JP2007233116A - 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】高感度で繰り返し使用しても地汚れなどの異常画像の生じない単層感光体を提供する。
【解決手段】少なくとも導電性支持体上に感光層を設けて成り、該感光層が少なくとも電荷発生材料としてCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に26.3゜にピークを有し、26.3゜のピーク強度が27.2゜のピーク強度に対して1〜99%の範囲であるチタニルフタロシアニンを、電荷輸送材料として下記一般式(1)で表わされる電子輸送材料を含む単一の層からなる電子写真感光体。
Figure 2007233116

【選択図】なし

Description

本発明は感光層に少なくとも特定結晶型のチタニルフタロシアニンと特定の電荷輸送材料を含む単層型の電子写真感光体に関する。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して、光によって情報記録を行なう光プリンタは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。このデジタル記録技術は、プリンタのみならず通常の複写機にも応用され、いわゆるデジタル複写機が開発されている。また、従来からあるアナログ複写にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため、今後その需要性が益々高まっていくと予想される。さらに、パーソナルコンピュータの普及、及び性能の向上にともない、画像及びドキュメントのカラー出力を行うためのデジタルカラープリンタの進歩も急激に進んでいる。
これらの画像形成装置に用いられる電子写真感光体は有機感光体と無機感光体に大別されるが、有機感光体は、従来の無機感光体に比べて製造が容易であり、コストが安く、電荷輸送材料、電荷発生材料、結着樹脂等の感光体材料の選択肢が多様で、機能設計の自由度が高いという利点を有することから、近年、広く用いられている。
有機感光体には、電荷輸送材料(ホール輸送材料、電子輸送材料)を電荷発生材料とともに同一の感光層中に分散させた単層型感光体と、電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光体とがある。
積層感光体では、負帯電型のものがほとんどであり、正帯電の積層型感光体は実用化には至っていない。その理由は、電子輸送能に優れ、毒性が少なく、バインダー樹脂との相溶性の高い電子輸送材料が実用化されていないためである。
一方、電荷発生材料と電荷輸送材料を単一の感光層に含む単層感光体は、単純な製造工程で生産可能であること、層界面が少ないことから光学的特性が向上すること、電子輸送材料と正孔輸送材料を含むことで正負両極性の感度を有し、特にオゾン発生量が少なく帯電均一性にも優れる正帯電に対応できることなどの利点があることから近年注目されている。
近年、画像形成装置は装置の小型化や高速化が要望され、それに伴い感光体としては高感度なものが要望されている。近年のデジタル型画像形成装置の露光光源には一般に半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)が用いられており、その波長は680〜830nm前後の近赤外領域が主流である。それゆえ、近赤外領域で高感度なフタロシアニン類、とりわけチタニルフタロシアニン(TiOPc)を電荷発生材料として用いた電子写真感光体の開発が盛んに行われている。
チタニルフタロシアニンには種々の結晶型が知られているが、中でもCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶は非常に高いキャリア発生機能を有することが知られている。
この高感度な結晶型のチタニルフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、積層型では実用化されているものの、単層型においては優れたものが得られていない。これはCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶は非常に高感度ではあるものの、感光体の繰り返し使用により、地汚れ画像と呼ばれる異常画像を生じやすいと言う問題点を有しており、特に単層感光体に用いた場合には、この問題点が顕著に生じてしまうためである。
このように、電荷発生材料として非常に高感度なチタニルフタロシアニンを用い、高感度で繰り返し使用しても、地汚れなどの異常画像の生じない単層感光体は得られていないのが現状である。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、高感度で繰り返し使用しても地汚れなどの異常画像の生じない単層感光体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも導電性支持体上に感光層を設けて成り、該感光層が少なくとも電荷発生材料としてCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に26.3゜にピークを有し、26.3゜のピーク強度が27.2゜のピーク強度に対して1〜99%の範囲であるチタニルフタロシアニン、電荷輸送材料として下記一般式(1)で表わされる電子輸送材料を含む単一の層からなることを特徴とする電子写真感光体とすることで、高感度であり、繰り返し使用しても地汚れなどの異常画像が生じないことを見いだした。
本発明に用いられる下記一般式(1)で表わされる電子輸送材料は非常に優れた電子移動機能を有しているため、チタニルフタロシアニンの高いキャリア発生機能を十分に活かし高感度な感光体とすることができる。
一般にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンは、溶媒中や機械的、熱的ストレスにより26.3゜に最大回折ピークを有する結晶型に変化するが、本発明に用いられる結晶型はその途中段階のものである。27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型から26.3゜に最大回折ピークを有する結晶型に結晶変化するにつれて26.3゜のピークが大きくなるが、通常26.3゜のピークが大きくなるにつれ、帯電性は向上するものの感度が低下してしまう。
しかし本発明の単層感光体において下記一般式(1)で表される電子輸送材料と組み合わせた場合には26.3゜のピーク強度が27.2゜のピーク強度に対して1〜99%程度まで大きくなっても感度の低下がほとんど起こらず、帯電性のみが向上する。また27.2゜に最大回折ピークを有し26.3゜にピークを有さない場合と比べて地汚れの発生を大幅に低減することができる。
CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンの中でも特に、特開2001−19871号公報に記載されている27.2°に最大回析ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回析ピークとして7.3°にピークを有し、該7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないチタニルフタロシアニンは、他の27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型に比べて化学的安定性が高く、帯電性や耐地汚れ性が良好である。そのため本発明の単層感光体において上記結晶型で更に26.3゜にピークを有する結晶型、即ちCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、27.2°に最大回析ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回析ピークとして7.3°にピークを有し、該7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3゜にピークを有し、26.3゜のピーク強度が27.2゜のピーク強度に対して1〜99%の範囲であるチタニルフタロシアニンを用いることで、更に地汚れの発生を低減化することができる。
即ち本発明は以下の態様からなる。
(1) 少なくとも導電性支持体上に感光層を設けて成り、該感光層が少なくとも電荷発生材料としてCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に26.3゜にピークを有し、26.3゜のピーク強度が27.2゜のピーク強度に対して1〜99%の範囲であるチタニルフタロシアニンを、電荷輸送材料として下記一般式(1)で表わされる電子輸送材料を含む単一の層からなることを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2007233116
{但し、上記一般式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。}
(2) 前記チタニルフタロシアニンがCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3゜にピークを有し、26.3゜のピーク強度が27.2゜のピーク強度に対して1〜99%の範囲であるチタニルフタロシアニンであることを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体。
(3) (1)又は(2)に記載の電子写真感光体が搭載されたことを特徴とする画像形成装置。
(4) 少なくとも感光体と、この感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行い静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置とを具備してなる画像形成要素を複数配列したフルカラー画像形成装置において、該感光体が(1)又は(2)に記載の電子写真感光体であることを特徴とするフルカラー画像形成装置。
(5) 装置本体に対して着脱可能であり、少なくとも電子写真感光体を有する、画像形成装置用のプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が(1)又は(2)に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(6) (5)に記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とする画像成形装置。
(7) (5)に記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とするフルカラー画像成形装置。
本発明によれば、高感度で繰り返し使用しても地汚れなどの異常画像の生じない単層感光体が提供される。また、これを用いることで、高画質な画像形成を長期間にわたり行う事の出来る画像形成装置及びフルカラー画像形成装置が提供される。また、取り扱い時の利便性が高いプロセスカートリッジが提供される。
以下図面に沿って本発明の電子写真感光体を詳しく説明する。
図7は、本発明の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)の上に感光層(22)が設けられている。
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及びそれらをDrawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管などを使用することができる。
本発明における感光層(22)は、少なくとも電荷発生材料としてCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に26.3゜にピークを有し、26.3゜のピーク強度が27.2゜のピーク強度に対して1〜99%の範囲であるチタニルフタロシアニン、電荷輸送材料として一般式(1)で表わされる電子輸送材料を含む単一の層からなる。
まず本発明における電荷発生材料について説明する。
本発明におけるチタニルフタロシアニンは、公知のCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンを結晶変換することで得ることができる。少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンは特開2001−19871号公報、特開平11−5919号公報、特開平3−269064号公報等に記載の公知合成法により得ることができる。
結晶変換の具体的な方法としては、2種類の方法が挙げられる。
1つは、27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンを有機溶媒中で処理する方法である。使用される有機溶媒としては27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型を、26.3゜に最大回折ピークを有する結晶型に変換できる溶媒であればいかなるものも使用できるが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類が良好に用いられる。
有機溶媒の処理に関しては、前記チタニルフタロシアニンを有機溶媒中にそのまま浸漬させておくだけでも構わないが、撹拌、超音波印加などの補助手段を併用することにより、処理時間を短縮することができ、有効である。有機溶媒による処理を行った後、濾過分別して、乾燥を行うことにより、目的とするチタニルフタロシアニンを得ることができる。
もう1つの方法としては、27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンに、機械的剪断力を与えることにより結晶変換を行う方法である。この際、有機溶媒を併用しても構わないが、併用せずに乾式状態で処理を行うことが望ましい。使用される方法としては、ボールミル、アトライター、振動ミル、ニーダーなどによる乾式ミリング、簡便的にはミキサーによる乾式ミリングも効果的である。また、乾式ミリングの際に、食塩等の無機塩を助剤として用いても良い。助剤を用いた場合には、結晶変換処理後に無機塩を除去する洗浄工程が必要である。
以上のようにして目的のチタニルフタロシアニンを得ることができる。
いずれの方法を用いる場合にも、26.3゜のピーク強度が最大回折ピーク27.2゜のピーク強度に対して1〜99%の範囲であることが重要である。溶媒中での処理時間、或いは機械的剪断力を与える処理時間により26.3゜のピーク強度が決定されるが、使用するチタニルフタロシアニンの状態(例えば粉末の大きさ、固さなど)によっても異なるため、予備的な実験により処理時間を決定することが望ましい。
後述するように感光層塗工液を作製する際には、予め電荷発生材料を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散した分散液を作製しておくことが好ましい。従って上記の結晶変換は電荷発生材料の分散液作製と同時に行うこともできる。
次に本発明におけるチタニルフタロシアニンの26.3゜のピーク強度の27.2゜のピーク強度に対するピーク強度について説明する。
使用するチタニルフタロシアニンを粉末状態で、一般的なX線回折装置にて、X線回折スペクトルを測定する。得られたスペクトルに対して、ベースライン補正を行った後、26.3゜±0.2゜のピーク強度、及び27.2゜±0.2゜のピーク強度を求める。その値を用いて、26.3゜±0.2゜のピーク強度を27.2゜±0.2゜のピーク強度で割った値が本発明でいうところのピーク強度比である。
ピーク強度比(%)
=26.3゜±0.2゜のピーク強度/27.2゜±0.2゜のピーク強度
なお、ピーク強度比が数%と小さい場合には、広い範囲での測定ではベースラインの補正が難しい場合がある。その場合には、測定範囲を狭めて(例えば20〜30゜の範囲で測定する等)、再測定を行うことにより、より正確に強度比を求めることができる。
次に、電荷輸送材料について説明する。
本発明に用いる一般式(1)で表される電子輸送材料は、下記に示す構造骨格を有する。
Figure 2007233116
{但し、上記一般式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。}
該置換又は無置換のアルキル基としては、炭素数1〜25、好ましくは炭素数1〜10の炭素原子を有するアルキル基、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ペプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基といった直鎖状のもの、i―プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、メチルプロピル基、ジメチルプロピル基、エチルプロピル基、ジエチルプロピル基、メチルブチル基、ジメチルブチル基、メチルペンチル基、ジメチルペンチル基、メチルヘキシル基、ジメチルヘキシル基等の分岐状のもの、アルコキシアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルキルカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルカノイルオキシアルキル基、アミノアルキル基、エステル化されていてもよいカルボキシル基で置換されたアルキル基、シアノ基で置換されたアルキル基等が例示できる。なお、これらの置換基の置換位置については特に限定されず、上記置換又は無置換のアルキル基の炭素原子の一部がヘテロ原子(N、O、S等)に置換された基も置換されたアルキル基に含まれる。
該置換又は無置換のシクロアルキル基としては、炭素数3〜25、好ましくは炭素数3〜10の炭素原子を有するシクロアルキル環、具体的には、シクロプロパンからシクロデカンまでの同属環、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、テトラメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン等のアルキル置換基を有するもの、アルコキシアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルカノイルオキシアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、シアノ基等で置換されたシクロアルキル基等が例示できる。なお、これらの置換基の置換位置については特に限定されず、上記置換又は無置換のシクロアルキル基の炭素原子の一部がヘテロ原子(N、O、S等)に置換された基も置換されたシクロアルキル基に含まれる。
置換または無置換のアラルキル基としては、上述の置換または無置換のアルキル基に芳香族環が置換した基が挙げられ、炭素数6〜14のアラルキル基が好ましい。より具体的には、ベンジル基、ペルフルオロフェニルエチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、ターフェニルエチル基、ジメチルフェニルエチル基、ジエチルフェニルエチル基、t−ブチルフェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、5−フェニルペンチル基、6−フェニルヘキシル基、ベンズヒドリル基、トリチル基などが例示できる。
該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
更に具体的には、下記構造式(1)乃至構造式(7)で表される電子輸送材料が、得られる画像が高品質である点で好ましい。尚、式中Meはメチル基を示す。
Figure 2007233116
Figure 2007233116
該一般式(1)で表される電子輸送材料の製造方法としては、下記の方法が例示できる。
ナフタレンカルボン酸は公知の合成方法(例えば、米国特許6794102号公報、Industrial Organic Pigments 2nd edition, VCH, 485 (1997) など)に従い、下記反応式より合成される。
Figure 2007233116
式中、RnはR3、R4、R7、R8を表し、RmはR5、R6、R9、R10を表す。
本発明に用いる一般式(1)で表される電子輸送材料は、上記のナフタレンカルボン酸若しくはその無水物をアミン類と反応させ、モノイミド化する方法、ナフタレンカルボン酸若しくはその無水物を緩衝液によりpH調整してジアミン類と反応させる方法等により得られる。モノイミド化は無溶媒、若しくは溶媒存在下でおこなう。溶媒としては特に制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロナフタレン、酢酸、ピリジン、メチルピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルエチレンウレア、ジメチルスルホキサイド等原料や生成物と反応せず50℃〜250℃の温度で反応させられるものを用いるとよい。pH調整には水酸化リチウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液をリン酸等の酸との混合により作製した緩衝液を用いる。カルボン酸とアミン類やジアミン類とを反応させて得られたカルボン酸誘導体脱水反応は無溶媒、若しくは溶媒存在下でおこなう。溶媒としては特に制限は無いがベンゼン、トルエン、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、無水酢酸等原料や生成物と反応せず50℃〜250℃の温度で反応させられるものを用いるとよい。いずれの反応も、無触媒若しくは触媒存在下でおこなってよく、特に限定されないが例えばモレキュラーシーブスやベンゼンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸等を脱水剤として用いることが例示できる。
電荷輸送材料には電子を輸送する電子輸送材料と正孔(ホール)を輸送する正孔輸送材料とがあり、本発明に用いられる感光体としては電荷輸送材料として電子輸送材料と正孔輸送材料の両方を含む方が好ましい。
本発明においては前述の一般式(1)の電子輸送材料を含むことが必須であるが、これに加えて公知の電荷輸送材料、即ち電子輸送材料、正孔輸送材料を併用することもできる。
電子輸送材料としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送材料は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送材料としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送材料は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
感光層のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、公知のものが使用できる。例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの高分子化合物の中でも特にポリカーボネート樹脂が膜質の面から好ましい。
感光層を形成する方法としては、溶液分散系からのキャスティング法が好ましい。キャスティング法によって感光層を設けるには、電荷発生材料、電荷輸送材料、バインダー樹脂、更に必要に応じて他の成分を適当な溶媒に分散、又は溶解させて作製した塗工液を適当な濃度に調節して塗布すればよい。
電荷発生材料を感光層中(塗工液中)に均一に分散させるために、予め電荷発生材料を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散した分散液を作製しておくことが好ましい。
塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行なうことができる。
以上のようにして設けられる感光層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
上記感光層において、電荷発生材料は感光層全体に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%が適当である。電子輸送材料はバインダー樹脂成分100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは10〜150重量部が適当である。ただし電子輸送材料全体に対し、一般式(1)で表わされる電子輸送材料が50〜100重量%であることが好ましい。また正孔輸送材料は、バインダー樹脂成分100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは20〜150重量部が適当である。電子輸送材料と正孔輸送材料を併用する場合は、電子輸送材料と正孔輸送材料の総量が、バインダー樹脂成分100重量部に対して20〜300重量部、好ましくは30〜200重量部が適当である。
また、必要により、感光層中に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物の使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは、0.1〜20重量部、レベリング剤の使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。
感光層の膜厚は5〜40μm程度が適当であり、好ましくは15〜35μm程度が適当である。
本発明に用いられる電子写真感光体には、図8に示すように、導電性支持体(21)と感光層(22)との間に下引き層(23)を設けることもできる。下引き層は、接着性の向上、上層の塗工性の改良、残留電位の低減、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に溶剤を用いて感光層を塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましく、このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウムなどの水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロンなどのアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂など三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
また、下引き層には、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物、或いは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層と同様、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などを使用して、例えばゾル−ゲル法などにより形成した金属酸化物層も有用である。この他に、アルミナを陽極酸化により設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)などの有機物、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化チタン、ITO、セリアなどの無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも下引き層として良好に使用できる。
下引き層の膜厚は0.1〜10μmが適当であり、さらに好ましくは1〜5μmである。
また、本発明においては、感光層中にガスバリアー性向上、及び耐環境性改善のために酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、及びレベリング剤を添加することができる。
次に本発明の画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後述するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図1において感光体(11)は本発明の要件を満たす感光体である。感光体(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電手段(12)は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電手段(12)は、消費電力の低減の観点から、感光体に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。中でも、帯電手段(12)への汚染を防止するため、感光体と帯電手段表面の間に適度な空隙を有する感光体近傍に近接配置された帯電機構が望ましい。
本発明においては帯電の極性として正負いずれも使用できるが、正帯電の方が負帯電に比べ、帯電性が安定しており、またオゾンの発生量も少ないため望ましい。
転写手段(16)には、一般に上記の帯電器を使用できるが、転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
また、露光手段(13)、除電手段(1A)等に用いられる光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を挙げることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
現像手段(14)により感光体上に現像されたトナー(15)は、受像媒体(18)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段(17)により、感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。
図2には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。図2において、感光体(11)は、本発明の要件を満たし、エンドレスベルト状のものである。
駆動手段(1C)により駆動され、帯電手段(12)による帯電、露光手段(13)による像露光、現像(図示せず)、転写手段(16)による転写、クリーニング前露光手段(1B)によるクリーニング前露光、クリーニング手段(17)によるクリーニング、除電手段(1A)による除電が繰返し行なわれる。図2においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
以上の電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図2において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
また、以上に示すような画像形成手段は、複写機、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図3に示すものが挙げられる。この場合も、感光体(11)は、本発明の要件を満たす感光体である。感光体(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
図4には本発明によるフルカラー画像形成装置の例を示す。この電子写真装置では、感光体(11)の周囲に帯電手段(帯電装置)(12)、露光手段(13)、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の各色トナー毎の現像手段(14Bk,14C,14M,14Y)、中間転写体である中間転写ベルト(1F)、クリーニング手段(17)が順に配置されている。ここで、図中に示すBk、C、M、Yの添字は上記のトナーの色に対応し、必要に応じて添字を付けたり適宜省略する。
感光体(11)は、本発明の要件を満たす電子写真感光体である。各色の現像手段(14Bk,14C,14M,14Y)は各々独立に制御可能となっており、画像形成を行なう色の現像手段のみが駆動される。感光体(11)上に形成されたトナー像は中間転写ベルト(1F)の内側に配置された第1の転写手段(1D)により、中間転写ベルト(1F)上に転写される。第1の転写手段(1D)は感光体(11)に対して接離可能に配置されており、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)を感光体(11)に当接させる。各色の画像形成を順次行ない、中間転写ベルト(1F)上で重ね合わされたトナー像は第2の転写手段(1E)により、受像媒体(18)に一括転写された後、定着手段(19)により定着されて画像が形成される。第2の転写手段(1E)も中間転写ベルト(1F)に対して接離可能に配置され、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)に当接する。
転写ドラム方式の電子写真装置では、転写ドラムに静電吸着させた転写材に各色のトナー像を順次転写するため、厚紙にはプリントできないという転写材の制限があるのに対し、図4に示すような中間転写方式の電子写真装置では中間転写体(1F)上で各色のトナー像を重ね合わせるため、転写材の制限を受けないという特長がある。このような中間転写方式は図4に示す装置に限らず前述の図1、図2、図3および後述する図5(具体例を図6に記す。)に記す電子写真装置に適用することができる。
図5には本発明によるフルカラー画像形成装置の別の例を示す。この画像形成装置は、トナーとしてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色を用いるタイプとされ、各色毎に画像形成部が配設されている。また、各色毎の感光体(11Y,11M,11C,11Bk)が設けられている。この電子写真装置に用いられる感光体は、本発明の要件を満たす感光体である。各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)の周りには、帯電手段(12Y,12M,12C,12Bk)、露光手段(13Y,13M,13C,13Bk)、現像手段(14Y,14M,14C,14Bk)、クリーニング手段(17Y,17M,17C,17Bk)等が配設されている。また、直線上に配設された各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)の各転写位置に接離する転写材担持体としての搬送転写ベルト(1G)が駆動手段(1C)にて掛け渡されている。この搬送転写ベルト(1G)を挟んで各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)に対向する転写位置には転写手段(16Y,16M,16C,16Bk)が配設されている。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの装置(部品)である。
以下、本発明を実施例によって説明する。なお、これによって本発明の範囲は限定され
るわけではない。部は全て重量部である。
まず本実施例で用いる電子輸送材料の合成例について述べる。
電子輸送材料合成例1
第一工程
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン2.14g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体A 2.14g(収率31.5%)を得た。
第二工程
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体A 2.0g(5.47mmol)と、ヒドラジン一水和物0.137g(2.73mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、構造式(1)で表される電子輸送材料 0.668g(収率33.7%)を得た。(電子輸送材料1とする)
質量分析(FD−MS)において、M/z=726のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素69.41%、水素5.27%、窒素7.71%に対し、実測値で炭素69.52%、水素5.09%、窒素7.93%あった。
Figure 2007233116
電子輸送材料合成例2
第一工程
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物10g(37.3mmol)とヒドラジン一水和物0.931g(18.6mmol)、p−トルエンスルホン酸20mg、トルエン100mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、二量体C 2.84g(収率28.7%)を得た。
第二工程
100ml4つ口フラスコに、二量体C 2.5g(4.67mmol)、DMF30mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン0.278g(4.67mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体C 0.556g(収率38.5%)を得た。
第三工程
50ml4つ口フラスコに、モノイミド体C 0.50g(1.62mmol)、DMF10mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン0.186g(1.62mmol)とDMF5mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、構造式(2)で表される電子輸送材料0.243g(収率22.4%)を得た。(電子輸送材料2とする)
質量分析(FD−MS)において、M/z=670のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素68.05%、水素4.51%、窒素8.35%に対し、実測値で炭素68.29%、水素4.72%、窒素8.33%あった。
Figure 2007233116
電子輸送材料合成例3
第一工程
200ml4つ口フラスコに、上述した二量体C 5.0g(9.39mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン 1.08g(9.39mmol)DMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体D 1.66g(収率28.1%)を得た。
第二工程
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体D 1.5g(2.38mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノオクタン0.308g(2.38mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、構造式(4)で表される電子輸送物質 0.328g(収率18.6%)を得た。(電子輸送材料3とする)
Figure 2007233116
次に、電荷発生材料(チタニルフタロシアニン)の合成例について述べる。
(比較合成例1)
特開2001−19871号公報に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)2gをテトラヒドロフラン20gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン1とする)。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定し、公報に記載の、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないチタニルフタロシアニンであることを確認した。また得られたチタニルフタロシアニンは26.3゜のピークを有さないものであった。
X線回折スペクトル図を図9に示す。
(X線回折スペクトル測定条件)
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
(比較合成例2)
比較合成例1で得られたチタニルフタロシアニン30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬させ、結晶変換を行った。2時間浸漬放置した後、濾過を行い乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン2とする)。
(合成例1)
結晶変換時間を4時間に変更した以外は比較合成例2と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン3とする)。
(合成例2)
結晶変換時間を10時間に変更した以外は比較合成例2と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン4とする)。
(合成例3)
結晶変換時間を15時間に変更した以外は比較合成例2と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン5とする)。
(合成例4)
結晶変換時間を24時間に変更した以外は比較合成例2と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン6とする)。
(合成例5)
結晶変換時間を36時間に変更した以外は比較合成例2と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン7とする)。
(合成例6)
結晶変換時間を48時間に変更した以外は比較合成例2と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン8とする)。
(比較合成例3)
結晶変換時間を60時間に変更した以外は比較合成例2と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン9とする)。
(比較合成例4)
結晶変換時間を72時間に変更した以外は比較合成例2と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン10とする)。
(比較合成例5)
特開平3−269064号公報(特許第2584682号公報)製造例1に記載の方法に準じて、チタニルフタロシアニンを作製した。すなわち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをイオン交換水10gとモノクロルベンゼン1gの混合溶媒中で1時間撹拌(50℃)した後、メタノールとイオン交換水で洗浄し、乾燥してチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン11とする)。
以上のようにして得られたチタニルフタロシアニン11は、比較合成例1の条件によりX線回折スペクトルを測定し、公報に記載のスペクトルと同様であることを確認した。27.2°に最大回折ピークを有し、26.3゜のピークを有さないものであった。
(合成例7)
比較合成例5で得られたチタニルフタロシアニン30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬させ、結晶変換を行った。10時間浸漬放置した後、濾過を行い乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン12とする)。
(合成例8)
結晶変換時間を30時間に変更した以外は合成例7と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン13とする)。
(合成例9)
結晶変換時間を40時間に変更した以外は合成例7と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン14とする)。
(比較合成例6)
結晶変換時間を50時間に変更した以外は合成例7と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン15とする)。
(比較合成例7)
結晶変換時間を60時間に変更した以外は合成例7と同様にしてチタニルフタロシアニン粉末を得た(チタニルフタロシアニン16とする)。
以上の比較合成例2〜4、6、7、及び合成例1〜9で得られたチタニルフタロシアニン2〜10、12〜16について、比較合成例1の条件によりX線回折スペクトルを測定した。得られたX線回折スペクトル図の代表例として合成例3で得られたチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトル図を図10に示す(図中の矢印が26.3゜のピークであり、ピーク強度比は9%である)。またそれぞれのX線回折スペクトルから26.3゜と27.2゜のピーク強度比を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2007233116
(比較例1)
比較合成例1で作成したチタニルフタロシアニン1を下記組成の処方、条件にて分散を行ない顔料分散液を作製した。
チタニルフタロシアニン1 3部
シクロヘキサノン 97部
φ9cmのガラスポットにφ2mmのPSZボールを用い、回転数100rpmで1時間分散を行なった。
上記分散液を用いて下記組成の感光体用塗工液を作製した。
上記分散液 60部
下記構造式(8)の正孔輸送材料 30部
電子輸送材料1 20部
Z型ポリカーボネート樹脂 50部
(帝人化成製:パンライトTS−2050)
シリコーンオイル 0.01部
(信越化学工業社製:KF50)
テトラヒドロフラン 350部
Figure 2007233116
こうして得られた感光層用塗工液をφ30mm、長さ340mmアルミニウムドラム上に、浸漬塗工法にて塗布、120℃で20分間乾燥し、25μmの感光層を形成し、感光体を得た(感光体1とする)。
(実施例1〜6、比較例2〜4)
比較例1において、チタニルフタロシアニン1をそれぞれチタニルフタロシアニン2〜10に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(チタニルフタロシアニンの番号に対応して、それぞれ感光体2〜10とする)。
(比較例5)
比較例1において、電子輸送材料1を電子輸送材料2に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(感光体11とする)。
(実施例7)
比較例5においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン5に変更した以外は比較例5と同様にして感光体を得た(感光体12とする)。
(実施例8)
比較例5においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン7に変更した以外は比較例5と同様にして感光体を得た(感光体13とする)。
(実施例9)
比較例5においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン8に変更した以外は比較例5と同様にして感光体を得た(感光体14とする)。
(比較例6)
比較例5においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン9に変更した以外は比較例5と同様にして感光体を得た(感光体15とする)。
(比較例7)
比較例5においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン10に変更した以外は比較例5と同様にして感光体を得た(感光体16とする)。
(比較例8)
比較例1において、電子輸送材料1を電子輸送材料3に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(感光体17とする)。
(実施例10)
比較例8において、チタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン6に変更した以外は比較例8と同様にして感光体を得た(感光体18とする)。
(実施例11)
比較例8において、チタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン7に変更した以外は比較例8と同様にして感光体を得た(感光体19とする)。
(実施例12)
比較例8において、チタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン8に変更した以外は比較例8と同様にして感光体を得た(感光体20とする)。
(比較例9)
比較例8において、チタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン9に変更した以外は比較例8と同様にして感光体を得た(感光体21とする)。
(比較例10)
比較例8において、チタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン10に変更した以外は比較例8と同様にして感光体を得た(感光体22とする)。
(比較例11)
比較例1においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン11に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(感光体23とする)。
(実施例13)
比較例1においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン12に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(感光体24とする)。
(実施例14)
比較例1においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン13に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(感光体25とする)。
(実施例15)
比較例1においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン14に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(感光体26とする)。
(比較例12)
比較例1においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン15に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(感光体27とする)。
(比較例13)
比較例1においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン16に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(感光体28とする)。
(比較例14)
比較例1において、電子輸送材料1を下記構造式(9)の電子輸送材料(電子輸送材料4とする)に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を得た(感光体29とする)。
Figure 2007233116
(比較例15)
比較例14においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン5に変更した以外は比較例14と同様にして感光体を得た(感光体30とする)。
(比較例16)
比較例14においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン7に変更した以外は比較例14と同様にして感光体を得た(感光体31とする)。
(比較例17)
比較例14においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン8に変更した以外は比較例14と同様にして感光体を得た(感光体32とする)。
(比較例18)
比較例14においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン9に変更した以外は比較例14と同様にして感光体を得た(感光体33とする)。
(比較例19)
比較例14においてチタニルフタロシアニン1をチタニルフタロシアニン10に変更した以外は比較例14と同様にして感光体を得た(感光体34とする)。
感光体評価
以上のように作製した感光体1〜34の感度を静電特性試験装置(リコー製)を用いて次のように評価した。まず、+5.2kVの放電電圧にてコロナ放電を行ない正帯電した後、暗減衰させた。続いて表面電位が+800Vになったときに780nmの単色光10μW/cm2を照射し、表面電位が+80Vに光減衰するのに必要な露光量E1/10(μJ/cm2)を測定した。評価結果を、感光体に用いた電子輸送材料と結晶変換前のチタニルフタロシアニンの種類(チタニルフタロシアニン1又は11)で系列分けしたものを図11に示す。
系列1:チタニルフタロシアニン1+電子輸送材料1(感光体1〜10)
系列2:チタニルフタロシアニン1+電子輸送材料2(感光体11〜16)
系列3:チタニルフタロシアニン1+電子輸送材料3(感光体17〜22)
系列4:チタニルフタロシアニン11+電子輸送材料1(感光体23〜28)
系列5:チタニルフタロシアニン1+電子輸送材料4(感光体29〜34)
評価結果からわかるように、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンと一般式(1)で表される電子輸送材料を用いた単層感光体の場合(系列1〜4)には、26.3゜のピーク強度比が100%程度まではほとんど感度の低下が見られておらず高感度を維持している。また26.3゜のピーク強度比が100%を超えると急激に感度は低下してしまうことがわかる。一方、一般式(1)で表される電子輸送材料でない系列5では26.3゜のピーク強度比の増加と共に感度低下が見られており、また一般式(1)で表される電子輸送材料を用いた場合に比べ感度が低いことがわかる。
(実施例16〜22及び比較例20〜22)
感光体1〜6及び感光体23〜26を実装用にした後、電子写真装置(リコー製imagio Neo 270改造機、パワーパックを交換し正帯電となるよう改造した装置)に搭載し、書き込み率5%チャート(A4全面に対して、画像面積として5%相当の文字が平均的に書かれている)を用い通算5万枚印刷する耐刷試験を行った。
トナーと現像剤はimagio Neo 270専用のものから極性が逆となるトナーと現像剤に交換し使用した。
また電子写真装置の帯電手段は外部電源を用いて、帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.9kV、周波数1.35kHzとした。また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が+600Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行った。また現像バイアスは+450Vとした。試験環境は23℃、55%RHである。
耐刷試験の前後で地汚れの評価を行った。
地汚れ評価:
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。評価ランクは以下のとおりである
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
×:非常に悪い
以上実施例16〜22及び比較例20〜22評価結果を表2に示す。
Figure 2007233116
(実施例23〜29及び比較例23〜25)
感光体1〜6及び感光体23〜26を実装用にした後、タンデム機構を有するフルカラー電子写真装置(リコー製IPSiO Color8100改造機、パワーパックを交換し正帯電となるよう改造し、さらに書込みに用いるLDの波長を780nmのものに換装した装置)に搭載し、書き込み率5%チャート(A4全面に対して、画像面積として5%相当の文字が平均的に書かれている)を用い通算1万枚印刷する耐刷試験を行った。
トナーと現像剤はIPSiO Color8100専用のものから極性が逆となるトナーと現像剤に交換し使用した。
また電子写真装置の帯電手段は外部電源を用いて、帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.9kV、周波数1.35kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が+600Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行なった。また、現像バイアスは+450Vとした。試験環境は23℃、55%RHである。
耐刷試験後に地汚れ評価、色再現性の評価を行った。
地汚れ評価:
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
色再現性:
ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。
いずれの場合も評価ランクは以下のとおりである
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
×:非常に悪い
以上実施例23〜29及び比較例23〜25の結果を表3に示す。
Figure 2007233116
表2、3の結果からわかるように、本発明の要件を満たす実施例では、繰り返し使用によっても地汚れの発生が抑えられていることがわかる。
以上実施例から明らかなように、本発明によれば、高感度で繰り返し使用しても地汚れなどの異常画像の生じない単層感光体が提供される。また、これを用いることで、高画質な画像形成を長期間にわたり行う事の出来る画像形成装置及びフルカラー画像形成装置が提供される。また、取り扱い時の利便性が高いプロセスカートリッジが提供される。
本発明に係る画像形成装置の例を示す模式断面図である。 本発明に係る画像形成装置の別の例を示す模式断面図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの例を示す模式断面図である。 本発明に係るフルカラー画像形成装置の例を示す模式断面図である。 本発明に係るフルカラー画像形成装置の更に別の例を示す模式断面図である。 本発明に係るフルカラー画像形成装置の更に別の例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の層構成の例を示す断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の別の層構成の例を示す断面図である。 比較合成例1で得られたチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトル図である。 合成例3で得られたチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトル図である。 実施例で作製した感光体1〜34の感度の評価を示すグラフである。
符号の説明
11・・・電子写真感光体
12・・・帯電手段
13・・・露光手段
14・・・現像手段
15・・・トナー
16・・・転写手段
17・・・クリーニング手段
18・・・受像媒体
19・・・定着手段
1A・・・除電手段
1B・・・クリーニング前露光手段
1C・・・駆動手段
1D・・・第1の転写手段
1E・・・第2の転写手段
1F・・・中間転写体
1G・・・搬送転写ベルト
21・・・導電性支持体
22・・・感光層
23・・・下引き層

Claims (7)

  1. 少なくとも導電性支持体上に感光層を設けて成り、該感光層が少なくとも電荷発生材料としてCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に26.3゜にピークを有し、26.3゜のピーク強度が27.2゜のピーク強度に対して1〜99%の範囲であるチタニルフタロシアニンを、電荷輸送材料として下記一般式(1)で表わされる電子輸送材料を含む単一の層からなることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2007233116
    {但し、上記一般式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。}
  2. 前記チタニルフタロシアニンがCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3゜にピークを有し、26.3゜のピーク強度が27.2゜のピーク強度に対して1〜99%の範囲であるチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1又は2に記載の電子写真感光体が搭載されたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 少なくとも感光体と、この感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行い静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置とを具備してなる画像形成要素を複数配列したフルカラー画像形成装置において、該感光体が請求項1又は2に記載の電子写真感光体であることを特徴とするフルカラー画像形成装置。
  5. 装置本体に対して着脱可能であり、少なくとも電子写真感光体を有する、画像形成装置用のプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が請求項1又は2に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項5に記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とする画像成形装置。
  7. 請求項5に記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とするフルカラー画像成形装置。
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