JP2021012829A - 電極製造装置及び電極製造方法 - Google Patents

電極製造装置及び電極製造方法 Download PDF

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克治 門沢
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和佳 杉原
直樹 吉井
Naoki Yoshii
直樹 吉井
公智 梶
Kimitomo Kaji
公智 梶
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Abstract

【課題】電極シートに粉体を供給する処理を速やかに行うと共に、当該処理後の電極製造プロセスを簡素にすること【解決手段】本開示の電極製造装置は、長尺な電極シートがロールツーロールによって長さ方向に搬送される処理室と、軸方向が前記電極シートの搬送方向と交差する回転軸を備え、前記電極シートの搬送中に回転するように前記処理室に設けられた回転体と、前記処理室を搬送中の前記電極シートに向けて粉体を供給して処理する処理部と、前記電極シートとの干渉を防ぐために前記搬送方向に対して直交する方向において異なる第1の位置と第2の位置との間で移動し、前記第1の位置において前記電極シートを覆って当該電極シートへの前記粉体の供給を局所的に防ぐように前記回転体に設けられたマスクと、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、電極製造装置及び電極製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池などを構成する負電極の製造工程には、例えば電極シートを構成する電極材料に、リチウムイオンをドーピングさせる工程が含まれる。この工程に用いられる装置として、例えば特許文献1には、ロールツーロール(roll to roll)により電極シートが搬送される電極製造装置が示されている。この電極製造装置は、電極シートの搬送中に、連続してリチウム含有粉末を溶融させながら吹き付けることで上記のドーピングを行う処理室を備えている。
また、特許文献2にはロールツーロールにより搬送されるシート状の基板を停止させた状態で、蒸着により金属箔を成膜する蒸着装置が示されている。この蒸着装置には、蒸発源と基板との間が遮蔽された状態と、遮蔽されていない状態とで切り替えるために移動可能なシャッターが設けられる。また、蒸発源と基板との間には、上記の遮蔽されていない状態のときに基板の法線方向から蒸着材料が当該基板に入射することを防止して、蒸着膜未形成領域を形成するための遮蔽部材が配置されている。
特開2014−123663号公報 WO2009/098893号公報
本開示は、電極シートに粉体を供給する処理を速やかに行うと共に、当該処理後の電極製造プロセスを簡素にすることができる技術を提供する。
本開示の電極製造装置は、長尺な電極シートがロールツーロールによって長さ方向に搬送される処理室と、
軸方向が前記電極シートの搬送方向と交差する回転軸を備え、前記電極シートの搬送中に回転するように前記処理室に設けられた回転体と、
前記処理室を搬送中の前記電極シートに向けて粉体を供給して処理する処理部と、
前記電極シートとの干渉を防ぐために前記搬送方向に対して直交する方向において異なる第1の位置と第2の位置との間で移動し、前記第1の位置において前記電極シートを覆って当該電極シートへの前記粉体の供給を局所的に防ぐように前記回転体に設けられたマスクと、
を備える。
本開示によれば、電極シートに粉体を供給する処理を速やかに行うと共に、当該処理後の電極製造プロセスを簡素にすることができる。
本開示の一実施形態である電極製造装置を示す縦断側面図である。 前記電極製造装置を構成する搬出用収容室の構成を示す側面図である。 前記電極製造装置を構成する処理室を示す概略横断平面図である。 前記処理室内に設けられる載置台ローラー及びマスクパターン形成機構の鳥瞰図である。 マスクパターン形成機構を構成する線状部材駆動機構の内部を示す鳥瞰図である。 前記処理室における動作を示す説明図である。 前記処理室における動作を示す説明図である。 前記処理室における動作を示す説明図である。である。 前記処理室における動作を示す説明図である。 前記処理室にてドーピング処理された電極シートの側面図である。 前記載置台ローラーの鳥瞰図である。 前記載置台ローラーの表面の展開図である。 前記載置台ローラーの側面図である。 前記載置台ローラーの展開図である。 前記載置台ローラーの展開図である。 前記載置台ローラーの展開図である。 前記載置台ローラーの縦断側面図である。 前記載置台ローラーの縦断側面図である。 前記載置台ローラーの縦断側面図である。 前記載置台ローラーの縦断側面図である。 本開示の他の実施形態である電極製造装置を示す縦断側面図である。 本開示のさらに他の実施形態である電極製造装置を示す縦断側面図である。 前記処理室の変形例を示す上面図である。 前記マスクパターン形成機構の変形例を示す側面図である。 前記処理室に設けられるリチウム溶射部の他の構成例を示す縦断側面図である。
(第1の実施形態)
本開示の第1の実施形態である電極製造装置1についての概略構成を説明する。電極製造装置1は、リチウムイオン二次電池を構成する負電極を製造するために、電極シートWに設けられた電極材料W1に、リチウムイオンのドーピングを行う。そのドーピングを行うために、この電極製造装置1としては、ロール状とされた長尺な電極シートWについて、送り出しローラーからの送り出しと、巻き取りローラーによる巻き取りと、を共に行う搬送、いわゆるロールツーロールによる搬送を行うように構成されている。つまり、ロールを各々保持するローラー間で、各ローラーの回転により電極シートWの搬送を行う。
後述するように、送り出しローラーと巻き取りローラーとの間の電極シートWの搬送経路には、送り出しローラー及び巻き取りローラーの各回転軸と並行な回転軸を備える複数のローラーが設けられ、当該複数のローラーに電極シートWが架け渡されて搬送が行われる。その搬送中、真空排気しながら希ガス雰囲気にした処理室5内にて、電極シートWに設けられた電極材料W1に、リチウムを含む粉体であるリチウム含有粉末を溶射し、リチウムイオンをドーピングする。
上記の電極シートWは、例えば銅である金属箔により構成されるベース材と、このベース材の幅中央部上にて当該ベース材の長さ方向に沿って形成された薄膜状の電極材料W1と、により構成されている。電極材料W1は電極を構成する活物質を含み、当該活物質としては、例えば活性炭などの炭素材料またはシリコンが用いられる。このような電極シートWの搬送中に、上記の溶射が連続して行われる。電極製造装置1は、電極シートWから製造されるリチウムイオン二次電池のセルの大きさに対応するように、溶射される領域を区切るためのマスクを備え、電極シートWにマスクパターンを形成することができる。
以下、電極製造装置1について、図1を参照しながら具体的に説明する。電極製造装置1は、搬入用収容室2と、処理室5と、搬出用収容室3との3室から構成され、この順で横並びに配置されている。以下の説明においては、搬入用収容室2側を後方側、搬出用収容室3側を前方側として説明する。これら搬入用収容室2、搬出用収容室3、処理室5は各々筐体を備え、筐体によって各室内は互いに区画されている。そして、処理室5と搬入用収容室2との間、処理室5と搬出用収容室3との間は、電極シートWの搬送用の連通口21、31により、夫々連通している。
第2の収容室である搬入用収容室2には、その内部を真空排気する排気口23が開口する。排気口23は、バルブV1が介設された排気管24を介して、排気装置25に接続されている。また、搬入用収容室2には希ガスを供給するガス導入口26が開口する。ガス導入口26は、バルブV2及びMFC(マスフローコントローラ)27が介設された配管28を介して、希ガス供給源29に接続されている。また搬入用収容室2には、既述した送り出しローラー20が設けられ、第2のローラーである当該送り出しローラー20に、電極シートWのロールが保持される。図中22は、電極シートWが架け渡されるガイドローラーである。送り出しローラー20及びガイドローラー22は、モータなどの回転機構には接続されていない。なお、本実施形態では、既述及び後述の希ガスは、例えばAr(アルゴン)ガスであり、排気装置25及び後述の各排気装置は真空ポンプなどにより構成される。
第1の収容室である搬出用収容室3には、その内部を真空排気する排気口33が開口する。排気口33は、バルブV3が介設された排気管34を介して、真空ポンプなどにより構成される排気装置35に接続されている。また、希ガスを供給するガス導入口36が開口する。ガス導入口36は、バルブV4及びMFC37が介設された配管38を介して、希ガス供給源39に接続されている。さらに、搬出用収容室3には既述の巻き取りローラー41と、電極シートWをガイドして巻き取りローラー41へフィードするためのフィードガイドローラー42と、が設けられている。
第1のローラーである巻き取りローラー41は、銀塩フィルムの現像容器内に入るフィルム巻き取りリールと同様の構造(即ちフィルムが接触すること無しに巻き取れるように渦巻状にガイドが設けられた構造)のリールローラーである。図2に巻き取りローラー41の具体的な構成の一例を示している。巻き取りローラー41は、2枚の互いに対向する円板43と、円板43の中心部同士を接続する回転軸44とを備え、各円板43には渦巻状のガイドとして溝45が設けられている。なお、円板43は図では1枚のみ表示し、溝45にはドットを付して表示している。円板43同士の間隔は電極シートWの幅よりも僅かに広い。回転軸44に先端部が固定された電極シートWは、巻き取りローラー41の回転により、円板43の溝45に嵌まって巻き取られていく。
電極シートWが強く引っ張られると巻き取りローラー41の溝45から電極シートWが外れて、電極シートWの溶射面(表面)と裏面が接触してしまう。これを防止するために適切な巻き取り力で巻き取られるように、回転軸44に接続される回転機構46により、巻き取りローラー41の回転速度を制御して電極シートWを巻き取っていく。なお、この回転機構46及び後述の各回転機構は、モータなどにより構成される。
そのように電極シートWを巻き取っていくと、巻き取り半径が次第に大きくなり、電極シートWがフィードガイドローラー42のところで曲がってしまう。それにより電極シートWがダメージを受けることを避けるため、フィードガイドローラー42のところで電極シートWが曲がらず常に直進して巻き取られるように、徐々に巻き取りローラー41が上昇する。即ち、このような動作が行えるように、巻き取りローラー41が接続される上記の回転機構46は、例えば搬出用収容室3内に設けられた昇降機構47に接続されている。図1では一例として、実線で処理開始時の巻き取りローラー41の位置を、鎖線で処理終了時の巻き取りローラー41の位置を、夫々示している。
上記のフィードガイドローラー42は上下に2連であり、この上下のフィードガイドローラー42間を電極シートWが通過する。また、この上下2連のフィードガイドローラー42は、前後方向(電極シートWの送り方向)に2つ設けられている。つまり、フィードガイドローラー42は計4つ設けられている。このフィードガイドローラー42は、モータなどの回転機構には接続されていないため自転しない。
ところで、搬入用収容室2にセットされる電極シートWは表面と裏面とが接触して巻かれている。これに対して搬出用収容室3では上記のように電極シートWについて、表面と裏面とを非接触で巻き取る。従って、搬入用収容室2と搬出用収容室3とで、電極シートWのロールの収容に必要な容積に差が出来ることになるため、搬出用収容室3は搬入用収容室2に比べ大きくしてある。これにより、搬入用収容室2にセットした電極シートWを送る途中で搬出用収容室3の大きさの制限から処理を停止し、搬出用収容室3を途中で大気開放して処理済電極シートWを取り出すようなことを行うことなく、作業を続けることが出来る。従って、処理済の電極シートWはその処理面が物理的なダメージを受けることなく、低真空環境下で一連の作業が終了するまで巻き取りローラー41に保持されることになる。
続いて処理室5について、図3の概略横断平面図も参照しながら説明する。処理室5の天井には開口部51が形成されており、この開口部51を上から塞ぐように、電極シートWにリチウムイオンをドーピングする処理部を構成するリチウム溶射部52が設けられている。リチウム溶射部52については、少なくとも3つの移動機構(駆動モーターとねじとから構成される)53により上記の開口部51の外側にて支持され、その高さと傾きが調整可能となっている。ただし、この移動機構53については、図1において2つのみ表示している。処理室5内の気密性を保つように、開口部51の縁部とリチウム溶射部52とがベローズ54を介して接続されている。
リチウム溶射部52は、粉末供給部55と、加熱ガス供給部56とを含む。粉末供給部55は、希ガスと混合された状態で、垂直下方へ溶射材であるリチウム含有粉末を供給する噴出口57を備える。そのようなリチウム含有粉末の供給が行えるように、粉末供給部55は、粉末供給源50に接続されると共に、バルブV5、MFC58を介して希ガス供給源59に夫々接続されている。
また加熱ガス供給部56は、各粉末供給部55の前方、後方に各々設けられており、バルブV6、MFC61を介して希ガス供給源59に接続されている。そして、粉末供給部55から電極シートWへ向けてリチウム含有粉末を供給する際に、加熱ガス供給部56は、斜め下方の当該粉末の供給位置へ向けて加熱された希ガスを供給し、リチウム含有粉末を溶融する。
さらに詳しく加熱ガス供給部56の構成を述べると、加熱ガス供給部56の先端部には溶射ガンが設けられている。溶射ガンは陽極と陰極から構成され、これらの両極に電圧を印加することで、加熱ガス供給部56から吐出される希ガスによるアーク放電を起こす。その放電により、粉末供給部55から希ガスと共に供給されるリチウム含有粉末は溶融し、リチウムイオンを含むプラズマ流となって電極シートWに吹き付けられ、溶射が行われる。電極シートWの電極材料W1の幅全体に溶射が行われるように、以上に述べた粉末供給部55及び加熱ガス供給部56は、例えば左右方向に複数設けられている。
また、リチウム溶射部52は、処理室5内に希ガスを導入するガス導入口11を備える。ガス導入口11は、バルブV7及びMFC12が介設された配管13を介して、希ガス供給源59に接続されている。ところで上記のように、リチウム溶射部52には移動機構53が設けられるため、粉末供給部55の噴出口57と、後述する電極シートWが載置される載置台ローラー61の表面との間隔が調整可能である。この間隔は、処理室5に取り付けられた、当該噴出口57近傍の温度を測定する測温計14で計測した温度を基に調整することができる。電極シートWの種類や溶射材の種類により溶射時の許容温度が異なるため、上記の噴出口57の近傍温度を測り、上記の噴出口57と電極シートWとの間隔を調整することが好ましい。それによって、電極シートWの処理温度をより適切なものとすることが可能である。
処理室5の前後の中央領域には、電極シートWを載置して支持する載置台ローラー61と、テンショナー(テンションローラー)62と、フィードローラー63と、が設置されている。これらのローラー群の鳥瞰図である図4も参照して説明を続ける。前後方向にフィードローラー63、テンショナー62、載置台ローラー61、テンショナー62、フィードローラー63が、この順で設けられている。載置台ローラー61は水平な回転軸64を備えている。回転軸64は前後方向(電極シートWの搬送方向)に直交しており、従って、当該回転軸64の軸方向は当該電極シートWの搬送方向に交差する。この回転軸64は、例えば処理室5の外側で回転機構65に接続される。図3中66は、回転機構65の動作を制御するための駆動回路であり、後述の制御部10から出力される制御信号に基づいて、回転機構65の動作を制御すると共に、制御部10に載置台ローラー61の回転位置の情報を送信する。駆動回路66は、例えばフィードローラー63、巻き取りローラー41の各々を回転させる回転機構に対しても同様に動作し、これらの回転機構が互いに関連して動作する。つまり、載置台ローラー61、フィードローラー63、巻き取りローラー41が互いに関連して回転する。
第3のローラーである載置台ローラー61の内部には冷媒として、例えば定温水が流通する第1の内部流路である流路67が形成される。例えば上記の回転軸64にはこの流路67に夫々接続された、定温水を供給するための供給路68、定温水を排出するための排出路69が設けられる。処理室5の外に設けられた、例えばポンプと水の温度調整機構とを備えた流体供給部をなす定温水流通機構71により、供給路68への定温水の供給と、排出路69からの定温水の排出とが行われる。より具体的な構成例を述べると、回転軸64を囲むスリーブが設けられ、このスリーブと回転軸64との間の隙間がなす流路を介して、定温水流通機構71と、供給路68、排出路69との間における定温水の流通が行われるように構成される。
上記の流路67における定温水の流通により、載置台61の表面が温度調整される。後述するようにテンショナー62によって電極シートWは載置台ローラー61に密着した状態で溶射が行われるので、載置台ローラー61上の溶射が行われる溶射領域で、電極シートWの各部は均一性高い温度になるように保持される。このため電極シートWに局所的な温度変動がなく、溶射された部位の各々の特性がばらつくことを避けることができる。また、電極シートWの温度が大きく上昇することが抑制され、当該電極シートWが受けるダメージが抑制される。なお、流路67に供給するのは、処理時の電極シートWよりも温度が低い流体であればよく、水であることには限られない。
載置台ローラー61の回転中心は、既述した粉末供給部55の噴出口57の下方に位置しており、電極シートWのうち、この載置台ローラー61に載置されている部位に上記の溶射を行うことができる。また、載置台ローラー61は電極シートWの銅箔の端にいくほどローラー径がわずかに増大する鼓形状の円筒として構成されている。この形状により中央と端とで速度差が生じ、電極シートWに外側への引張力が働き、電極シートWにしわが発生することを防止する。この載置台ローラー61については、後にさらに詳しく説明する。
続いて、載置台ローラー61の搬入側(前方側)に取り付けられたフィードローラー63、テンショナー62について説明すると、当該フィードローラー63は、載置台ローラー61と同様に回転機構(不図示)に接続され、当該載置台ローラー61と連動して等速で回転するように構成されている。そのようなフィードローラー63と載置台ローラー61との回転により、電極シートWは一定速で粉末供給部55の噴出口57の下を通過することが出来る。
フィードローラー63は上下に2連であり、従って処理室5に計4つ設けられている。上下2連のフィードローラー63間を電極シートWが通過する。フィードローラー63を単純な円筒形状とすると、電極材料W1が当該フィードローラー63と接触することで汚れるおそれがあるので、それを防ぐためにフィードローラー63は、図3、図4に示すような段付ローラーとなっている。つまりフィードローラー63については、中央部の径よりも両端部の径が大きく、電極シートWのベース材である銅箔領域を上下から挟み、電極シートWをフィードする。そして、電極材料W1にはフィードローラー63の表面が接触しないようになっている。なお、電極シートWの裏面に当たるフィードローラー63は、段付無のローラーでもかまわない。また、例えば上下2連のフィードローラー63のどちらか一方、この例では上方側のローラーは、電極シートWの幅の中央から端に向かうほど、ローラー径がわずかに減少する太鼓形状の円形とされている。この形状により、電極シートWが片ずれする(左右方向のうちの一方へずれる)ことを防止しつつ、電極シートWを前後方向に引っ張りながら送るようにしている。
続いて搬入側に設けられたテンショナー62について説明する。この搬入側に設けられたテンショナー62は第2のテンションローラーであり、搬出側に設けられた第1のテンションローラーであるテンショナー62と共に第1のテンション付与部をなす。テンショナー62は、電極シートWを下方へ付勢することにより、電極シートWのうち載置台ローラー61に載置される部位に引張力を付加して、当該部位を載置台ローラー61に密着させる。テンショナー62の軸受に連接された圧縮バネにより、テンショナー62に力が付加されるが、当該圧縮バネの図示は省略している。テンショナー62もフィードローラー63と同様の段付きローラーであり、電極材W1に接触すること無しに電極シートWに力を加えることが出来る。テンショナー62の形状は、載置台ローラー61と同様に電極シートWの端にいくほどローラー径がわずかに増大する鼓形状の円筒になっている。その形状により、載置台ローラー61に対して電極シートWが横にずれることを防止すると共に、載置台ローラー61へ送り込まれる電極シートWにしわが発生することを防止する。
以上、載置台ローラー61の搬入側(前方側)に取り付けられたテンショナー62、フィードローラー63について説明してきたが、搬出側(後方側)に取り付けられたテンショナー62とフィードローラー63も、搬入側に取り付けられたものと同様の構成である。ところで、上記のように載置台ローラー61、フィードローラー63、巻き取りローラー41は、互いに関連して回転する。具体的に述べると、巻き取りローラー41は、搬出側のフィードローラー63の回転と連動し、電極シートWにテンションをかけながら巻き取る。この搬出側のフィードローラー63としては、巻き取られる電極シートWに過度の引張力が加わらずに保持と送りとが行われるように、その回転速度が制御される。また、フィードローラー63及び載置台ローラー61は、テンショナー62の作用が担保されるように、載置台ローラー61に電極シートWが押し付けられるように、互いに連動して回転する。
図1に示すように処理室5の底面には排気口72が開口し、当該排気口72はバルブV8が介設された排気管73を介して排気装置74に接続されている。また、処理室5の底部、即ち既述のローラー群の下には、粉末供給部55の噴出口57から放出されて、溶射プロセスに寄与しなかった未反応のリチウム含有粉末を回収するための粉体回収部75が設けられている。粉体回収部75は、例えば上側が開放されたトレイとして構成され、このトレイ内の空間は、処理室5内に設けられた粉体排出部76の排出路に接続されている。図中77は、上流側が粉体排出部76の排出路に接続される排気管であり、排気管77には下流側に向かって回収箱78、粉体の下流側への通過を防ぐためのフィルタ79が順に介設されている。そして、排気管77の下流端は上記のバルブV8に接続されている。
処理室5内の排気を行うときには、粉体排出部76に設けられる流路を介して粉体回収部75から排気が行われ、回収箱78に粉体が回収される。また、このように粉体を回収すると共に、排気口72からの排気が行われ、処理室5内の圧力が制御される。
ところで、上記のように希ガスはMFC27、37を介して夫々搬入用収容室2、搬出用収容室3に供給されるが、両室に設けた圧力計(不図示)により、処理中は常時計測が行われる。この計測結果に基づいて、処理中に搬入用収容室2の圧力及び搬出用収容室3の圧力を処理室5の圧力Pに対して常にΔPだけ高くなるように、圧力調整部を構成するMFC27、37の動作が制御される。それにより、搬入用収容室2、搬出用収容室3に供給された希ガスは、連通口21、31を経て処理室5に入り、当該処理室5から排気される。従って、処理室5の未反応リチウム含有粉末を含む希ガスが、搬入用収容室2、搬出用収容室3に流入することが抑制され、上記の粉体回収部75に流入する。
また、処理室5に開口する連通口21、31については、搬入用収容室2と処理室5との圧力差、搬出用収容室3と処理室5との圧力差を各々保つために、低コンダクタンスを実現する寸法で作られている。具体的には、これらの連通口21、31については、開口高さh(100μm〜200μm)に対して開口距離Dをhの二桁倍(即ち100より低い値の倍率)以上にしている。これにより搬入用収容室2及び搬出用収容室3から処理室5に各々流入する希ガスの量を少なくすることが出来、希ガス循環システムに過大な処理能力を要求することが無くなる。この希ガス循環システムとは、排気装置74、25、35で排気されて回収された希ガスを希ガス供給源59、29、39に送り、再利用するためのシステムであり、図示は省略している。
続いて載置台ローラー61について、さらに詳しく説明する。上記のように電極シートW1に接して載置する載置台ローラー61には、マスクパターン形成機構8が設けられている。マスクパターン形成機構8は、円板基台81と、各々マスクをなす複数の線状部材82と、線状部材82毎に設けられる線状部材駆動機構83と、により構成されている。従って、載置台ローラー61にマスクが設けられている。マスクにより、リチウム溶射部52から電極シートWへ噴出する溶融粉体が遮られ、電極シートWにマスクパターンが形成される。
円板基台81は、載置台ローラー61よりも大径の円板として構成されており、載置台ローラー61と同心になるように、ねじ84により当該載置台ローラー61の一面側に固定されている。そして円板基台81の一面側の周縁部において、当該円板基台81の中心から等距離に線状部材駆動機構83が設けられており、線状部材駆動機構83は、円板基台81の周方向に等間隔に設けられている。
以下、線状部材駆動機構83の内部構造を示した図5も参照しながら説明する。線状部材駆動機構83は、その軸方向が載置台ローラー61の回転軸64に並行する円筒85を備える。上記の線状部材82は直棒状に形成され、その長さ方向が円筒85の軸方向に揃うと共に当該長さ方向における一部が円筒85に囲まれて設けられている。そして線状部材82は、当該円筒85の軸方向に移動可能であるように当該円筒85によって保持、案内されるように構成されている。
円筒85は、基台85Aと基台カバー85Bとにより構成されており、これら基台85A、基台カバー85Bは、円筒85が上下に2分割されてなる構成要素である。基台85Aには、ガイドローラー86と、駆動ローラー87と、が組み込まれている。より詳しく述べると、ガイドローラー86及び駆動ローラー87は、当該基台85Aと基台カバー85Bとに挟まれて設けられ、円筒85の軸に対する直交軸まわりに回転可能に設けられている。図示した例では、円筒85の軸方向に見て、左右の一方に2つのガイドローラー86が当該軸方向に沿って設けられると共に、左右の他方に1つのガイドローラー86、駆動ローラー87が当該軸方向に沿って設けられている。駆動ローラー87の軸は、基台85Aに設けられるモータ88の軸と連結されている。
上記の線状部材82は、例えばその長さ方向に直交する断面の形状が星形であり、それ故に線状部材82の側部は、多数の溝を備える。その多数のうちの2つの溝がガイドローラー86及び駆動ローラー87の案内溝として使われ、上記のガイドローラー86及び駆動ローラー87は、当該案内溝内に進入している。ガイドローラー86及び駆動ローラー87は、案内溝にガタツキがないように与圧機構(図示せず)で、線状部材82をローラーから見て線状部材82が位置する方向へ押し付けている。そして、駆動ローラー87からの駆動力は摩擦力を使って与えられる、いわゆるフリクションドライブ機構が採用され、モータ88によって駆動ローラー87が回転することにより、円筒85の軸方向に沿って線状部材82が移動する。つまり、線状部材82は、載置台ローラー61の回転軸64の軸方向に沿って移動する。なお、本実施例では線状部材82の断面形状を星形としたが、形状に囚われることなく、実施の際の設計仕様に応じて自由に変形して構わない。
ところで図4は、電極シートWの処理時における各線状部材82の位置を示している。詳しく述べると、電極シートWよりも上方に移動した線状部材82については、載置台ローラー61の周面に近接すると共に対向し、当該載置台ローラー61に載置される電極シートWを覆って、上方から供給される溶融したリチウムを遮る遮蔽位置(マスクonの位置)に位置する。そして、電極シートWの下方に移動した線状部材82については、載置台ローラー61の周面とは対向しない非遮蔽位置(マスクoffの位置)に位置する。既述のように線状部材82が移動するため、遮蔽位置と非遮蔽位置は、電極シートWの搬送方向に直交する左右方向において、互い異なる位置である。
例えば、既述した駆動回路66は、載置台ローラー61の回転位置に対応する信号(回転位置情報)を、制御部10に出力する。制御部10は、その信号に基づいて各線状部材駆動機構83のモータ88に制御信号を出力し、上記の遮蔽位置(第1の位置)と非遮蔽位置(第2の位置)との間で線状部材82を移動させる。つまり、線状部材82の直線移動と、載置台ローラー61の回転とが連動して行われ、線状部材82は電極シートWに干渉しないように移動して、電極シートWの長さ方向において局所的に溶射が行われないマスク領域を形成する。各線状部材82は互いに同様に動作し、載置台ローラー61の周方向に等間隔に設けられることで、上記の非溶射領域が電極シートWの長さ方向に等間隔に形成される。なお、円板基台81に設ける線状部材82及び線状部材駆動機構83の組の数としては、電極シートWから形成するセルの大きさによって決定され、このように4つに限られるものではない。
また、電極製造装置1には、コンピュータによって構成される制御部10が設けられており(図1参照)、制御部10にはプログラムが格納されている。このプログラムについては、電極製造装置1の各部に制御信号を送信して各部の動作を制御し、後述のように電極シートWへのドーピング処理が実行されるようにステップ群が組まれている。具体的には、各回転機構によるローラーの回転、マスクパターン形成機構8による線状部材82の移動、各バルブVの開閉による各部屋における排気及び希ガスの供給、各MFCによる希ガスの流量調整の各動作がプログラムによって制御される。また、加熱ガス供給部56による希ガスの供給及び放電の発生、粉末供給源50から粉末供給部55へのリチウム含有粉末及び希ガスの供給、昇降機構47による巻き取りローラー41の上昇、定温水流通機構71による定温水の供給などの各動作についても、プログラムによって制御される。このプログラムは、ハードディスク、コンパクトディスク、DVD、メモリーカードなどの記憶媒体に格納され、制御部10にインストールされる。
続いて、上記の電極製造装置1の運用例について説明する。先ず装置のユーザーは、電極シートWのロールを搬入用収容室2の送り出しローラー20にセットする。そして、電極シートWの先頭部を、連通口21、上下に配置されたフィードローラー63間、連通口31を各々通して、搬出用収容室3へ引き出し、当該電極シートWを、処理室5のローラー群に架け渡す。さらに、電極シートWの先頭部を搬出用収容室3の巻き取りローラー41の中央に取り付け、当該巻き取りローラー41に巻き取られるようにする。
そのように電極シートWを電極製造装置1にセットした後、図示しない各部屋の扉を閉め、各排気装置74、25、35で排気して、搬入用収容室2内、搬出用収容室3内、処理室5内を各々例えば100torr(1.33×10Pa)以下の圧力にする。続いて希ガス供給源29、39、57に接続される各配管に介設されたバルブV2、V4、V7を開放し、各部屋に希ガスを充填する。この状態で、各部屋の排気を続け、100torr以下の圧力にする。この作業を何度か繰り返し、各部屋の残留酸素濃度が許容値以下に低減したことを確認する。残留酸素濃度の確認は、各室に取り付けた計測器(不図示)で行う。
その後、粉末供給部55でリチウム含有粉末を処理室5内に導入して溶射炎を噴出させ、測温計14にて計測される溶射領域近傍の温度が予め設定された温度になっているかを確認する。計測された温度が設定温度からずれている場合は、粉末供給部55の高さの調整が行われる。さらには溶射炎の噴出条件の調整が行われる。
そのように溶射条件が整ったところで、溶射によるドーピング処理が開始される。先ず、各回転機構に接続される巻き取りローラー61、フィードローラー63、載置台ローラー61が回転し、電極シートWの搬送が開始され、その電極シートWの搬送に応じて電極シートWに接する他のローラーも回転する。テンショナー62の作用により、電極シートWのうち、載置台ローラー61上に位置する部位は、当該載置台ローラー61に密着する。なお、この搬送中、既述したように処理室5内の圧力は、搬入用収容室2内及び搬出用収容室3内の圧力よりも高く保たれており、載置台ローラー61に対しては定温水の供給が行われている。そして、搬送が進行して巻き取りローラー41による電極シートWの巻き取り量が多くなるにつれて、搬出用収容室3内における当該巻き取りローラー41の高さが上昇する。
上記のように電極シートWの搬送が行われる一方で、粉末供給部55からのリチウム含有粉末の供給と、加熱ガス供給部56によるアーク放電とが行われ、リチウム含有粉末は溶融し、リチウムイオンを含むプラズマ流となる。このプラズマ流が、載置台ローラー61の中心軸上における溶射領域に供給され、搬送される電極シートWの表面の電極材料W1に、当該電極シートWの長さ方向に沿ってリチウムイオンのドーピングが連続して行われる。
このように電極シートWが搬送され、載置台ローラー61が回転する間、載置台ローラー61の回転に連動して、マスクパターン形成機構8の線状部材82が動作する。図6〜図9は、既述した4つの線状部材82のうちの1つを代表して、その動作を示したものである。鎖線で表示した線状部材82は非遮蔽位置に位置する状態(マスクoffの状態)、実線で表示した線状部材82は遮蔽位置に位置する状態(マスクonの状態)を夫々示している。図中の17はリチウム含有粉末である。このリチウム含有粉末17としては、溶融しているもの、溶融していないものを区別せずに示している。
電極シートWの下方において線状部材82は非遮蔽位置に位置し、マスクoffの状態となっている(図6)。その状態から、載置台ローラー61の回転により、線状部材82が例えば電極シートWの上方且つ前方側(搬入用収容室2側)のテンショナー62よりも後方の設定位置に移動すると、マスクパターン形成機構8の駆動ローラー87が回転する。それにより、線状部材82が遮蔽位置に前進し、マスクonの状態とされる(図7)。
そして線状部材82は載置台ローラー61の溶射領域上に移動し、溶融されたリチウム含有粉末80について、電極シートWにおける線状部材82の下方位置への供給が遮られる。その結果、電極シートW上には、ドーピングが行われる領域を当該電極シートWの長さ方向に隔てるように、当該ドーピングが行われない局所的なマスク領域18が形成される(図8)。
そして載置台ローラー61の回転が続けられ、線状部材82が例えば電極シートWよりも上方且つ後方側(搬出用収容室3側)のテンショナー62よりも手前の設定位置に移動すると、マスクパターン形成機構8の駆動ローラー87が回転する。そして、線状部材82を非遮蔽位置に後退させ、マスクoffの状態に戻る(図9)。
載置台ローラー61の回転中、このような線状部材82の移動動作が繰り返し行われ、上記のマスク領域18の形成が繰り返し行われる。代表して、1つの線状部材82の動作のみ図示して説明したが、他の3本の線状部材82についても同様に動作する。このように電極シートWの動きと連動して線状部材82の移動が行われることにより、図10に示すように、電極シートW上においてはマスク領域18が当該電極シートWの長さ方向に等間隔で順次、形成される。言い換えれば、当該電極シートWから製造される電池のセルの大きさに応じたドーピング領域が、電極シートWの長さ方向に等間隔で形成される。
以上のドーピング処理を、搬入用収容室2にセットした電極シートWの搬出用収容室3への巻き取りが終わるまで続ける。処理の終了後、電極製造装置1のユーザーは、巻き取りローラーの取り出し冶具を用意し、搬出用収容室3から巻き取りローラー20を取り出し、次工程へ処理した電極シートWを送る。1つのドーピング領域(隣接するマスク領域18に挟まれる領域)から、1つの電極のセルが製造される。
上記のように電極製造装置1は、載置台ローラー61の回転と連動して稼働する線状部材駆動機構83を備えている。それにより、連続的に電極シートWにリチウムイオンのドーピングを行ないながら、電極シートWの表面においてセル単位ごとに、リチウムイオンドーピングの有り無しパターンを形成することができる。仮にこのドーピングの後工程でパターン形成を行おうとすると、余計なプロセス工程を増やすことになり電池作製コスト増大につながるおそれが有る。しかし、電極製造装置1によればドーピング時にパターン形成を行うため、上記の後工程でパターン形成を行う場合に比べて、ドーピング後のプロセス工程を減らすことができ、電池作製コストを低減することができる。また、電極製造装置1は電極シートWの搬送を止めることなく、連続的にドーピング処理を行うことができるため、当該ドーピング処理については高速で行うことができ、高いスループットを得ることができる。
ところで、電極製造装置1においては、マスクパターン形成機構8及び載置台ローラー61が連結され、一体となって回転機構65により回転するが、マスクパターン形成機構8及び載置台ローラー61のうち、載置台ローラー61が設けられていない構成であってもよい。つまり、中空に浮いた状態の電極シートWへのドーピングと、当該ドーピングに対するマスキングと、が行われる装置構成であってもよい。
ただし、ドーピング処理時に電極シートWは、溶射時に発生する溶射炎により高温に晒されると共に、当該電極シートWには希ガスの噴流が供給される。上記のように電極シートWの溶射される領域が中空に浮いているとした場合、溶射時に希ガスの噴流により溶射時に電極シートWが振動する。その結果、電極シートWに対して衝撃が加わり、破断などの不具合が発生するおそれ、電極シートWの各部における溶射炎に対する距離のばらつきによる温度の不均一化によるドーピング処理が不均一となるおそれが有る。つまり、電極製造装置1は載置台ローラー61を備えることで、上記の電極シートWの振動を抑えて、化学的及び物理的性能の低下を防ぐことが出来、当該電極シートWから製造されるリチウム電池の性能のばらつきの低減に寄与することが出来る。また、電極製造装置1においてはテンショナー62の作用により、電極シートWが載置台ローラー61に対してより確実に密着するため、上記の電極シートWの振動を、より確実に抑制することができる。
(第2の実施形態)
続いて第2の実施形態について、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。なお、第1の実施形態と同一の部品には同一の番号を付けて、詳しい説明は省略する。この第2の実施形態は載置台ローラー61の構成について、第1の実施形態と異なっており、その概略を述べると、電極シートWにおける溶射が行われる領域の温度を所望の温度に調整するためのガスによる定温化機構9が接続されている。
図11は第2の実施形態における載置台ローラー61の鳥瞰図である。載置台ローラー61の周面の幅中央部は、多数の凹凸が形成されたエンボス領域91として構成されており、当該エンボス領域91は、載置台ローラー61の周方向に間隔を空けて複数設けられている。エンボス領域91についてより詳しく説明すると、当該エンボス領域91は、後述するガス供給口92及び排気口93が開口する比較的大きな凹部と、凹部内に多数設けられた凸部とにより構成される。従って、見方によってはエンボス領域91は多数の凹部が横方向に接続された領域であり、後述のようにエンボス領域91内の特定の位置に供給されたガスは、エンボス領域91全体に広がることができる。
図12は載置台ローラー61の表層を、図11中の載置台ローラー61の下端におけるローラーの幅方向に沿った分割線A1−A2に沿って切断し、その分割線A1−A2を長さ方向の両端として平面展開して示した図である。上記のエンボス領域91の幅は、本実施形態では電極シートWの電極材料W1の幅よりわずかに広く、当該エンボス領域91の長さは、作製するセルの長さよりわずかに大きい。そのような設定により、この実施形態では3つのエンボス領域91が配置されている。なお、後述のように、電極シートWにおいてこのエンボス領域91に重なる部位の温度がガスにより調整されることになる。つまり、当該エンボス領域91の大きさは、電極シートWを使って作製するセルの大きさによって決定されるので、3つとすることには限られない。
エンボス領域91のほぼ中央には、上記のガス供給口92と排気口93とが設けられている。伝熱ガスとして例えばHe(ヘリウム)ガスが貯留されたタンク94に、バルブV11が介設されたガス供給管95の上流側が接続されている。そして、当該ガス供給管95の下流側は、バルブV12、MFC96がこの順で下流側に向けて各々介設された3つの分岐管97をなす。分岐管97の下流側は、ガス供給口92に接続されている。また、各排気口93には、圧力計98、バルブV13がこの順で下流側に向けて介設された大気開放管99の上流側が接続されている。大気開放管99の下流側は処理室5の外部の大気雰囲気に開放されている。また、真空雰囲気の処理室5から排気を行えるように、例えば大気開放管99には図示しないポンプが設けられている。バルブV12、V13、MFC96及び圧力計98は、ガスの流通を管理制御するガス通流ユニット90としてまとめられており、エンボス領域91毎に設けられている。なお、ガス通流ユニット90、タンク94、ガス供給管95、分岐管97、大気開放管99及びバルブV11は、伝熱ガス供給部をなす上記の定温化機構9を構成する。
ガス通流ユニット90及びタンク94を含むガス供給機構のより詳しい構成例を述べると、タンク94、ガス通流ユニット90、ガス供給管95、分岐管97、大気開放管99については、例えば処理室5の外部に設けられている。そして、分岐管97の下流側、大気開放管99の上流側は、載置台ローラー61及び回転軸64に設けられるガスの供給用流路97A、ガスの排出用流路99Aに接続される。そして、第2の内部流路である供給用流路97Aの下流端、排出用流路99Aの上流端が、上記のガス供給口92、排気口93として夫々開口する。つまり、第1の実施形態で定温水を載置台ローラー61内の流路67と処理室5の外部とで流通させる構成例を述べたが、同様の構成でHeガスが載置台ローラー61と処理室5の外部との間で流通する。なお、この第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、定温水が載置台ローラー61と処理室5の外部とで流通する構成となっている。
上記のガス通流ユニット90は制御部10に接続されており、制御部10から出力される制御信号に従って、ガス通流ユニット90に含まれる各機器が動作する。また、第1の実施形態と同様に、制御部10は各ローラーの駆動回路66に接続され、載置台ローラー61を含むローラー群と情報のやり取りが出来る。このような構成としたことで、各エンボス領域91に対して載置台ローラー61の動きと連動して、ガス供給及び排気を個別に行えるようになっている。
図13は載置台ローラー61におけるエンボス領域91と、第1の実施形態で説明した線状部材82との位置関係の例を示す側面図である。エンボス領域91は電極シートWのセルの大きさに対応し、電極シートWのエンボス領域91に接する領域に、ドーピング処理が行われる。従って、載置台ローラー61の回転中心P1から見て、エンボス領域91が位置する領域とは載置台ローラー61の回転方向に離れた位置に線状部材82が位置する。なお、第1の実施形態で説明済みであるため、この図13以外の第2の実施形態を示す各図では、線状部材82を含むマスクパターン形成機構8の表示を省略している。
図14〜図20は載置台ローラー61における一つのエンボス領域91を切り出して示したものである。そのエンボス領域91と電極シートWの長さ方向における任意の領域(W2とする)との係わりについて説明することで、載置台ローラー61の動作を述べる。図14〜図16は載置台ローラー61の展開図であり、図中の右側が前方側(搬出用収容室3側)、左側が後方側(搬入用収容室2側)を夫々示している。図17〜図20は載置台ローラー61及び電極シートWの領域W2の側面図である。なお、これらの側面図については載置台ローラー61の表面を湾曲させて平面であるように示しており、その載置台ローラー61の変形に合せて、電極シートWについても湾曲させて示している。なお、図19中ではHeガスを101、溶射炎を102として示している。
第1の実施形態で説明した溶射によるドーピング処理が開始され、載置台ローラー61が回転し、図14、図17に示すように、載置台ローラー61に送り込まれる電極シートWの領域W2が、エンボス領域91に覆い被さっていく。第1の実施形態で述べたようにテンショナー62により電極シートWには引張力が加わっているので、領域W2は、撓みなく回転するローラー61に巻きついていく。さらに載置台ローラー61が回転するとエンボス領域91全域を領域W2が覆いつくす。即ち図15、図18の状態となり、この状態ではエンボス領域91がなす上記の凹部は閉空間となる。なお、この閉空間が形成される状態になっているかどうか、載置台ローラー61の回転位置情報から制御部10が検知することが出来る。
閉空間が形成されたところで、制御部10がバルブV12を開け、MFC96を駆動して、閉空間の圧力が所定の値に達するまで、Heガス101をエンボス領域91に供給する。この際には大気開放管99側のバルブV13は閉じたままである。電極シートWと載置台ローラー61の表面との密着状態がよくなく、このようにHeガス101を供給した際に、検出される圧力が、設定された圧力に対して低下する場合があるが、このような場合にはMFC96を駆動して設定された圧力となるように制御される。
載置台ローラー61は内部に組み込まれた流路67を流れる定温水により、定温化されている。この状態で電極シートWの領域W2にドーピング処理が行われて、図19に示すように領域W2は溶射炎102に曝され、熱が供給される。しかし、エンボス領域91がなす閉空間に充填されたヘリウム分子における、領域W2の裏面と、エンボス領域91の表面(即ち、載置台ローラー61の表面)との間での衝突運動により、領域W2の裏面からエンボス領域91の表面へ熱が伝達する。即ち領域W2が冷却される。この状態は領域W2の裏面が載置台ローラー61の表面と完全接触している状態とほぼ同様で、領域W2の温度変動を極めて小さく抑えることができる。ここで、ドーピング処理による電極シートWへの熱供給で、領域W2が伸長して、部分的にエンボス領域91から浮き上がるとする。その場合でも、領域W2には常にHeガス101により熱伝達が行われるため、当該領域W2の過度な温度上昇が避けられる。
載置台ローラー61がさらに回転することで、領域W2の位置がエンボス領域91に対して徐々にずれていく。この状態に達したらバルブV12を閉め、MFC96の駆動を止め、閉空間へのHeガス101の供給を中断する。それと同時に大気開放管99のバルブV13を開け、閉空間から大気開放管99へとHeガスを排出する。図16、図20は、さらに載置台ローラー61が回転して、エンボス領域91の一部から領域W2が離れ、閉空間の形成がキャンセルされた状態を示している。以上のようなHeガスの供給動作及び排気動作を、載置台ローラー61表面に設けられた3つのエンボス領域91で順次繰り返していく。なお、マスクパターン形成機構8については、第1の実施形態と同様に動作させる。これにより電極シートWを冷却しながら、連続してドーピング処理を繰り返すことが出来る。
上述の実施形態では載置台ローラー61の表面に3つのエンボス領域91が設けられた場合について説明したが、作製するセルの大きさにより、エンボス領域91の配置数は変えることができる。ガス流通ユニット100の数については、エンボス領域91の数に応じて設ければよい。また、載置台ローラー61の幅についても、セルの大きさに応じて、適切な大きさに設定する。なお、載置台ローラー61に対して電極シートWが接触しだす位置、離れだす位置が適切となり、図14〜図20で説明した各工程が適切に実施されるように、載置台ローラー61付近のテンショナー62の上下の位置については、適宜設定する。
以上説明したように、第2の実施形態においては、Heガスを使った定温化機構9が電極製造装置1に組み込まれたことで、処理中の電極シートWにおいて各溶射される領域の温度ばらつき及び温度の過度の上昇を、より確実に解消でき、性能のよい電極を作製することができる。なお、上記のガス流通ユニット100においてはエンボス領域91に供給したHeガスを、大気開放管99を介して排気することで、Heガスが処理室5内に放出されないように動作しているが、そのような大気開放管99を介した排気が行われず、Heガスが処理室5内に放出されてもよい。また、上記の動作例では閉空間の形成中に大気開放管99による排気が行われているが、閉空間の形成がキャンセルされた後に大気開放管99による排気が行われてもよい。そして、載置台ローラー61の周面については、電極シートW1に塞がれたときにHeガスが充填されればよいので、既述した凹凸からなるエンボス領域91の代わりに、比較的大きな凹部が形成された構成であってもよい。ただし、既述したプラズマ流による電極シートWの振動を抑制するためには、エンボス領域91とすることが好ましい。
(第3の実施形態)
続いて第3の実施形態に係る電極製造装置111について、第1の実施形態の電極製造装置1との差異点を中心に説明する。図21は電極製造装置111の縦断側面図である。高温のリチウムがドーピングされた後の電極シートWは、強制冷却または自然冷却される過程において、電極材料W1の被ドープ面(負極面)と、電極材料W1が形成されたベース材との熱膨張率の違いから、徐々に負極面を外側にして丸まってしまうおそれが有る。
また、電極材料W1は熱が加えられると硬化しやすい。つまり、既述したドーピング処理後は硬化するおそれがある。既述のように丸まった電極シートW上で電極材料W1が硬化していると、電極シートWを平らに戻そうと力を加えたとき、ドープされた電極材料W1が割れ、ベース材から剥離してしまうおそれが有る。このような剥離部分を残したままの電極シートWを用いてリチウムイオン電池を作製すると、所望とする電池性能が得られず、製品の歩留まり低下の原因となるおそれが有る。
そこで、電極製造装置111に設けられる搬出用収容室3は、上記の電極材料W1の丸まりが抑制されるようにテンションが付与された状態で、電極シートWを巻き取りローラーに巻き取り、保持するように構成されている。また、そのように電極シートWの巻き取りを行うにあたり、間紙W3が電極シートWの表面に重なるように巻き取りを行い、ロール化される電極シートWの表面と裏面とが接触することを防ぐ。つまり、長尺で電極シートWに重ねられる間紙W3(重ねシート)についてもロールツーロールにより搬送され、電極シートWと共通の巻き取りローラーで巻き取られるように構成されている。この間紙W3についても撓み無く電極シートWに積層されるように、電極シートWと同様にテンションが付与された状態で巻き取られる。
以下、電極製造装置111について具体的に説明する。なお、他の実施形態と同一の部品には同一の番号を付けて、詳しい説明は省略する。また、本実施形態では他の実施形態と構成の異なる搬出用収容室3についてのみ詳述する。この電極製造装置111の搬出用収容室3内には第1の実施形態の巻き取りローラー41に代り、巻き取りローラー112が設けられる。巻き取りローラー112には図2で説明した溝45が設けられておらず、その周面上に電極シートWと間紙W3との積層体(以下、積層シートと表記する)を巻き取る。また、巻き取りローラー112は、昇降機構(高さ変更機構)47に接続されていない。
以下、搬出用収容室3の概略構成をさらに説明する中で、その作用についても併せて述べることにする。処理室5で処理されてリチウムイオンがドーピングされた電極シートWは、処理室5のフィードローラー63、搬出用収容室のフィードガイドローラー42を介して後方に送られ、巻き取りローラー112に巻き取られていく。巻き取りローラー112とフィードガイドローラー42との間に設けられるテンショナー(テンションローラー)113によって、厚さ方向に押圧されることで、電極シートWには常に引張力が働き、電極シートWは緩みなく巻き取りローラー112に巻き取られる。
巻き取りローラー112の上方且つ後方には間紙W3のロールがセットされ、間紙W3の送り出しローラーである間紙ローラー114(第4のローラー)が設けられている。間紙ローラー114から引き出された間紙W3については、巻き取りローラー112と間紙ローラー114との間に設けられたテンショナー115によって、厚さ方向に押圧されることで、間紙W3には常に引張力が働く。それによって、当該間紙W3は緩みなく巻き取りローラー112に巻き取られる。上記したように間紙W3、電極シートWは互いに重なり、積層シートとされた状態で巻き取られる。巻き取りローラー112の上方に設けられた押えローラー116は、下方へ付勢されて、積層シートを巻き取りローラー112の周面へ押圧するように構成されており、当該積層シートを緩みなく押える。なお、テンショナー113、115の作用のみによって緩み無く各シートの巻き取りを行える場合は、この押えローラー116を設けなくてもよい。
即ち、夫々第2のテンション付与部、第3のテンション付与部をなすテンショナー113、115の作用により、間紙W3及び電極シートWにおける巻き取りローラー112に巻き取られる部位は、間紙W3、電極シートWの各搬送方向とは逆向きの引張力を受ける。そして、そのように引張力が作用するため、間紙W3、電極シートWは上記のように各々緩み無く巻き取られ、巻き取られた間紙W3及び電極シートWからなる積層シートについては、その表面、裏面が互いに密着したロールとして巻き取りローラー112に固定される。なお、電極シートWにテンションを付与するテンショナー113について補足しておくと、この例では間紙W3と重なり積層シートとなった状態の電極シートWを前下方斜めに押圧する。図21中、テンショナー113、115が電極シートW、間紙W3を押圧する方向を夫々、これらのローラー近くに付した矢印により示している。
電極製造装置111を運用するための準備作業を説明する。なお以下の説明で、時計回りとは、図中における時計回り、即ち後方側を左側として見たときの時計回りである。先ず、装置のユーザーは、間紙W3の端と電極シートWの端を、巻き取りローラー112の取り付け部(不図示)に両者一体で取り付けて固定する。この後、フィードガイドローラー42を回転停止とし、準備作業中に電極シートWが移動しないように固定する。続いて巻き取りローラー112を反時計回りに回転させ、電極シートWに撓みがなくなるように引張力を与える。なお、間紙ローラー114は、例えば時計回りにしか回転しないブレーキ機能を持つローラーで、わずかな引っ張りにはブレーキが働く。つまり、間紙ローラー114は、この準備作業中における不要な回転が防がれ、テンショナー113、115を作用させたときには間紙W3に引張力を付与できるように構成されている。
このように電極シートW及び間紙W3がセットされた状態でテンショナー113、115を作用させ、既述したように電極シートWと間紙W3とに常に引張力が加わるようにする。ドーピング処理の際は、このように引張力が作用する状態を保ちながら処理室5で電極シートWに溶射処理を行う。この処理速度に合わせて巻き取りローラー112を回転させ、電極シートWと間紙W3とを弛みなく巻き取りローラー112に巻き取っていく。
この電極製造装置111において、電極シートWは、巻き取りローラー112の比較的なだらかな曲率の周面に沿って積層シートとして巻き取られて、当該巻き取りローラー112に固定された状態で冷却される。この冷却中はテンショナー111の作用により、巻き取られた電極シートWについては、その変形力に抗するように巻き取りローラー112に固定される。従って、電極材料W1の被ドープ面(負極面)と、電極材料W1が形成されたベース材との熱膨張率差に起因した、電極シートWの極端な丸まりを防止することができる。従って、電極材料W1が高熱で硬化した電極シートWに対して後工程で力を加えて平坦化する必要を無くす、ないしは平坦化に必要な力を抑えることができる。従って、後工程での加工処理を容易とすることができ、平坦化するにあたってのベース材からの電極材料W1の剥離も抑制することができる。この結果、歩留まり低下を招くことなく、所望の電池性能を有するリチウムイオン電池を作製することができる。なお、上記の電極製造装置111では、巻き取られた電極シートWは自然冷却される構成であるが、冷却用のガスの吹きつけなどによって強制冷却してもよく、その場合にも既述した丸まり防止の効果が得られる。
また、電極製造装置111においては、巻き取りローラー112に近接して間紙W3が巻かれた間紙ローラー113を設置し、ドープされた電極材料W1の表面に間紙W3を被せるようにして、巻き取りローラー112に両者を巻き取る構成とされている。そのような構成により、電極シートWの裏面と、ドーピングされた電極材料W1の表面とが巻き取られる際に直接接触することが防止される。これにより、後工程の処理時に電極シートWの裏面、電極材料W1の表面の各々の清浄性が保証され、当該後工程の処理前に、余計な前処理を実施することを不要とすることができる。
(第4の実施形態)
続いて第4の実施形態に係る電極製造装置121について、第3の実施形態との差異点を中心に説明する。ところで、リチウムイオン二次電池は、正極、セパレーター、既述のドーピングされた電極シートWから構成される負極、セパレーターが、この順に積層された、4層の積層構造体により構成される。この第4の実施形態の電極製造装置121は、第3の実施形態の電極製造装置111と同様に、電極シートWと他のシートとを、共通の巻き取りローラー112により積層シートとして巻き取る構成とされている。そして、他のシートとしては間紙W3の代りに、上記の正極を構成する正極シートW4、及びセパレーターを各々構成する第1のセパレーターシートW5、第2のセパレーターシートW6が用いられる。これらのシートW4〜W6を電極シートWと同時に巻き取るようにすることで、ドーピング処理の後工程で行う作業を大幅に簡素化できる。
図22に電極製造装置121の搬出用収容室3にフォーカスした断面図を示す。なお、他の実施形態と同一の部品には同一の番号を付けて詳しい説明は省略する。以下、電極製造装置121の概略構成を説明する中で、その作用についても併せて述べることにする。巻き取りローラー112の上方且つ前方には、正極シートW4が巻かれた正極ローラー122と、第1のセパレーターシートW5が巻かれた第1のセパレーターローラー123とが配置されている。巻き取りローラー112の下方且つ前方には、第2のセパレーターシートW6が巻かれた第2のセパレーターローラー124が配置されている。
また、正極シートW4、第1のセパレーターシートW5、第2のセパレーターシートW6を夫々厚さ方向に押圧して、引張力を付与するためのテンショナー125、テンショナー126、テンショナー127が夫々設けられている。第3の実施形態の図と同様に、図中で各テンショナー付近に付した矢印は、各テンショナーがシートを押圧する方向を示している。このように電極製造装置121の搬出用収容室3には、シートW4〜W6毎に、シートを送り出すローラーとシートを押圧するテンショナーとの組が設けられている。
正極ローラー122、第1のセパレーターローラー123、第2のセパレーターローラー124から夫々引き出された正極シートW4、第1のセパレーターシートW5、第2のセパレーターシートW6は、テンショナー125、126、127を介して巻き取りローラー112に巻き取られる。電極シートWについてもテンショナー113を介して、これらのシートW4〜W6と同時に巻き取りローラー112に巻き取られる。この巻き取り中、押えローラー116は、これら4種類のシートを緩み無く押える。
巻き取りローラー112は各テンショナーの作用により、4種類のシートに引張力が常に加わった状態で、これらのシートを互いに積層された4層の積層シートとして巻き取る。なお、この第4の実施形態における積層シートは、上記のリチウムイオン二次電池の構成に対応して、正極シートW4、第1のセパレーターシートW5、電極シート(負極シート)W、第2のセパレーターシートW6が、この順に積層されて構成される。
電極製造装置121を運用するための準備作業を説明する。先ず、装置のユーザーは、4種のシートW、W4〜W6の端を巻き取りローラー112の取り付け部(不図示)に一体として取り付けて固定する。この後、フィードガイドローラー42を回転停止とし、準備作業中に電極シートWが移動しないように固定する。続いて巻き取りローラー112を反時計回りに回転させ、電極シートWに撓みがなくなるように引張力を与える。なお、残り3つのローラー122〜124は、第3の実施形態の間紙ローラー114と同様にブレーキ機能を持ち、準備作業中に不要に回転しないように構成されている。
このように電極シートW、他の3つのシートW4〜W6がセットされた状態でテンショナー113、125〜127を作用させ、電極シートWと他の3シートW4〜W6に常に引張力が加わるようにする。この状態を保ちながら処理室5で電極シートWに溶射処理を行う。この処理速度に合わせて巻き取りローラー112を回転させ、電極シートWと他の3シートWを弛みなく巻き取りローラー112に巻き取っていく。
上述の電極製造装置121によれば、溶射によるドーピング処理が行われた電極シートWに常に引張力を与えながら、当該電極シートWを含むリチウムイオン二次電池を構成する4種のシートを同時に巻き取りローラー112に巻き取ることができる。その電極シートWの巻き取りを行うにあたり、第3の実施形態と同様に電極シートWの極端な丸まりを防止することができ、電極シートWの裏面とドーピングされた電極材料W1の表面とが、巻き取られる際に直接接触することが防止される。
さらに、正極シートW4、第1のセパレーターシートW5、第2のセパレーターシートW6を、電極シートWと同時に各シートに共通の巻き取りローラー112によって巻き取る。それによって、既述のリチウムイオン二次電池が有する積層構造体を、巻き取りローラー112上に形成することができる。従って、このドーピング処理後の後工程では、巻き取りローラー112から必要な長さの積層構造体を取り出し、巻物を作り、電極を取り付けて、所望の電池セルを作製する。そのため当該電池セルを容易に作製することができる。従って、電極製造装置121を用いることで、後工程作業での大幅なコスト削減が可能になる。また、上記の巻き取りを行うにあたり、各テンショナーの作用によって各シートW、W4〜W6は撓み無く巻き取られて、互いに密着した積層シートとされるため、この積層シートから製造される製品の歩留りを向上させることができる。
また、上記の例では4層の積層シートが製造されるが、このような積層数には限られない。例えば電極シートW1と第1のセパレーターシートW5とのみからなる積層シートが製造されるようにしてもよい。なお、上記の正極シートW4としては、例えばアルミニウムなどの金属箔からなるベース材上に、活物質として例えばLiMnなどのリチウムを含む化合物の薄膜が形成されたシートである。そして、第1のセパレーターシートW5、第2のセパレーターシートW6としては、例えばセラミックス製のシートである。
ところで、例えばリチウム含有粉末をアーク放電によりプラズマ化せずに電極シートWに供給し、電極シートWの搬送経路上に設けたヒーターにより当該電極シートWを加熱し、リチウムと電極材料W1とを反応させた後、電極シートWが巻き取られるような装置構成としてもよい。つまり本開示の電極製造装置は、粉体に含まれるリチウムをイオン化して電極シートWに供給することには限られないし、プラズマを形成して処理を行うことにも限られない。また、各電極製造装置についてリチウムイオン電池を構成する負電極を製造するものと説明してきたが、ここでは電池にはキャパシタが含まれるものとする。つまり、リチウムイオンキャパシタに含まれる負電極について各電極製造装置にて製造することができる。
なお、第1の実施形態の説明で述べたように載置台ローラー61を設けずに、マスクパターン形成機構8のみを処理室5に設けてもよい。そのようにマスクパターン形成機構8を設ける場合、マスクが設けられる回転体の回転軸64の軸方向が電極シートWの搬送方向と直交するように装置を構成することに限られず、当該軸方向と搬送方向とが斜めに交差する関係となっていてもよい。図23で示す例は、そのように回転軸64の軸方向(二点鎖線で表示)が、電極シートWの搬送方向(二点鎖線の矢印で表示)に対して斜めになるように構成した例を示している。
ところで図24は載置台ローラー61を前後方向に見た側面図である。この載置台ローラー61に設けられるマスクパターン形成機構130は、旋回軸131と、旋回軸131を回転させる回転機構132と、旋回軸131に接続された棒状のマスク133と、を備えている。つまり旋回軸131の回転により、マスク133が遮蔽位置と非遮蔽位置との間を旋回移動する。つまり第1の実施形態で述べた、マスク(線状部材82)が直線移動する構成とすることには限られない。なお、マスク133の旋回角度については、シートの搬送方向に直交する左右方向における位置が変わり、電極シートWへの干渉を防ぐことができればよいので、図示の例のように180度回転する構成とすることには限られない。ただし、処理室5のスペースの大型化を防ぐために、既述したようにマスクが直線移動する構成とすることが好ましい。
また、各実施形態において設けられるテンショナー(テンションローラー)については、比較的摩擦が低く形成され、シートを押圧可能な押圧部材によって代用することができる。つまりテンション付与部としてはローラーであることには限られない。
続いて、処理室5に設けられるリチウム溶射部の他の構成例について、図25を参照して説明する。この図25に示すリチウム溶射部141のように、加熱ガス供給部56が設けられない構成とすることができる。リチウム溶射部141において、ノズルである粉末供給部55の外側には肉厚の第1のリング体142が設けられ、さらに第1のリング体142の外側には薄肉の第2のリング体143が設けられている。これらの粉末供給部55、第1のリング体142、第2のリング体143は、同軸構造であり、プラズマ溶射ガン140を構成する。そして、粉末供給部55、第2のリング体143は直流電源144に接続されて夫々カソード電極、アノード電極として構成され、第1のリング体142はこれらの電極間を絶縁する。
粉末供給部55に接続されるフィーダー145は、リチウム含有粉末が貯留される粉末貯留部146と、駆動機構147と、により構成されている。粉末供給部55には希ガスであるキャリアガスが供給され、このキャリアガスのガス流は粉末供給部55に供給される。駆動機構147により、粉末貯留部146から上記のガス流に対してのリチウム含有粉末の給断が行われる。制御部10によって、駆動機構147の動作は後述のMFC161の動作と連動するように制御され、例えばガス流へのリチウム含有粉末の供給量は、粉末供給部55に供給されるキャリアガスの流量に応じたものとなる。そして、粉末供給部55、第2のリング体143に各々電圧が印加されることで、粉末供給部55に供給されたリチウム含有粉末及びキャリアガスはプラズマ流を形成し、溶射炎102を生じると共に、電極シートWに吹き付けられる。なお、図中148は溶融前のリチウム含有粉末、149はプラズマにより溶融後のリチウム含有粉末を夫々示している。
リチウム溶射部141の構成について補足して説明する。第1のリング体142は、粉末供給部55よりも下方へ突出し、当該粉末供給部55の下方に平面視円形の空間151を形成する。第1のリング体142には、空間151に側方から希ガスを吐出し、上記のプラズマ流を旋回流とするための吐出孔152が開口している。図中153は、第1のリング体142の下端部を覆い、溶射炎102による当該下端部の損傷を防ぐ保護部材である。
さらに、第1のリング体142には冷却水の流路154が設けられており、処理中に冷却水が流通して、プラズマ溶射ガン140の温度上昇が抑制される。この冷却水の流通を行うために例えば第1のリング体142には、バルブV21、流量計155が下流側に向けて順に介設された冷却水の供給管156と、バルブV22が介設された冷却水の排出管157と、が接続されている。また、粉末貯留部146、第1のリング体142には、MFC161が介設された配管162の下流端、MFC163が介設された配管164の下流端が夫々接続され、これらの配管162、164の上流端はバルブV21を介して希ガスの供給源165に接続されている。つまり、上記のキャリアガス、旋回流形成用のガスを、粉末貯留部146、第1のリング体142に夫々供給できるように、配管162、164が設けられている。
以上、添付図面を参照しながら本技術の好適な実施形態について説明したが,本技術は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に既述の各実施形態を含む技術的範囲に属するものと了解される。従って、上記の各実施形態は適宜変更したり、適宜組み合わせたりすることが可能である。
1 電極製造装置
17 リチウム含有粉末
5 処理室
52 リチウム溶射部
61 載置台ローラー
82 線状部材

Claims (15)

  1. 長尺な電極シートがロールツーロールによって長さ方向に搬送される処理室と、
    軸方向が前記電極シートの搬送方向と交差する回転軸を備え、前記電極シートの搬送中に回転するように前記処理室に設けられた回転体と、
    前記処理室を搬送中の前記電極シートに向けて粉体を供給して処理する処理部と、
    前記電極シートとの干渉を防ぐために前記搬送方向に対して直交する方向において異なる第1の位置と第2の位置との間で移動し、前記第1の位置において前記電極シートを覆って当該電極シートへの前記粉体の供給を局所的に防ぐように前記回転体に設けられたマスクと、
    を備える電極製造装置。
  2. 前記粉体は溶射材であり、前記処理部は当該粉体を溶射して前記電極シートを処理する請求項1記載の電極製造装置。
  3. 前記回転軸の軸方向は前記搬送方向と直交する方向であり、
    前記マスクは、当該軸方向に沿って移動する請求項1または2記載の電極製造装置。
  4. ロールツーロールを行うための巻き取り側のロールを保持するローラー、送り出し側のロールを保持するローラーを夫々第1のローラー、第2のローラーとすると、
    前記回転体は、第1のローラーと第2のローラーとの間の前記電極シートの搬送経路にて、当該電極シートに接するように設けられる第3のローラーであり、
    前記処理部は、前記電極シートの前記第3のローラーに接する部位に前記粉体を供給する請求項1ないし3のいずれか一つに記載の電極製造装置。
  5. 前記第3のローラーの内部には第1の内部流路が設けられ、
    当該第1の内部流路に当該ローラーの温度を調整するための流体を供給する流体供給部が設けられる請求項4記載の電極製造装置。
  6. 前記第3のローラーの周面に形成された、前記電極シートにより塞がれる凹部と、
    前記凹部に開口する下流端を備え、前記第3のローラーの内部に設けられた第2の内部流路と、
    前記第2の内部流路の上流側に、前記電極シートと前記ローラーとの間で伝熱するための伝熱ガスを供給する伝熱ガス供給部と、
    を備える請求項5記載の電極製造装置。
  7. 前記凹部は、前記ローラーの周方向に間隔を空けて複数形成される請求項6記載の電極製造装置。
  8. 前記電極シートにおける前記第3のローラーに接する部位に、テンションを付与するための第1のテンション付与部が設けられる請求項4ないし7のいずれか一つに記載の電極製造装置。
  9. 前記第1のテンション付与部は、前記第3のローラーに対して前記第1のローラー側、前記第2のローラー側の各々に設けられた第1のテンションローラー、第2のテンションローラーにより構成される請求項8記載の電極製造装置。
  10. 前記第1のローラーを収納すると共に前記処理室に対して区画された第1の収容室と、
    前記第2のローラーを収納すると共に前記処理室に対して区画された第2の収容室と、
    前記処理部による前記電極シートの処理中において、前記処理室の圧力が前記第1の収容室の圧力及び前記第2の収容室の圧力よりも高くなるように、各圧力を調整する圧力調整部と、
    が設けられる請求項4ないし9のいずれか一つに記載の電極製造装置。
  11. 前記電極シートに積層される長尺な重ねシートがロールツーロールにより搬送され、
    前記第1のローラーは、前記電極シート及び前記重ねシートに共用される巻き取り用のローラーであり、
    前記第1の処理室が設けられ、当該第1の処理室内には、
    前記重ねシートの送り出し側のロールを保持する第4のローラーと、
    巻き取られる前記電極シートにテンションを付与する第2のテンション付与部と、
    巻き取られる前記重ねシートにテンションを付与する第3のテンション付与部と、
    が設けられる請求項4ないし10のいずれか一つに記載の電極製造装置。
  12. 前記重ねシートは複数の別個のシートであり、前記第4のローラー及び第3のテンション付与部は、当該重ねシート毎に設けられる請求項11記載の電極製造装置。
  13. 前記電極シートはリチウムイオン電池の負極を構成し、
    複数の前記重ねシートは、前記リチウムイオン二次電池の正極、セパレーターを夫々構成する請求項12記載の電極製造装置。
  14. 前記第1のローラーの前記電極シートの巻き取り中に、当該第1のローラーの高さを変更する高さ変更機構が設けられる請求項4ないし13のいずれか一つに記載の電極製造装置。
  15. 処理室内において長尺な電極シートを長さ方向に、ロールツーロールによって搬送する工程と、
    前記処理室に設けられ、軸方向が前記電極シートの搬送方向と交差する回転軸を備える回転体を、前記電極シートの搬送中に回転させる工程と、
    処理部により前記処理室を搬送中の前記電極シートに向けて粉体を供給して処理する工程と、
    前記回転体に設けられたマスクを前記電極シートとの干渉を防ぐために、前記搬送方向に対して直交する方向において異なる第1の位置と第2の位置との間で移動させる工程と、
    前記マスクにより、前記第1の位置において前記電極シートを覆って当該電極シートへの前記粉体の供給を局所的に防ぐ工程と、
    を備える電極製造方法。
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