ基を有
するモノマーとしては、ジメチルアミノアクリレートな
どがある。上記以外の共重合性モノマーと酢酸ビニル、
スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロ
ニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどが挙
げられ、これらが共重合されていてもよい。粘着剤中に
は(メタ)アクリル酸アルキルエステルが(共)重合成
分として30%以上含有されることが好ましい。
【0018】ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、合成イ
ソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテ
ル、ポリウレタン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などが用
いられる。シリコーン樹脂系粘着剤としては、ポリオル
ガノシロキサンなどのシリコーンゴムが用いられる。
【0019】更に、本発明の経皮投与製剤を粘着基剤と
して使用する場合、基剤に上記成分に加えて必要に応じ
各種配合剤、例えばロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、
クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペンフェノ
ール樹脂などの粘着付与剤、液状ポリブテン、鉱油、ラ
ノリン、液状ポリイソプレン、液状ポリアクリレート、
ラテックスなどの可塑剤、架橋ゲル化剤として種々の多
価金属塩、ジアルデヒドデンプン等の有機架橋化剤、有
効成分の安定配合剤として、流動パラフィン、植物油、
豚脂、牛脂、高級アルコール、高級脂肪酸、活性剤等の
適宜成分を配合することができる。
【0020】上記貼付剤の支持体としては、貼付剤に通
常使用される支持体が用いられる。この様な支持体の素
材としては、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリ
エチレンテレフタレート、酢酸ビニル−塩化ビニル共重
合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑
化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニリデン、アルミニウムなどがある。これらは例
えば単層のシート(フィルム)や二枚以上の積層(ラミ
ネート)体として用いられる。アルミニウム以外の素材
は織布や不織布として利用してもよい。
【0021】本発明の経皮投与製剤は、本発明の効果を
妨げない限り、上記必須成分の他に各種剤型の製剤に通
常配合される水溶性成分、保存剤、pH調整剤、増粘
剤、酸化防止剤等を必要に応じて適宜配合することがで
きる。また、その調製方法も特に制限されるものではな
く、各種剤型の常法に従って調製することができ、例え
ば水性パップ剤として使用する場合、上記各成分を練合
してペースト状に調製し、これを上記支持体に塗布し、
必要によりポリエチレンフィルム等のフェイシングを被
覆することによって得られるものである。更に例えば、
アクリル系、ゴム系、シリコーン系粘着剤組成物の場合
は上記支持体表面に薬物と界面活性剤とを含有する粘着
剤層が形成され貼付剤が得られる。当該粘着剤層を形成
するには、溶剤塗工法、ホットメルト塗工法、電子線エ
マルジョン塗工法などの種々の塗工法が用いられ得る。
中でも溶剤塗工法が好適に用いられる。溶剤塗工法で粘
着剤層を形成するには、例えば、粘着剤を適当な溶媒で
希釈し、これに薬物、界面活性剤、脂肪酸エステル、更
に必要に応じて配合剤を均一に混合し、得られた溶液を
支持体表面に塗布・乾燥する。溶液を直接支持体表面に
塗布せずにシリコーン樹脂などをコーティングした剥離
紙上に塗布し、乾燥後に支持体と密着させてもよい。こ
のような剥離紙は、使用時まで粘着剤の粘着表面を保護
するために用いられる。溶剤塗工法以外の塗工法におい
ても粘着剤層形成後、この表面を保護するために剥離紙
を配することが推奨される。粘着剤層の厚みも使用目的
によって異なるが、通常、30〜200μmである。3
0μmを下回ると必要量の薬物を含有することができ
ず、粘着性も不充分である。200μmを上回ると支持
体付近の粘着剤層に含有される薬物が充分拡散せず、薬
物放出性が低下する。
【0022】
【発明の効果】本発明の経皮投与製剤によれば、難溶性
薬物の溶解性を向上させて経皮吸収性を高め、その薬理
作用を最大限に引き出すことができるのみならず、製剤
中の上記難溶性薬物の経時安定性も良好である。しか
も、本発明によれば、皮膚刺激性のない安全な経皮投与
製剤が得られ、特に内服投与した場合には消化器障害等
の副作用が生じるインドメタシン,スプロフェン,ピロ
キシカム等の難溶性薬物を直接患部に効率的に経皮投与
することができ、この点でも治療の安全性に寄与するも
のである。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0024】〔実施例、比較例〕表1に示す各成分を常
法に従い混合し、ペースト状になるまでニーダーにより
充分混合して貼付基剤(経皮投与製剤)を調製した。得
られた貼付基剤を不織布上に150g/cm2になるよ
うに均一に塗布して、ポリエチレンフィルムのフェーシ
ングを施し、貼付剤を製造した。
【0025】上記貼付剤につき、以下の試験法により難
溶性薬物(インドメタシン)の経皮吸収性、貼付基剤の
皮膚刺激性を評価した。結果を表1に併記する。
【0026】
【表1】 *1:商品名:ジュリマー10H(日本純薬株式会社
製) *2:商品名:アロンビスS(日本純薬株式会社製) *3:重量平均分子量:3万 *4:モノラウリン酸ポリエチレングリコール(日光ケ
ミカルズ株式会社製)
【0027】〔実験1〕インドメタシンの血中濃度測定 ウィスター系雄性ラット体重140〜160g10匹を
1群として実験に供した。ラットは実験前日に背部を毛
刈した。実験当日、毛刈した部分に5×8cmの大きさ
とした貼付剤を貼り、個別ケージで飼育した。1、2、
4、6、8時間後に、ラットをエーテル麻酔した後、血
液を採取した。血液は直ちに遠心分離後、血漿成分を分
取し高速液体クロマトグラフィー分析に供した。インド
メタシンの血中濃度はあらかじめ定めておいた検量線よ
り計算し、血中濃度下面積(AUC)を台形計算法によ
り算出した。
【0028】〔実験2〕パッチテスト 健常男子20名の上腕部に実施例及び比較例の貼付剤を
それぞれ貼付し、24時間クローズドパッチテストによ
りその皮膚刺激性を調べ、下記基準により評価した。 <評価基準> ○:刺激なし ×:刺激あり
【0029】表1の評価結果から認められるように、本
発明による経皮投与製剤(実施例1〜4)は皮膚を通し
ての薬物吸収性が良好であり、且つ皮膚刺激性にも問題
がなかった。
【0030】更に、上記実施例及び比較例の貼付剤を製
造した後、これらをそれぞれ60℃において3週間保存
し、インドメタシンの製造直後に対する保存後の残存量
を求めたところ、上記実施例の貼付剤は、いずれもイン
ドメタシンの含量に変化はなく、製剤中でのインドメタ
シンの安定性も良好であることが確認された。一方、上
記比較例の貼付剤は、いずれもインドメタシンの含量の
減少が認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小出 倫正 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA74 BB31 CC01 CC05 DD08F DD28G DD28P DD29U DD38A DD38E DD38N EE06G EE09G EE09P EE33G EE42G FF15 FF16 FF17 FF34 FF35 FF43 FF57 4C086 AA01 BC15 GA17 MA02 MA03 MA05 MA32 MA63 NA11 ZA08 ZA96 ZB11 ZB15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難溶性薬物を製剤全体の0.1〜2重量
    %、トリエチレングリコールを製剤全体の0.5〜15
    重量%及びトリエチレングリコール以外の炭素数4〜6
    を有する二価アルコールを製剤全体の0.5〜30重量
    %配合してなることを特徴とする経皮投与製剤。
JP11144324A 1999-05-25 1999-05-25 経皮投与製剤 Pending JP2000327588A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004231567A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Lion Corp 貼付剤組成及びその製造方法
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