JPH07188175A - キナルジン酸の製造方法 - Google Patents

キナルジン酸の製造方法

Info

Publication number
JPH07188175A
JPH07188175A JP5330983A JP33098393A JPH07188175A JP H07188175 A JPH07188175 A JP H07188175A JP 5330983 A JP5330983 A JP 5330983A JP 33098393 A JP33098393 A JP 33098393A JP H07188175 A JPH07188175 A JP H07188175A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quinaldine
acid
heavy metal
gram atom
oxidation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5330983A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Namekata
毅 行方
Ikuo Ito
育夫 伊藤
Toshio Sato
利雄 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Air Water Inc
Original Assignee
Sumikin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumikin Chemical Co Ltd filed Critical Sumikin Chemical Co Ltd
Priority to JP5330983A priority Critical patent/JPH07188175A/ja
Publication of JPH07188175A publication Critical patent/JPH07188175A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Quinoline Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キナルジンを酢酸溶媒中、重金属および臭素
を含有する酸化触媒の存在下、空気酸化して、収率よく
キナルジン酸を製造する。 【構成】 触媒成分として、重金属をキナルジン1モル
当たり1グラム原子以上存在させ、そのうちコバルトの
量を0.5 グラム原子以上とする。反応は80〜180℃の温
度範囲内が好ましい。 【効果】 キノリンの副生が非常に少なく、高収率でキ
ナルジン酸を工業的に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医・農薬等の原料とし
て有用なキナルジン酸 (2−キノリンカルボン酸) の製
造方法に関する。より具体的には、次式の反応に従っ
て、分子状酸素によるキナルジン(2−メチルキノリ
ン) の液相酸化によりキナルジン酸を製造する方法に関
する。
【0002】
【化1】
【0003】
【従来の技術】メチルキノリン類を液相で重金属および
臭素を含有する酸化触媒の存在下、分子状酸素により酸
化してキノリンカルボン酸類を製造することは、特公昭
34−9868号公報に記載されていて公知である。このよう
な液相酸化法は工業的製造に適している。しかし、この
公報には、この液相酸化法ではキノリンの2−位は未置
換であることが好ましいと記載され、実施例においても
8−キノリンカルボン酸の製造例しか示されていない。
即ち、この方法は2−位にメチル基を有するキナルジン
を原料とするキナルジン酸の製造には不適当であるとさ
れている。
【0004】また、アルキルピリジン類を分子状酸素で
液相酸化してピリジンカルボン酸類を製造する方法につ
いて、酸化反応をジルコニウム化合物、臭素化合物、な
らびに可溶性コバルト塩およびマンガン塩からなる触媒
の存在下で行うことが、特公昭50−17068 号公報に記載
されている。この公報においても、キナルジンに類似し
た化学構造を持つ2−位 (α−位) にアルキル基が置換
した化合物、例えば、α−ピコリンは不適当とされ、従
って、キナルジン酸のように2−位にカルボン基を持つ
2−ピリジンカルボン酸の製造に適用した例は開示され
ていない。
【0005】本発明者らは、試みにキナルジンからキナ
ルジン酸への酸化反応に対して上記特公昭34−9868号公
報に記載の方法を適用してみた。即ち、この公報の実施
例4に記載の方法に準じて、重金属化合物と臭素化合物
とからなる触媒の存在下、キナルジンを酢酸溶媒中で分
子状酸素により酸化したところ、キナルジン酸の収率は
20モル%と低く、しかもキノリンが20モル%弱副生し
た。この結果が示すように、従来は、重金属および臭素
を含む触媒の存在下でのキナルジンの分子状酸素による
液相酸化では、キナルジン酸を高収率で工業的に製造す
ることは困難であると考えられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】キナルジン酸は、キノ
リン骨格を持った医・農薬等の出発原料として有用性を
有している。しかし、これまではキナルジン酸の大量生
産が可能な工業的製造方法が確立されていなかったた
め、化学的な合成手法で少量生産されたキナルジン酸
が、銅、亜鉛、カドミウム、ウランなどの金属の沈殿試
薬として利用されるにとどまっていた。
【0007】本発明の目的は、キナルジン酸の大量生産
が可能な、工業的に実施できるキナルジン酸の製造方法
を提供することがである。本発明のより具体的な目的
は、脂肪族カルボン酸溶媒中で重金属および臭素を含有
する酸化触媒の存在下、分子状酸素によりキナルジンを
酸化して、収率よくキナルジン酸を製造することができ
る方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、キナルジ
ンの分子状酸素による液相酸化について検討を重ねた結
果、重金属触媒成分としてコバルトがキナルジンの液相
酸化に特に効果的であること、そしてコバルトを含有す
る重金属成分を従来の10倍以上という非常に多量に使用
すると、キナルジン酸を収率よく製造することができる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0009】ここに、本発明の要旨は、キナルジンを脂
肪族カルボン酸溶媒中で重金属および臭素を含有する酸
化触媒の存在下、分子状酸素により酸化してキナルジン
酸を製造する方法であって、前記酸化触媒中の重金属の
含有量がキナルジン1モル当たり1グラム原子以上、そ
のうちコバルトの含有量が0.5 グラム原子以上であるこ
とを特徴とする、キナルジン酸の製造方法である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
原料とするキナルジンは、アニリン誘導体から閉環反応
によって化学的に合成したものや、コールタールから抽
出−蒸留等の操作を経て分離したもの等、その由来を問
わず使用できる。工業的入手の容易性およびコストか
ら、コールタールから分離したキナルジンを原料として
使用することが好ましい。また、原料にキノリン、イソ
キノリン、8−メチルキノリン等の不純物が多少含まれ
ていても、少量であれば問題ないため、原料は純キナル
ジンである必要はなく、キナルジン純度が70%以上、好
ましくは80%以上あればよい。原料のキナルジンを、酸
化触媒の存在下、分子状酸素により液相酸化する。
【0011】溶媒として使用する脂肪族カルボン酸は、
反応温度で液体となるものであればよく、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸等が使用できるが、好ましくは酢酸、プロ
ピオン酸、およびこれらの混合溶媒であり、特に好まし
くは酢酸である。この溶媒は、脂肪族カルボン酸以外に
少量 (全溶媒の10重量%まで) の水を含有していてもよ
い。酸化触媒は、コバルトを含む重金属成分と臭素成分
とを含有する。
【0012】触媒中の重金属成分の量は、キナルジン1
モル当たりの重金属の量 (2種以上の場合には合計量)
として1グラム原子以上、好ましくは2グラム原子以
上、特に好ましくは3グラム原子以上である。前述した
特公昭34−9868号公報の実施例では、メチルキノリン類
の酸化に使用した重金属触媒成分の合計量は、原料メチ
ルキノリン1モル当たり0.01グラム原子程度であり、本
発明ではその100 倍以上の多量の重金属成分を触媒とし
て使用する。このように、従来技術では重金属触媒成分
の使用量が少なかったために、キナルジンの液相酸化が
これまで不可能であったものと考えられる。
【0013】重金属触媒成分としては、コバルトが最も
有効である。そのため、酸化触媒にはキナルジン1モル
当たり少なくとも0.5 グラム原子、好ましくは1グラム
原子以上、より好ましくは1.5 グラム原子以上のコバル
トを含有させる。しかし、コバルト化合物は比較的高価
であるので、重金属成分の全量をコバルトにする必要は
なく、他の重金属をコバルトと併用してもよい。このよ
うなコバルトと併用できる重金属元素としては、マンガ
ン、セリウム、ニッケル、鉄、クロム等が挙げられる。
即ち、原料のキナルジン1モル当たりコバルト0.5 グラ
ム原子以上、重金属全体で1グラム原子以上を含有する
重金属触媒を使用すればよい。
【0014】触媒成分として使用する重金属の合計量が
キナルジン1モル当たり1グラム原子未満、或いはコバ
ルトの量がキナルジン1モル当たり0.5 グラム原子未満
であると、触媒を添加しても、キナルジンの液相酸化反
応を円滑に進めることが困難になり、原料キナルジンの
転化率が著しく低下し、同時に目的とするキナルジン酸
の選択率も低下する結果、キナルジン酸の収率は大幅に
低下する。
【0015】重金属触媒の供給源として用いる重金属化
合物としては、コバルトおよび他の重金属のいずれにつ
いても、反応条件で溶媒に溶解する重金属化合物であれ
ばよく、例えば、酢酸塩、炭酸塩、臭化物、水酸化物等
の使用が好ましい。
【0016】もう1つの触媒成分である臭素の供給源
も、溶媒に溶解する任意の臭素化合物でよく、臭素のほ
か、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アンモニウ
ム、臭化コバルト、臭化水素酸等が好適である。臭素化
合物の使用量は、触媒中の重金属1グラム原子に対して
臭素原子として 0.1〜10グラム原子とすることが好まし
く、より好ましくは 0.2〜5グラム原子である。従っ
て、例えば、臭化コバルト単独で、本発明で用いる「重
金属および臭素を含有する酸化触媒」を構成することも
できる。
【0017】酸化触媒は、さらにナトリウム、カルシウ
ム等のアルカリ金属、またはマグネシウム、カルシウム
などのアルカリ土類金属を含有していてもよい。このア
ルカリまたはアルカリ土類金属の供給源としては、酢酸
塩、臭化物、水酸化物等が適当である。これらの金属を
酸化反応系に添加する場合、その添加量は重金属1グラ
ム原子に対してアルカリまたはアルカリ土類金属として
10グラム原子以下の範囲内が好ましい。なお、各触媒成
分は、いずれも1種もしくは2種以上を使用できる。
【0018】キナルジンの酸化に用いる酸化剤は分子状
酸素である。分子状酸素としては、純酸素ガスのほか、
燃焼排ガス等の任意の酸素含有ガスが使用できるが、通
常は空気をそのまま使用する。
【0019】キナルジンの酸化反応は、回分式(例、原
料キナルジンと触媒成分を溶媒に溶解した触媒液を反応
器に予め装入しておき、酸素含有ガスのみを連続的に供
給する方式)、半回分式(例、触媒液のみを反応器に予
め装入しておき、原料キナルジンと酸素含有ガスとを連
続的に供給する方式)、連続式(原料キナルジンと触媒
液と酸素含有ガスをいずれも連続的に供給し、かつ反応
液を連続的に抜出す方式)のいずれかの方法でも実施で
きる。
【0020】反応は80〜180 ℃の範囲内の比較的低温で
行うことが好ましい。より好ましい反応温度は 100〜17
0 ℃、特に 120〜160 ℃である。反応温度が80℃未満で
は反応速度が低くなり、反応温度が180 ℃を越えると、
脱炭酸によるキノリンの生成等の副反応の割合が高くな
り、キナルジン酸の収率と選択率が低下する傾向があ
る。
【0021】反応圧力は、反応液が液状に保てる圧力で
あればよい。反応温度にもよるが、常圧〜100 kg/cm2G
、好ましくは2〜50 kg/cm2Gである。反応時間は特に
限定されず、酸素吸収が認められなくなるまで続ければ
よいが、通常は 0.1〜20時間程度である。
【0022】本発明に従って、コバルトを主成分とする
重金属を特定量以上使用し、特定の温度範囲で酸化反応
を行うことにより、キノリン等の副生物の生成を抑制し
て、目的とするキナルジン酸を収率よく得ることができ
る。
【0023】生成したキナルジン酸の大部分は、触媒と
して使用した重金属と錯体を形成し、この錯体は溶媒の
脂肪族カルボン酸には不溶である。そのため、酸化反応
の終了後、キナルジン酸−重金属錯体を濾過、沈降など
の簡便な手段で反応液から容易に分離回収することがで
きる。回収した錯体を、次いで酸水溶液 (例、硫酸、塩
酸、硝酸、臭化水素酸などの鉱酸水溶液) で処理して、
キナルジン酸と重金属塩とに分解し、キナルジン酸を適
当な有機溶剤 (例、ケトン、塩化メチレン、ベンゼン、
トルエン) で抽出することにより、目的物を単離するこ
とができる。必要であれば、抽出液から蒸留などにより
抽剤を除去し、残留物として回収したキナルジン酸を再
結晶などの常法により精製してもよい。
【0024】キナルジン酸−重金属錯体を分離した後に
残る濾液(酸化反応の母液)は、反応系に供給した溶媒
と触媒成分の一部のほかに、未反応原料、副生物、反応
で生成した水を含有している。本発明では、副生物の生
成が少ないため、この母液を溶媒および触媒供給源とし
て酸化反応に再循環することができる。例えば、必要に
より母液を蒸留や脱水剤 (例、無水酢酸) 処理などによ
り脱水した後、錯体形成で消費された重金属化合物と、
分離時の持ち出しや揮発などで失われた溶媒や触媒を補
給して触媒液を再生し、これを用いて上記と同様に回分
式、半回分式または連続式で反応を実施することができ
る。また、母液中の副生物量が多くなった場合には、母
液から蒸留などの手段で溶媒を回収した後、残査から触
媒成分を炭酸塩析出などの手法で回収し、こうして別個
に回収した溶媒と触媒とを酸化反応に再循環する方法が
採用できる。さらに、キナルジン酸錯体の分解時に酸水
溶液中に溶解した重金属イオンも、炭酸塩析出などの手
法で回収し、再使用することができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
する。なお、実施例中、%は特に指定しない限り重量%
である。
【0026】(実施例1)ガス吹込み管及び還流冷却器付
きガス抜出し口を取付けた内容積0.5 L の電磁攪拌機付
きチタン製オートクレーブに、原料として純度99.5%の
キナルジン10.1g (0.07モル) 、酸化触媒として酢酸コ
バルト(II)4水和物 27.29g (Co=0.11グラム原子) 、
酢酸マンガン(II)4水和物 26.85g (Mn=0.11グラム原
子) 、臭化カリウム6.24g (K=Br=0.0524グラム原
子) 、ならびに溶媒として酢酸200mLを仕込んだ。重金
属/キナルジンの比は3.1 グラム原子/モルであった。
反応温度を150 ℃に保ちながら、反応圧力30 kg/cm2Gで
空気を送給し、酸素吸収が認められなくなるまで3時間
反応させた。
【0027】反応終了後、室温まで冷却し、反応混合物
をオートクレーブより抜出し、濾過して固形物を得た。
この固形物を少量の酢酸で洗浄した後、10%硫酸水溶液
を加えてキナルジン酸−重金属錯体を分解した後、メチ
ルイソブチルケトン (以下、MIBKと略) で抽出し
た。MIBK抽出液から抽剤のMIBKを留去させて得
た酸化生成物を高速液体クロマトグラフィー (以下、H
PLCと略)で分析して、キナルジン酸の量を求めた。
また、酸化反応母液 (濾液) および酢酸洗浄液について
もHPLC分析によりキナルジン酸の量を求め、上記M
IBK抽出液中のキナルジン酸の量と合わせて、キナル
ジン酸の収率を算出した。さらに、MIBK抽出液、酸
化反応母液および酢酸洗浄液中の未反応キナルジンおよ
びキノリンの含有量をガスクロマトグラフィーにより分
析し、キナルジンの転化率、キナルジン酸の選択率、お
よびキノリンの副生率を算出した。表1に示すように、
キナルジン転化率が78.2モル%、キナルジン酸収率が6
4.5モル%、キナルジン酸選択率が82.5モル%、キノリ
ン副生率が1.0 モル%であった。
【0028】(実施例2)酢酸コバルト4水和物の量を 2
0.40g(Co= 0.082グラム原子) 、酢酸マンガン4水和
物の量を 20.07g(Mn= 0.082グラム原子) に変更した
以外は、実施例1と同様にキナルジンの酸化および生成
物の回収を行った (重金属/キナルジン=2.3 グラム原
子/モル) 。結果を表1に示した。
【0029】(実施例3)原料をコールタールから分離さ
れた純度82.2%のキナルジン10.1g(0.058 モル)に変
更した以外は、実施例1と同様にキナルジンの酸化と生
成物の回収を行った (重金属/キナルジン=3.8 グラム
原子/モル) 。結果を表1に示した。
【0030】(実施例4)実施例3と同様に原料を純度8
2.2%のキナルジン10.1g(0.058 モル)に変更し、触
媒として臭化コバルト(II)6水和物 71.60g(Co= 0.2
19グラム原子、Br=0.438 グラム原子) のみを使用した
以外は、実施例1と同様にキナルジンの酸化および生成
物の回収を行った (重金属/キナルジン=3.8 グラム原
子/モル)。結果を表1に示した。
【0031】(実施例5)反応温度を 100℃に変更した以
外は、実施例1と同様にキナルジンの酸化および生成物
の回収を行った。反応時間は5時間であった。結果を表
1に示した。
【0032】(実施例6)酢酸コバルト4水和物の量を 1
3.20g(Co= 0.053グラム原子) 、酢酸マンガン4水和
物の量を 12.99g(Mn= 0.053グラム原子) 、臭化カリ
ウムの量を2.38g (K=Br=0.0262グラム原子) に変更
した以外は、実施例1と同様にキナルジンの酸化および
生成物の回収を行った (重金属/キナルジン=1.5 グラ
ム原子/モル) 。結果を表1に示した。
【0033】(比較例1)酸化触媒を酢酸コバルト4水和
物2.49g (Co=0.01グラム原子) 、酢酸マンガン4水和
物2.45g (Mn=0.01グラム原子) 、臭化カリウム2.38g
(K=Br=0.02グラム原子) に変更した以外は、実施例
1と同様にキナルジンの酸化および生成物の回収を行っ
た (重金属/キナルジン=0.28グラム原子/モル) 。結
果を表1に示した。
【0034】(比較例2)酸化触媒を臭化コバルト6水和
物6.86g (Co=0.0210グラム原子) に、反応温度を190
℃に変更した以外は、実施例4と同様にキナルジンの酸
化および生成物の回収を行った (重金属/キナルジン=
0.36グラム原子/モル) 。結果を表1に示した。
【0035】(比較例3)酸化触媒を酢酸コバルト4水和
物2.62g (Co=0.0105グラム原子) 、酢酸マンガン4水
和物2.57g (Mn=0.0105グラム原子) 、臭化カリウム2.
50g (K=Br=0.0210グラム原子) に変更した以外は、
実施例3と同様にキナルジンの酸化および生成物の回収
を行った (重金属/キナルジン=0.36グラム原子/モ
ル) 。結果を表1に示した。
【0036】(比較例4)酸化触媒を酢酸ニッケル(II)4
水和物 13.06g (Ni=0.052 グラム原子) 、酢酸マンガ
ン4水和物 12.85g (Mn=0.052 グラム原子) 、臭化カ
リウム6.24g (K=Br=0.0524グラム原子) に変更した
以外は、実施例1と同様にキナルジンの酸化を行った
(重金属/キナルジン=1.5 グラム原子/モル) 。この
場合は酸素吸収がほとんど認められず、キナルジン酸の
収率は0であった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】表1に示すように、コバルトを含む重金
属触媒の使用量が本発明の範囲外である比較例では、原
料キナルジンの転化率自体が20%台と非常に低いか、或
いは反応温度を上げてキナルジン転化率が70%台と高く
なった場合には、キナルジン酸の選択率が20%台と低
く、しかも目的物の収率の2/3 から収率と同量程度とい
った非常に多量のキノリンが副生する結果、キナルジン
酸の収率は17モル%を超えることはなかった。これに対
し、本発明に従って液相酸化を行った実施例では、キナ
ルジン転化率とキナルジン酸の選択率とがいずれも高く
なる結果、キナルジン酸の収率が最低でも28モル%であ
った。特に重金属をキナルジン1モル当たり2グラム原
子以上使用した場合には、キナルジン酸の収率が48〜68
モル%と、比較例に比べて非常に高くなり、同時にキノ
リンの副生率は2モル%以下 (キナルジン酸収率の1/20
以下) に抑制することができた。また、原料が純品であ
っても、20重量%程度の不純物を含有するものであって
も、反応成績に顕著な差はなかった。
【0039】このように、本発明によれば、従来は低収
率、高副生率のためにキナルジン酸の製造には適用が困
難であった分子状酸素によるキナルジンの液相酸化を利
用して、キノリンの副生をごく少量に抑えながら、キナ
ルジン酸を工業的に容認できる高収率で製造することが
可能となる。しかも、原料がコールタールから分離され
るような不純物を含有するものであっても、純品を原料
とする場合と遜色のない反応成績を得ることができる。
その結果、キナルジン酸を工業的に安価に製造すること
が可能となるので、これまでは高価な原料であったキナ
ルジン酸を医・農薬の工業的製造に利用し易くなる。従
って、本発明はキナルジン酸の用途拡大に貢献するもの
であり、その工業的意義は大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キナルジンを脂肪族カルボン酸溶媒中で
    重金属および臭素を含有する酸化触媒の存在下、分子状
    酸素により酸化してキナルジン酸を製造する方法であっ
    て、前記酸化触媒中の重金属の含有量がキナルジン1モ
    ル当たり1グラム原子以上、そのうちコバルトの含有量
    が0.5 グラム原子以上であることを特徴とする、キナル
    ジン酸の製造方法。
JP5330983A 1993-12-27 1993-12-27 キナルジン酸の製造方法 Withdrawn JPH07188175A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5330983A JPH07188175A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 キナルジン酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5330983A JPH07188175A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 キナルジン酸の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07188175A true JPH07188175A (ja) 1995-07-25

Family

ID=18238529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5330983A Withdrawn JPH07188175A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 キナルジン酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07188175A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104311483A (zh) * 2014-10-27 2015-01-28 北京工业大学 一种喹啉-2-羧酸的制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104311483A (zh) * 2014-10-27 2015-01-28 北京工业大学 一种喹啉-2-羧酸的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6247864B2 (ja)
EP2981528B1 (en) Process for the preparation of 2,5-furan-dicarboxylic acid
CA2684458A1 (en) Novel opiate reduction utilizing catalytic hydrogen transfer reaction
CN111662240B (zh) 一种高纯度丙硫菌唑的制备方法
US4965406A (en) Process for the manufacture of benzoic acid and salts thereof
WO2007034972A1 (ja) タングステンの回収方法
CN112441966A (zh) 一种由2,3,6-三氯-5-三氟甲基吡啶生产2-氯-3-三氟甲基吡啶的方法
US4587355A (en) Oxidation with a solid catalyst
JPH07188175A (ja) キナルジン酸の製造方法
JP2000319211A (ja) アルカンの酸化方法
JP2004217625A (ja) アジピン酸の製造方法
JPH0564940B2 (ja)
US4876385A (en) Batch or semicontinuous pseudocumene oxidation and catalyst recovery and recycle
US4769488A (en) Batch or semicontinuous pseudocumene oxidation and catalyst recovery and recycle
JP4207273B2 (ja) ナフタレンジカルボン酸の製造法
JPH07233150A (ja) ニコチン酸の製造方法
JP3831005B2 (ja) カルボキシル基を有するベンゾピリジンの製造方法
EP0102808A1 (en) Process for producing benzophenone-azines
EP0330203B1 (en) Catalytic process for preparing ethylene-tetracarboxylic esters
JPH1149717A (ja) 4−オキソイソホロンの製造法
EP0461154B1 (en) Iodo compounds
JP4292357B2 (ja) アルキル置換安息香酸の製造方法
EP1035149A1 (en) Processes for producing polyester and producing sorbic acid
CN117623988A (zh) 一种N-Boc-L-苯丙氨醛的合成方法
CN116730873A (zh) 一种N-Boc-L-苯丙氨醛的合成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010306