JP2000318318A - 透明感熱記録材料 - Google Patents

透明感熱記録材料

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JP2000318318A JP11291633A JP29163399A JP2000318318A JP 2000318318 A JP2000318318 A JP 2000318318A JP 11291633 A JP11291633 A JP 11291633A JP 29163399 A JP29163399 A JP 29163399A JP 2000318318 A JP2000318318 A JP 2000318318A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近紫外部の吸収を制御することによって光源
に依存せず、かつ画像の認識性と耐光性に優れた感熱記
録材料を提供すること。 【解決手段】 少なくとも透明支持体上に感熱記録層を
形成し、さらにその上に必要に応じて保護層、支持体の
逆側に必要に応じてバック層を設けてなる感熱記録材料
において、無印字部の吸光度(透過)が波長380nm
においては0.5から1.2であり、且つ波長420n
mにおいては0.7以下であることを特徴とする透明感
熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子供与性呈色性化
合物と電子受容性化合物との間の発色反応などを利用し
た感熱記録材料(ビデオプリンター用フィルムなどの透
明感熱シート)に関するものであり、特にMRIやCT
の診断及び参照を目的とした、銀塩フィルムライクで高
画質な、黒系の発色をする医療用画像形成シートとして
好適な感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱発色プロセスを利用した記録材料は
種々提案されている。この感熱記録材料は、一般的には
紙の上に前記した発色剤(染料等)および呈色剤(顕色
剤等)が塗布され製造される。特に近年医療分野を中心
に銀塩X線フィルムの湿式プロセスに起因する廃液処理
問題および画像のデジタル化の流れから、簡易にアウト
プットできる透明なドライフィルムのシステムが求めら
れている。現在の医療用のドライプロセスとしては光
露光熱定着システム、熱転写システム、直接感熱記
録システムの3つが挙げられる。そのうちの一つである
感熱記録材料は、現像、定着等の頻雑な処理を施す必要
がなく、比較的簡単な装置で短時間に記録できること、
騒音の発生が少ないこと、更にコストが安いこと等の利
点により、従来より電子計算機、ファクシミリ、券売
機、ラベルプリンター、レコーダー等の種々の記録材料
として使用されている。
【0003】従来の感熱記録材料に用いられる発色性染
料としては、例えばラクトン、ラクタムまたはスピロピ
ラン環を有する無色または淡色のロイコ染料が、また、
顕色剤としては従来から有機酸、フェノール性物質等が
用いられている。また、発色剤をベヘン酸銀のような有
機酸金属塩、顕色剤としてプロトカテキン酸などのよう
な還元剤を用いた有機銀塩タイプの感熱記録材料も用い
られている。あるいは、前者とほぼ同構成または樹脂マ
トリクス中に有機低分子化合物を分散させたもので、透
明度や画像濃度に可逆性をもたせて画像を形成する可逆
性感熱記録材料も数多く用いられている。
【0004】ここで、例えばロイコ染料、顕色剤、バイ
ンダー樹脂以外に何も添加しない感熱記録材料では、紫
外線照射下などの強い光の元に長時間曝したときに、次
第に地肌の黄変、画像の濃度低下などの現象が見られ
る。すなわち、光が当たったときに画像認識性が次第に
劣ってきてしまう懸念が生じる。これは他の方式の感熱
記録材料においても同様である。この防止策として、紫
外線吸収剤に代表されるような耐光助剤を感熱記録材料
を構成するいずれかの層に添加することが行なわれてい
る。これらの添加剤は従来より検討されており、例えば
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(特開昭61−19
3883号公報等)、蛍光増白剤(特開昭62−184
880号公報等)、ヒンダードアミン系光安定剤(特開
昭63−137887号公報)、無機酸化物微粒子(特
開平7−25147号公報等)、あるいはこれらの組み
合わせ(特開平8−282114号公報等)などが行な
われている。該感熱記録材料中に耐光助剤が多いほど、
そのような光による変色を抑制することができる。
【0005】しかしながら、透明感熱記録材料は色彩や
濃度の変化が分かりやすいという難点がある。例えば同
じ透明感熱記録材料の吸光度曲線を測定すると、透過で
の測定は反射と比較して吸光度が濃度に対してほぼ比例
して伸び、且つ吸収ピークが非常にシャープとなる。ま
た、耐光助剤の量によって発色感度、発色色相が著しく
変わることもある。したがって透明感熱記録材料は従来
の反射型感熱記録材料に比べて達成すべき目標が高くな
り、その分変化を抑制するのが困難である。
【0006】加えて、その耐光助剤はわずかに可視波長
域にも吸収をもち、それゆえ光源によって地肌の色の見
え方が変わる。この光源依存性を具体的に説明すると、
d/0系のような拡散光を光源としたときと、0/0系
のような垂直照明を光源とした場合、受光部において後
者の方が全体的に吸光度が高く、しかも短波長側の吸光
度が上がり気味になる(ここで、「d」は拡散、「0
(ゼロ)」は0°、分子が照明側、分母が受光側の条件
を示す)。たとえ他の色に着色していても観察者に両者
の色の違いを感じさせる。また特に地肌に着色している
場合には、その着色色が2つの光源のどちらかで見える
色と補色関係にあるときに、光源依存性は余計に目立っ
てしまう。
【0007】特開平4−197778号公報には370
nmでの透過率5%以下、400nmでの透過率70%
以下、全可視域の透過率が70%以上の光遮断層を設け
る例があるが、上記のように0/0系の光源ではこの条
件の層が存在するために地肌部の光源依存性がはなはだ
しくなる。この近紫外域の吸収は、感熱シートの曇り度
(ヘーズ)にも影響を受ける。一般にヘーズが高い場合
層内部での光拡散がさらに加わるため、光の波長が短波
長である方が透過しにくく、よって地肌部色調の光源依
存性、加えて白色度も増すために画像認識性が低下す
る。その他地肌のカブリ、積層した各層のバインダー樹
脂の屈折率の違い、分散されているフィラー等の粒径な
ども大きく影響を与える。したがって、これらの制御を
組み合わせることが重要となってくる。この光源依存性
を目立たなくするためには着色剤として染料や顔料を多
量に添加することが考えられるが、地肌部の濃度が上が
る等の弊害があるために、これのみでは改善することが
できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
近紫外部の吸収を制御することによって光源に依存せ
ず、かつ医療画像のような高精細な画像の認識性と耐光
性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、透明支
持体と、その上に感熱記録層を形成する透明感熱記録材
料において、0/0系の光源を用いた吸光度測定におい
て、無印字部における吸光度が波長380nmにおいて
は0.5から1.2であり、且つ波長420nmにおい
ては0.7以下であることを特徴とする透明感熱記録材
料が提供される。この条件よりも吸光度が高い場合、感
熱シートに光源依存性が生じるようになる。逆に低い場
合には光照射後に容易に変色してしまう。また、380
nmにおいて上記範囲内、あるいは下限以下である場合
でも、420nmにおいて0.7以上となるような材料
を添加すると明らかに光源依存性をもつ。一方で420
nmでの吸光度は小さい方がよいが、あまり小さくする
と却って光沢度の増加や防眩性の低下などが観察される
ため、特に好ましくは0.2から0.7である。上記の
2つの範囲内に吸収をもつ透明感熱記録材料は、地肌の
光源依存性が無く、且つ耐光性もよい。
【0010】耐光助剤としてはベンゾトリアゾール類、
ベンゾフェノン類、ヒンダードアミン系光安定剤、無機
金属酸化物超微粒子、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤、蛍光増白剤等を用いることができる。光劣化に対す
る効果の面から、ベンゾトリアゾール類が最も好ましく
用いられるが、この化合物は可視域の短波長部にまで吸
収を持つことから、目的とする吸光度の範囲内に収める
ことと耐光性を両立させるために、可視域で吸収を持た
ない助剤のヒンダードフェノール系酸化防止剤等と組み
合わせるのが好ましい。これらの薬品を用いる層は特に
限定されないし、導入形態も溶解、分散、マイクロカプ
セル中に包含したりと様々であるが、保存性の点や、画
像観察の際はバック面から光を当てることが一般的であ
るために、特に遮光能のあるものについてはバック層に
用いることが好ましい。
【0011】一般に吸光スペクトルは、d/0のような
拡散系の光源のときよりも、0/0系の光源を用いた測
定のほうが近紫外域の波長での吸光度の差が顕著に発現
する。特に医療画像に関しては拡散光が光源であるシャ
ウカステン上だけではなく太陽光等に透かして見ること
も多いため、その状態においても同じ色に見えることが
望ましい。上記耐光助剤は紫外域(400nmよりも短
波長の波長域)に最大吸収点をもつが、その吸収のすそ
が可視域にまで伸び、添加量にしたがって420nm付
近にまで及ぶ。一方、JISZ8701に示されるよう
に人間の視覚は380nmより短波長の光は感じない。
地肌部は可視域における吸光度が非常に低いために、地
肌部の演色性は380〜420nmの光の吸収によって
大きく左右される。したがって380〜420nmにお
ける吸光度が重要となってくる。
【0012】ヘーズは、他の耐光助剤等の本来の吸収特
性が生かされるために低ければ低い方が好ましいが、特
に40%以下にすると画像認識性は著しく向上する。曇
り度は記録層、保護層などに含まれる分散物(顕色剤、
フィラーなど)の粒径を小さくしたり、バインダー樹脂
の屈折率の適切なものを選択することによって達成でき
る。ヘーズを低くした分、ベンゾトリアゾールなどの耐
光助剤を増量することができるため光劣化という点でも
有利である。ただし、あまりヘーズを低くしすぎると、
却って防眩性が低下するためにシャウカステン診断がし
にくくなるという欠点がある。したがって、特に好まし
いヘーズ度としては10%から40%である。
【0013】また、記録層が無色または淡色のロイコ染
料、該ロイコ染料を発色せしめる顕色剤および結着剤と
してのバインダー樹脂からなる透明感熱記録材料、その
中でも特に有機溶剤に可溶なロイコ染料と、有機溶剤に
不溶または難溶である顕色剤の平均粒径1.0μm、好
ましくは0.5μm以下の分散体を組み合わせると、地
肌カブリが少なく、透明度も高い透明感熱記録材料を得
ることができる。さらに、この顕色剤としては有機ホス
ホン酸化合物が地肌カブリ、分散性、形成画像の堅牢性
等の点から最も好ましい。この光源依存性の制御と耐光
性を両立させる方法としては、耐光助剤として適切なも
のの選択や組み合わせを行なう、各層の分散物(顕色
剤、フィラーなど)の粒径を小さくする、透明支持体や
バインダー樹脂の選択などがあるが特にこれらに限定さ
れない。
【0014】この透明感熱記録材料は、防眩効果あるい
は画像認識性向上を目的として青色に着色して用いるこ
ともできる。青味付けの方法としてはベース自身につけ
る、塗工層のいずれか1層以上に青み付けする等が考え
られ、青み付けの濃度レベルとしては透過濃度で0.1
5〜0.25の範囲が、色調としてはa*=−4〜−1
2、b*=−5〜−15(「a*」はCIE−LAB表
色系による色座標。マイナスだと緑、プラスだと赤であ
ることを示す。「b*」は同色座標。マイナスだと青、
プラスだと黄色であることを示す。測定条件;d/0、
10度視野、光源D65にて10nmごとに吸光度測定
して算出)に囲まれる範囲の色が好ましい。青味付けが
ないと光源の眩しさで、一方余り青色を強くしすぎると
コントラストの低さで画像認識性が低下する。
【0015】この透明感熱記録材料に、温度変化に依存
して透明度や画像濃度が変化する可逆性の材料を用いる
こともできる。透明度が変化するものは樹脂マトリクス
中に有機低分子化合物を分散させたもの、画像濃度が変
化するものはロイコ染料と長鎖アルキル基を持つ顕色剤
との組み合わせに代表されるような組み合わせによって
実現される。なお、可逆性感熱記録材料における無印字
部とは、透明度が変化するものは透明な状態、画像濃度
が変化するものは非発色時の状態を指す。
【0016】この透明感熱記録材料はロール状にスリッ
トされた状態で使用されるのが好ましい。装置をコンパ
クト化する上でメディアをロール形態にすることは非常
にメリットがある。透明プラスチックフィルムを支持体
として用いた感熱記録材料をロール形態にする場合に
は、紙と比較するとコシが強いため、出力する前にほど
けてしまう、紙のような弾力性がないため巻き長さが短
くなるなどの欠点がある。一方、出力後においてもロー
ル形態でカールがついてしまうとシャウカステンへの装
着が困難となる、ハンドリングが悪くなるという問題点
がある。したがって、透明支持体の厚みとしては70〜
130μmが好ましく、さらに好ましくは90〜110
μmである。
【0017】この透明感熱シートまたは透明感熱ロール
は防湿あるいは遮光能のある袋の中で密閉されているこ
とが好ましい。防湿能を持つ素材としてはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエチレン−ポリ
ビニルアルコール共重合体、ポリエステルなど、遮光能
を持つ素材としてはアルミニウム蒸着のビニル袋、黒く
着色したビニル袋などがあるがもちろんこれに限るもの
ではなく、防湿能、遮光能のあるものであればよい。こ
れらの素材を必要ならば複数組み合わせ、貼り合わせ、
積層して得られる。袋の口はヒートシール、粘着テー
プ、クリップ等で密閉することができる。
【0018】次いで、本発明による感熱記録材料につい
て詳細に説明する。本発明で使用する透明支持体の具体
例としては、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フ
ィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフ
ィンフィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらを
貼り合わせたフィルム等があり、好ましくはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート等のポリエステルフィルムがある
が、これに限るものではない。本発明においてはコス
ト、支持体の耐熱性等の他の品質をも含めた観点から見
るとポリエチレンテレフタレートフィルムが最も好まし
い。塗布層の接着性向上のために、少なくとも片面をコ
ロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチン
グ処理等による表面改質をすることができる。透明性が
高いシートを得るために、支持体単独の曇り度(ヘー
ズ)が10%以下であることが好ましい。
【0019】本発明で使用するバインダー樹脂としては
公知の種々の樹脂を使用でき、例えば、ポリエチレン、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重
合体、ポリアクリル酸及びそのエステル、ポリメタクリ
ル酸及びそのエステル類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビ
ニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール、ポリカ
ーボネート、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリビニルア
ルコール、デンプン、ゼラチン等がある。樹脂は単独も
しくは二種以上混合して適用することができる。
【0020】本発明で用いられるロイコ染料は電子供与
性を示す化合物であり、単独または2種以上混合して適
用されるが、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体で
あり、特に限定されず従来公知のもの、例えば、トリフ
ェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオ
ラン系、フェノチアジン系、チオフルオラン系、キサン
テン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタ
リド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミン
アニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリ
ン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ
化合物が好ましく用いられる。このような化合物の例と
しては、例えば以下に示すようなものが挙げられるが、
勿論これらに限られるものではない。
【0021】2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブ
チル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N
−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フ
ルオラン等。
【0022】次に本発明で用いられるロイコ染料に対応
する顕色剤は電子受容性の化合物であり、従来公知の種
々の電子受容性顕色剤を用いることができるが、本発明
でより好ましいのは、特開平5−124360号公報等
で示した長鎖アルキル基を分子内に含む電子受容性顕色
剤である。例えば、炭素数12以上の脂肪族基を持つ有
機ホスホン酸化合物や脂肪族カルボン酸化合物、または
炭素数10〜18の脂肪族基を持つメルカプト酢酸の金
属塩、あるいは炭素数16以上の脂肪族基を持つ酸性ホ
スホン酸エステル等である。脂肪族基には、直鎖状また
は分岐状のアルキル基、アルケニル基が包含され、ハロ
ゲン、アルコキシ基、エステル等の置換基を持っていて
もよい。以下にその顕色剤について具体例を例示する。
【0023】(a)有機ホスホン酸化合物 下記一般式(1)で表わされるものが好ましく用いられ
る。
【0024】
【化1】 (R1は炭素数12〜24の直鎖状アルキル基を表わ
す。) 一般式(1)で表わされる有機ホスホン酸化合物の具体
例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。ド
デシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデ
シルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシル
ホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホ
ン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン
酸等。有機ホスホン酸化合物としては、下記一般式
(2)で表わされるα−ヒドロキシアルキルホスホン酸
も好ましく使用される。
【0025】
【化2】 (ただし、R2は炭素数11〜29の脂肪族基であ
る。) 一般式(2)で表わされるα−ヒドロキシアルキルホス
ホン酸を具体的に示すと、α−ヒドロキシドデシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α−
ヒドロキシヘキサデシルホスホン酸、α−ヒドロキシオ
クタデシルホスホン酸、α−ヒドロキシエイコシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシドコシルホスホン酸、α−ヒド
ロキシテトラコシルホスホン酸等が挙げられる。有機ホ
スホン酸化合物としては、下記一般式(3)で表わされ
る酸性有機ホスホン酸エステルも使用される。
【0026】
【化3】 (式中、R3は炭素数16以上の脂肪族基を、R4は水素
原子または炭素数1以上の脂肪族基を表わしている。) 一般式(3)で表わされる酸性有機ホスホン酸エステル
を具体的に示すと、ジヘキサデシルホスホネート、ジオ
クタデシルホスホネート、ジエイコシルホスホネート、
ジドコシルホスホネート、モノヘキサデシルホスホネー
ト、モノオクタデシルホスホネート、モノエイコシルホ
スホネート、モノドコシルホスホネート、メチルヘキサ
デシルホスホネート、メチルオクタデシルホスホネー
ト、メチルエイコシルホスホネート、メチルドコシルホ
スホネート、アミルヘキサデシルホスホネート、オクチ
ルヘキサデシルホスホネート、ラウリルヘキサデシルホ
スホネート等が挙げられる。
【0027】(b)脂肪族カルボン酸化合物 下記一般式(4)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪酸類
が好ましく用いられる。
【0028】
【化4】 (ただし、R5は炭素数12以上の脂肪族基を表わ
す。) 一般式(4)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪族カルボ
ン酸化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン
酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオ
クタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒ
ドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α
−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコ
サン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。
【0029】脂肪族カルボン酸化合物としては、ハロゲ
ン元素で置換された炭素数12以上の脂肪族基を持つ脂
肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位またはβ
位の炭素にハロゲン元素を持つものも好ましく用いられ
る。このような化合物の具体例としては、例えば以下の
ものを挙げることができる。2−ブロモヘキサデカン
酸、2−ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカ
ン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン
酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカ
ン酸、3−ブロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオク
タデカン酸、2−フロロドデカン酸、2−フロロテトラ
デカン酸、2−フロロヘキサデカン酸、2−フロロオク
タデカン酸、2−フロロエイコサン酸、2−フロロドコ
サン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタ
デカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオク
タデカン酸、ペルフロロオクタデカン酸等。
【0030】脂肪族カルボン酸としては、炭素中にオキ
ソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基を有する脂肪族カ
ルボン酸化合物で、その少なくともα位、β位またはγ
位の炭素がオキソ基となっているものが好ましく用いら
れる。このような化合物の具体例としては、例えば以下
のようなものを挙げることができる。2−オキソドデカ
ン酸、2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキサデ
カン酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエイコ
サン酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソドデカ
ン酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキサデ
カン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエイコ
サン酸、3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘキサ
デカン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソドコ
サン酸等。
【0031】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(5)で表わされる二塩基酸も好ましく用いられ
る。
【0032】
【化5】 (ただし、R6は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、
Xは酸素原子または硫黄原子を表わし、nは1または2
を表わす。) 一般式(5)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルリンゴ酸、テ
トラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデ
シルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ
酸、テトラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テ
トラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、
オクタデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、
ドコシルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、ド
デシルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、
エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ酸、
テトラコシルジチオリンゴ酸等。脂肪族カルボン酸化合
物としては、下記一般式(6)で表わされる二塩基酸も
好ましく用いられる。
【0033】
【化6】 (ただし、R7、R8、R9は水素または脂肪族基を表わ
し、このうち少なくとも一つ炭素数12以上の脂肪族基
である。) 一般式(6)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルブタン二酸、
トリデシルブタン二酸、テトラデシルブタン二酸、ペン
タデシルブタン二酸、オクタデシルブタン二酸、エイコ
シルブタン二酸、ドコシルブタン二酸、2,3−ジヘキ
サデシルブタン二酸、2,3−ジオクタデシルブタン二
酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、2−メチル
−3−テトラデシルブタン二酸、2−メチル−3−ヘキ
サデシルブタン二酸、2−エチル−3−ドデシルブタン
二酸、2−プロピル−3−ドデシルブタン二酸、2−オ
クチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−テトラデシ
ル−3−オクタデシルブタン二酸等。脂肪族カルボン酸
としては、下記一般式(7)で表わされる二塩基酸も好
ましく用いられる。
【0034】
【化7】 (ただし、R10、R11は水素または脂肪族基を表わし、
このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基で
ある。) 一般式(7)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のようなものが挙げられる。ドデシルマロン
酸、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オ
クタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマ
ロン酸、テトラコシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、
ジテトラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジ
オクタデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコ
シルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルド
コシルマロン酸、メチルテトラコシルマロン酸、エチル
オクタデシルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エ
チルドコシルマロン酸、エチルテトラコシルマロン酸
等。脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式
(8)で表わされる二塩基酸も好ましく用いられる。
【0035】
【化8】 (ただし、R12は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、
nは0または1を表わし、mは1、2または3を表わ
し、nが0の場合、mは2または3であり、nが1の場
合はmは1または2を表わす。) 一般式(8)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のようなものが挙げられる。2−ドデシル−
ペンタン二酸、2−ヘキサデシル−ペンタン二酸、2−
オクタデシル−ペンタン二酸、2−エイコシル−ペンタ
ン二酸、2−ドコシル−ペンタン二酸、2−ドデシル−
ヘキサン二酸、2−ペンタデシル−ヘキサン二酸、2−
オクタデシル−ヘキサン二酸、2−エイコシル−ヘキサ
ン二酸、2−ドコシル−ヘキサン二酸等。脂肪族カルボ
ン酸化合物としては、長鎖脂肪酸によりアシル化された
クエン酸などの三塩基酸も好ましく用いられる。その具
体例としては、例えば以下の一般式(9)から一般式
(11)のようなものが挙げられる。
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】(c)フェノール化合物 フェノール化合物としては、以下のようなものが好まし
く用いられる。例えば4,4’−イソプロピリデンジフ
ェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン、4−ヒドロキシ安息香酸ベ
ンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビ
ス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4
−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニル
スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−
(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,
3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニ
ル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−t
ert−オクチルフェノール)等が挙げられる。また、
下記一般式(12)で表わされる化合物が好ましく用い
られる。
【0040】
【化12】 (ただし、Yは−S−、−O−、−CONH−または−
COO−を表わし、R13は炭素数12以上の脂肪族基を
表わし、nは1、2または3の整数である。)
【0041】一般式(12)で表わされるフェノール化
合物の具体例としては、例えば以下のようなものが挙げ
られる。p−(ドデシルチオ)フェノール、p−(テト
ラデシルチオ)フェノール、p−(ヘキサデシルチオ)
フェノール、p−(オクタデシルチオ)フェノール、p
−(エイコシルチオ)フェノール、p−(ドコシルチ
オ)フェノール、p−(テトラコシルチオ)フェノー
ル、p−(ドデシルオキシ)フェノール、p−(テトラ
デシルオキシ)フェノール、p−(ヘキサデシルオキ
シ)フェノール、p−(オクタデシルオキシ)フェノー
ル、p−(エイコシルオキシ)フェノール、p−(ドコ
シルオキシ)フェノール、p−(テトラコシルオキシ)
フェノール、p−ドデシルカルバモイルフェノール、p
−テトラデシルカルバモイルフェノール、p−ヘキサデ
シルカルバモイルフェノール、p−オクタデシルカルバ
モイルフェノール、p−エイコシルカルバモイルフェノ
ール、p−ドコシルカルバモイルフェノール、p−テト
ラコシルカルバモイルフェノール、没食子酸ヘキサデシ
ルエステル、没食子酸オクタデシルエステル、没食子酸
エイコシルエステル、没食子酸ドコシルエステル、没食
子酸テトラコシルエステル等。フェノール化合物として
は、下記一般式(13)で表わされるカフェー酸アルキ
ルエステルを使用することもできる。
【0042】
【化13】 (ただし、R14は炭素数5〜8のアルキル基である。) 一般式(13)で表わされるカフェー酸アルキルエステ
ルの具体例を示すと、カフェー酸−n−ペンチル、カフ
ェー酸−n−ヘキシル、カフェー酸−n−オクチル等が
挙げられる。
【0043】(d)メルカプト酢酸の金属塩 一般式(14)で表わされるアルキルまたはアルケニル
メルカプト酢酸の金属塩を好ましく用いることができ
る。
【0044】
【化14】 (ただし、R15は炭素数10〜18の脂肪族基を表わ
し、Mはスズ、マグネシウム、亜鉛または銅を表わ
す。) 一般式(14)で表わされるメルカプト酢酸金属塩の具
体例としては、例えば以下のものが挙げられる。デシル
メルカプト酢酸スズ塩、ドデシルメルカプト酢酸スズ
塩、テトラデシルメルカプト酢酸スズ塩、ヘキサデシル
メルカプト酢酸スズ塩、オクタデシルメルカプト酢酸ス
ズ塩、デシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、ドデシル
メルカプト酢酸マグネシウム塩、テトラデシルメルカプ
ト酢酸マグネシウム塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸マ
グネシウム塩、オクタデシルメルカプト酢酸マグネシウ
ム塩、デシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ドデシルメルカプ
ト酢酸亜鉛塩、テトラデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ヘ
キサデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、オクタデシルメルカ
プト酢酸亜鉛塩、デシルメルカプト酢酸銅塩、ドデシル
メルカプト酢酸銅塩、テトラデシルメルカプト酢酸銅
塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸銅塩、オクタデシルメ
ルカプト酢酸銅塩等。
【0045】また、本発明においては、顕色剤として上
記に記載した化合物に限られるものではなく、その他の
電子受容性の種々の化合物を使用することができる。本
発明の感熱記録材料において顕色剤は発色剤1重量部に
対して0.5〜20重量部好ましくは2〜10重量部で
ある。顕色剤は単独もしくは二種以上混合して適用する
ことができ、発色剤についても同様に単独もしくは二種
以上混合して適用することができる。
【0046】有機銀塩と還元剤の組み合わせにおける有
機金属塩としては、具体的には、ラウリン酸銀、ミリス
チン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキン
酸銀およびベヘン酸銀のような長鎖脂肪族カルボン酸の
銀塩、ベンゾトリアゾール銀塩、ベンズイミダゾール銀
塩、カルバゾール銀塩及びフタラジノン銀塩のようなイ
ミノ基を有する有機化合物の銀塩、s−アルキルチオグ
リコレートのような硫黄含有化合物の銀塩、安息香酸銀
及びフタル酸銀のような芳香族カルボン酸の銀塩、エタ
ンスルホン酸のようなスルホン酸銀塩、o−トルエンス
ルフィン酸銀のようなスルフィン酸の銀塩、フェニルホ
スホン酸のようなホスホン酸の銀塩、バルビツール酸
銀、サッカリン酸銀、サリチルアルドキシムの銀塩及び
これらの任意の混合物がある。
【0047】還元剤としてはモノ、ビス、トリスまたは
テトラキスフェノール類、モノまたはビスナフトール
類、ジまたはポリヒドロキシナフタレン類、ジまたはポ
リヒドロキシベンゼン類、ヒドロキシモノエーテル類、
アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン
類、ピラゾロン類、還元性糖類、フェニレンジアミン
類、ヒドロキシルアミン類、レダクトン類、ヒドロオキ
サミン類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒド
ロキシ尿素等がある。
【0048】有機低分子化合物は樹脂中に粒子状に分散
され、熱により多結晶から単結晶に変化するものであれ
ばよく、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜1
50℃程度のものが使用される。このような低分子有機
化合物の例としては特開平7−179062号公報記載
のさまざまな化合物があり、アルカノール、アルカンジ
オール、ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアルカン
ジオール、アルキルアミン、アルカン、アルケン、アル
キン、ハロゲンアルカン、ハロゲンアルケン、ハロゲン
アルキン、シクロアルカン、シクロアルケン、シクロア
ルキン、飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸また
はこれらのエステル等が挙げられる。これらの中でもパ
ルミチン酸オクタデシル、バルミチン酸ドコシル、ステ
アリン酸ヘプチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン
酸オクタデシル、ステアリン酸ドコシル、ベヘン酸オク
タデシル、ベヘン酸ドコシルのような脂肪族エステル等
が好ましい。これらは単独でまたは2種以上混合して使
用される。
【0049】本発明で使用する耐光助剤は、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤としては公知の種々の化合物を
使用でき、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(5−t−オクチル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール等。
【0050】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては公
知の種々の化合物を使用でき、例えば、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロ
キシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン等がある。
【0051】ヒンダードアミン系光安定剤としては、例
えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n
−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)、4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる
が、ピペリジル骨格を有しているならばこれに限ったも
のではない。
【0052】ヒンダードフェノール酸化防止剤としては
公知の種々の化合物を使用でき、例えば、2−メチルフ
ェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,4,6−
トリメチルフェノール、2,6−ジメチル−4−オクチ
ルフェノール、2−t−ブチルフェノール、2,6−ジ
−t−ブチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチ
ルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチル
フェノール、トリエチレングリコールビス[3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)
−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニ
リノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエ
チレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシン
ナマイド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルフォスフォネートジエチルエステル、1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
イソシアヌレート、2,4−ビス[(オクチルチオ)メ
チル]−o−クレゾール、N,N’−ビス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニル]ヒドラジン等が挙げられる。
【0053】本発明で使用する蛍光増白剤としては公知
の種々のものを使用でき、例えばピラゾリン誘導体、ク
マリン誘導体、スチルベン誘導体などがあり、これらを
単独、あるいは2種以上混合して用いることができる。
あるいは以上の各耐光助剤の骨格をペンダントした高分
子をバインダーとして単独、あるいは他の樹脂と併用す
ることもできる。
【0054】金属酸化物系紫外線遮蔽剤としては公知の
種々の化合物を使用でき、酸化セリウム微粒子、酸化チ
タン微粒子、酸化亜鉛微粒子等が挙げられるが、これに
限ったものではない。微粒子の粒径は細かい程よく、平
均粒径3μm以下、好ましくは0.7μm以下が好まし
い。
【0055】以上本発明の感熱記録材料の感熱記録層中
の主成分であるロイコ染料、顕色剤、有機酸の金属塩、
還元剤、有機低分子化合物、バインダー樹脂、耐光助剤
の具体例を挙げたがこれらに限るものではない。また、
必要に応じ公知の填料、顔料、界面活性剤、熱可融性物
質を添加することができる。
【0056】本発明の感熱記録層は発色剤及び顕色剤、
有機酸の金属塩、還元剤、有機低分子化合物などをバイ
ンダー樹脂とともに有機溶剤中に均一に分散もしくは溶
解しこれを支持体上に塗布、乾燥して作製するが、塗工
方式は特に限定されない。記録層塗布液に分散液を用い
た場合、分散物の粒径が保護層の表面粗さ、ひいては印
字時のドット再現性に大きく関与するので、粒径は1.
0μm以下、さらには0.5μm以下が好ましい。記録
層の膜厚は、記録層の組成や感熱記録材料の用途にもよ
るが1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度で
ある。また、記録層塗布液には、必要に応じて、塗工性
の向上あるいは記録特性の向上を目的に界面活性剤等種
々の添加剤を加えることもできる。
【0057】なお、本発明においては、支持体と感熱発
色層との間に、平滑性の向上などの必要に応じて中間層
として顔料、バインダー、熱可融性物質などを含有する
層を設けることができる。
【0058】本発明においては、感熱発色層上に、耐薬
品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性およびサーマルヘッド
に対するヘッドマッチング性の向上のためにしばしば保
護層が設けられる。感熱記録材料の保護層は透明性の観
点から考えると樹脂単独の層を設けるのが理想的である
が、樹脂のみの保護層では平滑性が高すぎて、スティッ
キング、ゴミの引きずりによる印字欠陥の面で充分な性
能が得にくい。特に支持体としてプラスチックフィルム
を用いた場合は紙を支持体とした場合と比較して平滑に
なりやすいことからヘッドマッチングが低下する、ゴミ
を引きずりやすくなる傾向が顕著である。このような印
字不良、欠陥は医療画像を出力する材料としては致命的
である。このスティッキング、ゴミの引きずりに対する
性能向上の手段としてはフィラーを含有させるのが一般
的である。しかし、透明感熱記録材料の場合、保護層に
従来の反射記録材料のようにフィラーを含有させると透
明性が低下する場合が多い。フィラーを添加して透明性
を維持するためには小粒径フィラーにより表面を細かく
粗らす、大粒径フィラーを少量添加して表面を部分的に
粗らす等の方法がある。
【0059】本発明においては必要に応じて上記の2つ
の方法を組み合わせて保護層を形成させることも可能で
ある。保護層表面の摩擦係数としてはヘッドマッチング
(滑性を上げる方向)とプラスチックフィルムで発生し
やすいゴミの引きずり防止(滑性を下げる方向)の両面
から見て0.07〜0.14の範囲が好ましい。
【0060】充填剤の例としてはホスフェートファイバ
ー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィ
スカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシ
ウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、板状水酸化ア
ルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、焼成クレー、
ハイドロタルサイト等の無機フィラーや架橋ポリスチレ
ン樹脂粒子、尿素−ホルマリン共重合体粒子、シリコー
ン樹脂粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子、グ
アナミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子、メラミン−
ホルムアルデヒド共重合体粒子の有機フィラーが挙げら
れる。本発明においてはヘッド摩耗の観点から有機フィ
ラーが好ましく、小粒径フィラーの好ましいフィラーの
例としてはメラミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子
(日本触媒エポスターS)が、大粒径フィラーの例とし
てはグアナミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子、シリ
コーン樹脂粒子が挙げられる。但し、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0061】本発明において保護層に用いられる樹脂と
しては、記録層同様水溶性樹脂の他、水性エマルジョ
ン、疎水性樹脂及び紫外線、電子線硬化樹脂等を必要に
応じて併用することも可能である。透明性の観点から記
録層と保護層の樹脂の屈折率は支持体の屈折率との比で
0.8〜1.2の範囲に入る材料を用いることが好まし
い。樹脂の具体例としてはポリ(メタ)アクリル酸エス
テル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等がある。ま
た、樹脂とともに用いる架橋剤としては、イソシアナー
ト化合物、エポキシ化合物等、従来から公知の化合物を
使用することができる。イソシアナート化合物の具体例
としては、トルイレンジイソシアナート、その2量体、
ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリ
フェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート、ポリイソシアナート及びこれらの誘導体等分子中
にイソシアナート基を2個以上有する化合物が挙げられ
る。またエポキシ化合物の具体例としては、エチレング
リコールグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エ
ポキシアクリレート等が挙げられる。
【0062】さらにヘッドマッチング性を向上させるた
めに保護層にワックス、オイル類を添加したり、バイン
ダー樹脂としてシリコンで変成された樹脂を混合して用
いる、樹脂と充填剤の比を調節する、などにより摩擦係
数を上げ下げして調節することができる。ここで用いる
ことができるワックス類としては、ステアリン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン
酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレン
ビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミ
ド、パラフィンワックス、ポリエチレン、カルナバワッ
クス、酸化パラフィン、ステアリン酸亜鉛等が挙げられ
る。オイルとしては一般的なシリコンオイル等を用いる
ことができる。
【0063】保護層の塗工方式は、特に制限はなく、従
来公知の方法で塗工することができる。好ましい保護層
厚は0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μ
mである。保護層厚が薄すぎると、記録媒体の保存性や
ヘッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であ
り、厚すぎると記録媒体の熱感度が低下するのに加え、
コスト的にも不利である。本発明の感熱記録材料の記録
方法は仕様目的によって、熱ペン、サーマルヘッド、レ
ーザー加熱等、特に限定されないが、この感熱記録材料
は医療画像などの高精細かつ高階調な画像を印画するの
に適しており、また装置のコスト、出力スピード、コン
パクト化の観点からもサーマルヘッドを用いて印画する
のが最も好ましい。
【0064】
【実施例】以下本発明を実施例によって説明する。な
お、以下における部及び%はいずれも重量基準である。
粒径については堀場製作所製レーザー回析式粒径測定装
置LA−700を使用した。下記組成物をそれぞれボー
ルミルで粉砕、分散し、顕色剤分散液[A液]を調製し
た。 [A液] メチルエチルケトン(以下、MEK) 25部 トルエン 25部 オクタデシルホスホン酸 20部 10%ポリビニルブチラール溶解液(溶媒:MEK) 30部
【0065】次に、下記組成で調合した[B液]を十分
に撹拌し、記録層塗布液を調製した。 [B液] A液 90部 2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル) −5−クロロベンゾトリアゾール X部 ペンタエリスリチルテトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル −4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート} 7部 フェニル−1−ナフチルアミン 3部 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 20部 10%ポリビニルアセトアセタール溶解液(溶媒:MEK) 200部 MEK Y部
【0066】同様に、下記組成物をボールミルで体積平
均粒径0.3μmまで粉砕、分散し、フィラー分散液
[C液]を作製した。 [C液] シリカ粉末 15部 10%ポリビニルアセトアセタール溶解液(溶媒:MEK) 15部 MEK 70部
【0067】さらに、下記組成物を十分に撹拌し保護層
塗布液[D液]を作製した。 [D液] C液 10部 シリコン変成ポリビニルブチラール(固形分12.5%) 6部 MEK 12部
【0068】一方、下記組成物をそれぞれサンドミルで
粒径0.3μmまで粉砕、分散し、ロイコ染料分散液
[E液]、顕色剤分散液2[F液]、紫外線吸収剤分散
液[G液]を調製した。 [E液] 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 20部 p−ベンジルビフェニル 10部 ポリビニルアルコール(10%水溶液) 30部 水 60部 [F液] 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 20部 ポリビニルアルコール(10%水溶液) 20部 水 40部 [G液] 2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル) −5−クロロベンゾトリアゾール 15部 4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t− ブチルフェノール) 15部 ポリビニルアルコール(10%水溶液) 20部 水 50部
【0069】次に以下組成物を混合、撹拌して記録層塗
布液2[H液]を調製した。 [H液] E液 120部 F液 100部 G液 25部 ポリビニルアルコール(10%水溶液) 60部 水 70部
【0070】同様に下記組成物に充分に混合し、保護層
塗布液2[I液]を調製した。 [I液] 水 26部 ステアリン酸亜鉛水分散液(固形分30%) 1部 シリカ 3部 ポリビニルアルコール(10%水溶液) 70部
【0071】次に下記組成物を充分に混合、撹拌し、記
録層塗布液3[J液]を調製した。 [J液] ベヘン酸 8部 ステアリン酸ステアリル 2部 フタル酸(2−エチルヘキシル) 3部 2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル) −5−クロロベンゾトリアゾール 1部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 27部 テトラヒドロフラン 200部
【0072】同様に下記組成物を充分に混合し、保護層
塗布液3[K液]を調製した。 [K液] ウレタンアクリレート 10部 トルエン 10部 以上のようにして調製した記録層塗布液、保護層塗布液
を、厚さ100μmの透明ポリエステルフィルム上にワ
イヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ10
μmの感熱記録層、3μmの保護層を形成した。
【0073】実施例1 顕色剤粒径を0.5μm、記録層液においてX=7、Y
=28として調合した塗布液[B液]および[D液]を
順次塗工して得られた透明感熱記録材料。
【0074】実施例2 顕色剤粒径を0.5μm、記録層液においてX=4、Y
=31として調合した塗布液[B液]および[D液]を
順次塗工して得られた透明感熱記録材料。
【0075】実施例3 調合した塗布液[H液]および[I液]を順次塗工して
得られた透明感熱記録材料。
【0076】実施例4 調合した塗布液[J液]および[K液]を順次塗工して
得られた透明感熱記録材料。この記録材料は、画像印画
後65℃に加熱することによって、画像を消去すること
ができた。
【0077】実施例5 顕色剤粒径を0.3μm、記録層液においてX=10、
Y=25として調合した塗布液[B液]および[D液]
を順次塗工して得られた透明感熱記録材料。
【0078】実施例6 下記組成の混合液[L液]を作製した後、支持体の片面
に塗布、乾燥し、4μmのバック層を得た。続いてその
反対面に実施例2と同様に記録層および保護層を塗布、
乾燥して得られた透明感熱記録材料。 [L液] ポリエステル樹脂 10部 2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル) −5−クロロベンゾトリアゾール 1部 メチルエチルケトン 54部 シクロヘキサノン 35部
【0079】実施例7 支持体に青味付けされた厚さ100μmの透明ポリエス
テルフィルムを用いて実施例5と同様に記録層および保
護層を塗布、乾燥して得られた透明感熱記録材料。
【0080】比較例1 顕色剤粒径を1.2μm、記録層液においてX=12、
Y=23として調合した塗布液[B液]および[D液]
を順次塗工して得られた透明感熱記録材料。
【0081】比較例2 顕色剤粒径を1.2μm、記録層液においてX=7、Y
=28として調合した塗布液[B液]および[D液]を
順次塗工して得られた透明感熱記録材料。
【0082】比較例3 顕色剤粒径を0.3μm、記録層液においてX=12、
Y=23として調合した塗布液[B液]および[D液]
を順次塗工して得られた透明感熱記録材料。
【0083】比較例4 顕色剤粒径を0.3μm、記録層液においてX=2、Y
=33として調合した塗布液[B液]および[D液]を
順次塗工して得られた透明感熱記録材料。
【0084】以上のようにして作製された感熱フィルム
を裁断した後、光源に拡散光としてはシャウカステン、
平行光としては蛍光灯を2mの距離を置いて用い、光源
と観察者を結ぶ線に対して垂直にシートを置き、60c
m離れた場所から両者の色味の違いを観察して光源依存
性を評価した。このフィルムの1片を冷暗所に保管(試
験前)、もう1片を蛍光灯照射下(7千ルクス、100
時間、裏面照射)に保管し(試験後)、保管後に両者を
シャウカステンに挿して耐光性を評価した。ヘーズはス
ガ試験機社製ヘーズメーターHGH−2DP、吸光度は
日立製作所社製自記分光光度計U−3210にて測定し
た。また、得られた透明感熱記録材料に、ソニー社製ビ
デオプリンターUP−930を用いて医療画像を印画
し、シャウカステンを光源として画像認識性を評価し
た。試験結果を表1に示す。 光源依存性 ◎ 目視で全く分からない ○ 目視でほとんど分からない × 目視で光源による差が分かる 耐光性 ◎ 試験前と比較して全く変化が分からない ○ 試験前と比較してほとんど変化が分からない × 試験前と比較して変化が分かる 画像認識性 ◎ コントラストが非常にはっきりしている ○ コントラストがはっきりしている × コントラストが分かりにくい
【0085】
【表1】
【0086】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の透明感熱記録材料は光源依存性が無
く、耐光性や画像認識性に優れた感熱記録材料を提供す
ることができることがわかる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも透明支持体上に感熱記録層を
    形成し、さらにその上に必要に応じて保護層、支持体の
    逆側に必要に応じてバック層を設けてなる感熱記録材料
    において、無印字部の吸光度(透過)が波長380nm
    においては0.5から1.2であり、且つ波長420n
    mにおいては0.7以下であることを特徴とする透明感
    熱記録材料。
  2. 【請求項2】 該透明感熱記録材料の曇り度(ヘーズ)
    が40%以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    透明感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 該透明感熱記録材料の記録層が、少なく
    とも無色または淡色のロイコ染料、該ロイコ染料を発色
    せしめる顕色剤および結着剤としてのバインダー樹脂か
    らなることを特徴とする請求項1または2に記載の透明
    感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 該記録層中の顕色剤が有機ホスホン酸化
    合物であることを特徴とする請求項3に記載の透明感熱
    記録材料。
  5. 【請求項5】 支持体の記録層塗布面とは反対側の面に
    設けられたバック層に紫外線吸収剤を含有させることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の透明感熱
    記録材料。
  6. 【請求項6】 青色に着色されていることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の透明感熱記録材料。
  7. 【請求項7】 該感熱記録材料が温度変化に依存して透
    明度あるいは画像濃度が可逆的に変化する可逆性感熱記
    録材料であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の透明感熱記録材料。
  8. 【請求項8】 該透明感熱記録材料が製品形態で小巻ロ
    ールに仕上げられていることを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載のロール状透明感熱記録材料。
  9. 【請求項9】 該透明感熱記録材料が製品形態で遮光ま
    たは防湿能のある袋中に密閉されていることを特徴とす
    る請求項1乃至8のいずれかに記載の透明感熱記録材
    料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7030379B2 (ja) 2016-04-05 2022-03-07 大阪シーリング印刷株式会社 ラベル

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