JPH11119453A - 分散液、電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

分散液、電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置および電子写真装置用プロセスカートリッジ

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JPH11119453A
JPH11119453A JP27887397A JP27887397A JPH11119453A JP H11119453 A JPH11119453 A JP H11119453A JP 27887397 A JP27887397 A JP 27887397A JP 27887397 A JP27887397 A JP 27887397A JP H11119453 A JPH11119453 A JP H11119453A
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Tatsuya Niimi
達也 新美
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度を失うことなく繰り返し使用によ
っても帯電性の低下と残留電位の上昇を生じない安定な
電子写真方式を提供する。 【解決手段】 CuKαの特性X線(波長1.514
Å)に対するブラッグ角2θの回折ピークとして、少な
くとも26.3±0.2°および27.2±0.2°に
ピークが同時に存在し、かつ、26.3±0.2°のピ
ーク強度の27.2±0.2°のピーク強度に対する強
度比が1〜40%であるチタニルフタロシアニンを含有
することを特徴とする分散液およびこれを用いた電子写
真感光体さらには電子写真方式、電子写真装置並びに電
子写真装置用プロセスカートリッジである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のX線回折ス
ペクトルを与えるフタロシアニンを含有する分散液なら
びにそれを用いた電子写真感光体ならびにそれを用いた
電子写真方法および電子写真装置および電子写真装置用
プロセスカートリッジに関し、詳しくは、繰り返し使用
によっても感光体の帯電電位と残留電位の安定性に優れ
た電子写真感光体ならびにそれを用いた電子写真方法お
よび電子写真装置および電子写真装置用プロセスカート
リッジに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた情報処理シ
ステム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデ
ジタル信号に変換して光によって情報記録を行う光プリ
ンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著
しい。このデジタル記録技術はプリンターのみならず通
常の複写機にも応用され所謂デジタル複写機が開発され
ている。又、従来からあるアナログ複写にこのデジタル
記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能
が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと
予想される。
【0003】光プリンターの光源としては現在のところ
小型で安価で信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発
光ダイオード(LED)が多く使われている。現在よく
使われているLEDの発光波長は660nmであり、L
Dの発光波長域は近赤外光領域にある。このため可視光
領域から近赤外光領域に高い感度を有する電子写真感光
体の開発が望まれている。
【0004】電子写真感光体の感光波長域は感光体に使
用される電荷発生物質の感光波長域によってほぼ決まっ
てしまう。そのため従来から各種アゾ顔料、多環キノン
系顔料、三方晶形セレン、各種フタロシアニン顔料等多
くの電荷発生物質が開発されている。それらの内、チタ
ニルフタロシアニン(TiOPcと略記される)は60
0〜800nmの長波長光に対して高感度を示すため、
光源がLEDやLDである電子写真プリンターやデジタ
ル複写機用の感光体用材料として極めて重要かつ有用で
ある。
【0005】一方、カールソンプロセスおよび類似プロ
セスにおいて繰り返し使用される電子写真感光体の条件
としては、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、
残留電位、分光特性に代表される静電特性が優れている
ことが要求される。とりわけ、高感度感光体については
繰り返し使用による帯電性の低下と残留電位の上昇が、
感光体の寿命特性を支配することが多くの感光体で経験
的に知られており、チタニルフタロシアニンもこの例外
ではない。従って、チタニルフタロシアニンを用いた感
光体の繰り返し使用による安定性は未だ十分とはいえ
ず、その技術の完成が熱望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度を失うことなく繰り返し使用によっても帯電性の低下
と残留電位の上昇を生じない安定な電子写真感光体を提
供することにある。本発明の別の目的は、高感度を失う
ことなく繰り返し使用によっても帯電性の低下と残留電
位の上昇を生じない安定な電子写真方法を提供すること
にある。本発明の別の目的は、高感度を失うことなく繰
り返し使用によっても帯電性の低下と残留電位の上昇を
生じない安定な電子写真装置および電子写真装置用プロ
セスカートリッジを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明で用いられる、チ
タニルフタロシアニン顔料の基本構造は次の一般式
(1)で表される。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、X1、X2、X3、X4は各々独立に
各種ハロゲン原子を表し、n、m、l、kは各々独立的
に0〜4の数字を表す) TiOPcの合成法や電子写真特性に関する文献として
は、例えば特開昭57−148745号公報、特開昭5
9−36254号公報、特開昭59−44054号公
報、特開昭59−31965号公報、特開昭61−23
9248号公報、特開昭62−67094号公報などが
挙げられる。また、TiOPcには種々の結晶系が知ら
れており、特開昭59−49544号公報、特開昭61
−239248号公報、特開昭62−67094号公
報、特開昭63−366号公報、特開昭63−1161
58号公報、特開昭63−196067号公報、特開昭
64−17066号公報等に各々結晶形の異なるTiO
Pcが開示されている。
【0010】本発明者らは、TiOPcの結晶型に着目
し、上記課題を解決すべく感光体の繰り返し使用後の静
電特性に関して鋭意検討を行い、本発明を完成するに至
った。
【0011】すなわち、本発明は下記のとおりである。
【0012】(1)CuKαの特性X線(波長1.51
4Å)に対するブラッグ角2θの回折ピークとして、少
なくとも26.3±0.2°および27.2±0.2°
にピークが同時に存在し、かつ、26.3±0.2°の
ピーク強度の27.2±0.2°のピーク強度に対する
強度比が1〜40%であるチタニルフタロシアニンを含
有することを特徴とする分散液。
【0013】(2)前記分散液に含有される溶媒が少な
くとも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶
媒の群より選ばれる1種を含有することを特徴とする前
記(1)記載の分散液。
【0014】(3)前記分散液に含有されるバインダー
樹脂として少なくともポリビニルアセタールを含有する
ことを特徴とする前記(1)又は(2)記載の分散液。
【0015】(4)導電性支持体上に少なくとも感光層
を設け、該感光層中に少なくともCuKαの特性X線
(波長1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折ピ
ークとして、少なくとも26.3±0.2°および2
7.2±0.2°にピークが同時に存在し、かつ、2
6.3±0.2°のピーク強度の27.2±0.2°の
ピーク強度に対する強度比が1〜40%であるチタニル
フタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感
光体。
【0016】(5)前記感光層が電荷発生層と電荷輸送
層の積層構成から成ることを特徴とする前記(4)記載
の電子写真感光体。
【0017】(6)上記電子写真感光体の電荷輸送層に
少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/また
は側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴と
する前記(5)記載の電子写真感光体。
【0018】(7)電子写真感光体に、少なくとも帯
電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰り
返し行う電子写真方法において、該電子写真感光体が少
なくともCuKαの特性X線(波長1.514Å)に対
するブラッグ角2θの回折ピークとして、少なくとも2
6.3±0.2°および27.2±0.2°にピークが
同時に存在し、かつ、26.3±0.2°のピーク強度
の27.2±0.2°のピーク強度に対する強度比が1
〜40%であるチタニルフタロシアニンを含有する感光
層を導電性支持体上に設けたものであることを特徴とす
る電子写真方法。
【0019】(8)少なくとも帯電手段、画像露光手
段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段
および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であ
って、該電子写真感光体が少なくともCuKαの特性X
線(波長1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折
ピークとして、少なくとも26.3±0.2°および2
7.2±0.2°にピークが同時に存在し、かつ、2
6.3±0.2°のピーク強度の27.2±0.2°の
ピーク強度に対する強度比が1〜40%であるチタニル
フタロシアニンを含有する感光層を導電性支持体上に設
けたものであることを特徴とする電子写真装置。
【0020】(9)少なくとも電子写真感光体を具備し
てなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、
該電子写真感光体が少なくともCuKαの特性X線(波
長1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク
として、少なくとも26.3±0.2°および27.2
±0.2°にピークが同時に存在し、かつ、26.3±
0.2°のピーク強度の27.2±0.2°のピーク強
度に対する強度比が1〜40%であるチタニルフタロシ
アニンを含有する感光層を導電性支持体上に設けたもの
であることを特徴とする電子写真装置用プロセスカート
リッジ。
【0021】本発明に使用されるチタニルフタロシアニ
ンは、Cu−Kα特性X線(波長1.514Å)を用い
たX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θの回折
ピークとして、少なくとも26.3±0.2°および2
7.2±0.2°ピークが同時に存在し、かつ、26.
3±0.2°のピーク強度の27.2±0.2°のピー
ク強度に対する強度比が1〜40%であるチタニルフタ
ロシアニンが好ましく使用される。更に望ましくは、2
6.3±0.2°のピーク強度の27.2±0.2°の
ピーク強度に対する強度比が5〜35%であるチタニル
フタロシアニンが好ましく使用される。
【0022】目的とする結晶形(無定形も含む)を得る
方法は、合成過程において公知の方法による方法、洗浄
・精製過程で結晶を変える方法、特別に結晶変換工程を
設ける方法が挙げられる。さらに、結晶変換工程をもう
ける方法の中には溶媒、機械的な負荷による一般的な変
換法並びに、チタニルフタロシアニンを硫酸中にて溶解
せしめ、この溶液を水に注ぎ得られる無定形結晶を経て
上記変換をおこなう硫酸ペースティング法が挙げられ
る。
【0023】上述したように、高感度を示すTiOPc
を用いた感光体でもカールソンプロセスおよび類似プロ
セスにおいて繰り返し使用した場合、帯電性の低下と残
留電位の上昇を生じ、感光体の寿命を決定していた。本
発明者らは、TiOPcの結晶型に着目し、この課題を
解決すべく感光体の繰り返し使用後の静電特性に関して
検討を行った結果、前述の特定のX線回折スペクトルを
示す分散液を用いた場合に、上記物性の繰り返し特性が
優れたものになることを確認し、本発明を完成した。
【0024】本発明におけるTiOPcにおける26.
3±0.2°のピーク強度の27.2±0.2°のピー
ク強度に対する強度比について説明する。一般的なX線
回折スペクトルで、ベースライン補正を行った後、それ
ぞれのピーク強度を求め、26.3±0.2°のピーク
強度を27.2±0.2°のピーク強度で割った値が、
本発明で言うところのピーク強度比である。
【0025】以下、本発明を図面に沿って説明する。
【0026】図1は、本発明に用いられる電子写真感光
体を表す断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発
生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層33が
設けられている。
【0027】図2、3は、本発明に用いられる電子写真
感光体の別の構成例を示す断面図であり、電荷発生材料
を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送材料を主成
分とする電荷輸送層37とが、積層された構成をとって
いる。
【0028】導電性支持体31としては、体積抵抗10
10Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニ
ウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金
などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化
物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状も
しくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、ある
いは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ス
テンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きな
どの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面
処理した管などを使用することができる。また、特開昭
52−36016号工法に開示されたエンドレスニッケ
ルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体
31として用いることができる。
【0029】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性
支持体31として用いることができる。この導電性粉体
としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ま
たアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、
銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなど
の金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用い
られる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロー
ス樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化
性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。このような導
電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶
剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メ
チルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布するこ
とにより設けることができる。
【0030】さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン
などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チュー
ブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電
性支持体31として良好に用いることができる。
【0031】次に感光層について説明する。感光層は単
層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層
35と電荷輸送層37で構成される場合から述べる。
【0032】電荷発生層35は、電荷発生材料として上
述した特定のX線回折スペクトルを示すTiOPcを主
成分とする層である。
【0033】電荷発生層35は、前記TiOPcを必要
に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボール
ミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて
分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥すること
により形成される。
【0034】必要に応じて電荷発生層35に用いられる
結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキ
シ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹
脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリス
ルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリル
アミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノ
キシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸
ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビ
ニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニル
アセタールは良好に使用される。結着樹脂の量は、電荷
発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好まし
くは10〜300重量部が適当である。
【0035】電荷発生層35には、上述した特定のX線
回折スペクトルを与えるTiOPcの他にその他の電荷
発生材料を併用することも可能であり、その代表とし
て、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、
キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他の
フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
【0036】ここで用いられる溶剤としては、イソプロ
パノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセル
ソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、
トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特
にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良
好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工
法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、ス
ピナーコート、リングコート等の方法を用いることがで
きる。
【0037】電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μ
m程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmであ
る。
【0038】電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結
着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発
生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、
必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加
することもできる。
【0039】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロル
アニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン
−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電
子受容性物質が挙げられる。
【0040】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘
導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、
α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジ
アリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9
−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジ
ビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘
導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチル
ベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げ
られる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上
混合して用いられる。
【0041】結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレ
ート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロ
ース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬
化性樹脂が挙げられる。
【0042】電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部
に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150
重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜1
00μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トル
エン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロ
エタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセ
トンなどが用いられる。
【0043】また、電荷輸送層には電荷輸送物質として
の機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送
物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質か
ら構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものであ
る。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用で
きるが、トリアリールアミン構造を主鎖および/または
側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中で
も、(2)〜(11)式で表される高分子電荷輸送物質
が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示
す。
【0044】
【化2】
【0045】式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して
置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R
4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、
5、R6は置換もしくは無置換のアリール基、o、p、
qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表
し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単
位数を表し、5〜5000の整数である。Xは脂肪族の
2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表さ
れる2価基を表す。
【0046】
【化3】
【0047】式中、R101、R102は各々独立して置換も
しくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン
原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素
原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキ
レン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C
O−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の
2価基を表す)、または、
【0048】
【化4】
【0049】(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2
000の整数、R103、R104は置換または無置換のアル
キル基又はアリール基を表す)を表す。ここで、R101
とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なって
もよい。
【0050】
【化5】
【0051】式中、R7、R8は置換もしくは無置換のア
リール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリ
レン基を表す。X、k、jおよびnは、(2)式の場合
と同じである。
【0052】
【化6】
【0053】式中、R9、R10は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるア
リレン基を表す。X、k、jおよびnは、(2)式の場
合と同じである。
【0054】
【化7】
【0055】式中、R11、R12は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるア
リレン基、pは1〜5の整数を表す。X、k、jおよび
nは、(2)式の場合と同じである。
【0056】
【化8】
【0057】式中、R13、R14は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なる
アリレン基、X1、X2は置換もしくは無置換のエチレン
基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、
k、jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0058】
【化9】
【0059】式中、R15、R16、R17、R18は置換もし
くは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、A
16は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単
結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしく
は無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の
アルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン
基を表し、同一であっても異なってもよい。X、k、j
およびnは、(2)式の場合と同じである。
【0060】
【化10】
【0061】式中、R19、R20は水素原子、置換もしく
は無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成し
ていてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異な
るアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(2)式
の場合と同じである。
【0062】
【化11】
【0063】式中、R21は置換もしくは無置換のアリー
ル基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異な
るアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(2)式
の場合と同じである。
【0064】
【化12】
【0065】式中、R22、R23、R24、R25は置換もし
くは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、A
27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、
k、jおよびnは、(2)式の場合と同じである。
【0066】
【化13】
【0067】式中、R26、R27は置換もしくは無置換の
アリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なる
アリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(2)式の
場合と同じである。
【0068】本発明において電荷輸送層37中に可塑剤
やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジ
ブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹
脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用で
き、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程
度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリ
コーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどの
シリコーンオイル類や側鎖にパーフルオロアルキル基を
有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使
用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0069】次に感光層が単層構成33の場合について
述べる。上述した特定のX線回折スペクトルを与えるT
iOPcを結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。
単層感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質および
結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗
布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感
光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイ
プとしてもよく、良好に使用できる。また、必要によ
り、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加するこ
ともできる。
【0070】結着樹脂としては、先に電荷輸送層37で
挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層3
5で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろ
ん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用でき
る。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は
5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜1
90重量部が好ましくさらに好ましくは50〜150重
量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を
必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒
を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やス
プレーコート、ビードコートなどで塗工して形成でき
る。単層感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当で
ある。
【0071】本発明の電子写真感光体には、導電性支持
体31と感光層との間に下引き層を設けることができ
る。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これら
の樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考える
と、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂である
ことが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニル
アルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の
水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロ
ン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン
樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等
が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電
位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸
化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示で
きる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0072】これらの下引き層は前述の感光層の如く適
当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に
本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用する
こともできる。この他、本発明の下引き層には、Al2
3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン
(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、Ti
2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて
設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のも
のを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μm
が適当である。
【0073】本発明の電子写真感光体には、感光層保護
の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもあ
る。保護層に使用される材料としては、ABS樹脂、A
CS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素
化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリア
セタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリ
レート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテル
スルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、
ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホ
ン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共
重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。保護層に
はその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオ
ロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこ
れらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム等
の無機材料を分散したもの等を添加することができる。
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。な
お保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−
C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いるこ
とができる。
【0074】本発明においては感光層と保護層との間に
中間層を設けることも可能である。中間層には、一般に
バインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂とし
ては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性
ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法とし
ては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、
中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0075】次に図面を用いて本発明の電子写真方法な
らびに電子写真装置を詳しく説明する。
【0076】図4は、本発明の電子写真プロセスおよび
電子写真装置を説明するための概略図であり、下記する
ような変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0077】図4において、感光体1は導電性支持体上
に特定のX線回折スペクトルを与えるTiOPc感光層
が設けられてなる。感光体1はドラム状の形状を示して
いるが、シート状、エンドレスベルト状のものであって
もよい。帯電チャージャ3、転写前チャージャ7、転写
チャージャ10、分離チャージャ11、クリーニング前
チャージャ13には、コロトロン、スコロトロン、固体
帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ロ
ーラを始めとする公知の手段が用いられる。
【0078】転写手段には、一般に上記の帯電器が使用
できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離
チャージャーを併用したものが効果的である。
【0079】また、画像露光部5、除電ランプ2等の光
源には、螢光灯、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LE
D)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセ
ンス(EL)などの発行物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャ
ープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外
カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フ
ィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルター
を用いることもできる。
【0080】かかる光源等は、図4に示される工程の他
に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング
工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、
感光体に光が照射される。
【0081】さて、現像ユニット6により感光体1上に
現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が
転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナー
も生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およ
びブレード15により、感光体より除去される。クリー
ニングは、クリーニングブラシだけで行われることもあ
り、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファー
ブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0082】電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画
像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜
像が形成される。
【0083】これを負(正)極性のトナー(検電微粒
子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正
(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られ
る。
【0084】かかる現像手段には、公知の方法が適用さ
れるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0085】図5には、本発明による電子写真プロセス
の別の例を示す。感光体21は特定のX線回折スペクト
ルを与えるTiOPc感光層を有しており、駆動ローラ
22a、22bにより駆動され、帯電器23による帯
電、光源24による像露光、現像(図示せず)、帯電器
25を用いる転写、光源26によるクリーニング前露
光、ブラシ27によるクリーニング、光源28による除
電が繰り返し行われる。図5においては、感光体21
(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よ
りクリーニング前露光の光照射が行われる。
【0086】以上の図示した電子写真プロセスは、本発
明における実施形態を例示するものであって、もちろん
他の実施形態も可能である。例えば、図5において支持
体側よりクリーニング前露光をおこなっているが、これ
は感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光
の照射を支持体側から行ってもよい。
【0087】一方、光照射工程は、像露光、クリーニン
グ前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露
光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程
を設けて、感光体に光照射を行うこともできる。
【0088】以上に示すような画像形成手段は、複写装
置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装
置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジと
は、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1
つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状
等は多く挙げられるが、一般的な例として、図6に示す
ものが挙げられる。感光体16は、導電性支持体上に特
定のX線回折スペクトルを与えるTiOPc感光層を有
してなるものである。
【0089】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例を挙げて説
明するが、本発明が実施例により制約を受けるものでは
ない。なお、部はすべて重量部である。
【0090】まず、実施例に用いるチタニルフタロシア
ニン顔料の具体的な合成例を述べる。
【0091】(合成例)フタロジニトリル52.5部と
1−クロロナフタレン400部を撹拌混合し、窒素気流
下で四塩化チタン19部を滴下する。滴下終了後、徐々
に200℃まで昇温し、反応温度を190℃〜210℃
の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終
了後、放冷し130℃になったところ熱時ろ過し、つい
で1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、
つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で
数回洗浄した後、乾燥し、42.2部の粗チタニルフタ
ロシアニン顔料を得た。得られた熱水洗浄処理した粗チ
タニルフタロシアニン顔料のうち6部を96%硫酸10
0gに3〜5℃下撹拌、溶解し、ろ過した。得られた硫
酸溶液を氷水3.5リットル中に撹拌しながら滴下し、
析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中性になるまで水
洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウエット
ケーキを得た。このウエットケーキに1,2−ジクロロ
エタン150部を加え、室温下2時間撹拌したのち、メ
タノール250部をさらに加え撹拌、ろ過した。これを
メタノール洗浄し、さらに乾燥してチタニルフタロシア
ニン顔料4.9部を得た。
【0092】得られたチタニルフタロシアニン顔料を用
い、下記の組成比でボールミルにより分散条件をいろい
ろ変えて分散を行い、7種類の分散液を作製した。
【0093】 ◎電荷発生層塗工液 前記のTiOPc顔料粉末 3部 ポリビニルブチラール 2部 4−メチル−2−ペンタノン 50部 7種類の分散液はそれぞれ、スライドガラス上に塗布乾
燥し、X線回折スペクトル測定用サンプルとした。X線
回折スペクトルは以下に示す条件で測定した。測定結果
を表1に示す。
【0094】 X線管球 Cu 電圧 40kV 電流 20mA 走査速度 1°/分 走査範囲 3°〜40° 時定数 2秒
【0095】
【表1】
【0096】実施例1〜5および比較例1〜2 電鋳ニッケル・ベルト上に下記組成の下引き層塗工液、
電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗
布・乾燥し、積層感光体を作製した。
【0097】 ◎下引き層塗工液 二酸化チタン粉末 15部 ポリビニルブチラール 6部 2−ブタノン 150部 ◎電荷発生層塗工液 先述の分散液1〜7をそれぞれ用いた。
【0098】 ◎電荷輸送層塗工液 ポリカーボネート 10部 下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0099】
【化14】
【0100】 塩化メチレン 80部 このようにしてなる電子写真感光体を図5に示す電子写
真プロセス(ただし、クリーニング前露光は無し)に装
着し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポ
リゴン・ミラーによる画像書き込み)として、現像直前
の感光体の表面電位が測定できるように表面電位計のプ
ローブを挿入した。連続して一万枚の印刷を行い、その
時の画像露光部と画像非露光部の表面電位を初期と一万
枚後に測定した。結果を表2に示す。
【0101】
【表2】
【0102】表2より、実施例1〜5の電子写真感光体
は繰り返し使用後にも、安定した表面電位を維持してい
ることがわかる。
【0103】実施例6〜10および比較例3〜4 分散液1〜7を1ケ月間室温暗所にて保存し、実施例1
と同じように感光体を作製した。これら感光体を実施例
1と同じように図5に示す電子写真プロセスに装着し、
同様の評価を行った。結果を表3に示す。
【0104】
【表3】
【0105】表3より、実施例6〜10の電子写真感光
体は繰り返し使用後にも、安定した表面電位を維持して
いることがわかる。また、分散液1〜5は保存後におい
ても優れた特性を示す分散液であることがわかる。
【0106】実施例11 実施例1における支持体を電鋳ニッケル・ベルトからア
ルミシリンダーに変えた以外は実施例1と全く同様に感
光体を作製した。
【0107】実施例12 実施例11の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変えた以
外は、実施例11と全く同様に感光体を作製した。
【0108】 ◎電荷輸送層塗工液 下記構造式の高分子電荷輸送物質 10部
【0109】
【化15】
【0110】 塩化メチレン 100部 実施例13 実施例11の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変えた以
外は、実施例11と全く同様に感光体を作製した。
【0111】 ◎電荷輸送層塗工液 下記構造式の高分子電荷輸送物質 10部
【0112】
【化16】
【0113】 塩化メチレン 100部 実施例14 実施例11の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変えた以
外は、実施例11と全く同様に感光体を作製した。
【0114】 ◎電荷輸送層塗工液 下記構造式の高分子電荷輸送物質 10部
【0115】
【化17】
【0116】 塩化メチレン 100部 上記の実施例11〜14の各電子写真感光体を図4に示
す電子写真プロセスに装着し(ただし、画像露光光源を
780nmに発光を持つLDとした)、連続して一万枚
の印刷を行い、その時の画像を初期と一万枚後に評価し
た。また、電荷輸送層の膜厚の変化(減少量)を測定し
た。結果を表4に示す。
【0117】
【表4】
【0118】表4から実施例12〜14の電子写真感光
体は特に優れた耐摩耗性を示していることがわかる。
【0119】実施例15〜19および比較例5〜6 アルミニウムシリンダー表面を陽極酸化処理した後封孔
処理を行った。この上に、下記電荷発生層塗工液、電荷
輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥して各々0.2μmの
電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成し、本発明の
電子写真感光体を作製した。
【0120】電荷発生層塗工液 先述の分散液1〜7をそれぞれ用いた。
【0121】 電荷輸送層塗工液 下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0122】
【化18】
【0123】 ポリカーボネート 10部 塩化メチレン 80部 このようにしてなる電子写真感光体を図6に示す電子写
真用プロセスカートリッジに装着した後、画像形成装置
に搭載した。ただし、画像露光光源を780nmの半導
体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)と
して、現像直前の感光体の表面電位が測定できるように
表面電位計のプローブを挿入した。連続して7000枚
の印刷を行い、その時の画像露光部と画像非露光部の表
面電位を初期と7000枚後に測定した。結果を表5に
示す。
【0124】
【表5】
【0125】表5より、実施例15〜19の電子写真感
光体は繰り返し使用後にも、安定した表面電位を維持し
ていることがわかる。
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、特定のX線回折スペク
トルを与えるチタニルフタロシアニンを用いることによ
って、これを使用した感光体において高感度を失うこと
なく繰り返し使用によっても帯電性の低下と残留電位の
上昇を生じない安定な電子写真感光体が提供される。ま
た、長期の保存によっても上述の安定した特性を維持で
きる分散液が提供される。また、高感度を失うことなく
繰り返し使用によっても帯電性の低下と残留電位の上昇
を生じない安定な電子写真方法が提供される。さらに、
高感度を失うことなく繰り返し使用によっても帯電性の
低下と残留電位の上昇を生じない安定な電子写真装置お
よび電子写真装置用プロセスカートリッジが提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる電子写真感光体の断面図で
ある。
【図2】本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成
例を示す。
【図3】さらに別の構成例を示す。
【図4】本発明を適用する電子写真プロセスおよび電子
写真装置の説明図である。
【図5】本発明を適用する電子写真プロセスの別の例を
示す。
【図6】本発明を適用するプロセスカートリッジの説明
図である。
【符号の説明】
31 導電性支持体 33 単層感光層 35 電荷発生層 37 電荷輸送層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuKαの特性X線(波長1.514
    Å)に対するブラッグ角2θの回折ピークとして、少な
    くとも26.3±0.2°および27.2±0.2°に
    ピークが同時に存在し、かつ、26.3±0.2°のピ
    ーク強度の27.2±0.2°のピーク強度に対する強
    度比が1〜40%であるチタニルフタロシアニンを含有
    することを特徴とする分散液。
  2. 【請求項2】 前記分散液に含有される溶媒が少なくと
    も、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒の
    群より選ばれる1種を含有することを特徴とする請求項
    1記載の分散液。
  3. 【請求項3】 前記分散液に含有されるバインダー樹脂
    として少なくともポリビニルアセタールを含有すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の分散液。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に少なくとも感光層を設
    け、該感光層中に少なくともCuKαの特性X線(波長
    1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折ピークと
    して、少なくとも26.3±0.2°および27.2±
    0.2°にピークが同時に存在し、かつ、26.3±
    0.2°のピーク強度の27.2±0.2°のピーク強
    度に対する強度比が1〜40%であるチタニルフタロシ
    アニンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の
    積層構成から成ることを特徴とする請求項4記載の電子
    写真感光体。
  6. 【請求項6】 上記電子写真感光体の電荷輸送層に少な
    くともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側
    鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする
    請求項5記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、画
    像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰り返し行
    う電子写真方法において、該電子写真感光体が少なくと
    もCuKαの特性X線(波長1.514Å)に対するブ
    ラッグ角2θの回折ピークとして、少なくとも26.3
    ±0.2°および27.2±0.2°にピークが同時に
    存在し、かつ、26.3±0.2°のピーク強度の2
    7.2±0.2°のピーク強度に対する強度比が1〜4
    0%であるチタニルフタロシアニンを含有する感光層を
    導電性支持体上に設けたものであることを特徴とする電
    子写真方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現
    像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段および
    電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、
    該電子写真感光体が少なくともCuKαの特性X線(波
    長1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク
    として、少なくとも26.3±0.2°および27.2
    ±0.2°にピークが同時に存在し、かつ、26.3±
    0.2°のピーク強度の27.2±0.2°のピーク強
    度に対する強度比が1〜40%であるチタニルフタロシ
    アニンを含有する感光層を導電性支持体上に設けたもの
    であることを特徴とする電子写真装置。
  9. 【請求項9】 少なくとも電子写真感光体を具備してな
    る電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該電
    子写真感光体が少なくともCuKαの特性X線(波長
    1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折ピークと
    して、少なくとも26.3±0.2°および27.2±
    0.2°にピークが同時に存在し、かつ、26.3±
    0.2°のピーク強度の27.2±0.2°のピーク強
    度に対する強度比が1〜40%であるチタニルフタロシ
    アニンを含有する感光層を導電性支持体上に設けたもの
    であることを特徴とする電子写真装置用プロセスカート
    リッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007233116A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2007233116A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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