JP5358551B2 - フェニル酢酸誘導体類及びメントール類を含有する消炎鎮痛剤及び消炎鎮痛作用増強方法 - Google Patents

フェニル酢酸誘導体類及びメントール類を含有する消炎鎮痛剤及び消炎鎮痛作用増強方法 Download PDF

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Description

本発明は、フェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩、及びメントール類を含有する消炎鎮痛剤、並びにフェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩にメントール類を配合することを特徴とする消炎鎮痛作用増強方法に関する。
消炎鎮痛剤としては、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤等が知られていた。非ステロイド系抗炎症剤としては、インドメタシン、フェニル酢酸誘導体(4−ビフェニル酢酸、ジクロフェナク、フェンブフェン、ナブメトン、トルメチン等)、ケトプロフェン、ピロキシカム等が知られている。そして、4−ビフェニル酢酸(Felbinac)は非ステロイド性消炎鎮痛薬フェンブフェンの活性代謝物であり、強い消炎鎮痛作用を示す薬物である。4−ビフェニル酢酸は経口投与には適さないために経皮投与製剤としての検討が行われ、これまでに上記薬物を含有するゲル剤、液剤、パップ剤等が知られている。
一方、皮膚に清涼感を与えることを目的として、消炎鎮痛剤にメントールを配合することが知られていた。
本発明は、フェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩の消炎鎮痛作用を増強することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、フェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする消炎鎮痛剤に、メントール類を配合することにより、消炎鎮痛作用が増強されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の消炎鎮痛作用増強方法に係るものである。
項1.フェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する消炎鎮痛剤にメントール類を配合することを特徴とする消炎鎮痛作用増強方法。
項2.フェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩:メントール類が重量比で1:0.001〜1:10となるように配合することを特徴とする項1記載の消炎鎮痛作用増強方法。
項3.フェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩、及びメントール類を含有する消炎鎮痛剤。
本発明によればフェニル酢酸誘導体類にメントール類を配合することにより、フェニル酢酸誘導体類の消炎鎮痛作用を増強することができる。
本発明の消炎鎮痛剤は、フェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩、及びメントール類を含有することを特徴とする。本発明の消炎鎮痛剤の剤型は特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、乳剤等)、軟膏剤、クリーム剤、硬膏剤、ゲル剤、エアゾール剤などの形態で使用することができる。好ましい剤型は、ローション剤、貼付剤である。
本発明の消炎鎮痛剤は、フェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する。フェニル酢酸誘導体としては、例えば4−ビフェニル酢酸、ジクロフェナク、フェンブフェン、ナブメトン、トルメチン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。フェニル酢酸誘導体の薬学的に許容される塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が例示される。なお、以下の明細書において、フェニル酢酸誘導体又はその薬学的に許容される塩を、フェニル酢酸誘導体類と称することがある。好ましいフェニル酢酸誘導体類は、4−ビフェニル酢酸である。
消炎鎮痛剤におけるフェニル酢酸誘導体類の配合量は、特に制限されるものではなく、消炎鎮痛剤の剤型、使用目的等に応じて適宜選定することができるが、消炎鎮痛剤に対し、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。
本発明では、フェニル酢酸誘導体類を含有する消炎鎮痛剤に、メントール類を配合する。メントール類を配合することによってフェニル酢酸誘導体類の消炎鎮痛作用を増強することができる。メントール類としては、l−メントール、d,l-メントール、イソプレゴール等が例示される。好ましくは、l−メントールである。
メントール類の配合量は、フェニル酢酸誘導体類の消炎鎮痛作用を増強できる限り特に制限されないが、例えばフェニル酢酸誘導体類:メントール類が重量比で1:0.001〜1:10、好ましくは1:0.01〜1:3、更に好ましくは1:0.5〜1:1.5である。本範囲において、フェニル酢酸誘導体類の消炎鎮痛作用がより増強される。
さらに、消炎鎮痛剤には、その他の任意成分として剤型に応じた適宜な成分を添加し、各製剤の通常の方法で調製することができる。
液剤の場合、溶媒として、例えば水、低級アルコール、アセトン等を使用することができる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。低級アルコールとして好ましいのはエタノールである。エタノールとしては、変性、未変性のいずれのエタノールも使用可能である。好ましい溶媒は、水、エタノール、水とエタノールとの混合溶媒である。水とエタノールの混合溶媒は、水1に対してエタノールが0.5〜200(体積比)、好ましくは5〜80である。
消炎鎮痛剤における上記溶媒の含有量は、10〜95重量%、好ましくは20〜85重量%である。
さらに、上記溶媒に可溶化剤を加えることによって、フェニル酢酸誘導体類をより容易に溶解させることができる。可溶化剤としては、例えば、ベンジルアルコール、ラウロマクロゴール、マクロゴール、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、各種活性剤、アルカリ化剤(水酸化ナトリウム等)、グリセリン、プロピレングリコール、ポリソルベート等が挙げられる。可溶化剤の配合量は、本発明の効果を妨げない限り特に制限されないが、消炎鎮痛剤に対して、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
液剤を調製する場合、通常の液剤の調製方法により調製することができる。例えば上記各成分を上記溶剤に順次添加し、必要に応じて加熱し、溶解することによって調製することができる。
軟膏剤の場合、基剤として、グリコール類、界面活性剤、水溶性高分子化合物などを配合することができ、具体的には、例えばラノリン、硬化油、レシチン、プラスチベース、流動パラフィン、ミツロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、シリコン油等、グリコール類として、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等、水溶性高分子化合物として、例えばカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸等を配合することができる。
軟膏剤として調製する場合、常法によって製造し得、例えば上記各成分を上記溶剤に順次添加し、適宜時間混練することによって調製することができる。
また、ゲル剤の場合、上記液剤の任意成分に加え、更にカルボキシビニルポリマー、グリセリンモノオレエート等のゲル化剤を添加することができ、ゲル剤を調製する場合、常法によって製造し得、例えばゲル化剤以外の上記各成分を上記溶剤に順次添加、溶解した後、ゲル化剤を添加してゲル化させることによって調製することができる。
さらに、例えば貼付剤を調製する場合には、水系粘着剤として、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、カルボキシビニル共重合体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース塩、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、ペクチン、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルスターチ等の1種又は2種以上の水溶性高分子物質(配合量通常基剤全体の1〜15%)、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸等の1種又は2種以上の無機粉体(配合量通常基剤全体の0〜10%)、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、乳酸ナトリウム等の1種又は2種以上の保湿剤(配合量通常基剤全体の0〜20%)及び水を適宜割合で混合したものなどを使用することができる。
この場合、このような水系粘着剤としては金属イオン架橋型含水ゲル基剤、特にポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩を含有し、更にカルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はアルギン酸アルカリ金属塩を含有する非ゼラチン系基剤を好ましく使用し得る。即ち、上記組成の含水ゲル基剤は粘着力が強く、かつ含水率も高く、保型性に優れているため、この含水ゲル基剤を用いることにより、これに上記非ステロイド系抗炎症剤を配合した場合、この有効成分が皮膚に効率的に吸収されると共に、良好な温感が感じられるものである。なお、上記組成の含水ゲル基剤は、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩との配合比率を変えることにより、任意のpHを有する基剤を得ることができるものであるが、この場合ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩の配合比(重量)はl:9〜8:2とすることが好ましく、ポリアクリル酸量が少なすぎると肌への充分な粘着力が得られない場合があり、またポリアクリル酸量が多すぎると充分な増粘が行われず、膏体(基剤)がダレる場合が生じる。更に、上記成分からなる含水ゲル基剤を多価金属塩により金属架橋する場合、多価金属塩としては塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、カリミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン、硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄、硫酸マグネシウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA、以下同様)−カルシウム、EDTA−アルミニウム、EDTA−マグネシウム、塩化第一錫等の可溶性塩、水酸化カルシウム、水酸化第二鉄、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、クエン酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化バリウム、アルミニウムアラントイネート、酢酸アルミニウム、アルミニウムグリシネート、水酸化第一錫、α−錫酸等の微溶性又は難溶性塩などから選ばれる1種又は2種以上、更に架橋反応の速度調整剤としてEDTA−2ナトリウム、クエン酸、酒石酸、尿素、アンモニア等の金属イオンに対してキレートもしくは配位能を持つ有機酸、有機酸塩、有機塩基などを配合し得る。
アクリル系粘着剤では、その粘着性などから、特に、炭素数4〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とから得られる(メタ)アルキル酸アルキルエステルの(共)重合体及び/又は上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノマーとの共重合体が好適に用いられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどがある。上記官能性モノマーには、水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマーなどが挙げられる。水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがある。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸などのα、β不飽和カルボン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸、クマル酸、クロトン酸などがある。無水マレイン酸もマレイン酸と同様の(共)重合成分を与える。アミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミドなどのアルキルエーテルメチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ビニルピロリドンなどがある。アミノ基を有するモノマーとしては、ジメチルアミノアクリレートなどがある。上記以外の共重合性モノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどが挙げられ、これらが共重合されていてもよい。
ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などが用いられる。シリコーン樹脂系粘着剤としては、ポリオルガノシロキサンなどのシリコーンゴムが用いられる。
更に、本発明においては、基剤に上記成分に加えて必要に応じ膏体物性(柔軟性、粘着性、保型性等)の調整剤としてポリブテン、ラテックス、酢酸ビニルエマルション、アクリル樹脂エマルション等の高分子物質、架橋ゲル化剤として種々の多価金属塩、ジアルデヒドデンプン等の有機架橋化剤、有効成分の安定配合剤としてラノリン、流動パラフィン、植物油、豚脂、牛脂、高級アルコール、高級脂肪酸、活性剤等の適宜成分を配合することができる。さらに、必要に応じて各種配合剤、例えばロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペンフェノール樹脂などの粘着性付与剤;液状ポリブテン、鉱油、液状ポリイソプレン、液状ポリアクリレートなどの可塑剤、充填剤老化防止剤などが添加される。
本発明の皮膚外用剤として貼付剤を調製する場合、貼付剤の支持体としては、貼付剤に通常使用される支持体が用いられる。この様な支持体の素材としては、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウムなどがある。これらは例えば単層のシート(フィルム)や二枚以上の積層(ラミネート)体として用いられる。アルミニウム以外の素材は織布や不織布として利用してもよい。
貼付剤は常法に従って製造し得、例えば水性パップ剤であれば、上記各成分を練合してペースト状に調製し、これを上記支持体に塗布し、必要によりポリエチレンフィルム等のフェイシングを被覆することによって得られるものである。更に例えば、アクリル系、ゴム系、シリコーン系粘着剤組成物の場合は上記支持体表面に薬物と界面活性剤とを含有する粘着剤層が形成され貼付剤が得られる。当該粘着剤層を形成するには、溶剤塗工法、ホットメルト塗工法、電子線エマルジョン塗工法などの種々の塗工法が用いられ得る。
本発明の消炎鎮痛剤は、フェニル酢酸誘導体類及びメントール類に加えて、他の薬効成分や各種添加剤(保湿剤、色素、香料、界面活剤、pH調整剤、酸化防止剤等)を含有しても良い。これらの成分は、本発明の効果を妨げない範囲で配合される。
他の薬効成分としては、例えば、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプシコシド,カプサイシン,カプサイシノイド,ジヒドロキシカプサイシン,カプサンチン等のカプサイシン類似体、トウガラシエキス,トウガラシチンキ,トウガラシ末などのトウガラシ由来物質等の血行促進剤、塩酸プロカイン、リドカインなどの局所麻酔剤、ペニシリン類、セファロスポリン類、アミノグリコシド類、マクロライド類などの抗生物質、グリセオフルビン、アンホテリシンBなどの抗真菌剤、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、インドメタシン、インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム、サリチル酸メチルなどのフェニル酢酸誘導体類以外の非ステロイド系鎮痛消炎剤、ヒドロコルチゾン、ブレドニゾロンなどのステロイド系消炎剤、クロルフェニラミン、オキサトミドなどの抗アレルギー・抗ヒスタミン剤、クロニジン、カプトプリルなどの抗高血圧剤、ニトログリセリン、硝酸イソソルビットなどの冠血管拡張剤、ニフェジピン、ニカルジピンなどのカルシウム拮抗剤、ピンドロール、プロプラノールなどのβブロッカー、デオフィリン、ハイドロサイアザイドなどの降圧利尿剤、塩酸ドパミン、ジキタリスなどの強心剤、バルプロ酸ナトリウム、フェニトインなどの抗てんかん剤、スコポラミンなどの抗めまい剤、ハロペリドールなどの抗精神病剤、塩酸フルラゼパム、フェノバルビタールなどの睡眠調整剤、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、ブレオマイシンなどの抗悪性腫瘍剤、エストラジオール、インスリンなどのホルモン剤、ビタミンEなどのビタミン類などがあげられる。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記表1に示す液剤を調製し、この液剤を肩こりを訴える10名の被験者の肩に適用した。適用後30分、60分後の肩こり改善度合いを各人ごとに評価し、その改善度合いによって評価点を付け、これを表2に示した。この評価点の平均値を肩こり改善度の指標とした。
Figure 0005358551
Figure 0005358551
表1及び2に示されるように、液剤D、E、Fの比較すると、メントールはメントール以外の清涼化剤と比較して明らかに消炎鎮痛効果を増強している。また、液剤BとDを比較すると、1.5gの4−ビフェニル酢酸が3gの4−ビフェニル酢酸より強い消炎鎮痛効果を示していることから、メントールによる消炎鎮痛効果増強作用が確認される。
以下、処方例を示す。
処方例1(ローション剤)
4−ビフェニル酢酸 3g
l−メントール 3g
ベンジルアルコール 5g
マクロゴール300 20g
1,3-ブチレングリコール 5g
クエン酸 微量
水酸化ナトリウム 微量
トリエタノールアミン 2g
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1g
変性エタノール 10mL
精製水 適 量
合 計 100mL
処方例2(ローション剤)
4−ビフェニル酢酸 3g
l−メントール 3g
プロピレングリコール 10g
エタノール 40mL
イソプロパノール 20g
精製水 適 量
合 計 100mL
処方例3(ゲル剤)
4−ビフェニル酢酸 3g
l−メントール 3g
カルボキシビニルポリマー 1g
ポリアクリル酸 3g
プロピレングリコール 3g
グリセリン 1g
ポリオキシエチレンラウリルエーテル 2g
変性エタノール 12mL
リン酸 微量
水酸化ナトリウム 微量
精製水 適量
合 計 100mL
処方例4(軟膏剤)
4−ビフェニル酢酸 3g
l−メントール 3g
中鎖脂肪酸トリグリセリド 20g
アジピン酸ジイソプロピル 5g
プロピレングリコール 12g
ポリオキシエチレンソリビダンモノステアレート 3g
グリセリンモノステアレート 8g
リン酸 微量
水酸化ナトリウム 微量
精製水 適量
合 計 100mL
処方例5(エアゾール剤)
4−ビフェニル酢酸 3g
l−メントール 3g
1.3−ブチレングリコール 5g
ポリビニルピロリドン 4g
変性エタノール 適量
液化石油ガス 80g
合 計 100g
処方例6(貼付剤)
4−ビフェニル酢酸 3g
l−メントール 3g
ポリアクリル酸ナトリウム 1g
ポリアクリル酸 4g
ポリビニルアルコール 2g
カルボキシメチルセルロースナトリウム 3g
カオリン 6g
塩化カルシウム 0.1g
ポリソルベート80 1g
EDTA 0.05g
精製水 適量
合 計 100g

Claims (5)

  1. 4−ビフェニル酢酸又はその薬学的に許容される塩;l−メントール、d,l−メントール、及びイソプレゴールからなる群から選択される少なくとも1種のメントール類;エタノール;並びに、4−ビフェニル酢酸又はその薬学的に許容される塩の可溶化剤を含有する消炎鎮痛剤であって、該エタノールの含有量が40v/v〜95w/w%であることを特徴とする消炎鎮痛剤
  2. 前記可溶化剤が、ベンジルアルコール、ラウロマクロゴール、マクロゴール、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アルカリ化剤、グリセリン、プロピレングリコール、及びポリソルベートからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の消炎鎮痛剤。
  3. 4−ビフェニル酢酸又はその薬学的に許容される塩:メントール類が、重量比で1:0.001〜1:10である請求項1又は2記載の消炎鎮痛剤。
  4. 4−ビフェニル酢酸又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する消炎鎮痛剤に、l−メントール、d,l−メントール、及びイソプレゴールからなる群から選択される少なくとも1種のメントール類;エタノール;並びに、4−ビフェニル酢酸又はその薬学的に許容される塩の可溶化剤を配合する、消炎鎮痛剤の消炎鎮痛作用を増強する方法であって、上記エタノールの含有量を40v/v%〜95w/w%とすることを特徴とする消炎鎮痛作用増強方法。
  5. 4−ビフェニル酢酸又はその薬学的に許容される塩:メントール類が重量比で1:0.001〜1:10である請求項4記載の消炎鎮痛作用増強方法。
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