JP2000313813A - 放射線照射用樹脂組成物 - Google Patents

放射線照射用樹脂組成物

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JP2000313813A
JP2000313813A JP12241199A JP12241199A JP2000313813A JP 2000313813 A JP2000313813 A JP 2000313813A JP 12241199 A JP12241199 A JP 12241199A JP 12241199 A JP12241199 A JP 12241199A JP 2000313813 A JP2000313813 A JP 2000313813A
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Katsuhiro Noguchi
克弘 野口
Eiichi Amano
詠一 天野
Tatsuya Urushibara
達也 漆原
Toshiaki Shimizu
利明 清水
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Okura Industrial Co Ltd
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Okura Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性に優れた熱可塑性樹脂組成物で、電子
線やγ線等の放射線を照射しても黄変難い放射線照射用
樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂に、紫外線吸収剤として、
2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラ
−ヒドロフタルイミド−メチル)−5−オクチルフェニ
ル]ベンゾトリアゾール、及び、2−[4,6−ビス
(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノールの少
なくとも一方を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線照射用樹脂
組成物に関する。詳しくは、耐候性に優れた樹脂組成物
で、加えて放射線を照射しても黄変し難い組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の合成樹脂
材料は光や熱の作用によって劣化し、機械的強度が低下
したり、表面でクラックが発生したり、変色したりする
ことがあり、そのため長期の使用には耐えないことが知
られている。そこで、このような合成樹脂材料の光や熱
に対する耐久性を高め、長期に渡る使用に供する為に、
各種安定剤を添加することが一般的に行われている。特
に屋外で使用される用途、或いは太陽光等の光に曝され
る用途に供される合成樹脂材料には、紫外線吸収剤やヒ
ンダードアミン系光安定剤が単独或いは組み合わされて
用いられている。
【0003】ところで、合成樹脂からなる各種成形品
は、単にフィルム或いは成型品等へ成形され、そのまま
使用される事が勿論可能ではあるが、その機能或いは意
匠性等を高める為に、二次加工が施される事が多くなっ
てきた。そうして、その二次加工の際に、しばしば電子
線が照射される。例えば成形品の表面硬度を向上させ耐
傷付き性を改良する目的で、表面にオーバーコートが施
される場合がある。これらオーバーコート剤の中には電
子線やγ線等の高エネルギーによって硬化させる型があ
るが、この様なオーバーコート剤を用いた場合は、該コ
ート剤を硬化させる為に各種成形品へ電子線やγ線等の
放射線を照射する必要がある。また、各種成形品を形作
る樹脂の性質を変えるために、しばしば該樹脂を架橋さ
せることがあるが、この場合も放射線照射によることが
多い。更にまた、成形品が包装袋や包装容器等である場
合、内容物を殺菌する目的で放射線が照射されることも
あった。
【0004】更に、近年、耐候性が求められる成形品に
対し、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が
配合された耐候性樹脂組成物を用いて成形品を製造し、
更に該成形品の付加価値を高めるために二次加工を施す
ことがあるが、該二次加工の際に放射線を照射すると、
成形品が黄変することがあった。該黄変現象は、成形品
に濃色の印刷を施したり、成形品を濃色に着色したりす
る場合あまり問題にならないが、無色、或いは薄色の成
形品を作る場合、成形品の印象を大きく変えてしまうた
め問題となってきた。そこで、耐候性に優れ、尚かつ放
射線照射によって黄変しない樹脂組成物の開発が求めら
れた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、耐候性に優れた熱可塑性樹脂組成物で、電
子線やγ線等の放射線を照射しても黄変し難い放射線照
射用樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、耐候処方
を施した成形品が電子線照射によって黄変する主たる原
因を鋭意検討した結果、樹脂組成物中に含まれる紫外線
吸収剤による影響が大きいことをつきとめた。そうし
て、各種の紫外線吸収剤の放射線による影響を研究した
結果、特定の紫外線吸収剤は放射線照射によって黄変し
難いことを見出し、本発明に至った。
【0007】即ち、本発明によると上記課題を解決する
ための手段として、熱可塑性樹脂に、紫外線吸収剤2−
[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラ−ヒ
ドロフタルイミド−メチル)−5−オクチルフェニル]
ベンゾトリアゾール、及び紫外線吸収剤2−[4,6−
ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリア
ジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール
の少なくとも一方を添加したことを特徴とする放射線照
射用樹脂組成物が提供され、更に、前記熱可塑性樹脂が
オレフィン系樹脂であることを特徴とする前記放射線照
射用樹脂組成物が提供される。
【0008】また、合成樹脂材料の耐候性を向上させる
手段の一つとして、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系
光安定剤を併用する事が提案されており、また実用に供
されている。本発明の放射線照射用樹脂組成物において
も、前記紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を
併用する事が可能である。尚、熱可塑性樹脂に前記紫外
線吸収剤を添加した本発明の組成物(A)と、同じ熱可
塑性樹脂に前記されていない紫外線吸収剤、例えば2−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾールを添加した組成物
(B)を用意し、それぞれに同種類のヒンダードアミン
系光安定剤を加え、成形品を製造し、その後放射線を照
射すると、本発明による樹脂組成物(A)からなる成形
品の方が、黄変度がはるかに小さい。
【0009】しかしながら本発明者等は、本発明で限定
される紫外線吸収剤に対し併用されるヒンダードアミン
系光安定剤の種類による放射線照射時の黄変度に対する
影響に関し鋭意検討を重ねた。その結果、本発明で限定
される紫外線吸収剤に特定のヒンダードアミン系光安定
剤を併用した場合、放射線照射時の黄変現象を更に抑制
する効果があることを見出した。
【0010】即ち、本発明によると、次の[化2]で示
される構造を分子内に有するヒンダードアミン系光安定
剤を添加したことを特徴とする前記放射線照射用樹脂組
成物が提供される。
【化2】 (但し、式中Rは水素原子を除く)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の放射線照射用樹脂組成物
は、熱可塑性樹脂と紫外線吸収剤からなり、好ましくは
更にヒンダードアミン系光安定剤が添加される。熱可塑
性樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジ
メチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル等のポリ
エステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等の
ポリビニル、熱可塑性ポリウレタン、アイオノマー樹
脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂等、従来から各種
成形品に用いられている樹脂と同様の樹脂を、特に限定
なく用いることができる。
【0012】しかしながら、本発明の黄変を抑制する効
果は熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂である場合、特に
良好に発揮することができる。オレフィン系樹脂として
は、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセ
ン、4−メチルペンテン、ヘプテン、オクテンなどのα
―オレフィンの単独あるいは共重合体、これらのαオレ
フィンの過半量と酢酸ビニル等のビニルエステル、アク
リル酸、無水マレイン酸やメタクリル酸メチル等の不飽
和有機酸等との共重合体、これら共重合体を変性処理し
たもの等をあげることができる。具体的には、低、中或
いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エ
チレン−4−メチルペンテン共重合体、エチレン−プロ
ピレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、プロピレン−ヘキセン−ブテン共重
合体等を例示することができる。
【0013】次に、紫外線吸収剤であるが、ベンゾトリ
アゾール系の2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ルベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メ
チル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2’ヒドロキシ−5’−t−オクチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキ
シ−3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキ
シ−3−(3,4,5,6−テトラ−ヒドロフタルイミ
ド−メチル)−5−オクチルフェニル]ベンゾトリアゾ
ール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3
−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェノール]]、トリアジン系の、
2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−
2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノー
ル、2−[4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−
1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチル
オキシ)フェノール等が知られているが、ベンゾトリア
ゾール系の2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,
6−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5−オク
チルフェニル]ベンゾトリアゾール、若しくはトリアジ
ン系の2−[4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)
−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチ
ルオキシ)フェノールを用いると、放射線の照射による
黄変が少ないので、本発明に於いてはこれらの紫外線吸
収剤を用いることとする。
【0014】前記二種の紫外線吸収剤は単独で使用して
も良いし、混合品を用いることもできる。尚、紫外線吸
収剤の添加量は特に限定されないが100〜30000
0ppmが好ましく、特に100〜100000ppmが好ま
しい。該範囲よりも少ないと十分な紫外線吸収効果が期
待できず、逆に該範囲を超えて添加しても、耐候性の向
上が期待できないばかりか、紫外線吸収剤のブリードア
ウトによる商品価値の低下を招く場合が生じる。
【0015】また、樹脂組成物の耐候性を向上させるた
めには、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を
併用することが好ましい。中でも、次の[化3]で示さ
れる構造を分子内に有するヒンダードアミン系光安定剤
を用いると、放射線照射用樹脂組成物の黄変を、より小
さく抑えることができる。
【化3】 (式中Rは水素原子を除く)
【0016】この様なヒンダードアミン系光安定剤とし
ては、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキ
シエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン重縮合物、N,N’−ビス(3−アミ
ノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブ
チル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピ
ペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリア
ジン縮合物、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6
テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボキシラート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル/トリデシル−1,2,3,4−ブタンテ
トラカルボキシラート、{1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラ
メチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,
4ブタンテトラカルボキシレート、ポリ[(6−モルフ
ォリノ−S−トリアジン−2,4−ジ)[1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル]イミノ]−ヘ
キサメチレン[(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)イミノ]]等があげられる。これら特
定のヒンダードアミン系光安定剤は単独で使用しても良
いし、複数の混合品も用いることもできる。尚、ヒンダ
ードアミン系光安定剤の添加量は特に限定されないが1
00〜300000ppmが好ましく、特に500〜50
000ppmが好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤の
添加量が該範囲よりも少ないと十分な効果が期待でき
ず、逆に該範囲を超えて添加しても、耐候性の向上が期
待できないばかりか、製品のコストが高くなってしま
う。
【0017】尚、本発明に用いられる特定の紫外線吸収
剤並びに特定のヒンダードアミン系光安定剤を熱可塑性
樹脂に添加する方法は特に制限を受けず、一般に用いら
れる方法をそのまま適用する事ができる。
【0018】また、本発明の放射線照射用樹脂組成物
に、前述した紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定
剤の他にも、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止
剤、ホスファイト系酸化防止剤等の酸化防止剤を、必要
に応じて加えることができる。更に必要に応じて、本発
明の組成物に、重金属不活性化剤、金属石けん、ハイド
ロタルサイト類、可塑剤、エポキシ化合物、発泡剤、帯
電防止剤、難燃剤、滑剤、加工助剤、染料、顔料、充填
剤、ソルビトール類および芳香族リン酸エステル金属塩
などの造核剤等を包含させる事もできる。更にまた、安
定剤等、各種添加剤等を加えることもできる。
【0019】また、本発明の放射線照射用樹脂組成物か
ら製造される成形品については特に限定されず、例えば
家屋の内、外装材、自動車の内、外装材、各種成形品や
該成形品の表面を被覆するシート等を例示することがで
きるが、これに限定されるものではない。また、本発明
の組成物からなる成形品は単一構成でなく、例えば多層
構成であっても良い。
【0020】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に
説明する。
【0021】[実施例1]添加剤無添加のポリプロピレ
ンホモポリマー(MFR=5)に対しベンゾトリアゾー
ル系の紫外線吸収剤であるUVA−1を5000pp
m、フェノール系の酸化防止剤であるAO−1を500
ppm、及びホスファイト系酸化防止剤であるAO−2
を1000ppmを加えた混合物をミキシングロールで
十分に溶融混錬して電子線照射用組成物を作製した。
尚、UVA−1、AO−1、AO−2は下記に示す化合
物を指す。得られた電子線照射用組成物を熱盤温度19
0℃でプレス成形して、厚み250μmのシートを得
た。得られたシートの色調をミノルタ製CR−200測
色計(光源D65、CIELAB表色系)を用いて測定
した後、シートに加速電圧200kVで照射線量5Mradの
電子線を照射した。電子線照射後、再度測色し電子線照
射前後の色差を求めた。その結果を表1に示す。
【0022】UVA−1:2−[2−ヒドロキシ−3−
(3,4,5,6−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチ
ル)−5−オクチルフェニル]ベンゾトリアゾール AO−1:ペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート] AO−2:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト
【0023】[実施例2、比較例1〜3]紫外線吸収剤
として表1に示す化合物を用いて、実施例1と同じ配合
で、実施例1と同様の実験を行なった。実験の結果を表
1に示す。ここで、UVA−2、UVA−3、UVA−
4、UVA−5は下記の化合物を指す。
【0024】UVA−2:2−[4,6−ビス(2,4
ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イ
ル]−5−(オクチルオキシ)フェノール UVA−3:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−
ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール UVA−4:2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,αジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾ
トリアゾール UVA−5:2,2’−メチレンビス[4−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)フェノール]]
【0025】
【表1】
【0026】紫外線吸収剤として、UVA−1、UVA
−2を用いた場合に、放射線照射前後での色差が少なか
った。尚、通常色差が1.5未満であると、目視ではほ
とんど変色を認められない。また色差が1.5〜3.0
の場合、軽微な変色はあるが、通常、製品の美観を低下
させるにまでは至らない。更に視差が3.0を越える
と、変色の度合いが大きく、用途にもよるが製品の美観
を低下させることがある。
【0027】表1から、紫外線吸収剤として2−[2−
ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラ−ヒドロフ
タルイミド−メチル)−5−オクチルフェニル]ベンゾ
トリアゾール、或いは、2−[4,6−ビス(2,4ジ
メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イ
ル]−5−(オクチルオキシ)フェノールを添加した樹
脂組成物は、電子線による変色が小さいことが明らかで
ある。
【0028】[実施例3、4]実施例1の配合に、ヒン
ダードアミン系光安定剤であるHALS−1、或いはH
ALS−2を表2に示す割合で加え、得られる樹脂組成
物に対して実施例1と同様の実験を行なった。実験の結
果を表2に示す。尚、ここでHALS−1、HALS−
2は下記の化合物を指す。
【0029】HALS−1:コハク酸ジメチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物 HALS−2:ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラ
メチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,
4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]
【0030】
【表2】
【0031】表2の結果から明らかなように、本発明の
放射線照射用樹脂組成物は、光安定剤として本発明で特
定するヒンダードアミン系光安定剤を用いた方が、他の
光安定剤を用いた場合よりも電子線照射による変色を小
さく抑えることができる。また表1に示す実施例1と表
2に示す実施例3を比較すると、本発明の樹脂組成物は
紫外線吸収剤を単独で用いる場合よりも、本発明で特定
するヒンダードアミン系光安定剤を併用した方が、相乗
効果によって電子線照射による変色を更に抑制すること
がわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明の放射線照射用樹脂組成物は、紫
外線吸収剤或いは、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系
光安定剤を含有しており、耐候性に優れる。また、特定
の紫外線吸収剤を使用しており、放射線を照射しても、
黄変現象を製品の美観が低下しない程度(色差3.0以
下)に抑えることができる。また、ヒンダードアミン系
光安定剤として特定のものを用いると、黄変現象を更に
抑制することができ、目視では殆ど認められない程度
(色差1.5以下)に抑えることができる。よって本発
明による樹脂組成物は、家具や家屋、自動車等の表面を
被覆する化粧シートのように、耐候性、及び美観が必要
で、且つ電子線やγ線等の放射線を照射する加工が行わ
れることがある用途に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 利明 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB031 BB051 BB061 BB071 BB081 BB091 BB121 BB151 BB171 BB231 BC031 BE021 BF021 CF031 CF051 CF061 CF071 CK021 CL001 EU077 EU087 EU176 EU186 FD047 FD056

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂に、紫外線吸収剤2−[2
    −ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラ−ヒドロ
    フタルイミド−メチル)−5−オクチルフェニル]ベン
    ゾトリアゾール、及び紫外線吸収剤2−[4,6−ビス
    (2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
    −2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノールの少
    なくとも一方を添加したことを特徴とする放射線照射用
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂で
    あることを特徴とする請求項1記載の放射線照射用樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 更に、次の[化1]で示される構造を分
    子内に有するヒンダードアミン系光安定剤を添加したこ
    とを特徴とする請求項2記載の放射線照射用樹脂組成
    物。 【化1】 (但し、式中Rは水素原子を除く)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016098305A (ja) * 2014-11-20 2016-05-30 富士フイルム株式会社 セルロースアシレートフィルム、偏光板および表示装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016098305A (ja) * 2014-11-20 2016-05-30 富士フイルム株式会社 セルロースアシレートフィルム、偏光板および表示装置

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