JP2000312430A - 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続部 - Google Patents

架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続部

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JP2000312430A
JP2000312430A JP11115875A JP11587599A JP2000312430A JP 2000312430 A JP2000312430 A JP 2000312430A JP 11115875 A JP11115875 A JP 11115875A JP 11587599 A JP11587599 A JP 11587599A JP 2000312430 A JP2000312430 A JP 2000312430A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続部
内のプレモールドストレスコーンと補強絶縁体及び/又
はケーブル絶縁体との間で絶縁破壊及び熱破壊を生ずる
ことがないようにする。 【解決手段】 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル1
2、12’の接続部10内のプレモールドストレスコー
ン28と補強絶縁体30及び/又はケーブル絶縁体16
との間の接続界面に高誘電体層42を設け、この高誘電
体層42は、0.5〜2.0の厚みで周方向と長手方向
とにほぼ均一に形成され、特にこの高誘電体層は、0.
5〜1.5mmの厚みと5〜20の誘電率とを有するこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリエチレン
絶縁電力ケーブルの接続部の改良に関し、特に、ケーブ
ル絶縁体と補強絶縁体との界面の電気特性を向上させる
ことができる架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続
部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル(以
下CVケーブルと称する)は、その優れた絶縁性と取扱
の容易さとから超高圧電力ケーブルとして用いられてい
る。特に275kV級の電力ケーブルとして既に長距離
線路に実用化されており、また500kV級の長距離線
路として布設することが計画されている。このような超
高圧電力ケーブルは、きわめて高い電気的ストレスの下
で使用されるため、線路に微小な欠陥があっても絶縁破
壊を起こし、線路の品質を低下する。
【0003】また、長距離線路には電力ケーブルの接続
部が必要不可欠であるが、今まで275kV級の超高圧
ケーブルの線路には押出しモールド型の補強絶縁体が主
に用いられている。しかし、押出しモールド型の補強絶
縁体を有する接続部は、補強絶縁体を現地で押出し成形
する必要があるため、現地に押出し設備を設置する必要
があり、作業性が低い欠点があった。
【0004】一方、最近、接続部の補強絶縁体を工場で
予め成形するプレハブ型の接続部が実用化されてきてい
る。これは、施工時間を大幅に短縮し、補強絶縁体中の
欠陥を向上で管理することができる利点を有するが、こ
のプレハブ型の接続部の絶縁補強体とプレモールドスト
レスコーンとが相互に異なる材質で形成されると、両者
の間で接続界面が形成され、この接続界面が高い電気的
ストレスを受けると、絶縁破壊を起こして電気的弱点と
なる欠点がある。従って、プレモールドストレスコーン
と絶縁補強体とを同じ材質で作るのが好ましいが、これ
らを同じ材質で作ってもこれらを形成するプロセスが異
なるため、接続界面を完全になくすことができない。
【0005】また、プレハブ型の絶縁補強体とプレモー
ルドストレスコーンとを現地で接続部に組み込む際に、
周囲の雰囲気中に含まれる異物がプレモールドストレス
コーンと絶縁補強体又はケーブル絶縁体との界面部分に
混入したり、この界面部分に空隙が生じたりして絶縁特
性を阻害する虞がある。特に、前者の異物の侵入を防止
するためには、接続部の施工時にクリーンルームを設置
する必要があるが、長距離線路では多数の接続部が必要
となるので、多数のクリーンルームを設置しなければな
らないため、これは、接続作業に多大の費用を必要とす
る上に、クリンールーム内で接続作業を行っても界面で
の電気特性を低下するのに充分な数百μmの異物の混入
を完全に防止することはきわめて困難であった。
【0006】このような補強絶縁体又はケーブル絶縁体
とプレモールドストレスコーンとの間の接続界面の電気
特性の低下を防止するために、この接続界面に高誘電体
層を設けることが提案されている(特開昭60−161
15号公報、実開平4−118731号公報等参照)。
しかし、この高誘電体層の厚みが大きいと、特に大容量
送電用の154kV以上の超高電圧ケーブルの接続部に
適用した場合には、この接続部内で高誘電体層が負担す
る電圧分担が大きくなり、この高誘電体層自体の絶縁破
壊によって接続部の電気性能を低下する虞がある。
【0007】特に、実開平4−118731号公報に記
載の接続部に設けられた高誘電体層は、長手方向に厚み
が不均一となっていてストレスコーンの先端に向けて厚
みが大きくなっており、これは、ストレスコーンの先端
に電界が集中して電界を均一化することができないた
め、この先端で絶縁破壊が生ずる傾向がある。
【0008】更に、一般に、高誘電体組成物の耐絶縁性
がXLPE等の他の一般的な絶縁物に比べて低く、従っ
て高誘電体層の絶縁破壊を防止するために、補強絶縁体
の絶縁厚みを一層大きくすることが考えられる。しか
し、補強絶縁体の厚みを大きくすると、超高電圧ケーブ
ルの接続部全体が大型化し、この超高電圧ケーブルを洞
道内に敷設することが実用上難しくなる。また、高誘電
体組成物は、高誘電性を付与するために、逆に誘電損失
が大きくなり、高誘電体層の厚みが大きくなると、この
誘電体層自体の誘電損失による発熱に起因する熱破壊を
生ずる虞もある。従って、このような絶縁破壊及び熱破
壊を生ずることがない限界の厚みを有する高誘電体層を
備えたケーブル接続部は、22〜66kV程度の比較的
低圧のケーブルに適用することができるにすぎない。
【0009】また、プレモールドストレスコーンは、そ
の成形時に、図4(A)及び図4(B)に示すように、
ストレスコーンの絶縁ゴム24と半導電ゴム26との間
の界面で半導電ゴム26の凹部26a、凸部26b等の
成形不良が生じる傾向があるが、これは、これらの部分
26a、26bでの電界集中を発生して同様に絶縁破壊
を生ずる虞があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する1つの課題は、プレモールドストレスコーンと補強
絶縁体との間及び/又はプレモールドストレスコーンと
ケーブル絶縁体との間で絶縁破壊及び熱破壊を生ずるこ
とがなく、超高電圧に適用することができる架橋ポリエ
チレン絶縁電力ケーブルの接続部を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の課題解決
手段は、架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの口出しさ
れた架橋ポリエチレンのケーブル絶縁体の上にゴム絶縁
体と半導電性ゴムのストレスコーンとが一体にして形成
されたプレモールドストレスコーンとこのプレモールド
ストレスコーンの上に設けられた補強絶縁体とを備え、
プレモールドストレスコーンと補強絶縁体との間の接続
界面とプレモールドストレスコーンとケーブル絶縁体と
の間の接続界面との一方又は双方に、ケーブル絶縁体、
補強絶縁体とゴムストレスコーンのいずれよりも高い誘
電率を有する高誘電体層を有する架橋ポリエチレン絶縁
電力ケーブルの接続部において、前記高誘電体層は、
0.5〜2.0の厚みで周方向と長手方向とにほぼ均一
に形成されていることを特徴とする架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルの接続部を提供することにある。
【0012】本発明の第2の課題解決手段は、第1の課
題解決手段による記載の架橋ポリエチレン絶縁電力ケー
ブルの接続部であって、高誘電体層は、0.5〜1.5
mmの厚みと5〜20の誘電率とを有することを特徴と
する架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続部を提供
することにある。
【0013】このように、プレモールドストレスコーン
と補強絶縁体との間の接続界面及び/又はプレモールド
ストレスコーンとケーブル絶縁体との間の接続界面に高
誘電体層を有すると、これらの接続界面にかかる電界が
均一化されるので、これらの接続界面に異物が存在した
り、プレモールドストレスコーンの成形不良があっても
これらのよる電界の集中が抑制されるが、この電界の均
一化は、高誘電体層の厚みを0.5mm以上として周方
向及び長手方向の厚みを均一化することにより達成され
る。高誘電体層の厚みが0.5mmよりも小さいと、周
方向にも長手方向にも高誘電体層を均一の厚みで形成す
ることが難しい。
【0014】また、高誘電体層の厚みが2.0mm以下
とすると、154kV以上の超高電圧ケーブルの接続部
でも高誘電体層の電圧分担が大きくなったり、誘電損失
による熱破壊を生ずることがない。特に、高誘電体層の
厚みが1.5mm以下であることが超高電圧ケーブルに
適用した場合の接続部内での電圧分担を抑制し、熱破壊
を防止する上で好ましい。
【0015】更に、高誘電体層の誘電率が5以上20以
下としたが、これは、誘電率が5未満、特に2〜3程度
では、補強絶縁体又はケーブル絶縁体の誘電率に対する
高誘電体層の誘電率の比率が小さくなるため、所望の電
界緩和効果を得ることができないし、また誘電率が20
を越えると、高誘電体層自体が形成する先端部分への電
界の集中を生じ、絶縁破壊を起こすからである。特に、
154kV以上の超高電圧ケーブルの接続部では、高誘
電体層の誘電率が20を越えると、それ自体の発熱によ
る熱破壊を生ずるので好ましくない。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して詳細に述べると、図1は本発明に係る架橋ポリエチ
レン絶縁電力ケーブルの接続部10を示し、接続すべき
2つの架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル12、12’
は、コア14とその上に施された架橋ポリエチレンのケ
ーブル絶縁体16とその上の外部導電層18(図2参
照)と更にその上に設けられた保護外被20とから成っ
てる。これらの電力ケーブル12、12’は、コア1
4、ケーブル絶縁体16を段剥ぎして口出しされる。
【0017】接続部10は、電力ケーブル12、12’
の口出しされたコア14を導体圧着スリーブ22A等の
適宜の手段で相互に接続して形成されたコア接続部22
と、架橋ポリエチレンのケーブル絶縁体16の上にゴム
絶縁体24と半導電性ゴムのストレスコーン26とが一
体にして形成されたプレモールドストレスコーン28
と、このプレモールドストレスコーン28の上に設けら
れた補強絶縁体30とを備えてる。接続部外被32は、
補強絶縁体30の回りに設けられ、この接続部外被32
と電力ケーブル12、12’の保護外被20、20との
間に跨がって接続容器34、34’が設けられ、これら
の接続容器34、34’内にはプレモールドストレスコ
ーン28をそのテーパに沿って中央に向けて押し付ける
ばね36、36’が設けられている。尚、図2に示すよ
うに、補強絶縁体30の外周には外部半導電層38が設
けられ、またコア接続部22の外周には高圧電極40が
設けられている。
【0018】本発明の接続部10は、プレモールドスト
レスコーン26と補強絶縁体30との間の接続界面に高
誘電体層42を有し、この高誘電体層42は、0.5〜
2.0の厚みを有し、更に好ましくは、0.5〜1.5
mmの厚みと5〜20の誘電率とを有する。
【0019】高誘電体層42を形成する材料としては、
ベース樹脂にカーボンブラック及び/又は高誘電体粒子
を配合した組成物を用いるのが好ましい。ベース樹脂と
しては、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム
等の合成ゴム、VLDPE、メタロセン触媒を用いて製
造されたポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・
アクリル酸メチル共重合体等の樹脂が掲げられる。これ
らは、特に、高誘電体層42を押出し成形、射出成形で
成形するのに適する上に高誘電体粒子を配合し易いので
好ましい。更に、高誘電体粒子としては、炭化ケイ素、
酸化チタン、チタン酸バリウム、高誘電体セラミック等
が掲げられる。
【0020】このように、プレモールドストレスコーン
28と補強絶縁体30との間の接続界面に高誘電体層4
2を有し、この高誘電体層42の厚みが0.5mm以上
であると、高誘電体層42の厚みを周方向にも長手方向
にも均一にすることができるので、この接続界面にかか
る電界が均一化される。これは、この接続界面に異物が
存在しても異物への電界の集中を有効に抑制するのに役
立つ。従って、電力ケーブル12の接続部10の絶縁設
計上、異物寸法の許容値が大きくなる。これは、接続作
業時の異物混入の管理を容易にし、クリーンルームなし
で接続作業を行うのを可能にする。
【0021】また、高誘電体層42の厚みが2.0mm
以下であると、154kV以上の超高電圧ケーブルの接
続部10でも高誘電体層42の電圧分担が大きくなった
り、誘電損失による熱破壊を生ずることがなく、高誘電
体層42の介在による電気特性の劣化を防止することが
できる。特に、高誘電体層42の厚みが1.5mm以下
であると、超高電圧ケーブル12、12’に適用した場
合の接続部10内での電圧分担及び熱破壊を一層有効に
抑制することができるので好ましい。
【0022】更に、高誘電体層42の誘電率が5未満、
特に2〜3程度では、補強絶縁体30の誘電率に対する
高誘電体層42の誘電率の比率が小さくなりすぎるた
め、所望の電界緩和効果を得ることができない。また、
高誘電体層42の誘電率が20を越えると、高誘電体層
42自体が形成する先端部分への電界の集中を生じ、絶
縁破壊を起こす。特に、154kV以上の超高電圧ケー
ブルの接続部10では、高誘電体層42の誘電率が20
を越えると、それ自体の発熱による熱破壊を生ずるので
好ましくない。従って、高誘電体層42の誘電率は5〜
20であることが好ましい。
【0023】尚、上記実施の形態では、高誘電体層42
は、プレモールドストレスコーン28と補強絶縁体30
との間の接続界面にのみ設けられたが、この高誘電体層
42は、プレモールドストレスコーン28とケーブル絶
縁体16との間の接続界面にも設けることができ(図3
(B)参照)、この場合の高誘電体層42の厚み及び誘
電率は、プレモールドストレスコーン28と補強絶縁体
30との間の高誘電体層42のそれと同じとする。この
ようにすると、プレモールドストレスコーン28の成形
時に生ずる傾向がある図3に示すようなゴムストレスコ
ーン26の凹凸等の成形不良による電界集中を防止し、
これに起因する絶縁破壊が生ずるのを有効に阻止するこ
とができる。
【0024】これらの高誘電体層42は、図3(A)乃
至図3(C)に示すように、プレリモールドストレスコ
ーン28の成形時に一体に成形することができる。図3
から解るように、この高誘電体層42は、電界が最も高
くなる傾向がある接続部の端部から接続部中心付近まで
延びるように形成するのが好ましく、特にケーブル絶縁
体16のペンシリング処理を施して形成されたペンシリ
ング肩端部の平坦部まで延びているのが好ましい。
【0025】次に、本発明の4つの実施例を3つの比較
例及び1つの従来例と共に述べる。いずれの例でも、2
75kV級で1×2000mm2 のCVケーブルを加熱
し直出しして段剥ぎした後に、図1に示すように、プレ
モールドストレスコーン28及び補強絶縁体30を組み
立てて接続部10を製造した。実施例1乃至4及び比較
例1及び2に用いられた高誘電体層の厚み及び誘電率並
びにこれらの例と比較例3、従来例の施工方法(クリー
ンルームの設置の有無、異物処理の有無)は表1に掲げ
られた通りである。尚、異物処理は、図1の高誘電体層
42上でその左端から50cm斜め上方の位置に500
μmの銅粉を混入して行われた。また、この表1におい
て比較例1の誘電体層の誘電率の項には『形成不可』と
記載されているが、これは0.3mmの厚みでは高誘電
体層を均一に形成することができないことを意味し、従
って誘電率も測定することができなかった。
【0026】
【表1】
【0027】また、これらの例で形成されたCVケーブ
ルの接続部について300kVの初期電圧と50kV/
ステップの昇圧ステップで各ステップ毎に30分の保持
時間を維持して交流電圧破壊試験を行ったところ、表2
に示す通りの試験結果が得られた。
【0028】
【表2】
【0029】表2から解るように、異物処理を施さなか
った実施例1乃至3では、交流電圧破壊試験結果で95
0kVの電圧を印加するまでステップアップしても絶縁
破壊しないことが確認され、異物処理を施した実施例4
では850kVの電圧を印加した後、25分間で絶縁破
壊を生じたが、依然として超高電圧にも耐えることが確
認された。尚、これらの実施例では、接続作業時に、ク
リーンルームを設置しなかった。
【0030】一方、比較例1は、表1に示すように、高
誘電体層の厚みが0.3mmであったため、高誘電体層
を均一に形成することができないので、交流電圧破壊試
験に供することができなかった。比較例2では高誘電体
層の厚みが4mmと比較的大きく、クリーンルームを設
置しないで異物処理を施さないでも、表2に示すよう
に、650kVの印加電圧で12分後絶縁破壊が生じ
た。更に、比較例3では高誘電体層を用いることなく、
クリーンルームを設置して接続作業を行い、異物処理を
行って絶縁破壊試験を行ったところ、更に低い550k
Vの印加電圧で15分後に絶縁破壊を生じた。また、比
較例4では、厚みが0.7mmと本発明の範囲にある
が、誘電率が35と大きい高誘電体層を用い、クリーン
ルームを設置することなく、また異物処理を行うことな
く絶縁破壊試験を行ったところ、実施例の破壊電圧より
も相当に低い800kVの印加電圧で21分後に絶縁破
壊した。最後に、従来例では、比較例3と同様に、高誘
電体層を用いることなく、クリーンルームを設置して接
続作業を行ったが、異物処理を行うことなく絶縁破壊試
験を行ったところ、950kVの印加電圧でも絶縁破壊
を生ずることがなかった。このように、従来例では、実
施例1乃至3と同様に高い破壊電圧に耐えることができ
るが、クリーンルームを使用するので、接続作業が煩雑
となることが解る。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、プレモ
ールドストレスコーンと補強絶縁体との間又はプレモー
ルドストレスコーンとケーブル絶縁体との間の接続界面
に高誘電体層を有し、この高誘電体層の厚みを0.5m
m以上としたので、高誘電体層の厚みを周方向にも長手
方向にも均一にすることができ、この接続界面にかかる
電界が均一化されるので、この接続界面に異物が存在し
ても異物への電界の集中を有効に抑制するのに役立ち、
従って電力ケーブルの接続作業時の異物混入の管理を容
易にし、クリーンルームなしで接続作業を行うことがで
きる。
【0032】また、高誘電体層の厚みが2.0mm以下
であるので、154kV以上の超高電圧ケーブルの接続
部でも高誘電体層の電圧分担が大きくなったり、誘電損
失による熱破壊を生ずることがなく、高誘電体層の介在
による電気特性の劣化を防止することができ、特に高誘
電体層の厚みが1.5mm以下であると、超高電圧ケー
ブルに適用した場合の接続部内での電圧分担及び熱破壊
を一層有効に抑制することができる。
【0033】更に、高誘電体層42の誘電率が5以上で
あるため、所望の電界緩和効果を得ることができ、また
高誘電体層の誘電率が20以下であるため、高誘電体層
自体が形成する先端部分への電界の集中を生じることが
ない上に、高誘電体層自体の発熱による熱破壊も生ずる
ことがない。
【0034】また、プレモールドストレスコーンとケー
ブル絶縁体との間の接続界面に設けられた高誘電体層
は、プレモールドストレスコーンの成形時に生ずる傾向
があるゴムストレスコーンの凹凸等の成形不良による電
界集中を防止し、これに基づく絶縁破壊も有効に阻止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブ
ルの接続部の断面図である。
【図2】本発明の要部の拡大断面図である。
【図3】高誘電体層が一体に成形されたプレモールドス
トレスコーンの幾つかの例を示し、同図(A)は補強絶
縁体側の高誘電体層が設けられたプレモールドストレス
コーンの拡大断面図、同図(B)はケーブル絶縁体側の
高誘電体層が設けられたプレモールドストレスコーンの
拡大断面図、同図(C)は補強絶縁体側とケーブル絶縁
体側との両方に高誘電体層が設けられたプレモールドス
トレスコーンの拡大断面図である。
【図4】プリモールドストレスコーンのゴムストレスコ
ーンの成形不良を示し、同図(A)は成形不良が凸部で
ある場合の拡大断面図、同図(B)は成形不良が凹部で
ある場合の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続部 12 電力ケーブル 12’ 電力ケーブル 14 コア 16 ケーブル絶縁体1 18 外部導電層 20 保護外被 22 コア接続部 22A 導体圧着スリーブ 24 ゴム絶縁体 26 半導電性ゴムのストレスコーン 26a 凹部 26b 凸部 28 プレモールドストレスコーン 30 補強絶縁体 32 接続部外被 34 接続容器 34’ 接続容器 36 ばね 36’ ばね 38 外部半導電層 40 高圧電極 42 高誘電体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/00 CES C08L 101/00 (72)発明者 島田 道宏 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA10 AA15 AA15X AA20X AA28X AA33X AA76 AB03 AB19 AB26 AB29 AE22 AF40 BB05 BB06 4J002 AC091 BB031 BB061 BB071 BB151 DA036 DE136 DE186 DJ006 DM006 FD206 GQ01 5G355 AA03 BA12 BA18 CA23 5G375 AA02 BA26 BB81 CA04 CA18 CB03 CB05 CB12 CB27 CB39 CB44 EA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの口
    出しされた架橋ポリエチレンのケーブル絶縁体の上にゴ
    ム絶縁体と半導電性ゴムのストレスコーンとが一体にし
    て形成されたプレモールドストレスコーンと前記プレモ
    ールドストレスコーンの上に設けられた補強絶縁体とを
    備え、前記プレモールドストレスコーンと前記補強絶縁
    体との間の接続界面と前記プレモールドストレスコーン
    と前記ケーブル絶縁体との間の界面の一方又は双方に、
    前記ケーブル絶縁体、前記補強絶縁体及びゴムストレス
    コーンのいずれよりも高い誘電率を有する高誘電体層を
    有する架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続部にお
    いて、前記高誘電体層は、0.5〜2.0の厚みで周方
    向と長手方向とにほぼ均一に形成されていることを特徴
    とする架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続部。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の架橋ポリエチレン絶縁
    電力ケーブルの接続部であって、前記高誘電体層は、
    0.5〜1.5mmの厚みと5〜20の誘電率とを有す
    ることを特徴とする架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル
    の接続部。
JP11587599A 1999-04-23 1999-04-23 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの接続部。 Expired - Fee Related JP3779840B2 (ja)

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