JP3854429B2 - 有機顔料分散液、電子写真感光体および電子写真方法、電子写真装置ならびに電子写真装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のラマンスペクトルを与えるフタロシアニン結晶を含有した分散液、また、この特定のフタロシアニン結晶を用いた電子写真感光体、その感光体を使用した電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真感光体、特に有機光導電体を使用する電子写真有機感光体は、それまでのセレン膜を真空蒸着法により作製した無機感光体に比べ、コストが低い、毒性がほとんどない、成膜が容易性であるなどの多くのメリットがあり、現在の電子写真感光体の主流となりつつある。
【0003】
有機感光体は、導電性支持体上に電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂などを含む感光層用塗液を浸漬塗工などで成膜するいわゆる単層感光体や、導電性支持体上に電荷発生物質を含む塗液を用いて電荷発生層を形成後、電荷輸送物質を含む塗液を用いて電荷輸送層を形成する積層感光体がある。積層感光体には、画質向上や耐久性の向上などの目的で下引き層や、保護層などが塗工される場合もある。
【0004】
ところで近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行う光プリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。このデジタル記録技術はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。また、従来からあるアナログ複写にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予想される。
【0005】
光プリンターの光源としては現在のところ小型で安価で信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。現在よく使われているLEDの発光波長は660[nm]であり、LDの発光波長域は近赤外光領域にある。このため可視光領域から近赤外光領域に高い感度を有する電子写真感光体の開発が望まれている。
【0006】
電子写真感光体の感光波長域は感光体に使用される電荷発生物質の感光波長域によってほぼ決まってしまう。そのため従来から各種アゾ顔料、多環キノン系顔料、三方晶形セレン、各種フタロシアニン顔料等多くの電荷発生物質が開発されている。それらの内、特開平3−35064号公報、同3−35245号公報、同3−37669号公報、同3−269064号公報、同7−319179号公報等に記載されている、チタニルフタロシアニン顔料(TiOPcと略記される)は600〜800[nm]の長波長光に対して高感度を示すため、光源がLEDやLDである電子写真プリンターやデジタル複写機用の感光体用材料として極めて重要かつ有用である。
【0007】
一方、カールソンプロセスおよび類似プロセスにおいて繰り返し使用される電子写真感光体の条件としては、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留電位、分光特性に代表される静電特性が優れていることが要求される。とりわけ、高感度感光体については繰り返し使用による帯電性の低下と残留電位の上昇が、感光体の寿命・特性を支配することが多くの感光体で経験的に知られており、前記チタニルフタロシアニンもこの例外ではない。従って、チタニルフタロシアニンを用いた感光体の繰り返し使用による安定性は未だ十分とはいえず、その技術の完成が熱望されていた。また、これら特徴を持った感光体を長期的に安定に作製可能な分散液も要望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高感度を失うことなく繰り返し使用によっても帯電性の低下を生じない安定な電子写真感光体を提供することにある。また、前記特徴を持った感光体を長期間安定して作製できる分散液を提供することにある。本発明の別の目的は、前記特性を維持したまま、耐摩耗性を向上した電子写真感光体を提供することにある。本発明のさらに別の目的は、繰り返し使用によっても異常画像の少ない、安定した画像を得ることの出来る電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)溶媒中に少なくとも1064[nm]の励起光源により測定したラマンスペクトルにおいて1450±2[cm −1 ]、1301±2[cm −1 ]、1102±2[cm −1 ]、1005±2[cm −1 ]、483±2[cm −1 ]に吸収ピークを示すチタニルフタロシアニン顔料が分散されている有機顔料分散液であって、該チタニルフタロシアニン顔料は、ハロゲン化チタンを用いずに合成されたチタニルフタロシアニンを硫酸中で溶解させた溶液を水に注ぐことにより無定形結晶とした後、溶媒を用いて結晶変換することにより得られたことを特徴とする有機顔料分散液。
(2)導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質として1064[nm]の励起光源により測定したラマンスペクトルにおいて1450±2[cm −1 ]、1301±2[cm −1 ]、1102±2[cm −1 ]、1005±2[cm −1 ]、483±2[cm −1 ]に吸収ピークを示すチタニルフタロシアニン顔料を含有する感光層を有する電子写真感光体であって、該チタニルフタロシアニン顔料は、ハロゲン化チタンを用いずに合成されたチタニルフタロシアニンを硫酸中で溶解させた溶液を水に注ぐことにより無定形結晶とした後、溶媒を用いて結晶変換することにより得られたことを特徴とする電子写真感光体。
(3)前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなることを特徴とする(2)に記載の電子写真感光体。
(4)前記電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする(3)に記載の電子写真感光体。
(5)(2)〜(4)のいずれかの電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰り返し行うことを特徴とする電子写真方法。
(6)少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段および(2)〜(4)のいずれかの電子写真感光体を具備してなることを特徴とする電子写真装置。
(7)少なくとも(2)〜(4)のいずれかの電子写真感光体を具備してなることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる、チタニルフタロシアニン顔料(TiOPc)の基本構造は次の一般式(1)で表わされる。
【化1】
【0019】
チタニルフタロシアニンの合成法や電子写真特性に関する文献としては、例えば特開昭57−148745号公報、特開昭59−36254号公報、特開昭59−44054号公報、特開昭59−31965号公報、特開昭61−239248号公報、特開昭62−67094号公報などが挙げられる。また、チタニルフタロシアニンには種々の結晶系が知られており、特開昭59−49544号公報、特開昭59−166959号公報、特開昭61−239248号公報、特開昭62−67094号公報、特開昭63−366号公報、特開昭63−116158号公報、特開昭63−196067号公報、特開昭64−17066号公報等に各々結晶形の異なるチタニルフタロシアニンが開示されている。さらに、また、特開平8−314171号公報には、特定のラマンスペクトルを示すチタニルフタロシアニンを使用した感光体が記載されている。
【0020】
本発明において目的とするラマンスペクトルを示すチタニルフタロシアニン顔料を得る方法は、合成過程において公知の方法による方法、洗浄・精製過程で結晶を変える方法、特別に結晶変換工程を設ける方法が挙げられる。さらに、結晶変換工程をもうける方法の中には溶媒、機械的な負荷による一般的な変換法、並びに、チタニルフタロシアニンを硫酸中にて溶解せしめ、この溶液を水に注ぎ得られる無定形結晶を経て上記変換をおこなう硫酸ぺーステイング法が挙げられる。
【0021】
結晶変換に用いる溶媒は所定の結晶型を得られるものであれば、いかなる有機溶媒も使用出来るが、特にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、o−ジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる一種を含むことが望ましい。なお、有機溶媒は二種以上混合して用いても構わない。
【0022】
上述したように、高感度を示すチタニルフタロシアニン顔料を用いた感光体でもカールソンプロセスおよび類似プロセスにおいてくり返し使用した場合、帯電性の低下と残留電位の上昇を生じ、感光体の寿命を決定していた。本発明者らは、チタニルフタロシアニンの結晶型に着目し、この課題を解決すべく感光体のくり返し使用後の静電特性に関して検討を行った結果、前述の特定のラマンスペクトルを示す結晶を用いた場合に、上記物性のくり返し特性が優れたものになることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0023】
更に、上述のようなチタニルフタロシアニ顔料は、その合成工程によって、それを用いた感光体の特性が大きく異なる。チタニルフタロシアニン顔料を合成するルートは幾つか知られているが、ハロゲン化チタンを用いる方法も知られている。この方法により作製されたチタニルフタロシアニン顔料を用いた感光体は、繰り返し使用において、帯電性の低下が著しいことを見いだした。これを回避するためには、ハロゲン化チタンを用いずに合成する(例えば、有機チタンを原料とする)方法により作製することが望ましい。
【0024】
本発明におけるチタニルフタロシアニン顔料のラマンスペクトルは、合成・精製・結晶変換工程等を経て作製されたチタニルフタロシアニン結晶を市販のラマンスペクトル測定装置により測定することが出来る。
【0025】
本発明の有機顔料分散液について説明する。この分散液は、電子写真感光体の感光層を形成するのに有用な分散液であり、先述の特定のラマンスペクトルを示すチタニルフタロシアニン顔料を含有する分散液である。この有機顔料分散液の用途は、これを用いて作製される後述の感光体の構成により多少異なるが、感光層が単層構成の場合には感光層用分散液として用いられ、感光層が積層構成の場合には主に電荷発生層用分散液として用いられる。
【0026】
電子写真感光体用としての分散液は、前記チタニルフタロシアニン顔料を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶媒中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散することにより形成される。
また必要に応じて、後述の電荷輸送物質あるいは各種添加剤を加えることも可能である。
【0027】
必要に応じて用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは良好に使用され、特にアセチル化度が4[mol%]以上のポリビニルアセタール(ブチラール)は良好に使用される。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0028】
この電子写真感光体用分散液には、上述した特定のラマンスペクトルを与えるチタニルフタロシアニン顔料の他に、その他の電荷発生材料を併用することも可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スタアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
【0029】
ここで分散媒として用いられる有機溶媒には、公知のものが広く使用できるが、特にイソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。
これらの溶媒は、単独で又は混合して用いられる。これらの溶媒は最初から混合してもよいし、また溶媒を用いてTiOPc、その他の電荷発生材料を分散した後、希釈溶媒を混合してもよい。
【0030】
次に、本発明の電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層33が設けられている。
図2、図3は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層37とが、積層された構成をとっている。
【0031】
導電性支持体31としては、体積抵抗1010[Ω・cm]以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フイルム状もしくは円筒状のプラスチックや紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0032】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。
【0033】
ここで、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。
【0034】
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0035】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0036】
次に感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と電荷輸送層37で構成される場合から述べる。
【0037】
電荷発生層35は、電荷発生材料として上述した特定のラマンスペクトルを示すチタニルフタロシアニンを主成分とする層である。
電荷発生層35は、前記チタニルフタロシアニンを必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
【0038】
必要に応じて電荷発生層35に用いられる結着樹脂としては、電子写真感光体用分散液の説明において列記したのと同じ、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ボリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは良好に使用され、特にアセチル化度が4[mol%]以上のポリビニルアセタール(ブチラール)は良好に使用される。
【0039】
電荷発生層35には、上述した特定のラマンスペクトルを与えるチタニルフタロシアニンの他に、その他の電荷発生材料を併用することも可能であり、その代表例としては、電子写真感光体用分散液の説明において列記したのと同じ、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スタアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
【0040】
ここで用いられる溶剤としては、電子写真感光体用分散液の説明において列記したのと同じ、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。
【0041】
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
電荷発生層35の膜厚は0.01〜5[μm]程度が適当であり、好ましくは0.1〜2[μm]である。
【0042】
電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0043】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0044】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラジン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0045】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0046】
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0047】
塗布液の塗工法としては、前記の電荷発生層塗布液の塗工法と同様に、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。
電荷輸送層の膜厚は5〜100[μm]程度とすることが好ましい。
【0048】
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、(2)〜(11)式で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示する。
【0049】
【化2】
式中、R1,R2,R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5,R6は置換もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k,jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
【0050】
【化3】
式中、R101,R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO2−,−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
【化4】
式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す。ここで、R101とR102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0051】
【化5】
式中、R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1,Ar2,Ar3は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0052】
【化6】
式中、R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4,Ar5,Ar6は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0053】
【化7】
式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7,Ar8,Ar9は同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表す。X,k,jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0054】
【化8】
式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1,X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X,k,jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0055】
【化9】
式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンェーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0056】
【化10】
式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0057】
【化11】
式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0058】
【化12】
式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0059】
【化13】
式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Al30,Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X,k,jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0060】
本発明の感光体において電荷輸送層37中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0061】
次に感光層が単層構成33の場合について述べる。ここでは上述した特定のラマンスペクトルを与えるチタニルフタロシアニンを結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、この感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしても良く、良好に使用できる。更に必要により、チタニルフタロシアニン以外の電荷発生物質、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0062】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層37で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層35で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する、電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部さらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜100[μm]程度が適当である。
【0063】
本発明の感光体においては、導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0064】
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5[μm]が適当である。
【0065】
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもある。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフイン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアタリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0066】
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。保護層の形成法としては通常の塗布法(スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等)が採用される。
保護層の厚さは0.1〜10[μm]程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
【0067】
本発明の感光体においては感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2[μm]程度が適当である。
【0068】
次に図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
【0069】
図4は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図てあり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0070】
図4において、感光体1は導電性支持体上に本発明に係る特定のラマンスペクトルを与えるチタニルフタロシアニンを含有する感光層が設けられてなる。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャー3、転写前チャージャー7、転写チャージャー10、分離チャージャー11、クリーニング前チャージャー13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
【0071】
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
【0072】
また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0073】
かかる光源等は、図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0074】
現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およびブレード15により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0075】
電子写真感光体に正(又は負)帯電を施し、像露光を行なうと、感光体表面上には正(又は負)の静電潜像が形成される。
これを負(又は正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(又は負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0076】
図5には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。感光体21は特定のラマンスペクトルを与えるチタニルフタロシアニンを含有する感光層を有しており、駆動ローラ22a,22bにより駆動され、帯電器23による帯電、光源24による像露光、現像(図示せず)、帯電器25を用いる転写、光源26によるクリーニング前露光、ブラシ27によるクリーニング、光源28による除電が繰返し行なわれる。図5においては、感光体21(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0077】
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図5において支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
【0078】
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0079】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図6に示すものが挙げられる。感光体16は、導電性支持体上に特定のラマンスペクトルを与えるチタニルフタロシアニンを含有する感光層を有してなるものである。
【0080】
【実施例】
次に、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
まず、本発明におけるチタニルフタロシアニンの具体的な合成例を述べる。
【0081】
(合成例1)
1,3−ジイミノイソインドリン292[g]とスルホラン2000[ml]を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204[g]を滴下する。滴下終了後、徐々に180[℃]まで昇温し、反応温度を170℃〜180[℃]の間に保ちながら5時間攪拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80[℃]の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に攪拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、ついで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキを得た。
得られたウェットケーキ20[g]を1,2−ジクロロエタン200[g]に投入し、4時間攪拌を行なった。これにメタノール1000[g]を追加して、1時間攪拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。
【0082】
(合成例2)
合成例1で作製したチタニルフタロシアニン粉末を、テトラヒドロフランを用いて溶剤処理を行った後、そのまま溶剤を乾燥・固化し、チタニルフタロシアニン粉末を得た。
【0083】
合成例1及び2で得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりラマンスペクトル測定した。
ラマン分光装置:Nicolet Raman950、励起光:1064[nm](出力:0.5[W])
検出器:Ge、積算回数:200回、分解能:2[cm-1]
【0084】
合成例1で得られたチタニルフタロシアニンのラマンスペクトルは、1509[cm-1]に最も強い吸収を示し、特徴的な吸収ピークとして483[cm-1],更に1450[cm-1],1301[cm-1],1102[cm-1],1005[cm-1]に吸収を示した。
合成例2で得られたチタニルフタロシアニンのラマンスペクトルは、1508[cm-1]に最も強い吸収を示し、特徴的な吸収ピークとして487[cm-1],更に1453[cm-1],1304[cm-1],1107[cm-1],1007[cm-1]に吸収を示し、合成例1のチタニルフタロシアニンとは明らかに異なる吸収パターンを示した。
【0085】
(合成例3)
特開平8−314171号公報の合成例1に記載された方法に従って、チタニルフタロシアニンを合成した。
【0086】
(電子写真感光体用分散液の作製例1)
合成例1で作製したチタニルフタロシアニン粉末15部を、ポリビニルブチラール10部を溶解した2−ブタノン600部に市販のビーズミル分散機により、分散を行ない、電子写真感光体用分散液を作製した。
(作製した電子写真感光体用分散液を分散液1とする)
【0087】
(電子写真感光体用分散液の作製例2)
合成例2で作製したチタニルフタロシアニン粉末を、実施例1と同じ条件にて分散を行い、電子写真感光体用分散液を作製した。
(作製した電子写真感光体用分散液を分散液2とする)
【0088】
(電子写真感光体用分散液の作製例3)
合成例1で作製したチタニルフタロシアニン粉末15部を、ポリビニルブチラール10部を溶解した酢酸n−ブチル600部に市販のボールミル分散機により、分散を行ない、電子写真感光体用分散液を作製した。
(作製した電子写真感光体用分散液を分散液3とする)
【0089】
(電子写真感光体用分散液の作製例4)
合成例2で作製したチタニルフタロシアニン粉末15部を、ポリビニルブチラール10部を溶解した酢酸n−ブチル600部に市販のボールミル分散機により、分散を行ない、電子写真感光体用分散液を作製した。
(作製した電子写真感光体用分散液を分散液4とする)
【0090】
電子写真感光体用分散液の作製例1〜4で得られた電子写真感光体用分散液(分散液1〜4)のラマンスペクトルを先述の方法に準じて測定した。いずれの場合にも、分散前のチタニルフタロシアニン粉末のラマンスペクトルと同一のスペクトルが得られた。
【0091】
(電子写真感光体用分散液の作製例5)
特開平8−314171号公報の実施例1に記載された方法に従って、分散液を作製した。
(作製した電子写真感光体用分散液を分散液5とする)
分散液5をガラス基板上にキャスト成膜して、乾燥してラマンスペクトル測定用のサンプルとした。これを特開平8−314171号公報記載のラマンスペクトル測定方法に準じて、励起光源を514.5[nm]のレーザーに変えて測定を行った。その結果、特開平8−314171号公報のラマンスペクトルとほぼ同一のスペクトルが得られた。
【0092】
実施例1
電鋳ニッケル・ベルト上に下記組成の下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、厚さ4[μm]の中間層、厚さ0.3[μm]の電荷発生層、厚さ25[μm]の電荷輸送層からなる電子写真感光体を作成した。
(下引き層塗工液)
二酸化チタン粉末 15部
ポリビニルブチラール 6部
2−ブタノン 150部
(電荷発生層塗工液)
電子写真感光体用分散液作製例1で作製した分散液1を用いた。
(電荷輸送層塗工液)
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化14】
【0093】
比較例1
実施例1における電荷発生層塗工液を分散液2に変えた以外は実施例1と全く同様に電子写真感光体を作製した。
【0094】
比較例2
実施例1における電荷発生層塗工液を分散液5に変えた以外は実施例1と全く同様に電子写真感光体を作製した。
【0095】
実施例1及び比較例1、2で作製した電子写真感光体を図5に示す電子写真プロセス(ただし、クリーニング前露光は無し)に装着し、画像露光光源を780[nm]の半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、現像直前の感光体の表面電位が測定できるように表面電位計のプローブを挿入した。連続して一万枚の印刷を行い、その時の画像露光部と画像非露光部の表面電位を初期と一万枚後に測定した。結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
表1より、実施例1の電子写真感光体は繰返し使用後にも、安定した表面電位を維持していることがわかる。
【0097】
実施例2
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、厚さ3.5[μm]の中間層、厚さ0.2[μm]の電荷発生層、厚さ28[μm]の電荷輸送層からなる電子写真感光体を作成した。
(下引き層塗工液)
二酸化チタン粉末 400部
メラミン樹脂 65部
アルキッド樹脂 120部
2−ブタノン 400部
(電荷発生層塗工液)
電子写真感光体用分散液作製例3で作製した分散液3を用いた。
(電荷輸送層塗工液)
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【化15】
塩化メチレン 80部
【0098】
比較例3
実施例2における電荷発生層塗工液を分散液4に変えた以外は実施例2と全く同様に電子写真感光体を作製した。
【0099】
上記の実施例2および比較例3の各電子写真感光体を図4に示す電子写真プロセスに装着し(ただし、画像露光光源を780[nm]に発光を持つLDとした)、連続して一万枚の印刷を行い、その時の画像を初期と一万枚後に評価した。結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
表2から実施例2の電子写真感光体は繰返し使用後にも、良好な画像を維持していることがわかる。
【0101】
実施例3
実施例1における導電性支持体を電鋳ニッケル・ベルトからアルミシリンダーに変えた以外は実施例1と全く同様に電子写真感光体を作製した。
【0102】
実施例4
実施例3の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変えた以外は、実施例3と全く同様に電子写真感光体を作製した。
(電荷輸送層塗工液)
下記構造式の高分子電荷輸送物質 10部
【化16】
塩化メチレン 100部
【0103】
実施例5
実施例3の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変えた以外は、実施例5と全く同様に感光体を作製した。
(電荷輸送層塗工液)
下記構造式の高分子輸送物質 10部
【化17】
塩化メチレン 100部
【0104】
上記の実施例3〜5の各電子写真感光体を図6に示す電子写真プロセスに装着し(ただし、画像露光光源を780[nm]に発光を持つLDとした)、連続して一万枚の印刷を行い、その時の画像を初期と一万枚後に評価した。また、電荷輸送層の膜厚の変化(減少量)を測定した。結果を表3に示す。
【0105】
【表3】
表3から実施例4〜5の電子写真感光体は特に優れた耐摩耗性を示していることがわかる。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、特定のラマンスペクトルを与えるチタニルフタロシアニン顔料を使用した電子写真感光体は高感度を失うことなく、繰り返し使用によっても帯電性の低下と残留電位の上昇を生じない。また、特定のラマンスペクトルを与えるチタニルフタロシアニンを含有する電子写真感光体用分散液を用いることによって、前記特徴を持った感光体を長期間安定して作製することが可能になる。また、特定のポリカボーネートを前記感光体に併用することにより、前記特性を維持したまま、耐摩耗性を向上することが可能になる。また、前述の感光体を用いることにより、高感度を失うことなく繰り返し使用によっても帯電性の低下と残留電位の上昇を生じない安定な電子写真方法が提供される。さらに、高感度を失うことなく繰り返し使用によっても帯電性の低下と残留電位の上昇を生じない安定な電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる電子写真感光体の模式断面図。
【図2】本発明で用いられる別の電子写真感光体の模式断面図。
【図3】本発明で用いられる更に別の電子写真感光体の模式断面図。
【図4】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図。
【図5】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図。
【図6】本発明の代表的な電子写真装置を説明するための概略図。
【符号の説明】
31 導電性支持体
33 単層感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
Claims (7)
- 溶媒中に少なくとも1064[nm]の励起光源により測定したラマンスペクトルにおいて1450±2[cm −1 ]、1301±2[cm −1 ]、1102±2[cm −1 ]、1005±2[cm −1 ]、483±2[cm −1 ]に吸収ピークを示すチタニルフタロシアニン顔料が分散されている有機顔料分散液であって、
該チタニルフタロシアニン顔料は、ハロゲン化チタンを用いずに合成されたチタニルフタロシアニンを硫酸中で溶解させた溶液を水に注ぐことにより無定形結晶とした後、溶媒を用いて結晶変換することにより得られたことを特徴とする有機顔料分散液。 - 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質として1064[nm]の励起光源により測定したラマンスペクトルにおいて1450±2[cm −1 ]、1301±2[cm −1 ]、1102±2[cm −1 ]、1005±2[cm −1 ]、483±2[cm −1 ]に吸収ピークを示すチタニルフタロシアニン顔料を含有する感光層を有する電子写真感光体であって、
該チタニルフタロシアニン顔料は、ハロゲン化チタンを用いずに合成されたチタニルフタロシアニンを硫酸中で溶解させた溶液を水に注ぐことにより無定形結晶とした後、溶媒を用いて結晶変換することにより得られたことを特徴とする電子写真感光体。 - 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
- 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰り返し行うことを特徴とする電子写真方法。
- 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段および請求項2乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする電子写真装置。
- 少なくとも請求項2乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
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