JP2000319211A - アルカンの酸化方法 - Google Patents

アルカンの酸化方法

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JP2000319211A
JP2000319211A JP11132472A JP13247299A JP2000319211A JP 2000319211 A JP2000319211 A JP 2000319211A JP 11132472 A JP11132472 A JP 11132472A JP 13247299 A JP13247299 A JP 13247299A JP 2000319211 A JP2000319211 A JP 2000319211A
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Tetsutaka Mizuno
哲孝 水野
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/27Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation
    • C07C45/32Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒が消費することなく、穏和な条件でアル
カンを酸化反応させ、高転化率かつ高選択率でアルコー
ル及び/又はケトンを製造する方法を提供する。 【解決手段】 アルカンを分子状酸素含有ガスにより酸
化反応させる方法において、欠損構造部位を有するヘテ
ロポリ酸骨格中に、周期律表の第4〜7族、11族、コ
バルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群から選
ばれる少なくとも2個の遷移金属を含有し、該遷移金属
が互いに陵共有を形成する部位を少なくとも1つ有する
化合物を触媒として用いることを特徴とするアルカンの
酸化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカンの酸化方
法に関するものであり、詳しくは、樹脂原料や医農薬原
料等の原料として工業的に有用なアルコール及び/又は
ケトンを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカンを分子状酸素により液相酸化さ
せる際にヘテロポリ化合物を触媒として使用することは
例えば、特開平2-157237により知られている。この中
で、ヘテロポリ化合物の骨格を3つの金属原子に置き換
えたヘテロポリ化合物が触媒として用いられているが、
活性、選択性の面にまだ問題がある。また、USP 4
803187において、触媒の性能を改善するためにア
ジドで促進されたヘテロポリ化合物が用いられている
が、アジドは爆発性、有害性があり工業的には問題があ
る。
【0003】更に、社団法人日本化学会発行の「日本化
学会第72春季年会1997年講演要綱集I、p 33
4」には、ヘテロポリ酸骨格を2つの鉄原子で置き換え
たヘテロポリ化合物を用いる液相酸化の例が記載されて
いる。この中でシクロヘキサンの液相酸化の結果とし
て、シクロヘキサンの転化率が1.1%にすぎないこと
が記載されてる。
【0004】一方、アルカンを酸化してアルコールやケ
トンを合成する従来の工業的な方法としては、例えばコ
バルト化合物等の重金属化合物の存在下で高温、高圧下
で反応が行われるため、反応器材を含む製造コストが高
くなると共に、種々の酸類が副生するという問題点があ
る。また、特開平9-327626中にはN-ヒドロキシフタルイ
ミド等のラジカル発生剤を用いることで、より穏和な条
件でアルカンを酸化する方法も提案されているが、ラジ
カル発生剤が反応中に分解、消費するために製造コスト
が高くなる問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決するために、触媒が消費することなく穏
和な条件でアルカンを酸化し反応させ、高転化率かつ高
選択率でアルコール及び/又はケトンを製造する工業的
に有利な方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、欠損型ケギン構造を持
つヘテロポリ酸骨格中に特定の2つの遷移金属が組み込
まれ、且つ、それらの2つの遷移金属が陵共有を形成す
る部位を有する特定の化合物を触媒として用いることに
より、穏和な条件下で、アルコール及び/又はケトンが
高転化率かつ高選択率で得られることを見い出し、本発
明に到達した。即ち、本発明の要旨は、アルカンを分子
状酸素含有ガスにより酸化反応させる方法において、欠
損構造部位を有するヘテロポリ酸骨格中に、周期律表の
第4〜7族、11族、コバルト、ニッケル、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及
び白金からなる群から選ばれる少なくとも2個の遷移金
属を含有し、該遷移金属が互いに陵共有を形成する部位
を少なくとも1つ有する化合物を触媒として用いること
を特徴とするアルカンの酸化方法、に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において出発原料として使用するアルカンとして
は炭素数1から20のアルカンが挙げられ、好ましく
は、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタ
ン、n-ペンテン、n-ヘキサン、2-メチルペンタン、3-メ
チルペンタン、ヘプタン、2-メチルヘプタン、3-メチル
ヘプタン等の炭素数1〜8の脂肪族アルカン類、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオ
クタン等の炭素数5〜20、好ましくは5〜10のシク
ロアルカン類である。
【0008】また、これらアルカンの混合物なども挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。中でも特
にメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロヘキサン
等の炭素数1〜6のアルカンが好ましい。アルカンとし
てシクロヘキサンを使用する場合には、生成物として
は、シクロヘキサノールやシクロヘキサノン等のアルコ
ール及び/又はケトンが生成する。本発明の酸化反応は
液相中でも気相中でもいずれで反応させてもよいが、特
には液相中で行うのが好ましい。溶媒は必須のものでは
ないが、アルカンより不活性なものであれば使用するこ
とができる。溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、エチレンジクロリド等
の脂肪族ハロゲン化炭化水素、酢酸エチル等のエステ
ル、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香
族炭化水素、及び水等が使用されるが、中でも上述した
有機溶媒を用いるのが好ましい。溶媒と反応基質である
アルカンとの重量比は1:10から1000:1の範囲で選ば
れ、特に好ましくは1:1から100 :1 の範囲から選ば
れる。
【0009】本発明のアルカンの酸化反応においては、
少なくとも2個の特定の遷移金属を陵共有するように欠
損型のヘテロポリ酸骨格中に組み込んだ化合物を触媒と
して用いる。遷移金属としてはヘテロポリ酸骨格を形成
する金属とは異るものであり、周期律表の第4族〜7
族、11族、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金から
選ばれた1種以上のものが選ばれる。この2個の遷移金
属は同一であっても異種の金属であってもよい。好まし
くは11族の銅、4族のチタン、5族のバナジウム、6
族のクロム, モリブデン, タングステン、7族のマンガ
ン、8族のルテニウム、9族のコバルト,ロジウム、1
0族のニッケル,パラジウムが用いられ、特に好ましく
はマンガン, コバルト, ニッケル又はルテニウムが選ば
れ、最も好ましくはマンガンである。
【0010】これらの遷移金属は、例えばX.Zhang et a
l. Inorg.Chem. 35(1996)30 やN.Mizuno et al. J.Am.C
hem.Soc., 120(1998)9267 に記載の方法等により欠損構
造部位を有するヘテロポリ酸骨格中に組込まれる。この
欠損構造部位を持つヘテロポリ酸骨格としては、例えば
下記一般式(1)
【0011】
【化2】 [YM1036] n- ・・・(1)
【0012】(式(1)中、Yはケイ素,ゲルマニウム
又はリンを表し、Mはモリブデン,タングステン又はバ
ナジウムを表し、nは正の整数を表す。)
【0013】で示される2欠損型ケギン型ヘテロポリ酸
イオンのガンマ、デルタ又はイプシロン−異性体である
のが好ましく、例えば、A.Teze et al., Inorg. Synt
h. 1990, 27, 85-96に記載の方法で合成される。中
でも、ガンマ異性体であるのが最も好ましい。式(1)
中のヘテロポリ酸骨格中のヘテロ原子のYとしては、リ
ン又はケイ素が好ましく、また、ポリ原子のMとしては
タングステンが好ましい。またnは通常1〜20の範囲
である。
【0014】図には代表例として2欠損型ケギン型ヘテ
ロポリ酸イオンの各異性体の構造を示したが、2個の遷
移金属が陵共有するようにヘテロポリ酸骨格に組込まれ
た構造を少なくとも1つ持つためには、2欠損型ヘテロ
ポリ酸イオンの場合にはガンマ(γ)、デルタ(δ)又
はイプシロン(ε)異性体であるのが好ましい。図にお
いて、ヘテロポリ酸骨格中の陵共有部位の数は、ガンマ
異性体は1個、デルタ異性体は3個、イプシロン異性体
は6個である。アルファ(α)、ベータ(β)異性体で
は2個の金属で隣接して置換すると角共有した化合物が
得られる。
【0015】これら2個の遷移金属を含有したヘテロポ
リ酸化合物の対カチオンについては特に制限はなく、プ
ロトン、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等
のアルカリ金属イオン、カルシウム、マグネシウム等の
アルカリ土類金属イオン、アルキル基の炭素数が1〜2
0のテトラアルキルアンモニウムカチオン等が例示され
る。
【0016】本発明の触媒の使用量は、溶媒と反応基質
の合計100重量部に対して、0.01-10 重量部、好まし
くは、0.03-3重量部の範囲から選ばれる。なお、触媒の
安定化のために、本発明の遷移金属を含有したヘテロポ
リ酸とともに、別の欠損型ヘテロポリ酸化合物を共存さ
せることも可能である。その別の欠損型ヘテロポリ酸化
合物の使用量は遷移金属を含有した本発明のヘテロポリ
酸化合物に対し、0.01〜10倍等量、好ましくは、0.1 〜
5 倍等量の範囲から選ばれる。また、本発明の特性の遷
移金属を含有したヘテロポリ化合物は、別途調製後、反
応系に供給するのみではなく、遷移金属塩(塩化物、水
酸化物、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩等)と欠損型ヘテロポ
リ酸化合物を別々に反応系に供給し、反応系中で遷移金
属が組み込まれた特定のヘテロポリ酸化合物を形成させ
ることも可能である。
【0017】本発明で使用する分子状酸素含有ガスとし
ては、酸素ガス単独または窒素、アルゴン、ヘリウム、
二酸化炭素等の不活性ガスとの混合ガス及び空気等とし
て用いられる。これらのうち、経済的な点から、空気の
使用が好ましい。これらの分子状酸素を含有するガスの
供給方法は、例えば該ガスを連続的に反応系に吹き込む
方法や、単に反応系を該ガス雰囲気下におく方法等で供
給される。酸化反応の温度は通常40〜300 ℃、好ましく
は80〜200 ℃の範囲が選ばれ、反応圧力は反応温度に対
して、反応器中で液相が保持できる圧力以上であればよ
く、通常、常圧〜100 気圧、好ましくは10〜80気圧の範
囲が選ばれる。また反応時間は通常0.1 〜50時間、好ま
しくは1〜5時間の範囲で選ばれる。反応液のpHは、通
常1〜8であり、pHを好ましい範囲に保持するためにpH
緩衝剤を用いることができる。pH緩衝剤としては通常は
無機塩類が用いられ、中でも燐酸塩、炭酸塩、ほう酸塩
等を用いるのが好ましい。
【0018】反応の方法は、連続式または回分式のいず
れの方法でもよいが、工業的には連続流通式が好まし
い。反応器の材質はステンレス、ハステロイ、チタン製
の反応器が通常用いられる。反応生成物であるアルコー
ル及び/又はケトンの分離と精製は、常圧蒸留、減圧蒸
留、溶媒抽出、晶析等の常法により実施される。なお、
生成物を分離した後の触媒を含む溶液は、反応に再度利
用することができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例によって何ら限定されるものではない。
【0020】(触媒の合成例) 1. 2欠損型ケイタングステン酸塩(ガンマ異性体)
の合成 フラスコにタングステン酸ナトリウム Na2WO4 ・2H2O
(182g, 0.552mol)及び水300ml を仕込んだ。この液を
激しく攪拌しながら、4規定の塩酸165ml を約1時間か
けて滴下した。次いで、この反応液にケイ酸ナトリウム
Na2SiO3・9H2O(11g, 50mmol )を100ml を加えた。更
に、4規定塩酸でpHを5- 6の間に調節しながら、10
0 分間攪拌しながら還流した。室温まで冷却し、析出し
た不純物を濾別後、塩化カリウム KClを90g添加して塩
析した。得られた白色固体を濾過し収集し、更に850 m
lの水に再溶解させ、不溶物を濾過で除去することで精
製を行った。母液にKCl 80g を添加して再度白色固体を
回収した。回収固体は2規定の塩化カリウムで洗浄後、
空気乾燥し、1欠損型ベータケイタングステン酸塩K8[
β2-SiW11O39] ・14H2O 約60g(収率37%)であった。
【0021】上記の様にして得られたK8[ β2-SiW
11O39] ・14H2O 15g(5mmol)を50mlの水に25℃で完
全に溶解させた。不溶物がある場合には濾過して分離し
た。この液に2規定の炭酸カリウム(K2CO3 )添加し、
pHを9.1に素早く調節した。正確に16分間このpH
を維持するように激しく攪拌しながら2規定炭酸カリウ
ム溶液を添加し、引き続き、KCl 40gを添加しして塩析
を行った。得られた白色固体を1Mの塩化カリウムで洗
浄し、空気乾燥し約10g(収率70% )のK8[ γ-SiW10O
36]・12H20 が得られた。
【0022】2. マンガン2置換型ケイタングステン
酸塩の合成 上記の様にして得られたK8[ γ-SiW10O36]・12H20 6.0
g(2.0mmol) を15mlの水に溶解させ、濃硝酸を用いてpH
を3.9 に素早く調製した。pHを3.8 から4.5 の間に調節
しながら、酢酸マンガン2水和物 Mn(OAc)2 ・2H2O 0.7
84g(3.2mmol)を含む10ml水溶液を混合した。次い
で、過マンガン酸カリウム 0.126g (0.8mmol) の10ml水
溶液を滴下しながら加えた。反応液がオレンジ色から茶
色に変化したことを確認した後、テトラ- n- ブチルア
ンモニウムナイトライトを3.0g添加し、茶色固体を得
た。得られた固体はアセトニトリル/ 水系で再結晶を行
い、6gの精製されたヘテロポリ化合物、[(C4H9)N]4]
[ γ-SiW10[Mn(OH2)]2O38H2]・1.5CH3CN・2H2Oを得た。
得られたヘテロポリ化合物の同定は元素分析、IR及びサ
イクリックボルタンメトリー等の電気化学的手法により
行われ、図のガンマ異性体の構造であることが確認され
た。
【0023】3. 鉄2置換型ケイタングステン酸塩の
合成 K8[γ-SiW10O36]・12H2O 2.0 g (1.0 mmol) を30 mL
の水に溶解し、濃硝酸でpH = 3.9に調製した。次いで、
Fe(NO3)3・9H2O 0.820 g(2.0 mmol) を含む5mLの水溶
液を添加し、5 分間攪拌した。更にテトラ- n- ブチル
アンモニウムナイトライト 3.08 g(10.1 mmol)を加
え、更に10〜15分間攪拌した。生成した白黄色固体をガ
ラスフィルターに集め、吸引乾燥を行った。白黄色固体
を15 mL のアセトニトリルに再溶解させ、300 mLの水を
ゆっくり加え、氷水浴中で再結晶を行った。生成した黄
褐色固体を濾別回収し、水 50 mLで2回洗浄を行った
後、吸引乾燥した。更に、上記再結晶操作を繰り返し実
施し、精製されたヘテロポリ化合物[(C4H9)4N]3.5H
2.5[γ-SiW10[Fe(OH2)]2O38]・H2O を37% の収率で得
た。
【0024】(アルカンの酸化反応例)以下の実施例に
おいて、転化率及びTON は以下に定義されるものを用い
た。 転化率(%)=(生成物のモル数/ 反応基質のモル数)
*100 TON(-) =(生成物のモル数)/ (使用した触媒のモル
数)
【0025】実施例1 上記合成例で合成したマンガン置換型ケイタングステン
酸塩(ガンマ異性体)[(C4H9)N]4][ γ-SiW10[Mn(OH2)]
2O38H2]・1.5CH3CN・2H2O(1.5 μmol )を触媒として
用いて、ガラス反応容器中で1,2-ジクロロエタン(1.5m
l )/ アセトニトリル(0.1ml )溶媒中、83℃で1気圧
の酸素の存在下でシクロヘキサン(18.5mmol)の酸化反
応を行った。酸化生成物の分析はガスクロマトグラフィ
ーで行った。96時間後におけるシクロヘキサンの転化率
は6.4 %であり、TON は789 であった。生成物はシクロ
ヘキサノール及びシクロヘキサノンのみであり、その選
択率はそれぞれ52%、48%であった。
【0026】比較例1 上記合成例で合成した鉄2置換型ケイタングステン酸塩
(ガンマ異性体)[(C4H9)4N]3.5H2.5[γ-SiW10[Fe(O
H2)]2O38]・H2O を触媒として用いたこと以外は実施例
1と同様な方法でシクロヘキサンの酸化反応を行ったと
ころ、シクロヘキサンの転化率は1.1 %であり、TON は
135 であった。生成物はシクロヘキサノール及びシクロ
ヘキサノンのみであり、その選択率はそれぞれ53%、47
%であった。ここで用いた触媒は、ヘテロポリ酸骨格中
で2つの鉄原子が陵共有を形成して置換された構造(図
のγ置換体)であるが、鉄原子が置換しているため、シ
クロヘキサンの転化率及びTONが低い値となっている
ことが分かる。
【0027】比較例2 触媒として3欠損型ケギン型ヘテロポリ酸イオンのα異
性体である[(C4H9)4N] 3.25H3.75[α-SiW9[Fe(OH2)]
3O37] を用いたこと以外は実施例1と同様な条件でシク
ロヘキサンの酸化反応を行った。この触媒は、ヘテロポ
リ酸骨格中で2つの鉄原子が角共有を形成して置換され
た構造である(図のα置換体)。この時シクロヘキサン
の転化率は0.3 %であり、TON は39であった。生成した
シクロヘキサノール及びシクロヘキサノンの選択率はそ
れぞれ47%、53%であった。
【0028】実施例及び比較例から明らかなように、本
発明の特定の遷移金属が陵共有を形成する部位を有する
ヘテロポリ酸を触媒として用いた場合には、アルカンの
転化率及びTONが著しく高くなることが分かる。ま
た、上記の実施例1で用いたマンガン以外でも、本発明
で規定した特定の遷移金属であれば、実施例1と同様の
効果が達成されるものである。
【0029】比較例3 触媒として1欠損型ケギン型ヘテロポリ酸イオンのα異
性体である[(C4H9)4N] 4.25H0.75[α-SiW11[Fe(OH2)]
O39] を用いたこと以外は実施例1と同様な条件でシク
ロヘキサンの酸化反応を行った。この触媒は、ヘテロポ
リ酸骨格中で2つの鉄原子が角共有を形成して置換され
た構造である(図のα置換体)。この時シクロヘキサン
の反応は痕跡量であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法により、アルカンの酸化反
応を行うことで、触媒が消費することなく穏和な条件で
反応が進行し、また、高転化率かつ高選択率で、アルコ
ールやケトン等の生成物を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2欠損型ケギン型ヘテロポリ酸イオンのα及び
β異性体の構造を示す図である。
【図2】本発明の実施例1で使用した、2欠損型ケギン
型ヘテロポリ酸イオンのγ異性体の構造を示す図であ
る。
【図3】2欠損型ケギン型ヘテロポリ酸イオンのδ及び
ε異性体の構造を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 49/403 C07C 49/403 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA08 BB07A BC02B BC30A BC49A BC53A BC57A BC60B BC61A BC62A BC62B BC66B BC67A BC68A BC70A BC71A BC72A BC73A BC74A BC75A BD05B CB12 4H006 AA02 AC12 AC43 AC44 AC45 BA02 BA05 BA06 BA10 BA12 BA14 BA16 BA20 BA21 BA22 BA23 BA24 BA25 BA26 BA75 BB11 BB12 BB17 BB21 BB61 BC10 BC11 BC16 BC19 BE30 BN10 BN20 BQ10 BR70 4H039 CA60 CA62 CC30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカンを分子状酸素含有ガスにより酸
    化反応させる方法において、欠損構造部位を有するヘテ
    ロポリ酸骨格中に、周期律表の第4〜7族、11族、コ
    バルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
    ム、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群から選
    ばれる少なくとも2個の遷移金属を含有し、該遷移金属
    が互いに陵共有を形成する部位を少なくとも1つ有する
    化合物を触媒として用いることを特徴とするアルカンの
    酸化方法。
  2. 【請求項2】 欠損構造部位を有するヘテロポリ酸骨格
    が、下記一般式(1)で表される2欠損型ケギン型ヘテ
    ロポリ酸イオンのガンマ、デルタ及びイプシロン異性体
    から選ばれる骨格である請求項1に記載のアルカンの酸
    化方法。 【化1】 [YM1036] n- ・・・(1) (式(1)中、Yはケイ素、ゲルマニウム又はリンを表
    し、Mはモリブデン、タングステン又はバナジウムを表
    し、nは正の整数である。)
  3. 【請求項3】 遷移金属がマンガン、コバルト、ニッケ
    ル及びルテニウムから選ばれるものである請求項1又は
    2に記載のアルカンの酸化方法。
  4. 【請求項4】 アルカンの酸化反応を液相中で行う請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のアルカンの酸化方法。
  5. 【請求項5】 アルカンを酸化反応させてアルコール及
    び/又はケトンを製造する請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のアルカンの酸化方法。
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