JP2000313951A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

成膜装置及び成膜方法

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JP2000313951A
JP2000313951A JP11121851A JP12185199A JP2000313951A JP 2000313951 A JP2000313951 A JP 2000313951A JP 11121851 A JP11121851 A JP 11121851A JP 12185199 A JP12185199 A JP 12185199A JP 2000313951 A JP2000313951 A JP 2000313951A
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film
substrate
mask member
film forming
base material
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JP11121851A
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English (en)
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Kazuto Shimoda
和人 下田
Takashi Kayama
俊 香山
Yasuhiro Kataoka
安弘 片岡
Junichi Osako
純一 大迫
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート状の基材に対して膜形成を効率良く行
うことで低コスト化を図る。 【解決手段】 成膜装置1において、シート状基材2を
搬送する送り機構4と、マスク部材3を基材2に対して
圧着させ又は一定の間隙をおいた状態で支持するための
マスク支持機構5と、マスク部材3に形成された透孔3
aを通して基材2上に膜形成を行う成膜処理部6とを設
ける。これによって、成膜工程をマスク部材3に形成さ
れた多数の透孔3aを通して1度にかつ連続して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状の基材に
マスク部材を用いて膜形成を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】同一又は類似の形状をした多数の部材を
所定の間隔で基材(あるいは基板)上に配置した構造体
としては、例えば、キーボード等の入力装置が挙げられ
る。
【0003】つまり、この場合には入力するキー(ある
いはキートップ)の数に対応した構成部品が必要とな
り、キー操作に応じた2値情報を得るために導電膜や形
状記憶合金薄膜、絶縁膜等の形成工程が個々のキーにつ
いて必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での製造装置では、基材上に多数の膜領域(キー入力装
置では各キーに応じた形成膜)を効率的に形成すること
が困難であり、その製造コストが嵩んでしまうという問
題がある。
【0005】そこで、本発明は、シート状の基材に対し
て膜形成を効率良く行うことで低コスト化を図ることを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明成膜装置は上記し
た課題を解決するために、シート状の基材を搬送する送
り機構と、マスク部材を基材に対して圧着させ又は一定
の間隙をおいた状態で支持するマスク支持機構と、マス
ク部材に形成された透孔を通して上記基材上に膜形成を
行う成膜処理部とを設けたものである。
【0007】従って、本発明によれば、マスク部材に形
成された透孔を通して基材上への膜形成を連続的に行う
ことにより、製造の効率を向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る成膜装置(膜
形成装置)の基本構成を示す概念図である。
【0009】成膜装置1はシート状の基材(あるいは支
持体)2に対してマスク部材3を用いて膜形成を行う装
置であり、基材2を一定速で搬送する送り機構4、マス
ク部材3を基材2に対して圧着させ又は一定の間隙をお
いた状態で支持するマスク支持機構5、マスク部材3
(図の大円内に透孔3a、3a、・・・を拡大して示
す。)を利用して基材2上に膜を形成する成膜処理部6
を備えている。
【0010】尚、基材2としては、高分子フィルム材料
(ポリエチレンテレフタレート等)や金属フィルム材
料、薄ガラスや鋼板等が挙げられ、その形状については
平坦状、あるいは後述するように部分的な凹凸を有する
形状を用いることができる。また、マスク部材3の材料
には金属材料(例えば、鋼板)を使用できるが、これに
限らず使用する基材に応じて他の材質を適宜に選択でき
ることは勿論である。
【0011】基材2上に形成される膜材料には、導電材
料や形状記憶合金、絶縁材料、誘電材料、レジスト材、
磁性材料等が挙げられる。例えば、後述するようにキー
入力装置では、指でキー操作をした感触を得るために形
状記憶合金薄膜を使用している。
【0012】シート状基材2を搬送する送り機構4とし
ては、下記に示す構成が挙げられる。
【0013】(i)シート状基材の一部を案内手段であ
るガイドロール(あるいはガイドローラ、ガイドドラム
等)に巻着させて搬送する機構 (ii)シート状基材の一部を直線的に搬送する機構。
【0014】図2は(i)に係る装置例7を示してお
り、真空排気装置8を備えた装置室(チャンバー)9内
には、シート状基材2の送りロール10及び巻き取りロ
ール11が設けられており、矢印Aで示すように、送り
ロール10から引き出された基材2の一部が、走行駆動
機構12を介して一定速で搬送され、膜形成後に巻き取
りロール11に巻き取られていく構成となっている。
【0015】つまり、走行駆動機構12(ガイド部材と
駆動源を有する。)は、最も大径とされたガイドロール
12a、そして、該ガイドロール12aと送りロール1
0との間に設けられた小径のガイドロール12b並びに
ガイドロール12aと巻き取りロール11との間に設け
られた小径のガイドロール12cとを備えており、ガイ
ドロール12aに対して基材2の一部2aがほぼ逆Ω字
状に巻回された状態で基材の搬送が安定して行われる。
尚、円柱状をしたガイドロール12aは、その回転中心
の回りに回転自在な状態で支持されている。また、他の
ガイドロール12b、12cについては、これらの回転
中心の回りに回転自在な状態で支持しても良いし、ある
いは回転しないように軸を固定した構成でも構わない。
【0016】マスク支持機構5については、例えば、下
記に示す構成が挙げられる。
【0017】(A)マスク部材を搬送しながらこれを基
材に対して圧着(あるいは圧接)させ又は基材に対して
一定の間隙を確保するようにした構成 (B)マスク部材を装置に固定しておいて、基材だけを
搬送しながらこれをマスク部材に対して圧着(あるいは
圧接)させ又は基材に対して一定の間隙を確保するよう
にした構成。
【0018】上記(A)では、例えば、マスク支持機構
がマスク部材を搬送する搬送機構を備えており(基材と
マスク部材との相対速度差をなくすことで両者の位置関
係や位相合せが容易になる。)、当該マスク部材が部分
的に基材に対して圧着されるように構成される(これに
より膜形成範囲のバラツキを低減できる。)。
【0019】図2に示す搬送機構13の構成例では、長
方形の各頂点位置にそれぞれ配置された4つのガイドロ
ール13a乃至13dに亘ってマスク部材3が無端状に
連続して走行される機構が用いられている(つまり、こ
の場合にマスク部材3は端のない輪状のベルトとされ
る。)。
【0020】そして、ガイドロール13aと13bとに
亘って架け渡されたマスク部材3の一部が上記大径のガ
イドロール12aに基材2を挟んで圧着された状態で図
示しない駆動手段によって図2に矢印Bで示す方向に走
行される構成となっている。
【0021】尚、マスク部材3の搬送については、シー
ト状基材2の搬送と同期して上記真空排気装置8による
減圧下で行われるようになっており、そのために、マス
ク部材3の搬送機構13を構成するこれらのガイドロー
ル13a乃至13dのうちの1つ、例えば、前記した大
径のガイドロール12aの近傍に位置されたガイドロー
ル13aあるいは13bがガイドロール12aの回転と
同期して図示しない駆動手段により回転駆動される。
【0022】ガイドロール13a乃至13dに囲まれた
空間内には、膜の形成源14が設けられており、これは
成膜処理部6を構成している。つまり、成膜処理部6
は、マスク部材3に形成された多数の透孔を通して基材
2上に膜形成を行うために形成源14を具備しており、
例えば、蒸発手段(あるいは蒸発源)としての真空蒸着
装置、電子ビーム蒸着装置、スパッタリング装置、イオ
ンプレーティング装置、CVD(Chemical V
apor Deposition)装置等の他、エッチ
ング源(エッチングパターンの形成源)等が挙げられ
る。
【0023】尚、装置室9にはガス導入用のバルブ15
が接続されており、例えば、スパッタ成膜工程の場合に
アルゴンガス等の反応ガスの導入流量を調節したり、あ
るいはエッチング処理工程の場合にエッチングガス(4
フッ化炭素等)の導入流量を調節することができるよう
になっている。また、成膜処理に伴う前記大径ガイドロ
ール12aの温度上昇を防ぐために冷却機構あるいは冷
却装置が設けられるが、その図示は省略する。
【0024】図2に示す構成ではマスク部材が無端状の
軌道(所謂無限軌道)を描くように搬送される機構を採
用することで、マスク部材の繰り返し使用によりその全
体量が少なくて済むようにしたが、これ限らず、例え
ば、図3に示す装置例16のように、マスク部材3の送
りロール17及び巻き取りロール18を使った搬送機構
を採用しても良い。
【0025】この場合には、シート状基材2の送り機構
12が図2の装置例7の場合と同じ構成とされている
(以下では、図2で使用した各部と同じ符号を用いるこ
とによってそれらの説明を省略する。)が、マスク部材
3の搬送機構19についてもこの送り機構12を倣った
構成を有しており、マスク部材3が送りロール17から
2つのガイドロール19a及び19bを経た後で巻き取
りロール18に巻き取られて行く(このような構成の採
用によって、マスク部材の交換時にはロールの取り替え
だけで済むので作業が簡単になり、作業時間も短くな
る。)。
【0026】そして、マスク部材3のうち、ガイドロー
ル19aと19bとに亘って架け渡された部分が大径ガ
イドロール12aに基材2を挟んで圧着された状態で図
示しない駆動手段によって走行される構成となってい
る。
【0027】尚、巻き取りロール18の回転駆動制御に
ついては、大径ガイドロール12aの回転と同期して行
われるように図示しない駆動手段が設けられており、こ
れによってシート状基材2とマスク部材3とが互いに同
期して走行される。
【0028】また、膜の形成源14は、送りロール17
と巻き取りロール18との間であって、大径ガイドロー
ル12aに巻回された基材2がマスク部材3と接触され
る部分に対向した位置に設けられている。
【0029】図2や図3の装置例では、マスク部材の搬
送機構が採用されたが、このような機構を用いない上記
(B)の場合には、マスク部材が装置に予め固定されて
おり、シート状の基材だけが送り機構によって間欠的に
搬送される。
【0030】図4はそのような装置例20を示したもの
であり、シート状基材2の送り機構については図2の装
置例7の場合と同じ構成とされている。
【0031】この場合、マスク部材21は大径ガイドロ
ール12aの回転中心軸の方向(紙面に垂直な方向)か
ら見たときに円弧状をなした状態で装置に固定されてい
る。つまり、大径ガイドロール12aの曲率に対応した
曲率をもってマスク部材21が円弧状に湾曲されてお
り、その範囲は、シート状基材2の一部2aが大径ガイ
ドロール12aに巻回された部分に相当する角度範囲又
は当該角度範囲よりやや狭い範囲に亘っている。
【0032】尚、図では、説明の便宜上、大径ガイドロ
ール12aとマスク部材21とが誇張的に離間した状態
で示されているが、実際には、ガイドロール12aに巻
回されたシート状基材の厚み程度の極めて狭い間隙が形
成されているに過ぎず(この間隙は適宜に設定可能とさ
れる。)、当該基材2はガイドロール12aとマスク部
材21との間に挟み込まれた状態でマスク部材側に圧接
されながら搬送されていく。
【0033】また、膜の形成源14は同図においてマス
ク部材21を挟んで大径ガイドロール12aに対向した
位置に設けられている。
【0034】しかして、この装置例20では、マスク部
材21が装置に固定されていて基材2だけが搬送される
ので、前記した装置例7、16のように基材を、厳密な
意味合いで連続的に搬送する訳にはいかない(その意味
で「準連続的」な搬送と言える。)。即ち、マスク部材
21に形成された多数の透孔を通して基材上の所定範囲
に膜形成を行う毎にシート状の基材を間欠的に搬送する
(各ロールを一定の角度間隔でもって間欠的に回転させ
る。)ことが必要となるが、マスク部材の搬送に要する
構成部品が要らないので装置の構成が簡単になり、また
基材の送り制御だけで済むので制御が簡単になる。
【0035】以上の装置例では、基材2の搬送経路に大
径のガイドロール12aを使用したが、このようなガイ
ドを用いることなくシート状基材を搬送する構成、つま
り、上記(ii)の構成については、例えば、図5に示
す装置例22が挙げられる。
【0036】本例では、シート状基材2の送りロール1
0及び巻き取りロール11が図5の上下方向において所
定の間隔をもって配置されており、送りロール10から
出た基材2が先ずガイドロール23aに巻回された後、
次のガイドロール23bに巻回されるまでの間、基材2
が側面から見て直線的に走行されていき、ガイドロール
23bを経た後で巻き取りロール11に巻き取られる構
成となっている。
【0037】そして、マスク部材3の搬送機構24が設
けられており(上記(A)参照。)、本例では、長方形
の各頂点位置にそれぞれ配置された4つのガイドロール
24a乃至24dに亘ってマスク部材3が無端状に連続
して走行される機構が用いられている。
【0038】つまり、ガイドロール24aと24bとに
亘って直線的に架け渡されたマスク部材3の一部3b
は、上記ガイドロール23aと23bとに亘って架け渡
された基材2の部分2b(側方からみて直線状の部分)
に接触した状態で図示しない駆動手段によって図5に矢
印Cで示す方向に定速走行される構成となっている。
【0039】尚、図では、説明の便宜上、基材2の部分
とマスク部材3の一部(直線部)3bとの区別を明瞭に
するために両者を極端に離間させることで間隔を誇張し
て示しているが、実際には両者が接触した状態かあるい
は僅かな間隙をおいた状態で互いに並行してそれぞれの
搬送が行われる。
【0040】また、マスク部材3の搬送については、シ
ート状基材2の搬送と同期して前記真空排気装置8によ
る減圧下で行われるようになっている。
【0041】膜の形成源14は、ガイドロール24a乃
至24dに囲まれた空間内に配置されており、マスク部
材3に形成された多数の透孔を通して基材2上に膜形成
が行われる。
【0042】本例においても上記(B)で説明したよう
に、マスク部材を装置に固定しておいて、基材だけを搬
送する構成を用いることができ、例えば、図6に示す装
置例25が挙げられる。
【0043】本例において基材2の送り機構は図5の例
と同じであるが、マスク部材26はその側面から見て直
線状にされて装置内に配置されている。つまり、マスク
部材26は、ガイドロール23aと23bとに亘って架
け渡された基材2の部分2b(側方からみて直線状の部
分)に対向する状態とされ、当該マスク部材26に関し
て基材2とは反対側の位置に膜の形成源14が配置され
ている。
【0044】尚、図では、基材2の直線部(2b)とマ
スク部材26との区別を明瞭にするために両者を極端に
離間させることで間隔が誇張して示されているが、実際
には両者が接触した状態かあるいは僅かな間隙をおいた
状態で基材の搬送が間欠的(ガイドロール23aと23
bとに亘る基材が一定量をもってスライド移動されて間
欠的に巻き取られて行く。)に行われることは勿論であ
る。
【0045】基材への膜形成の工程後に熱処理工程を必
要とする場合には、図1に示すように熱処理部27が付
設される。例えば、形状記憶合金薄膜を基材上に形成し
た後で高温での形状変形(初期形状の記憶定着処理)を
行う場合には、熱源や熱伝達部材を含む熱処理部が必要
である。また、成膜後に乾燥工程を必要とする場合には
熱風送風用のブロア等が使用される。
【0046】この熱処理部27(あるいは装置)につい
ては、成膜装置内に設けても、また装置外に付設しても
良いが、装置内に上記形成源14とともに内蔵させた方
が装置のコンパクト化にとって有利である。
【0047】例えば、形状記憶合金薄膜を基材上に形成
する作業等では、成膜処理部6によって膜形成が行われ
た基材に対して熱処理により形状変形を行う工程が行わ
れるが、このための熱処理部27を図2乃至図6に示し
た形成源14の近くに設けることが好ましい。
【0048】以上に説明した、成膜方法の工程を簡単に
まとめると以下のようになる。
【0049】(1)基材を搬送する送り工程 (2)上記マスク部材を基材に対して圧着させ又は一定
の間隙をおいた状態で支持するとともに、マスク部材に
形成された多数の透孔を通して基材上に膜形成を行う成
膜工程。
【0050】尚、(2)については、前記したように、
マスク部材を搬送するとともに当該マスク部材を部分的
に基材に対して圧着させる方法(上記(A)参照。)
と、マスク部材を予め装置に固定しておき、当該マスク
部材に形成された多数の透孔を通して基材上に膜形成を
行う毎にシート状の基材を間欠的に搬送する方法(上記
(B)参照。)とがある。
【0051】そして、図2乃至図4に説明したように、
シート状の基材に対して部分的に接触して当該基材を案
内するガイド部材とマスク部材との間に基材を挟んで搬
送しながら膜形成を行う工程を経た後、膜形成が行われ
た基材に対して熱処理を行う方法は、特に、形状記憶合
金材料を用いて基材上に膜形成を行う作業における薄膜
形成及び形状の記憶工程にとって有用である。
【0052】次に、本発明をキー入力装置の製造に適用
した例について図7乃至図13に従って説明する。
【0053】先ず、1個のキー入力部(キー操作の1つ
に対応して押圧される部分)28の構造例を図7乃至図
9に示す。
【0054】図7において、可撓性を有する材料、例え
ばクロム等の金属材料で形成された支持体29は曲面状
に湾曲された湾曲部29aを有しており、該湾曲部29
aには、(電気)絶縁膜30、形状記憶合金薄膜31が
この順で所定の膜厚をもって積層形成されている。尚、
形状記憶合金材料としては、例えば、Ti(チタン)−
Ni(ニッケル)合金が挙げられるが、形状記憶特性及
び導電性を有するものであればその材質の如何は問わな
い。
【0055】基板フィルム32上に形成された電極33
は、形状記憶合金薄膜31に対向した状態で配置されて
おり、電極33と形状記憶合金薄膜31との間には電気
絶縁材料で形成されたスペーサー34が介在されてい
る。尚、このスペーサー34の中央には孔34aが形成
されているが、本図では電極33と形状記憶合金薄膜3
1とが非接触の状態(つまり、孔34aを通して電極3
3と形状記憶合金薄膜31とが接触していない状態)と
なっている。
【0056】電圧源の記号で示す電源Eは、形状記憶合
金薄膜31や電極33への電源供給経路について等価回
路として示すものであり、その正極が形状記憶合金薄膜
31に接続され、かつ負極が電極33に接続されてい
る。
【0057】今、図8に示すように、支持体29への入
力があったとき、つまり、支持体29が指で押圧された
結果、湾曲部29a等が変形するとともに、押圧力によ
りスペーサー34が潰されたために、電極33と形状記
憶合金薄膜31とがスペーサー34の孔34aを通して
接触した状態になると、電源Eから形状記憶合金薄膜3
1、電極33を通して回路が閉成される(図示は省略す
るが、形状記憶合金薄膜31の全体に通電される。)。
【0058】このときの温度上昇により形状記憶合金薄
膜31の相変化が惹き起こされる結果、図9に示すよう
に、支持体29の湾曲部29aが電極33とは反対側に
突出した状態に変形する。これは、形状記憶合金薄膜3
1に予め記憶されている形状に関して通電によって記憶
が蘇ったためであり、この形状変化によってキー操作者
の指には、確かにキー入力をしたという認識(触覚によ
る感触)を得ることができる。
【0059】このようなキー入力部を多数備えた入力の
装置の製造にあたっては、例えば、図10に示すような
鋼板で形成されたマスク部材35が使用される。つま
り、マスク部材35には複数個の透孔35a、35a、
・・・がひとまとまりの群として(例えば、図示する
(3×3+1)個のまとまりが数字キー「0」〜「9」
を含むテンキーに対応すると考えれば良い。)、所定の
間隔をもってマスク部材35の長手方向に沿って形成さ
れている。
【0060】図11は図10のXI−XI線に沿う拡大
断面図であり、マスク部材35を、図2乃至図4に示し
た大径ガイドロール12aに支持体29(基材)を介し
て巻き付けるような配置とする場合には、この巻付け状
態における透孔35aの断面形状及び断面積が均一とな
るように配慮する必要がある。即ち、図12に示すよう
に、マスク部材35を真っすぐな状態(平板状態)とし
たときに、各透孔35の断面形状及び断面積が厚み方向
において均一であるように作製した後で、マスク部材3
5を大径ガイドロール12aに対向するように側面から
みて円弧状に湾曲させたのでは、その際の曲率変化に起
因する透孔35の変形によって厚み方向における断面形
状及び断面積を均一にすることができない。そこで、図
11に示すように、透孔35aのうち大径ガイドロール
12aに面する側の開口面積が大きく、その反対側にい
くに従って孔の面積が次第に小さくなっていくように、
テーパー状の透孔を形成することが望ましい(勿論、図
5や図6に示すマスク部材には、図12に示すようなス
トレートな透孔を形成すれば済む。)。
【0061】キー入力部28の製造にあたっては、上記
した支持体29が基材2に相当し、絶縁膜30や形状記
憶合金薄膜31がマスク部材35の透孔35aを通して
支持体29に形成されることになる。
【0062】図13は成膜工程及びその後の熱処理工程
について説明するための概略図であり、最も上方に示す
図(a)では、支持体29の一部と、マスク部材35の
うち透孔35aの近辺を示している。
【0063】支持体29には部分的な凹凸を形成するこ
とで上記した湾曲部29aが形成され、この部分がマス
ク部材35の透孔35aを通して図の下方に突出した状
態(キー操作面からみて凹面の状態)とされている。
【0064】成膜処理部によってマスク部材35の透孔
35aを通して絶縁膜30及び形状記憶合金薄膜31を
形成した後の状態が真ん中の図(b)に示されている。
尚、絶縁膜30については、例えば、装置室内へのSi
(シリコン)や酸素ガス、窒素ガス等の導入によって形
成することができるし、また、形状記憶合金薄膜31に
ついてはスパッタリング装置を用いることができる。
【0065】成膜後には、初期形状を記憶させるために
高温での熱処理工程が行われ、最も下方の図(c)に示
すように、これによって支持体29の湾曲部29a及び
その上に積層形成された絶縁膜30、形状記憶合金薄膜
31がこれまでとは反対側に突出するように反転した状
態(方向転換によって図の上方に突出した状態、あるい
はキー操作面からみて凸面の状態)となる。つまり、こ
れが図9において説明したように通電時に元の記憶が蘇
った状態に相当する。尚、この形状変形に際しては、図
に矢印Fで示す方向に力を加えて支持体29の湾曲部2
9a等を図の上方に反転させてこの状態を保持するため
の治具(図示せず)が用いられ、それから高温(500
乃至700°C程度)での熱処理が行われて形状が記憶
される。
【0066】本例では、支持体29の湾曲部29aに絶
縁膜30を形成した上で形状記憶合金薄膜31を形成し
たが、支持体を絶縁材料等で形成してこれに直接的に形
状記憶合金薄膜を形成する場合には図7乃至図9、図1
3に示した絶縁膜30の形成は全く不要となる。
【0067】また、本発明は、キー入力装置に限らず、
同一又は類似の形状をした多数の部材を所定の間隔で基
材に配置した構造体の製造について広汎な適用範囲を有
することは勿論である。
【0068】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明によれば、マスク部材に形成さ
れた透孔を通して基材上への膜形成を連続的に行うこと
により、製造の効率を向上させることで、量産化及び低
コスト化に貢献できる。
【0069】また、請求項9に係る発明によれば、同一
又は類似の形状をした多数の部材を所定の間隔で基材上
に配置した構造体の製造において、各部材について成膜
工程を、マスク部材に形成された多数の透孔を通して1
度にかつ連続して行うことができる。
【0070】請求項2や請求項10に係る発明によれ
ば、マスク部材を搬送させながらこれを搬送中の基材に
対して部分的に圧着させることによって、基材に対する
マスク部材の供給を適正に制御することが容易になる。
【0071】請求項3や請求項11に係る発明によれ
ば、マスク部材を装置に固定しておきシート状の基材だ
けを間欠的に搬送させることによって、マスク部材の搬
送機構や同期とりのための制御等が不要になる分、装置
構成の簡素化を図ることができる。
【0072】請求項4や請求項12に係る発明によれ
ば、シート状の基材に対して部分的に接触して当該基材
を案内するガイド部材を設け、これとマスク部材との間
に基材を挟んで搬送しながら膜形成を行うことによっ
て、基材に対するマスク部材の透孔の対応関係を安定化
させることができ、しかも成膜工程後の基材に対して熱
処理を行う工程を引き続いて行うことによって、さらに
効率良く作業を進めることができるようになる。
【0073】請求項5乃至請求項8あるいは請求項13
乃至請求項16に係る発明によれば、形状記憶合金材料
を用いて基材上に膜形成を行う構造をもった製品の製造
において量産性を高め、コスト削減を図るのに効果的で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す概念図である。
【図2】ガイドロールを用いた基材の送り機構及び無限
軌道を描くマスク部材の搬送機構を備えた成膜装置の構
成例を示す概略図である。
【図3】マスク部材の搬送機構についての別例を示す成
膜装置の構成例を示す概略図である。
【図4】マスク部材が装置に固定されており、当該マス
ク部材に対して基材だけを搬送するようにした成膜装置
の構成例を示す概略図である。
【図5】ガイドロールを用いることなく基材を搬送する
送り機構及び無限軌道を描くマスク部材の搬送機構を備
えた成膜装置の構成例を示す概略図である。
【図6】マスク部材が装置に固定されており、当該マス
ク部材に対して基材だけを直線的に搬送するようにした
成膜装置の構成例を示す概略図である。
【図7】図8乃至図13とともに、本発明をキー入力装
置の製造に適用した具体例を示すものであり、本図は図
8及び図9とともにキー入力装置の構成の要部を示す概
略図である。
【図8】キー操作による入力状態を示す概略図である。
【図9】通電により復元された形状変化を示す概略図で
ある。
【図10】図11及び図12とともにマスク部材の一例
を示す図であり、本図はマスク部材に形成された透孔の
配置例を示す図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う拡大断面図であ
る。
【図12】マスク部材に形成された透孔の断面形状例を
示す拡大断面図である。
【図13】成膜工程及びこれに続く熱処理工程について
説明するための概略図であり、(a)から(c)へと時
間経過を追って示す図である。
【符号の説明】
1、7、16、20、22、25…成膜装置、2…基
材、3…マスク部材、3a…透孔、4…送り機構、5…
マスク支持機構、6…成膜処理部、12a…ガイド部
材、13、19、24…搬送機構、21、26…マスク
部材、27…熱処理部、35…マスク部材、35a…透
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 安弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大迫 純一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA25 BA21 GA01 HA02 HA03 HA04 JA10 KA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の基材に対してマスク部材を用
    いて膜形成を行う成膜装置において、 上記基材を搬送する送り機構と、 上記マスク部材を上記基材に対して圧着させ又は一定の
    間隙をおいた状態で支持するためのマスク支持機構と、 上記マスク部材に形成された透孔を通して上記基材上に
    膜形成を行う成膜処理部とを設けたことを特徴とする成
    膜装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した成膜装置において、 マスク支持機構がマスク部材を搬送する搬送機構を備え
    ており、当該マスク部材が搬送中の基材に対して部分的
    に圧着されるようにしたことを特徴とする成膜装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した成膜装置において、 マスク部材が装置に固定されており、シート状の基材が
    送り機構によって間欠的に搬送されることを特徴とする
    成膜装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した成膜装置において、 (イ)シート状の基材を搬送する送り機構が、当該基材
    に対して部分的に接触してこれを案内するためのガイド
    部材を備えており、該ガイド部材とマスク部材との間に
    挟まれた状態で基材が搬送されること、 (ロ)成膜処理部によって膜形成が行われた基材に対し
    て熱処理を行うための熱処理部を設けたこと、 を特徴とする成膜装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載した成膜装置において、 形状記憶合金材料を用いて基材上に膜形成が行われるこ
    とを特徴とする成膜装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載した成膜装置において、 形状記憶合金材料を用いて基材上に膜形成が行われるこ
    とを特徴とする成膜装置。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載した成膜装置において、 形状記憶合金材料を用いて基材上に膜形成が行われるこ
    とを特徴とする成膜装置。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載した成膜装置において、 形状記憶合金材料を用いて基材上に膜形成が行われるこ
    とを特徴とする成膜装置。
  9. 【請求項9】 シート状の基材に対してマスク部材を用
    いて膜形成を行う成膜方法において、 上記基材を搬送する送り工程と、 上記マスク部材を上記基材に対して圧着させ又は一定の
    間隙をおいた状態で支持するとともに、当該マスク部材
    に形成された多数の透孔を通して上記基材上に膜形成を
    行う成膜工程とからなることを特徴とする成膜方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載した成膜方法におい
    て、 マスク部材を搬送させるとともに、当該マスク部材を搬
    送中の基材に対して部分的に圧着させる工程を有するこ
    とを特徴とする成膜方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載した成膜方法におい
    て、 マスク部材を予め装置に固定しておき、当該マスク部材
    に形成された透孔を通して基材上に膜形成を行う毎にシ
    ート状の基材を間欠的に搬送することを特徴とする成膜
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載した成膜方法におい
    て、 シート状の基材に対して部分的に接触して当該基材を案
    内するガイド部材とマスク部材との間に基材を挟んで搬
    送しながら膜形成を行う工程と、 膜形成が行われた基材に対して熱処理を行う工程とを備
    えていることを特徴とする成膜方法。
  13. 【請求項13】 請求項9に記載した成膜方法におい
    て、 形状記憶合金材料を用いて基材上に膜形成を行うことを
    特徴とする成膜方法。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載した成膜方法におい
    て、 形状記憶合金材料を用いて基材上に膜形成を行うことを
    特徴とする成膜方法。
  15. 【請求項15】 請求項11に記載した成膜方法におい
    て、 形状記憶合金材料を用いて基材上に膜形成を行うことを
    特徴とする成膜方法。
  16. 【請求項16】 請求項12に記載した成膜方法におい
    て、 形状記憶合金材料を用いて基材上に膜形成を行うことを
    特徴とする成膜方法。
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