JP2000316983A - 生体留置用ステントおよび生体器官拡張器具 - Google Patents

生体留置用ステントおよび生体器官拡張器具

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JP2000316983A JP2000060894A JP2000060894A JP2000316983A JP 2000316983 A JP2000316983 A JP 2000316983A JP 2000060894 A JP2000060894 A JP 2000060894A JP 2000060894 A JP2000060894 A JP 2000060894A JP 2000316983 A JP2000316983 A JP 2000316983A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チューブ型ステントであって、ステントを分
岐部を持つ血管に使用した場合に、その分岐血管への血
流阻害を少なくでき、分岐血管の狭窄部の治療を可能と
することができる生体内留置用ステントならびにそのス
テントを備えた血管拡張用器具を提供する。 【解決手段】 ステント1は、波状要素により環状に形
成されるとともにステントの軸方向に複数配列された波
状環状体2a、2bと、波状環状体2a、2bを軸方向
に接続する接続部4を備える。そして、ステント1の中
央付近に位置する接続部4は、他の部分に比べて脆弱か
つ破断可能となっている。つまり、ステント1は、半径
方向に拡張後のステントの内部よりステントの側面を貫
通するように拡張バルーンカテーテルを挿通可能であ
り、かつ接続部4は、拡張バルーンカテーテルのバルー
ンの拡張により破断可能に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管、胆管、気
管、食道、尿道等の生体管腔内に生じた狭窄部、もしく
は閉塞部の改善に使用される生体内管腔留置用ステント
に関する。
【0002】
【従来の技術】ステントは、血管あるいは他の生体内管
腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾
患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張
し、その内腔を確保するためにそこに留置する一般的に
は管状の医療用具である。ステントは、体外から体内に
挿入するため、そのときは直径が小さく、目的の狭窄も
しくは閉塞部位で拡張させて直径を大きくし、且つその
管腔をそのままで保持する物である。
【0003】ステントは、機能および留置方法によっ
て、セルフエクスパンダブルステントとバルーンエクス
パンダブルステントに区別される。バルーンエクスパン
ダブルステントはステント自体に拡張機能はなく、ステ
ントを目的部位に挿入した後、ステント内にバルーンを
位置させてバルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によ
りステントを拡張(塑性変形)させ目的管腔の内面に密
着させて固定する。このタイプのステントでは、上記の
ようなステントの拡張作業が必要になる。
【0004】バルーンエクスパンダブルステントに関す
るものとしては、例えば、特公平4−6377号公報お
よび特開平2−174859号公報のものがある。特公
平4−6377号公報および特開平2−174859号
公報のステントは、パイプの軸方向に溝が掘ってあり、
溝を組み合わせることによって、拡張したときに連続し
た菱形になるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公平4−6377号
公報のステントは、拡張させた後連続した菱形形状とな
るため、拡張後の形状保持性に優れ、例えば、血管が収
縮しようとする力に対する抵抗、言い換えれば、形状保
持力が強い。さらに部分的に拡張時の径を大きくしたい
場合は、その径のバルーンを追加してステント内に挿入
し、拡張することもできるなどの利点も有している。一
般にこのタイプのステントはチューブ型と言われてお
り、この語源は通常金属製のチューブ(金属パイプ)を
レーザー等でくり抜いて作製することから来ている。ま
た構造上の特徴としては、ステントが多数の細長い部材
からできており、それらが交差しているところにある。
【0006】特公平4−6377号公報のステントは、
1つのセグメントを細長い長方形とすれば、それは細長
い部材が6カ所で交差して成り立っている。そして、そ
れを拡張することによって、長方形が菱形に塑性変形し
てその形状を保持し、血管が収縮しようとする力に抵抗
を示すものである。チューブ型ステントはこの形状に限
らず各種の形状が考えられているが、共通する所は多数
の交差する点をもっていることである。
【0007】一方、特開平1−145076号のステン
トは一般にコイル型ステントと言われるものであり、一
本のワイヤーを先ずジグザグ状に変形させ、これを更に
円筒形状になるように螺旋状に巻いたものである。従っ
て、これは交差点を持たないという特徴がある。
【0008】チューブ型ステントを、例えば分岐部を持
つ血管に埋め込んだ場合、前記細長い部材が分岐部にか
かり、そこが常に血流にさらされるため、血栓ができる
危険性があるという問題があった。また、その分岐部が
再狭窄して、後でバルーンで拡張するかそこにステント
を埋め込む治療をしたくても、前記細長い部材が邪魔を
して、バルーン拡張又はステント埋め込みができないと
いう問題があった。
【0009】一方、コイル型ステントは交差部がないの
で、後でバルーンで分岐部を拡張するという操作をして
も問題は無いが、交差部が無いために、拡張保持力が弱
く、拡張保持力を高めるためにはワイヤー線径を太くす
る必要があり、そうするとステントをデリバリーする性
能が低下したり、血管内で引っかかるとコイルの形状が
乱れたりして、ステントそのものの各種機能がチューブ
型ステントよりも劣るという問題があった。
【0010】そこで、本発明の目的は、いわゆるチュー
ブ型ステントであって、かつ、ステントを分岐部を持つ
血管に使用した場合に、その分岐血管への血流阻害を少
なくでき、さらには、分岐血管の狭窄部の治療を可能と
することができる生体内留置用ステントならびにそのス
テントを備えた血管拡張用器具を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための
直径を有し、管状体の内部より半径方向に広がる力が付
加されたときに拡張可能なステントであって、該ステン
トは、波状要素により環状に形成されるとともにステン
トの軸方向に複数配列された波状環状体と、波状環状体
を軸方向に接続する接続部とを備え、さらに、前記ステ
ントの中央付近に位置する前記接続部は、他の部分に比
べて脆弱かつ破断可能となっている生体内留置用ステン
トである。
【0012】そして、前記ステントは、半径方向に拡張
後の該ステントの内部より該ステントの側面を貫通する
ように拡張バルーンカテーテルを挿通可能であり、かつ
前記接続部は、該拡張バルーンカテーテルのバルーンの
拡張により破断されるものであることが好ましい。そし
て、前記接続部は、少なくとも前記ステントの軸方向の
中央付近に位置する接続部が、他の部分に比べて脆弱か
つ破断可能となっていることが好ましい。さらに、少な
くとも前記ステントの軸方向の中央付近に位置する前記
接続部は、破断可能な脆弱部を備えているものであって
もよい。また、少なくとも前記ステントの軸方向の中央
付近に位置する前記接続部は、全体が脆弱部となってい
るものであってもよい。また、前記脆弱部は、前記ステ
ントの他の構成部分より断面積が小さく形成された部分
であってもよい。
【0013】前記ステントは、波状要素により環状に形
成された第1の波状環状体と、該第1の波状環状体の谷
部に山部が近接するようにステントの軸方向に配置され
るとともに波状要素により環状に形成された第2の波状
環状体と、前記第1の波状環状体の谷部と前記第2の波
状環状体の山部とを接続する複数の接続部とからなる環
状ユニットからなり、さらに、該環状ユニットは、ステ
ントの軸方向に複数配列されるとともに、隣り合う環状
ユニットの波状要素を連結する連結部を備えており、少
なくとも前記ステントの中央付近に位置する前記接続部
は、他の部分に比べて脆弱かつ破断可能となっているこ
とが好ましい。
【0014】そして、前記連結部は、隣り合う環状ユニ
ット間に一つのみ形成されていることが好ましい。ま
た、前記連結部は、隣り合う連結部と連続しないように
配置されていることが好ましい。さらに、前記環状ユニ
ットの端部に形成される波状空間には、隣り合う環状ユ
ニットの波状環状体の一部が侵入していてもよい。ま
た、前記複数の波状環状体は、軸方向に隣り合う波状環
状体の山部もしくは谷部が軸方向にほぼ直線的に並ぶよ
うに配列されており、前記接続部は、隣り合う波状環状
体の山部もしくは谷部を接続しており、さらに、少なく
とも前記ステントの中央付近に位置する前記接続部は、
脆弱部を備えていることが好ましい。そして、前記脆弱
部は、前記接続部でありかつ前記波状環状体の付近に形
成されていてもよい。また、前記接続部のすべてが他の
部分に比べて脆弱かつ破断可能となっていてもよい。
【0015】上記目的を達成するものは、チューブ状の
シャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けら
れた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り畳まれ
た状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ
該バルーンの拡張により拡張されるステントとを備える
生体器官拡張器具であって、前記ステントは、請求項1
ないし12に記載のいずれかのステントであり、前記シ
ャフト本体部は、一端が前記バルーン内と連通するバル
ーン拡張用ルーメンを備え、さらに、前記生体器官拡張
器具は、前記ステントの中央部となる位置の前記シャフ
ト本体部の外面に固定されたX線造影性部材もしくは前
記ステントの中央部分の所定長の両端となる位置の前記
シャフト本体部の外面に固定された2つのX線造影性部
材を備える生体器官拡張器具である。
【0016】そして、前記バルーンは、該バルーン拡張
用ルーメン内に注入される流体によりほぼ同一径の筒状
に拡張する拡張可能部を備え、該拡張可能部の両端とな
る位置の前記シャフト本体部の外面に固定された2つの
X線造影性部材を備えていることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のステントを図面に示した
実施例を用いて説明する。図1は、本発明のステントの
一実施例の正面図であり、図2は、図1に示したステン
トの展開図である。図3は、図1に示したステントの部
分拡大図である。図4は、図1に示したステントを拡張
したときの正面図であり、図5は、図4に示した拡張さ
れたステントの展開図である。図6は、図4に示した拡
張された状態のステントの部分拡大図である。図7は、
本発明のステントの他の実施例の正面図である。
【0018】本発明のステント1は、略管状体に形成さ
れ、生体内への挿入のための直径を有し、管状体の内部
より半径方向外方に広がる力が付加されたときに伸張可
能なものであり、いわゆるバルーンエキスパンダブルス
テントである。
【0019】ステント1は、細い波状要素により環状に
形成されるとともにステントの軸方向に複数配列された
波状環状体(波状線状環状体)2a、2bと、波状環状
体2a、2bを軸方向に接続する接続部4を備える。そ
して、少なくともステント1の中央付近に位置する接続
部4は、他の部分に比べて脆弱かつ破断可能となってい
る。このため、ステント1は、半径方向に拡張後(言い
換えれば、拡径後)のステントの内部よりステントの側
面を貫通するように拡張バルーンカテーテルを挿通可能
であり、かつ接続部4は、拡張バルーンカテーテルのバ
ルーンの拡張により破断可能となっている。
【0020】具体的には、ステント1は、図1ないし図
3に示すように、細い波状要素(好ましくは、エッジの
ないもの)により環状に形成された第1の波状環状体2
aと、第1の波状環状体の谷部に山部が近接するように
ステント1の軸方向に配置されるとともに細い波状要素
(好ましくは、エッジのないもの)により環状に形成さ
れた第2の波状環状体2bと、第1の波状環状体2aの
谷部と第2の波状環状体2bの山部とを接続する複数の
細い接続部4(好ましくは、エッジのないもの)を備え
る複数の環状ユニット31,32,33,34,35,
36,37,38,39からなる。そして、複数の環状
ユニットは、ステントの軸方向にほぼ直波状となるよう
に配列されるとともに、隣り合う環状ユニットの波状要
素(波状環状体2bと2a)を連結する細い連結部5
1,52,53,54,55,56,57,58(好ま
しくは、エッジのないもの)を備えており、さらに、少
なくともステント1の中央付近に位置する接続部4は、
他の部分に比べて脆弱かつ破断可能となっている。ステ
ント1は、見方を変えれば、多数の環状ユニットが、連
結部により連結したことにより構成された管状体であ
る。
【0021】ステント1の環状体2a、2bは、図1お
よびその展開図である図2に示すように、ほぼ同じピッ
チの5つの山と谷を有し、環状に連続した無端の波状体
により構成されている。なお、環状体の山(もしくは
谷)の数は、4〜7が好適である。そして、第1の波状
環状体2aの谷部に山部が近接するように軸方向に配置
された第2の波状環状体2bは、第1の波状環状体の谷
部と第2の波状環状体の山部とが複数の短い接続部4に
より接続され、1つの環状ユニットを構成している。こ
の実施例では、第1の波状環状体2aのすべての谷部と
第2の波状環状体2bのすべて山部とが接続部4により
接続されており、1つの環状ユニットは、5つ(環状体
の山もしくは谷の数)の接続部4を備えている。
【0022】そして、上記のように構成された環状ユニ
ット31,32,33,34,35,36,37,3
8,39は、ステント1の軸方向に複数(この実施例で
は、9つ)配列されるとともに、隣り合う環状ユニット
の波状環状体を連結する連結部を備えており、これによ
り、筒状のステントが形成されている。そして、連結部
は、隣り合う環状ユニット間に一つのみ形成されてお
り、さらに、連結部51,52,53,54,55,5
6,57,58は、隣り合う連結部と連続しないように
配置されている。そして、連結部(例えば、51)の始
点となる環状体2bの山部分の内側は、他の山部分に比
べて広く形成されている。
【0023】そして、少なくともステントの中央付近に
位置する接続部4は、他の部分に比べて脆弱かつ破断可
能となっている。この実施例のステント1では、図1な
いし図3に示すように、すべての接続部4は、ステント
1の他の部分、言い換えれば、環状体2a、2bおよび
連結部51,52,53,54,55,56,57,5
8より、断面積が小さく(言い換えれば、さらに細く)
形成されており、脆弱部となっている。特に、この実施
例では、接続部4は、他の部分に比べて、肉厚はほぼ同
じでありかつ幅が狭くなっている。
【0024】環状体2a、2bではなく接続部4を脆弱
にしており、環状体2a、2bには、脆弱部は形成され
ていない。環状体2a、2bに脆弱部を設けると、ステ
ント1の拡張時に自然破断し、拡張度の拡張力の低下を
招くおそれがある。しかし、接続部4を脆弱としても、
ステントの拡張時に、接続部4はほとんど変形しないた
め、拡張時において脆弱部4が自然破断することは極め
て少ない。
【0025】なお、このステント1では、すべての接続
部4が脆弱となっているが、図7に示す実施例のステン
ト50のように、ステント50の中央付近に位置する接
続部4aのみ脆弱なものとしてもよい。すべての接続部
のうち脆弱とされる接続部が位置する部分の長さは、ス
テント50の全長の30〜60%程度が好適であり、こ
の部分の中央がステントの軸方向のほぼ中央となるよう
に形成される。また、この実施例では、両端部付近に位
置する接続部4bは、環状体2a,2bの波状要素と同
じ幅に形成されており、脆弱部を備えていない。
【0026】さらに、接続部4a、4bの全体を脆弱部
とするのではなく、後述する図8ないし図12に示すス
テントのように、接続部自体は、他の部分と同じとし、
接続部に、ステントの他の構成部分より断面積が小さく
形成された脆弱部を設けてもよい。この場合の脆弱部の
形態としては、例えば、接続部の側面より互い違いの方
向から切り込みを入れたもの、接続部の側面より接続部
の幅の中央部に達するように一つ切り込みを設けたも
の、接続部の側面より接続部の幅の中央方向に向かい合
うように2つの切り込みを設けたもの、さらには、接続
部の他の部分より細径(狭小)もしくは肉薄さらには細
径(狭小)かつ肉薄とした部分を形成したものなどが考
えられる。
【0027】そして、本発明のステント1,50は、半
径方向に拡張後のステントの内部よりステントの側面を
貫通するように拡張バルーンカテーテルを挿通可能であ
り、かつ接続部は、図19に示すように、拡張バルーン
カテーテルのバルーンの拡張により破断可能となってい
る。図4に示すように拡張されたステント1は、各環状
体が拡張形状を保持するため、全体としても拡張形状を
保持する。そして、拡張されたステントの壁面に、ガイ
ドワイヤーにより誘導して拡張バルーンカテーテルを挿
入し拡張すると、ステントの接続部は切断され、ほぼバ
ルーンの拡張径と同じ大きさの穴がステント壁面に形成
される。もし脆弱な接続部がなければ、バルーンはステ
ントの伸びきった空間以上の穴は確保できず、無理に拡
張すれば破裂することになる。逆に、脆弱であって接続
部を備えることにより、血管内での形状安定性を高くす
ることができる。
【0028】そして、隣り合う環状ユニット31〜39
の波状環状体を連結する連結部51〜58は、ステント
1が拡張されても実質的に変化しない。連結部51〜5
8および接続部4が、ステント1の拡張によって、実質
的に変化しないので、ステント1全体の全長は、拡張前
と拡張後においてほとんど変化せず、拡張後にステント
が短くなることがない。
【0029】連結部51〜58は、隣り合う環状ユニッ
ト31〜39を一カ所のみ連結するように設けられてい
る。二か所以上連結してもよいが、血管の変形に対する
追従性を良好とするために、実施例のように、一カ所の
み連結することが好ましい。さらに、この実施例では、
連結部51〜58は、隣り合う連結部と連続しないよう
に配置されている。このため、一つの環状ユニットが血
管の変形に追従するように変化した時の負荷が、隣り合
わない環状ユニットにまで直接的(もしくは直線的)に
伝達されることを抑制でき、環状ユニット個々の独立し
た拡張機能を発揮する。さらに、図2および図5に示す
実施例のように、連結部51〜58の配置が、180゜
異なる位置に互い違いになるように構成することで、隣
り合わない環状ユニットによる影響をより受けにくくな
り良好である。
【0030】また、接続部4を破断時に拡張バルーンに
与える損傷を少なくするために、ステントの波状要素の
エッジは面取りされていることが好ましい。ステントの
面取り方法としては、ステントを最終形状に形成した
後、化学研磨、電解研磨もしくは機械研磨することによ
り行うことができる。化学研磨としては、ステンレス化
学研磨液に浸漬することにより行うことが好ましい。ス
テンレス化学研磨液としては、ステンレスを溶解できる
ものであればよく、例えば、塩酸と硝酸からなる混合液
を基本成分とし、これに、溶解速度調整、平滑化および
光沢性付与のための有機硫黄化合物および界面活性剤を
添加したものが好ましい。
【0031】また、ステント1の両端の両端部、言い換
えれば、両端に位置する環状体2a、2bは、他の環状
体より、波状要素の形成素材の断面積が小さいものとし
てもよい。このようにすれば、ステント1が拡張したと
きに発揮する両端部分の拡張力は、他の部分に比べて低
いものとなるが、逆に、血管の屈曲に対する追従性が向
上し、ステントの両端は血管との親和性が良好なものと
なる。具体的には、両端の環状体2a、2bの肉厚を薄
くする方法としては、ステントを最終形状に形成した
後、環状体2a、2b部分を化学研磨もしくは機械研磨
することにより行うことができる。
【0032】また、ステント1の中央部分にある環状ユ
ニット(環状体)の形成素材の断面積が最も大きく、端
部に向かうに従って、環状ユニット(環状体)の形成素
材の断面積が小さくなるようにしてもよい。具体的に
は、ステント1の中央部分にある環状ユニット34,3
5,36の肉厚が厚く、端部に向かうに従って薄くなる
ようにすることである。このようにすることにより、中
央部での十分な拡張力を発揮し、かつ、血管の屈曲に対
する追従性が向上し、ステント1の両端は血管との親和
性がより良好なものとなる。また、ステント1の中央部
分にある環状ユニットの形成素材の幅が最も広く、端部
に向かうに従って、環状ユニットの形成素材の幅が狭く
なるようにしてもよい。
【0033】さらに、このステントでは、環状ユニット
の端部(ステントの内部側)に形成される波状空間に
は、隣り合う環状ユニットの波状環状体2aの一部が侵
入している。つまり、環状ユニットの接続部付近に形成
される波状環状体の凹部に、隣り合う環状ユニットの波
状環状体2aの山部の一端部が侵入している。このた
め、このステント1は、波状環状体がステントの軸方向
に見ると部分的に重なった状態となっている。このステ
ントを拡張させたときに、個々の構成要素がステントの
軸方向に短くなっても、ステントの側面における隙間の
増加が少なく、より確実に血管の狭窄部を拡張できか
つ、病変部位を隙間なく押さえることができる。
【0034】そして、連結部51,52,53,54,
55,56,57,58が設けられる部分の環状体の山
および谷部分は、他の部分に比べて広く形成されてお
り、連結部の両側に波状環状体の山部分もしくは谷部分
の一部が侵入している。また、この実施例では、連結部
は屈曲している。しかし、屈曲した連結部51,52,
53,54,55,56,57,58は、ステントを拡
張することにより、図4および図5に示すように、ほぼ
直波状となる。
【0035】ステント1の形成材料としては、ある程度
の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステン
レス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもし
くはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベース
合金等が考えられる。またステント形状を作製した後に
貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステンレ
ス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが好
適である。
【0036】さらに、ステント1の最終形状を作製した
のち、焼なましすることが好ましい。焼きなましを行う
ことにより、ステント全体の柔軟性および可塑性が向上
し、屈曲した血管内での留置性が良好となる。焼きなま
しを行わない場合に比べて、ステントを拡張した後の拡
張前形状に復元しようとする力、特に、屈曲した血管部
位で拡張したときに発現する直線状に復帰しようとする
力が減少し、屈曲した血管内壁に与える物理的な刺激が
減少し、再狭窄の要因を減少させることができる。焼き
なましは、ステント表面に酸化被膜が形成されないよう
に、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素と水素の混合ガ
ス)にて、900〜1200℃に加熱したのち、ゆっく
りと冷却することにより行うことが好ましい。
【0037】また、ステントの非拡張時の直径は、0.
8〜1.8mm程度が好適であり、特に、1.0〜1.
6mmがより好ましい。また、ステントの非拡張時の長
さは、9〜40mm程度が好適である。また、1つの波
状環状体2a,2bの長さは、0.7〜2.0mm程度
が好適であり、一つの環状ユニットの長さは、1.5〜
4.0mm程度が好適であり、特に、2.0〜3.0m
mがより好ましい。また、接続部4の長さは、0.01
〜0.5mm程度が好適である。また、環状ユニットの
数としては、3〜50が好適である。また、隣り合う環
状ユニットの構成要素(環状体)がステントの軸方向に
重なる長さは、0.5〜1mmが好適である。また、環
状ユニット間の中心間距離は、1.3〜2.5mmが好
適である。連結部51,52,53,54,55,5
6,57,58の長さは、1.4〜2.7mmが好適で
ある。さらに、ステントの中心軸に対する連結部の傾斜
角(展開図で見たときの長手方向に対する傾斜角)は、
0゜〜30゜程度が好ましく、特に、5゜〜25゜が好
適である。
【0038】さらに、ステントの環状体形成部(波状要
素、波状線状要素)2a,2bおよび連結部51,5
2,53,54,55,56,57,58の肉厚として
は、0.05〜0.15mm程度が好適であり、特に、
0.08〜0.12mmが好適であり、幅は、0.07
〜0.15mm程度が好適であり、特に、0.08〜
0.12mmが好適である。また、ステントの接続部の
肉厚としては、0.05〜0.12mm程度が好適であ
り、特に、0.06〜0.10mmが好適であり、幅
は、0.01〜0.05mm程度が好適であり、特に、
0.02〜0.04mmが好適である。また、接続部の
断面積は、ステントの他の部分(環状体および連結部)
の断面積の1/50〜1/2程度であることが好まし
く、特に、1/20〜1/10程度であることが好まし
い。
【0039】本発明の他の実施例のステントについて説
明する。図8は、ステントの他の実施例の正面図であ
り、図9は、図8に示したステントの展開図である。図
10は、図8に示したステントの部分拡大図である。図
11は、図8に示したステントを拡張したときの正面図
であり、図12は、図11に示した拡張されたステント
の展開図である。図13は、ステントの他の実施例の正
面図である。
【0040】この実施例のステント60では、図8ない
し図10に示すように、複数の波状環状体62が、軸方
向に隣り合う波状環状体62の山部もしくは谷部が軸方
向にほぼ直線的に並ぶように配列されている。そして、
接続部64は、隣り合う波状環状体の山部もしくは谷部
を接続しており、さらに、少なくともステント60の中
央付近に位置する接続部64は、脆弱部65を備えてい
る。
【0041】言い換えれば、このステント60は、拡張
保持の役割を担う波状(ジグザグ状)かつ環状につなが
った(無端)線状体からなる複数の環状体62からな
り、これらの環状体62は接続部(コネクター)64に
より隣り合う環状体が離反しないように接続されてい
る。そして、接続部64には、脆弱部(切断ポイント)
65が形成されている。環状体62ではなく接続部64
に脆弱部65を設けている。言い換えれば、環状体62
には、脆弱部65は形成されていない。環状体62に脆
弱部65を設けると、ステント60の拡張時に自然破断
し、拡張度の拡張力の低下を招くおそれがある。しか
し、接続部64に脆弱部65を設けても、ステント60
の拡張時に、接続部64はほとんど変形しないため、拡
張時における脆弱部65の自然破断が生じることが少な
い。なお、このステント60では、すべての接続部64
が脆弱部65を備えているが、ステント60の中央付近
に位置する接続部にのみ設けてもよい。そして、脆弱部
の位置は、接続部中のどこでもよく、この実施例では、
波状環状体付近に形成されている。しかし、脆弱部は、
接続部の中央付近でもよい。
【0042】この脆弱部65は、ステント60の他の構
成部分より断面積が小さく形成されており、具体的に
は、接続部64の側面より互い違いの方向から切り込み
を入れた形状になっている。このように形成することに
より、脆弱部65を確実に形成することができる。しか
し、脆弱部65の構成は、これに限られるものではな
く、力が加わったとき破断可能であればどのようなもの
でもよく、例えば、接続部の側面より接続部の幅の中央
部に達するように一つ切り込みを設けたもの、また、接
続部の側面より接続部の幅の中央方向に向かい合うよう
に2つの切り込みを設けたもの、さらには、接続部の他
の部分より細径(狭小)もしくは肉薄さらには細径(狭
小)かつ肉薄とした部分を形成したものなどでもよい。
【0043】そして、この実施例のステント60も、半
径方向に拡張後のステントの内部よりステントの側面を
貫通するように拡張バルーンカテーテルを挿通可能であ
り、かつ接続部64の脆弱部65は、拡張バルーンカテ
ーテルのバルーンの拡張により破断可能となっている。
図11および図12に示すように、拡張されたステント
60は、各環状体が拡張形状を保持するため、全体とし
ても拡張形状を保持する。そして、拡張されたステント
60の壁面に、ガイドワイヤーにより誘導して拡張バル
ーンカテーテルを挿入し拡張すると、ステントの接続部
64は、脆弱部(切断ポイント)65で切断され、ほぼ
バルーンの拡張径と同じ大きさの穴がステント壁面に形
成される。もし脆弱部(切断ポイント)65がなけれ
ば、バルーンはステントの伸びきった空間以上の穴は確
保できず、無理に拡張すれば破裂することになる。
【0044】なお、ステントは、上記の形態に限定され
るものではなく、図13に示すステント70のように、
ステントの中央付近に位置する接続部64にのみ脆弱部
65が設けられているものでもよい。また、ステントの
形態としては、隣り合う波状環状体の谷部を接続してい
るもの(言い換えれば、図8に示すステントを反転させ
たもの)、さらに、接続部は、隣り合う波状環状体によ
り山部接続と谷部接続が変化している。具体的には、軸
方向の奇数位置の接続部は、山部を接続し、偶数位置の
接続部は、谷部を接続するものとなっている。なお、逆
に、軸方向の奇数位置の接続部は、谷部を接続し、偶数
位置の接続部は、山部を接続するものであってもよい。
【0045】そして、上述したステント1と同様に、こ
のステント60においても、接続部64の破断時に拡張
バルーンに与える損傷を少なくするために、ステントの
波状要素のエッジは面取りされていることが好ましい。
ステントの面取り方法としては、ステントを最終形状に
形成した後、化学研磨、電解研磨もしくは機械研磨する
ことにより行うことができる。さらに、上述したステン
ト1と同様に、ステント60の両端部、言い換えれば、
両端に位置する環状体を他の環状体より、波状要素の形
成素材の断面積が小さいものとしてもよい。さらには、
上述したステント1と同様に、ステント60の中央部分
にある環状体の形成素材の断面積が最も大きく、端部に
向かうに従って、環状体の形成素材の断面積が小さくな
るようにしてもよい。
【0046】ステント1の形成材料としては、ある程度
の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステン
レス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもし
くはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベース
合金等が考えられる。またステント形状を作製した後に
貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステンレ
ス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが好
適である。さらに、上述したステント1と同様に、最終
形状を作製したのち、焼なましすることが好ましい。
【0047】また、ステント60の非拡張時の直径は、
0.8〜1.8mm程度が好適であり、特に、1.0〜
1.6mmがより好ましい。また、ステント60の非拡
張時の長さは、7〜25mm程度が好適である。また、
1つの波状環状体62の長さは、0.7〜2mm程度が
好適である。また、接続部64の長さは、0.9〜2.
5mm程度が好適である。また、環状体62の数として
は、4〜7が好適である。また、環状体62の中心間距
離は、0.9〜2.5mmが好適である。
【0048】さらに、ステントの環状体形成部(波状要
素)および接続部の肉厚としては、0.05〜0.15
mm程度が好適であり、特に、0.08〜0.12mm
が好適であり、幅は、0.07〜0.15mm程度が好
適であり、特に、0.08〜0.12mmが好適であ
る。また、ステントの接続部64の最狭部(脆弱部)の
長さ(幅)は、0.01〜0.05mm程度が好適であ
る。また、脆弱部の断面積は、ステントの他の部分の断
面積の1/50〜1/2程度であることが好ましく、特
に、1/20〜1/10程度であることが好ましい。
【0049】次に、本発明の他の実施例のステントにつ
いて、図面を参照して説明する。図20は、ステントの
他の実施例の正面図である。図21は、図20に示した
ステントの展開図である。図22は、図20に示したス
テントを拡径した時の部分拡大図である。図23は、図
20に示したステントの接続部を破断し拡張したときの
部分拡大図である。本発明のステント80は、略管状体
に形成され、生体内への挿入のための直径を有し、管状
体の内部より半径方向外方に広がる力が付加されたとき
に伸張可能なものであり、いわゆるバルーンエキスパン
ダブルステントである。
【0050】ステント80は、細い波状要素により環状
に形成されるとともにステントの軸方向に複数配列され
た波状環状体(波状線状環状体)2a、2bと、波状環
状体2a、2bを軸方向に接続する接続部4を備える。
そして、少なくともステント80の中央付近に位置する
接続部4は、他の部分に比べて脆弱かつ破断可能となっ
ている。このため、ステント80は、半径方向に拡張後
のステントの内部よりステントの側面を貫通するように
拡張バルーンカテーテルを挿通可能であり、かつ接続部
4は、拡張バルーンカテーテルのバルーンの拡張により
破断可能となっている。具体的には、ステント80は、
図20ないし図22に示すように、細い波状要素(好ま
しくは、エッジのないもの)により環状に形成された第
1の波状環状体2aと、第1の波状環状体の谷部に山部
が近接するようにステント80の軸方向に配置されると
ともに細い波状要素(好ましくは、エッジのないもの)
により環状に形成された第2の波状環状体2bと、第1
の波状環状体2aの谷部と第2の波状環状体2bの山部
とを接続する複数の細い接続部4(好ましくは、エッジ
のないもの)と、第1の波状環状体2aの谷部と第2の
波状環状体2bの山部が一体化(融合)した一体化部
(融合部)81を備える複数の環状ユニット31,3
2,33,34,35,36,37,38,39,4
0,41,42からなる。そして、複数の環状ユニット
は、ステントの軸方向にほぼ直線状となるように配列さ
れるとともに、隣り合う環状ユニットの波状要素(波状
環状体2bと2a)を連結する細い連結部181,18
2,183,184,185,186,187,18
8,189,190,191(好ましくは、エッジのな
いもの)を備えている。これにより、筒状のステントが
形成されている。一つの環状ユニットは、2つの一体化
部を備えている。なお、2つの一体化部は、隣り合わな
いように設けられている。連結部181〜191は、一
体化部(融合部)81を連結するように設けられてい
る。連結部181〜191は、隣り合う環状ユニット間
に一つのみ形成されている。連結部181〜191は、
隣り合う連結部と連続しないように配置されている。連
結部181〜191は、交互に向きが異なるように形成
されている。
【0051】なお、一体化部(融合部)81の配置なら
びに連結部の形状はこれに限定されるものではない。例
えば、ステントの一体化部(融合部)81を螺旋状に配
置し、これを接続する連結部も、連続する螺旋状配置と
なるようにしてもよい。そして、ステント80において
も、少なくともステント80の中央付近に位置する接続
部4は、他の部分に比べて脆弱かつ破断可能となってい
る。ステント80は、見方を変えれば、多数の環状ユニ
ットが、連結部により連結したことにより構成された管
状体である。
【0052】ステント80の環状体2a、2bは、図2
0およびその展開図である図21に示すように、一体化
部形成部を除きほぼ同じピッチの6つの山と谷を有し、
環状に連続した無端の波状体により構成されている。な
お、環状体の山(もしくは谷)の数は、4〜8が好適で
ある。そして、第1の波状環状体2aの谷部に山部が近
接するように軸方向に配置された第2の波状環状体2b
は、一体化部(融合部)81により部分的に一体となっ
ている。さらに、他の部分では、第1の波状環状体の谷
部と第2の波状環状体の山部とが複数の短い接続部4に
より接続されている。これにより、1つの環状ユニット
を構成している。この実施例では、第1の波状環状体2
aのすべての谷部と第2の波状環状体2bは、一体化部
(融合部)81を除くすべて山部とが接続部4により接
続されており、1つの環状ユニットは、4つ(環状体の
山もしくは谷の数より2つ少ない)の接続部4を備えて
いる。
【0053】そして、少なくともステントの中央付近に
位置する接続部4は、他の部分に比べて脆弱かつ破断可
能となっている。この実施例のステント80では、図2
0ないし図22に示すように、すべての接続部4は、ス
テント80の他の部分、言い換えれば、環状体2a、2
bおよび連結部181〜191より、断面積が小さく
(言い換えれば、さらに細く)形成されており、脆弱部
となっている。特に、この実施例では、接続部4は、他
の部分に比べて、肉厚はほぼ同じでありかつ幅が狭くな
っている。環状体2a、2bではなく接続部4を脆弱に
しており、環状体2a、2bには、脆弱部は形成されて
いない。環状体2a、2bに脆弱部を設けると、ステン
ト80の拡張時に自然破断し、拡張時の拡張力の低下を
招くおそれがある。しかし、接続部4を脆弱としても、
ステントの拡張時に、接続部4はほとんど変形しないた
め、拡張時において脆弱部4が自然破断することは極め
て少ない。
【0054】なお、このステント80では、すべての接
続部4が脆弱となっているが、上述した図7に示したス
テントのように、ステントの中央付近に位置する接続部
のみ脆弱なものとしてもよい。すべての接続部のうち脆
弱とされる接続部が位置する部分の長さは、ステントの
全長の30〜60%程度が好適であり、この部分の中央
がステントの軸方向のほぼ中央となるように形成され
る。また、この実施例では、両端部付近に位置する接続
部4bは、環状体2a,2bの波状要素と同じ幅に形成
されており、脆弱部を備えていない。さらに、接続部4
a,4bの全体を脆弱部とするのではなく、上述した図
8ないし図12に示すステントのように、接続部自体
は、他の部分と同じとし、接続部に、ステントの他の構
成部分より断面積が小さく形成された脆弱部を設けても
よい。この場合の脆弱部の形態としては、例えば、接続
部の側面より互い違いの方向から切り込みを入れたも
の、接続部の側面より接続部の幅の中央部に達するよう
に一つ切り込みを設けたもの、接続部の側面より接続部
の幅の中央方向に向かい合うように2つの切り込みを設
けたもの、さらには、接続部の他の部分より細径(狭
小)もしくは肉薄さらには細径(狭小)かつ肉薄とした
部分を形成したものなどが考えられる。
【0055】そして、本発明のステント80は、半径方
向に拡張後のステントの内部よりステントの側面を貫通
するように拡張バルーンカテーテルを挿通可能であり、
かつ接続部は、図23に示すように、拡張バルーンカテ
ーテルのバルーンの拡張により破断可能となっている。
拡張されたステント80は、各環状体が拡張形状を保持
するため、全体としても拡張形状を保持する。そして、
拡張されたステントの壁面に、ガイドワイヤーにより誘
導して拡張バルーンカテーテルを挿入し拡張すると、ス
テントの接続部は切断され、ほぼバルーンの拡張径と同
じ大きさの穴がステント壁面に形成される。もし脆弱な
接続部がなければ、バルーンはステントの伸びきった空
間以上の穴は確保できず、無理に拡張すれば破裂するこ
とになる。逆に、脆弱であって接続部を備えることによ
り、血管内での形状安定性を高くすることができる。そ
して、隣り合う環状ユニット31〜42の波状環状体を
連結する連結部181〜191は、ステント80が拡張
されても実質的に変化しない。連結部181〜191お
よび接続部4が、ステント80の拡張によって、実質的
に変化しないので、ステント80全体の全長は、拡張前
と拡張後においてほとんど変化せず、拡張後にステント
が短くなることがない。連結部181〜191は、隣り
合う環状ユニット31〜42を一カ所のみ連結するよう
に設けられている。二か所以上連結してもよいが、血管
の変形に対する追従性を良好とするために、実施例のよ
うに、一カ所のみ連結することが好ましい。さらに、連
結部181〜191は、隣り合う連結部と連続するよう
に配置してもよい。
【0056】また、接続部4を破断時に拡張バルーンに
与える損傷を少なくするために、ステントの波状要素の
エッジは面取りされていることが好ましい。ステントの
面取り方法としては、ステントを最終形状に形成した
後、化学研磨、電解研磨もしくは機械研磨することによ
り行うことができる。化学研磨としては、ステンレス化
学研磨液に浸漬することにより行うことが好ましい。ス
テンレス化学研磨液としては、ステンレスを溶解できる
ものであればよく、例えば、塩酸と硝酸からなる混合液
を基本成分とし、これに、溶解速度調整、平滑化および
光沢性付与のための有機硫黄化合物および界面活性剤を
添加したものが好ましい。
【0057】また、ステント80の両端の両端部、言い
換えれば、両端に位置する環状体2a、2bは、他の環
状体より、波状要素の形成素材の断面積が小さいものと
してもよい。このようにすれば、ステント80が拡張し
たときに発揮する両端部分の拡張力は、他の部分に比べ
て低いものとなるが、逆に、血管の屈曲に対する追従性
が向上し、ステントの両端は血管との親和性が良好なも
のとなる。具体的には、両端の環状体2a、2bの肉厚
を薄くする方法としては、ステントを最終形状に形成し
た後、環状体2a、2b部分を化学研磨もしくは機械研
磨することにより行うことができる。
【0058】また、ステント80の中央部分にある環状
ユニット(環状体)の形成素材の断面積が最も大きく、
端部に向かうに従って、環状ユニット(環状体)の形成
素材の断面積が小さくなるようにしてもよい。具体的に
は、ステント80の中央部分にある環状ユニット34,
35,36,37,38の肉厚が厚く、端部に向かうに
従って薄くなるようにすることである。このようにする
ことにより、中央部での十分な拡張力を発揮し、かつ、
血管の屈曲に対する追従性が向上し、ステント80の両
端は血管との親和性がより良好なものとなる。また、ス
テント80の中央部分にある環状ユニットの形成素材の
幅が最も広く、端部に向かうに従って、環状ユニットの
形成素材の幅が狭くなるようにしてもよい。
【0059】さらに、このステントでは、環状ユニット
の端部(ステントの内部側)に形成される波状空間に
は、隣り合う環状ユニットの波状環状体2aの一部が侵
入している。つまり、環状ユニットの接続部付近に形成
される波状環状体の凹部に、隣り合う環状ユニットの波
状環状体2aの山部の一端部が侵入している。このた
め、このステント80は、波状環状体がステントの軸方
向に見ると部分的に重なった状態となっている。このス
テントを拡張させたときに、個々の構成要素がステント
の軸方向に短くなっても、ステントの側面における隙間
の増加が少なく、より確実に血管の狭窄部を拡張できか
つ、病変部位を隙間なく押さえることができる。そし
て、連結部181〜191が設けられる部分の環状体の
山および谷部分は、他の部分に比べて広く形成されてお
り、連結部の両側に波状環状体の山部分もしくは谷部分
の一部が侵入している。また、この実施例では、連結部
はほぼ直線状となっている。
【0060】ステント80の形成材料としては、ある程
度の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステ
ンレス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナも
しくはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベー
ス合金等が考えられる。またステント形状を作製した後
に貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステン
レス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが
好適である。さらに、ステント80の最終形状を作製し
たのち、焼なましすることが好ましい。焼きなましを行
うことにより、ステント全体の柔軟性および可塑性が向
上し、屈曲した血管内での留置性が良好となる。焼きな
ましを行わない場合に比べて、ステントを拡張した後の
拡張前形状に復元しようとする力、特に、屈曲した血管
部位で拡張したときに発現する直線状に復帰しようとす
る力が減少し、屈曲した血管内壁に与える物理的な刺激
が減少し、再狭窄の要因を減少させることができる。焼
きなましは、ステント表面に酸化被膜が形成されないよ
うに、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素と水素の混合
ガス)にて、900〜1200℃に加熱したのち、ゆっ
くりと冷却することにより行うことが好ましい。
【0061】また、ステントの非拡張時の直径は、0.
8〜1.8mm程度が好適であり、特に、1.0〜1.
6mmがより好ましい。また、ステントの非拡張時の長
さは、9〜40mm程度が好適である。また、1つの波
状環状体2a,2bの長さは、0.7〜2.0mm程度
が好適であり、一つの環状ユニットの長さは、1.5〜
4.0mm程度が好適であり、特に、2.0〜3.0m
mがより好ましい。また、接続部4の長さは、0.01
〜0.5mm程度が好適である。また、環状ユニットの
数としては、3〜50が好適である。また、隣り合う環
状ユニットの構成要素(環状体)がステントの軸方向に
重なる長さは、0.5〜1mmが好適である。また、環
状ユニット間の中心間距離は、1.3〜2.5mmが好
適である。連結部51,52,53,54,55,5
6,57,58,59の長さは、1.4〜2.7mmが
好適である。さらに、ステントの中心軸に対する連結部
の傾斜角(展開図で見たときの長手方向に対する傾斜
角)は、0゜〜30゜程度が好ましく、特に、5゜〜2
5゜が好適である。さらに、ステントの環状体形成部
(波状要素、波状線状要素)2a,2bおよび連結部5
1,52,53,54,55,56,57,58,59
の肉厚としては、0.05〜0.15mm程度が好適で
あり、特に、0.08〜0.12mmが好適であり、幅
は、0.07〜0.15mm程度が好適であり、特に、
0.08〜0.12mmが好適である。また、ステント
の接続部の肉厚としては、0.05〜0.12mm程度
が好適であり、特に、0.06〜0.10mmが好適で
あり、幅は、0.01〜0.05mm程度が好適であ
り、特に、0.02〜0.04mmが好適である。ま
た、接続部の断面積は、ステントの他の部分(環状体お
よび連結部)の断面積の1/50〜1/2程度であるこ
とが好ましく、特に、1/20〜1/10程度であるこ
とが好ましい。
【0062】次に、本発明の他の実施例のステントにつ
いて、図面を参照して説明する。図24は、ステントの
他の実施例の正面図である。図25は、図24に示した
ステントの展開図である。図24に示したステントの拡
径時の部分拡大図として、図22を参照する。図24に
示したステントの接続部を破断し拡張したときの部分拡
大図として、図23を参照する。本発明のステント90
は、略管状体に形成され、生体内への挿入のための直径
を有し、管状体の内部より半径方向外方に広がる力が付
加されたときに伸張可能なものであり、いわゆるバルー
ンエキスパンダブルステントである。ステント90は、
細い波状要素により環状に形成されるとともにステント
の軸方向に複数配列された波状環状体(波状線状環状
体)2a、2bと、波状環状体2a、2bを軸方向に接
続する接続部4を備える。そして、少なくともステント
90の中央付近に位置する接続部4は、他の部分に比べ
て脆弱かつ破断可能となっている。このため、ステント
90は、半径方向に拡張後(拡径後)のステントの内部
よりステントの側面を貫通するように拡張バルーンカテ
ーテルを挿通可能であり、かつ接続部4は、拡張バルー
ンカテーテルのバルーンの拡張により破断可能となって
いる。
【0063】具体的には、ステント90は、図24およ
び図25に示すように、細い波状要素(好ましくは、エ
ッジのないもの)により環状に形成された第1の波状環
状体2aと、第1の波状環状体の谷部に山部が近接する
ようにステント90の軸方向に配置されるとともに細い
波状要素(好ましくは、エッジのないもの)により環状
に形成された第2の波状環状体2bと、第1の波状環状
体2aの谷部と第2の波状環状体2bの山部とを接続す
る複数の細い接続部4(好ましくは、エッジのないも
の)と、第1の波状環状体2aの谷部と第2の波状環状
体2bの山部が一体化(融合)した一体化部(融合部)
81を備える複数の環状ユニット31,32,33,3
4,35,36,37,38,39,40,41,42
からなる。そして、複数の環状ユニットは、ステントの
軸方向にほぼ直線状となるように配列されるとともに、
隣り合う環状ユニットの波状要素(波状環状体2bと2
a)を連結する細い連結部181〜202(好ましく
は、エッジのないもの)を備えている。これにより、筒
状のステントが形成されている。一つの環状ユニット
は、3つの一体化部を備えている。なお、3つの一体化
部は、隣り合わないように設けられている。連結部18
1〜202は、一体化部(融合部)81を連結するよう
に設けられている。連結部181〜191は、隣り合う
環状ユニット間に2つ形成されている。連結部181〜
202は、隣り合う連結部と連続するように配置されて
いる。しかし、連結部181〜202は、2つ連続する
が、3つ以上は連続していない。連結部181〜202
は、ステントの軸方向に対して、交互に向きが異なるよ
うに形成されている。隣り合う同じ環状ユニットを連結
する連結部は、ステントの軸方向に対して、同じ向きと
なるように形成されている。連続する連結部は、図24
および図25に示すように、屈曲している。連続する連
結部は、連結部連続体ということができ、連結部連続体
は、3つの環状ユニットを連結する。連結部連続体は、
中央部において屈曲している。具体的には、連結部連続
体は、連結される3つの環状ユニットの中央に位置する
環状ユニットの一体化部において屈曲している。連結部
連続体は、隣に位置する連結部連結体と屈曲方向が異な
っている。連結部連続体は、一つ置きの連結部連続体と
屈曲の方向がほぼ同じとなっている。それぞれの連結部
連続体は、ステントの中心軸に対して、120度ずつず
れて配置されるとともに、1つの連結部(連結部連続体
の半分)ずつステントの後端方向にずれるように配置さ
れている。このため、連結部連続体は、ステントの外面
にスパイラル状に配置されている。また、両端を除く隣
り合う環状ユニットには、1つの連結部連続体の後部側
(連続部連結体の後部側半分)と他の連結部連続体(具
体的には、隣に位置する連結部連続体)の前部側(連続
部連結体の前部側半分)とが位置している。このため、
連結部連続体は、ステントの軸方向に対して、1つの連
結部(連結部連続体の半分)が重なるように配置される
とともに、連結部連続体の全体が重ならないように配置
されている。このように連結部(連結部連続体)を配置
することにより、ステントは、拡径時における円筒形状
保持力が高くなる。また、ステントは、連結部に起因す
る屈曲方向性をあまり持たない。なお、一体化部(融合
部)81の配置ならびに連結部の形状はこれに限定され
るものではない。
【0064】そして、ステント90においても、少なく
ともステント90の中央付近に位置する接続部4は、他
の部分に比べて脆弱かつ破断可能となっている。ステン
ト90は、見方を変えれば、多数の環状ユニットが、連
結部により連結したことにより構成された管状体であ
る。ステント90の環状体2a、2bは、図24および
その展開図である図25に示すように、一体化部形成部
を除きほぼ同じピッチの6つの山と谷を有し、環状に連
続した無端の波状体により構成されている。なお、環状
体の山(もしくは谷)の数は、4〜8が好適である。そ
して、第1の波状環状体2aの谷部に山部が近接するよ
うに軸方向に配置された第2の波状環状体2bは、一体
化部(融合部)81により部分的に一体となっている。
さらに、他の部分では、第1の波状環状体の谷部と第2
の波状環状体の山部とが複数の短い接続部4により接続
されている。これにより、1つの環状ユニットを構成し
ている。この実施例では、第1の波状環状体2aのすべ
ての谷部と第2の波状環状体2bは、一体化部(融合
部)81を除くすべて山部とが接続部4により接続され
ており、1つの環状ユニットは、3つ(環状体の山もし
くは谷の数より3つ少ない)の接続部4を備えている。
【0065】そして、少なくともステントの中央付近に
位置する接続部4は、他の部分に比べて脆弱かつ破断可
能となっている。この実施例のステント90では、図2
4および図25に示すように、すべての接続部4は、ス
テント90の他の部分、言い換えれば、環状体2a、2
bおよび連結部181〜202より、断面積が小さく
(言い換えれば、さらに細く)形成されており、脆弱部
となっている。特に、この実施例では、接続部4は、他
の部分に比べて、肉厚はほぼ同じでありかつ幅が狭くな
っている。環状体2a、2bではなく接続部4を脆弱に
しており、環状体2a、2bには、脆弱部は形成されて
いない。環状体2a、2bに脆弱部を設けると、ステン
ト90の拡張時に自然破断し、拡張度の拡張力の低下を
招くおそれがある。しかし、接続部4を脆弱としても、
ステントの拡張時に、接続部4はほとんど変形しないた
め、拡張時において脆弱部4が自然破断することは極め
て少ない。なお、このステント90では、すべての接続
部4が脆弱となっているが、上述した図7に示したステ
ントのように、ステントの中央付近に位置する接続部の
み脆弱なものとしてもよい。すべての接続部のうち脆弱
とされる接続部が位置する部分の長さは、ステントの全
長の30〜60%程度が好適であり、この部分の中央が
ステントの軸方向のほぼ中央となるように形成される。
また、この実施例では、両端部付近に位置する接続部4
bは、環状体2a,2bの波状要素と同じ幅に形成され
ており、脆弱部を備えていない。
【0066】さらに、接続部4a,4bの全体を脆弱部
とするのではなく、上述した図8ないし図12に示すス
テントのように、接続部自体は、他の部分と同じとし、
接続部に、ステントの他の構成部分より断面積が小さく
形成された脆弱部を設けてもよい。この場合の脆弱部の
形態としては、例えば、接続部の側面より互い違いの方
向から切り込みを入れたもの、接続部の側面より接続部
の幅の中央部に達するように一つ切り込みを設けたも
の、接続部の側面より接続部の幅の中央方向に向かい合
うように2つの切り込みを設けたもの、さらには、接続
部の他の部分より細径(狭小)もしくは肉薄さらには細
径(狭小)かつ肉薄とした部分を形成したものなどが考
えられる。
【0067】そして、本発明のステント90は、半径方
向に拡張後のステントの内部よりステントの側面を貫通
するように拡張バルーンカテーテルを挿通可能であり、
かつ接続部は、図23に示すように、拡張バルーンカテ
ーテルのバルーンの拡張により破断可能となっている。
拡張されたステント90は、各環状体が拡張形状を保持
するため、全体としても拡張形状を保持する。そして、
拡張されたステントの壁面に、ガイドワイヤーにより誘
導して拡張バルーンカテーテルを挿入し拡張すると、ス
テントの接続部は切断され、ほぼバルーンの拡張径と同
じ大きさの穴がステント壁面に形成される。もし脆弱な
接続部がなければ、バルーンはステントの伸びきった空
間以上の穴は確保できず、無理に拡張すれば破裂するこ
とになる。逆に、脆弱であって接続部を備えることによ
り、血管内での形状安定性を高くすることができる。
【0068】そして、隣り合う環状ユニット31〜42
の波状環状体を連結する連結部181〜202は、ステ
ント90が拡張されても実質的に変化しない。連結部1
81〜202および接続部4が、ステント90の拡張に
よって、実質的に変化しないので、ステント90全体の
全長は、拡張前と拡張後においてほとんど変化せず、拡
張後にステントが短くなることがない。連結部181〜
202は、隣り合う環状ユニット31〜42を一カ所の
み連結するように設けられている。二か所以上連結して
もよいが、血管の変形に対する追従性を良好とするため
に、実施例のように、一カ所のみ連結することが好まし
い。さらに、連結部181〜202は、隣り合う連結部
と連続するように配置してもよい。
【0069】また、接続部4を破断時に拡張バルーンに
与える損傷を少なくするために、ステントの波状要素の
エッジは面取りされていることが好ましい。ステントの
面取り方法としては、ステントを最終形状に形成した
後、化学研磨、電解研磨もしくは機械研磨することによ
り行うことができる。化学研磨としては、ステンレス化
学研磨液に浸漬することにより行うことが好ましい。ス
テンレス化学研磨液としては、ステンレスを溶解できる
ものであればよく、例えば、塩酸と硝酸からなる混合液
を基本成分とし、これに、溶解速度調整、平滑化および
光沢性付与のための有機硫黄化合物および界面活性剤を
添加したものが好ましい。また、ステント90の両端の
両端部、言い換えれば、両端に位置する環状体2a、2
bは、他の環状体より、波状要素の形成素材の断面積が
小さいものとしてもよい。このようにすれば、ステント
90が拡張したときに発揮する両端部分の拡張力は、他
の部分に比べて低いものとなるが、逆に、血管の屈曲に
対する追従性が向上し、ステントの両端は血管との親和
性が良好なものとなる。具体的には、両端の環状体2
a、2bの肉厚を薄くする方法としては、ステントを最
終形状に形成した後、環状体2a、2b部分を化学研磨
もしくは機械研磨することにより行うことができる。ま
た、ステント90の中央部分にある環状ユニット(環状
体)の形成素材の断面積が最も大きく、端部に向かうに
従って、環状ユニット(環状体)の形成素材の断面積が
小さくなるようにしてもよい。具体的には、ステント9
0の中央部分にある環状ユニット34,35,36,3
7,38の肉厚が厚く、端部に向かうに従って薄くなる
ようにすることである。このようにすることにより、中
央部での十分な拡張力を発揮し、かつ、血管の屈曲に対
する追従性が向上し、ステント90の両端は血管との親
和性がより良好なものとなる。また、ステント90の中
央部分にある環状ユニットの形成素材の幅が最も広く、
端部に向かうに従って、環状ユニットの形成素材の幅が
狭くなるようにしてもよい。
【0070】さらに、このステントでは、環状ユニット
の端部(ステントの内部側)に形成される波状空間に
は、隣り合う環状ユニットの波状環状体2aの一部が侵
入している。つまり、環状ユニットの接続部付近に形成
される波状環状体の凹部に、隣り合う環状ユニットの波
状環状体2aの山部の一端部が侵入している。このた
め、このステント90は、波状環状体がステントの軸方
向に見ると部分的に重なった状態となっている。このス
テントを拡張させたときに、個々の構成要素がステント
の軸方向に短くなっても、ステントの側面における隙間
の増加が少なく、より確実に血管の狭窄部を拡張できか
つ、病変部位を隙間なく押さえることができる。そし
て、連結部181〜202が設けられる部分の環状体の
山および谷部分は、他の部分に比べて広く形成されてお
り、連結部の両側に波状環状体の山部分もしくは谷部分
の一部が侵入している。また、この実施例では、連結部
はほぼ直線状となっている。
【0071】ステント90の形成材料としては、ある程
度の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステ
ンレス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナも
しくはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベー
ス合金等が考えられる。またステント形状を作製した後
に貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステン
レス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが
好適である。さらに、ステント90の最終形状を作製し
たのち、焼なましすることが好ましい。焼きなましを行
うことにより、ステント全体の柔軟性および可塑性が向
上し、屈曲した血管内での留置性が良好となる。焼きな
ましを行わない場合に比べて、ステントを拡張した後の
拡張前形状に復元しようとする力、特に、屈曲した血管
部位で拡張したときに発現する直線状に復帰しようとす
る力が減少し、屈曲した血管内壁に与える物理的な刺激
が減少し、再狭窄の要因を減少させることができる。焼
きなましは、ステント表面に酸化被膜が形成されないよ
うに、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素と水素の混合
ガス)にて、900〜1200℃に加熱したのち、ゆっ
くりと冷却することにより行うことが好ましい。
【0072】また、ステントの非拡張時の直径は、0.
8〜1.8mm程度が好適であり、特に、1.0〜1.
6mmがより好ましい。また、ステントの非拡張時の長
さは、9〜40mm程度が好適である。また、1つの波
状環状体2a,2bの長さは、0.7〜2.0mm程度
が好適であり、一つの環状ユニットの長さは、1.5〜
4.0mm程度が好適であり、特に、2.0〜3.0m
mがより好ましい。また、接続部4の長さは、0.01
〜0.5mm程度が好適である。また、環状ユニットの
数としては、3〜50が好適である。また、隣り合う環
状ユニットの構成要素(環状体)がステントの軸方向に
重なる長さは、0.5〜1mmが好適である。また、環
状ユニット間の中心間距離は、1.3〜2.5mmが好
適である。連結部51,52,53,54,55,5
6,57,58,59の長さは、1.4〜2.7mmが
好適である。さらに、ステントの中心軸に対する連結部
の傾斜角(展開図で見たときの長手方向に対する傾斜
角)は、0゜〜30゜程度が好ましく、特に、5゜〜2
5゜が好適である。
【0073】さらに、ステントの環状体形成部(波状要
素、波状線状要素)2a,2bおよび連結部51,5
2,53,54,55,56,57,58,59の肉厚
としては、0.05〜0.15mm程度が好適であり、
特に、0.08〜0.12mmが好適であり、幅は、
0.07〜0.15mm程度が好適であり、特に、0.
08〜0.12mmが好適である。また、ステントの接
続部の肉厚としては、0.05〜0.12mm程度が好
適であり、特に、0.06〜0.10mmが好適であ
り、幅は、0.01〜0.05mm程度が好適であり、
特に、0.02〜0.04mmが好適である。また、接
続部の断面積は、ステントの他の部分(環状体および連
結部)の断面積の1/50〜1/2程度であることが好
ましく、特に、1/20〜1/10程度であることが好
ましい。
【0074】次に、本発明の血管拡張器具を図面に示す
実施例を用いて説明する。図14は、本発明の実施例の
生体器官拡張器具の正面図である。図15は、図14に
示した生体器官拡張器具の先端部の拡大部分断面図であ
る。図16は、図14に示した生体器官拡張器具の後端
部の拡大断面図である。また、図17は、本発明の他の
実施例の生体器官拡張器具の先端部の拡大部分断面図で
ある。
【0075】本発明の血管拡張器具100は、チューブ
状のシャフト本体部102と、シャフト本体部102の
先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン
103と、折り畳まれた状態のバルーン103を被包す
るように装着され、かつバルーン103の拡張により拡
張されるステント1とを備えるものである。
【0076】そして、ステント1は、上述した略管状体
に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、
管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたとき
に拡張可能なものであり、かつ、波状要素により環状に
形成されるとともにステント1の軸方向に複数配列され
た波状環状体と、各波状環状体を軸方向に接続する接続
部とを備え、さらに、ステントの中央付近に位置する接
続部は、他の部分に比べて脆弱かつ破断可能となってい
るものが用いられている。
【0077】さらに、本発明の血管拡張器具100は、
シャフト本体部102は、一端がバルーン103内と連
通するバルーン拡張用ルーメンを備える。生体器官拡張
器具100は、ステントの中央部となる位置のシャフト
本体部の外面に固定されたX線造影性部材105もしく
はステントの中央部分の所定長の両端となる位置のシャ
フト本体部の外面に固定された2つのX線造影性部材1
05a,105bを備えている。
【0078】この実施例の生体器官拡張器具100で
は、図14に示すように、シャフト本体部102は、シ
ャフト本体部102の先端にて一端が開口し、シャフト
本体部102の後端部にて他端が開口するガイドワイヤ
ールーメン115を備えている。この生体器官拡張器具
100は、シャフト本体部102と、シャフト本体部1
02の先端部に固定されたステント拡張用バルーン10
3と、このバルーン103を上に装着されたステント1
とを備える。シャフト本体部102は、内管112と外
管113と分岐ハブ110とを備えている。
【0079】内管112は、図15および図16に示す
ように、内部にガイドワイヤーを挿通するためのガイド
ワイヤールーメン115を備えるチューブ体である。内
管112としては、長さは、100〜2000mm、よ
り好ましくは、150〜1500mm、外径が、0.1
〜1.0mm、より好ましくは、0.3〜0.7mm、
肉厚10〜150μm、より好ましくは、20〜100
μmのものである。そして、内管112は、外管113
の内部に挿通され、その先端部が外管113より突出し
ている。この内管112の外面と外管113の内面によ
りバルーン拡張用ルーメン116が形成されており、十
分な容積を有している。外管113は、内部に内管11
2を挿通し、先端が内管112の先端よりやや後退した
部分に位置するチューブ体である。
【0080】外管113としては、長さは、100〜2
000mm、より好ましくは、150〜1500mm、
外径が、0.5〜1.5mm、より好ましくは、0.7
〜1.1mm、肉厚25〜200μm、より好ましく
は、50〜100μmのものである。
【0081】この実施例の生体器官拡張器具100で
は、外管113は、先端側外管113aと本体側外管1
13bにより形成され、両者が接合されている。そし
て、先端側外管113aは、本体側外管113bとの接
合部より先端側の部分において、テーパー状に縮径し、
このテーパー部より先端側が細径となっている。
【0082】先端側外管113aの細径部での外径は、
0.50〜1.5mm、好ましくは0.60〜1.1m
mである。また、先端側外管113aの基端部および本
体側外管113bの外径は、0.75〜1.5mm、好
ましくは0.9〜1.1mmである。
【0083】そして、バルーン103は、先端側接合部
103aおよび後端側接合部103bを有し、先端側接
合部103aが内管112の先端より若干後端側の位置
に固定され、後端側接合部103bが外管の先端に固定
されている。また、バルーン103は、基端部付近にて
バルーン拡張用ルーメン116と連通している。
【0084】内管112および外管113の形成材料と
しては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例
えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリ
コーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは
上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリオレ
フィンである。
【0085】バルーン103は、図15に示すように、
折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内
管112の外周に折りたたまれた状態となることができ
るものである。バルーン103は、装着されるステント
1を拡張できるようにほぼ同一径の筒状部分(好ましく
は、円筒部分)となった拡張可能部を有している。略円
筒部分は、完全な円筒でなくてもよく、多角柱状のもの
であってもよい。そして、バルーン103は、上述のよ
うに、先端側接合部103aが内管112にまた後端側
接合部103bが外管113の先端に接着剤または熱融
着などにより液密に固着されている。また、このバルー
ン103では、拡張可能部と接合部との間がテーパー状
に形成されている。
【0086】バルーン103は、バルーン103の内面
と内管112の外面との間に拡張空間103cを形成す
る。この拡張空間103cは、後端部ではその全周にお
いて拡張用ルーメン116と連通している。このよう
に、バルーン103の後端は、比較的大きい容積を有す
る拡張用ルーメンと連通しているので、拡張用ルーメン
116よりバルーン内への拡張用流体の注入が確実であ
る。
【0087】バルーン103の形成材料としては、ある
程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオ
レフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、
ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタ
ン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト)、ポリアリレーンサルファイド(例えば、ポリフェ
ニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴ
ム、ラテックスゴム等が使用できる。特に、延伸可能な
材料であることが好ましく、バルーン103は、高い強
度および拡張力を有する二軸延伸されたものが好まし
い。
【0088】バルーン103の大きさとしては、拡張さ
れたときの円筒部分(拡張可能部)の外径が、2〜4m
m、好ましくは2.5〜3.5mmであり、長さが10
〜50mm、好ましくは20〜40mmである。また、
先端側接合部103aの外径が、0.9〜1.5mm、
好ましくは1〜1.3mmであり、長さが1〜5mm、
好ましくは1〜1.3mmである。また、後端側接合部
103bの外径が、1〜1.6mm、好ましくは1.1
〜1.5mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは、
2〜4mmである。
【0089】そして、この血管拡張器具100は、図1
5に示すように、ステント1の中央部分の所定長の両端
となる位置のシャフト本体部102(この実施例では、
内管112)の外面に固定された2つのX線造影性部材
105a、105bを備えている。このため、ステント
1を分岐部のある血管に導入する際に、分岐部にステン
ト1の中央部が配置されるように留置することが容易で
ある。2つのX線造影性部材105aと105bの離間
距離は、2〜5mm程度が好適であり、また、2つのX
線造影性部材105aと105bの離間距離は、ステン
トの全長の10〜70%程度、好ましくは10〜50%
程度であることが好適である。
【0090】なお、図17に示す実施例の血管拡張器具
200のように、ステントの中央部となる位置のシャフ
ト本体部の外面に固定された単独のX線造影性部材10
5を設けたものでもよい。さらに、この血管拡張器具1
00は、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部)の両
端となる位置のシャフト本体部の外面に固定された2つ
のX線造影性部材117、118を備えている。
【0091】X線造影性部材105、105a、105
b、117、118は、所定の長さを有するリング状の
もの、もしくは線状体をコイル状に巻き付けたものなど
が好適であり、形成材料は、例えば、金、白金、タング
ステンあるいはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム
合金等が好適である。本発明の生体器官拡張器具10
0、200に使用されるステント1としては、上述した
すべてのステントが使用できる。
【0092】また、図16に示すように、内管112と
外管113との間(バルーン拡張用ルーメン116内)
には、線状の剛性付与体133が挿入されている。剛性
付与体133は、生体器官拡張器具100の可撓性をあ
まり低下させることなく、屈曲部位での生体器官拡張器
具100の本体部102の極度の折れ曲がりを防止する
とともに、生体器官拡張器具100の先端部の押し込み
を容易にする。剛性付与体133の先端部は、他の部分
より研磨などの方法により細径となっている。また、剛
性付与体133は、細径部分の先端が、本体部外管11
3の先端部付近まで延びていることが好ましい。剛性付
与体としては、金属線であることが好ましく、線径0.
05〜1.50mm、好ましくは0.10〜1.00m
mのステンレス鋼等の弾性金属、超弾性合金などであ
り、特に好ましくは、ばね用高張力ステンレス鋼、超弾
性合金線である。
【0093】この実施例の生体器官拡張器具100で
は、図16に示すように、基端に分岐ハブ110が固定
されている。分岐ハブ110は、ガイドワイヤールーメ
ン115と連通しガイドワイヤーポートを形成するガイ
ドワイヤー導入口109を有し、内管112に固着され
た内管ハブ122と、バルーン拡張用ルーメン116と
連通しインジェクションポート111を有し、外管11
3に固着された外管ハブ123とからなっている。そし
て、外管ハブ123と内管ハブ122とは、固着されて
いる。この分岐ハブ110の形成材料としては、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレー
ト、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の
熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
【0094】この実施例では、外管113の末端部に
は、折曲がり防止用チューブ150を有している。折曲
がり防止用チューブ150は、熱収縮性を有するものに
て、熱収縮後の内径が外管113の外径より若干小さく
なるように形成し、このように形成されたチューブ15
0を外管113の末端部に被嵌し、加熱(例えば、熱風
をあてる)させて収縮させることにより取り付けられて
いる。そして、折曲がり防止用チューブ150は、外管
ハブ123に止めピン152により固定されている。こ
の固定方法は、外管113の後端に後端部分以外の部分
の外径が外管113の内径とほぼ等しく、拡径した後端
部分を有する止めピン152を差し込み、外管113を
その先端から外管ハブ123に挿入し、外管ハブ123
の内面に設けられた突起154を止めピン152の後端
部分が越えるまで押し込むことにより行われている。さ
らに、外管ハブ123と折曲がり防止用チューブ150
との接触面に接着剤を塗布して固着してもよい。
【0095】また、内管112の末端部には、折曲がり
防止用チューブ160を有している。このチューブ16
0は、熱収縮性を有するものにて、熱収縮後の内径が内
管112の外径より若干小さくなるように形成され、こ
の熱収縮性を有するチューブ160を内管112の末端
部に被嵌し、加熱(例えば、熱風をあてる)させて収縮
させることにより容易に取り付けることができる。そし
て、剛性付与体133の基端部は、この収縮チューブ1
60により内管112の外面に固定されている。そし
て、折曲がり防止用チューブ160を取り付けた内管1
12は、内管ハブ122に固定されている。この固定方
法は、内管112の後端に後端部分以外の部分の外径が
内管112の内径とほぼ等しく、拡径した後端部分を有
する止めピン162を差し込み、内管112をその先端
から内管ハブ122に挿入し、内管ハブ122の内面に
設けられた突起164を止めピン162の後端部分が越
えるまで押し込むことにより行われている。さらに、内
管ハブ122と折曲がり防止用チューブ160との接触
面に接着剤を塗布して固着してもよい。
【0096】外管ハブ、内管ハブおよびの形成材料とし
ては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、
ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン
共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
【0097】そして、内管ハブ122と外管ハブ123
とは固定されている。この固定は、外管113の基端部
に取り付けられた外管ハブ123の後端から内管112
をその先端から挿入し接合することにより行われてい
る。またこの時、内管ハブ122と外管ハブ123との
接合部に接着剤を塗布して行うことにより確実に両者を
固着することができる。
【0098】なお、生体器官拡張器具100の基端の構
造は、上記のようなものに限定されるものではなく、分
岐ハブ110を設けず、ガイドワイヤールーメン11
5、バルーン拡張用ルーメン116それぞれに、例えば
後端に開口部を形成するポート部材を有するチューブを
液密に取り付けるようにしてもよい。
【0099】次に、本発明のステントの使用方法ならび
に本発明の血管拡張器具の使用方法を血管分岐部にステ
ントを留置する場合を用いて説明する。図18および図
19は、本発明のステントの作用ならびに血管拡張器具
の作用を説明するための説明図である。
【0100】上述した血管拡張器具100は、ステント
1と、ステント1を血管内で拡張させるためのバルーン
カテーテルを備えている。そして、この拡張器具は、例
えば、シース内に挿入され、かつ、血管拡張器具内にガ
イドワイヤが導入され、ガイドワイヤに導かれて分岐部
のある血管狭窄部に導入される。そして、ガイドワイヤ
ーを血管の狭窄部を通過させた後、ガイドワイヤーに沿
わせて血管拡張器具を進行させる。そして、狭窄部にシ
ースとともに血管拡張器具を侵入させた後、X線透視下
で、ステントの中央部を示す2つのX線造影部材が、分
岐部をまたぐように血管拡張器具を狭窄部内に位置させ
て、その位置でシースのみを後退させる。次に、バルー
ン内に造影剤を高圧で注入しその力でバルーンを拡張さ
せる。バルーンの拡張により、ステント1は、半径方向
に径が拡がるように塑性変形して拡張(膨張)し、狭窄
部を押し広げる。次に、バルーンの圧力を除去して収縮
させる。ステントは、塑性変形による拡張保持力(形状
保持力)があるので収縮せずその位置にとどまり、血管
を拡張した状態を維持し続け、血流障害を改善する。
【0101】そして、分岐血管への良好な血流を確保す
るため、さらには、分岐血管にステントを留置するため
などの必要がある場合には、分岐血管の分岐開口部に位
置するステントの側面を部分的に破断する作業を行う。
このステント側面部分的破断作業では、まず最初に、図
18に示すように、血管170内にガイドワイヤー17
1を導入し、その先端をステント1の側面を貫通させ
て、分岐血管172内に侵入させる。そして、上述した
血管拡張器具において用いられているような拡張体付カ
テーテル173であり、かつ、ステントの側面を貫通可
能なもの(例えば、そのような外径を有するもの)を先
端が分岐血管172内到達するようにガイドワイヤを用
いて誘導し、カテーテル173のバルーン174の中央
付近がステント1の側面を横切るように配置する。この
状態が、図18に示す状態である。
【0102】そして、バルーンを拡張させることによ
り、図19に示すように、ステント1の脆弱部である接
続部4は、破断され、ステント1の側面に他の部分に比
べて大きく開口する側面拡大開口部177が形成され
る。これにより、ステント1による主血管170から分
岐血管172に流れる血液流の阻害が少なくなり、さら
には、この側面拡大開口部177を用いて、分岐血管1
72への他のバルーンカテーテル、血管拡張器具の挿
入、さらにはステントの留置も可能となる。
【0103】
【実施例】(実施例1)ステンレス鋼(SUS316
L)の直径1.4mm、肉厚0.10mmのものを、長
さ100mmに切断した金属パイプを用いた。ステント
の製造方法としては、金属パイプからステントの部分を
くり抜く方法を用いた。パイプよりステントをくり抜く
方法としては各種の方法が考えられる。例えば、フォト
ファブリケーションと呼ばれるマスキングと化学薬品を
使用したエッチング方法、型による放電加工法、機械的
な切削加工法がある。ここでは、最も簡単で加工精度の
高いレーザー加工法を用いた。レーザー加工機として
は、NEC社製のYAGレーザー(商品名SL116
E)を用いた。金属パイプを軸がぶれないようにファス
ナー機構のついた回転モーター付治具にセットし、更に
これを数値制御可能なXYテーブル上にセットした。そ
して、XYテーブルおよび回転モーターをパーソナルコ
ンピュータに接続し、パーソナルコンピュータの出力
が、XYテーブルの数値制御コントローラーおよび回転
モーターに入力されるものとした。パーソナルコンピュ
ータ内には図面ソフトが記憶されており、ここに図2に
示すような構図のステントのステントの展開図面を入力
した。このような構成により、パーソナルコンピュータ
より出力される図面データに基づいて、XYテーブルお
よび回転モーターが駆動する。そこにレーザーを照射す
ることにより、図1に示すような形状のステント構造物
を作製した。
【0104】なお、レーザー光がパイプを貫通すること
を防ぐため、パイプの中に心棒を挿入した。上記金属パ
イプのレーザー加工条件としては、電流値25A,出力
1.5W、駆動スピード10mm/分にて行った。な
お、上記のようなシステムに限らず、レーザー加工機が
駆動するいわゆるレーザーマーカー(ガルバノメーター
方式)であってもよい。
【0105】このようにして、図1ないし図3に示す形
状を有するステント構造物を作製した。そして、ステン
レス用化学研磨液(三新化学工業株式会社製、商品名サ
ンビット505,塩酸と硝酸からなる混合液を基本成分
とし有機硫黄化合物および界面活性剤が添加されたも
の)を約98℃加温したものに、上記のステント構造物
を約10分間浸漬し、面取り(バリ取り、化学研磨)を
行った。このようにして、図1ないし図3に示す形状を
有する本発明のステントを作製した。作製されたステン
トは、全長が、20mm、外径1.4mm、波状要素
(波状環状体)および連結部を構成する部分の幅は、
0.12mm、接続部の幅は、0.03mm、長さは、
0.1mmであり、ステント全体の肉厚は、約0.08
mmであった。
【0106】(実施例2)実施例1と同様に、ステンレ
ス鋼(SUS316L)の直径1.4mm、肉厚0.1
0mmのものを、長さ100mmに切断した金属パイプ
を用いた。実施例1と同様の方法により、かつ、パーソ
ナルコンピュータの図面ソフトに、図5に示すような構
図のステントの展開図面を入力した。
【0107】このようにして、図4ないし図7に示す形
状を有する本発明のステントを作製し、実施例1と同様
に面取りした。作製されたステントは、全長が、20m
m、外径1.4mm、波状要素(波状環状体)および接
続部を構成する部分の幅は、0.12mm、接続部のス
リット形成部(脆弱部)の最も狭い部分幅は、0.02
mmであり、接続部の長さは、3mmであり、ステント
全体の肉厚は、約0.08mmであった。
【0108】(比較例1)実施例1と同様の方法を用い
て、接続部を除き、図1ないし図3に示す形状を有する
ステントを作製した。作製されたステントは、全長が、
20mm、外径1.4mm、波状要素(波状環状体)、
連結部および接続部を構成する部分の幅は、0.12m
m、接続部の長さは、0.1mmであり、ステント全体
の肉厚は、約0.08mmであった。
【0109】(比較例2)実施例2と同様の方法を用い
て、接続部に脆弱部を設けない以外は、図4ないし図7
に示す形状を有するステントを作製した。作製されたス
テントは、全長が、20mm、外径1.4mm、波状要
素(波状環状体)および接続部を構成する部分の幅は、
0.12mm、接続部の長さは、3mmであり、ステン
ト全体の肉厚は、約0.08mmであった。
【0110】(実験1)実施例1、実施例2、比較例1
および比較例2のそれぞれのステントをPTCA用拡張
カテーテル(バルーンカテーテル)のバルーン部にマウ
ントし、直径3mmに拡張した。拡張することにより、
実施例1および比較例1のステントは、図4に示すよう
に、また、実施例2および比較例2のステントは、図1
1に示すように変形したが、すべてのステントにおい
て、接続部での破断は生じなかった。
【0111】(実験2)実施例1、実施例2、比較例1
および比較例2のそれぞれのステントに、ステントの内
腔よりステントの側壁を貫通し、外側に先端が突出する
ように拡張時3mmになるPTCA用拡張カテーテル
(バルーンカテーテル)を挿入した。そして、バルーン
が側壁を横切る状態とした後、バルーンを拡張しとこ
ろ、実施例1および実施例2のステントでは、1カ所の
接続部が破断され、バルーンは3mmに拡張することが
できた。なお、実施例1のステントの切断ポイントは、
肉厚は約0.08mm、幅は0.03mm、断面積は、
0.0024mmであった。また、実施例2のステン
トの切断ポイントは、肉厚は約0.09mm、幅は0.
02mmで断面積は約0.0016mmであった。こ
れに対して、比較例1および比較例2のステントでは、
拡張時のバルーン圧力が約16atmになった時、バル
ーンが破裂した。
【0112】(実施例3)実施例1と同様に、ステンレ
ス鋼(SUS316L)の直径1.4mm、肉厚0.1
mmのものを、長さ100mmに切断した金属パイプを
用いた。実施例1と同様の方法により、かつ、パーソナ
ルコンピュータの図面ソフトに、図21に示すような構
図のステントの展開図面を入力した。このようにして、
図20に示す形状を有する本発明のステントを作製し、
実施例1と同様に面取りした。作製されたステントは、
全長が、20mm、外径1.4mm、波状要素(波状環
状体)および連結部を構成する部分の幅は、0.12m
m、一体化部の幅は、0.20mm、接続部の幅は、
0.03mmであり、接続部の長さは、0.05mmで
あり、ステント全体の肉厚は、約0.08mmであっ
た。
【0113】(実施例4)実施例1と同様に、ステンレ
ス鋼(SUS316L)の直径1.4mm、肉厚0.1
mmのものを、長さ100mmに切断した金属パイプを
用いた。実施例1と同様の方法により、かつ、パーソナ
ルコンピュータの図面ソフトに、図25に示すような構
図のステントの展開図面を入力した。このようにして、
図24に示す形状を有する本発明のステントを作製し、
実施例1と同様に面取りした。作製されたステントは、
全長が、20mm、外径1.4mm、波状要素(波状環
状体)および連結部を構成する部分の幅は、0.12m
m、一体化部の幅は、0.20mm、接続部の幅は、
0.03mmであり、接続部の長さは、0.05mmで
あり、ステント全体の肉厚は、約0.08mmであっ
た。
【0114】(比較例3)実施例1と同様の方法を用い
て、接続部を除き、図20に示す形状を有するステント
を作製した。作製されたステントは、全長が、20m
m、外径1.4mm、波状要素(波状環状体)および連
結部を構成する部分の幅は、0.12mm、一体化部の
幅は、0.20mm、接続部の幅は、0.10mmであ
り、接続部の長さは、0.05mmであり、ステント全
体の肉厚は、約0.08mmであった。
【0115】(比較例4)実施例1と同様の方法を用い
て、接続部を除き、図24に示す形状を有するステント
を作製した。作製されたステントは、全長が、20m
m、外径1.4mm、波状要素(波状環状体)および連
結部を構成する部分の幅は、0.12mm、一体化部の
幅は、0.20mm、接続部の幅は、0.10mmであ
り、接続部の長さは、0.05mmであり、ステント全
体の肉厚は、約0.08mmであった。
【0116】(実験3)実施例3,4および比較例3,
4のそれぞれのステントをPTCA用拡張カテーテル
(バルーンカテーテル)のバルーン部にマウントし、直
径3mmに拡張した。拡張することにより、実施例3,
4および比較例3,4のステントは、拡径した。また、
両ステントとも、接続部での破断は生じなかった。
【0117】(実験4)実施例3,4および比較例3,
4のそれぞれのステントに、ステントの内腔よりステン
トの側壁を貫通し、外側に先端が突出するように拡張時
3mmになるPTCA用拡張カテーテル(バルーンカテ
ーテル)を挿入した。そして、バルーンが側壁を横切る
状態とした後、バルーンを拡張しところ、実施例3のス
テントでは、1カ所の接続部が破断され、バルーンは3
mmに拡張することができた。なお、実施例3のステン
トの切断ポイントは、肉厚は約0.08mm、幅は0.
03mm、断面積は、0.0024mmであった。実
施例4ステントの切断ポイントは、肉厚は約0.08m
m、幅は0.03mm、断面積は、0.0024mm
であった。これに対して、比較例3のステントでは、拡
張時のバルーン圧力が約16atmになった時、バルー
ンが破裂した。比較例4のステントでは、拡張時のバル
ーン圧力が約16atmになった時、バルーンが破裂し
た。
【0118】
【発明の効果】本発明の生体留置用ステントは、略管状
体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有
し、管状体の内部より半径方向に広がる力が付加された
ときに拡張可能なステントであって、該ステントは、波
状要素により環状に形成されるとともにステントの軸方
向に複数配列された波状環状体と、波状環状体を軸方向
に接続する接続部とを備え、さらに、前記ステントの軸
方向の中央付近に位置する前記接続部は、他の部分に比
べて脆弱かつ破断可能となっている。このため、ステン
トは、半径方向に拡張後のステントの内部よりステント
の側面を貫通するように拡張バルーンカテーテルを挿通
可能であり、かつ接続部は、拡張バルーンカテーテルの
バルーンの拡張により破断可能となっている。
【0119】このステントによれば、血管の分岐部付近
に埋め込んだ場合に、バルーンカテーテルなどを用いる
ことにより、ステントの接続部を部分的に破断すること
ができ、これにより、分岐血管の始端開口部に位置する
ステントの側面に拡大開口部を形成することが可能であ
る。分岐血管の始端開口部に位置するステント側面に拡
大開口部を形成することにより、主血管より分岐血管に
流れる血液の血流阻害が少なくなり、分岐部での血栓の
発生を防止でき、さらには、ステントの側面拡大開口部
を用いて、分岐血管へのバルーンカテーテルさらには血
管拡張器具の挿入ができ、ステントの留置も可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のステントの一実施例の正面図
である。
【図2】図2は、図1に示したステントの展開図であ
る。
【図3】図3は、図1に示したステントの部分拡大図で
ある。
【図4】図4は、図1に示したステントを拡張したとき
の正面図である。
【図5】図5は、図4に示した拡張されたステントの展
開図である。
【図6】図6は、図4の拡張されたステントの部分拡大
図である。
【図7】図7は、本発明のステントの他の実施例の正面
図である。
【図8】図8は、ステントの他の実施例の正面図であ
る。
【図9】図9は、図8に示したステントの展開図であ
る。
【図10】図10は、図8に示したステントの部分拡大
図である。
【図11】図11は、図8に示したステントを拡張した
ときの正面図である。
【図12】図12は、図11に示した拡張されたステン
トの展開図である。
【図13】図13は、ステントの他の実施例の正面図で
ある。
【図14】図14は、本発明の実施例の生体器官拡張器
具の正面図である。
【図15】図15は、図14に示した生体器官拡張器具
の先端部の拡大部分断面図である。
【図16】図16は、図14に示した生体器官拡張器具
の後端部の拡大断面図である。
【図17】図17は、本発明の他の実施例の生体器官拡
張器具の先端部の拡大部分断面図である。
【図18】図18は、本発明のステントの作用を説明す
るための説明図である。
【図19】図19は、本発明のステントの作用を説明す
るための説明図である。
【図20】図20は、ステントの他の実施例の正面図で
ある。
【図21】図21は、図20に示したステントの展開図
である。
【図22】図22は、図20に示したステントの拡径時
の部分拡大図である。
【図23】図23は、図20に示したステントの接続部
を破断し拡張したときの部分拡大図である。
【図24】図24は、ステントの他の実施例の正面図で
ある。
【図25】図25は、図24に示したステントの展開図
である。
【符号の説明】
1 ステント 2a,2b 波状環状体 4 接続部 31,32,33,34,35,36,37,38,3
9 環状ユニット 51,52,53,54,55,56,57,58 連
結部

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略管状体に形成され、生体内管腔への挿
    入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に
    広がる力が付加されたときに拡張可能なステントであっ
    て、該ステントは、波状要素により環状に形成されると
    ともにステントの軸方向に複数配列された波状環状体
    と、該波状環状体を軸方向に接続する接続部とを備え、
    さらに、前記接続部は、他の部分に比べて脆弱かつ破断
    可能となっていることを特徴とする生体内留置用ステン
    ト。
  2. 【請求項2】 前記ステントは、半径方向に拡張後の該
    ステントの内部より該ステントの側面を貫通するように
    拡張バルーンカテーテルを挿通可能であり、かつ前記接
    続部は、該拡張バルーンカテーテルのバルーンの拡張に
    より破断されるものである請求項1に記載の生体内留置
    用ステント。
  3. 【請求項3】 前記接続部は、少なくとも前記ステント
    の軸方向の中央付近に位置する接続部が、他の部分に比
    べて脆弱かつ破断可能となっている請求項1または2に
    記載の生体内留置用ステント。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記ステントの軸方向の中央
    付近に位置する前記接続部は、破断可能な脆弱部を備え
    ている請求項3に記載の生体内留置用ステント。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記ステントの軸方向の中央
    付近に位置する前記接続部は、全体が脆弱部となってい
    る請求項3に記載の生体内留置用ステント。
  6. 【請求項6】 前記脆弱部は、前記ステントの他の構成
    部分より断面積が小さく形成された部分である請求項4
    に記載の生体内留置用ステント。
  7. 【請求項7】 前記ステントは、波状要素により環状に
    形成された第1の波状環状体と、該第1の波状環状体の
    谷部に山部が近接するようにステントの軸方向に配置さ
    れるとともに波状要素により環状に形成された第2の波
    状環状体と、前記第1の波状環状体の谷部と前記第2の
    波状環状体の山部とを接続する複数の接続部とからなる
    環状ユニットからなり、さらに、該環状ユニットは、ス
    テントの軸方向に複数配列されるとともに、隣り合う環
    状ユニットの波状要素を連結する連結部を備えており、
    少なくとも前記ステントの中央付近に位置する前記接続
    部は、他の部分に比べて脆弱かつ破断可能となっている
    請求項1ないし5のいずれかに記載の生体内留置用ステ
    ント。
  8. 【請求項8】 前記連結部は、隣り合う環状ユニット間
    に一つのみ形成されている請求項7に記載の生体留置用
    ステント。
  9. 【請求項9】 前記連結部は、隣り合う連結部と連続し
    ないように配置されている請求項7または8に記載の生
    体留置用ステント。
  10. 【請求項10】 前記環状ユニットの端部に形成される
    波状空間には、隣り合う環状ユニットの波状環状体の一
    部が侵入している請求項7ないし9のいずれかに記載の
    生体留置用ステント。
  11. 【請求項11】 前記複数の波状環状体は、軸方向に隣
    り合う波状環状体の山部もしくは谷部が軸方向にほぼ直
    線的に並ぶように配列されており、前記接続部は、隣り
    合う波状環状体の山部もしくは谷部を接続しており、さ
    らに、少なくとも前記ステントの中央付近に位置する前
    記接続部は、脆弱部を備えている請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の生体留置用ステント。
  12. 【請求項12】 前記脆弱部は、前記接続部でありかつ
    前記波状環状体の付近に形成されている請求項11に記
    載の生体留置用ステント。
  13. 【請求項13】 前記接続部のすべてが他の部分に比べ
    て脆弱かつ破断可能となっている請求項7ないし12の
    いずれかに記載の生体留置用ステント。
  14. 【請求項14】 チューブ状のシャフト本体部と、該シ
    ャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張
    可能なバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを
    被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により
    拡張されるステントとを備える生体器官拡張器具であっ
    て、前記ステントは、請求項1ないし13に記載のいず
    れかのステントであり、前記シャフト本体部は、一端が
    前記バルーン内と連通するバルーン拡張用ルーメンを備
    え、さらに、前記生体器官拡張器具は、前記ステントの
    中央部となる位置の前記シャフト本体部の外面に固定さ
    れたX線造影性部材もしくは前記ステントの中央部分の
    所定長の両端となる位置の前記シャフト本体部の外面に
    固定された2つのX線造影性部材を備えることを特徴と
    する生体器官拡張器具。
  15. 【請求項15】 前記バルーンは、該バルーン拡張用ル
    ーメン内に注入される流体によりほぼ同一径の筒状に拡
    張する拡張可能部を備え、該拡張可能部の両端となる位
    置の前記シャフト本体部の外面に固定された2つのX線
    造影性部材を備えている請求項14に記載の生体器官拡
    張器具。
  16. 【請求項16】 前記ステントは、波状要素により環状
    に形成された第1の波状環状体と、該第1の波状環状体
    の谷部に山部が近接するようにステントの軸方向に配置
    されるとともに波状要素により環状に形成された第2の
    波状環状体と、前記第1の波状環状体の谷部と前記第2
    の波状環状体の山部とが一体化した一体化部と、前記第
    1の波状環状体の谷部と前記第2の波状環状体の山部と
    を接続する複数の接続部とからなる環状ユニットからな
    り、さらに、該環状ユニットは、ステントの軸方向に複
    数配列されるとともに、隣り合う環状ユニットを前記一
    体化部にて連結する連結部を備えており、少なくとも前
    記ステントの中央付近に位置する前記接続部は、ステン
    トの他の部分に比べて脆弱かつ破断可能となっている請
    求項1ないし5のいずれかに記載の生体内留置用ステン
    ト。
  17. 【請求項17】 前記環状ユニットは、複数の一体化部
    を持っている請求項16に記載の生体留置用ステント。
  18. 【請求項18】 前記環状ユニットは、隣り合わないよ
    うに設けられた複数の一体化部を持っている請求項17
    に記載の生体留置用ステント。
  19. 【請求項19】 前記ステントは、軸方向に隣り合う2
    つの前記連結部が連続した連結部連続体を備えている請
    求項16ないし18のいずれかに記載の生体留置用ステ
    ント。
  20. 【請求項20】 前記連結部連続体は、3つの環状ユニ
    ットを前記一体化部にて連結するとともに、中央部にお
    いて屈曲しており、前記ステントは、連結部連続体を複
    数備えている請求項19に記載の生体留置用ステント。
  21. 【請求項21】 前記連結部連続体は、隣に位置する連
    結部連結体と屈曲方向が異なっている請求項20に記載
    の生体留置用ステント。
  22. 【請求項22】 前記それぞれの連結部連続体は、ステ
    ントの中心軸に対して、120度ずつずれて配置される
    とともに、1つの連結部ずつステントの後端方向にずれ
    るように配置されている請求項19ないし21のいずれ
    かに記載の生体留置用ステント。
  23. 【請求項23】 前記連結部は、軸方向に隣り合う連結
    部と連続しないように配置されている請求項16ないし
    18のいずれかに記載の生体留置用ステント。
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