JP2000319538A - 有機光導電材料およびその製造方法、電子写真感光体用分散液 - Google Patents

有機光導電材料およびその製造方法、電子写真感光体用分散液

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JP2000319538A
JP2000319538A JP12587299A JP12587299A JP2000319538A JP 2000319538 A JP2000319538 A JP 2000319538A JP 12587299 A JP12587299 A JP 12587299A JP 12587299 A JP12587299 A JP 12587299A JP 2000319538 A JP2000319538 A JP 2000319538A
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peak
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Tatsuya Niimi
達也 新美
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Ricoh Co Ltd
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09B47/00Porphines; Azaporphines
    • C09B47/04Phthalocyanines abbreviation: Pc
    • C09B47/06Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide
    • C09B47/073Preparation from isoindolenines, e.g. pyrrolenines

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度を失うことなく繰り返し使用によって
も帯電性の低下を生じない安定な光導電材料を提供する
ことにある。また、これら光導電材料の特性を生かし切
った分散液を提供すること。 【解決手段】 CuKαの特性X線(波長1.514
Å)に対するブラッグ角2θの回析ピーク(±0.2
°)として、少なくとも27.2°に最大回析ピークを
有し、かつ最も低角側の回析ピークとして7.3°にピ
ークを有することを特徴とするチタニルフタロシアニン
結晶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な光導電材料
に関する。詳しくは、特定のX線回析スペクトルを与え
るフタロシアニン結晶に関する。より詳しくは有機感光
体の電荷発生用材料に関する。また、特定のX線回析ス
ペクトルを与えるフタロシアニン結晶を含有する電子写
真感光体用分散液が提供される。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた情報処理シ
ステム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデ
ジタル信号に変換して光によって情報記録を行なう光プ
リンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が
著しい。このデジタル記録技術はプリンターのみならず
通常の複写機にも応用され所謂デジタル複写機が開発さ
れている。また、従来からあるアナログ複写にこのデジ
タル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理
機能が付加されるため今後その需要性が益々高まってい
くと予想される。
【0003】光プリンターの光源としては現在のところ
小型で安価で信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発
光ダイオード(LED)が多く使われている。現在よく
使われているLEDの発光波長は660nmであり、L
Dの発光波長域は近赤外光領域にある。このため可視光
領域から近赤外光領域に高い感度を有する電子写真感光
体の開発が望まれている。
【0004】電子写真感光体の感光波長域は感光体に使
用される電荷発生物質の感光波長域によってほぼ決まっ
てしまう。そのため従来から各種アゾ顔料、多環キノン
系顔料、三方晶形セレン、各種フタロシアニン顔料等多
くの電荷発生物質が開発されている。それらの内、特開
平3−35064号公報、特開平3−35245号公
報、特開平3−37669号公報、特開平3−2690
64号公報、特開平7−319179号公報等に記載さ
れているチタニルフタロシアニン(TiOPcと略記さ
れる)は600〜800nmの長波長光に対して高感度
を示すため、光源がLEDやLDである電子写真プリン
ターやデジタル複写機用の感光体用材料として極めて重
要かつ有用である。
【0005】一方、カールソンプロセスおよび類似プロ
セスにおいて繰り返し使用される電子写真感光体の条件
としては、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、
残留電位、分光特性に代表される静電特性が優れている
ことが要求される。とりわけ、高感度感光体については
繰り返し使用による帯電性の低下と残留電位の上昇が、
感光体の寿命特性を支配することが多くの感光体で経験
的に知られており、前記チタニルフタロシアニンもこの
例外ではない。従って、チタニルフタロシアニンを用い
た感光体の繰り返し使用による安定性は未だ十分とはい
えず、その技術の完成が熱望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度を失うことなく繰り返し使用によっても帯電性の低下
を生じない安定な光導電材料を提供することにある。ま
た、これら光導電材料の特性を生かし切った分散液を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明で用いられる、チ
タニルフタロシアニン顔料の基本構造は次の一般式
(I)で表わされる。
【0008】
【化1】 式中、X1、X2、X3、X4は各々独立に各種ハロゲン原
子を表わし、n、m、l、kは各々独立的に0〜4の数
字を表わす。
【0009】TiOPcの合成法や電子写真特性に関す
る文献としては、例えば特開昭57−148745号公
報、特開昭59−36254号公報、特開昭59−44
054号公報、特開昭59−31965号公報、特開昭
61−239248号公報、特開昭62−67094号
公報などが挙げられる。また、TiOPcには種々の結
晶型が知られており、特開昭59−49544号公報、
特開昭59−166959号公報、特開昭61−239
248号公報、特開昭62−67094号公報、特開昭
63−366号公報、特開昭63−116158号公
報、特開昭63−196067号公報、特開昭64−1
7066号公報、特開平1−299874号公報、特開
平2−8256号公報、特開平3−269064号公
報、特開平5−66595号公報等にそれぞれ結晶型の
異なるTiOPcが開示されている。
【0010】中でも、最大主要ピークを27.2°にも
つ結晶型の材料は、高い光キャリア発生能を有し、有機
電子写真用感光体のキャリア発生材料として有望視され
ている。しかしながら、不純物などを含んでいる場合に
は必ずしも高感度にならなかったり、繰り返し使用後の
帯電低下あるいは残留電位の上昇が発生する場合があっ
た。特に他の結晶型を有するTiOPcを含んでいるよ
うな場合には、この現象が顕著である。これは、一般的
な不純物は溶媒に可溶で、湿式法による結晶変換工程な
どの時点で洗われてしまうことがあるが、顔料化された
ものは結晶変換以降の工程で取り除かれることがほとん
ど不可能なためである。従って、有機顔料の作製時点
で、それを用いた感光体の特性が決まってしまうといっ
ても過言ではない。本発明者らは、TiOPcの結晶型
および顔料の製造方法(結晶変換条件)に着目し、上記
課題を解決すべくに関して鋭意検討を行ない、本発明を
完成するに至った。
【0011】また、前記結晶型を有するフタロシアニン
結晶は、他の結晶型に比べ結晶の安定性に劣るものであ
る。このため、これを用い感光体作製のための分散液を
作製する際、適当な条件(分散方法・分散媒・樹脂な
ど)を選定しないと、折角所望の結晶を用いたにも係わ
らず、作製される分散液に他の結晶型が混入してしまう
ことがある。 このため、所望の特性を得ることができ
ないことがあった。この点に関して、分散条件を検討し
た結果、適当な分散媒及びバインダー樹脂を用いること
により、安定な分散液を得られることが分かり、本発明
を完成するに至った。
【0012】したがって、本発明によれば、上記目的は
(1)「CuKαの特性X線(波長1.514Å)に対
するブラッグ角2θの回析ピーク(±0.2°)とし
て、少なくとも27.2°に最大回析ピークを有し、か
つ最も低角側の回析ピークとして7.3°にピークを有
することを特徴とするチタニルフタロシアニン結晶」、
(2)「前記チタニルフタロシアニンが、9.4°より
低角側の領域における回析ピークが7.3°であること
を特徴とする前記第(1)項に記載のチタニルフルロシ
アニン結晶」、(3)「前記チタニルフタロシアニン
が、7.4〜9.4°の範囲にピークを有さないことを
特徴とする前記第(1)項に記載のチタニルフタロシア
ニンン結晶」、(4)「前記チタニルフタロシアニン
が、28.6°にも同時にピークを有する場合、その強
度が27.2°の強度の20%未満であることを特徴と
する前記第(1)項乃至第(3)項の何れか1に記載の
チタニルフタロシアニン結晶」、(5)「前記チタニル
フタロシアニンが、ハロゲン化チタンを用いずに合成さ
れたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第
(4)項の何れか1に記載のチタニルフタロシアニン結
晶」によって達成される。
【0013】また本発明によれば、上記目的は、(6)
「CuKαの特性X線(波長1.514Å)に対するブ
ラッグ角2θの回析ピーク(±0.2°)として、少な
くとも7.0〜7.5°に最大回析ピークを有する不定
形チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒によ
り、結晶変換を行なうことを特徴とする前記第(1)項
乃至第(5)項の何れか1に記載のチタニルフタロシア
ニンの製造方法」、(7)「前記7.0〜7.5°の回
析ピークの半値巾が1°以上である不定形チタニルフタ
ロシアニンを水の存在下で有機溶媒により、結晶変換を
行なうことを特徴とする前記第(6)項に記載のチタニ
ルフタロシアニンの製造方法」、(8)「前記有機溶媒
が少なくとも、テトラヒドロフラン、トルエン、塩化メ
チレン、、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,
1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる一種を含む
ことを特徴とする前記第(6)項または第(7)項に記
載のチタニルフタロシアニンの製造方法」によって達成
される。
【0014】さらにまた本発明によれば、上記目的は
(9)「前記第(1)項〜第(5)項に記載のチタニル
フタロシアニン結晶を含有することを特徴とする電子写
真感光体用分散液」、(10)「前記分散液に含有され
る分散媒が少なくとも、ケトン系あるいはエステル系有
機溶媒の中から選ばれる一種を含むことを特徴とする前
記第(9)項に記載の電子写真感光体用分散液」、(1
1) 「前記分散液に含有されるバインダー樹脂が少な
くとも、アセチル化度が4mol%以上のポリビニルア
セタールを含むことを特徴とする前記第(9)項または
第(10)項に記載の電子写真感光体用分散液」によっ
て達成される。
【0015】目的とする結晶形を得る方法は、合成過程
において公知手法と同様な手法による方法、洗浄、精製
過程で結晶を変える方法、特別に結晶変換工程を設ける
方法が挙げられる。さらに、結晶変換工程を設ける方法
の中には溶媒、機械的な負荷による一般的な変換法並び
に、チタニルフタロシアニンを硫酸中にて溶解せしめ、
この溶液を水に注ぎ得られる無定形結晶を経て上記変換
を行なう硫酸ペースティング法が挙げられる。
【0016】これらの中でも、不定形結晶を経た後、水
の存在下で有機溶媒と接触させることによる結晶変換に
より所望の結晶型を得る方法が好適に用いられる。特
に、最大回析ピークを7.0°〜7.5°に持ち無定型
のものを用いること、更に好ましくは7.0〜7.5°
のピーク半値巾が1°以上のものが好適に使用できる。
【0017】また、結晶変換に用いる有機溶媒は所定の
結晶型を得られるものであれば、いかなる有機溶媒も使
用できるが、特にテトラヒドロフラン、シクロへキサノ
ン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジク
ロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から
選ばれる一種を含むことが望ましい。なお、有機溶媒は
二種以上混合して用いても構わない。
【0018】上述したように、高感度を示すTiOPc
を用いた感光体でもカールソンプロセスおよび類似プロ
セスにおいて繰り返し使用した場合、帯電性の低下と残
留電位の上昇を生じ、感光体の寿命を決定していた。本
発明者らは、TiOPcの結晶型に着目し、この課題を
解決すべく感光体の繰り返し使用後の静電特性に関して
検討を行なった結果、前述の特定のX線回析スペクトル
を示すTiOPcを用いた場合に、上記物性の繰り返し
特性が優れたものになることを確認し、本発明を完成し
た。
【0019】更に、上述のようなチタニルフタロシアニ
ンも、その合成工程によって、それを用いた感光体の特
性が大きく異なる。チタニルフタロシアニンを合成する
ルートは幾つか知られているが、うち、ハロゲン化チタ
ンを用いる方法もある。この方法により作製されたチタ
ニルフタロシアニンを用いた感光体は、繰り返し使用に
おいて、帯電性の低下が著しいことを見いだした。これ
を回避するためには、ハロゲン化チタンを用いずに合成
する(例えば、有機チタンを原料とする)方法により作
製することが望ましい。
【0020】本発明におけるTiOPcのX線スペクト
ルは、合成・精製・結晶変換工程を経て作製されたTi
OPc結晶を市販のX線回析スペクトル測定装置により
測定することができる。
【0021】本発明におけるTiOPcにおける特定ピ
ーク(例えば、7.3°、27.2°、28.6°)の
ピーク強度について説明する。前述の装置にて、一般的
なX線回析スペクトルを測定し、ベースライン補正を行
なった後、それぞれのピーク強度を求めた値が、本発明
でいうところのピーク強度である。また、ピークの半値
巾とは、ベースライン補正後のピーク強度の1/2強度
におけるピークの幅をいう。
【0022】本発明の電子写真感光体用分散液に用いら
れる分散媒について説明する。分散媒は、結晶型を変化
させないものであればいかなるものも使用できるが、特
にケトン系溶媒あるいはエステル系溶媒が有効に使用で
きる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサ
ノン、2−メチル−4−ペンタノン、2−ヘプタノン、
イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノ
ン、アセトフェノンなどが挙げられる。また、エステル
系溶媒としては、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル等が挙げ
られる。これら溶媒は単独で用いてもよいが、他の溶媒
と混合して用いても構わない。
【0023】更に本発明の電子写真感光体用分散液に用
いられるバインダー樹脂について説明する。バインダー
樹脂は分散系が安定で、感光体特性に影響を与えないも
のならば、いかなるものを使用できるが、ポリビニルア
セタールが良好に用いられる。ポリビニルアセタールは
下記(II)式で表わされるが、Rがプロピル基だけの
いわゆるポリビニルブチラールが有効に使用される。特
にアセチル化度が4mol%以上のポリビニルアセター
ルは中でも特に有効に使用できる。これらバインダー樹
脂は単独でも良好に使用できるが、他のバインダー樹脂
を併用することも可能である。
【0024】
【化2】
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の応用例である電子
写真感光体を図面に沿って説明する。第1図は、本発明
の光導電性材料を用いた電子写真感光体を表わす断面図
であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料と電
荷輸送材料を主成分とする単層感光層(33)が設けら
れている。第2、3図は、本発明の光導電性材料を用い
た電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、電
荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷
輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層
された構成をとっている。
【0026】導電性支持体(31)としては、体積抵抗
1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アル
ミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、
白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属
酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム
状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、
あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケ
ル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引
き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩な
どの表面処理した管などを使用することができる。ま
た、特開昭52−36016号公報に開示されたエンド
レスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導
電性支持体(31)として用いることができる。
【0027】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性
支持体(31)として用いることができる。この導電性
粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラッ
ク、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、
亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、IT
Oなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時
に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレ
ート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セ
ルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコ
ーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹
脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、
熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。このよ
うな導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当
な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタ
ン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布
することにより設けることができる。
【0028】さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステルポリスチレン、ポリ
塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンな
どの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブ
によって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性
支持体(31)として良好に用いることができる。
【0029】次に感光層について説明する。感光層は単
層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層
(35)と電荷輸送層(37)で構成される場合から述
べる。
【0030】電荷発生層(35)は、電荷発生材料とし
て上述した特定のX線の回析スペクトルを示すTiOP
cを主成分とする層である。電荷発生層(35)は、前
記TiOPcを必要に応じてバインダー樹脂とともに適
当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、
超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗
布し、乾燥することにより形成される。
【0031】必要に応じて電荷発生層(35)に用いら
れる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エ
ポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン
樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ
スルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェ
ノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢
酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリ
ビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられ
る。中でもポリビニルブチラールに代表されるポリビニ
ルアセタールは良好に使用される。特にアセチル化度が
4mol%以上のブチラール樹脂は良好に使用される。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜
500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当で
ある。
【0032】電荷発生層(35)には、上述した特定の
X線回析スペクトルを与えるTiOPcの他にその他の
電荷発生材料を併用することも可能であり、その代表と
して、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、
ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔
料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、
他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、
アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
【0033】ここで用いられる溶剤としては、例えばイ
ソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチ
ルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキ
サン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる
が、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶
媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬
塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコー
ト、スピナーコート、リングコート等の方法を用いるこ
とができる。電荷発生層(35)の膜厚は、0.01〜
5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmで
ある。
【0034】電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質およ
び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電
荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。ま
た、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を
添加することもできる。
【0035】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロル
アニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン
−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電
子受容性物質が挙げられる。
【0036】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘
導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、
α−フェニルスチルベン誘導体、、ベンジジン誘導体、
ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、
9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、
ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン
誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチ
ルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙
げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以
上混合して用いられる。
【0037】結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジェン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレ
ート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロ
ース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬
化性樹脂が挙げられる。
【0038】電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部
に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150
重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜1
00μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トル
エン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロ
エタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセ
トンなどが用いられる。
【0039】また、電荷輸送層には電荷輸送物質として
の機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送
物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質か
ら構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものであ
る。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用で
きるが、トリアリールアミン構造を主鎖および/または
側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。
【0040】本発明の感光体において電荷輸送層(3
7)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑
剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレー
トなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものが
そのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0
〜30重量%程度が適当である。レベリング剤として
は、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフ
ルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマ
ーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1
重量%が適当である。
【0041】次に感光層が単層構成(33)の場合につ
いて述べる。上述した特定のX線回析スペクトルを与え
るTiOPcを結着樹脂中に分散した感光体が使用でき
る。単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質お
よび結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを
塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この
感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タ
イプとしてもよく、良好に使用できる。また、必要によ
り、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加するこ
ともできる。
【0042】結着樹脂としては、先に電荷輸送層(3
7)で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発
生層(35)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよ
い。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に
使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物
質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量
は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50
〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、
結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサ
ン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬
塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して
形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜100μm程度
が適当である。
【0043】本発明の応用例である感光体においては、
導電性支持体(31)と感光層との間に下引き層を設け
ることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とす
るが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布する
ことを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高
い樹脂であることが望ましい。このような樹脂として
は、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸
ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシ
メチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレ
タン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成す
る硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモア
レ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリ
カ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化イン
ジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えて
もよい。
【0044】これらの下引き層は前述の感光層における
ような適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができ
る。更に本発明における下引き層として、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング
剤等を使用することもできる。この他、本発明における
下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、
ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSi
2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を
真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。こ
のほかにも公知のものを用いることができる。下引き層
の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0045】本発明の応用例である感光体においては、
感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられる
こともある。保護層に使用される材料としてはABS樹
脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合
体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレ
ン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカボネート、ポ
リエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベ
ンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポ
リスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−ス
チレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテト
ラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂
およびこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カ
リウム等の無機材料を分散したもの等を添加することが
できる。保護層の形成法としては通常の塗布法が採用さ
れる。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当
である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成し
たa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用
いることができる。
【0046】本発明の感光体においては感光層と保護層
との間に中間層を設けることも可能である中間層には、
一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹
脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、
水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、
ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成
法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。
なお、中間層の厚さは、0.05〜2μm程度が適当で
ある。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明が実施例により制約を受けるものではない。な
お、部はすべて重量部である。まず、本発明におけるチ
タニルフタロシアニンの具体的な合成例を述べる。
【0048】(合成例1〜6および比較合成例1〜2)
1、3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラ
ン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラ
ブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に
180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の
間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終
了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体
が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄
し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チ
タニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニ
ンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹
拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液
が中性になるまで水洗いを繰り返し、チタニルフタロシ
アニン顔料のウェットケーキを得た。得られたこのウェ
ットケーキ2gを表1に示す有機溶媒20gに投入し、
4時間攪拌を行なった。これにメタノール100gを追
加して、1時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥
して、本発明のチタニルフタロシアニン粉末を得た。
【0049】得られたチタニルフタロシアニン粉末を、
下記の条件によりX線回折スペクトル測定した。 X線管球:Cu 電圧:50kV 電流:30mA 走査速度:2°/分 走査範囲:3°〜40° 時定数:2秒
【0050】X線回析スペクトルから、最低角側のピー
ク位置および28.6°のピーク強度の27.2°のピ
ーク強度に対する割合を次のように求めた。まず、スペ
クトルをベースライン補正を行ない、27.2°および
28.6°のピーク強度を求める。これを単純に比較し
て百分率として割合を求めた。その結果を併せて表1に
示す。なお、得られたウェットケーキを乾燥したものと
合成例1〜6および比較例合成例1〜2で作製された顔
料のX線回析スペクトルを図4〜7に示す。合成例1〜
6のスペクトルはほとんど同一なもののため、合成例4
で作製した顔料のX線回析スペクトルを代表例として図
5に示す。
【0051】
【表1】
【0052】(比較合成例3)特開平1−299874
号公報に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわ
ち、合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥
物1gをポリエチレングリコール50gに加え、100
gのガラスビーズと共に、サンドミルを行なった。結晶
転移後、希硫酸、水酸化アンモニウム水溶液で順次洗浄
し、乾燥して顔料を得た。
【0053】(比較合成例4)特開平3−269064
号公報に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわ
ち、合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥
物1gをイオン交換水10gとモノクロルベンゼン1g
の混合溶媒中で1時間攪拌(50℃)した後、メタノー
ルとイオン交換水で洗浄し、乾燥して顔料を得た。
【0054】(比較合成例5)特開平2−8256号公
報に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、
フタロジニトリル9.8gと1−クロロナフタレン75
mlを攪拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン2.2m
lを滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇温
し、反応温度を200℃〜220℃の間に保ちながら3
時間攪拌して反応を行なった。反応終了後、放冷し13
0℃になったところ熱時ろ過し、ついで1−クロロナフ
タレンで粉体が青色になるまで洗浄、つぎにメタノール
で数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後、
乾燥し顔料を得た。
【0055】(比較合成例6)特開昭64−17066
号公報に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわ
ち、α型TiOPc5部を食塩10gおよびアセトフェ
ノン5gと共にサンドグラインダーにて100℃−10
時間結晶変換処理を行なった。これをイオン交換水及び
メタノールで洗浄し、希硫酸水溶液で精製し、イオン交
換水で酸分がなくなるまで洗浄した後、乾燥して顔料を
得た。
【0056】以上の比較合成例3〜6で作製した顔料は
先ほどと同様の方法でX線回析スペクトルを測定し、そ
れぞれの公報に記載のスペクトルと同様であることを確
認した。表2に先の表1と同様な評価結果を示す。
【0057】
【表2】
【0058】(実施例1〜6および比較例1〜6)合成
例1〜6および比較合成例1〜6で作製した顔料を用い
て、下記組成の分散液を作製した。 合成した顔料 15部 ポリビニルブチラール(アセチル化度 4mol%) 10部 メチルエチルケトン 600部 メチルエチルケトンによりポリビニルブチラールを溶解
し、次いでそれぞれ合成した顔料を加え、ボールミリン
グにより分散を行なった。
【0059】(実施例7〜12および比較例7〜12)
実施例1〜6および比較例1〜6で用いたメチルエチル
ケトンの代わりに、酢酸n−ブチルを分散媒として用い
た以外は全く同様に分散液を作製した。
【0060】(比較例13〜24)実施例1〜6および
比較例1〜6で用いたメチルエチルケトンの代わりに、
ブタノールを分散媒として用いた以外は全く同様に分散
液を作製した
【0061】実施例1〜12および比較例1〜24で作
製した分散液を浸漬塗工法により表面を陽極酸化したア
ルミドラムに塗工製膜した。また分散液作製後、1ヶ月
の静置保管テストを行なった。その結果、実施例1〜1
2および比較例1〜12で作製した分散液は浸漬塗工に
よりいずれも良好な塗膜が得られたが、比較例13〜2
4で作製した分散液は分散が不良で良好な結果が得られ
なかった。また1ヶ月後の静置保管の後、沈降性を目視
にて確認したが、実施例1〜12および比較例1〜12
で作製した分散液は沈降がわずかで、攪拌するだけで十
分に再分散が可能であった。一方、比較例13〜24で
作製した分散液は沈降が著しく、保管容器の底に顔料が
溜まっており、再分散が非常に困難であった。
【0062】(実施例13〜18および比較例25〜3
0)実施例1〜6および比較例1〜6で作製した分散液
を用いて以下の電子写真感光体を作製した。厚さ1mm
のアルミ板上に、下記組成の中間層用塗工液、電荷発生
層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥し
て、4μmの中間層、0.3μmの電荷発生層、25μ
mの電荷輸送層からなる電子写真感光体を形成した。 [下引き層塗工液] 二酸化チタン粉末 15部 ポリビニルブチラール 6部 2−ブタノン 150部 [電荷発生層塗工液]先述の分散液をそれぞれ用いた
(対応は表3に記載)。 [電荷輸送層塗工液] ポリカーボネート 10部 下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0063】
【化3】 塩化メチレン 80部
【0064】上記のように作製した電子写真感光体を静
電複写紙試験装置(川口電気製作所製SP−428型)
を用いて次のように評価した。まず、−5.6kVの放
電電圧にて、コロナ帯電を15秒間行ない、次いで、暗
減衰させ、暗減衰15秒後に1μW/cm2の光(78
0±10nm)を照射した。この時、帯電15秒後の表
面電位V15(−V)、V15と暗減衰後の表面電位V
30(−V)の比(DD)、および暗減衰後の表面電位
V30(−V)を半分の電位に光減衰させるのに必要な
露光量E1/2[μJ/cm2]を測定した。結果を表
3に示す。更に、上記の帯電と露光を30分間繰り返し
た後、同様の測定を行ない、疲労後の特性とした。結果
を表3に合わせて示す。
【0065】
【表3】 表3より、実施例13〜18の電子写真感光体は疲労後
においても帯電性および光感度が良好であることがわか
る。
【0066】(実施例19)合成例4で作製した顔料を
作製して、下記組成の電荷発生層用塗工液を作製した。 合成した顔料 15部 ポリビニルブチラール(アセチル化度 5.5mol%) 10部 メチルエチルケトン 600部 メチルエチルケトンにポリビニルブチラールを溶解し、
次いでそれぞれ合成した顔料を加え、ボールミリングに
より分散を行なった。これを電荷発生層に用いて、実施
例13と同じ方法・条件にて感光体を作製した。
【0067】(実施例20)合成例4で作製した顔料を
作製して、下記組成の電荷発生層用塗工液を作製した。 合成した顔料 15部 ポリビニルブチラール(アセチル化度 2mol%) 10部 メチルエチルケトン 600部 メチルエチルケトンによりポリビニルブチラールを溶解
し、次いでそれぞれ合成した顔料を加え、ボールミリン
グにより分散を行なった。これを電荷発生層に用いて、
実施例13と同じ方法・条件にて感光体を作製した。
【0068】上記のように作製した感光体を実施例13
と同じように評価した。結果を表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明によれば、特定のX線回析スペクトル
を与える新規なチタニルフタロシアニン結晶が提供され
る。これを使用した感光体は高感度を失うことなく繰り
返し使用によっても帯電性の低下と残留電位の上昇を生
じない安定な特性を有するものである。また、長期の保
存によっても上述の安定した特性を維持できる分散液が
提供されるという極めて優れた効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導電性材料を用いた電子写真感光体
を表わす断面図である。
【図2】本発明の光導電性材料を用いた電子写真感光体
の別の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の光導電性材料を用いた電子写真感光体
の更に別の構成例を示す断面図である。
【図4】チタニルフタロシアニンウエットケーキの乾燥
品のX線回析スペクトルを示した図である。
【図5】本発明における合成例4で作製した顔料のX線
回析スペクトルを示した図である。
【図6】比較合成例1で作製した顔料のX線回析スペク
トルを示した図である。
【図7】比較合成例2で作製した顔料のX線回析スペク
トルを示した図である。
【符号の説明】
31 導電性支持体 33 単層感光層 35 電荷発生層 37 電荷輸送層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuKαの特性X線(波長1.514
    Å)に対するブラッグ角2θの回析ピーク(±0.2
    °)として、少なくとも27.2°に最大回析ピークを
    有し、かつ最も低角側の回析ピークとして7.3°にピ
    ークを有することを特徴とするチタニルフタロシアニン
    結晶。
  2. 【請求項2】 前記チタニルフタロシアニンが、9.4
    °より低角側の領域における回析ピークが7.3°であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のチタニルフタロシ
    アニン結晶。
  3. 【請求項3】 前記チタニルフタロシアニンが、7.4
    〜9.4°の範囲にピークを有さないことを特徴とする
    請求項1に記載のチタニルフタロシアニン結晶。
  4. 【請求項4】 前記チタニルフタロシアニンが、28.
    6°にも同時にピークを有する場合、その強度が27.
    2°の強度の20%未満であることを特徴とする請求項
    1乃至3の何れか1に記載のチタニルフタロシアニン結
    晶。
  5. 【請求項5】 前記チタニルフタロシアニンが、ハロゲ
    ン化チタンを用いずに合成されたものであることを特徴
    とする請求項1乃至4の何れか1に記載のチタニルフタ
    ロシアニン結晶。
  6. 【請求項6】 CuKαの特性X線(波長1.514
    Å)に対するブラッグ角2θの回析ピーク(±0.2
    °)として、少なくとも7.0〜7.5°に最大回析ピ
    ークを有する不定形チタニルフタロシアニンを水の存在
    下で有機溶媒により、結晶変換を行なうことを特徴とす
    る請求項1乃至5の何れか1に記載のチタニルフタロシ
    アニンの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記7.0〜7.5°の回析ピークの半
    値巾が1°以上である不定形チタニルフタロシアニンを
    水の存在下で有機溶媒により、結晶変換を行なうことを
    特徴とする請求項6に記載のチタニルフタロシアニンの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記有機溶媒が少なくとも、テトラヒド
    ロフラン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オル
    トジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの
    中から選ばれる一種を含むことを特徴とする請求項6ま
    たは7に記載のチタニルフタロシアニンの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5に記載のチタニルフタロシ
    アニン結晶を含有することを特徴とする電子写真感光体
    用分散液。
  10. 【請求項10】 前記分散液に含有される分散媒が少な
    くとも、ケトン系あるいはエステル系有機溶媒の中から
    選ばれる一種を含むことを特徴とする請求項9に記載の
    電子写真感光体用分散液。
  11. 【請求項11】 前記分散液に含有されるバインダー樹
    脂が少なくとも、アセチル化度が4mol%以上のポリ
    ビニルアセタールを含むことを特徴とする請求項9また
    は10に記載の電子写真感光体用分散液。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002221807A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Kyocera Mita Corp 特定のポリエステル樹脂と電荷発生剤を使用した単層型電子写真感光体
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