JPH08230331A - 赤黒2色感熱記録材料 - Google Patents

赤黒2色感熱記録材料

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JPH08230331A
JPH08230331A JP7037166A JP3716695A JPH08230331A JP H08230331 A JPH08230331 A JP H08230331A JP 7037166 A JP7037166 A JP 7037166A JP 3716695 A JP3716695 A JP 3716695A JP H08230331 A JPH08230331 A JP H08230331A
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JP
Japan
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red
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black
temperature
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JP7037166A
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English (en)
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Kyoko Uchida
恭子 内田
Masatoshi Fujino
正俊 藤野
Satoshi Fukui
福井  聡
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光暴露に対して記録像の退色及び地肌部の黄
変が極めて少ない感熱記録材料を提供する。 【構成】 支持体上に、黒色に発色する高温発色層と、
赤色に発色する低温発色層を順次積層し、かつ該両発色
層が電子供与性発色性染料と電子受容性顕色性化合物を
各々含有する赤黒2色感熱記録材料において、該低温発
色層中に、紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルと
蛍光増白剤を含有する。また、該低温発色層上に保護層
を設け、該保護層中に紫外線吸収剤を内包したマイクロ
カプセルを含有し、且つ該低温発色層中または該保護層
中に蛍光増白剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドからの
加熱印加条件の違いにより赤色に発色する低温発色層と
黒色に発色する高温発色層を有する赤黒2色感熱記録材
料に関するものである。さらに詳しく述べるならば、感
度に優れ、太陽光や蛍光灯等に長時間さらされても白紙
部の黄ばみや印字部の退色が極めて少ない、実用性に優
れた赤黒2色感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、発色剤と該発色剤と接触して呈色
する顕色剤との発色反応を利用し、熱により両発色物質
を溶融することで接触させ、発色像を得るようにした感
熱記録材料は広く知られている。かかる感熱記録材料は
比較的安価であり、また記録機器がコンパクトでかつそ
の保守も比較的容易であるため、ファクシミリやワープ
ロ、各種計算機等の記録媒体をはじめとして、幅広い分
野において使用されている。
【0003】こうした感熱記録材料は、その用途の拡大
に伴なって要求される品質も多様化しており、例えば高
感度化、画像安定化、多色記録化などを挙げることがで
きる。特に多色記録については、強調したい文字や図形
を他の部分と異なる色でより明確に表示できるなどの利
点があり、要望が高まっている。
【0004】これまでに、加熱温度の差、または熱エネ
ルギーの差を利用して多色の記録を得る試みがなされ、
種々の多色感熱紙が提案されている。多色感熱紙は、一
般に支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温
発色層を積層して得られ、大別すると消色型と加色型の
2種類に分けられる。
【0005】消色型は例えば、特公昭50−17865
号公報、特公昭57−14320号公報、特開平2−8
0287号公報にみられるように高温加熱時に低温発色
層の発色系に対して消色作用を有する消色剤を用いるこ
とで、高温加熱時に高温発色層のみの発色色調を得る方
法である。この方法は発色色調を自由に選べる長所をも
つが、充分な消色効果を得るために多量の消色剤を添加
する必要がある。このため消色剤の影響で長期保存時に
記録像が退色したり、消色剤を溶融させるための熱量が
余分に必要となるためサーマルヘッドに負担がかかるな
ど、信頼性や感度の点で必ずしも満足の得られるもので
はなかった。
【0006】これに対して加色型は、特公昭49−27
708号公報、特公昭51−19989号公報、特開昭
51−146239号公報などに記載されているよう
に、異なる色に発色する2層の発色層を積層し、異なる
熱量を与えることで識別可能な2色を得る方法である。
この方法は、低温では上層の発色色調が、高温では両層
が発色し混ざった色調が得られるため、下層が黒色系の
場合、極めて適した方法である。加色型は消色剤を用い
ないため、消色型と比べ記録像の長期保存性に優れ、ま
た消色剤を溶融するための余分な熱を必要としないので
低エネルギーで印字できる長所がある。
【0007】しかしながら加色型の赤黒2色感熱記録材
料は、上層に赤染料を含有するため太陽光や蛍光灯にさ
らされると紙が黄変するという欠点があった。従来よ
り、感熱記録材料の光による地肌黄変を防止する目的
で、様々な提案がなされている。例えば、特開昭50−
104650号公報、特開昭54−18752号公報、
特開昭57−146689号公報、特開昭58−870
93号公報などにはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系の紫外線吸収剤を感熱記録層あるいは保護層に添
加する方法が提案されているが、微粉砕した紫外線吸収
剤では紫外線の吸収効率が悪いため充分な効果が得られ
ず、紫外線吸収剤の使用量を増加すると地肌カブリを生
じたり、或いは記録濃度が低下する等の新たな欠点が生
じるといった問題があった。特開平5−238131号
公報では紫外線吸収剤をマイクロカプセルに内包する方
法が提案されているが、白紙部の黄ばみは改善される
が、印字部の退色には効果が乏しかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、黒色
に発色する高温発色層と赤色に発色する低温発色層を設
けた感熱記録材料において、上記の如き問題点を解消
し、耐光保存性に優れた赤黒2色感熱記録材料を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
黒色に発色する高温発色層と、赤色に発色する低温発色
層を順次積層し、かつ該高温発色層及び該低温発色層が
電子供与性発色性染料と電子受容性顕色性化合物を各々
含有する赤黒2色感熱記録材料において、該低温発色層
中に、紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルと蛍光
増白剤を含有することを特徴とする赤黒2色感熱記録材
料に存する。また本発明は、支持体上に、黒色に発色す
る高温発色層と、赤色に発色する低温発色層を順次積層
し、かつ該高温発色層及び該低温発色層が電子供与性発
色性染料と電子受容性顕色性化合物を各々含有する赤黒
2色感熱記録材料において、該低温発色層上に保護層を
設け、該保護層中に紫外線吸収剤を内包したマイクロカ
プセルを含有し、且つ該低温発色層または該保護層に蛍
光増白剤を含有することを特徴とする赤黒2色感熱記録
材料に存する。さらには、本発明は低温発色層中に、電
子供与性赤発色性染料として、3−ジエチルアミノ−7
−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−クロロフルオランから選ばれる少なくとも1種を
含有することを特徴とする上記赤黒2色感熱記録材料に
存する。
【0010】本発明においては、支持体上に黒色に発色
する高温発色層を設け、さらに赤色に発色する低温発色
層を順次積層するが、本発明の特徴は、赤、黒の発色性
を良好なものとし、かつ耐光保存性に優れたものとする
ために、電子供与性赤発色性染料を適切に選択すると同
時に、マイクロカプセルに内包した紫外線吸収剤と蛍光
増白剤を使用することにある。
【0011】電子受容性顕色性化合物と反応して呈色す
る電子供与性発色性染料としては、トリアリル系染料、
ジフェニルメタン系染料、チアジン系染料、スピロ系染
料、ラクタム系染料、フルオラン系染料などが知られて
いる。赤発色を与える染料としては、例えばトリアリル
系染料の中では、3,3’−ビス(1−n−ブチル−2
−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3’−
ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
フタリド、ラクタム系染料の中では、ローダミンB−ア
ニリノラクタム、ローダミンB−(o−クロロアニリ
ノ)ラクタム、ローダミンB−(p−ニトロアニリノ)
ラクタム、フルオラン系染料の中では、3−ジエチルア
ミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチル
アミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−シク
ロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチル
アミノ−ベンゾ[a]−フルオランなどがある。
【0012】本発明者らは、これらの赤発色性染料につ
いて詳細に研究を行った。上記化合物の中で、例えば
3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド、3,3’−ビス(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)フタリドなどは濃
い紫系の発色となり、またローダミンB−アニリノラク
タム、ローダミンB−(o−クロロアニリノ)ラクタ
ム、ローダミンB−(p−ニトロアニリノ)ラクタムな
どは淡い紫系の色調となる。フルオラン系染料の中で
は、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン
は橙色に近い色調であり、3−ジエチルアミノ−ベンゾ
[a]−フルオランは濃い紫系の発色となる。
【0013】赤発色性染料のなかでは、3−ジエチルア
ミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチル
アミノ−6−メチル−7−ブロモフルオランの3種類が
鮮明な赤発色が得られる染料として本発明に適している
が、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロ
モフルオランは、印字部の保存性に難がある。従って、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオランが、本
発明には最も適合している。
【0014】こうした赤発色染料は、長時間、太陽光や
蛍光灯にされされると容易に黄変するだけでなく、顕色
剤と反応し赤色に発色した後も光により消色しやすいと
いった欠点がある。本発明者らは、低温発色層および/
または保護層中に紫外線吸収剤を内包したマイクロカプ
セルおよび蛍光増白剤を含有することで、かかる問題を
解決した。
【0015】本発明の2色感熱記録材料において、マイ
クロカプセル内に内包される紫外線吸収剤の具体例とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。フェニルサリシ
レート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、
p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫
外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルホベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert
−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”,
4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミド−メチ
ル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニ
ル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2”
−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾー
ル、ポリエチレングリコール(分子量約300)とメチ
ル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕
プロピオネートとの縮合物等のベンゾトリアゾール系の
紫外線吸収剤、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−
3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ
−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレ
ート系の紫外線吸収剤等。勿論、これらに限られるもの
ではなく、また必要に応じて二種類以上を併用すること
も出来る。
【0016】これらの紫外線吸収剤の中でもベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤が好ましく、特に2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル
−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒ
ドロキシ−4’−(2”−エチルヘキシル)オキシフェ
ニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコール
(分子量約300)とメチル−3−〔3−tert−ブ
チル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−
4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物
は、とりわけ顕著な耐光性改良効果を発揮するためより
好ましい。
【0017】紫外線吸収剤の添加量については特に限定
するものではないが、低温赤発色層に含有する場合およ
び低温赤発色層上に設けた保護層中に含有する場合、い
ずれの場合においても、低温赤発色層中の単位面積当り
の赤発色性染料に対して10〜500重量%程度が好ま
しい。特に好ましくは20〜100重量%の範囲に調節
する。10重量%より少ないと耐光性に対する効果が乏
しく、500重量%より多く含有してもそれ以上の効果
は望めない。
【0018】本発明で用いるマイクロカプセルは、各種
公知の方法で調製することができ、一般には上記の如き
常温で固体ないし液体の紫外線吸収剤を必要に応じて有
機溶剤に溶解して得た芯物質(油性液)を水性媒体中に
乳化分散し、油性液滴の周りに高分子物質からなる壁膜
を形成する方法によって調製される。マイクロカプセル
の壁膜となる高分子物質の具体例としては、例えばポリ
ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒ
ド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−
メタクリレート共重合体樹脂、スチレン−アクリレート
樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられ
る。これらのうちでも、特にポリウレタン・ポリウレア
樹脂あるいはアミノアルデヒド樹脂からなる壁膜を有す
るマイクロカプセルは、耐熱性に優れるため、サーマル
ヘッドへのスティッキングを防止する目的で低温赤発色
層中あるいは保護層中に添加される無機顔料の機能をも
果たすという優れた付随効果を発揮し、しかも、他の壁
膜からなるマイクロカプセルや通常の顔料に比較して屈
折率が低く、且つ形状が球形であるため、保護層中に多
量に添加しても光の乱反射に起因する濃度低下を招く恐
れがないので好ましく用いられる。
【0019】ポリウレタン・ポリウレア樹脂からなる壁
膜を有するマイクロカプセルは、多価イソシアネート及
びこれと反応するポリオール、或いは多価イソシアネー
トとポリオールとの付加物等のカプセル壁膜剤をカプセ
ル化すべき芯物質中に混合し、ポリビニルアルコール等
の保護コロイド物質を溶解した水性媒体中に乳化分散
し、液温を上昇させて油滴界面で高分子形成反応を起こ
すことによって製造される。
【0020】多価イソシアネート化合物としては、例え
ば以下のものが挙げられる。m−フェニレンジイソシア
ネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−ト
リレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシア
ネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’
−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネ
ート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン
−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,
2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジ
イソシアネート等のジイソシアネート類、4,4’,
4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエ
ン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシア
ネート類、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,
2’,5,5’−テトライソシアネート等のテトライソ
シアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンとの付加物、2,4−トリレンジイ
ソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、キ
シリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンと
の付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオ
ールとの付加物等のイソシアネートプレポリマー等が挙
げられる。
【0021】またポリオール化合物としては、例えばエ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,
8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3
−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、
1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,
3−プロパノンジオール、2,4−ペンタンジオール、
2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、
1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、フェニルエチレ
ングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、
ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリ
ン等の脂肪酸ポリオール類、1,4−ジ(2−ヒドロキ
シエトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン等の芳香族多価アルコールとアルキレ
ンオキサイドとの縮合生成物、p−キシリレングリコー
ル、m−キシリレングリコール、α,α’−ジヒドロキ
シ−p−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルメタン、2−(p,p’−ジヒドロキシ
ジフェニルメチル)ベンジルアルコール、4,4’−イ
ソプロピリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4’−イソプロピリデンジフェノー
ルのエチレンオキサイド付加物、4,4’−イソプロピ
リデンジフェノールのプロピレンオキサイド付加物等が
挙げられる。
【0022】勿論、多価イソシアネート化合物及びポリ
オール化合物としては、上記化合物に限定されるもので
はなく、また、必要に応じて二種以上を併用することも
可能である。尚、多価イソシアネート化合物、または、
多価イソシアネート化合物とポリオール化合物との付加
物のうちでも、分子中にイソシアネート基を三個以上有
するものが望ましい。
【0023】マイクロカプセル化に際して用いられる乳
化剤(保護コロイド剤)としては、各種のアニオン、ノ
ニオン、カチオン又は両性水溶性高分子化合物等が使用
される。尚、乳化剤の使用量についても特に限定するも
のではないが、一般に、ポリウレタン・ポリウレア樹脂
を壁膜材として用いる場合は、壁膜材、紫外線吸収剤お
よび使用される有機溶剤の三者の合計に対して1〜50
重量%、好ましくは3〜30重量%程度の範囲で調整す
ればよい。またアミノアルデヒド樹脂の場合は乳化剤の
使用量が一般に疎水性芯物質100重量部に対して1〜
20重量部、より好ましくは3〜10重量部程度の範囲
で調整される。
【0024】必要によりマイクロカプセルの芯物質とし
て使用される有機溶剤としては特に限定されるものでは
なく、感圧複写紙の分野で用いられる種々の高沸点疎水
性媒体から選択して使用することができ、具体的には、
例えばリン酸トリクレジル、リン酸オクチルジフェニル
等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
オクチル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル等
のカルボン酸エステル類、各種脂肪酸アミド類、ジエチ
レングリコールジベンゾエート、モノイソプロピルナフ
タレン、ジイソプロピルナフタレン等のアルキル化ナフ
タレン類、1−メチル−1−フェニル−1−トリルメタ
ン、1−メチル−1−フェニル−1−キシリルメタン、
1−フェニル−1−トリルメタン等のアルキル化ベンゼ
ン類、イソプロピルビフェニル等のアルキル化ビフェニ
ル類、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル等の
キセノキシアルカン類、トリメチロールプロパントリア
クリレート等のアクリル酸エステル類、多価アルコール
と不飽和カルボン酸とのエステル、塩素化パラフィン、
及び灯油等が挙げられる。勿論、これらは二種以上を併
用することもできる。尚、上記の如き高沸点疎水性媒体
のうちでもリン酸トリクレジルおよびアルキル化ベンゼ
ン類は本発明で使用する紫外線吸収剤との関係において
優れた溶解性を発揮するため好ましい。また、一般にカ
プセル壁膜材、紫外線吸収剤および有機溶剤の混合物の
粘度が低い程、乳化後の粒径が小さくなり、また粒度分
布もシャープになるため必要に応じて、混合物の粘度を
下げる目的で低沸点溶剤を併用することもできる。かか
る低沸点溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、塩化メチレン等があげられる。
【0025】有機溶剤の使用量については、使用する紫
外線吸収剤の種類や添加量、さらには有機溶剤の種類等
に応じて適時調節すべきものであり特に限定するもので
はないが、マイクロカプセル中で紫外線吸収剤が充分に
溶解した状態が好ましいので、ポリウレタン・ポリウレ
ア樹脂の場合、有機溶剤、紫外線吸収剤およびマイクロ
カプセル壁膜材の三者の合計に対して有機溶剤の割合
が、一般に10〜60重量%、好ましくは20〜60重
量%程度の範囲で調節するのが望ましい。またアミノア
ルデヒド樹脂の場合は、使用する紫外線吸収剤が常温で
固体の場合は、紫外線吸収剤に対し50〜2000重量
%、好ましくは100〜1000重量%の範囲となるよ
うに調節するのが望ましい。尚、常温で液体の紫外線吸
収剤を使用する場合には、有機溶剤は必ずしも必須では
なく、必要に応じて上記範囲で調節すれば良い。
【0026】また、カプセル壁膜材の使用量にしても特
に限定するものではないが、長期保存によりマイクロカ
プセル中の有機溶剤がにじみ出て感熱記録材料の保存性
を低下させるおそれがあるため、通常のマイクロカプセ
ルに比較して多量の壁膜材を使用するのが好ましく、ポ
リウレタン・ポリウレア樹脂の場合は、有機溶剤、紫外
線吸収剤およびマイクロカプセル壁膜材の三者の合計に
対して、壁膜材の割合が35〜70重量%、好ましくは
35〜60重量%の範囲で使用する。また、アミノアル
デヒド樹脂の場合は、紫外線吸収剤、有機溶剤の合計に
対して、壁膜材が30〜300重量%、好ましくは35
〜200重量%の範囲で使用する。
【0027】本発明で使用するマイクロカプセル中に
は、紫外線吸収剤の他に、必要に応じて酸化防止剤、離
型剤等を添加することもできる。また、マイクロカプセ
ル化の際に、反応促進剤としてポリアミド樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリアミン樹脂等を併用することも可能であ
る。尚、本発明で使用するマイクロカプセルの平均粒子
径は、紫外線の吸収効率や記録像の画質等を考慮すると
0.1〜3μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲が良
い。
【0028】蛍光増白剤は紫外線領域の光を吸収し、よ
り長波長の可視光領域の光を放出する作用があるため増
白剤として広く用いられている。本発明で使用する赤発
色性染料は、エネルギーの高い紫外線領域の光で分解し
黄変しやすい性質を持つが、蛍光増白剤によって紫外線
をより無害な長波長領域の光に変化させることで、黄変
を防止できるだけでなく、白色度に対する効果も得るこ
とができる。また印字部の光による消色も蛍光増白剤を
含有させることで改善できる。
【0029】本発明で使用する蛍光増白剤としては、例
えば、ピレン、クマリン、オキサゾール、イミダゾー
ル、イミダゾロン、ピラゾール、ベンジジン、ジアミノ
カルバゾール、ナフタール酸、ジアミノスチルベンジス
ルホン酸の誘導体をあげることができる。より具体的に
は、1,2−ビス(5−メチルオキサゾール−2−イ
ル)エチレン、β,4−ビス(5−メチルオキサゾール
−2−イル)−スチレン、3−エチルオキシカルボニル
−7,8−ベンゾクマリン、N−メチル−4−メトキシ
ナフタレン−1,8−ジカルボン酸イミド、4−〔3−
(4−クロロフェニル)−5−フェニル−1−ピラゾリ
ン−1−イル〕−ベンゼンスルホン酸ソーダ、1,2−
ビス〔4−(フェニルアミノカルボニルアミノ)−2−
ソジウムオキシスルホニルフェニル〕エチレン、1,2
−ビス{4−〔2−(p−ソジウムオキシスルホニルア
ニリノ)−4−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−
1,3,5−トリアジン−6−イル〕アミノ−2−ソジ
ウムオキシスルホニルフェニル}エチレン等が挙げられ
る。これらの化合物のなかでも、ジアミノスチルベンジ
スルホン酸誘導体である1,2−ビス{4−〔2−(p
−ソジウムオキシスルホニルアニリノ)−4−ビス(2
−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン
−6−イル〕アミノ−2−ソジウムオキシスルホニルフ
ェニル}エチレンが塗工液調製時の取り扱いの容易さの
観点からも好ましい。
【0030】本発明において、蛍光増白剤の添加量につ
いては特に限定するものではないが、低温赤発色層に含
有する場合および低温赤発色層上に設けた保護層中に含
有する場合、いずれの場合においても、低温赤発色層中
の単位面積当りの赤発色性染料に対して5〜80重量%
程度が好ましい。特に好ましくは、10〜50重量%の
範囲となるように調節する。5重量%よりも少ない場合
は充分な効果が得られず、80重量%より多くすると蛍
光増白剤自身の色により地肌が着色し自然紙感の乏しい
感熱記録材料となるため好ましくない。
【0031】高温黒発色層においては、従来から知られ
ている電子供与性発色性染料を使用することができる。
特に好ましい黒発色性染料としては、3−ジブチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−ク
ロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン等が挙げられる。低温赤発色層、
高温黒発色層とも従来より知られている電子供与性発色
性染料を併用して用いることが出来る。
【0032】本発明で使用する低温赤発色層、高温黒発
色層に使用する電子受容性顕色性化合物については、温
度の上昇によって液化、ないしは溶解する性質を有しか
つ電子供与性発色性染料と接触して呈色させる性質を有
するものであれば良い。
【0033】代表的な電子受容性顕色性化合物の具体例
としては4−tert−ブチルフェノール、4−アセチ
ルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、
4,4’−sec−ブチリデンフェノール、4−フェニ
ルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタ
ン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,
4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビ
ス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒ
ドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、
ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフ
タル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−
ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸
−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、
4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息
香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのフェ
ノール性化合物、または、安息香酸、p−tert−ブ
チル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サ
リチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソ
プロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−
(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−te
rt−ブチルサリチル酸などの芳香族カルボン酸、およ
びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例え
ば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなど
の多価金属との塩などの有機酸性物質などが挙げられ
る。
【0034】特にこうした化合物の中でも、4,4’−
イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキ
シリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ
ジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンが感度、白色度の点から好まし
い。
【0035】顕色性化合物は通常発色性染料に対して7
0〜500重量%、好ましくは100〜300重量%の
割合で混合し使用する。地発色を防ぎ、白色度の高い感
熱記録材料を得るためには、低温赤発色層、高温黒発色
層に使用する顕色性化合物は同一のものを使用するのが
より望ましい。
【0036】本発明では低温赤発色層及び高温黒発色層
に印字後の保存性を向上させるための化合物、いわゆる
保存性向上剤を含有することができる。保存性向上剤と
しては、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒド
ロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−
2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,
1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert
−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−[1,4−フェ
ニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノー
ル、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル
エチリデン)]ビスフェノールなどのフェノール系の化
合物および4−(2−メチル−1,2−エポキシエチ
ル)ジフェニルスルホン、4−(2−エチル−1,2−
エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合
物等が挙げられるが、本発明はこれらに限られない。ま
た、これら保存性向上剤は2種類以上含有することも出
来る。
【0037】感熱記録材料の感度を向上するために低温
赤発色層及び高温黒発色層に配合される増感剤として例
えばパラベンジルビフェニル、ジベンジルテレフタレー
ト、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ
酸ジベンジル、アジピン酸ジ−o−クロルベンジル、
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−
ジフェノキシエタン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジ
ル、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン
などが使用できる。
【0038】これらの有機熱可融性物質は、水を分散媒
体として使用しサンドグラインダー、アトライター、ボ
ールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によってポリ
アクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルア
ルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体塩及び
それらの誘導体などのような水溶性合成高分子化合物の
他、界面活性剤などと共に分散させ分散液とした後、各
感熱発色層塗料調製に用いられる。
【0039】本発明において、他に低温赤発色層及び高
温黒発色層を構成する材料としては接着剤、無機または
有機顔料、ワックス類、金属石鹸などを挙げることがで
きる。接着剤としては、例えばポリビニルアルコール及
びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロ
ース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポ
リビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エス
テル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−
メタアクリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイ
ン、ゼラチン等及びそれらの誘導体等の水溶性高分子以
外にポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリブチルメタアクリレート、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体
のラテックスなどが挙げられる。
【0040】無機顔料としてはカオリン、焼成カオリ
ン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、酸化チタン、炭酸バリウム等が、また有
機顔料としては尿素、フェノール、エポキシ、メラミ
ン、グアナミン樹脂などが挙げられる。
【0041】ワックスとしては、パラフィンワックス、
カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、ポリエチレンワックスの他、高級脂肪酸エステル、
高級脂肪酸アミド例えばステアリン酸アミド、エチレン
ビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。金属石鹸と
しては、高級脂肪酸多価金属塩すなわちステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウ
ム、オレイン酸亜鉛等が挙げられる。他に本発明の効果
を損なわない範囲で撥油剤、消泡剤、粘度調節剤など各
種添加剤をいれることはさしつかえない。
【0042】本発明の保護層は従来から感熱記録材料に
用いられている保護層を応用して使用することができ
る。具体的には、接着剤を必須成分とし、必要に応じて
感熱発色層で使用できる顔料、ワックス類、金属石鹸な
どを混合して用いる。また、耐水性を向上させる目的
で、架橋剤としてグリオキザール、ホウ酸、ジメチロー
ルウレア、エポキシ系化合物などを添加することもでき
る。本発明では、このような保護層に前述の紫外線吸収
剤を内包したマイクロカプセル、蛍光増白剤を含有して
用いることができる。
【0043】本発明に用いられる支持体材料には、格別
の限定はなく、例えば上質紙(酸性紙、中性紙)、中質
紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、樹脂ラミ
ネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、合成
樹脂フィルム等を適宜使用することが出来る。主に感度
を向上させる目的で、高温黒発色層と支持体との間に下
塗層を設けることもできる。
【0044】各感熱発色層、及び保護層を形成する方法
としてはエアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロ
ールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、お
よびエクストルージョン法などの既知の塗布方法のいず
れを利用しても良い。
【0045】黒、赤感熱発色層塗料は支持体の一表面に
2〜10g/m2 (乾燥)となる様にそれぞれ塗布され
て、各層が形成される。本発明においては、高温黒発色
層の上に低温赤発色層を形成させるが、黒、赤両層の間
に色分離を良くするための中間層を設けることもでき
る。
【0046】低温赤発色層上に設ける保護層は、乾燥重
量で、0.1〜6g/m2 、より好ましくは0.5〜4
g/m2 塗工される。0.1g/m2 未満では保護層と
しての効果に乏しく、6g/m2 を越えると発色感度が
低下する原因となる。又保護層は2層以上の多層にする
こともできる。また、裏面からの油や可塑剤の浸透を抑
えたり、カールコントロールのためにバック層を設ける
こともできる。
【0047】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定されるも
のではない。また、特に断らない限りは部及び%はそれ
ぞれ重量部及び重量%を示す。
【0048】A液(黒発色性染料)調製 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン10部、1,2−ジ(3−
メチルフェノキシ)エタン20部、メチルセルロース5
%水溶液15部、及び水80部からなる組成物を縦型サ
ンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダ
ー)で平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕した。 B液(顕色性化合物)調製 4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール30部、メ
チルセルロース5%水溶液30部、及び水70部からな
る組成物を縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サ
ンドグラインダー)で平均粒子径が1.5μmとなるま
で粉砕した。 C液(赤発色性染料)調製 3−ジメチルアミノ−7−クロロフルオラン10部、メ
チルセルロース5%水溶液5部、及び水25部からなる
組成物を縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サン
ドグラインダー)で平均粒子径が1.5μmとなるよう
に粉砕した。 D液(増感剤)調製 1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン30部、メ
チルセルロース5%水溶液30部、及び水70部からな
る組成物を縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サ
ンドグラインダー)で平均粒子径が1.5μmとなるま
で粉砕した。
【0049】E液(紫外線吸収剤内包マイクロカプセ
ル)調製 加熱装置を備えた攪拌混合容器中に、ポリビニルアルコ
ール(PVA217、クラレ社製)の8%水溶液60部
を加え、マイクロカプセル製造用水性媒体とした。別
に、リン酸トリクレジル12部に、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール2部、キシリレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンの(3:1)付加物(タケネートD
−110N、武田薬品工業社製)18部を溶解して得ら
れた溶液を上記カプセル製造用水性媒体中にTKホモミ
キサー(モデルHV−M、特殊機化工業社製)をもちい
て、平均粒子径が2μmとなるように冷却しながら乳化
分散した。次いで、この乳化分散液に水50部を加え、
攪拌しながら60℃で3時間反応させて紫外線吸収剤を
内包したポリウレタン・ポリウレア樹脂からなる壁膜を
有するマイクロカプセル分散液を調製した。 F液(蛍光増白剤水溶液)調製 1,2−ビス{4−〔2−(p−ソジウムオキシスルホ
ニルアニリノ)−4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ア
ミノ−1,3,5−トリアジン−6−イル〕アミノ−2
−ソジウムオキシスルホニル−フェニル}エチレン3
部、水100部を攪拌混合し、蛍光増白剤水溶液を調製
した。 G液(顔料分散液)調製 軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15、白石工業社
製)40部、ヘキサメタリン酸ソーダ0.7%溶液60
部からなる組成物をカウレス分散機で分散した。
【0050】他に接着剤として10%ポリビニルアルコ
ールと滑剤としてステアリン酸亜鉛30%分散液を用意
した。上記の分散物、接着剤、乾燥後の重量比率が、
A:B:G:ポリビニルアルコール=20:40:2
0:20となるように配合して高温黒発色層塗工液を得
た。坪量60g/m2 の上質紙(中性紙)上にこの黒発
色感熱層塗工液を6g/m 2 (乾燥)塗工し黒発色感熱
層を形成した。その後、その上に表1、表2の各々の実
施例、比較例に対応するように配合した赤発色感熱層塗
工液を5g/m2 (乾燥)塗工した。さらに保護層を表
1、表2に記載しているものについて赤発色層上に2g
/m2 (乾燥)塗工した。このようにして得られた感熱
記録材料を、スーパーカレンダーにて感熱記録面のベッ
ク平滑度(JIS−P8119)が150秒〜200秒
となるように平滑化処理し、赤黒2色感熱記録材料を得
た。
【0051】かくして得られた赤黒2色感熱記録材料に
ついて耐光性について評価を行った。 試験用に改造し
た市販感熱ファクシミリHIFAX−45を用いて、1
ライン記録時間5msec、副走査線密度8ライン/m
m、ドット当たり印加エネルギーを0.8mJとして1
28ラインのベタ印字を行い、低温加熱における赤発色
を得た。得られた赤ベタ発色物について、マクベス濃度
計RD914を用い、マゼンタフィルターでそれぞれの
濃度測定を行ったところ、すべての赤黒2色感熱記録材
料について、濃度は0.8〜0.85の範囲内にあり良
好な赤発色であった。
【0052】このようにして得られた印字物と印字して
いない白紙状態のそれぞれの感熱記録材料を直射日光に
2日間曝した後、上記と同様に印字部及び白紙部の濃度
をマクベス濃度計で測定した。表1、表2にこのように
して得られた結果をまとめて示す。耐光性試験後の印字
部の濃度は0.55以上、白紙部の濃度は0.2以下で
あれば実用上問題ないレベルである。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】表1、表2の結果から明らかなように、
本発明によって、記録部の退色及び白紙部の着色の少な
い耐光性に優れた赤黒2色感熱記録材料を製造すること
が可能となった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、黒色に発色する高温発色層
    と、赤色に発色する低温発色層を順次積層し、かつ該高
    温発色層及び該低温発色層が電子供与性発色性染料と電
    子受容性顕色性化合物を各々含有する赤黒2色感熱記録
    材料において、該低温発色層中に、紫外線吸収剤を内包
    したマイクロカプセルと蛍光増白剤を含有することを特
    徴とする赤黒2色感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に、黒色に発色する高温発色層
    と、赤色に発色する低温発色層を順次積層し、かつ該高
    温発色層及び該低温発色層が電子供与性発色性染料と電
    子受容性顕色性化合物を各々含有する赤黒2色感熱記録
    材料において、該低温発色層上に保護層を設け、該保護
    層中に紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルを含有
    し、且つ該低温発色層中または該保護層中に蛍光増白剤
    を含有することを特徴とする赤黒2色感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 低温発色層中に、電子供与性赤発色性染
    料として、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラ
    ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフル
    オランから選ばれる少なくとも1種を含有することを特
    徴とする請求項1、請求項2に記載の赤黒2色感熱記録
    材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0992363A1 (en) * 1998-10-09 2000-04-12 Fuji Photo Film Co., Ltd. Heat-sensitive recording material

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EP0992363A1 (en) * 1998-10-09 2000-04-12 Fuji Photo Film Co., Ltd. Heat-sensitive recording material

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